JP2000325435A - 医療機器の滅菌方法及びその装置 - Google Patents

医療機器の滅菌方法及びその装置

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JP2000325435A
JP2000325435A JP11142063A JP14206399A JP2000325435A JP 2000325435 A JP2000325435 A JP 2000325435A JP 11142063 A JP11142063 A JP 11142063A JP 14206399 A JP14206399 A JP 14206399A JP 2000325435 A JP2000325435 A JP 2000325435A
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electron beam
medical device
irradiation
scanning
magnetic field
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Takashi Yamakawa
隆 山川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療機器に直射しないで無駄になっていた電
子線の有効利用を図り、医療機器各部において均一な殺
菌能力による、照射ムラの発生及び品質の低下を防止す
ることができる医療機器の滅菌方法とその装置の提供。 【解決手段】 血液処理モジュール等の医療機器に高エ
ネルギの電子線を照射しながら殺菌を行なう場合に、前
記医療機器に電子線を繰り返し所定方向にビーム走査す
る電子線を偏向する方向に磁力線を加えるとともに、前
記走査電子線が出射される照射窓部を凹設し、該凹設空
間内の少なくとも一部に医療機器を配置した状態で、前
記磁力線により偏向された電子線の少なくとも一部が、
該照射窓の凹設部位より出射されて前記医療機器に照射
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば血液処理モ
ジュール等の医療機器のように、立体的で複雑な形状を
した医療機器に高エネルギの電子線を照射しながら殺菌
を行なう医療機器の滅菌方法及びその装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来より、半透膜の中
空糸状毛細管内を血液を通過させながらその管周囲を流
れる透析液により、前記管膜を介した両流体の濃度勾配
に基づく分子拡散等により尿毒症原因物質等を排出する
血液透析用ダイアライザは公知であり、かかるダイアラ
イザ20の形状は図9に示すように、多数本の中空糸状
毛細管35をその上下両端で保持するリング状の毛管ホ
ルダ21を具え、これらを円筒状のケース20Aで包被
するとともに、該ケース20Aの上下両端に夫々キャッ
プ22、23により螺着された漏斗状の血液流入部26
と血液流出部27とを固定する。又、前記円筒状ケース
20Aの上下両側の側面には細筒状の透析液流入口24
と流出口25とを突設させている。
【0003】かかる血液透析用ダイアライザ20は血液
が循環するものであるために、当然のごとく十分滅菌し
て使用せねばならず、その滅菌方法には、従来より高圧
蒸気滅菌、エチレンオキシドガス滅菌、γ線滅菌などが
開発されている。
【0004】さらに近年は、電子線照射が、その加速電
圧を大きくすることで、医療用具等を滅菌可能な方法が
注目されている。電子線照射による滅菌法は、高圧蒸気
滅菌法のように、医療機器の耐熱性が問題になることな
く、又エチレンオキシドガス法のような残留毒性の心配
がなく、更にエチレンオキシドガス法、γ線照射法のよ
うに滅菌処理時間が長くなく短時間で処理が可能であ
る。また、電源を切れば、瞬時に照射を停止し、γ線の
照射施設のような放射性物質の保管に関する配慮は不要
で環境上の安全性が高く、コスト面からも安価である等
の有利性を有す。更に、γ線との違いは、材料劣化が小
さいと言われていることである。このため、材料選択の
範囲が広い利点がある。
【0005】しかし、電子線照射の欠点はγ線照射と異
なり透過力が小さく、その透過距離は照射される物質の
密度と厚みの積に依存すると言われている。従って、こ
れまで電子線照射法を滅菌法として採用したほとんどの
製品は、手術用手袋、手術用シート、手術着、縫合糸、
等の比較的形状が均一で単一部材からなるものであり、
比較的容易に照射可能であった。しかしながら、中空糸
からなる人工透析装置や人工肺などの人工臓器と呼ばれ
る医療用具は、前記したように立体的で複雑な形状を有
している。
【0006】特に、前記のように血液透析用ダイアライ
ザ20は、単なる円筒形状ではなく、厚肉の円筒ケース
20Aの両端に、リング状毛管ホルダ21やキャップ2
2、23が取り付けられており、又ケース20A側面
に、細筒状の透析液流入口24と流出口25が突設され
ており、この為、軸方向にも周方向にも厚肉(高密度)
