JP2014032990A - 反強磁性体、磁気抵抗素子、磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents
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Abstract
【課題】固定磁性部を微細化することができる反強磁性体、磁気抵抗素子、磁気ランダムアクセスメモリを提供する。
【解決手段】反強磁性体1は、一次元に直線状に転位3を配列したことにより形成した強磁性部4を備える。前記反強磁性体1は、ニッケル酸化物、鉄酸化物、マンガン酸化物のいずれか1種を主成分とし、前記強磁性部4は1×102/cm2以上の密度で形成されている。前記強磁性部を有する反強磁性体で形成された磁化固定薄膜を用い、前記磁化固定薄膜上に形成された非磁性薄膜と、前記非磁性薄膜上に形成された磁化自由薄膜とを備えた磁気抵抗素子を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】反強磁性体1は、一次元に直線状に転位3を配列したことにより形成した強磁性部4を備える。前記反強磁性体1は、ニッケル酸化物、鉄酸化物、マンガン酸化物のいずれか1種を主成分とし、前記強磁性部4は1×102/cm2以上の密度で形成されている。前記強磁性部を有する反強磁性体で形成された磁化固定薄膜を用い、前記磁化固定薄膜上に形成された非磁性薄膜と、前記非磁性薄膜上に形成された磁化自由薄膜とを備えた磁気抵抗素子を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、反強磁性体、磁気抵抗素子、磁気ランダムアクセスメモリに関するものである。
コンピュータや携帯電話などの情報機器は、メモリ装置として動作が高速なDRAM(Dynamic Random Access Memory)が広く使われている。DRAMは情報の読み出しと書き込みを行うメモリであり、データは一時的に保存されるのみで、電源を切るとデータは消去される、いわゆる揮発性メモリである。
これに対し、電源を切ってもデータが保持され、動作が高速かつ大容量な次世代不揮発性メモリの候補として磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magneto resistive Random Access Memory)が注目されている。MRAMは、2つの強磁性層と、2つの強磁性層の間に形成された非磁性層と、2つの強磁性層の一方の表面に形成された反強磁性層とを含む磁気抵抗素子を備える(例えば、特許文献1)。
2つの強磁性層は、自由磁性部と、固定磁性部からなる。固定磁性部は、反強磁性層上に形成され、当該反強磁性層によって交換バイアス効果として知られる現象により、磁化方向がピン止めされている。反強磁性層は、例えばFe−Mnで形成される。非磁性層には、CuやAu等の導電性非磁性材料が用いられる。
MRAMは、非磁性層を介して隣り合う自由磁性部と、固定磁性部の磁化方向が平行又は反平行の場合に、電気伝導度が異なる巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto Resistance)を利用する。自由磁性部と、固定磁性部の磁化方向が平行の場合は抵抗値が小さく、反平行の場合は抵抗値が大きくなる。
また、非磁性層にAl2O3等の絶縁性非磁性材料を用いるMRAMも知られている。このMRAMは、絶縁性材料からなる非磁性層を透過する電流がスピンに依存するトンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnet Resistance)を利用する。
しかしながら、上記従来の反強磁性層及び固定磁性部では、反強磁性層上に強磁性層を形成することにより磁化方向がピン止めされた固定磁性部を得ていたため、全体として2次元的に広がらざるを得ず、微細化が困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、固定磁性部を微細化することができる反強磁性体、磁気抵抗素子、磁気ランダムアクセスメモリを提供することを目的とする。
本発明に係る反強磁性体は、一次元に直線状に転位を配列したことにより形成した強磁性部を備える。
本発明に係る磁気抵抗素子は、一次元に直線状に転位を配列したことにより形成した強磁性部を有する反強磁性体で形成された磁化固定薄膜と、前記磁化固定薄膜上に形成された非磁性薄膜と、前記非磁性薄膜上に形成された磁化自由薄膜とを備えることを特徴とする。
