JP2000183377A - シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法 - Google Patents

シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法

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JP2000183377A
JP2000183377A JP10358882A JP35888298A JP2000183377A JP 2000183377 A JP2000183377 A JP 2000183377A JP 10358882 A JP10358882 A JP 10358882A JP 35888298 A JP35888298 A JP 35888298A JP 2000183377 A JP2000183377 A JP 2000183377A
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Keiji Okamoto
圭史 岡本
Masashi Yoshimi
雅士 吉見
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すべての半導体層を同一のプラズマCVDチ
ャンバ内で形成しても光電変換特性を低下させずにむし
ろ向上させつつ、低コストでかつ優れた生産性を発揮し
得るシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 シリコン系薄膜光電変換装置をプラズマ
CVD法を利用して製造する方法は、n型層104が2
〜50nmの範囲内の厚さに形成され、i型の結晶質シ
リコン系光電変換層105が0.036〜0.36μm
/hrの範囲内の堆積速度で5〜20分の範囲内の時間
だけ堆積された後に1μm/hr以上の堆積速度で最終
的に1〜5μmの範囲内の厚さまで堆積され、さらに、
p型層106が2〜50nmの範囲内の厚さに形成さ
れ、これらのn型層、i型光電変換層、およびp型層が
同一のプラズマCVD反応室内で引き続いて形成される
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜光電変換装置の
製造方法に関し、特に、シリコン系薄膜光電変換装置の
性能を低下させずにむしろ向上させつつその生産のコス
トと効率を改善し得る製造方法に関するものである。な
お、本願明細書において「多結晶」、「微結晶」、およ
び「結晶質」の用語は、薄膜光電変換装置の技術分野に
おいて通常用いられているように、部分的に非晶質状態
を含むものをも意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】近年、たとえば多結晶シリコンや微結晶
シリコンのような結晶質シリコンを含む薄膜を利用した
光電変換装置の開発が精力的に行なわれている。これら
の開発は、安価な基板上に低温プロセスで良質の結晶質
シリコン薄膜を形成することによって光電変換装置の低
コスト化と高性能化を両立させようという試みであり、
太陽電池だけでなくて光センサ等の様々な光電変換装置
への応用が期待されている。
【0003】従来から、太陽電池の生産装置としては、
図3のブロック図に示されているように複数の膜堆積室
(チャンバとも呼ばれる)を直線状に連結したインライ
ン方式、または図4のブロック図に示されているように
中央に中間室を設けてその周りに複数のチャンバを配置
するマルチチャンバ方式が採用されている。なお、非晶
質シリコン太陽電池に関しては、簡便な方法としてすべ
ての半導体層を同一のチャンバ内で形成するといういわ
ゆるシングルチャンバ方式も従来から用いられている。
しかし、p型層とn型層にドープされる導電型決定不純
物原子が他の異なる種類の半導体層に混入することを防
止するために、それぞれの半導体層を形成する前に、た
とえば水素等のパージガスによる1時間のガス置換のよ
うに、チャンバ内の十分なガス置換を行なう必要があ
る。また、そのようなガス置換処理を施しても非晶質シ
リコン太陽電池の良好な性能を得ることができなかった
ために、シングルチャンバ方式はあくまでも実験的用途
のみに使用されている。さらに、非晶質シリコン太陽電
池では1導電型層、光電変換層、および逆導電型層のす
べてを一度も大気に晒すことなく真空プロセス中で連続
的に形成する必要があるため、工業的には上述のインラ
イン方式やマルチチャンバ方式が用いられている。
【0004】たとえば、基板側からn層、i層およびp
層が順次積層されるnip型太陽電池の場合、図3のイ
ンライン方式では、n層を形成するためのn層堆積室3
n、光電変換層を形成するためのi層堆積室3i1 〜3
6 、およびp層を形成するためのp層堆積室3pが連
続して連結された構造が用いられる。この場合に、n層
とp層はi層に比べて薄くて成膜時間が格段に短いの
で、生産効率を上げるために通常は複数のi層堆積室が
連結されるのが一般的であり、n層およびp層の成膜時
間が律速状態になるまではi層堆積室の数が増えるほど
生産性が向上する。しかし、このインライン方式では、
最もメンテナンスが必要とされるi層堆積室を複数含ん
でいるので、1つのi層堆積室でもそのメンテナンスが
必要となった場合にその生産ライン全体が停止させられ
るという難点がある。
【0005】他方、図4のマルチチャンバ方式は、膜が
堆積されるべき基板が中間室4mを経由して各膜堆積チ
ャンバ4n,4i1 〜4i4 ,4pに移動させられる方
式である。そして、それぞれのチャンバと中間室との間
には気密を維持し得る可動仕切りが設けられているの
で、ある1つのチャンバに不都合が生じた場合でも他の
チャンバは使用可能であり、生産が全体的に停止させら