で且つ複雑な形状となっていた。
【0007】従って、血液透析用ダイアライザ20にお
いては各部位の面密度の違いが大きく、電子線照射時に
一製品中の線量分布(最大線量と最小線量との比)が大
きくなり、その値が大きいほど、安全性、製品管理、性
能等に問題を生じていた。具体的には、照射基準を最大
線量に合わせると、最小線量位置での滅菌が不十分にな
り、又照射基準を最小線量に合せると、前記人工臓器は
一般に有機樹脂で製造されているために、最大線量位置
で過大照射となり、材料の劣化や着色が生じてしまう。
【0008】この為、照射による線量分布のバラツキを
抑えるために、表裏両面から電子線を照射する両面照射
方式が考えられるが、血液透析用ダイアライザ20のよ
うに面密度の大きい医療機器を照射する高エネルギの医
療機器の滅菌装置は金額的にも極めて高く、これらの高
価な装置を複数設置する事は採算性の面からも極めて困
難であり、而も前記のような高密度で円筒形の組み合わ
せからなるような複雑な形状をした医療機器に両面照射
を実施したとしても、線量分布(最大線量と最小線量と
の比)が2倍以上と十分大きく、尚、実用性に届かない
ものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる欠点を解消する
ために、特開平8−275991号において、高い線量
が当たる部位に線量を吸収するためのシールド部材を用
いる従来技術が開示されている。かかる技術は、医療機
器夫々に、例えばタングステンを含有させた軟質塩化ビ
ニルからなるシールドシートを線量が過多となる部分に
固定して電子線照射を行なうものであるが、個々の医療
機器全てに線量が過多となる部分にシールドシートを固
定することは、その固定作業が極めて煩雑化し、実用的
でない。
【0010】又、前記従来技術は表面側の線量分布につ
いて考慮しているのみで、中心域と表面域との線量分布
(最大線量と最小線量との比)の開きには何等考慮され
ていない。特に、ダイアライザ20はいずれも円筒ケー
ス20Aの中空部内に多数本の中空糸状毛細管35が充
填されており、この毛細管35まで円筒ケース20A側
との間の表面分布が生じることなく電子線を照射する必
要がある。
【0011】この為、前記ダイアライザは前記電子線照
射域で回転させながら殺菌を行なうのが好ましいが、一
方、該ダイアライザは、殺菌処理の効率化を図るため
に、ベルトコンベア等で順次搬送しながら立体医療機器
を所定方向に搬送させながら、高エネルギの電子線照射
域を通過させて殺菌等の所期の目的を達成するものであ
るために、所定方向の搬送とその電子線照射域での回転
の二つの駆動機構を組合わせることは、構成が煩雑化す
る。
【0012】本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、ダ
イアライザ等の立体医療機器の電子線吸収量の均一化を
可能とし、これにより照射ムラが無く、かつ電子線照射
による品質の悪化の発生を防止し得る医療機器の滅菌方
法及びその装置を提供することを目的とする。特に本発
明はベルトコンベアに載せて前記医療機器を搬送するも
回転や累積照射を行なわない場合であっても、医療機器
への照射ムラが無く、かつ品質の悪化の発生を防止し得
る医療機器の滅菌方法及びその装置を提供することを目
的とする。
【0013】本発明の他の目的は、前記血液処理モジュ
ール等の医療機器に、電子線照射方向に対し、被照射物
が回転若しくは電子線照射域通過毎に逐次角度変位させ
ながら電子線照射を行なう場合にレンズ効果を持たせ
て、効率よく滅菌を行なうことの出来る医療機器の滅菌
方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に至った経過を詳
細に説明する。立体形状の医療機器の殺菌の為のビーム
走査型電子線照射装置として図6(図6は本発明に係る
偏向磁石が配設されているもので、その部分は本発明部
分である。)に示されるような装置が存在する。図6に
おいて、1は高エネルギの電子ビーム(電子線)2を発
生する電子ビーム発生/加速装置で、例えば電子ビーム
を出射する電子銃と、該電子銃から出射された電子ビー
ムを所定のエネルギーを有するように加速する加速管
と、該加速管に前記電子ビームを加速するためのマイク
ロ波エネルギーを供給するクライストロンとを具えてい
る。
【0015】そして前記加速された電子ビーム(電子
線)2は筒状のビームガイド筒3を介して収束電磁石
(ビーム絞りレンズ)4に導かれ、前記電子ビーム2を
直径方向に収束、言換えればビームの絞りを行ない、細
径化させてエネルギーの高密度化を図る。
【0016】前記収束電磁石4により高密度化された収
束電子ビームは、前面に進むに連れビーム走査方向に拡
開された偏平角錐台状の照射ホーン6内に導入される。
照射ホーン6は入口側に走査電磁石5が、前面にスリッ
ト状の照射窓7を具え、該照射窓7をチタン膜等の電子
線透過膜で封止し、内部を真空空間下に維持させてい
る。
【0017】そして前記照射ホーン6内に導入された収
