JP2002076405A - 光電変換装置 - Google Patents
光電変換装置Info
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- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
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- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
るシリコン薄膜におけるスピン密度と不純物原子濃度を
制御することでこれを高品質化し、光電変換装置の性能
を改善することを目的とする。 【解決手段】 電子スピン共鳴法で分析したスピン密度
が1×1018個/cm 3以下であり、且つ酸素原子の平
均濃度が1×1020個/cm3以下である結晶質を含む
シリコン薄膜を光電変換層に用いた光電変換装置であっ
て、上記シリコン薄膜中の導電型決定不純物原子の平均
濃度を1×1016個/cm3〜1×1018個/cm3とし
たシリコン薄膜を光電変換層に用いる。
Description
し、特に薄膜多結晶シリコンを光電変換層に用いた太陽
電池に代表される光電変換装置に関する。
電変換装置を低コストで製造するには、多結晶シリコン
薄膜をガラス基板等の低コスト基板上に600℃程度以
下の比較的低温度下で形成する必要がある。この製膜方
法としては、従来より、プラズマCVD法や触媒CVD
法が精力的に研究されている。
のスピン密度や残留不純物原子濃度については、しばし
ば議論の対象となっている。ここでいう残留不純物原子
とは、リンやボロンといった導電型決定不純物原子では
なく、シリコン薄膜の製膜中に様々な要因からシリコン
薄膜中に取り込まれる酸素、炭素等の原子のことであ
る。一般に光電変換装置のようなデバイスに適用し得る
シリコン薄膜の場合、スピン密度及び残留不純物原子濃
度は極力少ない方がよいと考えられている。
188879号に、非晶質シリコン薄膜中のスピン密度
を5×1017個/cm3以下にする内容が記載されてい
るが、結晶質を含むシリコン薄膜に関するものではな
い。
000−58889号に、プラズマCVD法で堆積した
シリコン系薄膜の酸素原子濃度を1×1019個/cm3
〜1×1020個/cm3にする内容が記載されている
が、これは酸素原子が熱的に活性化してn型シリコン系
薄膜のキャリア濃度が増加する効果を狙ったものである
が、キャリア濃度は1015/cm3オーダー以下であ
り、充分なキャリア濃度とはなっておらず、またpn制
御、再現性等、キャリア濃度の制御は実質的に不可能で
あった。
のように、薄膜多結晶シリコンを用いた光電変換装置で
は、光電変換層に導電型決定不純物原子を導入しない真
性型シリコンを用いたpin型、もしくはnip型が主
流であり、光電変換層中の導電型決定不純物原子濃度に
ついては、前記スピン密度や残留不純物原子濃度と密接
な関係があることからも、導電型決定不純物原子濃度を
どの範囲にすれば最適なキャリア濃度が得られるかにつ
いては、経験的にも明らかにされてはいなかった。
てなされたものであり、プラズマCVD法等で形成する
光電変換層たるシリコン薄膜におけるスピン密度と不純
物原子濃度を制御することでこれを高品質化し、光電変
換装置の性能を改善することを目的とする。
に、請求項1に係る光電変換装置では、電子スピン共鳴
法で分析したスピン密度が1×1018個/cm3以下で
あり、且つ酸素原子の平均濃度が1×1020個/cm3
以下である結晶質を含むシリコン薄膜を光電変換層に用
いた光電変換装置において、前記シリコン薄膜中の導電
型決定不純物原子の平均濃度を1ラ1016個/cm3〜1
ラ1018個/cm3としたシリコン薄膜を光電変換層に用
いる。
純物原子がボロン又はリンのうちの少なくとも1種を含
むことが望ましい。
ン薄膜が体積結晶化分率60%以上の結晶質を含むこと
が望ましい。
ン薄膜の膜厚が0.5〜20μmであることが望まし
い。
ン薄膜中の炭素原子の平均濃度が1×1019個/cm3
以下であることが望ましい。
ン薄膜中の窒素原子の平均濃度が1×1019個/cm3
以下であることが望ましい。
置の実施形態を図1に基づいて説明する。ここでは、光
入射面側にn型層を形成した場合について説明するが、
光入射面側にp型層を形成した場合は、文中の導電型を
逆に読み替えればよい。
上にTi、Ni、W、Mo、Cu、Ag、またはAlの
うち、少なくとも1種からなる金属、またはその窒化
膜、あるいはそのシリサイド膜で形成される薄膜層から
成る裏電極2を電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等
の真空成膜法によりシート抵抗が1Ω/□以下となるよ
うに適当な膜厚に堆積する。具体的には、Ti膜を0.
