JP2002076474A - 自由層と境界を接する超薄酸化物を有する鏡面巨大磁気抵抗ヘッド - Google Patents

自由層と境界を接する超薄酸化物を有する鏡面巨大磁気抵抗ヘッド

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JP2002076474A
JP2002076474A JP2001169331A JP2001169331A JP2002076474A JP 2002076474 A JP2002076474 A JP 2002076474A JP 2001169331 A JP2001169331 A JP 2001169331A JP 2001169331 A JP2001169331 A JP 2001169331A JP 2002076474 A JP2002076474 A JP 2002076474A
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oxide
oxide layer
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Yiming Huai
ホァイ イーミン
Geoffrey W Anderson
ウィリアム アンダーソン ジェフリー
Mahendra Pakala
パカラ マヘインドラ
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Read Rite Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 磁気抵抗センサを提供する方法及びシス
テムを開示する。本方法及びシステムは、ピンニング層
と、該ピンニング層に隣接したピン層とを配備する工程
を備える。ピン層は、ピンニング層により磁化固定され
た第1の磁化を有する。本方法及びシステムはまた、自
由層と、該自由層及びピン層の間に配設されたスペーサ
層と、を配備する工程も備える。自由層は、第2の磁化
を有する。一態様において、本方法及びシステムはま
た、自由層に隣接して酸化物層を配備する工程も備え
る。酸化物層は、自由層と該酸化物層との間の界面にて
電荷担体を鏡面反射させる。別の態様において、本方法
及びシステムは、ピン層の一部として強磁性酸化物層を
配備する工程を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】(発明の分野)本発明は磁気
記録技術に関し、より詳細には、巨大磁気抵抗読取ヘッ
ドに大きな磁気抵抗比率を達成させ、よって高面積密度
を読取らせ得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(発明の背景)現在、読取ヘッドにおい
て、または複合ヘッドでの読取りには、磁気抵抗(M
R)ヘッドが使用されている。MRヘッドは磁気記録媒
体に記憶されたデータを読取るべくMRセンサを使用す
る。巨大磁気抵抗(「GMR」)は、所定の磁界に対し
てより大きな信号を提供することが見いだされている。
故にGMRは、より高密度のMRセンサに対するメカニ
ズムとして益々使用されている。
【0003】図1は、斯かる従来のMRヘッド10のブ
ロック図である。MRヘッド10は、基板12上に形成
された第1シールド14を備える。MRヘッド10はま
た、第1シールド14からMRセンサ30を分離する第
1ギャップ16も備える。MRヘッド10はまた、一対
の強力バイアス層18a、18bも備える。強力バイア
ス層18a,18bは、MR要素30における各層を磁
気的にバイアスする。MRヘッド10はまた、MR要素
30に対する電流及びMR要素30からの電流を導通す
るリード層(lead layer)19a,19bも
備える。第2ギャップ20は、第2シールド22からM
Rセンサ30を分離する。記録媒体(図示せず)の近傍
にもたらされると、MRヘッド10は、その記録媒体の
磁界に依るMRセンサ30の抵抗の変化に基づいてデー
タを読取る。
【0004】幾つかのMRヘッド10において、MRセ
ンサ30は記憶されたデータを読取るべく、巨大磁気抵
抗(「GMR」)を使用する。図2Aは、GMRを使用
して機能する従来型スピン・バルブ30’を示してい
る。従来型スピン・バルブ30’は一般的には、シード
層31、反強磁性(「AFM」)層32、ピン層(磁化
固定されている層、pinned layer)34、
スペーサ層36、自由層38及びキャッピング層39を
備える。シード層31は、AFM層32に使用された物
質が適切な結晶構造を有すると共に反強磁性であること
を保証すべく使用される。スペーサ層36は、銅などの
非磁性金属である。ピン層34及び自由層38は、Co
Fe、NiFe又は両者の組合せなどの磁性層である。
ピン層34はまた、2つの磁性層が薄い非磁性層により
分離されている合成層であってもよい。斯かる合成ピン
層の各磁性層は反強磁性的に結合され、ピン層34の正
味モーメントが小さくなるのを許容する。いずれの場合
においてもピン層34の磁化は、AFM層32とピン層
34との間の交換結合により適当に磁化固定(pin)
される。自由層38の磁化は、自由に回転する。外部磁
界が付加されない場合、自由層38の磁化は一般的には
ピン層34の磁化と直交する。例えば、ピン層34の磁
化は一般的には各層の方向と平行に紙面平面内に在り得
る一方、自由層38の磁化は紙面平面から外れている。
キャッピング層39は、従来型スピン・バルブ30’の
下側に位置する部分を保護すると共に、一般的にはTa
などの物質からなる。
【0005】記録媒体により生成された磁界に応じ、自
由層38の磁化は方向を変更し得る。しかしながら、ピ
ン層34の磁化の方向は不変のままである。ピン層34
の磁化の上記方向の差異は、従来型スピン・バルブ3
0’の抵抗の差を生じる。換言すると、ピン層34の磁
化方向と自由層38の磁化方向との間の角度の変化によ
り、磁気抵抗が引き起こされる。抵抗における変化は、
上記記録媒体に記憶されたデータを読取るべく使用され
得る信号を生じる。従来型スピン・バルブ30’のMR
比はΔR/R、すなわち、従来型スピン・バルブ30’
の最小抵抗と最大抵抗との差を従来型スピン・バルブ3
0’の最小抵抗で除したものである。従来型スピン・バ
ルブ30’の最大抵抗は、一般的に、自由層38の磁化
がピン層34の磁化に対して逆平行であるときに生ず
る。また、従来型スピン・バルブ30’の最小抵抗は、
一般的に、自由層38の磁化がピン層34の磁化と平行
であるときに生ずる。
【0006】磁気記録における現在の動向は、より高面
積密度に向かっている。故に、データは1平方インチ
(6.45平方センチメートル)当たり20ギガ・ビッ
ト(Gb)以上の面積密度で記憶されることが望まれ
る。図1及び図2Aを参照すると、従来型スピン・バル
ブ30’を使用する従来のMRヘッド10は、斯かる高
密度記録媒体を読取る際に使用されることが望まれる。
媒体の面積密度が増加する従って、斯かる高面積密度で
記憶されたビットからの磁界により自由層38が飽和さ
れるのを保証すべく、自由層38の厚さtは減少され
る。例えば、約10Gb/インチ2 (1.55Gb/セ
ンチメートル2)未満の面積密度で使用される現在の従
来型スピン・バルブ30’は、約50オングストローム
程度の自由層厚を有する。しかし、20Gb/インチ2
(3.10Gb/センチメートル2)以上で記憶された
情報を有する媒体などの高密度媒体を読取るためには、
自由層38の厚さは30オングストローム未満程度であ
ることが望まれる。
【0007】自由層38の厚さが減少するに従い、従来
型スピン・バルブ30’のMR比は減少する。この現象
は、自由層38の厚さが電子の平均自由行程未満に減少
することに起因する。自由層38の厚さが減少するにつ
れ、従来型スピン・バルブ30’を介する輸送現象に関
与する電子は自由層38とキャッピング層39との間の
界面にて広く散乱する傾向がある。自由層38の厚さ
は、自由層物質では一般的に50オングストローム程度
である電子の平均自由行程未満であるので、電子は上記
界面にて散乱し得る。自由層38とキャッピング層39
との界面における拡散散乱により、電子は、エネルギを
喪失すると共に、散乱事象の前にその電子のスピンに関
する情報を喪失する。故に、従来型スピン・バルブ3
0’の全体のシート抵抗は増大する。更に、スピン情報
の喪失は、電子のスピン依存性散乱が減少することを意
味する。従って、自由層38及びピン層34の磁気配向
に対する電子の応答は、殆ど予期できない。故に、従来
型スピン・バルブ30’に対するMR比は減少され得
る。
【0008】従来型スピン・バルブ30’の頂部、すな
わち自由層38とキャッピング層39との間の界面にお
ける拡散散乱に加え、ピン層34とAFM層32との間
の界面においても拡散散乱は生じ得る。この拡散散乱は
また、スピン・バルブ30’全体の厚さが低減される時