束ビームは走査電磁石5により所定の振れ角と振れ周波
数(往復偏向周波数)で偏向走査される訳であるが、こ
の偏向走査を行なう際にビーム走査速度、言換えれば角
速度を制御する為に、前記走査電磁石5への印加電圧を
制御する制御信号を走査電磁石制御装置10から取込む
ようにし、そして角速度を制御しながら偏向走査された
走査電子ビーム8は偏平角錐台状の照射ホーン6内及び
照射窓7を介して被照射物(ダイアライザ)20の基線
方向に走査しながら被照射物20全長に亙って照射して
所定の殺菌動作を行なう。
【0018】かかる装置における前記電子ビームの走査
角速度により形成される走査波形は、走査電磁石5の磁
界強度変化、言換えれば該走査電磁石5に印加される電
圧変化に依存し、通常のビーム走査装置においては、そ
の電圧制御の容易さから被照射物の肉厚とは無関係に前
記走査波形が三角波になるように電圧制御される。
【0019】従って、電子線走査型医療機器の滅菌装置
は走査波形が一般的には三角波となっており、医療機器
側の形状は一切考慮されていない。このような装置でダ
イアライザのように厚肉の複雑立体形状の医療機器をベ
ルトコンベアで搬送させながら、図6のように側方から
電子線照射した場合、電子線を扇状に走査する走査角が
増加すると、医療機器の走査電子線8の吸収線量が低く
なり、走査角が減少すると医療機器の吸収線量は高くな
るが、減少させすぎると、その医療機器底部と頂部2
2、23(キャップ)周辺の吸収線量が低くなるため、
医療機器各部位で吸収線量にバラツキが生じる恐れがあ
る。又、前記欠点を解消するために、医療機器を横置き
にすると外側の電子線が医療機器を通過して好ましくな
い。
【0020】かかる不具合を解消する為に図5、図6に
示すような偏向磁石板19A、19Bを用いた医療機器
の滅菌装置を提案する。即ち、本発明は、請求項1記載
の発明において、前記被照射物に電子線を繰り返し二次
元若しくは三次元方向の所定方向にビーム走査するとと
もに、該ビーム走査後の電子線を偏向する方向に磁力線
を加え、前記被照射物に照射される電子線の一部が前記
磁力線により偏向された電子線であることを特徴とす
る。
【0021】この場合、電子線を繰り返し二次元方向に
走査するとは、例えば対面配置した一対の走査電磁石に
交番電圧を印加しながら扇状にビーム走査する場合等を
指し、三次元方向に走査するとは例えば四本の走査電磁
石を電子線周囲に方形枠状に囲繞配置し、各対間の走査
電磁石に位相差をずらして交番電圧を印加しながら円錐
状にビーム走査する場合等を指す。
【0022】請求項5記載の発明は、前記請求項1記載
の発明を好適に実施するための装置に関する発明で、立
体被照射物に高エネルギの電子線を照射しながら殺菌等
の所期の目的を達成する電子線照射装置において、前記
被照射物に電子線を繰り返し所定方向にビーム走査する
ビーム走査手段と、 該ビーム走査手段下流側の前記被
照射物との間の所定位置に配置した電子線偏向磁石体と
を具え、該磁石体により電子線を偏向する方向に磁力線
を加えながら、前記被照射物に電子線を照射可能に構成
したことを特徴とする。
【0023】以下本発明に係る装置を具体的に説明す
る。本装置は、照射ホーン6の出口側に、ビーム中心線
を挟んでその両側に、前記偏平角錐台状の照射ホーン6
を挟んで左右対称位置に夫々一対ずつの偏向磁石板19
A、19Bを配置する。偏向磁石板19A、19Bは、
走査磁石5のように交番電圧ではなく、電子線進行方向
を照射ホーン6下部両側で、偏向磁場を形成する直流磁
石を用いている。この場合、前記偏向磁石板19A、1
9Bの配設位置は、照射ホーン6の電子線照射窓7の出
口側の大気空間中でもよいが、好ましくは図5及び図6
に記載のように、照射ホーン出口部のホーン内真空空間
に磁力線を作用することにより、精度よく偏向できる。
【0024】尚、照射ホーン6で扇状に振れる走査電子
線8は、振れ角が大きくなる程、言換えればビームが外
側にいくほど偏向角を中央方向(医療機器のある方向)
に大きく取る必要がある。この為偏向磁石板19A、1
9Bは中心側より外側に進むに連れ徐々に上面を斜め上
に傾斜させて、言換えれば徐々に幅広になるように延在
させて偏平直角三角形状に形成している。
【0025】この場合、偏向磁場による電子線の偏向量
は電子線がその磁場を通過する距離またはその磁場の強
さに依存するため、偏向磁石板19A、19Bとして図
7に示すような均一磁束密度方式を採用する場合には、
電子線の偏向量は磁場を通過する距離に依存し、また図
8に示すような不均一磁束密度方式を採用すると、電子
線の偏向量は電子線が通過する部分の磁束密度の大きさ
に依存する。
【0026】従って前記磁石体の延在方向に沿って該磁
石体の形状、対面する磁石体の対面面積、若しくは対面
する磁石体間の距離(ギャップ)のいずれか一又は複数
を制御して、電子線交差方向の磁束密度若しくは偏向磁
場を電子線が通過する距離を異ならせて磁力線による電
子線の偏向角制御を行ない、外側の走査電子線8が前記
