JP2002078780A - 電子線照射方法とその装置 - Google Patents

電子線照射方法とその装置

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JP2002078780A
JP2002078780A JP2000330075A JP2000330075A JP2002078780A JP 2002078780 A JP2002078780 A JP 2002078780A JP 2000330075 A JP2000330075 A JP 2000330075A JP 2000330075 A JP2000330075 A JP 2000330075A JP 2002078780 A JP2002078780 A JP 2002078780A
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irradiated
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Takashi Yamakawa
隆 山川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒体中央部分に低密度部位を、その両外側に
高密度部位を有する例えばドライタイプのダイアライザ
等において、電子線照射線量分布を略1.5倍程度に抑
えることの出来る電子線照射装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】 液体が充填されていない被照射物中央部
の低密度部位、その両端側に軸方向に薄肉の高密度部位
を備えた筒状医療機器と、該医療機器に高エネルギの電
子線を照射させる電子線照射部と、前記電子線の照射域
を交差する方向に前記筒状医療機器を移動させる移動手
段とからなる電子線照射装置において、前記医療機器を
回転させることなく、電子線照射方向に対し略20〜6
0°傾斜させる傾斜手段を備え、該傾斜手段により傾斜
させた状態で、傾斜医療機器を所定方向に搬送させなが
ら高エネルギの電子線を照射する事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライタイプの血
液処理モジュール等のように内部に中空部を有する医療
機器に高エネルギの電子線を照射しながら殺菌等の所期
の目的を達成する電子線照射方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半透膜の中空糸状毛細管内を
血液を通過させながらその管周囲を流れる透析液によ
り、前記管膜を介した両流体の濃度勾配に基づく分子拡
散等により尿毒症原因物質等を排出する血液透析用ダイ
アライザは公知であり、かかるダイアライザ1の形状は
図5に示すように、多数本の中空糸状毛細管35の上下
両端をウレタン製接着剤部分10で偏平円形に保持する
とともに、これをリング状の毛管ホルダ21で固定し、
これらを円筒状のケース20で包被した上で、該ケース
20の上下両端に夫々キャップ22、23により螺着さ
れた漏斗状の血液流入部26と血液流出部27とを固定
する。
【0003】かかる血液透析用ダイアライザ1は血液が
循環するものであるために、当然のごとく十分滅菌して
使用せねばならず、その滅菌方法の1つとして電子線照
射滅菌装置が開発されている。
【0004】かかる装置は、電子線の加速電圧を大きく
することで、医療用具等を滅菌可能とするもので、被照
射物の耐熱性や残留毒性の心配がなく、更に滅菌処理時
間が極めて短時間で処理が可能であるとともに、電源を
切れば、瞬時に照射を停止でき、環境上の安全性が高
く、滅菌コスト面からも安価である等の有利性を有す。
更に、γ線照射との違いは、材料劣化が小さいと言われ
ていることである。このため、材料選択の範囲が広がる
可能性がある。
【0005】しかし、電子線照射の欠点はγ線照射と異
なり透過力が小さく、その透過距離は照射される物質の
密度と厚みの積で定義される嵩密度に依存すると言われ
ている。従って前記のように血液透析用ダイアライザ1
においては、嵩密度が比較的高いために、電子線照射時
に一製品中の各部位間の線量分布(最大線量と最小線量
