JP2000325441A - 電子線照射方法 - Google Patents

電子線照射方法

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JP2000325441A
JP2000325441A JP11142069A JP14206999A JP2000325441A JP 2000325441 A JP2000325441 A JP 2000325441A JP 11142069 A JP11142069 A JP 11142069A JP 14206999 A JP14206999 A JP 14206999A JP 2000325441 A JP2000325441 A JP 2000325441A
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electron beam
irradiated
beam irradiation
dose
belt conveyor
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JP11142069A
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Takashi Yamakawa
隆 山川
Tomoko Murase
智子 村瀬
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立体形状の被照射物に対し、生産性の向上を
図りつつ電子線量分布を抑えることの出来る、滅菌に使
用する電子線照射方法の提供。 【解決手段】 立体被照射物の表面域から中心域までに
高エネルギの電子線を照射しながら殺菌等の所期の目的
を達成する電子線照射方法において、前記電子線照射方
向と対面して被照射物近傍に設置した一又は複数の反射
板から反射する電子線により被照射物表面域の吸収線量
を付加させることにより、表面域と中心域間の吸収線量
の均一性を高め、特に前記反射板が内部に冷却部を具え
た冷却機能付き反射板であるとともに、該反射板の少な
くとも反射面側にタングステン、金等の原子番号の大き
い金属若しくは金属膜で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば血液処理モ
ジュール等の医療機器のように、立体的で複雑な形状を
した被照射物に高エネルギの電子線を照射しながら殺菌
等の所期の目的を達成する電子線照射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半透膜の中空糸状毛細管内を
血液を通過させながらその管周囲を流れる透析液によ
り、前記管膜を介した両流体の濃度勾配に基づく分子拡
散等により尿毒症原因物質等を排出する血液透析用ダイ
アライザは公知であり、かかるダイアライザ1の形状は
図7に示すように、多数本の中空糸状毛細管35をその
上下両端で保持するリング状の毛管ホルダ21を具え、
これらを円筒状のケース20で包被するとともに、該ケ
ース20の上下両端に夫々キャップ22、23により螺
着された漏斗状の血液流入部26と血液流出部27とを
固定する。又、前記円筒状ケース20の上下両側の側面
には細筒状の透析液流入口24と流出口25とを突設さ
せている。
【0003】かかる血液透析用ダイアライザ1は血液が
循環するものであるために、当然のごとく十分滅菌して
使用せねばならず、その滅菌方法には、従来より高圧蒸
気滅菌、エチレンオキシドガス滅菌、γ線滅菌などが開
発されている。
【0004】さらに近年は、電子線照射が、その加速電
圧を大きくすることで、医療用具等を滅菌可能とする方
法が注目されている。電子線照射による滅菌法は、高圧
蒸気滅菌法のように、被照射物の耐熱性が問題になるこ
となく、又エチレンオキシドガス法のような残留毒性の
心配がなく、更にエチレンオキシドガス法、γ線照射法
のように滅菌処理時間が長くなく短時間で処理が可能で
ある。また、電源を切れば、瞬時に照射を停止し、γ線
の照射施設のような放射性物質の保管に関する配慮は不
要で環境上の安全性が高く、コスト面からも安価である
等の有利性を有す。更に、γ線との違いは、材料劣化が
小さいと言われていることである。このため、材料選択
の範囲が広い利点がある。
【0005】しかし、電子線照射の欠点はγ線照射と異
なり透過力が小さく、その透過距離は照射される物質の
密度と厚みの積に依存すると言われている。従って、こ
れまで電子線照射法を滅菌法として採用したほとんどの
製品は、手術用手袋、手術用シート、手術着、縫合糸、
等の比較的形状が均一で単一部材からなるものであり、
比較的容易に照射可能であった。
