JP2002078326A - Dc−dcコンバータ用pwm制御回路 - Google Patents

Dc−dcコンバータ用pwm制御回路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DC−DCコンバータの出力電圧をその目標
値に一致させるための誤差増幅回路において、目標値と
して与える基準電圧がステップ状に変化しても、DC−
DCコンバータ出力に過大な行き過ぎが生じないように
する。 【解決手段】 誤差増幅回路を、動作点が固定(グラン
ド電位)の作動増幅回路6aとPI調節回路6bとのカ
スケード接続したものとすることにより、基準電圧V
REF をステップ状に変化させても回路6a,6bの動作
点をグランド電位のまま変化しないようにし、掲記課題
を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体スイッチ
のオン,オフにより或る直流電圧を別の直流電圧に変換
するDC−DC(直流−直流)コンバータ、特にその出
力電圧を目標値に一致させるために用いられる、アナロ
グ回路構成のPWM(パルス幅変調)制御回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7にこの種のDC−DCコンバータ用
PWM制御回路の従来例を示す。同図の参照符号1がD
C−DCコンバータで、半導体スイッチのオン,オフに
より直流電源2の電圧を別の直流電圧に変換し、負荷3
に供給する。また、符号4がDC−DCコンバータの出
力電圧2の目標値に制御するPWM回路で、検出回路
5,誤差増幅回路6および比較回路7等から構成されて
いる。検出回路5はDC−DCコンバータ1の出力電圧
OUT を検出し伝達する回路で、例えば減衰器,整流
器,バッファ,絶縁アンプ等から構成されている。誤差
増幅回路6は、検出回路5の出力電圧VO ’と基準電圧
REF との誤差を増幅して出力する。比較回路7は、誤
差増幅回路6の出力電圧VE と三角波または鋸歯のキャ
リア信号VOSC とを比較し、PWM信号を出力する。
【0003】このように、PWM制御回路はDC−DC
コンバータの出力電圧をフィードバックし、目標値との
誤差に応じて半導体スイッチのオン,オフ比率(時比
率)を制御する機能を有している。なお、DC−DCコ
ンバータの具体例としては、例えば図8のような降圧チ
ョッパ回路、図9のような昇圧チョッパ回路、図10の
ような反転チョッパ回路がある。また、検出回路5と誤
差増幅回路6の具体例を図11に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、アナログ増幅
回路の入力電圧と出力電圧との関係は、次の(1)式の
ように示される。 V2 −Vbias=K×(V1 −Vbias) …(1) ここに、V1 ,V2 はそれぞれアナログ増幅回路の入力
電圧,出力電圧を、また、Vbiasはアナログ増幅回路の
動作点となる電圧、Kはアナログ増幅回路のゲインを示
す。ところで、図11で示す従来の誤差増幅回路6の動
作点は基準電圧VREF 、すなわちVbias=VREF とな
る。このため、VREF を変化させたときの過渡応答に問
題が生じる。この点について、図12を参照して説明す
る。
【0005】図12は、図7におけるDC−DCコンバ
ータ1を図8のような降圧チョッパ回路とし、検出回路
5と誤差増幅回路6を図11の如く構成した例で、V
REF を図12(b)のようにステップ状に変化させたと
きの、DC−DCコンバータの出力電圧波形例を図12
(a)に示す。つまり、定常状態では、誤差増幅回路6
の出力電圧VE は、目標値に相当する時比率のPWM信
号を発生するために、キャリア信号VOSC の振幅内の或
る直流値になっている。ここで、VREF をステップ状に
変化させると、誤差増幅回路6の動作点Vbiasも同時に
ステップ状に変化する。このため、上記(1)式で示す
ようにVREF の変位分だけVE の値もステップ状に変化
し、その値を初期値として次の目標値への制御が行なわ
れる。このため、誤差増幅回路6のゲインによらず、図
12(a)に示すような過大な行き過ぎ量が発生するこ
とになる。したがって、この発明の課題は、PWM制御
回路を用いたDC−DCコンバータ出力電圧の行き過ぎ
量を含めて過渡応答を改善することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、請求項1の発明では、半導体スイッチのオン,
オフにより或る直流電圧を別の直流電圧に変換するDC
−DC(直流−直流)コンバータの出力電圧を検出する