1μm成膜し、この上にAg膜を1μm成膜し、さらに
Ti膜を0.1μm成膜するとシート抵抗0.1Ω/□
以下が実現される。なお、前記Ti及びAg膜は以下の
工程で問題のない限り他の金属等に置き換えても良い。
+型Si層3を形成する。具体的には前記裏電極2上
に、プラズマCVD法または触媒CVD法等により、ボ
ロン、アルミニウム等のp型不純物原子が1×1018個
/cm3〜1×1022個/cm3程度含まれた多結晶Si
層を1μm程度以下の膜厚に成膜し、高BSF機能を有
する下地層とする。
一導電型(すなわちp型)の本発明の光電変換層となる
結晶質を含むSi層4をプラズマCVD法または触媒C
VD法等によって厚さ0.3〜30μm程度に形成す
る。具体的には、例えば40MHzの高周波電源を用い
た平行平板型プラズマCVD法により形成することがで
きる。
水素ガス及びドーピングガスを用いる。シラン系ガスと
してはモノシランガス、ジシランガス等に加え、ジクロ
ロシランガス等のハロゲン化ケイ素系ガス等を用いても
良い。シラン系ガスに対する水素ガスの流量は10倍以
上であることが好ましい。ドーピングガスとしてはp型
Si膜を形成する場合はジボランガス等を、n型Si膜
を形成する場合はホスフィンガス等を用いる。このとき
のシラン系ガスに対するドーピングガスの流量は、Si
膜のドーピング(導電型決定不純物)原子濃度が1×1
015個/cm3〜1×1018個/cm3程度になるよう調
節する。流量で調整しきれない場合は、水素等の希釈ガ
スで適当な濃度に希釈したドーピングガスを用いる。本
実施例においては、反応ガスとして、モノシランガス、
水素ガス、ジボランガスを用い、各ガスの流量はモノシ
ランガス1〜20sccm、水素ガス100〜1000
sccm、ジボランガス(水素により100ppmに希
釈)0.02〜1sccmとする。成膜時の圧力として
は0.5〜5torr、成膜温度は100〜400℃、
放電パワーは例えば15〜100Wなどである。
るSi膜のスピン密度を電子スピン共鳴法により求める
と1×1018個/cm3以下となる。スピン密度が1×
101 8個/cm3以上となると、膜中欠陥の増加により
キャリアの再結合が顕著になり、光電変換装置の変換効
率が低下する。一方、スピン密度を測定する場合には石
英基板もしくは高品質の単結晶Si基板上にSi膜を形
成することが好ましい。特にSi膜の膜厚が薄い場合及
びスピン密度が小さい場合は、基板の信号(バックグラ
ウンド)を極力低減して測定することが必要である。
を二次イオン質量分析法により求めると、酸素原子の平
均濃度が1×1020個/cm3以下、炭素原子の平均濃
度が1×1019個/cm3以下、窒素原子の平均濃度が
1×1019個/cm3以下となる。デバイスグレードの
膜品質を維持するためには、残留不純物原子濃度には上
限があり、酸素濃度については1×1020個/cm3、
炭素濃度については1×1019個/cm3、窒素濃度に
ついては1×1019個/cm3とすることが望ましい。
ティングにより算出した体積結晶化分率は60%以上と
なる。体積結晶化分率が60%以下であると、アモルフ
ァス成分の増加に伴い光電変換装置の短絡電流密度の低
下が顕著になり、また光劣化の問題も生じてくる。
/cm3以下であると、前記残留不純物原子の影響によ
り、導入した導電型決定不純物原子によるキャリア生成
が有効に行われず、所望のキャリア濃度を得にくい。ま
た、導電型決定不純物原子濃度が1×1018個/cm3
以上であると、この導電型決定不純物原子による欠陥に
よりSi膜の品質が低下し、高い変換効率が得られにく
い。この導電型決定不純物原子としては、B、Pが比較
的安価なガスを用いることができ、且つ扱いやすいこと
から望ましい。
な光電流が取り出せず、高い変換効率が得られにくい。
一方、デバイスグレードの膜品質が維持できる現状で得
られている最大の成膜速度は240nm/分程度であ