【0006】しかしながら、中空糸からなる人工透析装
置や人工肺などの人工臓器と呼ばれる医療用具は、前記
したように立体的で複雑な形状を有している。特に前記
のように血液透析用ダイアライザ1は、単なる円筒形状
ではなく、厚肉の円筒ケース20の両端に、リング状毛
管ホルダ21やキャップ22、23が取り付けられてお
り、又ケース20側面に、細筒状の透析液流入口24と
流出口25が突設されており、この為、軸方向にも周方
向にも厚肉(高密度)で且つ複雑な形状となっていた。
【0007】従って、血液透析用ダイアライザ1におい
ては各部位の面密度の違いが大きく、電子線照射時に一
製品中の線量分布(最大線量と最小線量との比)が大き
くなり、その値が大きいほど、安全性、製品管理、性能
等に問題を生じていた。具体的には、照射基準を最大線
量に合わせると、最小線量位置での滅菌が不十分にな
り、又照射基準を最小線量に合わせると、前記人工臓器
は一般に有機樹脂で製造されているために、最大線量位
置で過大照射となり、材料の劣化や着色が生じてしま
う。
【0008】この為、照射による線量分布のバラツキを
抑えるために、表裏両面から電子線を照射する両面照射
方式が考えられるが、血液透析用ダイアライザ1のよう
に面密度の大きい被照射物を照射する高加速度の電子線
照射装置は金額的にも極めて高く、これらの高価な装置
を複数設置する事は採算性の面からも極めて困難であ
り、而も前記のような高密度で円筒形の組み合わせから
なるような複雑な形状をした被照射物に両面照射を実施
したとしても、線量分布(最大線量と最小線量との比)
が2倍以上と十分大きく、尚、実用性に届かないもので
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる欠点を解消する
ために、特開平8−275991号において、高い線量
が当たる部位に線量を吸収するためのシールド部材を用
いる従来技術が開示されている。かかる技術は、被照射
物夫々に、例えばタングステンを含有させた軟質塩化ビ
ニルからなるシールドシートを線量が過多となる部分に
固定して電子線照射を行なうものであるが、個々の被照
射物全てに線量が過多となる部分にシールドシートを固
定することは、その固定作業が極めて煩雑化し、実用的
でない。
【0010】又前記従来技術は表面側の線量分布につい
て考慮しているのみで、中心域と表面域との線量分布
(最大線量と最小線量との比)の開きには何等考慮され
ていない。特に、ダイアライザはいずれも円筒ケースの
中空部内に多数本の中空糸状毛細管が充填されており、
この毛細管まで円筒ケースの表面側との間の線量分布が
生じることなく電子線を照射する必要がある。
【0011】かかる欠点を解消するために、本出願人は
先に被照射物を電子線照射窓に対し1回転を超えて回転
させることを特徴とする電子線照射による血液処理モジ
ュールを代表とする医療機器等の滅菌方法を提案してい
る。(特願平10−312378号、以下先願技術とい
う。未公知)
【0012】さて、このような医療機器等の滅菌方法に
おいては、生産性の向上を図るために、電子線照射装置
の下の電子線照射域で被照射物を停止させて回転させる
のではなく、被照射物は矢印方向に進行するコンベアに
搭載された回転支持装置の上に載せられ、回転と搬送移
動しながらコンベアの幅方向に直線状にビーム走査して
いる電子線照射域を通過させるものである。
【0013】しかるに、前記のように回転を組合せて搬
送移動を行なうと、被照射物としてのダイアライザはそ
の円筒ケースの周面側面に、細筒状の透析液流入部24
と流出部25が突設されており、この為該ダイアライザ
の回転半径はケースの外径ではなく、前記流入部や流出
部の突設部を含む大径の仮想円となってしまい、このよ
うな大径の仮想円に基づいてベルトコンベア等の被照射
物搬送方向に沿う配列間隔を設定すると、隣接するケー
ス間で空隙間隔が大きくなり、その空隙を電子線が通過
し、結果として電子線の無駄な照射量が多くなり、生産
コストの面等で問題があった。
【0014】本発明はかかる技術的課題に鑑み、中心域
と表面域との線量分布(最大線量と最小線量との比)の
開きが大きくなることなく、その電子線量分布を1.5
倍以内に抑えることの出来る、主として滅菌に使用する
電子線照射方法を提供することを目的とする。本発明の
他の目的は、立体構造の被照射物に対し、回転且つ所定
方向に搬送させながら電子線照射を行なう場合にも、生
産性の向上を図りつつ高エネルギの電子線を有効に且つ
均等に照射し得る電子線照射方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
立体被照射物の表面域から中心域までに高出力の電子線
を照射しながら殺菌等の所期の目的を達成する電子線照