検出回路と、その検出電圧と基準電圧との誤差を増幅す
る誤差増幅回路と、この誤差増幅回路の出力電圧を三角
波または鋸波のキャリア信号と比較する比較回路を有し
前記DC−DCコンバータを駆動するPWM信号を発生
するPWM制御回路とを備えてなるDC−DCコンバー
タ用PWM制御回路において、前記誤差増幅回路を動作
点が固定の第1のアナログ増幅回路と、動作点が固定の
第2のアナログ増幅回路とのカスケード接続により構成
し、かつ、前記第1のアナログ増幅回路を差動増幅回路
とすることを特徴とする。上記請求項1の発明において
は、前記第2のアナログ増幅回路をPI調節回路とする
ことができる(請求項2の発明)。
【0007】請求項3の発明では、半導体スイッチのオ
ン,オフにより或る直流電圧を別の直流電圧に変換する
DC−DC(直流−直流)コンバータの出力電圧を検出
する検出回路と、その検出電圧と基準電圧との誤差を増
幅する誤差増幅回路と、この誤差増幅回路の出力電圧を
三角波または鋸波のキャリア信号と比較する比較回路を
有し前記DC−DCコンバータを駆動するPWM信号を
発生するPWM制御回路とを備えてなるDC−DCコン
バータ用PWM制御回路において、前記誤差増幅回路を
差動増幅回路とPI調節回路の合成回路とし、その動作
点を固定にしたことを特徴とする。
【0008】上記請求項1〜3の発明においては、前記
PWM制御回路の駆動電源を負極側端子をグランド電位
に接続した単一の正電源とし、前記比較回路または前記
DC−DCコンバータを、このDC−DCコンバータの
出力電圧が前記誤差増幅回路の出力電圧と前記キャリア
信号の振幅下限電位に等しいときに最小となるように構
成し、前記誤差増幅回路の動作点を前記キャリア信号の
振幅下限電位とグランド電位の間の電位に設定すること
ができる(請求項4の発明)。この請求項4の発明にお
いては、前記誤差増幅回路のゲインを決定する受動素子
に単数または複数のコンデンサを接続したときは、この
コンデンサと並列にスイッチを接続し、前記DC−DC
コンバータおよび前記PWM制御回路の停止時に前記ス
イッチをオンすることができる(請求項5の発明)。
【0009】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態を示す回路図である。これは、図7に示す誤差増幅回
路6を、演算増幅器91と抵抗11〜14で構成したア
ナログ差動増幅回路6aと、演算増幅器92と抵抗1
5,16およびコンデンサ81で構成したアナログPI
調節回路6bとをカスケード接続したものとしている。
一般に、アナログ差動増幅回路の入力電圧と出力電圧と
の関係は、次の(2)式で示される。 V2 −Vbias=K’×(V1 ’−V1 ”−Vbias) …(2) ここで、V1 ’,V1 ”はアナログ差動増幅回路の各入
力電圧、K’はアナログ差動増幅回路のゲインを表わ
す。なお、アナログPI調節回路の入力電圧と出力電圧
との関係は(1)式と同様である。また、図1における
アナログ差動増幅回路6aとアナログPI調節回路6b
の動作点は、いずれもグランド電位となっている。
【0010】図1では、演算増幅器で構成したアナログ
差動増幅回路6aとアナログPI調節回路6bのカスケ
ード接続としたが、上記(2)式で表わされるアナログ
差動増幅回路および(1)式で示されるアナログ増幅回
路のカスケード接続で、それぞれの動作点がVREF によ
らず常に一定(固定)であるならば、他の回路構成でも
実現可能であり、図1の回路に限定されるものではな
い。したがって、例えばアナログPI調節回路6bの抵
抗15と並列にコンデンサを接続することでPID調節
回路としたり、あるいはコンデンサ81を省略してP調
節回路とすることも可能である。
【0011】図13に、図7のDC−DCコンバータ1
を図8のような降圧チョッパ回路、誤差増幅回路6を図
1の如く構成し、VREF をステップ状に変化させたとき
のDC−DCコンバータの出力電圧波形例を示す。すな
わち、定常状態では誤差増幅回路6の出力電圧VE は、
目標値に相当する時比率のPWM信号を発生するため
に、キャリア信号VOSC の振幅内の或る直流値となって
いる(図13(b)参照)。そして、VREF をステップ
状に変化させても、アナログ差動増幅回路6aおよびア
ナログPI調節回路6bの動作点はグランド電位のまま
変化しない。このため、VE は図12の従来例の場合の
ようにステップ状に変化せず、その結果、DC−DCコ
ンバータの出力電圧VOUT は、差動増幅回路およびPI
調節回路のゲインによって一意に決まる過渡応答をしな
がら、図13(a)の如く目標値に収束することにな
る。