偏向磁石板19A、19Bにより中心側に向け偏向さ
れ、ダイアライザ20の所定位置に的確に電子線8が照
射できるように構成している。
【0027】請求項4記載の発明は、かかる点を特定し
たもので、前記磁力線による電子線の偏向角制御を、前
記磁力線の磁束密度制御若しくは偏向磁場を電子線が通
過する距離の制御により行なうことを特徴とする。より
具体的には、前記磁石体をビーム走査幅方向に延在させ
るとともに、該延在方向に沿って該磁石体の形状、前記
電子線を挟んで対面する一対の磁石体の対面面積、若し
くは対面する磁石体間の距離(ギャップ)のいずれか一
又は複数を制御して、電子線交差方向の磁束密度若しく
は偏向磁場を電子線が通過する距離を異ならせて磁力線
による電子線の偏向角制御を行なうことを特徴とする。
【0028】請求項2記載の発明は前記基本発明に更に
改良を加えたもので、前記走査電子線が出射される照射
窓部を凹設し、該凹設空間内の少なくとも一部に医療機
器を配置した状態で、前記磁力線により偏向された電子
線の少なくとも一部が、該照射窓の凹設部位より出射さ
れて前記医療機器に照射させることを特徴とする。この
場合、請求項3に記載のように、前記照射窓の凹設部位
より出射される前の走査電子線に、該電子線を偏向する
方向に磁力線を加えるのがよいことは前記した通りであ
る。
【0029】請求項6記載の発明は、前記請求項5記載
の医療機器の滅菌装置を特定して請求項2記載の発明を
効果的に実施する装置に関する発明で、前記ビーム走査
手段により走査された電子線が出射される照射窓部を、
医療機器の少なくとも一部を囲繞する凹設部位で形成
し、前記磁力線により偏向された電子線が、該凹設部位
より出射可能に構成したことを特徴とする。
【0030】前記図5及び図6に示す基本発明技術のよ
うに、前記電子線を偏向させてもダイアライザ20が筒
状で且つ縦長の複雑な立体形状であるのに対し、照射ホ
ーン6の電子線照射窓7は前記ダイアライザ20の軸線
に対し平面状であるために、照射窓7から医療機器頂部
や底部22,23間での距離、照射窓7から透析液流入
/流出口24、25での距離、更には医療機器中央部ま
での距離が大きく異なり、而も電子線8は真空中から大
気中に出ると、空気分子に作用して散乱を受け電子線束
の断面形状が拡大してエネルギ・ロス等によりその吸収
線量が、尚、ばらつく恐れがある。
【0031】そこで本発明によれば、前記凹設空間内に
医療機器を挿入配置すれば、照射窓7から医療機器頂部
や底部22,23間での距離、照射窓7から透析液流入
/流出口24、25での距離、更には医療機器中央部ま
での距離がほぼ一致し、距離に比例した電子線のエネル
ギ・ロスが一定化しその吸収線量が一定化する。
【0032】又本発明は、走査ビームが前記偏向磁石板
により前記照射窓の凹設部位は凹設角度に対応して偏向
しているために、それぞれの照射窓より円滑に出射出
来、無駄になることなく電子線吸収線量が概ね均一にな
るように偏向させることが出来る。この場合、前記磁力
線による電子線の偏向位置は、照射ホーンの照射窓の出
口側の大気空間中でもよいが大気中だと電子線が発散し
て精度よく偏向できない。そこで好ましくは、前記電子
線を走査する為に形成された負圧(真空も含む)空間で
あるのがよい。
【0033】そして好ましくは、請求項3及び7に記載
のように前記医療機器を磁力線偏向面と直交する方向に
沿って搬送させるのがよく、より好ましくは前記医療機
器が筒体形状の場合は、筒体軸線と搬送方向と一致させ
て搬送させるのがよい。
【0034】さて前記凹設部位は後記実施例に示すよう
に、医療機器を上方から囲むように逆U字状に形成する
場合が多いが、逆U字状に形成すると、次の様な問題が
生じる。
【0035】即ち照射ホーンの内側は電子線を空気の妨
害無く加速させるために高度な真空となっているが、大
気中に置いてある医療機器に電子線を照射させるために
薄い金属膜による照射窓により大気が照射ホーンに流入
するのを防止している。この場合、照射窓を逆U字状と
すると、照射窓から大気が流入しないようにパッキン等
のシール材を用いてブラケットで締め付け密封する必要
がある。
【0036】しかし、逆U字状の金属類を真空漏れなく
締め付けるのは中々困難であり、又、照射窓は一般的に
数10μmと薄いので照射ホーン本体に溶接することが
困難であり、又、電子線に耐える接着剤が無いので接着
することも困難で、結論的には、逆U字状の照射窓の実
現が技術的にも中々困難である。
【0037】そこで前記照射窓の凹設部位は直線状の面
の組合せで形成されるのがよく、より具体的には図3に
示すように、前記照射窓の凹設部位が直線状の面の組合
せで形成され、該照射窓部が、前記医療機器の左右両側
方及び上方位置に形成するとともに、左右両側方の照射
窓部には偏向磁場を持つ直流磁石を夫々に配設すること
により、前記走査体内をビーム走査される電子線の進行
方向を偏向させて左右両側方の照射窓部より偏向電子線
が照射可能に構成するのがよい。
【0038】かかる発明によれば、直線状の面である為
に真空漏れなく締め付けるのは容易であり数10μmと