り、20μmの膜厚を形成するには約83分かかること
になる。さらなる高成膜速度化が進むとしても20μm
が実質的に生産可能なレベルである。
3とは反対の導電型(すなわちn型)の非晶質、多結晶
もしくは微結晶を含むSi層5を、プラズマCVD法ま
たは触媒CVD法等によって厚さ1μm以下に形成す
る。n型不純物原子としてリン等を1×1018個/cm
3〜1×1022個/cm3程度に高濃度にドープする。
nO2、ZnO等の透明導電膜6をスパッタリング法や
MOCVD法等の真空成膜法を用いて60〜100nm
程度の膜厚で形成する。
i、Cu等から成る櫛形状の表金属集電極7を蒸着法や
プリント及び焼成技術等によって、厚さ1μm以上に形
成する。以上によって、薄膜多結晶シリコン光電変換装
置が得られる。
る光電変換装置である薄膜多結晶シリコン太陽電池と比
較例について説明する。 (実施例1)光電変換層であるSi層は40MHzの高
周波電源を用いた平行平板型プラズマCVD法により形
成した。この成膜室はターボ分子ポンプによって排気を
行い、圧力調整バルブにより所望の成膜圧力に制御す
る。成膜前の背圧は3×10-7torr、成膜時の圧力
は1.5torrとした。成膜時の反応ガスとしてモノ
シランガス、水素ガス及びジボランガスを用い、各々の
流量は5sccm、100sccm、0.2sccmと
した。また放電パワーは25W、成膜温度は200℃と
した。膜厚は1.5μmで、成膜速度が18nm/分で
あるため、成膜時間は約83分である。
鳴法により求めたところ、4×10 16個/cm3であっ
た。また、不純物原子濃度を二次イオン質量分析法によ
り分析した結果を図2に示す(表面及び裏面の領域を除
く図中の両端矢印で示した範囲が光電変換層である)。
酸素原子濃度は1×1019個/cm3、炭素原子濃度は
2×1018個/cm3、窒素原子濃度は3×1017個/
cm3であった。体積結晶化分率は分光エリプソメータ
ーによるフィッティングにより算出し93.2%であっ
た。
てAM1.5、100mW/cm2を用いたときの出力特
性は開放端電圧0.441V、短絡電流密度19.1mA
/cm2、曲線因子0.606、変換効率5.1%であっ
た。 (実施例2〜12)光電変換層であるSi層の成膜条件
を様々に変化させて、実施例1と同様に薄膜多結晶Si
太陽電池を形成した。このSi薄膜のスピン密度、不純
物原子濃度、体積結晶化分率、膜厚及び変換効率を表
1、2に示した。
2〜8についてはボロンを、実施例9〜12については
リンを用いた。 (比較例1)成膜圧力を0.5torrとし、その他の
成膜条件は実施例1と同様である。 (比較例2)排気はターボ分子ポンプを作動させず油回
転ポンプのみによって行い、圧力調整バルブにより所望
の成膜圧力に制御する。成膜前の背圧は1.5×10-2
torrで、その他の成膜条件は実施例1と同様であ
る。 (比較例3、4)ボロンドーピング濃度を5×1015個
/cm3及び2×1018個/cm3とし、その他の成膜条
件は実施例1と同様である。
換層たるSi層のスピン密度が1×1018個/cm3以
下であり、且つ酸素原子の平均濃度が1×1020個/c
m3以下であって、さらに導電型決定不純物原子の平均
濃度が1ラ1016個/cm3〜1ラ1018個/cm3の範囲
内であれば、高い変換効率が得られることが明らかとな
った。また体積結晶化分率は60%以上、膜厚について
は0.5μm以上、膜中の炭素原子濃度、窒素原子濃度
についてはそれぞれ1×1019個/cm3以下が望まし
いことが分かる。
ピン共鳴法で分析したスピン密度が1×1018個/cm
3以下であり、且つ酸素原子の平均濃度が1×1020個
/cm3以下である結晶質を含むシリコン薄膜を光電変
換層に用いた光電変換装置において、前記シリコン薄膜
中の導電型決定不純物原子の平均濃度を1ラ1016個/
cm3〜1ラ1018個/cm3としたことから、プラズマ