射方法において、前記電子線照射方向と対面して被照射
物近傍に設置した一又は複数の反射板から反射する電子
線により被照射物表面域の吸収線量を付加させることに
より、表面域と中心域間の吸収線量の均一性を高めるこ
とを特徴とする。
【0016】この場合、前記電子線反射板は原子番号の
大きい金属若しくは金属膜、例えばタングステン板や金
板若しくはステンレス板に金メッキを施した部材で形成
する事により、約10%以上の電子線の反射が期待でき
る。又、前記反射板は高エネルギの電子線の吸収により
発熱する恐れがあるために、内部に水冷管等の冷却部を
具えた冷却機能付き反射板であるのがよい。
【0017】請求項2記載の発明は、かかる点を特定し
たもので、前記反射板が内部に冷却部を具えた冷却機能
付き反射板であるとともに、該反射板の少なくとも反射
面側にタングステン、金等の原子番号の大きい金属若し
くは金属膜で形成したことを特徴とする。
【0018】尚、反射板の配設位置は被照射物近傍、例
えば数mmから数cm程度被照射物と離して配置させる
のがよい。又、電子線反射板の反射面形状は平板形状で
も、又被照射物の所定部位に電子線を集束させる集束
(集光)面形状、具体的には椀形、U字状に形成しても
よい。
【0019】本発明を具体的に説明する。前記したよう
にダイアライザのような複雑な立体照射物に対しては、
エネルギーの大きい電子線を用いれば大型の被照射物ま
で滅菌が可能であるが、産業応用として許される電子線
エネルギーの最大値は10MeVとなっており、且つ市
販されている。そしてこの10MeVの電子線を片面照
射した場合に、例えば図8に示すように、密度と厚みの
積が約2.5(g/cm2)までは照射した線量に対し
て、線量比が1.2まで増加し、その後3(g/c
2)から急激に低下し、約3.5(g/cm2)で0.
8になる。
【0020】従って、線量分布を1.5以内に収めるた
めには、片面照射では密度と厚みの積が約3.5(g/
cm2)までの(最大線量1.2/最小線量0.8)薄
肉のものしか利用できない。
【0021】この為、先願技術においては、前記血液処
理モジュールを回転させて10MeVの電子線を照射す
る場合に、電子線照射方向に対し、被照射物が回転若し
くは電子線照射域通過毎に逐次角度変位させながら電子
線照射を行なう技術を提案している。
【0022】ここで電子線照射域通過毎に逐次角度変位
させるとは、前記被照射物をベルトコンベア等で電子線
照射域を通過する毎に、前記円筒形部の中心軸線を中心
として所定角度ずつ被照射物の照射位置を変更させなが
ら、繰り返し電子線照射域を通過させるもので、例えば
3回通過させる場合には120°ずつ角度変位させて累
積照射を行ない、又5回通過させる場合には72°ずつ
角度変位させて累積照射を行なうものである。
【0023】しかしながら前記の方策を取っても表面域
の均一化が図れるのみで、中心域の照射量は片面照射の
場合と変わらず、従って前記回転若しくは累積照射を行
なっても中心までの距離に比例して変化する。即ち、図
8に見るように、片面照射すると、10MeV電子線の
飛程が5.192g/cm2で且つ被照射物密度(g/
cm3)を1とした場合に、中心までの距離が約2〜
2.5cm(直径5cm)までは線量比が1.2まで増
加し、その後3cm(直径6cm)から低下し、約3.
5cm(直径7cm)で0.8になる点は前記した通り
である。
【0024】一方、表面線量においては、被照射物が回
転若しくは累積照射しているために、前記のような軌跡
を取らず、直径が2.5cmまでのものは僅かに上昇
し、直径が大きくなるに連れ低下するが、その低下は直
径5cm前後で変曲点を有し、以降なだらかな減少カー
ブとなる。このようなカーブを持つ理由は、図8のよう
に、直径5cmまでのものは片面照射で、被照射物の裏
面まで電子線が透過し、それ以上の直径では被照射物の
裏面まで透過しないため、表面線量が減少する傾向とな
ると推定される。
【0025】従って、例えば直径が5〜6cmの被照射
物に電子線を回転照射すると、中心線量比が1.2、表
面線量比が0.7〜0.8と、線量分布が1.5を越え
てしまう。この場合、中心線量比を維持して表面線量比
を上げることが出来れば、線量分布を1.5以下に低減
させることが出来る。本発明は、かかる点に着目したも
のである。
【0026】即ち反射板で反射した電子線は、10〜2
0%程度にその加速度が低下しているために、例えその
状態で立体形状の被照射物に反射電子線を照射した場合
でも、立体被照射物の中心域まで透過することなく表面
域のみの吸収が行なわれる。言換えれば表面線量のみの
増加が図られ、中心線量は何等増加しない。この結果、
直径が5〜6cmの被照射物にあっても線量分布が1.