との比)が大きくなり、その値が大きいほど、材料劣
化、溶出物析出等に問題を生じていた。
【0006】具体的には、照射基準を最大線量部位に合
わせると、最小線量位置での滅菌が不十分になり、又照
射基準を最小線量部位に合わせると、前記ダイアライザ
は一般に有機材料で製造されているために、最大線量位
置で過大照射となり、材料の劣化や着色等の問題が生じ
てしまう可能性がある。
【0007】この為、照射による透過力の不足を補うた
めに、表裏両面から電子線を照射する両面照射方式が考
えられるが、前記ダイアライザ1のように嵩密度の大き
い被照射物を照射する高エネルギの電子線照射装置は金
額的にも極めて高く、これらの高価な装置を複数設置す
る事は採算性の面からも極めて困難である。而も前記の
ような高密度で円筒形の組み合わせからなる被照射物に
両面照射を実施したとしても、片側と片側で左右に断面
略半円状に線量分布が生じるために、最大線量と最小線
量との比が2倍以上と十分大きく、実用性に届かないも
のであった。
【0008】かかる課題を解消するために、本出願人は
先に被照射物を電子線照射窓に対し1回転を超えて回転
させることを特徴とする電子線照射による血液処理モジ
ュールを代表とする医療機器等の滅菌方法を提案してい
る。(特開2000−135274号) 一方、このような医療機器等の滅菌方法においては、生
産性の向上を図るために、電子線照射装置の電子線照射
域で被照射物を停止させて回転させるのではなく、被照
射物は矢印方向に進行するコンベアに搭載された回転支
持装置の上に載せられ、回転と搬送移動しながらコンベ
アの幅方向に直線状にビーム走査している電子線照射域
を通過させるものである。
【0009】特に有効電子線照射領域内における電子線
の線量分布は搬送方向に対して中心部で高く、周辺部で
低くなっているため、回転と搬送移動を組合せながら照
射領域内で回転させると、線量分布の少ない概ね均一な
線量を照射することに工夫を要する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このため、前記先願技
術においては、有効電子線照射領域内で被照射物を1回
転を超えて回転させることが必要である旨記述してあ
り、特に血液処理モジュールにおいては、電子線の線量
分布(最大線量と最小線量との比)を一般的に1.5倍
程度に抑えることが必要とされるが、前記先願照射方法
では重合照射部分と非重合部分の区別を明瞭にしない
と、ダイアライザを回転させて電子線を照射した場合、
前記線量分布が1.5倍を越えてしまう恐れがある。ま
た、該被照射物を回転させることにより、設備コストが
かさむ上に、回転させるための設備が必要となり機構が
複雑となり設備の信頼性が低下する。
【0011】さて、被照射物としてのダイアライザは種
々のメーカが製造しているが、その中に前記中空糸膜群
が収納されている筒体内に液を充填せず、筒体内部空間
に不活性ガス等の気体若しくは負圧を封入したドライタ
イプのものが存在する。このようなドライタイプのもの
は、前記中空筒内に液が充填されているウエットタイプ
のものに比較して、更に問題は複雑である。その理由
は、前記したようにダイアライザは、多数本の中空糸状
毛細管35の上下両端をウレタン製の接着剤で保持する
とともにこれをリング状の毛管ホルダ21で固定してい
る形状を有するが、これを、円筒状のケース20から見
ると、毛管ホルダ21が有するケース20の上下両端は
ウレタン製接着剤部分10やキャップ22、23が存在
するために、円周全域に亘って高密度であり、一方前記
上下の毛管ホルダ21に挟まれる筒体中空部分25は内
部空間が気体封止状態であるために低密度である。
【0012】従ってこのような低密度部位と高密度部位
が混在しているものを、例え回転させても又非回転で
も、電子線の線量分布を1.5倍程度に抑えるには筒体
の高密度部位の線量を高く、低密度部位の線量との間を
効果的に変えなければならない。
【0013】本発明はかかる技術的課題に鑑み、筒体中
央部分に低密度部位をその両外側に高密度部位を有する
例えばドライタイプのダイアライザ等において、電子線
照射線量分布(最大線量と最小線量との比)が略1.5
