JP2007246374A - 強磁性酸化物半導体薄膜及びその製造方法並びにこれを用いたスピントンネル磁気抵抗素子 - Google Patents

強磁性酸化物半導体薄膜及びその製造方法並びにこれを用いたスピントンネル磁気抵抗素子 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性体と半導体の両方の性質を備えるイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜の伝導性を制御する。
【解決手段】本発明に係る強磁性酸化物半導体薄膜は、パルスレーザー堆積法によって単結晶基板上にc軸配向して成長されたイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜であって、組成式が、
{xFeTiO・(1−x)Fe}(但し、xは全体に対するイルメナイトFeTiOの構成比を表し、0〜1の間の値をとる。)で表されることを特徴とする。
本発明に係る強磁性酸化物半導体薄膜は、所望の伝導性を有し、かつc軸配向したイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜からなる。本発明に係る方法により製造された薄膜はc軸方向に高配向しており、単結晶と同程度の品質を具備している。
【選択図】図4

Description

本発明は、室温で強磁性を示す酸化物半導体の一つであるイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜の伝導性制御技術に関するものである。
室温で強磁性を有しかつ半導体としての性質をも有する磁性酸化物半導体薄膜は、比較的広いバンドギャップを有し、かつスピン偏極キャリアを備えるなどの性質を有することから、トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)、スピン電界効果トランジスター(スピンFET)、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)など、いわゆる「半導体スピンエレクトロニクスデバイス」への応用が期待されている。
イルメナイト(FeTiO)とヘマタイト(α−Fe)の固溶体(以下、本明細書では、これを『イルメナイト・ヘマタイト固溶体』と呼ぶ)は、磁性酸化物半導体薄膜の候補として注目されている。
イルメナイト・ヘマタイト固溶体とは室温で強磁性(フェリ磁性)が現れる磁性酸化物半導体の一つであり、組成式が{xFeTiO・(1−x)Fe}(但し、xは全体に対するイルメナイトFeTiOの構成比を表し、0〜1の間の値をとる。)で表される。
このうち、端成分のイルメナイト(FeTiO)とヘマタイト(α−Fe)の、ネール温度(反強磁性構造から常磁性構造に変わる温度)はそれぞれ55[K]、950[K]の反強磁性を示す絶縁体であるが、これらの中間組成(イルメナイト・ヘマタイト固溶体)は、強磁性を示す半導体であることが知られている(非特許文献1,2)。但し、強磁性を示すのは原子が規則的に配列している状態(このような状態を「秩序相(オーダーフェイズ)」という。)のみであり、逆に、原子が不規則に配列している状態(このような状態を「無秩序相(ディス・オーダーフェイズ)」という。)では、反強磁性を示す。秩序相と無秩序相とは、秩序・無秩序転移により結びついており、その転移温度は組成に依存して約500[℃]から1400[℃]の間で変化することが知られている。
すなわち、イルメナイト・ヘマタイト固溶体を強磁性キュリー温度(Tc)以上に加熱すると相転移が起こり、秩序相から無秩序相に変化して強磁性を失うが、転移温度以下で秩序相を結晶性よく形成することにより強磁性を示す半導体となる。
イルメナイト・ヘマタイト固溶体のキュリー温度は、イルメナイトの構成比xに対応して55[K]〜950[K]の間をほぼ直線的に変化することが分かっている。すなわち、
Tc≒55x+950(1−x) [K] ・・・(式1)
と表される。従って、イルメナイトの構成比xの値を適切に選択すれば室温で強磁性を備える半導体材料として期待される。