5以下に低減させることが出来る。
【0027】この場合、請求項3に記載のように、前記
被照射物をベルトコンベア等で電子線照射域を通過する
方向に搬送させながら、被照射物が回転若しくは電子線
照射域通過毎に逐次角度変位させて電子線照射を行なう
のがよい。
【0028】請求項4記載の発明は、一又は複数の被照
射物を筒状容器内に収納した状態で反射板と組合せた電
子線照射を行なうことを特徴とする。本発明を図2に従
って説明するに、筒なしの場合は、例えば血液透析用ダ
イアライザ3の場合、被照射物密度が略1前後の為に、
線量分布(表面線量/中心線量=最小線量/最大線量)
の最も大きい直径が5cmの場合の中心線量は1.2、
表面線量は0.8とその線量分布は1.5倍あったこと
は前記の通りである。一方、ステンレス筒内に収納して
電子線を照射した場合は、ステンレス筒の肉厚が0.3
mmの場合は中心線量は1.12、表面線量は0.9と
その線量分布は1.24倍と大幅に縮小されている。こ
の状態で更に反射板の反射効果を加えると、表面線量は
0.97とその線量分布は1.15倍と更に縮小されて
いる。
【0029】そして前記筒状容器は、薄肉ステンレスか
らなる円筒若しくは略楕円状容器であるのがよい。尚、
ステンレスは電子線による劣化が小さいが、密度(被照
射物密度)が高いために、余りに厚いとステンレス筒を
通過する際の線量の絶対値が低下し、被照射物の電子線
照射不足が生じるために、最大2mm以下、好ましくは
1mm以下がよく、又0.1mm以下では筒体を用いた
メリットが達成されない。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例
に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発
明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例
にすぎない。
【0031】本実施形態では、図7に示す血液透析用ダ
イアライザ1を用いて行なった。尚、本発明が最も有効
に活用できる医療機器は、これ以外に血液処理モジュー
ルが好ましい。特にメディカル用途において、照射滅菌
線量として水浸漬状態で15〜35KGy程度が好まし
く用いられている。血液処理モジュールとは、血漿交換
治療や人工透析治療(HD、HDF、HF)、人工肝
臓、エンドトキシンフィルタ、バイオリアクター等の医
療及び産業用途等、各種用途に用いられている。なお、
HDはHemo Dialysis(血液透析)、HDFはHemo DiaF
iltration(血液濾過透析)、HFはHemo Filtration
(血液濾過)である。
【0032】そしてこのようなモジュールは、前記した
ように片面照射では電子線が届きにくいため、図4に示
すように、回転照射を行なうことにより、均等な線量
(具体的には最大線量と最小線量の比が1.5倍以下)
での電子線滅菌を可能とすることが出来る。
【0033】又このような複雑な立体形状のモジュール
の電子線滅菌装置として10MeVの電子線照射装置を
用いた。
【0034】本発明の実施形態について、図3及び図4
を参照して説明する。尚、図3は本発明の実施形態に係
る電子線滅菌装置の鳥瞰図で、図4はその断面図であ
る。これらの図において、7は下面に照射窓を有する偏
平角錐状の電子線照射装置、1は血液透析用ダイアライ
ザで、網目状のベルトコンベア2に横置きされた状態で
照射位置に順次搬送される。ベルトコンベア2下方の電
子線照射装置7と対面する面上には反射板10が配設さ
れている。
【0035】血液透析用ダイアライザ1は円筒ケース周
側面に透析液流入口24や流出口25の突起部が同一側
に突設されている。そして前記ダイアライザ1は楕円状
の例えば肉厚が0.3mmのステンレス筒体8に収納さ
れており、ベルトコンベア2上に設けた不図示の回転支
持部材によりベルトコンベア2に搬送されながら回転可
能に構成されている。
【0036】そしてベルトコンベア2上に載置されるス
テンレス筒体8は回転により干渉しないように筒体8の
長円直径より大なる間隔だけ空けて平行配置する。ベル
トコンベア2を網目コンベアで形成した理由は、電子線
照射装置7より照射された電子線15が、ベルトコンベ
ア2を通して反射板10に到達し、又反射板10により
反射された反射線16が再度ベルトコンベア2を介して
ダイアライザ1底面側に吸収されるようにする為であ
る。
【0037】又電子線照射域のベルトコンベア2下方に