におけるスピン・バルブ30’のMR比の減少としても
観察され得る。故に、スピン・バルブ30’の頂部及び
底部近くにおける拡散散乱は、スピン・バルブ30’の
厚さが減少するに従って、より低いMR比をもたらし得
る。
【0009】当業者であれば、従来型スピン・バルブ3
0’におけるMR比の減少は望ましくないことを容易に
理解し得よう。上述の如く、MRヘッド10がより高面
積密度の記録媒体を読取ることを可能にすべく、自由層
38の厚さは減少される。しかしながら、より高面積密
度の記録媒体における個々のビットに依る信号は、MR
比に比例する。故に、MR比が低下するにつれて信号は
減少する。信号におけるこの減少により、従来型スピン
・バルブ30’はこれらのより高密度においては使用さ
れ得ない。
【0010】最近、スピン・バルブにおける反強磁性酸
化物の使用に関する研究が行われており、スワグテン
(Swagten)、ストリジカーズ(Strijke
rs)、ボローメン(Bloemen)、ウィルエキュ
ース(Willekeus)及びデ・ジョング(de
Jonge)によるPhys.Rev.B,第53巻、
第14号(1996年4月)の「絶縁NiO間に挟持さ
れたスピン・バルブにおける向上された巨大磁気抵抗
(Enhanced Giant Magnetore
sistance in Spin−valves s
andwichedBetween Insulati
ng NiO)」にて発表された。図3は、上記研究で
使用された従来型スピン・バルブ30”を示している。
従来型スピン・バルブ30”は、多くの点のおいて従来
型スピン・バルブ30’と同様と考えられる。故に、従
来型スピン・バルブ30”の対応部分は同様の参照番号
を付した。例えばスピン・バルブ30”の自由層38”
はスピン・バルブ30’の自由層38に対応する。更
に、従来型スピン・バルブ30”は、比較的厚い(50
0オングストローム)反強磁性酸化物層33を備える。
使用されたAFM酸化物はNiOであった。故に、使用
されたAFM酸化物は、従来型スピン・バルブ30’の
AFM層32に置き換わるものと見做され得る。
【0011】上記研究によると、ピン層34”の下方の
比較的厚いNiO層33は、スピン・バルブのMR比を
改善し得る。MR比における改善は、ピン層34”とN
iO層33との間の界面における電子の鏡面散乱(sp
ecular scattering)又は反射に依る
ものと理論づけられている。図2に示された従来型スピ
ン・バルブ30’のピン層34”とAFM層32との間
の界面においては、NiOが存在しないので、電子の大
部分は拡散的に散乱するであろう。図3に戻ると、鏡面
散乱は、NiOの絶縁性及び従って電子に与えられたポ
テンシャル障壁とに少なくとも部分的に起因すると理論
づけられた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、より高面積密
度で使用され得るMRヘッドを提供するシステム及び方
法が必要とされる。斯かるMRヘッドは、対称的であ
り、かつ広範囲な線形範囲を有することが望ましい。本
発明は斯かる要望に対処するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】(発明の概要)本発明
は、高感度磁気抵抗センサを提供するための方法及びシ
ステムを提供する。該方法及びシステムは、ピンニング
層(pinning layer)と、該ピンニング層
に近接したピン層とを配備する工程を備える。ピン層
は、ピンニング層により磁化固定された第1の磁化を有
する。本方法及びシステムはまた、自由層、及び該自由
層とピン層との間に配設されたスペーサ層を配備する工
程も備える。自由層は、第2の磁化を有する。一態様に
おいて、本方法及びシステムはまた、自由層に隣接した
酸化物層を配備する工程も備える。該酸化物層は、自由
層と該酸化物層との間の界面において電荷担体の鏡面反
射を可能にする。別の態様において、本方法及びシステ
ムは、ピン層の一部として強磁性酸化物層を備える。該
強磁性酸化物層は、ピン層内において鏡面反射を生じさ
せる。
【0014】ここに開示されたシステム及び方法に依れ
ば、本発明は、自由層の厚さが小さくても高いMR比を
有することにより大きな信号を有する磁気抵抗センサを
提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】(発明の詳細な説明)本発明は磁
気抵抗センサの改良に関する。以下の説明は、当業者が
本発明を実施して使用し得るためのものであり、特許出
願及びその要件に関して提供される。当業者であれば、
好ましい実施態様に対する種々の改変は容易に明らかで
あり、本明細書中の包括的原理は他の実施態様にも適用
され得る。故に、本発明は示された実施態様に限定され
ることは意図されておらず、本明細書中に記載された原
理及び特徴に一致する最大範囲に従うものとする。
【0016】図1に示されたMRヘッド10のような現
在のMRヘッドは、読取ヘッドにおいて、または、複合
ヘッドにおける読取りのために使用される。MRヘッド
10は一般的に、記録媒体に記憶された情報を読取るべ
く、図2に示されたスピン・バルブ30’などのスピン
・バルブを使用する。スピン・バルブ30’は、斯かる
データを読取るべく巨大磁気抵抗(GMR)として公知
である現象を利用する。詳細には、スピン・バルブ3
0’の抵抗は、自由層38とピン層34との各磁化の配
向の差に依存して変化する。しかし、より高い記録密度
のためには、自由層38の厚さは低減される。自由層3
8とキャッピング層39との界面、及び、ピン層34と
AFM層32との界面における電荷担体の拡散散乱に依
り、スピン・バルブ30’に対するMR比は減少され
る。加えて、スピン・バルブ30’に対するシート抵抗
は増大される。これは、拡散散乱時に電荷担体がエネル
ギ及びスピン情報を喪失するためである。NiOによる
AFM層32を使用すればMR比は幾分か改善され得る
が、より高密度な記録媒体と共に使用するための改善さ
れたセンサが依然として望まれる。
【0017】本発明は、磁気抵抗センサを提供する方法
及びシステムを提供する。本方法及びシステムは、ピン
ニング層と、該ピンニング層に近接したピン層とを配備
する工程を備える。前記ピン層は、ピンニング層により
磁化固定された第1の磁化を有する。本方法及びシステ
ムはまた、自由層、及び、該自由層とピン層との間に配
設されたスペーサ層を配備する工程も備える。前記自由
層は、第2の磁化を有する。一態様において、本方法及
びシステムはまた、自由層に近接した酸化物層を配備す
る工程も備える。酸化物層は、自由層と該酸化物層との
間の界面において電荷担体を鏡面反射させる。別の態様
において、本方法及びシステムは上記ピン層の一部とし
て強磁性酸化物層を配備する。該強磁性酸化物層は、ピ
ン層内において鏡面反射を生じさせる。本発明は、使用
される特定の物質及び特定のスピン・バルブに関して説
明される。しかしながら、当業者であれば、本方法及び
システムは本発明に従う他の物質及び他のスピン・バル
ブに対して効果的に作用することを容易に理解し得よ
う。同様に、本方法及びシステムは本発明に従う他の磁
気抵抗センサと共に使用され得る。本発明はまた、自由
層に隣接、またはピン層に隣接、またはピン層の一部と
してなどの特定箇所における酸化物層を有する実施態様
に関しても論じられる。しかしながら、当業者であれ
ば、本発明は酸化物層の任意の組合せと両立することを
容易に理解し得よう。例えば、酸化物層は、ピン層に隣
接して配備されるか、またはピン層に隣接し且つ自由層
に隣接して配備されるか、または、自由層に隣接し、且
つピン層の一部として配備され得る。
【0018】本発明をより詳細に説明すべく図4を参照
する。図4は本発明に係るスピン・バルブ100の一実
施態様を示している。スピン・バルブ100は、好まし
くは、図1に示されたMRヘッド10などのMRヘッド
において使用される。図4に戻るとスピン・バルブ10
0は、シード層102及びピンニング層104を備え
る。ピンニング層104は好ましくは、反強磁性(「A
FM」)層である。スピン・バルブ100はまた、磁性
層であるピン層106も備える。ピン層106の磁化
は、ピンニング層104により適当に磁化固定(pi
n)される。しかしながら、ピン層106は、多層構造
を備える合成ピン層でもあり得る。スピン・バルブ10
0はまた、スペーサ層108、自由層110、酸化物層
112、及び好ましくはキャッピング層114も備え
る。スペーサ層108は非磁性の、好ましくは金属性の
層である。自由層112は、例えば磁気記録媒体からの
外部印加磁界に応じて比較的自由に回転する磁化を有す
る磁性層である。酸化物層112は、自由層110から
分離されると共に、自由層110とは異なる物質を使用
して形成された層であり得る。酸化物層112はまた、
自由層110の一部を酸化することにより形成され得
る。キャッピング層114は、好ましくは酸化されたT