倍程度に抑えることの出来る、主として滅菌に使用する
電子線照射方法とその装置を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】先ず、本発明に至った経
過を順を追って説明する。前記のようなダイアライザ
は、エネルギの大きい電子線を用いて滅菌を行うが、産
業応用として許される電子線エネルギの最大値は10M
eVとなっている。従って、エネルギ5MeV〜10M
eVの高エネルギ電子線照射装置であれば市販されてお
り、そして、10MeVの電子線が透過可能な嵩密度は
略5g/cm である。ここで、図4において、H:製
品の電子線透過方向の厚み(cm)、ρ:製品の密度
(g/cm)、σ:10MeVの電子線が透過可能な
嵩密度は5.192g/cmである。またY軸は線量
比(最大線量/最小線量)を示す。従って例えば、被照
射物(ダイアライザ)に10MeVの電子線を照射する
と、嵩密度が略2.5g/cm2までは線量比が増加す
るが、嵩密度が略3.5g/cm2を超えると、被照射
物の最大線量照射部位と最小線量照射部位との線量分布
比が1.5倍を越えてしまう恐れがある。
【0015】次にかかる電子照射装置を用いてダイアラ
イザの軸線が電子線照射方向に対し直交する方向に配置
して電子線を照射した場合の作用を図3(A)に基づい
て説明する。(いわゆる水平配置) 図3(A)に示すように、ダイアライザ1を水平配置し
た場合、円周全域に亘って比重が略1に近いウレタン接
着剤によって中空糸膜が固着されている筒体の両端部分
10A、10Bにおいては、嵩密度が略4g/cm
後において、最大線量照射部位と最小線量照射部位との
線量分布比が2〜3倍を越えてしまう恐れがある。即
ち、特に大型のダイアライザは嵩密度が7g/cm
度のものまである為に、ダイアライザを回転させない前
記照射方法では、筒体の上下両端部分の照射方向の嵩密
度が5g/cm以上であるために、当然の如く線量分
布比が増大してしまう。
【0016】一方ウレタン接着剤部分10の存在しない
気体封止の筒体中空部分25では、筒体自体の嵩密度A
1(数mm前後×2)と、中空糸膜の膜部分の嵩密度B
1の総計であるために、全体の嵩密度「A1+B1」は
3g/cmを越える事はなく、より具体的には2〜3
g/cm程度であり、当然の如く線量分布比は1.5
倍程度に収まる。
【0017】次に考えられるのが、図3(B)に示すよ
うにダイアライザ1を縦置きした状態で、電子線を照射
した場合である。(縦置き) この場合は、中空糸膜が固着されているウレタン接着剤
部分10は縦方向には偏平でその嵩密度は1g/cm
前後である。してみると図3(B)に示すように、縦方
向に照射すれば、扁平なウレタン接着剤部分10におい
て上下一対で最大でも2cm程度である。ただし、上側
の接着剤部分10Aと下側の接着剤部分10Bで電子線
照射方向の距離が筒方向に長くなり、結果として電子線
の拡散により、前記ウレタン接着剤部分10の上側と下
側で、電子線の減衰率が大きくなりそれを考慮する必要
があるが、それでも線量分布比を1.5倍程度に収める
ことは可能である。
【0018】しかしながら筒部の長さ方向においては、
筒体長さ方向の距離分だけ照射方向の厚みが生じ、全体
の厚みは軸方向長さであるために15cm以上になって
しまい、当然の如く線量分布比のみならず、照射できな
い部位が出来てしまう。本発明はかかる水平置きと縦置
きの長所のみを取りだし、欠点を解消させて線量分布比
を1.5倍程度に収める事の出来るものである。
【0019】即ち、本発明は、図1右部に示すようにダ
イアライザ1を斜め置きして筒方向の距離を短くすると
ともに、ウレタン接着剤部分10の照射線方向の厚肉化
を防いでいる。即ち、電子線照射方向に対し、縦置きの
場合を傾斜角度を0°、水平置きの場合を90°にした
場合、接着剤部分10は筒体軸線に対し、直交する面で
あるために、電子線照射方向の嵩密度はコサイン角(C
os)で作用する。又筒方向の距離はサイン角(Si
n)が作用する。従って前記ダイアライザ1を電子線照
射方向に対し、60°傾けた場合(水平角に対しては3
0°)、扁平な接着部分10の嵩密度が上下一対で最大
1.5〜2g/cm程度であっても、前記コサイン角