しかし、実際に半導体デバイスに適用するためには、単結晶と同程度の結晶性をもつ薄膜を形成すると共に、p型とn型を作り分ける伝導性制御技術が不可欠である。イルメナイト・ヘマタイト固溶体の伝導性制御方法は、イルメナイトの構成比xが一定範囲になるように制御すればよいことが分かっている。理論的説明は後述するが、結論のみ示すと具体的には、x>0.67とすればp型半導体、x<0.67とすればn型半導体となる(非特許文献2)。但し、これは薄膜ではなくバルク(焼結体)の性質を調べた結果であるため、薄膜についても同様に伝導性制御可能であるかどうかは、報告例がない。
Y.Ishikawa, J.Phys. Soc. Jpn. 12, 1083 (1957) Y.Ishikawa, J.Phys. Soc. Jpn. 13, 37 (1958)
ところで、全体に対するイルメナイトの構成比xの値を小さくする(すなわち、イルメナイトの割合を小さくする)ほど秩序・無秩序転移温度が低くなるため、強磁性を示す「秩序相」を形成するためには、成膜時の基板温度を低くする必要がある。
p型伝導性と比べてn型伝導性の場合、イルメナイトの構成比xを小さくする必要があり、成膜時の基板温度の上限が下がるので、n型の場合は一層低温で成膜しなければならない。
しかし、その一方で結晶性を向上させるためには基板温度を上げて原子の拡散を促す必要があり、強磁性を得るために「秩序相を得ること(低温で成膜すること)」と半導体デバイスとしての特性を向上するために「結晶性よく成膜すること(基板温度を上げること)」とが、いわばトレードオフの関係となる。しかも、イルメナイトの構成比xが小さければ小さいほど、両者を満たす最適条件が制限されてくる。
この意味において、p型伝導性のイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜よりも、n型伝導性のイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜の方が、製造条件を見つけることが一層困難といえるのである。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、磁性体(フェリ磁性を示す強磁性体)と半導体の両方の性質を備えるイルメナイト・ヘマタイト固溶体に着目し、その伝導性を制御することを主たる技術的課題とする。
本発明に係る強磁性酸化物半導体薄膜(イルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜)は、パルスレーザー堆積法によって単結晶基板上にc軸配向して成長されたイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜であって、組成式が、
{xFeTiO・(1−x)Fe}(但し、xは全体に対するイルメナイトFeTiOの構成比を表し、0〜1の間の値をとる。)で表されることを特徴とする。なお、単結晶基板はサファイア基板であることが好ましい。これは、イルメナイト・ヘマタイト固溶体の結晶格子との格子不整合が小さいためである。なお、上述の通り、端成分は絶縁体でかつ反強磁性体であるから、xは両端(0及び1)を含まないことは当然である。
前記薄膜は、イルメナイトの構成比xが0.7よりも小さいn型強磁性半導体であることを特徴とする。
本発明に係るスピントンネル磁気抵抗素子は、n型強磁性層とトンネル絶縁層とp型強磁性層を積層した構造を具備すると共に、前記n型及びp型強磁性層は、単結晶基板上にc軸配向して成長されたイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜であって、組成式が、
{xFeTiO・(1−x)Fe}(但し、xは全体に対するイルメナイトFeTiOの構成比を表し、0〜1の間の値をとる。)で表されると共に、前記n型強磁性層はxの値が0.7よりも小さく、かつ前記p型強磁性層はxの値が0.7よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係る強磁性酸化物半導体薄膜(イルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜)の製造方法は、