本発明に係る磁気ランダムアクセスメモリは、前記磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子に情報を記録するための情報記録用導体線と、前記情報を読み出すための情報読出用導体線とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、反強磁性体中に強磁性部を形成することとしたから、固定磁性部を微細化することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(反強磁性体)
図1に示す反強磁性体1は、結晶格子2の内部に転位3が形成されている。反強磁性体1は、例えば、ニッケル酸化物、鉄酸化物、マンガン酸化物のいずれか1種を主成分として形成することができる。ここで主成分とは、反強磁性体1を構成する全成分100質量%に対して、50質量%を超える成分をいう。
図1に示す反強磁性体1は、結晶格子2の内部に転位3が形成されている。反強磁性体1は、例えば、ニッケル酸化物、鉄酸化物、マンガン酸化物のいずれか1種を主成分として形成することができる。ここで主成分とは、反強磁性体1を構成する全成分100質量%に対して、50質量%を超える成分をいう。
転位3は、一次元に直線上に形成されている。当該転位3を中心とする部分に強磁性が出現する。本明細書では、当該転位3を中心として強磁性が出現した部分を強磁性部4と呼ぶ。このような強磁性部4は、反強磁性体1中に、1×106/cm2以上の高密度で形成される。
(製造方法)
上記した強磁性部4を備えた反強磁性体1を製造する方法としては、反強磁性体1を構成する材料と基板5の格子定数の差異を利用して反強磁性体1内に転位3を形成する方法と、反強磁性体1を高温圧縮することにより反強磁性体1内に転位3を形成する方法とがある。
上記した強磁性部4を備えた反強磁性体1を製造する方法としては、反強磁性体1を構成する材料と基板5の格子定数の差異を利用して反強磁性体1内に転位3を形成する方法と、反強磁性体1を高温圧縮することにより反強磁性体1内に転位3を形成する方法とがある。
まず、反強磁性体1を構成する材料と基板5の格子定数の差異を利用して反強磁性体1内に転位3を形成する方法について説明する。本方法では、図2に示すように、まず反強磁性体1と格子定数が異なる基板5上に反強磁性体1からなるアモルファス(非晶質)膜を成膜し、次いで熱処理により単結晶化することにより、反強磁性体1内に強磁性部4を形成することができる。
例えば、Nbを0.05wt%添加したSrTiO3基板上に、NiOのアモルファス(非晶質)膜を成膜し、熱処理により単結晶化することにより、反強磁性体1中に転位3を形成することができる。この熱処理の温度は、反強磁性体1が結晶化する温度であり、例えば、900〜1300℃とすることができる。すなわち、反強磁性体1中に強磁性部4を形成することができる。Nbを0.05wt%添加したSrTiO3基板5とNiOの反強磁性体1との組み合わせの場合、格子定数が7.04%異なり、反強磁性体1中に、1×1010/cm2以上の高密度で強磁性部4を形成することができる。因みに、基板5と反強磁性体1の格子定数を4%程度とすることにより、反強磁性体1中に、1×109/cm2程度の密度で強磁性部4を形成することができる。
次に、反強磁性体1を高温圧縮することにより反強磁性体1内に転位3を形成する方法について説明する。本方法では、まず反強磁性体1を高温圧縮することによって塑性変形させ、次いで熱処理をする。高温圧縮における高温とは、強磁性体内に転位3が導入される温度である脆性−延性(BDTT)以上の温度から反強磁性体1を構成する材料の融点近傍までの温度をいう。例えば、NiOの場合は、900℃から1980℃である。圧縮は、例えば、油圧サーボ式、ボールネジ駆動方式、ACサーボモーター方式などの圧縮試験機を用い、圧縮ひずみが1〜50%程度となるように反強磁性体1を圧縮し、変形させる。圧縮ひずみを1%とすることにより、1×106/cm2程度の密度で強磁性部4を形成することができる。
通常、材料の圧縮加工の限界は圧縮ひずみで50%程度であり、これを超えると転位密度が上がらず転位が抜け出てしまう。なお、転位としては刃状転位とらせん転位とがあるが、どちらでも原理的には同一手順により高密度の転位を一次元に直線上に配列させることができる。