が60°であるために照射方向の嵩密度は2倍、即ち3
〜4g/cmとなるが、上側の接着剤部分10Aと下
側の接着剤部分10Bで電子線照射方向の距離について
は、コサイン角の逆数で、軸方向距離が1/2になる。
【0020】従ってかかる角度と距離では、電子線の減
衰率を考慮しても線量分布比を1.5倍程度に収めるこ
とが可能である。
【0021】一方上側の接着剤部と下側の接着剤部に挟
まれる中央の筒体中空部分25では、「筒体自体の嵩密
度A1(数mm前後)と、中空糸膜の膜部分の実際の嵩
密度B1」がサイン角の逆数が作用し、(「A1+B
1」/Sin60°)となり、その増加率は高々20%
程度であり、横置きの場合と同様であり、問題が生じな
い。
【0022】そして前記傾斜角を60°から0°方向に
起立させて行くに、扁平なウレタン接着部については、
コサイン角が60→0°に低減するために照射方向の嵩
密度は2倍から低減し、好ましいが、上側の接着剤部分
10Aと下側の接着剤部分10Bとの間の電子線照射方
向の距離については、コサイン角の逆数で作用するため
に、軸方向距離が1/2倍から1倍に上昇し、距離が拡
がることになる。
【0023】従ってかかる角度低減では、距離増に伴う
電子線の減衰を考慮しなければならず、且つこの傾斜角
度の限度はダイアライザの大小によって異なるが、全長
が30cm程度以上の大きいものは距離による減衰の比
率が大きいために45°以下へは起立させるのが難しい
が、20cm程度の小さいものは距離による減衰の比率
が小さいために30°程度まで起立させても線量分布比
を1.5倍程度に収めることが可能である。
【0024】一方上側の接着剤部と下側の接着剤部に挟
まれる中央の中空部分25では前記したようにサイン角
の逆数が作用し、(「A1+B1」/Sin45°〜3
0°)となり、その増加率は40%〜2倍程度であり、
電子線の減衰率を考慮しても線量分布比を1.5倍程度
に収めることが可能である。
【0025】本発明はかかる知見に基づいて発明された
もので、請求項1に記載のように、筒体中央部に液体が
充填されていない低密度部位、その両側の筒体端側に軸
方向に薄肉の高密度部位を備えた筒状医療機器に、高エ
ネルギの電子線を照射してなる電子線照射方法におい
て、前記医療機器を回転させることなく、電子線照射方
向に対し略20〜60°傾斜させた状態で、所定方向に
搬送させながら高エネルギの電子線を照射する事を特徴
とする。
【0026】尚、本発明が最も有効に活用できる医療機
器は、特にメディカル用途において、照射滅菌線量とし
てドライタイプの血液処理モジュール以外に、血漿交換
治療や人工透析治療(HD、HDF、HF)、人工肝
臓、エンドトキシンフィルタ、バイオリアクター等が適
用される。
【0027】請求項2記載の発明は、前記筒状医療機器
の傾斜が、搬送方向に沿って傾斜され、電子線は搬送方
向と直交する面内に照射されている事を特徴とする。さ
らに、請求項2記載の発明に対して請求項3記載の発明
は、前記医療機器をコンベア上に載置する別の方法で、
前記筒状医療機器の傾斜が、搬送方向と略直交して傾斜
され、電子線が該医療機器の略長手方向断面内に照射さ
れることを特徴とする。
【0028】請求項4記載の発明はかかる発明を効果的
に達成する装置に関する発明で、液体が充填されていな
い筒体中央部の低密度部位、その両側の筒体端側に軸方
向に薄肉の高密度部位を備えた筒状医療機器と、該医療
機器に高エネルギの電子線を照射させる電子線照射部
と、前記電子線の照射域を交差する方向に前記筒状医療
機器を移動させる移動手段とからなる電子線照射装置に
おいて、前記医療機器を回転させることなく、電子線照
射方向に対し略20〜60°傾斜させる傾斜手段を備
え、該傾斜手段により傾斜させた状態で、傾斜医療機器
を所定方向に搬送させながら高エネルギの電子線を照射
する事を特徴とする。
【0029】かかる筒状医療機器は、前記したように樹
脂製の中空筒体内に多数本の中空糸状毛細管を収納する
とともに、該毛細管の上下両端を接着剤で保持し、該接
着剤部をリング状の毛管ホルダで固定するとともに、該
ホルダで挟まれる筒体中央部に液体が充填されていない
低密度部位を形成してなる血液処理モジュールに好適に