【0012】図2はこの発明の第2の実施の形態を示す
回路図である。これは、図7に示す誤差増幅回路6を、
演算増幅器93および抵抗21〜24ならびにコンデン
サ82,83から構成し、図1と等価な伝達関数を単一
の演算増幅器で実現したものとしている。その動作点も
グランド電位となっていることから、この回路の動作は
図1の場合と同じとなる。図2では、図1に示すアナロ
グ差動増幅回路6aとアナログPI調節回路6bのカス
ケード接続と等価な合成回路としたが、上記(2)式で
表わされるアナログ差動増幅回路および(1)式で表わ
されるアナログ増幅回路のカスケード接続と等価な合成
回路で、動作点がVREF によらず常に一定であるなら
ば、他の回路構成でも実現可能であり、図2の回路に限
定されるものでないのは図1の場合と同様である。
【0013】図3は図1の変形例を示す回路図で、図1
のグランド電位に接続している個所に、直流電源71を
付加して構成される。この場合の動作点は、直流電源7
1の電圧VM である。すなわち、図3に示す演算増幅器
91,92の駆動電源は単一の正電源であり、図7に示
す比較回路7またはDC−DCコンバータ1は、DC−
DCコンバータ1の出力電圧が誤差増幅回路6の出力電
圧VE とキャリア信号VOSC の振幅下限電位に等しいと
きに、最小となるように構成し、直流電源71の出力電
圧VM はキャリア信号VOSC の振幅下限電位とグランド
電位との間の値に設定する。つまり、この例では先の
(1)式において、V2 −Vbias=0、すなわちV2
bias=VM の場合においても、DC−DCコンバータ
1の出力電圧OUT は零になる。このため、例えばPWM
制御回路4の起動時に、演算増幅器91,92と直流電
源71の起動時刻(タイミング)が異なり、直流電源7
1が先に立ち上がった場合にもDC−DCコンバータ1
の出力電圧OUT を零のまま保持でき、不要な出力電圧が
発生するのを防ぐことができる。
【0014】図4は図2の変形例を示す回路図で、図2
のグランド電位に接続している個所に直流電源72を付
加して構成される。この場合の動作点は、直流電源72
の電圧VM である。すなわち、図4に示す演算増幅器9
3の駆動電源は単一の正電源であり、図7に示す比較回
路7またはDC−DCコンバータ1は、DC−DCコン
バータ1の出力電圧が誤差増幅回路6の出力電圧VE
キャリア信号VOSC の振幅下限電位に等しいときに最小
となるように構成し、直流電源72の出力電圧VM はキ
ャリア信号VOSC の振幅下限電位とグランド電位との間
の値に設定する。
【0015】図5は図3の変形例を示す回路図で、図3
のコンデンサ81と並列にスイッチ61を付加して構成
される。その動作について、図14も参照して説明す
る。なお、演算増幅器92の駆動電源および直流電源7
1は既に起動しており、演算増幅器92の出力電圧VE
は停止時に0とする。また、演算増幅器92の停止時は
スイッチ61をオンとし、コンデンサ81の両端を短絡
しておくものとする。ここで、演算増幅器92を起動す
ると、VE は演算増幅器92の起動と同時に動作点であ
るVM まで上昇する。演算増幅器92の起動後にスイッ
チ61を開放すると、VM を初期値として制御を開始す
る。このとき、スイッチ61がないと、図14に細線で
示すようにコンデンサ81を充電しながらVE が緩やか
に上昇するため、PWM制御を開始するキャリア信号V
OSC の下限電圧にVE が到達するのに大きな遅延が生じ
ることになる。
【0016】そこで、誤差増幅回路のゲインを決定する
受動素子にコンデンサを用いた場合は、誤差増幅回路の
停止時にコンデンサの電荷を放電しておくことで、起動
時の誤差増幅回路の出力電圧VE の立ち上がり時間を速
くし、DC−DCコンバータの起動時間を短縮するよう
にしている。図6は図4の変形例を示す回路図で、図4
のコンデンサ82,83と並列にスイッチ62,63を
それぞれ付加して構成される。その動作については図1
4と同様なので、説明は省略する。
【0017】
【発明の効果】請求項1,2,3の発明によれば、従来
のように基準電圧を変化させてDC−DCコンバータの
出力電圧を制御する場合に発生していた過大な行き過ぎ
を抑制することができる。請求項4の発明によれば、P
WM制御回路の起動時におけるDC−DCコンバータの
不要な出力電圧の発生を防ぐことが可能となる。請求項
5の発明によれば、請求項4の発明における起動時間の