薄い照射窓部の溶接や接着の必要もなくなり、これによ
り立体的で複雑な形状をした医療機器の内外の全表面を
照射ムラ無く、効率的に照射する装置の提供が技術的に
もコスト的にも容易になる。
【0039】この場合、図4に示すように、医療機器の
左右両側方及び上方位置に形成した照射窓部間が接続ブ
ロックにより一体的に固定してなる医療機器の滅菌装置
において、電子線の走査パターンを、接続ブロック通過
時の走査速度を、照射窓部の走査速度に対し相対的に高
速にするのがよい。これにより接続ブロック部分の走査
速度を高速にして接続ブロック部分での浪費を最小とす
ることが出来る。
【0040】即ち、前記の構成を取っても、照射窓の反
対側に位置する医療機器底面部に直接照射させることは
不可能である。そこで本発明は、請求項8記載の様に、
医療機器を挟んで前記照射ホーンの反対側に反射板を設
置し、該反射板から反射された反射電子線により、医療
機器の表面を付加照射するのがよい。前記電子線反射板
は原子番号の大きい金属若しくは金属膜、例えばタング
ステン板や金板若しくはステンレス板に金メッキを施し
た部材で形成することにより、加速エネルギが高い(1
0MeV)の高エネルギ電子線でも約10〜20%の電
子の反射が期待できる。
【0041】即ち反射板で反射した電子線は、10〜2
0%程度にその加速度が低下しているために、例えその
状態で立体形状の被照射物に反射電子線を照射した場合
でも、立体被照射物の中心域まで透過することなく表面
域のみの吸収が行なわれる。医療機器を固定した状態で
電子線を照射しても、吸収線量の最も足りない裏側の表
面線量部分のみの増加が図られ、これにより表面域と中
心域の全域に亙って均等な線量分布が達成出来る。又、
前記反射板は高エネルギの電子線の吸収により発熱する
恐れがあるために、内部に水冷管等の冷却部を具えた冷
却機能付き反射板であるのがよい。
【0042】又本発明は、前記血液処理モジュール等の
医療機器を固定してベルトコンベア等で搬送する場合の
みならず、電子線照射方向に対し、被照射物が回転若し
くは電子線照射域通過毎に逐次角度変位させながら電子
線照射を行なう場合にも適用できることは当然で、この
場合は、前記偏向走査等によりレンズ効果を持たせるこ
とができ、これにより、効率よく滅菌を行なうことが出
来る。
【0043】ここで電子線照射域通過毎に逐次角度変位
させるとは、前記被照射物をベルトコンベア等で電子線
照射域を通過する毎に前記円筒形部の中心軸線を中心と
して所定角度ずつ被照射物の照射位置を変更させながら
繰り返し電子線照射域を通過させるもので、例えば3回
通過させる場合には120°ずつ角度変位させて累積照
射を行ない、又5回通過させる場合には72°ずつ角度
変位させて累積照射を行なうものである。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施
形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、そ
の相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、こ
の発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説
明例にすぎない。
【0045】図1及び図2は本発明の実施形態に係るビ
ーム走査型医療機器の滅菌装置を示し、図2は斜視図、
図1はその正面図である。これらの図において、5はビ
ーム走査を行なう一対の走査磁石、6は前面に照射窓7
を有する偏平角錐状の照射ホーンで、前記照射窓7は逆
U字状に凹設され、該凹設部位内に、網目コンベア14
に搬送方向と一致させて図上前後方向に横置きされた図
9に示すダイアライザ20が順次侵入可能に構成されて
いる。19A、19Bは照射ホーン6の照射窓7の凹設
部位の左右両側に配設し、ホーン6内真空空間に磁力線
を作用させる偏向磁石板で、直流電圧電源29が接続さ
れている。ダイアライザ20は、網目コンベア14に横
置きされた状態で照射窓7の凹設部位に順次搬送され
る。
【0046】そして前記照射窓7と反対側に位置する網
目コンベア14下方のダイアライザ20の円筒ケース2
0A下側周面と対面する位置に反射板12を配置してい
る。反射板12には、金(メッキ)、タングステン等の
原子番号の大きな金属を用いて、加速エネルギが高い
(10MeV)電子線でも約10〜20%の加速電子の
反射が期待できるように設定している。又前記反射板1
2の反射面形状は、ダイアライザ20の円筒ケース20
A下側周面に夫々電子線8が集束されるように偏平U状
に若しくは僅かに腕型状にその曲率面を設定している。
又、前記反射板12には高エネルギの電子線の吸収によ
る発熱を抑えるために、内部に水冷管等の冷却部12a
を具える。
【0047】前記網目コンベア14の左右両側にはコン
ベアガイド15が配設されているが、ダイアライザ20
照射位置部分では、コンベアガイド15が切断されてお
り、コンベアガイド15により電子線8の照射を妨げな