イルメナイト・ヘマタイト固溶体とカチオン比が一致する組成の焼結体を形成する第1のステップ(S1)と、
前記焼結体及び単結晶基板を所定の酸素分圧に制御されたチャンバー内に設定してパルスレーザーを照射して所定の温度に制御した前記基板上にc軸配向して成長させる第2のステップ(S2)と、
を備えていることを特徴とする。
この場合、第1のステップ(S1)は、二酸化チタン(TiO)と三酸化二鉄(Fe)を出発物質として、予め最終的に得られる固溶体のイルメナイトの構成比xが、目標とする値になるようにカチオン比(Fe/Ti)を計算し、これに基づいて両者を混合したものを酸素雰囲気で加熱することにより形成することが好ましい。
前記カチオン比は、
Ti/Fe=x/{x+(1−x)×2} ・・・(式2)
に所望のイルメナイトの構成比xを代入することにより求めることができる。例えば、x=0.6とすれば、Ti/Fe=6/14となるから、二酸化チタン(TiO)と三酸化二鉄(Fe)のモル比がカチオン比と一致するように混合すればよい。
この場合、第2のステップ(S2)は、基板温度が650℃乃至730℃、酸素分圧が2×10−3Pa乃至5×10−3Pa、パルスレーザーの周波数が1Hz乃至2Hzであることが好ましい。
本発明に係る強磁性酸化物半導体薄膜は、所望の伝導性を有し、かつc軸配向したイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜からなる。本発明に係る強磁性酸化物半導体薄膜の製造方法によると、所望の伝導性を有し、かつc軸配向したイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜を確実に得ることができる。本発明に係る方法により製造された薄膜はc軸方向に高配向しており、単結晶と同程度の品質を具備している。また、焼結体のカチオン比を制御することにより、伝導性をpn両方に制御することができるため、イルメナイトの構成比のみが異なる同種の材料で半導体デバイスの製造に重要なpn接合を形成することができる。
−本発明に係る伝導性制御方法の基本的なメカニズム−
図1(a)及び(b)は、それぞれイルメナイト(FeTiO)とヘマタイト(α−Fe)の結晶構造を示している。イルメナイトとヘマタイトは、いずれも酸素の六方最密充填構造をとり、2/3の八面体サイトがカチオン(陽イオン)によって占められている。
このうち、図1(b)に示すヘマタイト(α−Fe)は全てのカチオンサイトが等価であり、c軸方向にFe層とO層が交互に最密充填された構造を有している。このような構造は、c軸方向に対するR−3cの対称性(※バー(−)は、本来数字(3)の上に付記されるバーを便宜的に表したものである。以下も同様とする。)から無秩序相となり、反強磁性を示す。一方、図1(a)に示すイルメナイト(FeTiO)の構造は、c軸方向にFe層が交互にTi層によって置換されている。この場合、R−3の対称性から秩序相となるが、単独では反強磁性を示す。
イルメナイトとヘマタイトをx:1−xの構成比率で混ぜ合わせた構造を持つ、イルメナイト・ヘマタイト固溶体の組成式は、{xFeTiO・(1−x)Fe}で表されるが、このうち、イルメナイトの構成元素である鉄(Fe)は、2価の陽イオン(Fe2+)、一方のヘマタイトを構成する鉄(Fe)は、3価の陽イオン(Fe3+)の形で結合していると考えられる(チタンTiが4価の陽イオン(Ti4+)であると仮定した場合)。この場合、面内方向に無秩序相を形成する場合は反強磁性を示すが、面内方向に秩序相を形成する場合は強磁性を示すことになる。これを図2を参照して説明する。
(秩序相と無秩序相について)
図2(a)及び(b)は、イルメナイト・ヘマタイト固溶体をc軸に垂直な方向から見た模式図である。図の矢印はスピンの方向を模式的に示している。矢印が逆向きであればスピンは逆向き、矢印が同じ向きであればスピンも同じ向きであることを示している。また、簡略化のため、酸素層は直線で表している。
このうち、図2(a)は、各層が無秩序に配列されており、磁気モーメントの総和が実質的にゼロになる場合(無秩序相を形成する場合)を示している。この場合、反強磁性を示すことになる。