a、Ru又はNiFeCrなどの非磁性層である。
【0019】図5は、本発明に係るスピン・バルブ15
0の第2の実施態様を示している。スピン・バルブ15
0は、好ましくは、図1に示されたMRヘッド10など
のMRヘッドにおいて使用される。図5に戻ると、スピ
ン・バルブ150は、シード層152及びピンニング層
154を備える。ピンニング層154は反強磁性(「A
FM」)層であり得る。スピン・バルブ150はまた、
磁性を有するピン層156も備える。図5に示されたピ
ン層156は、合成ピン層である。故に、ピン層156
は、非磁性層160により分離された2つの磁性層15
8,162を備える。非磁性層160の厚さは,好まし
くは、磁性層158及び磁性層162が反強磁性的に結
合されるように設定される。磁性層158または磁性層
162の一方の磁化は、それぞれ他方の磁性層162ま
たは磁性層158の磁化よりも若干大きい。従って、合
成ピン層156の正味の磁化は小さい。ピン層156の
磁化は、ピンニング層154により適当に磁化固定され
る。一実施態様において、これは、ピンニング層154
と第1磁性層158との間の相互作用が、第1磁性層1
58の磁化の方向を磁化固定するが故に達成される。第
1磁性層158と第2磁性層162との間の反強磁性結
合は、第2磁性層162の磁化の方向を設定する。故
に、合成ピン層156に対する(正味)磁化の方向は、
ピンニング層56により磁化固定される。
【0020】スピン・バルブ150はまた、スペーサ層
164、自由層166、酸化物層168、及び好ましく
はキャッピング層170も備える。スペーサ層164は
非磁性の、好ましくは金属性の層である。自由層166
は、例えば磁気記録媒体からの外部印加磁界に応じて比
較的自由に回転する磁化を有する磁性層である。酸化物
層168は、自由層166から分離されると共に、自由
層166とは異なる物質を使用して形成された層であり
得る。酸化物層168はまた、自由層166の一部を酸
化することにより形成され得る。キャッピング層170
は、好ましくは酸化されていてもよいTa、Ru又はN
iFeCrなどの非磁性層である。
【0021】酸化物層112及び酸化物層168の存在
により、電荷担体(例えば電子)は、酸化物層112ま
たは酸化物層168と、自由層110または自由層16
6との界面において、鏡面反射を受ける。尚、全ての電
荷担体が鏡面反射を受ける必要は無いことに注意された
い。それよりも、酸化物層112及び酸化物層168
は、単に、これらの酸化物層112及び酸化物層168
が存在しない場合よりも多くの割合で電荷担体が鏡面反
射を受けるのを保証するだけである。
【0022】鏡面反射が生ずるのを保証すべく、酸化物
層112及び酸化物層168は、好ましくは幾つかの特
性を有する。第1に、酸化物層112及び酸化物層16
8と、自由層110及び自由層166との結晶構造は整
合しなければならない。従って、酸化物層112及び酸
化物層168は、好ましくは、自由層110及び自由層
166とそれぞれ同一の結晶構造を有する。一般的に
は、これは酸化物層112及び酸化物層168が面心立
方(「FCC」)構造を有することを意味する。更に、
酸化物層112及び酸化物層168の格子定数は、それ
ぞれ自由層110及び自由層166の格子定数に比較的
近似しているべきである。自由層110または自由層1
66を形成すべく使用されるCoFeなどの物質と、キ
ャッピング層114またはキャッピング層170を形成
すべく使用されるTaなどの物質との間における格子の
不整合は、不十分な格子整合であることが多いと思われ
ている。従って、一般的には、キャッピング層114ま
たはキャッピング層170が酸化されたとしても、鏡面
反射に適した付加的な酸化物層を導入しなければ、鏡面
反射は生じない。最後に、酸化物層112及び酸化物層
168は比較的平滑であるべきと思われる。従って、酸
化物層112及び酸化物層168と自由層110及び自
由層166との界面(自由層110及び自由層166が
酸化物層112及び酸化物層168へと遷移する所)
は、比較的平滑であることが望まれる。好ましい実施態
様において、この平滑な界面は、キャッピング層114
及びキャッピング層170を配備し、次に下側層の少な
くとも一部を酸化して酸化物層112及び酸化物層16
8を夫々形成することにより得られる。更に、一実施態
様においては、酸化物層112及び酸化物層168は比
較的薄いことが望まれる。好ましい実施態様において、
酸化物層は20〜30オングストローム程度以下である
と考えられる。幾つかの実施態様において、酸化物層1
12及び酸化物層168は10オングストローム程度で
ある。スピン・バルブ100及びスピン・バルブ150
がMRヘッドに対して所望される構成を有するために、
酸化物層112及び酸化物層168は薄くてよい。しか
しながら、より厚い酸化物層112及び酸化物層168
の使用を妨げるものではない。
【0023】自由層110及び自由層166は、夫々酸
化物層112及び酸化物層168と境界を接するため、
大きな度合いで鏡面反射が生じ得る。これは少なくとも
部分的に酸化物層112及び酸化物層168の絶縁性質
に依るものと思われる。しかしながら、鏡面反射に対し
てはまた、酸化物層112及び酸化物層168、平滑
さ、及び格子の整合に対する上記基準の少なくとも幾つ
かが満足されなければならないとも思われる。自由層1
10及び自由層166と酸化物層112及び酸化物層1
68との界面において電荷担体は鏡面反射を受けるの
で、電荷担体に対するスピン情報は保存される。更に、
鏡面反射の結果として、電荷担体はエネルギを喪失しな
い。従って、スピン・バルブ100及びスピン・バルブ
150のシート抵抗が低減され得る一方で、スピン・バ
ルブ100及びスピン・バルブ150のMR比は改善さ
れる。よって、スピン・バルブ100及びスピン・バル
ブ150は、より高密度な記録媒体の読取りに使用され
るのに適している。以下においては、特定のスピン・バ
ルブに対する実験データを論ずる。
【0024】図6は、本発明によるスピン・バルブ10
0又はスピン・バルブ150のようなスピン・バルブを
提供するための方法200の一実施態様における上位レ
ベルのフローチャートを示している。シード層は、工程
202によって配備される。前記シード層は夫々、ピン
ニング層に対して所望の結晶構造が得られることを保証
すべく使用される。ピンニング層は、工程204によっ
て配備される。ピン層はそれぞれ、工程206によっ
て、前記ピンニング層の上方に配備される。よって、工
程206で配備されるピン層は、ピン層106などよう
な単純なピン層、またはピン層156などのような合成
ピン層であり得る。次に工程208により、ピン層上に
非磁性スペーサ層がそれぞれ配備される。工程210に
より、自由層がスペーサ層上にそれぞれ配備される。よ
って、酸化物層は、自由層にそれぞれ隣接する。一実施
態様において、上記酸化物層は、工程210において、
自由層を酸化することにより配備される。別の実施態様
において、酸化物層は、酸化物を堆積するか、または、
物質層を堆積してからその物質を酸化することにより配
備され得る。工程214により、キャッピング層も配備
され得る。キャッピング層は、以下で論ずるように、酸
化物層の形成の前又は後にそれぞれ配備され得る。
【0025】酸化物層を形成する多くの異なる方法が存
在する。図7Aは、酸化物層を形成するひとつの方法2
20を示している。従って、方法220は、図6の方法
200の工程212を実施するために使用され得る。図
7Aに戻ると、工程222により、キャッピング層は自
由層上にそれぞれ配備される。次に工程224により、
キャッピング層と、自由層の少なくとも一部とが酸化さ
れる。このように、工程224は、キャッピング層の直
下の層を酸化する。故に、工程224において配備され
る酸化物層は、それぞれ強磁性自由層の酸化物である。
従って、方法220を使用して配備された酸化物層は、
反強磁性特性を呈し得る。適切な酸化物構造及び安定性
を提供すべく、前記スピン・バルブはアニーリングを必
要としても必要としなくてもよい。
【0026】方法220を使用して形成されたスピン・
バルブ150の一実施態様に対するデータが表1に示さ
れている。表1は、合成ピン層156を有するスピン・
バルブ150のようなスピン・バルブのためのキャッピ
ング層の厚さに対する、シート抵抗Rs 、MR比ΔR/
R、抵抗変化ΔR、自由層の保磁力Hcf、及び、層間結
合磁界(interlayer coupling f
ield)Hinを示している。また、シード層152、
ピンニング層154、ピン層156の磁性層、ピン層1
56の非磁性層及び磁性層、スペーサ層164、自由層
166、ならびに、キャッピング層は、それぞれ、Ta
(15オングストローム)及びNiFeCr(35オン
グストローム)、PtMn(150オングストロー
ム)、CoFe(20オングストローム)、Ru(8.