いような構造にしている。コンベア14を網目状にした
のは下側に配した反射板12よりの反射電子線18の照
射を容易にする為である。
【0048】偏向磁石板19A、19Bは、照射ホーン
6の照射窓7の凹設部位の左右両側に、夫々前記偏平状
の照射ホーン6を挟んで左右対称位置に夫々一対ずつ配
置する。夫々の偏向磁石板19A、19Bの形状は、走
査磁石5により所定の振れ角で走査された走査電子線
が、中心側に向け斜め下方に若しくは水平偏向されるよ
うに、より具体的には中心側では薄肉に、外側に進むに
連れ厚肉になるように、略三角形状に、言換えれば凹設
部位と対面する一辺は該凹設部位に沿って中央側に傾斜
させ、底辺は水平に外側に延在させ、そして上辺は前記
二つの辺を結ぶ傾斜辺となっている。
【0049】かかる実施形態によれば、前記ダイアライ
ザ20は前記照射窓7の凹設部位内に約2/3程度侵入
しており、従ってダイアライザ20の円筒ケース20A
下側周面まで円滑に電子線8を吸収させるには、外方よ
り中央側に向け、下向きに約45°の角度で侵入するよ
うに偏向するのがよい。この為照射ホーン6で扇状に振
れる走査電子線は、振れ角に対応させてビームが外側に
いくほど偏向角を中央方向(ダイアライザ20のある方
向)に大きく取る必要がある。
【0050】そして前記偏向磁石板19A、19Bは、
均一磁束密度の磁場内で、その磁場を通過する距離を異
ならせる方式、電子線がその磁場を通過する距離を一定
にした状態で磁束密度を異ならせる方式、及び両者を組
合せた方式がある。図7は均一磁束密度の磁場内で、そ
の磁場を通過する距離を異ならせる方式を示し、図7
(A)に示すように、磁力を発生させる鉄芯コイル19
0を挟んでその両側に偏平直角三角板からなる一対の磁
性金属板(偏向磁石板19A1、19A2)を電子線入射
方向と交差する方向に、偏向磁石板19A1、19A2
のギャップが一定になるごとく平行に延在させて形成し
ている。
【0051】かかる構成によれば図7(B)に示すよう
に電子線偏向曲率半径をRg、磁石束中(磁石ギャップ
中)の電子線移動距離をLとした場合に、一対の偏向磁
石板19A1、19A2間のギャップを一定(G1=G2
した状態で、前記電子線が電子線偏向曲率半径Rgの接
線方向に入射したと仮定すると、該電子線は磁石束中の
電子線移動距離Lに比例して偏向する。従って図7
(C)に示すように電子線の偏向角θは磁石束中の電子
線移動距離Lに比例して大きくすることが出来る。従っ
て偏向磁石板19A、19Bの形状は、照射ホーン6内
を通過する走査ビームの振れ角に対応させて中心側より
外側に進むに連れ幅広になるように略直角三角形状の偏
向磁石板19A、19Bを配設するのがよい。
【0052】図8は電子線がその磁場を通過する距離を
一定にした状態で、磁束密度を異ならせる方式を示し、
図8(A)に示すように、磁力を発生させる鉄芯コイル
190を挟んでその両側に長方形板からなる一対の磁性
金属板(偏向磁石板19A1、19A2)を電子線入射方
向とほぼ直交する方向に、先側に進むに連れ徐々にギャ
ップが大になるように八の字状に拡開させて延在させて
いる。(G1<G2)かかる構成によれば図8(B)に示
すように、一対の磁性金属板(偏向磁石板19A1、1
9A2)のギャップ(G1<G2)が広がるに連れ磁束密
度が小さくなるために、ギャップ(G1<G2)に反比例
して電子線偏向角θが変化する。
【0053】従って前記偏向磁石板19A、19Bにお
いては、前記いずれの方式においても磁石体の延在方向
に沿って該磁石体の形状、対面する磁石体の対面面積、
若しくは対面する磁石体間の距離(ギャップ)のいずれ
か一又は複数を制御して、電子線交差方向の磁束密度若
しくは偏向磁場を電子線が通過する距離を異ならせて磁
力線による電子線の偏向角制御を行ない、外側の走査ビ
ームが前記偏向磁石板19A、19Bにより中心側に向
け偏向され逆U字状の照射窓7より約45°の下向き傾
斜角でダイアライザ20の所定位置に的確に電子線8が
照射できるように構成すればよい。
【0054】次にかかる実施形態の作用を説明する。先
ず電子線照射ホーン6の基部にある交番(交流)磁界を
発生させる走査磁石5にて電子線が走査(スキャニン
グ)される。交番(交流)磁界は走査波形が三角波若し
くは正弦波走査になるように制御する。走査された電子
線は偏向磁石板19A、19Bにより、ほぼ振れ角に対
応して中心側に偏向された後、逆U字状に凹設された照
射窓7から空気中に出射される。
【0055】そして網目コンベア14により逆U字状に
凹設された照射窓7内に侵入したダイアライザ20は、
前記ダイアライザ20周面と照射窓7の凹設部位周面間
の距離はほぼ一定距離となっているために、照射窓7か
ら空気中に出射された電子線8がダイアライザ20周面
まで到達するまでの電子線強度はほぼ一定に減衰された
ビームが照射され、ほぼ均等エネルギーでダイアライザ
20に至るまで照射されることとなる。
【0056】更に電子線8の透過しにくいダイアライザ
20の円筒ケース20A下側周面については、前記偏向