一方、図2(b)は、1つの3価の鉄イオン(Fe3+)と3つの2価の鉄イオン(Fe2+)とで構成される層(A層)と、3個のチタンイオン(Ti4+)と1つの2価の鉄イオン(Fe2+)、又は3個のチタンイオンと1つの3価の鉄イオン(Fe3+)とで構成される層(B層)とが交互に整然と配列され、磁気モーメントの総和が面内方向に偏極した場合(秩序相を形成する場合)を示している。この場合、面内方向に強磁性を示すことになる。
従って、磁性半導体薄膜としてイルメナイト・ヘマタイト固溶体の薄膜を形成する場合、秩序相を多く含む構造を得ることが好ましい。本明細書において、固溶体秩序相薄膜とは、面内方向に強磁性を示す程度に秩序相を多く含む固溶体薄膜を意味する。
(ホッピング伝導について)
Fe3+中に少量のFe2+が存在する場合、つまりFe2+<Fe3+のとき電気伝導はFe2+から放出された電子が、Fe3+中を移動することによりなされるとみなすことができる。すなわち、Fe2+は、(式3)に示すように、
Fe2+=Fe3++e ・・・(式3)
と考えることができるので、キャリアタイプはn型となる。
逆に、Fe2+中に少量のFe3+が存在する場合、つまりFe2+>Fe3+のとき電気伝導はFe3+から放出された正孔が、Fe2+中を移動することによりなされるとみなすことができる。すなわち、Fe3+は、(式4)に示すように、
Fe3+=Fe2++h ・・・(式4)
と考えることができるので、キャリアタイプはp型となる。
Tiは4価であると仮定して、イルメナイトがFe2+、ヘマタイトがFe3+を供給すると考えると、
x=2(1−x) ・・・(式5)
より、x=0.66…≒0.67となる。
すなわち、イルメナイト(FeTiO)の構成比xが0.67よりも小さくなるほど電子eが増加してn型伝導性となる。逆に、イルメナイト(FeTiO)の構成比xが0.67よりも大きくなると正孔(ホール)が増加してp型伝導性となる。
図3(a)は、イルメナイトの構成比xが、0.67より小さいとき(x<0.67)のc軸方向からみたFe層を模式的に示している。この時、Fe3+>Fe2+となり、電子(e)がキャリアとなってホッピングすることで電流が流れる。
図3(b)は、イルメナイトの構成比xが、0.67より大きいとき(x>0.67)のc軸方向からみたFe層を模式的に示している。この時、Fe3+<Fe2+となり、正孔(h)がキャリアとなってホッピングすることで電流が流れる。
すなわち、イルメナイトの構成比x(すなわち2価の鉄イオンと3価の鉄イオンの構成比)を0.67以下にすれば、n型伝導性となることが分かる。これが、本発明に係る伝導性制御の基本的な考え方である。これは半導体に不純物をドーピングすることで伝導性を制御するものと著しい対比をなす考え方であるといえる。
なお、以上のようにn型とp型の境界の構成比xの理論値は0.67であるが、本件発明者らによる詳細な検討結果によると、薄膜とした場合は、これよりもやや大きい0.7付近が境界値となるようである。その理由は明らかになっていないが、いずれにせよ概ねx=0.7付近がp型とn型の境界であると考えられる。
−イルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜の形成方法−
次に、本発明に係るイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜を単結晶基板上に形成する方法について説明する。酸化物薄膜を基板上に形成する方法は種々の方法が考えられるが、ここでは本願発明者らが実験で成功した結果に基づいて説明する。実験では、パルスレーザー堆積法(PLD法)を用いた。PLD法は高エネルギーのレーザー光をターゲットに向けてパルス状に照射し、ターゲットから離れた位置に設置した基板上に薄膜を堆積(蒸着)する成膜方法の一つであり、比較的低温で成膜しても結晶性がよいという特徴がある。
その手順は概ね次のステップで実行される。
S1.イルメナイト・ヘマタイト固溶体とカチオン比が一致する組成の焼結体を形成して、これをターゲットとする。具体的には、二酸化チタン(TiO)と三酸化二鉄(Fe)を出発物質として焼結したものを用いる。このとき、最終的に得られる固溶体のイルメナイトの構成比xが、目標とする値になるようにカチオン比(Fe/Ti)を計算しておく。上述のとおり、構成比xを0.7より小さくすればn型伝導性が得られ、0.7よりも大きくすればp型伝導性が得られる。