5オングストローム)、CoFe(25オングストロー
ム)、Cu(25オングストローム)、CoFe(15
オングストローム)及びTa(可変の厚さ)である。
【0027】
【表1】 表1から理解され得るように、Ta製キャッピング層の
厚さが20オングストローム以下へと減少するにつれ
て、シート抵抗は減少する。更に、Ta製キャッピング
層の厚さが減少するにつれ、MR比及び抵抗変化は増大
する。シート抵抗における減少は、鏡面反射の発現を示
すと思われる。鏡面反射が無ければ、Ta製キャッピン
グ層の厚さ、よってスピン・バルブ150の厚さが減少
するにつれてシート抵抗は増大すると予測される。鏡面
反射の発現は、酸化工程224における自由層166か
らのCoFeの酸化物の形成に依るものと思われる。鏡
面反射の発現はまた、電荷担体の平均自由行程が増大す
るので、MR比及び抵抗変化をも増大させる。
【0028】キャッピング層170は、酸化に対する障
壁の役割を果たす。これは、滑らかな酸化物層の提供を
助ける。更に、表1におけるキャッピング層170の厚
さより、酸化物層168の厚さが制御され得る。キャッ
ピング層170が20オングストロームであるとき、キ
ャッピング層170の全てが酸化され、且つ自由層16
6は殆ど又は全く酸化されないと思われる。従って、T
a製キャッピング層170の厚さが20オングストロー
ムであるとき、酸化物層168の厚さはおよそゼロであ
ると思われる。キャッピング層170の厚さが減少する
につれ、酸化物層168の厚さは増大する。これは、酸
化工程224において、キャッピング層170の全て
と、下側に位置する自由層166の一部とが酸化するか
らである。例えば、キャッピング層170の厚さが約1
0オングストロームであれば、酸化物層168は5オン
グストローム程度であると思われる。キャッピング層1
70の厚さが減少し、且つ酸化物層168の厚さが増大
するにつれ、シート抵抗の減少及びMR比の増大により
立証されるように、鏡面反射は明らかに増大する。従っ
て、キャッピング層170が0〜20オングストローム
であり、且つ酸化物層が約20オングストローム以下で
あれば、鏡面反射によりMR比は増大すると思われる。
【0029】方法220を使用して形成されたスピン・
バルブ150の別の実施態様に対するデータが表2に示
される。表2におけるデータを求めるために使用された
スピン・バルブ150は、表1のデータを求めるために
使用されたスピン・バルブ150と同様である。但し、
異なるキャッピング層170、すなわちNiFeCrが
使用される。表2は、合成ピン層156を有するスピン
・バルブ150のようなスピン・バルブのためのキャッ
ピング層の厚さに対する、シート抵抗Rs 、MR比ΔR
/R、抵抗変化ΔR、自由層の保磁力Hcf、及び、層間
結合磁界Hinを示している。また、シード層152、ピ
ンニング層154、ピン層156の磁性層、非磁性層及
び磁性層、スペーサ層164、自由層166、ならび
に、キャッピング層は、それぞれ、Ta(15オングス
トローム)及びNiFeCr(35オングストロー
ム)、PtMn(150オングストローム)、CoFe
(20オングストローム)、Ru(8.5オングストロ
ーム)、CoFe(25オングストローム)、Cu(2
4オングストローム)、CoFe(20オングストロー
ム)及びNiFeCr(可変の厚さ)である。このよう
に、表2に示されたデータを有するスピン・バルブ15
0のためのキャッピング層170はNiFeCrであ
る。
【0030】
【表2】 表2から理解され得るように、NiFeCr製キャッピ
ング層の厚さが約15〜20オングストローム以下へと
減少するにつれてシート抵抗は減少する。加えて、Ni
FeCr製キャッピング層の厚さが減少するにつれ、M
R比及び抵抗変化は増大する。上記で論じたように、シ
ート抵抗の減少、並びに、これに伴うMR比及び抵抗変
化の増大は、酸化物層168の形成に起因する鏡面反射
の発現に依るものと思われる。従って、この系に対して
は、酸化物層168が約15〜20オングストローム程
度までの厚さを有すれば、鏡面反射が生じてMR比は増
大すると思われる。
【0031】表3は、スピン・バルブ150の別の実施
態様に対するデータを示している。表3におけるデータ
を求めるために使用されたスピン・バルブ150は、表
1のデータを求めるために使用されたスピン・バルブ1
50と同様である。但し、異なるピンニング層154、
すなわちIrMnが使用される。表3は、合成ピン層1
56を有するスピン・バルブ150のようなスピン・バ
ルブのためのキャッピング層の厚さに対する、シート抵
抗Rs 、MR比ΔR/R、抵抗変化ΔR、自由層の保磁
力Hcf、及び、層間結合磁界Hinを示している。また、
シード層152、ピンニング層154、ピン層156の
磁性層、ピン層156の非磁性層及び磁性層、スペーサ
層164、自由層166、ならびにキャッピング層は、
それぞれ、NiFeCr(35オングストローム)、I
rMn(75オングストローム)、CoFe(18オン
グストローム)、Ru(8オングストローム)、CoF
e(21オングストローム)、Cu(23オングストロ
ーム)、CoFe(20オングストローム)及びTa
(可変の厚さ)である。このように、表3に示されたデ
ータを有するスピン・バルブ150のためのピンニング
層154はIrMnである。
【0032】
【表3】 表3から理解され得るように、Ta製キャッピング層の
厚さが約15〜20オングストロームから少なくとも3
オングストロームへと減少するにつれて、シート抵抗は
減少する。更に、Ta製キャッピング層の厚さが減少す
るにつれ、MR比及び抵抗変化は増大する。上記で論じ
たように、シート抵抗の減少、並びに、これに伴うMR
比及び抵抗変化の増大は、酸化物層168の形成に起因
する鏡面反射の発現に依るものと思われる。よって、こ
の系に関しては、酸化物層168が約15〜20オング
ストロームまでの厚さを有すれば、鏡面反射が生じてM
R比は増大すると思われる。
【0033】従って、より薄いキャッピング層170を
備えることにより、自由層166の一部が酸化されて酸
化物層168が形成される。結果として、鏡面反射が増
大し得る。尚、表1、表2及び表3のデータを求めるた
めに使用された物質以外の物質が使用され得ることに注
意されたい。例えば、上記キャッピング層にはRuが使
用可能であり、あるいは、ピンニング層、ピン層及び自
由層には他の物質が使用され得る。加えて、ピン層15
6などの合成ピン層の使用は必須ではない。更に、一般
的に自由層110及び自由層166のために使用される
物質の酸化物により形成された酸化物層112及び酸化
物層168もまた、鏡面散乱を提供し、且つ、それに伴
いMR比を増大することが期待される。斯かる物質とし
ては、NiFe、Fe、Ni及びCoが挙げられるが、
これらに限られるわけではない。
【0034】図7Aに示された方法220の工程224
において、自由層を酸化して酸化物層を設けてもMR比
は改善されるが、その様にして形成された酸化物層はA
FM層である。これは、一般的に自由層に使用される酸
化物は反強磁性であるためである。酸化物層の反強磁性
の性質は、表1、表2及び表3に示された自由層の保磁
力Hcf及び層間相互作用磁界Hinに見られる。反強磁性
の酸化物層112又は酸化物層168は、自由層110
または自由層166を交換バイアス(exchange
bias)し得る。結果として、自由層110または
自由層166の保磁力は増大し、且つ、層間相互作用磁
界は増大し得る。これらの効果は、酸化物層112又は
酸化物層168の厚さが増大するにつれて特に顕著とな
る。例えば、表1は、5オングストローム以下のキャッ
ピング層厚に関して、自由層の保磁力が大きく増大する
ことを示している。同様に表2は、約8オングストロー
ム以下のキャッピング層厚に関して、自由層の保磁力が
急激に増大することを示している。表3は、約5オング
ストローム以下のキャッピング層厚に対して自由層の保
磁力が増大することを示している。加えて、表1、表2
及び表3は、キャッピング層の一定の厚さ、よって酸化
物層の一定の厚さに対し、大きな層間相互作用磁界を示
している。斯かる反強磁性酸化物層を備えるスピン・バ
ルブが機能する為には、斯かる層の反強磁性特性が考慮
されねばならない。故に、酸化物層112及び酸化物層
168を他の物質、特に非磁性物質で形成するのが好ま
しいこともある。よって、方法220を使用しないこと
が好ましいこともある。更に、自由層110または自由
層166を酸化するのでは無く、NiOなどの反強磁性
酸化物が堆積又は成長させられて酸化物層を形成し得
る。斯かる反強磁性酸化物層は依然として、薄いこと、
並びに、自由層110及び自由層166に対する良好な
格子整合を有するという、酸化物層112及び酸化物層
168のための上記特性を満足せねばならない。しかし
ながら、斯かる反強磁性酸化物層の磁気特性のために、
酸化物層112及び酸化物層168には別の非磁性物質
を使用することが依然として望ましい。
【0035】図7Bは、酸化物層112又は酸化物層1
68を提供する別の実施態様の方法230を示してい
る。従って、方法230は、図6に示された方法200
の工程212を実施するために使用され得る。図7Bに
戻ると、方法230を使用して提供された酸化物層11
2又は酸化物層168は非磁性である。工程232によ
り、非磁性物質が堆積される。好ましい実施態様におい
て、非磁性物質はCuである。Cuが好適なのは、一般
的にCu及びその酸化物は、自由層110及び自由層1
66で一般に使用されるCoFe及びNiFeなどの物
質に対して、良好に格子が整合するからである。但し、
鏡面反射を提供する酸化物層112又は酸化物層168
を生じるRu又はNiFeCrなどの別の非磁性物質の
使用を妨げるものではない。次に、工程234によっ
て、非磁性層の少なくとも一部が酸化されて酸化物層を
形成する。好ましくは、非磁性層の全ては工程234に
よって酸化される。好ましい実施態様においてはまた、
非磁性層の下側の自由層110及び自由層166のいず
れも工程234によって酸化されない。尚、別の実施態
様においては、工程232及び工程234が併合され
て、非磁性酸化物が直接堆積され得ることに留意された
い。適切な酸化物構造及び安定性を提供すべく、上記ス
ピン・バルブはアニーリングを要しても要さなくてもよ
い。
【0036】図7Cは、酸化物層112又は酸化物層1
68を提供する別の好ましい実施態様の方法240を示
している。故に、方法230は図6に示された方法20
0の工程212及び工程214を実施するために使用さ
れ得る。図7Cに戻ると、方法240を使用して設けら
れた酸化物層112又は酸化物層168は非磁性であ
る。工程242により、非磁性物質が堆積される。上述
の理由に依り、該非磁性物質は好ましくはCuである。
但し、鏡面反射を許容する酸化物層112又は酸化物層
168を生じる別の非磁性物質の使用を妨げるものでは
ない。次に、キャッピング層が工程244によって配備
される。その後、工程246により、キャッピング層
と、下側に位置する非磁性層の少なくとも一部とが酸化
される。このように、酸化物層は、工程246におい
て、キャッピング層の下方の層を酸化することにより形
成される。好ましくは、工程246において、非磁性層
のほぼ全てが酸化される。また、好ましい実施態様にお
いては、非磁性層の下の自由層110または自由層16
6のいずれも工程246で酸化されない。適切な酸化物
構造及び安定性を提供すべく、上記スピン・バルブはア
ニーリングを要しても要さなくてもよい。
【0037】従って、方法230又は方法240を使用
すれば、自由層110または自由層166に隣接して、
非磁性酸化物層112又は非磁性酸化物層168が配備
され得る。非磁性酸化物層が形成されたスピン・バルブ
150の一実施態様に対するデータは、表4に示され
る。表4におけるデータを求めるために使用されたスピ
ン・バルブ150は表1のデータを求めるために使用さ
れたスピン・バルブ150と同様である。しかしなが
ら、非磁性酸化物層はCuを使用して形成される。表4
は、合成ピン層156を有するスピン・バルブ150の
ようなスピン・バルブのためのキャッピング層の厚さに
対する、シート抵抗Rs 、MR比ΔR/R、抵抗変化Δ
R、自由層の保磁力Hcf、及び、層間結合磁界Hinを示
している。また、シード層152、ピンニング層15
4、ピン層156の磁性層、非磁性層及び磁性層、スペ
ーサ層164、自由層166、酸化物層168を形成す
る非磁性層、ならびにキャッピング層は、それぞれ、T
a(15オングストローム)及びNiFeCr(35オ
ングストローム)、PtMn(150オングストロー
ム)、CoFe(20オングストローム)、Ru(8.