設けた反射板10は、筒体8底面との間の距離が数mm
から数十mm程度に近接配設されている。反射板10の
反射面は、金(メッキ)、タングステン等の原子番号の
大きな金属を用いて、加速エネルギが高い(10Me
V)電子線で、約10%以上の電子線の反射が期待でき
るように設定している。又前記反射板10はその内部に
冷却液が通流するように、冷却通路10aを形成し、反
射面で吸収された電子線熱量を放熱するように構成して
いる。尚10b、10cは冷却通路10aに冷却液を導
入する導入管と導出管である。
【0038】電子線照射装置7は、末広がり状に形成し
た偏平角錐状の走査ホーンを垂直に配設し、該ホーン基
側に設けた一対の走査磁石(不図示)により筒体8の中
心軸線上に沿って垂直方向にビーム走査を行なうように
構成される。そして前記電子線照射装置7はエネルギー
10MeVの電子線15が走査ホーン出口部の照射窓よ
り出射可能に構成されている。そして前記照射窓より照
射される走査ビームは本実施例においては、ベルトコン
ベア2搬送方向に沿って延在させているが、このような
構成を取らずにコンベア搬送方向と直交する筒体8軸線
方向に延在させてもよい。又前記照射窓より筒体8軸心
までの距離は例えば60cmに設定されている。
【0039】かかる実施形態によれば、前記ダイアライ
ザ1を収納した筒体8をベルトコンベア2上に横置きで
所定間隔毎に平行配列した状態で、ベルトコンベア2を
搬送させながら前記筒体8を所定速度で回転させること
により前記電子線照射装置7よりエネルギー10MeV
の電子線15が筒体8を介してダイアライザ1に照射さ
れるとともに、前記筒体8の空いているベルトコンベア
2上に直接照射された電子線15はベルトコンベア2を
透過して反射板10の反射面で反射されて、その反射電
子線16がベルトコンベア2を再度透過して前記ダイア
ライザ1を収納した筒体8底面側を照射する。この際、
筒体8は回転しているために、筒体8の回転にしたがっ
て表面域全域を照射させることが出来る。
【0040】又反射板10は前記電子線15の反射の際
に、その80〜90%を吸収して熱を帯びるが、反射板
10内部の冷却液により冷却される。又反射板10によ
り反射される電子線16は80〜90%が吸収されてそ
の残余の10〜20%が反射されるために、筒体8内に
収納したダイアライザ1の表面域のみが電子線を吸収し
て中心域まで透過されない。従って図1及び図2に示す
効果を得ることが出来る。なお、図1及び図2におい
て、φは被照射物の厚み、ρは被照射物の密度、σは1
0MeV電子線の飛程を表し、線量比とは表面線量/評
定線量若しくは中心線量/評定線量を表す。この際、評
定線量とは非回転時の線量のことである。
【0041】図5及び図6は本発明の他の実施形態に係
る電子線滅菌装置で、図5は平面図、図6はそのコンベ
ア搬送側から見た側面図である。図5及び図6におい
て、前記ダイアライザ1を収納する中空筒体8には、例
えば0.3〜0.6mm前後の円筒状ステンレス筒体8
を用いる。
【0042】一方、ベルトコンベア2のベルト面上には
搬送方向に沿って置き台3を配設し、該置き台3上に前
記筒体8が垂直に立設するように配列する。又置き台3
のベルトコンベア2下方には回転軸4aが垂設されてお
り、該回転軸端に従動スプロケット4を設ける。
【0043】電子線照射装置7は、末広がり状に形成し
た偏平円錐状の走査ホーンを垂直に配設し、該ホーン基
側に設けた一対の走査磁石(不図示)により筒体8の中
心軸線上に沿って垂直方向にビーム走査を行なうように
構成される。そして前記電子線照射装置7はエネルギー
10MeVの電子線15が走査ホーン出口部の照射窓よ
り出射可能に構成されている。
【0044】又、前記ベルトコンベア2の電子線照射域
下流側の、前記電子線照射装置7と対面させて平板状の
反射板10を垂直に配設する。反射板8はその内部に冷
却液が通流するように、冷却通路10aを形成し、反射
面で吸収された電子線熱量を放熱するように構成してい
る点も含め、反射板10の配設間隔や反射板10の材質
等は前記実施形態と同様である。
【0045】一方、前記従動スプロケット4と対面する
位置には、無端状の駆動チェーン5が配設され、該駆動
チェーン5は、左右両側に設けたスプロケット6A、6
Bにより張設されるとともに、その一のスプロケット6
Aを調速モータ11に連結された駆動スプロケットと
し、そして、ベルトコンベア2上に沿って電子線照射域
内に搬送された置き台3は、その下面側に設けた前記従
動スプロケット4を前記無端状チェーン5に歯合すると