S2.所定のエネルギーを持つパルスレーザーを所定の条件で照射する。この時のパルス条件、基板温度及び酸素分圧が得られる薄膜の特性を左右する重要なパラメーターである。以下、本発明に係るn型イルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜の製造方法について説明する。
−薄膜製造方法について−
図4(a)は本発明で用いたPLD法によるイルメナイト・ヘマタイト固溶体{xFeTiO・(1−x)Fe}の薄膜の製造装置を模式的に示した図である。この装置はチャンバー10の内部にターゲット保持台11と基板保持台12が設けられている。基板保持台12は図示しない温度コントローラなどにより基板温度を調節できるようになっている。また、チャンバー10の内部は真空ポンプが接続された排気口13を通じて減圧することができると共に、ガス導入装置(ガスボンベ、流量調節器など)が接続されたガス導入口14を通じて必要なガスをチャンバー内部に導入することができる。
ターゲットT及び基板Sを所定の位置に設置した後、チャンバー内を必要な酸素分圧に設定し、かつ所定の基板温度に設定する。その後、必要によりターゲットにエネルギー密度を調整するためのレンズLなどを介して、パルスレーザーを照射して基板上にターゲットTの結晶薄膜を堆積する。
図4(b)は成膜条件の一例を一覧表で示す図である。以下、成膜条件の一例を詳細に説明する。
[S1:ターゲット準備]
最終的に得られるイルメナイトの構成比xを、例えば、x=0.6(すなわち、{0.6FeTiO・0.4Fe})と設定する。こうすると、x<0.7であるから、n型伝導性となる。
ターゲットとなる焼結体の出発物質は、粉末状の二酸化チタン(TiO)と粉末状の三酸化二鉄(Fe)を用いる。これらを予めカチオン比(Ti/Fe)が上記構成比と一致するように調整し、混合しておく。x=0.6とすると、チタンと鉄のカチオン比は、上述(式2)より、
Ti/Fe=x/{x+(1−x)×2} ・・・(式2)
と計算されるから、例えばx=0.6を代入すると、カチオン比Ti/Fe=6/14となる。つまり、二酸化チタン(TiO)と三酸化二鉄(Fe)を6:7で混合する。
これを、酸素雰囲気で例えば約1200℃に加熱して焼結体を形成し、これをターゲットとする。なお、この時点では、厳密には、「イルメナイト・ヘマタイト固溶体」とはいえないが、カチオン比が一致していれば、最終的にはn型伝導性のFe−Ti−O磁性半導体薄膜(イルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜)が得られることになる。
[S2:PLD法による堆積]
n型イルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜を形成する基板として、例えば、(0001)サファイア基板(大きさ1cm×5mm)を用いる。(0001)サファイア基板はイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜の結晶格子との格子不整合が小さいためである。本件発明者らの実験によると、(0001)サファイア基板と(0001)イルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜の格子不整合は6.5%であった。
予め前処理として、このサファイア基板をアセトンで超音波洗浄を行った後、大気圧で1000℃で3時間、電気炉で加熱した。これはサファイア基板の表面を清浄化すると共に平坦化処理を行うためである。
次に、パルスレーザー堆積装置にサファイア基板とターゲットを設置する。堆積装置のチャンバー内を真空にして(到達真空度1×10−6Pa)、酸素を導入する。実験では、酸素分圧が1×10−4[Pa]〜1×10−2[Pa]、基板温度550[℃]〜750[℃]まで調べたが、好ましい酸素分圧及び基板温度の範囲は以下のとおりであった。
酸素分圧:2×10−3[Pa]〜4×10−3[Pa]
基板温度:650[℃]〜730[℃]