遅延を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図2】この発明の第2の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図3】この発明の第3の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図4】この発明の第4の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図5】この発明の第5の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図6】この発明の第6の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図7】DC−DCコンバータ用PWM制御回路の従来
例を示すブロック図である。
【図8】DC−DCコンバータの第1の具体例を示す回
路図である。
【図9】DC−DCコンバータの第2の具体例を示す回
路図である。
【図10】DC−DCコンバータの第3の具体例を示す
回路図である。
【図11】検出回路と誤差増幅回路の具体例を示す回路
図である。
【図12】図11の動作説明図である。
【図13】図1の動作説明図である。
【図14】図5の動作説明図である。
【符号の説明】
1…DC−DCコンバータ、2,71,72…直流電
源、3…負荷、4…PWM制御回路、5…検出回路、6
…差動増幅回路、7…比較回路、8…基準電圧源、9…
発振回路、11〜16,21〜24,31〜33…抵
抗、61,62,63…スイッチ、81,82,83…
コンデンサ、91〜93…演算増幅器。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体スイッチのオン,オフにより或る
    直流電圧を別の直流電圧に変換するDC−DC(直流−
    直流)コンバータの出力電圧を検出する検出回路と、そ
    の検出電圧と基準電圧との誤差を増幅する誤差増幅回路
    と、この誤差増幅回路の出力電圧を三角波または鋸波の
    キャリア信号と比較する比較回路を有し前記DC−DC
    コンバータを駆動するPWM信号を発生するPWM制御
    回路とを備えてなるDC−DCコンバータ用PWM制御
    回路において、 前記誤差増幅回路を動作点が固定の第1のアナログ増幅
    回路と、動作点が固定の第2のアナログ増幅回路とのカ
    スケード接続により構成し、かつ、前記第1のアナログ
    増幅回路を差動増幅回路とすることを特徴とするDC−
    DCコンバータ用PWM制御回路。
  2. 【請求項2】 前記第2のアナログ増幅回路をPI調節
    回路とすることを特徴とする請求項1に記載のDC−D
    Cコンバータ用PWM制御回路。
  3. 【請求項3】 半導体スイッチのオン,オフにより或る
    直流電圧を別の直流電圧に変換するDC−DC(直流−
    直流)コンバータの出力電圧を検出する検出回路と、そ
    の検出電圧と基準電圧との誤差を増幅する誤差増幅回路
    と、この誤差増幅回路の出力電圧を三角波または鋸波の
    キャリア信号と比較する比較回路を有し前記DC−DC
    コンバータを駆動するPWM信号を発生するPWM制御
    回路とを備えてなるDC−DCコンバータ用PWM制御
    回路において、 前記誤差増幅回路を差動増幅回路とPI調節回路の合成
    回路とし、その動作点を固定にしたことを特徴とするD
    C−DCコンバータ用PWM制御回路。
  4. 【請求項4】 前記PWM制御回路の駆動電源を負極側
    端子をグランド電位に接続した単一の正電源とし、前記
    比較回路または前記DC−DCコンバータを、このDC
    −DCコンバータの出力電圧が前記誤差増幅回路の出力
    電圧と前記キャリア信号の振幅下限電位に等しいときに
    最小となるように構成し、前記誤差増幅回路の動作点を
    前記キャリア信号の振幅下限電位とグランド電位の間の
    電位に設定することを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のDC−DCコンバータ用PWM制御回
    路。
  5. 【請求項5】 前記誤差増幅回路のゲインを決定する受
    動素子に単数または複数のコンデンサを接続したとき
    は、このコンデンサと並列にスイッチを接続し、前記D
    C−DCコンバータおよび前記PWM制御回路の停止時
    に前記スイッチをオンすることを特徴とする請求項4に
    記載のDC−DCコンバータ用PWM制御回路。
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