電子線8等が反射板12で反射した反射電子線18によ
り照射される。これによりダイアライザ20の中心域も
含め、どの部位でも吸収線量を概ね均一にすることがで
きる。
【0057】図3乃至図4は本発明の他の実施形態に係
るダイアライザ20の滅菌装置で、略台形状に凹設した
照射窓を具えている。本実施形態においては、上部から
ダイアライザ20を囲むように凹設した照射窓7A〜7
Cを照射ホーン6下面側に形成した点は前記実施例と同
様であるが、特に電子線8の照射窓7A〜7Cを直線状
の面として、左右両側方及び上方の3ヶ所に設け、左右
両側方7A、7Cには偏向磁場を持つ直流磁石(偏向磁
石)を各々に設けて電子線の進行方向を偏向させてダイ
アライザ20を側方から照射させるようにしている。こ
れにより立体的で複雑な形状をしたダイアライザ20の
内外の全表面を照射ムラ無く、効率的に照射することが
出来る。
【0058】次に照射窓の構造について図4に従って更
に説明する。照射窓7A〜7Cは下方をダイアライザ2
0が侵入可能に開口され、台形状に形成した接続ブロッ
ク76を具え、該接続ブロック76は図4(C)に示す
ように左右両側壁及び頂面にスリット溝状の照射窓開口
部70Aを具えている。又、前記開口部70Aには締付
フランジ72及びボルト75を介して数10μmの薄層
の電子線透過膜77、例えばチタン膜が気密封止的に取
り付けられ、該透過膜77により照射ホーン6内を気密
封止し真空状態を維持している。
【0059】尚、前記照射窓7の左右両側には前記した
ように偏向磁場を持つ直流磁石(偏向磁石)が配設され
ているが、図3では該偏向磁石板19A、19Bが略直
角三角形、又図4(B)では外側に進むに連れ拡幅化さ
れた台形状になっている。
【0060】このように構成したのは、図3では照射窓
7(7A〜7C)の凹設部位内にダイアライザ20が1
/3〜1/2程度しか侵入しておらず、このためダイア
ライザ20全長に亙ってほぼ等距離で電子線8を出射さ
せるために略直角三角形に形成し、又図4(B)では照
射窓7(7A〜7C)の凹設部位内にダイアライザ20
がほぼ全部侵入しているため、ダイアライザ20の円筒
ケース20Aのほぼ全面に亙ってほぼ等距離で電子線8
を出射させるために略台形状に形成したものである。
【0061】特に図4(B)の場合は、偏向した電子線
8が電子線透過膜77を直交して透過するために実質的
な透過膜厚さが最も薄肉になり、透過効率が低下する事
なく好ましい。
【0062】尚、前記実施形態の装置で両側方の照射窓
7A、7Cと上方の照射窓7Bとの境界部分となる接続
ブロック76に電子線が照射吸収されて浪費されること
を防止するため、電子線の走査パターンを図4(A)に
示すように照射窓部分の走査速度Aに対し、境界部分と
なる接続ブロック76の走査速度Bを早くし、効率よい
照射を可能にしている。
【0063】図5及び図6は本発明の他の実施形態に係
るビーム走査型電子線照射装置を示し、図5は斜視図、
図6はその内部構成図であるが、照射窓が凹設されてお
らず、直線状に形成されている。その他の構成は前記技
術手段の項及び前記実施形態の各部構成を説明している
のでその説明は省略している。
【0064】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、外方
に拡開走査される電子線を中心側に向け偏向させるため
に、医療機器全体における電子線吸収量が均一かつ必要
な電子線吸収量が得られ、特に医療機器に直射しないで
無駄になっていた電子線の進行方向を照射物を照射する
方向に偏向することにより照射効果が向上し、医療機器
各部において均一な殺菌能力による、照射ムラの発生及
び品質の低下を防止することができる。
【0065】又請求項2及び6記載の本発明では、前記
凹設空間内に医療機器を挿入配置すれば、照射窓からの
医療機器周面までの距離に比例した電子線のエネルギ・
ロスが一定化しその吸収線量が一定化する。
【0066】又請求項8記載の本発明によれば、医療機
器底を反射板で照射付加することにより、医療機器の内
外全表面を、吸収線量の不足なくくまなく照射すること
が可能となるとともに医療機器の内外全表面を安価、且
つ容易に照射することが可能となる。
【0067】更に請求項9記載の本発明は、前記血液処
理モジュール等の医療機器に、電子線照射方向に対し、
被照射物が回転若しくは電子線照射域通過毎に逐次角度
変位させながら電子線照射を行なう場合にレンズ効果を
持たせて、効率よく滅菌を行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るビーム走査型電子線
走査装置の全体概略図で、照射ホーンの照射窓をU字状
に凹設して形成している。
【図2】 図1の実施形態に係るビーム走査型電子線走
査装置の全体斜視図である。
【図3】 本発明の他の実施形態に係るビーム走査型電
子線走査装置の全体概略図で、照射ホーンの照射窓を台
形状に凹設して形成している。
【図4】 図3の装置の要部説明図で、(A)は電子線