この状態で、KrFエキシマレーザー(λ=248nm)をパルス状に印加する。ここでは膜厚70nmとした。秩序相が形成されるための条件は、このパルス周波数が大きく関わっていると考えられる。パルス周波数は2[Hz]〜5[Hz]まで調べたが、好ましいパルス周波数の範囲は以下のとおりであった。
パルス周波数:1[Hz]〜2[Hz]
なお、PLD法において、パルス周波数は原子の再配列にかかる時間と関わりがあると考えられるが、詳細な理論的裏付けは得られていない。実験結果から得られた定性的な結論としては比較的低い周波数の方が好ましい結果となった。但し、周波数が低いほど成膜速度は低下するため、製造効率を上げる観点からはなるべく高い周波数の方が好ましい。
なお、詳細は明らかでないが、その他の成膜後の薄膜の結晶性に影響を及ぼすパラメーターとしては、成膜後の冷却温度が考えられる。冷却速度について詳細に評価した結果、今回の実験での冷却速度は概ね1[℃/s]程度であった。
1.結晶性評価
以下は、得られた薄膜の結晶性評価の結果を示すデータである。実験ではラザフォード後方散乱測定(RBS)、X線回折測定(XRD)を評価した。
(1)ラザフォード後方散乱の測定結果
図5は、RBS測定の結果(フィッティングデータ)を示す図である。ここでは2MeVのヘリウムイオンHe2+を照射して測定した。RBS測定用のサンプルは成膜時間をちょうど2倍として膜厚を2倍の約140nmの条件で成膜したものを測定した。
RBSの結果から求められた膜厚dは約144nm、膜の組成はカチオン比から算出すると、FeTiO:Fe=0.63:0.37であることが分かった。ターゲット(焼結体)は0.6:0.4であったから、わずかの誤差はあるものの概ねターゲットと同一のカチオン比が得られていると考えられる。
(2)X線回折測定の測定結果
図6は基板温度700[℃]、酸素分圧を(イ)、(ロ)、(ハ)の異なる3つの条件で成膜したそれぞれの場合のイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜のXRD測定結果である。横軸は2θ[°]、縦軸は任意強度を表している。
このとき、酸素分圧は、
(イ)PO2=1×10−2[Pa]、
(ロ)PO2=2×10−3[Pa]、
(ハ)PO2=1×10−3[Pa]、
とした。図中にスピネル相(ウルボスピネル相FeTiO)、秩序相、無秩序相、基板のピークを記入している。特に、酸素分圧の条件が(ロ)PO2=2×10−3[Pa]のとき、(0003)、(0006)、(0009)、(00012)のピークが立っていることから単相の秩序相がc軸配向して成長したことを示している。
(3)平坦性の評価
得られた薄膜を原子間力顕微鏡(AFM)により測定したところ、薄膜表面の平坦度は十分な実用レベルに達していることが明らかとなった。
2.磁気的性質の評価
図7(a)は、温度と磁化の関係を調べた図、図7(b)は、磁界と磁化の関係を調べた図である。図の(i)〜(iii)はそれぞれ
(i) x=0.6面内磁化
(ii) x=0.6面外磁化
(iii) x=0.7面内磁化
を表している。
キュリー温度が400[K]以上の強磁性であること、x=0.7の組成に比べて、極低温の磁化は小さいが、室温における磁化は大きいこと(2[K]における飽和磁化は2.9[μ/mol]であった。)、磁化容易軸は面内に存在していること、などが明らかとなった。
3.電気的性質の評価
図8(a)はPPMS(Physical Properties Measurement System )を用いて測定した比抵抗を対数表示した図である。温度を変化させて比抵抗を測定したところ、温度の上昇と共に比抵抗が下がる特性、すなわち、半導体としての特性が表れた。さらに、
Wilsonの式:ρ=ρexp(E/2kT)
から求めた活性化エネルギーは0.16eVであった。また、300[K]おける比抵抗は0.23[Ωcm]であった。
図8(b)は、ゼーベック効果測定の結果を示す図である。x=0.6組成のイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜(0.6FeTiO・0.4Fe)を測定したところ、グラフの傾き(ゼーベック係数)の値は、−6.0[μV/K]を示した。これにより、キャリアタイプはn型伝導性であることが明らかとなった。