CVD法等によって成膜された光電変換層たる多結晶シ
リコン薄膜を高品質化でき、薄膜多結晶シリコン光電変
換装置の高性能化が可能となる。
である。
度の深さ方向プロファイルを示す図である。
23)
し、特に薄膜多結晶シリコンを光電変換層に用いた太陽
電池に代表される光電変換装置に関する。
電変換装置を低コストで製造するには、多結晶シリコン
薄膜をガラス基板等の低コスト基板上に600℃程度以
下の比較的低温度下で形成する必要がある。この製膜方
法としては、従来より、プラズマCVD法や触媒CVD
法が精力的に研究されている。
のスピン密度や残留不純物原子濃度については、しばし
ば議論の対象となっている。ここでいう残留不純物原子
とは、リンやボロンといった導電型決定不純物原子では
なく、シリコン薄膜の製膜中に様々な要因からシリコン
薄膜中に取り込まれる酸素、炭素等の原子のことであ
る。一般に光電変換装置のようなデバイスに適用し得る
シリコン薄膜の場合、スピン密度及び残留不純物原子濃
度は極力少ない方がよいと考えられている。
188879号に、非晶質シリコン薄膜中のスピン密度
を5×1017個/cm3以下にする内容が記載されてい
るが、結晶質を含むシリコン薄膜に関するものではな
い。
000−58889号に、プラズマCVD法で堆積した
シリコン系薄膜の酸素原子濃度を1×1019個/cm3
〜1×1020個/cm3にする内容が記載されている
が、これは酸素原子が熱的に活性化してn型シリコン系
薄膜のキャリア濃度が増加する効果を狙ったものである
が、キャリア濃度は1015/cm3オーダー以下であ
り、充分なキャリア濃度とはなっておらず、またpn制
御、再現性等、キャリア濃度の制御は実質的に不可能で
あった。
のように、薄膜多結晶シリコンを用いた光電変換装置で
は、光電変換層に導電型決定不純物原子を導入しない真
性型シリコンを用いたpin型、もしくはnip型が主
流であり、光電変換層中の導電型決定不純物原子濃度に
ついては、前記スピン密度や残留不純物原子濃度と密接
な関係があることからも、導電型決定不純物原子濃度を
どの範囲にすれば最適なキャリア濃度が得られるかにつ
いては、経験的にも明らかにされてはいなかった。
てなされたものであり、プラズマCVD法等で形成する
光電変換層たるシリコン薄膜におけるスピン密度と不純
物原子濃度を制御することでこれを高品質化し、光電変
換装置の性能を改善することを目的とする。
に、請求項1に係る光電変換装置では、電子スピン共鳴
法で分析したスピン密度が1×1018個/cm3以下で
あり、且つ酸素原子の平均濃度が1×1020個/cm3
以下である結晶質を含むシリコン薄膜を光電変換層に用
いた光電変換装置において、前記シリコン薄膜中の導電
型決定不純物原子の平均濃度を1×1016個/cm3〜
1×1018個/cm3としたシリコン薄膜を光電変換層
に用いる。
純物原子がボロン又はリンのうちの少なくとも1種を含
むことが望ましい。
ン薄膜が体積結晶化分率60%以上の結晶質を含むこと
が望ましい。
ン薄膜の膜厚が0.5〜20μmであることが望まし
い。
ン薄膜中の炭素原子の平均濃度が1×1019個/cm3
以下であることが望ましい。
ン薄膜中の窒素原子の平均濃度が1×1019個/cm3
以下であることが望ましい。
置の実施形態を図1に基づいて説明する。ここでは、光
入射面側にn型層を形成した場合について説明するが、
光入射面側にp型層を形成した場合は、文中の導電型を
逆に読み替えればよい。
上にTi、Ni、W、Mo、Cu、Ag、またはAlの
うち、少なくとも1種からなる金属、またはその窒化
膜、あるいはそのシリサイド膜で形成される薄膜層から
成る裏電極2を電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等
の真空成膜法によりシート抵抗が1Ω/□以下となるよ
うに適当な膜厚に堆積する。具体的には、Ti膜を0.