ともに、前記チェーン5を歯合する駆動スプロケット6
を調速モータ11を以て回転可能に構成している。
【0046】かかる実施形態により、前記一列状の置き
台3上に夫々ダイアライザ1を収納した筒体8を置いた
状態で、ベルトコンベア2を搬送しながら前記チェーン
5を所定速度で周回させることにより前記電子線照射装
置7よりエネルギー10MeVの電子線15を筒体8を
介してダイアライザ1にビーム照射しながら、前記筒体
8が電子線照射装置7の有効電子線照射域を回転しなが
ら搬送させることにより、前記電子線照射装置7よりエ
ネルギー10MeVの電子線15が筒体8を介してダイ
アライザ1に照射されるとともに、前記隣接する筒体8
間の空いている空間を透過して反射板10の反射面で反
射されて、その反射電子線16が再度前記ダイアライザ
1を収納した筒体8反対面側を照射する。この際、筒体
8は回転しているために、筒体8の回転にしたがって表
面域全域を照射させることが出来る。かかる装置におい
ても図1及び図2に示す効果を得ることが出来る。
【0047】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、中心
域と表面域との線量分布(最大線量と最小線量との比)
の開きが大きくなることなく、その電子線量分布を1.
5倍以内に抑えることが出来るとともに、特に立体構造
の被照射物に対し、回転且つ所定方向に搬送させながら
電子線照射を行なう場合にも、生産性の向上を図りつつ
高エネルギの電子線を有効に且つ均等に照射し得る電子
線照射方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 反射板を用いた場合と用いない場合における
ダイアライザの表面線量を中心線量の差を示すグラフ図
である。
【図2】 筒体にダイアライザを収納した状態、収納し
ない場合、筒体にダイアライザを収納した状態で反射板
を用いた場合夫々におけるダイアライザの表面線量を中
心線量の差を示すグラフ図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係る電子線滅菌装
置の鳥瞰図である。
【図4】 図3の断面図である。
【図5】 本発明の他の実施形態に係る電子線滅菌装置
の平面図である。
【図6】 図5のコンベア搬送側から見た側面図であ
る。
【図7】 本発明の被照射物である血液透析用ダイアラ
イザの形状を示す。
【図8】 10MeVの電子線を照射した場合に、密度
と厚みの積を電子線の飛程で割った(H×ρ)/σと表
面線量比の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 血液透析用ダイアライザ 2 コンベア 3 置き台 4 従動スプロケット 5 無端状の駆動チェーン 6A、6B スプロケット 7 電子線照射装置 8 筒体 10 反射板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体被照射物の表面域から中心域までに
    高エネルギの電子線を照射しながら殺菌等の所期の目的
    を達成する電子線照射方法において、 前記電子線照射方向と対面して被照射物近傍に設置した
    一又は複数の反射板から反射する電子線により被照射物
    表面域の吸収線量を付加させることにより、表面域と中
    心域間の吸収線量の均一性を高めたことを特徴とする電
    子線照射方法。
  2. 【請求項2】 前記反射板が内部に冷却部を具えた冷却
    機能付き反射板であるとともに、該反射板の少なくとも
    反射面側にタングステン、金等の原子番号の大きい金属
    若しくは金属膜で形成したことを特徴とする請求項1記
    載の電子線照射方法。
  3. 【請求項3】 前記被照射物をベルトコンベア等で電子
    線照射域を通過する方向に搬送させながら、被照射物が
    回転若しくは電子線照射域通過毎に逐次角度変位させて
    電子線照射を行なうことを特徴とする請求項1記載の電
    子線照射方法。
  4. 【請求項4】 一又は複数の被照射物を筒状容器内に収
    納した状態で電子線照射を行なうことを特徴とする請求
    項1記載の電子線照射方法。
  5. 【請求項5】 前記筒状容器が薄肉ステンレスからなる
    円筒若しくは略楕円状容器である請求項4記載の電子線
    照射方法。
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