なお、薄膜の成膜方法には上述のパルスレーザー堆積法以外にも、種々の成膜方法が知られている。例えば、スパッタリング法や化学気相成長法(CVD法)などでも同様のイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜が得られる可能性もある。但し、これらの方法を適用した場合、「パルス」という条件がないため、同程度の結晶性が得られるか否かは現時点では不明である。
次に、本発明に係る薄膜製造方法を適用したデバイスの適用例について説明する。
−トンネル磁気抵抗素子(TMRデバイス)−
イルメナイト・ヘマタイト固溶体の秩序相はスピン偏極キャリア(x≦0.5のとき100%)が存在していると考えられている。従って、本発明に係るイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜を用ることにより、外部磁場の方向に応じて抵抗値が変化するトンネル磁気抵抗素子(TMRデバイス)を製造することができる。
図9(a)及び(b)は、TMRデバイスの動作を説明するための図である。この図に示すように、このデバイスは、n型強磁性層21とトンネル絶縁層22とp型強磁性層23を積層した構造を具備している。
強磁性トンネル磁気抵抗効果とは、トンネル絶縁層22を挟む一対の強磁性層21,23間の積層方向に電流を流す場合に、両方の強磁性層21,23間における互いの磁化の相対角度に依存してトンネルバリア層を流れるトンネル電流が変化する現象をいうが、本発明に係るTMRデバイスにおける、n型及びp型強磁性層21,23には、いずれも上述したイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜{xFeTiO・(1−x)Fe}(但し、xは全体に対するイルメナイトFeTiOの構成比を表し、0〜1の間の値をとる。)を適用することができる。n型強磁性層21は構成比xを0.7より小さく、p型については構成比xを0.7より大きくなるように構成する。また、トンネル絶縁層22については、所定のトンネルバリア特性等が必要とされるが基本的には同種の酸化物薄膜を適用することができると考えられる。
図9(a)に示すように、外部磁場により、TMRデバイスはn型強磁性層とp型強磁性層の磁気モーメントの総和(磁化方向)がいずれも面内の同一方向である(或いは互いの磁化の相対角度が小さい)場合は、トンネル絶縁層を通過してトンネル電流が流れるため、抵抗が小さくなる。
ところが、図9(b)に示すように、TMRデバイスはn型強磁性層とp型強磁性層の磁気モーメントの総和(磁化方向)がいずれも面内の逆方向である(或いは互いの磁化の相対角度が大きい)場合は、トンネル電流が流れないため、抵抗が大きくなる。
このような性質を用いて外部磁場を検出するセンサーに適用することもできる。また、トンネル絶縁層を介さないように構成してpn接合を形成することもできる。このように、本発明に係るイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜の製造方法を適用すれば、スピンFETや磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)など、各種のスピンエレクトロニクスデバイスを製造することができる。
本発明に係る伝導性制御方法は、半導体デバイスの基本構造であるpn接合を一つの固溶体(同種の酸化物)のみで形成することを可能にするキーテクノロジーとして位置づけられ、産業上の利用可能性は極めて大きい。酸化物磁性半導体は、電子の電荷と電子のスピンとの両方の性質を同時に利用する点で、シリコン(Si)やガリウムヒ素(GaAs)などの従来型半導体にはない特徴を有している。具体的には、以下のような産業上の利用可能性を有する。
(1)酸化物半導体ベースのトンネル磁気抵抗素子(TMR素子)
(2)スピン電界効果トランジスター(スピンFET)
(3)低消費電力で高速の不揮発性メモリデバイス(MRAM等)
など新規なスピンエレクトロニクスデバイス開発への応用が期待される。
符号の説明
10 チャンバー
11 ターゲット保持台
12 基板保持台
13 排気口
14 ガス導入口
S 基板