1μm成膜し、この上にAg膜を1μm成膜し、さらに
Ti膜を0.1μm成膜するとシート抵抗0.1Ω/□
以下が実現される。なお、前記Ti及びAg膜は以下の
工程で問題のない限り他の金属等に置き換えても良い。
+型Si層3を形成する。具体的には前記裏電極2上
に、プラズマCVD法または触媒CVD法等により、ボ
ロン、アルミニウム等のp型不純物原子が1×1018個
/cm3〜1×1022個/cm3程度含まれた多結晶Si
層を1μm程度以下の膜厚に成膜し、高BSF機能を有
する下地層とする。
一導電型(すなわちp型)の本発明の光電変換層となる
結晶質を含むSi層4をプラズマCVD法または触媒C
VD法等によって厚さ0.3〜30μm程度に形成す
る。具体的には、例えば40MHzの高周波電源を用い
た平行平板型プラズマCVD法により形成することがで
きる。
水素ガス及びドーピングガスを用いる。シラン系ガスと
してはモノシランガス、ジシランガス等に加え、ジクロ
ロシランガス等のハロゲン化ケイ素系ガス等を用いても
良い。シラン系ガスに対する水素ガスの流量は10倍以
上であることが好ましい。ドーピングガスとしてはp型
Si膜を形成する場合はジボランガス等を、n型Si膜
を形成する場合はホスフィンガス等を用いる。このとき
のシラン系ガスに対するドーピングガスの流量は、Si
膜のドーピング(導電型決定不純物)原子濃度が1×1
015個/cm3〜1×1018個/cm3程度になるよう調
節する。流量で調整しきれない場合は、水素等の希釈ガ
スで適当な濃度に希釈したドーピングガスを用いる。本
実施例においては、反応ガスとして、モノシランガス、
水素ガス、ジボランガスを用い、各ガスの流量はモノシ
ランガス1〜20sccm、水素ガス100〜1000
sccm、ジボランガス(水素により100ppmに希
釈)0.02〜1sccmとする。成膜時の圧力として
は0.5〜5torr、成膜温度は100〜400℃、
放電パワーは例えば15〜100Wなどである。
るSi膜のスピン密度を電子スピン共鳴法により求める
と1×1018個/cm3以下となる。スピン密度が1×
101 8個/cm3以上となると、膜中欠陥の増加により
キャリアの再結合が顕著になり、光電変換装置の変換効
率が低下する。一方、スピン密度を測定する場合には石
英基板もしくは高品質の単結晶Si基板上にSi膜を形
成することが好ましい。特にSi膜の膜厚が薄い場合及
びスピン密度が小さい場合は、基板の信号(バックグラ
ウンド)を極力低減して測定することが必要である。
を二次イオン質量分析法により求めると、酸素原子の平
均濃度が1×1020個/cm3以下、炭素原子の平均濃
度が1×1019個/cm3以下、窒素原子の平均濃度が
1×1019個/cm3以下となる。デバイスグレードの
膜品質を維持するためには、残留不純物原子濃度には上
限があり、酸素濃度については1×1020個/cm3、
炭素濃度については1×1019個/cm3、窒素濃度に
ついては1×1019個/cm3とすることが望ましい。
ティングにより算出した体積結晶化分率は60%以上と
なる。体積結晶化分率が60%以下であると、アモルフ
ァス成分の増加に伴い光電変換装置の短絡電流密度の低
下が顕著になり、また光劣化の問題も生じてくる。
/cm3以下であると、前記残留不純物原子の影響によ
り、導入した導電型決定不純物原子によるキャリア生成
が有効に行われず、所望のキャリア濃度を得にくい。ま
た、導電型決定不純物原子濃度が1×1018個/cm3
以上であると、この導電型決定不純物原子による欠陥に
よりSi膜の品質が低下し、高い変換効率が得られにく
い。この導電型決定不純物原子としては、B、Pが比較
的安価なガスを用いることができ、且つ扱いやすいこと
から望ましい。
な光電流が取り出せず、高い変換効率が得られにくい。
一方、デバイスグレードの膜品質が維持できる現状で得
られている最大の成膜速度は240nm/分程度であ
り、20μmの膜厚を形成するには約83分かかること
になる。さらなる高成膜速度化が進むとしても20μm
が実質的に生産可能なレベルである。
3とは反対の導電型(すなわちn型)の非晶質、多結晶
もしくは微結晶を含むSi層5を、プラズマCVD法ま
たは触媒CVD法等によって厚さ1μm以下に形成す
る。n型不純物原子としてリン等を1×1018個/cm
3〜1×1022個/cm3程度に高濃度にドープする。
nO2、ZnO等の透明導電膜6をスパッタリング法や
MOCVD法等の真空成膜法を用いて60〜100nm
程度の膜厚で形成する。
i、Cu等から成る櫛形状の表金属集電極7を蒸着法や
プリント及び焼成技術等によって、厚さ1μm以上に形
成する。以上によって、薄膜多結晶シリコン光電変換装
置が得られる。
る光電変換装置である薄膜多結晶シリコン太陽電池と比
較例について説明する。 (実施例1)光電変換層であるSi層は40MHzの高
周波電源を用いた平行平板型プラズマCVD法により形