転位3を高密度に、かつ一次元に導入するためには主に主すべり系(一次すべり系)が活動する方位から圧縮する必要がある。主すべり系は結晶の種類によって異なり、NiOの場合は(110)、Fe2O3の場合は(0001)、MnOの場合は(110)である。結晶の圧縮は、主すべり面に剪断応力が作用するように行う必要があるので、圧縮軸は主すべり面の法線と圧縮軸の角度を45°±30°の範囲で選択する。この範囲の角度で圧縮することにより、主すべり系の活動が可能となり、一次元方向性をもった転位3をすべり面上に導入することが可能となる。なお、高温圧縮された反強磁性体1内に形成された転位3は、一次元方向性を有するものの、未だ直線上ではなく湾曲している。なお、すべり系とは、すべり面とすべり方向の組み合わせである。また、主すべり系とは、最初に活動したすべり系のことをという。
熱処理は、原子拡散が効果的に生じる温度で行う。例えば、ニッケル酸化物の場合は900℃、鉄酸化物の場合は700℃、マンガン酸化物の場合は1000℃である。熱処理で転位3が直線的になるのは転位3自身が線張力を有しているために、曲がっているよりも直線的になった方がエネルギー的に有利になるためであると説明できる。この熱処理により、転位3は一次元に直線上になる。この方法により、反強磁性体1中に、1×106/cm2以上の密度で強磁性部4を形成することができる。
(実施例)
Nbを0.05wt%添加したSrTiO3基板上に、多結晶NiOをターゲットとしてパルスレーザデポジション(Pulsed Laser Deposition : PLD)法を用いて、膜厚100nmのNiOのアモルファス(非晶質)膜を成膜した。成膜雰囲気はO2、10-5Torr、成膜温度は室温、レーザ発振周波数は10Hzとした。そして得られたアモルファス(非晶質)膜に対し大気中で1100℃、0.5時間の熱処理を行い単結晶化し、反強磁性体1の薄膜を得た。図3Aの透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)画像に示すように、反強磁性体1の表面上に無数に点在している黒点が認められる。黒点は、図3Bの原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)画像で示される通り、表面から凹んでおり、転位3が形成されていることを示している。すなわち、図4に示すように、転位3が形成された箇所は、表面1aが窪み、厚さ方向に転位3が伸びている。
Nbを0.05wt%添加したSrTiO3基板上に、多結晶NiOをターゲットとしてパルスレーザデポジション(Pulsed Laser Deposition : PLD)法を用いて、膜厚100nmのNiOのアモルファス(非晶質)膜を成膜した。成膜雰囲気はO2、10-5Torr、成膜温度は室温、レーザ発振周波数は10Hzとした。そして得られたアモルファス(非晶質)膜に対し大気中で1100℃、0.5時間の熱処理を行い単結晶化し、反強磁性体1の薄膜を得た。図3Aの透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)画像に示すように、反強磁性体1の表面上に無数に点在している黒点が認められる。黒点は、図3Bの原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)画像で示される通り、表面から凹んでおり、転位3が形成されていることを示している。すなわち、図4に示すように、転位3が形成された箇所は、表面1aが窪み、厚さ方向に転位3が伸びている。
図5AのAFM画像に示される暗い箇所である転位3が生じている箇所は、図5Bの磁気力顕微鏡(MFM : magnetic force microscope)画像から明らかなように、自発磁化が生じている。このように反強磁性体1中に自発磁化が生じているということは、転位3が生じている箇所が強磁性であることを示している。
次に、形成した反強磁性体1に外部磁場を印加し、強磁性部4の磁化方向が反転する様子を確認した。その結果を図6〜図12に示す。反強磁性体1に-14Tの外部磁場を印加し、強磁性部4の磁化方向を揃える(図6)。このとき、反強磁性体1中の強磁性部4は白く示されている(図7)。さらに外部磁場を4Tまで徐々に変化させても、反強磁性体1中の強磁性部4は白く示されたままである(図8)。すなわち、外部磁場が−14Tから4Tまでの範囲では、強磁性部4の磁化方向に変化はない。