5オングストローム)、CoFe(25オングストロー
ム)、Cu(25オングストローム)、CoFe(15
オングストローム)、Cu(10オングストローム)及
びTa(可変の厚さ)である。
【0038】
【表4】 表4から理解され得るように、Ta製キャッピング層の
厚さが約15オングストローム〜5オングストロームの
間で減少するにつれて、シート抵抗は減少する。更に、
この範囲のキャッピング層厚に亙り、MR比及び抵抗変
化は増大する。上記で論じたように、シート抵抗の減
少、及びこれに伴うMR比の増大、ならびに抵抗の変化
は、酸化物層168の形成に起因する鏡面反射の発現に
依るものと思われる。よって、この系に関しては、キャ
ッピング層170が十分に薄い場合に酸化物層168は
Cu層から形成されると思われる。約15オングストロ
ーム以上のキャッピング層厚においては、Cu層は酸化
されずに、Cu層と酸化キャッピング層170との界面
にて拡散散乱が生じさせると思われる。従って、鏡面反
射は、キャッピング層厚及び非磁性酸化物層168の厚
さの範囲に亙り生じ得る。但し、表4のデータを求める
ために使用されたスピン・バルブ150のためのCu層
の厚さが10オングストロームであれば、少なくとも1
0オングストロームまでの厚さを有する非磁性酸化物層
112及び非磁性酸化物層168は、それぞれ、スピン
・バルブ100及びスピン・バルブ150のMR比を改
善すると思われる。
【0039】加えて、非磁性酸化物層168を使用する
と、自由層166の保磁力及び層間相互作用磁界は小さ
いままであることを保証する。これは、表4の最終行
と、最終列から2番目の行とから理解され得る。自由層
166の保磁力は、塊状のCoFeの保磁力と同様であ
る2〜5エルステッドの範囲内に留まる。これは、Co
Fe自由層166が、隣接する反強磁性酸化物層により
交換バイアスされていないためである。加えて、層間相
互作用磁界は比較的低い、すなわち20エルステッド以
下程度のままである。Cuより形成された酸化物層16
8が、層間相互作用磁界に寄与するであろう反強磁性酸
化物層の形成を防止するため、この磁界は部分的に低い
ままである。故に、鏡面反射を許容することに加え、非
磁性酸化物層168又は非磁性酸化物層112は、自由
層166又は自由層110が、それぞれ、隣接する反強
磁性酸化物層により影響されないことを保証する。しか
しながら、薄すぎるCu及びキャッピング層厚に関して
は、自由層の一部分が酸化されると思われる。これは上
述した斯かる酸化物の反強磁性特性のため、望ましくな
い。
【0040】非磁性酸化物層168のような非磁性酸化
物層はまた、他の物質を使用するスピン・バルブに対す
るMR比も改善する。例えば、非磁性酸化物層を有する
と共に、自由層166にCoFe及びNiFeの二重層
を使用するスピン・バルブ150である。検討される斯
かるスピン・バルブの一つにおいて、シード層152、
ピンニング層154、ピン層156の磁性層、非磁性層
及び磁性層、スペーサ層164、自由層166のCoF
e及びNiFe層、酸化物層168を形成する非磁性
層、ならびに、キャッピング層は、それぞれ、Ta(1
5オングストローム)及びNiFeCr(35オングス
トローム)、PtMn(150オングストローム)、C
oFe(18オングストローム)、Ru(8.5オング
ストローム)、CoFe(28オングストローム)、C
u(22オングストローム)、CoFe(20オングス
トローム)及びNiFe(10オングストローム)、C
u(8オングストローム)ならびにNiFeCr(12
オングストローム)である。このスピン・バルブに対す
るシート抵抗は16.46Ω/sqであり、12.68
%のMR比である。従って、スピン・バルブ100また
はスピン・バルブ150は他の物質が使用されても、依
然として改善された性能を有し得る。
【0041】非磁性酸化物層168の所望厚さを更に十
分に吟味すべく、別のスピン・バルブ150が調査され
た。斯かるスピン・バルブ150に対するデータは、表
5に示されている。表5におけるデータを求めるために
使用されたスピン・バルブ150は表4のデータを求め
るために使用されたスピン・バルブ150と同様であ
る。但し、Cuを使用して形成された非磁性酸化物層、
及びキャッピング層の両者の厚さは変更された。更に、
自由層166はCoFe及びNiFeからなる二重層で
ある。表5は、合成ピン層156を有するスピン・バル
ブ150のようなスピン・バルブのための、酸化物層1
68が形成されるキャッピング層及び非磁性Cu層の厚
さに対する、シート抵抗Rs 、MR比ΔR/R、抵抗変
化ΔR、自由層の保磁力Hcf、及び、層間結合磁界Hin
を示している。また、シード層152、ピンニング層1
54、ピン層156の磁性層、非磁性層及び磁性層、ス
ペーサ層164、自由層166、酸化物層168を形成
する非磁性層、ならびにキャッピング層は、それぞれ、
Ta(15オングストローム)及びNiFeCr(35
オングストローム)、PtMn(150オングストロー
ム)、CoFe(18オングストローム)、Ru(8.