成した。この成膜室はターボ分子ポンプによって排気を
行い、圧力調整バルブにより所望の成膜圧力に制御す
る。成膜前の背圧は3×10-7torr、成膜時の圧力
は1.5torrとした。成膜時の反応ガスとしてモノ
シランガス、水素ガス及びジボランガスを用い、各々の
流量は5sccm、100sccm、0.2sccmと
した。また放電パワーは25W、成膜温度は200℃と
した。膜厚は1.5μmで、成膜速度が18nm/分で
あるため、成膜時間は約83分である。
鳴法により求めたところ、4×10 16個/cm3であっ
た。また、不純物原子濃度を二次イオン質量分析法によ
り分析した結果を図2に示す(表面及び裏面の領域を除
く図中の両端矢印で示した範囲が光電変換層である)。
酸素原子濃度は1×1019個/cm3、炭素原子濃度は
2×1018個/cm3、窒素原子濃度は3×1017個/
cm3であった。体積結晶化分率は分光エリプソメータ
ーによるフィッティングにより算出し93.2%であっ
た。
てAM1.5、100mW/cm2を用いたときの出力特
性は開放端電圧0.441V、短絡電流密度19.1mA
/cm2、曲線因子0.606、変換効率5.1%であっ
た。 (実施例2〜12)光電変換層であるSi層の成膜条件
を様々に変化させて、実施例1と同様に薄膜多結晶Si
太陽電池を形成した。このSi薄膜のスピン密度、不純
物原子濃度、体積結晶化分率、膜厚及び変換効率を表
1、2に示した。
2〜8についてはボロンを、実施例9〜12については
リンを用いた。 (比較例1)成膜圧力を0.5torrとし、その他の
成膜条件は実施例1と同様である。 (比較例2)排気はターボ分子ポンプを作動させず油回
転ポンプのみによって行い、圧力調整バルブにより所望
の成膜圧力に制御する。成膜前の背圧は1.5×10-2
torrで、その他の成膜条件は実施例1と同様であ
る。 (比較例3、4)ボロンドーピング濃度を5×1015個
/cm3及び2×1018個/cm3とし、その他の成膜条
件は実施例1と同様である。
換層たるSi層のスピン密度が1×1018個/cm3以
下であり、且つ酸素原子の平均濃度が1×1020個/c
m3以下であって、さらに導電型決定不純物原子の平均
濃度が1×1016個/cm3〜1×1018個/cm3の範
囲内であれば、高い変換効率が得られることが明らかと
なった。また体積結晶化分率は60%以上、膜厚につい
ては0.5μm以上、膜中の炭素原子濃度、窒素原子濃
度についてはそれぞれ1×1019個/cm3以下が望ま
しいことが分かる。
ピン共鳴法で分析したスピン密度が1×1018個/cm
3以下であり、且つ酸素原子の平均濃度が1×1020個
/cm3以下である結晶質を含むシリコン薄膜を光電変
換層に用いた光電変換装置において、前記シリコン薄膜
中の導電型決定不純物原子の平均濃度を1×1016個/
cm3〜1×1018個/cm3としたことから、プラズマ
CVD法等によって成膜された光電変換層たる多結晶シ
リコン薄膜を高品質化でき、薄膜多結晶シリコン光電変
換装置の高性能化が可能となる。
である。
度の深さ方向プロファイルを示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 電子スピン共鳴法で分析したスピン密度
が1×1018個/cm 3以下であり、且つ酸素原子の平
均濃度が1×1020個/cm3以下である結晶質を含む
シリコン薄膜を光電変換層に用いた光電変換装置におい
て、前記シリコン薄膜中の導電型決定不純物原子の平均
濃度を1ラ1016個/cm3〜1ラ1018個/cm3とした
ことを特徴とする光電変換装置。 - 【請求項2】 前記導電型決定不純物原子がボロン又は
リンのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請
求項1に記載の光電変換装置。 - 【請求項3】 前記シリコン薄膜が体積結晶化分率60
%以上の結晶質を含むシリコン薄膜であることを特徴と
する請求項1に記載の光電変換装置。 - 【請求項4】 前記シリコン薄膜の膜厚が0.5〜20
μmであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換
装置。 - 【請求項5】 前記シリコン薄膜中の炭素原子の平均濃
度が1×1019個/cm3以下であることを特徴とする
請求項1に記載の光電変換装置。 - 【請求項6】 前記シリコン薄膜中の窒素原子の平均濃
度が1×1019個/cm3以下であることを特徴とする
請求項1に記載の光電変換装置。
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- 2000-08-31 JP JP2000263024A patent/JP2002076405A/ja active Pending
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