適用されるが、それのみに限定されない。
【0030】尚、前記傾斜手段は、可能な限り薄肉のス
テンレスからなる治具に立掛けた状態で傾斜させる傾斜
手段を構成するのがよい。即ち、前記治具に有機材料を
用いてもよいが、有機材料は電子線の照射により着色や
劣化が生じてしまい、この点ステンレスはこのようなこ
とがなく、而も衛生面及び取扱いの容易さを有するとと
もに、走査方向各部位の電子線吸収量の均一化を可能と
し、これにより例えば前記容器においては照射ムラが無
く、かつ無用な電子線の過剰照射に起因する樹脂製被照
射物の着色や劣化を阻止しつつ、一方電子線の照射不足
に起因する殺菌不良等の品質の悪化の発生を防止し得
る。勿論前記傾斜手段は、ステンレスのみに限定される
ものではなく、その他に、耐食性に優れた金属やSiC
等のセラミック材若しくは石英ガラスを用いて構成して
も良い。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施
形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、そ
の相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この
発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明
例にすぎない。
【0032】本発明の実施形態について、図2(A)、
(B)、(C)を参照して説明する。図2は前記ステン
レス治具を用いた本発明の実施形態に係る電子線滅菌装
置で、図2(A)、(B)は被照射物を搬送方向に傾斜
させて照射を行なった場合で、(A)はコンベア搬送側
から見た正面概略図、図2(B)はその断面図で、
(C)は被照射物を搬送方向に直交して傾斜させて照射
を行なった場合の断面図である。本実施形態に用いる被
照射物(ダイアライザ)1は、図5に示すドライタイプ
の血液透析用ダイアライザ1である。そして前記傾斜手
段としてを、電子線照射方向に対し20〜60°の間で
5°刻みに傾斜させたステンレス製治具4を用意する。
前記治具4には、肉厚0.3mmと肉厚0.6mmのス
テンレス板を用いたが、該ステンレス製治具4は必ずし
も板状にする必要はなく、収納するダイアライザ1の外
接円に合わせて円弧状等に形成でき、高さ(角度)調整
が可能に構成している。
【0033】電子線照射装置5は、末広がり状に形成し
た偏平角錐状の走査ホーンを垂直に配設し、該ホーン基
側に設けた一対の走査磁石(不図示)によりステンレス
製治具4の中心軸線上に沿って垂直方向にビーム走査を
行なうように構成される。そして前記電子線照射装置5
はエネルギー10MeVの電子線が走査ホーン出口部の
照射窓より出射可能に構成されている。
【0034】6は前記電子線照射装置5の照射域を電子
線と直交する方向に移動するチェーンコンベアで、該コ
ンベア6には搬送方向に沿って前記傾斜治具4を配設
し、該治具4上にダイアライザ1を電子線照射方向に対
し20〜60°の間で5°刻みに夫々傾けて配設する。
該コンベア6に用いるベルトは電子線透過性のよいチェ
ーンベルトを用いるのがよい。
【0035】又前記コンベア6の搬送速度Vはダイアラ
イザ1の最大外径とその密度の積によって定まり、例え
ば大型のダイアライザ(直径60mm)においては、
0.1m/分、小型のダイアライザ(直径30mm)に
おいては0.2m/分のように設定する。
【0036】かかる実施形態により、前記一列状のダイ
アライザ1を立掛けた治具4を載置した状態で、コンベ
ア6を搬送しながら前記電子線照射装置5よりエネルギ
ー10MeVの電子線をダイアライザ1にビーム照射し
ながら、前記電子線照射装置5の有効電子線照射域を傾
斜状態で搬送させることにより前記電子線照射装置5よ
りエネルギー10MeVの電子線がダイアライザ1にム
ラなく照射される。
【0037】そして前記照射窓より照射されるビームの
水平断面においてほぼ正規分布状のビームを得、そして
例えば前記照射窓よりダイアライザ1の4軸心位置まで
の距離を略60cmに設定することにより、該ダイアラ
イザ4軸心位置における有効電子線照射領域における半
値幅が略9cmの線量分布を以てビーム照射されるよう