5オングストローム)、CoFe(28オングストロー
ム)、Cu(22オングストローム)、CoFe(10
オングストローム)及びNiFe(20オングストロー
ム)、Cu(可変の厚さ)及びTa(可変の厚さ)であ
る。
【0042】
【表5】 表5から分かるように、約12オングストロームのTa
キャッピング層170の厚さに対して8〜12オングス
トロームのCu厚さにおいて、シート抵抗は比較的低い
ままである。同様に、約8オングストロームのCu厚さ
に対してシート抵抗は低く留まり、キャッピング層17
0の約8〜14オングストロームの厚さは低減されたシ
ート抵抗及び比較的大きなMR比をもたらす。従って、
非磁性Cu酸化物層168が約8〜12オングストロー
ムの厚さを有すると共にTaキャッピング層が同様の厚
さを有すると、鏡面反射は著しく増加し、MR比は増大
し、且つシート抵抗は減少すると思われる。
【0043】図7Dは、本発明に係る酸化物層を提供す
る第4実施態様の方法250を示すフローチャートであ
る。方法250により設けられる酸化物層は強磁性酸化
物である。磁性層は、工程252によって堆積される。
方法250は、図6に示された方法200の工程212
及び工程214を実施すべく使用され得る。図7Dに戻
ると、方法240を使用して提供された酸化物層112
又は酸化物層168は強磁性である。例えば、酸化物層
112又は酸化物層168は、Fe2 4 、NiFeO
4 、CuFeO4 又はCoFeO4 であってもよい。工
程242により、磁性材料が堆積される。磁性材料の酸
化物は、鏡面反射を許容する酸化物層112又は酸化物
層168を生じる。次に、工程246よって上記磁性材
料が酸化される。故に、酸化物層は工程254において
形成される。工程254では、上記磁性層のほぼ全てが
酸化される。方法250が使用される場合、好ましく
は、工程254では磁性層の下側の自由層110または
自由層166のいずれも酸化されない。別の実施態様に
おいて、Fe2 4 、NiFeO4 、CuFeO4 又は
CoFeO4 などの磁性酸化物は自由層110または自
由層166上に直接堆積される。故に、別体の堆積及び
酸化工程は不要である。
【0044】酸化物層112又は酸化物層168に強磁
性酸化物を使用することは、反強磁性である酸化物より
も利点を有する。強磁性の酸化物層112又は酸化物層
168は、夫々、自由層110または自由層166に対
して磁気的に結合され得る。従って、反強磁性の酸化物
層112又は酸化物層168が磁界を及ぼすのと異な
り、強磁性の酸化物層112又は酸化物層168は自由
層110または自由層166と共に応答する。故に、反
強磁性の酸化物層112又は酸化物層168において遭
遇する問題の幾つかは回避され得る。
【0045】従って、自由層110及び自由層166と
それぞれ境界を接する酸化物層112及び酸化物層16
8が存在すると、自由層110及び自由層166と酸化
物層112及び酸化物層168との間において、それぞ
れ鏡面反射が生じ得る。結果として、自由層110及び
自由層166に隣接した薄い酸化物層に依り、スピン・
バルブ100及びスピン・バルブ150のMR比が改善
され、且つシート抵抗は減少される。酸化物層112及
び酸化物層168が非磁性である場合、スピン・バルブ
100及びスピン・バルブ150の性能の他の点が改善
される。特に、自由層110及び自由層166の保磁力
と、層間相互作用磁界とは、小さいままであり得る。
【0046】スピン・バルブ100及びスピン・バルブ
150の性能は、ピン層106又はピン層156と、ピ
ンニング層104又は154との間に酸化物層をそれぞ
れ備えることで更に改善され得る。図8は、斯かるスピ
ン・バルブ300の一実施態様を示している。スピン・
バルブ300は、図1に示されたMRヘッド10で使用
され得る。図8に戻ると、スピン・バルブ300はピン
ニング層304の下側にシード層302を備える。ピン
ニング層304は、AFM層または合成AFM層であり
得る。ピンニング層304に隣接して酸化物層305が
存在する。酸化物層305は好ましくは、AFM酸化物
層305である。好ましくは、AFM酸化物層305は
堆積されたNiOの層である。しかしながら、別のAF
M物質の使用を妨げるものではない。AFM酸化物層3
05に隣接してピン層306が存在する。ピン層306
は、通常の磁性ピン層、または、図5に示されたピン層
156と同様の合成ピン層であり得る。図8に戻ると、
AFM酸化物層305はこの様にピン層306と境界を
接する。スピン・バルブ300はまた、非磁性スペーサ
層308、磁性自由層310、酸化物層312、及び、
選択的なキャッピング層314も備える。自由層310
は、任意の磁性層、好ましくは、CoFe、または、C
oFe及びNiFeの二重層から形成され得る。
【0047】酸化物層312は自由層310に隣接し、
酸化物層312と自由層310との界面で鏡面反射を生
じさせ得る。故に、酸化物層312は好ましくは、図4
及び図5にそれぞれ示された酸化物層112及び酸化物
層168の特性に類似した特性を有する。よって、図5
に戻ると、酸化物層312は好適に滑らかであり、且つ
自由層310に対して良好に格子整合する。更に、AF
M酸化物層305は、ピン層306とAFM酸化物層3
05との間で鏡面反射が生じさせる。従って、AFM酸
化物層305は、好ましくは、滑らかであり、且つピン
層306に対して良好に格子整合する。よって、スピン
・バルブ300の性能は、2つの界面、すなわち、自由
層310と酸化物層312との界面、及びピン層306
とAFM酸化物層305との界面における鏡面反射によ
り改善される。故に、スピン・バルブ300のMR比は
改善されるはずである。代わりの実施態様においては、
AFM酸化物層305が備えられ得るが、酸化物層31
2は省略される。斯かる場合には、鏡面反射は、ピン層
306とAFM酸化物層305との界面においては生ず
るが、自由層310の両界面では生じない。故に、斯か
る実施態様に対してMR比は増大するが、図8に示され
たスピン・バルブ300のMR比まではおそらく及ばな
いであろう。酸化物AFM物質のひとつの制限は、その
ブロッキング温度(blocking tempera
ture)が低いことであり、これは熱的安定性の問題
に繋がり得る。この制限は、極めて薄い(50オングス
トローム未満)酸化物AFM層を使用すると共に、より
良好な熱的特性を有する別のAFM層によりこの酸化物
層を安定化することによって克服され得る。
【0048】図9は、本発明に係るスピン・バルブ30
0を提供する方法350を示している。工程352では
シード層が配備される。該シード層は、ピンニング層に
対する所望の結晶構造を得ることを保証すべく使用され
る。工程354ではピンニング層が配備される。工程3
56では、ピンニング層上にAFM酸化物層が配備され
る。工程358により、ピン層106などの単純なピン
層がピンニング層上に配備される。次に工程360で
は、ピン層上に非磁性スペーサ層がそれぞれ配備され
る。工程362では、スペーサ層上に自由層がそれぞれ
配備される。工程364では自由層上に酸化物層がそれ
ぞれ配備される。故に、酸化物層は自由層にそれぞれ隣
接する。一実施態様において、酸化物層は、工程364
において自由層を酸化することにより備えられる。別の
実施態様において、酸化物層は、酸化物を堆積するこ
と、または、物質層を堆積してからその物質を酸化する
ことにより、備えられ得る。更に別の実施態様におい
て、工程364で備えられた酸化物層は、図7A、図7
B、図7C又は図7Dに示された方法220、方法23
0又は方法240を使用して設けられ得る。よって、図
9に戻ると、工程364において備えられた酸化物層
は、反強磁性酸化物、非磁性酸化物、または強磁性酸化
物を含み得る。工程366により、キャッピング層も備
えられ得る。図7A及び図7Cに関して論じたように、
キャッピング層は酸化物層の形成の前又は後にそれぞれ
備えられ得る。
【0049】図4、図5、図8及び図9を参照すると、
スピン・バルブ300は本質的にスピン・バルブ100
及びスピン・バルブ150と同様の利点を有する。酸化
物層312が存在することにより、自由層310と酸化
物層312との界面で鏡面散乱が生じ得る。酸化物層3
12も非磁性であれば、自由層の保磁力、及び、層間相
互作用磁界も比較的小さいままであり得る。更に、AF
M酸化物層305が存在することから、ピン層306と
AFM酸化物層305との界面において鏡面散乱が生じ
得る。従って、スピン・バルブ300の性能はスピン・
バルブ100及びスピン・バルブ150の性能以上に改
善され得る。これは、磁性自由層310の上端部及びピ
ン層306の下端部の双方において、それぞれ、鏡面散
乱が生じ得るためである。故に、スピン・バルブ300
のMR比は、スピン・バルブ100及びスピン・バルブ
150のMR比よりも更に大きい。従って、スピン・バ
ルブ100及びスピン・バルブ150と同様に、スピン
・バルブ300は高面積密度記録媒体と共に使用するの
に適し得る。
【0050】図10Aは、本発明に係る第4実施態様の
スピン・バルブ400のブロック図である。スピン・バ
ルブ400は、シード層402、ピンニング層404、
合成ピン層406、非磁性スペーサ層408、自由層4
10及びキャッピング層412を備える。尚、別の実施
態様において、酸化物層112又は酸化物層168など
の酸化物層は、自由層410とキャッピング層412と
の間に挿入され得ることに留意されたい。ピンニング層
404は、好ましくは反強磁性層である。合成ピン層4
06は、第1強磁性層422、非磁性スペーサ層42
4、第2強磁性層426、強磁性酸化物層428及び第
3強磁性層430を備える。第2強磁性層426、強磁
性酸化物層428及び第3強磁性層430は、強磁性的
に結合される。よって、層426,428,430は、
単一の強磁性層として挙動する。強磁性酸化物層428
は、Fe2 4 、NiFeO4 、CuFeO4 又はCo
FeO4 などの強磁性酸化物である。酸化物層428