ところが、外部磁場を5Tまで変化させると、反強磁性体1中の強磁性部4が黒く示される(図9)。すなわち、外部磁場が4Tから5Tの範囲で、強磁性部4の磁化方向が反転することが確認できた。これは、強磁性部4が4Tから5Tの保持力を有することを示している。永久磁石(ネオジウム磁石:Nd-Fe-B)の保持力が1T程度であるのに比べ、本実施形態に係る反強磁性体1中に形成された強磁性部4の保持力が極めて大きいことが確認できた。
続けて反強磁性体1に14Tの外部磁場を印加し、強磁性部4の磁化方向を揃える(図6)。このとき、反強磁性体1中の強磁性部4は黒く示されている(図10)。さらに外部磁場を−0.5Tまで徐々に変化させても、反強磁性体1中の強磁性部4は黒く示されたままである(図11)。すなわち、外部磁場が14Tからー0.5Tまでの範囲では、強磁性部4の磁化方向に変化はない。
ところが、外部磁場を−0.6Tまで変化させると、反強磁性体1中の強磁性部4が白く示される(図12)。すなわち、外部磁場が−0.5Tから−0.6Tの範囲で、強磁性部4の磁化方向が反転することが確認できた。
上記実施形態では、反強磁性体1中に転位3を点在させることにより、強磁性部4が点在している場合について説明したが、本発明はこれに限らず、転位3を線状に配列することにより、線状に強磁性部4を形成することとしてもよい。このように線状に強磁性部4を形成した反強磁性体1は、製造条件を調整することにより作製することができる。
例えば、反強磁性体1と基板5との格子定数が4〜5%異なるように組み合わせ、熱処理温度を1150℃とすることにより、上記反強磁性体1を形成することができる。反強磁性体1をNiOとし、基板5にタンタル酸カリウムを用い、熱処理温度を1150℃とした以外は、上記実施形態と同じ条件で作製した反強磁性体1のAFM画像と、MFM画像とを示す(図13)。本図のAFM画像から、暗い箇所が線状に出現しており、転位3が線状に生じていることが確認できた。同時に本図のMFM画像から、上記線状の転位3の箇所が白く示されていることから、反強磁性体1中に、線状に強磁性部4が出現していることが確認できた。
なお、上記実施形態では、反強磁性体がニッケル酸化物で形成される場合について説明したが、本発明はこれに限らず、鉄酸化物及びマンガン酸化物で反強磁性体を形成することとしてもよい。鉄酸化物及びマンガン酸化物は、いずれもニッケル酸化物と同様に陽イオン欠損により強磁性を示すことで知られ、転位3を導入することにより、反強磁性体1中に強磁性部4を形成することができると考えられる。
(磁気ランダムアクセスメモリ)
図14に示す磁気ランダムアクセスメモリ(以下、「MRAM」という。)10は、磁気抵抗素子11と、情報記録用導体線としてのワード線15と、情報読出用導体線としてのセンス線16と、センス線兼ワード線17と、スイッチ素子18とを備える。磁気抵抗素子11は、磁化固定薄膜12と、当該磁化固定薄膜12上に形成された非磁性薄膜13と、当該非磁性薄膜13上に形成された磁化自由薄膜14とを有する。
図14に示す磁気ランダムアクセスメモリ(以下、「MRAM」という。)10は、磁気抵抗素子11と、情報記録用導体線としてのワード線15と、情報読出用導体線としてのセンス線16と、センス線兼ワード線17と、スイッチ素子18とを備える。磁気抵抗素子11は、磁化固定薄膜12と、当該磁化固定薄膜12上に形成された非磁性薄膜13と、当該非磁性薄膜13上に形成された磁化自由薄膜14とを有する。
磁化固定薄膜12は、本図には図示しないが、本発明に係る反強磁性体1で形成されており、厚さ方向と強磁性部4の一次元方向とが平行となるように強磁性部4が形成されている。磁化固定薄膜12にはセンス線16及びワード線15が接続されている。磁化自由薄膜14にはセンス線兼ワード線17が接続されている。センス線兼ワード線17とセンス線16は平行に配置されている。ワード線15は、センス線兼ワード線17とセンス線16に対し直交する方向に配置されている。
ワード線15を流れる電流の向きは常に一定とし、センス線兼ワード線17を流れる電流の向きを正逆反転させる。これにより、目的とする磁化自由薄膜14の磁化方向が変化する。
書込みの場合、ワード線15に一定方向、本図の場合、図面表面に対し垂直下向きに電流を流し、センス線兼ワード線17の一方には例えば1/2Vccの電圧を印加し、他方にVcc〜GNDレベルのパルス電圧を印加する。そうすると、パルス電圧のレベルが、Vccの場合は図中右方向へ電流が流れ、GNDの場合は図中左方向へ電流が流れる。このようにしてセンス線兼ワード線17を流れる電流の向きを変えることにより、磁化自由薄膜14の磁化方向を変化させる。