に設定される。
【0038】かかる装置において前記傾き角度が45°
の場合前記大型のダイアライザの線量分布は1.42と
なり、又照射方向に対する傾き角が40°ではその線量
分布は1.36となり、また、傾き角が35°では線量
分布が略1.5となり、いずれもモジュール全体の線量
分布も目標である1.5程度を達成することができる。
しかしながら傾き角が20°の場合はその線量分布は大
幅に1.5倍を越えていた。
【0039】更に小型のダイアライザ(直径30mm)
においては前記傾き角度が25°の場合、モジュール全
体の線量分布は、概ね1.32となった。又照射方向に
対する傾き角が20〜40°ではいずれもそのモジュー
ル全体の線量分布が概ね1.3〜1.5と、目標である
1.5程度を達成することができた。
【0040】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、被照
射物における最大線量照射部位と最小線量照射部位との
線量分布の開きが大きくなることなく、その電子線量分
布を1.5倍程度に抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ドライタイプのダイアライザを傾斜させた本
発明の基本構成図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る電子線滅菌装置のコ
ンベア搬送側から見た正面概略図と側面図である。
【図3】 ドライタイプのダイアライザを横置き照射し
たものと、縦置き照射したものの比較構成図である。
【図4】 電子線照射における電子線線量比の厚み方向
の変化を表したグラフ図である。
【図5】 本発明の被照射物である血液透析用ダイアラ
イザの形状を示す。
【符号の説明】 1 血液透析用ダイアライザ 4 ステンレス製治具 5 電子線照射装置 6 コンベア

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体が充填されていない筒体中央部の低
    密度部位、その両側の筒体端側に軸方向に薄肉の高密度
    部位を備えた筒状医療機器に、高エネルギの電子線を照
    射してなる電子線照射方法において、 前記医療機器を回転させることなく、電子線照射方向に
    対し略20〜60°傾斜させた状態で、所定方向に搬送
    させながら高エネルギの電子線を照射する事を特徴とす
    る電子線照射方法。
  2. 【請求項2】 前記筒状医療機器の傾斜が、搬送方向に
    沿って傾斜され、電子線は搬送方向と直交する面内に照
    射されることを特徴とする請求項1記載の電子線照射方
    法。
  3. 【請求項3】 前記筒状医療機器の傾斜が、搬送方向と
    略直交して傾斜され、電子線が該医療機器の略長手方向
    断面内に照射されることを特徴とする請求項1記載の電
    子線照射方法。
  4. 【請求項4】 液体が充填されていない筒体中央部の低
    密度部位、その両側の筒体端側に軸方向に薄肉の高密度
    部位を備えた筒状医療機器と、該医療機器に高エネルギ
    の電子線を照射させる電子線照射部と、前記電子線の照
    射域を交差する方向に前記筒状医療機器を移動させる移
    動手段とからなる電子線照射装置において、 前記医療機器を回転させることなく、電子線照射方向に
    対し略20〜60°傾斜させる傾斜手段を備え、該傾斜
    手段により傾斜させた状態で、傾斜医療機器を所定方向
    に搬送させながら高エネルギの電子線を照射する事を特
    徴とする電子線照射装置。
  5. 【請求項5】 前記筒状医療機器が、樹脂製の中空筒体
    内に多数本の中空糸状毛細管を収納するとともに、該毛
    細管の上下両端を接着剤で保持し、該接着剤部をリング
    状の毛管ホルダで固定するとともに、該ホルダで挟まれ
    る筒体中央部が液体が充填されていない低密度部位を形
    成してなる血液処理モジュールであることを特徴とする
    請求項4記載の電子線照射装置。
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