は、電荷担体に鏡面反射を受けさせ得る。故に、酸化物
層428は、好ましくは比較的に滑らかであり、層42
6及び層430に対して良好に格子整合し、且つ、好ま
しくは比較的薄い。
【0051】図10Bは、本発明に係る第4実施態様に
おける別のスピン・バルブ400’のブロック図であ
る。スピン・バルブ400’の構成要素の多くはスピン
・バルブ400の構成要素と類似していることから、同
様に付番される。スピン・バルブ400’は、シード層
402’、ピンニング層404’、合成ピン層40
6’、非磁性スペーサ層408’、自由層410’及び
キャッピング層412’を備える。別の実施態様におい
ては、酸化物層112又は酸化物層168などの酸化物
層が自由層410’とキャッピング層412’との間に
挿入され得ることに留意されたい。ピンニング層40
4’は、好ましくは反強磁性層である。合成ピン層40
6’は、第1強磁性層422’、非磁性スペーサ層42
4’、強磁性酸化物層428’及び第2強磁性層42
6’を備える。第2強磁性層426’及び強磁性酸化物
層428’は強磁性的に結合される。よって、層42
6’及び層428’は、単一の強磁性層として挙動す
る。酸化物層428’は、Fe2 4 、NiFeO4
CuFeO4 又はCoFeO4 などの強磁性酸化物であ
る。酸化物層428’は、電荷担体に鏡面反射を受けさ
せ得る。従って、酸化物層428’は、好ましくは、滑
らかであり、層426’に対して良好に格子整合し、且
つ、好ましくは比較的に薄寸である。
【0052】図10A及び図10Bを参照すると、酸化
物層428及び酸化物層428’は、それぞれ合成ピン
層406及び合成ピン層406’内で鏡面反射を生じさ
せ得る。非磁性スペーサ層424及び非磁性スペーサ層
424’は、Ruなどの比較的に高抵抗の材料から成る
ことが多いので、合成ピン層406及び合成ピン層40
6’の上側強磁性層内における鏡面反射が望ましいこと
もある。故に、非磁性スペーサ層424及び非磁性スペ
ーサ層424’に対して電荷担体が到達する前に鏡面反
射が生ずるのが望ましいこともある。これは、比較的高
抵抗の材料は電荷担体を拡散的に散乱し、合成ピン層4
06,406’とピンニング層404,404’との間
に酸化物層を載置する利点を打ち消すためである。酸化
物層428,428’の存在により、斯かる鏡面反射が
生じ得る。従って、酸化物層428,428’はスピン
・バルブ400,400’の性能を改善し得る。
【0053】酸化物層428及び酸化物層428’は、
2つの強磁性層426,430を分離して、また、強磁
性層426の下方に位置するよう示されているが、酸化
物層428及び428’は合成ピン層の頂部磁性層内に
単に挿入されただけである。スピン・バルブ400にお
けるように、酸化物層が頂部磁性層のある部分内に挿入
されるか、または、スピン・バルブ400’におけるよ
うに、酸化物層が磁性層の一端部に挿入されるかに依存
して、スピン・バルブは合成ピン層400及び合成ピン
層400’においてそれぞれ異なる個数の磁性層を有す
るように見える。しかしながら、上記で論じたように、
酸化物層428及び酸化物層428’は強磁性酸化物で
ある。故に、層426,428,430及び層42
6’,428’は、夫々、単一の強磁性層として挙動す
る。結果として、スピン・バルブ400,400’の性
能は酸化物層428,428’の存在により悪影響を受
けない。更に、鏡面反射を許容すべく自由層に隣接して
酸化物層が配備されると、スピン・バルブ100及びス
ピン・バルブ150に関して上述したように、これらの
スピン・バルブの利点も得ることが可能である。
【0054】図11は、本発明に係る第4実施態様のス
ピン・バルブを提供する方法450の一実施態様を示す
フローチャートである。工程452により、シード層が
配備される。該シード層は、ピンニング層が所望の結晶
構造を得るのを保証するために使用される。工程454
により、ピンニング層が配備される。ピン層406また
はピン層406’などの合成ピン層の第1磁性層及び非
磁性スペーサ層は、工程456によって、ピンニング層
の上方に配備される。工程458では、強磁性酸化物層
を含めた、合成ピン層の上側磁性層が配備される。故
に、工程458では、層426,428,430、また
は、層426’,428’が配備され得る。酸化物層4
28,428’は、磁性層を堆積し、その磁性層を酸化
するか、または、強磁性酸化物を堆積することで配備さ
れ得る。故に、工程456及び458では、強磁性酸化
物層を備える合成ピン層が配備される。次に、工程46
0により、合成ピン層上に非磁性スペーサ層が配備され
る。工程462では、スペーサ層上に自由層がそれぞれ
配備される。工程464により、キャッピング層も配備
され得る。自由層に隣接した酸化物層が使用されること
になっている場合には、この酸化物層は、工程462及
び工程464の間において、自由層とキャッピング層と
の間に配備されることに留意されたい。
【0055】図12Aは、本発明に係る第5実施態様の
スピン・バルブ500のブロック図である。スピン・バ
ルブ500は、シード層502、ピンニング層504、
ピン層506、非磁性スペーサ層508、自由層510
及びキャッピング層512を備える。別の実施態様にお
いては、酸化物層112または酸化物層168などの酸
化物層が,自由層510とキャッピング層512との間
に挿入され得ることに留意されたい。ピンニング層50
4は、好ましくは反強磁性層である。ピン層506は、
第1強磁性層522、強磁性酸化物層524及び第2強
磁性層526を備える。第1強磁性層522、強磁性酸
化物層524及び第2強磁性層526は強磁性的に結合
される。故に、層522,524,526は、単一の強
磁性層として挙動する。酸化物層524は、Fe
2 4 、NiFeO4 、CuFeO4 又はCoFeO4
などの強磁性酸化物である。酸化物層524は、電荷担
体に鏡面反射を受けさせる。従って、酸化物層514
は、好ましくは比較的滑らかであり、層522,526
に対して良好に格子整合し、且つ、好ましくは比較的薄
い。
【0056】図12Bは、本発明に係る第5実施態様の
別のスピン・バルブ500’のブロック図である。スピ
ン・バルブ500’の構成要素の多くはスピン・バルブ
500の構成要素と類似していることから、同様に付番
される。スピン・バルブ500’は、シード層50
2’、ピンニング層504’、ピン層506’、非磁性
スペーサ層508’、自由層510’及びキャッピング
層512’を備える。別の実施態様においては、酸化物
層112又は酸化物層168などの酸化物層が、自由層
510’とキャッピング層512’との間に挿入され得
ることに留意されたい。ピンニング層504’は好まし
くは反強磁性層である。ピン層506’は、第1強磁性
層522’及び非磁性スペーサ層524’を備える。故
に、層522’,524’は単一の強磁性層として挙動
する。酸化物層524’は、Fe2 4 、NiFe
4 、CuFeO4 又はCoFeO4 などの強磁性酸化
物である。酸化物層524は、電荷担体に鏡面反射を受
けさせる。故に酸化物層514’は好ましくは、滑らか
であり、層522’に対して良好に格子整合し、且つ、
好ましくは比較的に薄寸である。
【0057】図12A及び図12Bを参照すると、酸化
物層524及び酸化物層524’は、ピン層506及び
ピン層506’内において鏡面反射を生じさせる。ピン
層506,506’における鏡面反射は、ピンニング層
504,504’とピン層506,506’との間に反
強磁性酸化物層を使用することの代わりに、望ましいこ
ともある。よって、酸化物層524,524’は、それ
ぞれ、ピン層506,506’とピンニング層504,
504’との間の酸化物層の代わりに使用され得る。従
って、酸化物層524,524’はスピン・バルブ50
0,500’の性能を改善し得る。
【0058】酸化物層524及び酸化物層524’は、
2つの強磁性層522及び強磁性層526を分離して、
また強磁性層522の下方に位置するよう示されている
が、酸化物層524及び酸化物層524’は、それぞ
れ、単にピン層506及びピン層506’内に挿入され
ただけである。スピン・バルブ500におけるように、
酸化物層が磁化固定されたある部分内に挿入されるか、
または、スピン・バルブ500’におけるように、酸化
物層がピン層の一端に挿入されるかに依存し、スピン・
バルブはピン層506,500’において異なる個数の
磁性層を有するように見える。しかしながら、上述した
ように、酸化物層524及び酸化物層524’は強磁性
酸化物である。故に、層522,524,526、なら
びに、層522’,524’は、夫々、単一の強磁性層
として挙動する。結果として、スピン・バルブ500,
600’の性能は、酸化物層524,524’の存在に
よる悪影響を受けない。更に、鏡面反射を許容すべく自
由層に隣接して酸化物層が配備されるならば、スピン・
バルブ100及びスピン・バルブ150に関して上述し
たように、これらのスピン・バルブの利点も得ることが
可能である。
【0059】図13は、本発明に係る上記第4実施態様
のスピン・バルブを提供する方法550の一実施態様を
示すフローチャートである。工程552により、シード
層が配備される。該シード層は、ピンニング層に所望の
結晶構造が得られることを保証すべく使用される。工程
554ではピンニング層が配備される。工程556によ
り、強磁性酸化物層を含むピン層が配備される。故に、
工程556では、層522,524,526、または、
層522’,524’が配備され得る。酸化物層52
4,524’は、磁性層を堆積して,その磁性層を酸化
するか、または、強磁性酸化物を堆積することで配備さ
れ得る。よって、工程556により強磁性酸化物層を含
むピン層が配備される。次に、工程558では、合成ピ
ン層上に非磁性スペーサ層が配備される。工程560に
より、スペーサ層上に自由層が配備される。工程562
により、キャッピング層も配備され得る。自由層に隣接
して酸化物層が使用されるならば、この酸化物層は、工
程560と工程562との間において、自由層とキャッ