の走査速度と走査角度を示すグラフ図、(B)照射窓の
組み付け状態を示す説明図、(C)はそのΧ視図を示
す。
【図5】 本発明の他の実施形態に係るビーム走査型電
子線走査装置の全体斜視図で、照射ホーンの照射窓を直
線状に形成している。
【図6】 図5の前記ビーム走査型電子線走査装置の変
形例で、医療機器は垂直に立設させている。
【図7】 均一磁束密度の磁場内で、その磁場を通過す
る距離を異ならせる方式の偏向磁石板を説明するための
新規な技術で、(A)は前記偏向磁石板を示す斜視図、
(B)及び(C)は前記電子線の偏向角と磁場通過距離
との関係を示す説明図である。
【図8】 電子線がその磁場を通過する距離を一定にし
た状態で、磁束密度を異ならせる方式の偏向磁石板を説
明するための新規な技術で、(A)は前記偏向磁石板を
示す斜視図、(B)は前記電子線の偏向角と磁場通過距
離との関係を示す説明図である。
【図9】 本発明の被照射物である血液透析用ダイアラ
イザの形状を示す。
【符号の説明】
1 電子ビーム発生/加速装置 5 走査電磁石 6 照射ホーン 7 照射窓 8 走査電子線 12 反射板 14 網目コンベア 20 医療機器(ダイアライザ) 19A、19B 偏向磁石板 29 磁石用電源(直流電圧電源) 76 接続ブロック

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液処理モジュール等の医療機器に高エ
    ネルギの電子線を照射しながら殺菌を行なう医療機器の
    滅菌方法において、 前記医療機器に電子線を繰り返し所定方向にビーム走査
    するとともに、該ビーム走査後の電子線を偏向する方向
    に磁力線を加え、前記医療機器に照射される電子線の少
    なくとも一部が前記磁力線により偏向された電子線であ
    ることを特徴とする医療機器の滅菌方法。
  2. 【請求項2】 前記走査電子線が出射される照射窓部を
    凹設し、該凹設空間内の少なくとも一部に医療機器を配
    置した状態で、前記磁力線により偏向された電子線の少
    なくとも一部が、該照射窓の凹設部位より出射されて前
    記医療機器に照射させることを特徴とする請求項1記載
    の医療機器の滅菌方法。
  3. 【請求項3】 前記照射窓の凹設部位より出射される前
    の走査電子線に、該電子線を偏向する方向に磁力線を加
    えるとともに、前記医療機器を磁力線偏向面と直交する
    方向に沿って搬送させることを特徴とする請求項1記載
    の医療機器の滅菌方法。
  4. 【請求項4】 前記磁力線による電子線の偏向角制御
    を、前記磁力線の磁束密度制御若しくは偏向磁場を電子
    線が通過する距離の制御により行なうことを特徴とする
    請求項1記載の医療機器の滅菌方法。
  5. 【請求項5】 血液処理モジュール等の医療機器に高エ
    ネルギの電子線を照射しながら殺菌を行なう医療機器の
    滅菌装置において、 前記医療機器に電子線を繰り返し所定方向にビーム走査
    するビーム走査手段と、 該ビーム走査手段下流側の前
    記医療機器との間の所定位置に配置した電子線偏向磁石
    体とを具え、 該磁石体により電子線を偏向する方向に磁力線を加えな
    がら、前記医療機器に電子線を照射可能に構成したこと
    を特徴とする医療機器の滅菌装置。
  6. 【請求項6】 前記ビーム走査手段により走査された電
    子線が出射される照射窓部を、医療機器の少なくとも一
    部を囲繞する凹設部位で形成し、前記磁力線により偏向
    された電子線が、該凹設部位より出射可能に構成したこ
    とを特徴とする請求項5記載の医療機器の滅菌装置。
  7. 【請求項7】 照射ホーンの照射窓上流側に偏向磁石体
    を配し、前記凹設部位より出射される前の走査電子線
    に、該電子線を偏向する方向に磁力線を印加可能に構成
    するとともに、前記医療機器を磁力線偏向面と直交する
    方向に沿って搬送させる搬送手段を具えたことを特徴と
    する請求項6記載の医療機器の滅菌装置。
  8. 【請求項8】 医療機器を挟んで前記照射ホーンの反対
    側に反射板を設置し、該反射板から反射された反射電子
    線により、医療機器の表面を付加照射することを特徴と
    する請求項5記載の医療機器の滅菌装置。
  9. 【請求項9】 前記医療機器を、電子線照射方向に対
    し、被照射物が回転若しくは電子線照射域通過毎に逐次
    角度変位させながら電子線照射を行なうように構成した
    請求項5若しくは6記載の医療機器の滅菌装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009017227A1 (ja) * 2007-08-01 2009-02-05 Asahi Kasei Kuraray Medical Co., Ltd. 電子線滅菌方法
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