読出しの場合、図15に示すようにワード線15は開放しておく。センス線兼ワード線17の一方にセンスアンプ19を接続し、他方にセンス電圧を入力する。同時にスイッチ素子18をオン状態にする。これによりセンス電圧の一部がスイッチ素子18経由でGNDに流れる。したがって磁化自由薄膜14と磁化固定薄膜12の磁化方向が同じ向きで抵抗値が小さい場合は、センスアンプ19に入力される電圧は高くなる。一方、磁化自由薄膜14と磁化固定薄膜12の磁化方向が反対向きで抵抗値が大きい場合は、センスアンプ19に入力される電圧は低くなる。センスアンプ19は、入力される電圧を増幅し、閾値を基準に1又はゼロに分けて出力する。
本実施形態の場合、磁化固定薄膜12は、反強磁性体1中に強磁性部4が形成されていることにより、従来のように反強磁性層上に強磁性層を形成する2層構造とする必要がないので、2次元的な広がりを有する必要もなく、強磁性部4を微細化することができる。また、磁化固定薄膜12は、反強磁性体1で形成することにより、単層で形成することができ、薄膜化することができる。
磁化固定薄膜12は、強磁性部4の保持力が4Tから5T程度であるので、通常の永久磁石では反転されないため、より安定して情報を記録できるMRAMを提供することができる。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
上記実施形態では、パルスレーザデポジション法で反強磁性体1を成膜する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、分子線エピタキシー法やマグネトロンスパッタリング法により反強磁性体1を成膜することとしてもよい。分子線エピタキシー法やマグネトロンスパッタリング法を採用した場合、単結晶化するためのアニールを省略することができる。
1 :反強磁性体
3 :転位
4 :強磁性部
5 :基板
10 :MRAM(磁気ランダムアクセスメモリ)
11 :磁気抵抗素子
12 :磁化固定薄膜
13 :非磁性薄膜
14 :磁化自由薄膜
15 :ワード線(情報記録用導体線)
16 :センス線(情報読出用導体線)
17 :センス線兼ワード線
3 :転位
4 :強磁性部
5 :基板
10 :MRAM(磁気ランダムアクセスメモリ)
11 :磁気抵抗素子
12 :磁化固定薄膜
13 :非磁性薄膜
14 :磁化自由薄膜
15 :ワード線(情報記録用導体線)
16 :センス線(情報読出用導体線)
17 :センス線兼ワード線
Claims (5)
- 一次元に直線状に転位を配列したことにより形成した強磁性部を備えることを特徴とする反強磁性体。
- 前記強磁性部が1×106/cm2以上の密度で形成されていることを特徴とする請求項1記載の反強磁性体。
- ニッケル酸化物、鉄酸化物、マンガン酸化物のいずれか1種を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の反強磁性体。
- 一次元に直線状に転位を配列したことにより形成した強磁性部を有する反強磁性体で形成された磁化固定薄膜と、
前記磁化固定薄膜上に形成された非磁性薄膜と、
前記非磁性薄膜上に形成された磁化自由薄膜と
を備えることを特徴とする磁気抵抗素子。 - 請求項4に記載の磁気抵抗素子と、
前記磁気抵抗素子に情報を記録するための情報記録用導体線と、
前記情報を読み出すための情報読出用導体線と
を備えることを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
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JP2012170951A JP2014032990A (ja) | 2012-08-01 | 2012-08-01 | 反強磁性体、磁気抵抗素子、磁気ランダムアクセスメモリ |
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- 2012-08-01 JP JP2012170951A patent/JP2014032990A/ja active Pending
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