ピング層との間に配備されることに留意されたい。
【0060】より高密度な記録媒体と共に使用され得る
磁気抵抗センサを提供する方法及びシステムを開示し
た。図示した各実施態様に従って本発明を説明してきた
が、当業者であれば、各実施態様に対しては別例が存在
し得ると共に、それらの別例は本発明の精神及び範囲内
であることを容易に理解し得よう。従って、当業者によ
り、添付の請求の範囲の精神及び範囲から逸脱すること
なく、多くの変更が行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の磁気抵抗ヘッドを示す図。
【図2】 従来のスピン・バルブを示す図。
【図3】 従来の別のスピン・バルブを示す図。
【図4】 本発明に係るスピン・バルブの第1実施態様
を示す図。
【図5】 本発明に係るスピン・バルブの第2実施態様
のブロック図。
【図6】 本発明に係るスピン・バルブを提供する方法
の一実施態様を示すフローチャート。
【図7】 (A)本発明に係る酸化物層を提供する方法
の第1実施態様を示すフローチャート、(B)本発明に
係る酸化物層を提供する方法の第2実施態様を示すフロ
ーチャート、(C)本発明に係る酸化物層を提供する方
法の第3実施態様を示すフローチャート、(D)本発明
に係る酸化物層を提供する方法の第4実施態様を示すフ
ローチャート。
【図8】 本発明に係るスピン・バルブの第3実施態様
を示すブロック図。
【図9】 本発明に係るスピン・バルブの上記第3実施
態様を提供する方法の一実施態様を示すフローチャー
ト。
【図10】 (A)本発明に係るスピン・バルブの第4
実施態様を示す図、(B)本発明に係るスピン・バルブ
の別の第4実施態様を示す図。
【図11】 本発明に係るスピン・バルブの上記第4実
施態様を提供する方法の一実施態様を示すフローチャー
ト。
【図12】 (A)本発明に係るスピン・バルブの第5
実施態様を示す図、(B)本発明に係るスピン・バルブ
の別の第5実施態様を示す図。
【図13】 本発明に係るスピン・バルブの上記第4実
施態様を提供する方法の一実施態様を示すフローチャー
ト。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月29日(2001.8.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/12 G01R 33/06 R (72)発明者 ジェフリー ウィリアム アンダーソン アメリカ合衆国 94566 カリフォルニア 州 プレザントン シド ウェイ 4072 (72)発明者 マヘインドラ パカラ アメリカ合衆国 95123 カリフォルニア 州 サン ホセ エムリン コート 6079 Fターム(参考) 2G017 AA01 AD55 AD62 AD65 5D034 BA03 BA04 BA05 CA08 DA07 5E049 AA01 AA04 AA07 AA09 AC05 BA16 CB02 DB12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ピンニング層と、 ピンニング層に近接したピン層と、該ピン層はピンニン
    グ層により磁化固定された第1の磁化を有することと、 第2の磁化を有する自由層と、 ピン層と自由層との間に配設されたスペーサ層と、 自由層に近接した酸化物層と、該酸化物層は自由層と酸
    化物層との間の界面にておいて電荷担体を鏡面反射させ
    ることとからなる磁気抵抗センサ。 【請求項2】 自由層は強磁性材料を含み、且つ、酸化
    物層は強磁性材料の酸化物を含む請求項1に記載の磁気
    抵抗センサ。 【請求項3】 酸化物層は非磁性である請求項1に記載
    の磁気抵抗センサ。 【請求項4】 酸化物層は酸化銅である請求項4に記載
    の磁気抵抗センサ。 【請求項5】 少なくとも一部が酸化されているキャッ
    ピング層を更に備える請求項1に記載の磁気抵抗セン
    サ。 【請求項6】 キャッピング層がTaである請求項5に
    記載の磁気抵抗センサ。 【請求項7】 キャッピング層がRuである請求項5に
    記載の磁気抵抗センサ。 【請求項9】 キャッピング層がNiFeCrである請
    求項5に記載の磁気抵抗センサ。 【請求項10】 酸化物層がCoFe酸化物である請求
    項1に記載の磁気抵抗センサ。 【請求項11】 酸化物層がNiFe酸化物である請求
    項1に記載の磁気抵抗センサ。 【請求項12】 ピンニング層が反強磁性層である請求
    項1に記載の磁気抵抗センサ。 【請求項13】 ピン層とピンニング層との間に配設さ
    れた第2の酸化物層を更に備える請求項1に記載の磁気
    抵抗センサ。 【請求項14】 第2酸化物層がNiOである請求項1
    3に記載の磁気抵抗センサ。 【請求項15】 ピン層が合成ピン層である請求項1に
    記載の磁気抵抗センサ。 【請求項16】 酸化物層が強磁性酸化物層である請求
    項1に記載の磁気抵抗センサ。 【請求項17】 ピン層が強磁性酸化物層を更に有し、
    強磁性酸化物層は、ピン層において電荷担体に鏡面反射
    を受けさせる請求項1に記載の磁気抵抗センサ。 【請求項18】 合成ピン層が強磁性酸化物層を更に有
    し、該強磁性酸化物層はピン層において電荷担体に鏡面
    反射を受けさせる請求項15に記載の磁気抵抗センサ。 【請求項19】 ピンニング層と、ピンニング層に近接
    したピン層と、該ピン層はピンニング層により磁化固定
    された第1の磁化を有することと、該ピン層は強磁性酸
    化物層も有することと、該強磁性酸化物層は前記ピン層
    において電荷担体に鏡面反射を受けさせることと、 第2の磁化を有する自由層と、 ピン層と自由層との間に配設されたスペーサ層とを備え
    る磁気抵抗センサ。 【請求項20】 (a)ピンニング層を配備する工程
    と、 (b)ピン層をピンニング層に近接して配備する工程
    と、該ピン層は前記ピンニング層により磁化固定された
    第1の磁化を有することと、 (c)ピン層の上方にスペーサ層を配設する工程と、 (d)第2の磁化を有する自由層を配備する工程と、前
    記スペーサ層はピン層と該自由層との間に配置されるこ
    とと、 (e)自由層に近接して酸化物層を配備する工程と、該
    酸化物層は、自由層と酸化物層との間の界面において電
    荷担体を鏡面反射させることとを備える、磁気抵抗セン
    サを提供するための方法。 【請求項21】 自由層は強磁性材料を有し、且つ、酸
    化物層は強磁性材料の酸化物を備える請求項20に記載
    の方法。 【請求項22】 酸化物層を配備する工程が、 (e1)非磁性酸化物層を配備する工程を更に備える請
    求項20に載の方法。 【請求項23】 非磁性酸化物層を配備する工程が、 (e1)非磁性層を配備する工程、及び、 (e2)前記非磁性層を酸化する工程を更に備える請求
    項22に記載の方法。 【請求項24】 非磁性酸化物層は酸化銅である請求項
    22に記載の方法。 【請求項25】 (f)少なくとも一部が酸化されたキ
    ャッピング層を配備する工程を更に備える請求項20に
    記載の方法。 【請求項26】 酸化物層を配備する工程(e)は、 (e1)キャッピング層と、該キャッピング層の直下の
    層の一部を酸化する工程を更に備える請求項25に記載
    の方法。 【請求項27】 自由層はキャッピング層の直下であ
    り、且つ、前記酸化工程(e1)は、 (eli)キャッピング層と、自由層の少なくとも一部
    とを酸化する工程を更に備える請求項26に記載の方
    法。 【請求項28】 前記キャッピング層の直下に非磁性層
    があり、且つ、前記酸化工程(e1)は、 (eli)キャッピング層と、非磁性層の少なくとも一
    部とを酸化する工程を更に備える請求項26に記載の方
    法。 【請求項29】 キャッピング層がTaである請求項2
    5に記載の方法。 【請求項30】 キャッピング層がRuである請求項2
    5に記載の方法。 【請求項31】 キャッピング層がNiFeCrである
    請求項25に記載の方法。 【請求項32】 酸化物層がCoFe酸化物である請求
    項20に記載の方法。 【請求項33】 酸化物層がNiFe酸化物である請求
    項20に記載の方法。 【請求項34】 ピンニング層が反強磁性層である請求
    項20に記載の方法。 【請求項35】 (f)ピン層とピンニング層との間に
    配設された第2酸化物層を配備する工程を更に備える請
    求項20に記載の方法。 【請求項36】 第2酸化物層がNiOである請求項3
    2に記載の方法。 【請求項37】 ピン層が合成ピン層である請求項20
    に記載の方法。 【請求項38】 酸化物層が強磁性酸化物層である請求
    項20に記載の方法。 【請求項39】 ピン層が更に強磁性酸化物層を有し、
    該強磁性酸化物層は前記ピン層において電荷担体に鏡面
    反射を受けさせる請求項20に記載の方法。 【請求項40】 合成ピン層が強磁性酸化物層を更に有
    し、該強磁性酸化物層は前記ピン層において電荷担体に
    鏡面反射を受けさせる請求項37に記載の方法。 【請求項41】 (a)ピンニング層を配備する工程
    と、 (b)ピンニング層に近接したピン層を配備する工程
    と、該ピン層はピンニング層により磁化固定された第1
    の磁化を有することと、該ピン層は強磁性酸化物層も有
    することと、該強磁性酸化物層は前記ピン層において電
    荷担体に鏡面反射を受けさせることと、 (c)ピン層の上方にスペーサ層を配設する工程と、 (d)第2の磁化を有する自由層を配備する工程と、ス
    ペーサ層はピン層と該自由層との間に配設されることと
    を備える、磁気抵抗センサを提供するための方法。
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