T ターゲット(焼結体)
L レンズ
図1(a)及び(b)は、それぞれイルメナイト(FeTiO)とヘマタイト(α−Fe)の結晶構造を示している。 図2(a)及び(b)は、イルメナイト・ヘマタイト固溶体をc軸に垂直な方向から見た模式図である。 図3(a)は、イルメナイトとヘマタイトの構成比xが、0.7より小さいとき(x<0.7)のc軸方向からみたFe層を模式的に示している。この時、Fe3+>Fe2+となり、電子(e)がキャリアとなってホッピングすることで電流が流れる。 図3(b)は、イルメナイトとヘマタイトの構成比xが、0.7より大きいとき(x>0.7)のc軸方向からみたFe層を模式的に示している。 図4(a)は本発明で用いたPLD法によるイルメナイト・ヘマタイト固溶体{xFeTiO・(1−x)Fe}の薄膜の製造装置を模式的に示した図である。図4(b)は成膜条件の一例を一覧表で示す図である。 図5は、RBS測定の結果(フィッティングデータ)を示す図である。 図6は基板温度700[℃]、酸素分圧を(イ)、(ロ)、(ハ)の異なる3つの条件で成膜したそれぞれの場合のイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜のXRD測定結果である。 図7(a)は、温度と磁化の関係を調べた図、図7(b)は、磁界と磁化の関係を調べた図である。 図8(a)はPPMS(Physical Properties Measurement System )を用いて測定した比抵抗を対数表示した図、図8(b)は、ゼーベック効果測定の結果を示す図である。 図9(a)及び(b)は、TMRデバイスの動作を説明するための図である。

Claims (7)

  1. パルスレーザー堆積法によって単結晶基板上にc軸配向して成長されたイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜であって、組成式が、
    {xFeTiO・(1−x)Fe}(但し、xは全体に対するイルメナイトFeTiOの構成比を表し、0〜1の間の値をとる。)
    で表されることを特徴とする強磁性酸化物半導体薄膜。
  2. 前記単結晶基板はサファイア基板であることを特徴とする請求項1記載の強磁性酸化物半導体薄膜。
  3. 前記固溶体秩序相薄膜は、イルメナイトの構成比xが0.7よりも小さいn型強磁性半導体であることを特徴とする請求項1又は2記載の強磁性酸化物半導体薄膜。
  4. n型強磁性層とトンネル絶縁層とp型強磁性層を積層した構造を具備すると共に、前記n型及びp型強磁性層は、単結晶基板上にc軸配向して成長されたイルメナイト・ヘマタイト固溶体秩序相薄膜であって、組成式が、
    {xFeTiO・(1−x)Fe}(但し、xは全体に対するイルメナイトFeTiOの構成比を表し、0〜1の間の値をとる。)で表されると共に、前記n型強磁性層はxの値が0.7よりも小さく、かつ前記p型強磁性層はxの値が0.7よりも大きいことを特徴とするスピントンネル磁気抵抗素子。
  5. イルメナイト・ヘマタイト固溶体とカチオン比が一致する組成の焼結体を形成する第1のステップ(S1)と、
    前記焼結体及び単結晶基板を所定の酸素分圧に制御されたチャンバー内に設定してパルスレーザーを照射して所定の温度に制御した前記基板上にc軸配向して成長させる第2のステップ(S2)と、
    を備えていることを特徴とする強磁性酸化物半導体薄膜の製造方法。
  6. 前記第1のステップ(S1)は、二酸化チタン(TiO)と三酸化二鉄(Fe)を出発物質として、予め最終的に得られる固溶体のイルメナイトの構成比xが、目標とする値になるようにカチオン比(Fe/Ti)を計算し、これに基づいて両者を混合したもを酸素雰囲気で加熱することにより形成することを特徴とする請求項5記載の強磁性酸化物半導体薄膜の製造方法。
  7. 前記第2のステップ(S2)は、基板温度が650℃乃至730℃、酸素分圧が2×10−3Pa乃至5×10−3Pa、パルスレーザーの周波数が1Hz乃至2Hzであることを特徴とする請求項5又は6記載の強磁性酸化物半導体薄膜の製造方法。
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