れるということはない。しかし、このマルチチャンバ方
式の生産装置は、中間室4mと各チャンバ4n,4i1
〜4i4 ,4pとの間の気密性を維持しつつ基板を移動
させる機構が複雑であって高価であり、また、中間室4
mの周りに配置されるチャンバの数が空間的に制限され
るという問題があるので、実際の生産方式としてはあま
り用いられていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法においては、光
電変換装置の特性を低下させることなく低コストでかつ
効率よく生産することができない。これは、光電変換ユ
ニットに含まれる光電変換層と導電型層との界面を大気
に晒せばその光電変換装置の性能が低下するという問題
があるために、その光電変換ユニットに含まれるすべて
の半導体層を一度も大気に晒すことなく真空プロセス中
で連続的に形成することが必要とされているからであ
る。また、異なる種類の半導体層を別々のチャンバで形
成するために、複数のチャンバを有する生産設備が必要
とされるからである。
【0007】他方、n層、i層、およびp層のすべてを
単一の同じプラズマ反応室内で連続して成膜する場合、
その反応室内の放電電極などに付着したリンなどのn型
ドーパントがi層へ拡散することが問題となる。すなわ
ち、i層中において拡散したn型ドーパントによって影
響されたn型影響領域はそれに隣接するn層を補間する
役目を果たすが、光電変換には寄与しない。したがっ
て、i層が十分な光電変換機能を果たすためにはn型影
響領域の厚さを補うようにi層全体を厚くしなければな
らず、その膜厚の増大に伴う電気抵抗の増加やドーパン
トによる光吸収などの悪影響が生じる。
【0008】このような従来技術の課題に鑑み、本発明
は、すべての半導体層を同一のチャンバ内で形成しても
光電変換装置の性能を低下させずにむしろ向上させつ
つ、低コストでかつ優れた生産性を発揮し得るシリコン
系薄膜光電変換装置の製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においてプラズマ
CVD法を利用してシリコン系薄膜光電変換装置を製造
する方法は、n型層が2〜50nmの範囲内の厚さに形
成され、i型の結晶質シリコン系光電変換層が0.03
6〜0.36μm/hrの範囲内の堆積速度で5〜20
分の範囲内の時間だけ堆積された後に1μm/hr以上
の堆積速度で最終的に1〜5μmの範囲内の厚さまで堆
積され、さらに、p型層が2〜50nmの範囲内の厚さ
に形成され、それらのn型層、i型光電変換層、および
p型層が同一のプラズマCVD反応室内で引き続いて形
成されることを特徴としている。
【0010】すなわち、本発明者たちは、上述の従来技
術における課題を解決すべく検討を重ねた結果、半導体
接合を構成するすべての半導体層をプラズマCVD法に
て低温で形成するシリコン系薄膜光電変換装置におい
て、n層とp層の厚さが十分に薄くてi層の厚みが特定
の範囲内にある場合に、すべての半導体層を同一チャン
バ内で連続して成膜しても良好な性能を有する光電変換
装置が得られることを見出したのである。特に、i層の
成膜速度をその成膜初期からの時間に依存して最適に制
御することによって、より一層良好な性能を有する光電
変換装置が得られる。これによって、n層、i層、およ
びp層をそれぞれ別々のチャンバで形成する必要がなく
なり、基板の加熱昇温、冷却、およびチャンバ間の搬送
の時間をなくすことができ、光電変換装置の生産のコス
トと効率が著しく改善されることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1の模式的な斜視図を参照し
て、本発明の実施の形態の1例として製造されるシリコ
ン系薄膜光電変換装置を説明する。この装置の基板10
1としては、ステンレス等の金属、ポリイミド等の低膨
張率を有する有機フィルム、または低融点の安価なガラ
ス等が用いられ得る。
【0012】基板101上の電極110は、下記の薄膜
(A)と(B)のうちの1以上を含み、たとえば真空蒸
着法やスパッタ法によって裏面電極堆積チャンバ内で形
成される。なお、図1において光109は上方から入射
されるように描かれているが、これは下方から入射され
るようにされてもよく、その場合には、電極110は金
属薄膜を含まない。 (A) Ti、Cr、Al、Ag、Au、CuおよびP
tから選択された少なくとも1以上の金属またはこれら
の合金からなる層を含む金属薄膜。 (B) ITO、SnO2 およびZnOから選択された
少なくとも1以上の酸化物からなる層を含む透明導電性
薄膜。
【0013】裏面電極110が形成された基板101は
裏面電極堆積チャンバから取出されて図2に示されてい
るようにn型、i型およびp型の半導体層の形成のため
に共通な単一の膜堆積チャンバ2nip内に移され、光
電変換ユニット111に含まれるn型半導体層104が
プラズマCVD法により堆積される。このときの電極堆
積チャンバと半導体層堆積チャンバとの間における基板
の移送は、大気中で行なわれても何ら問題は生じない。
n型半導体層104としては、たとえば導電型決定不純
物原子であるリンが0.01原子%以上ドープされたn
型微結晶シリコン系薄膜などが用いられ得る。しかし、
n型層104に関するこれらの条件は限定的なものでは
なく、微結晶シリコンカーバイドや微結晶シリコンゲル
マニウム等の合金材料の層を用いてもよい。n型微結晶
シリコン系薄膜104の厚さは2〜50nmの範囲内に
設定され、より好ましくは5〜30nmの範囲内に設定
される。
【0014】n型半導体層104上には、光電変換層1
05として、結晶質を含むシリコン系薄膜が同一のチャ
ンバ2nip内でプラズマCVD法によって400℃以
下の下地温度のもとで形成される。この光電変換層10
5としては、ノンドープのi型多結晶シリコン薄膜や体
積結晶化分率80%以上のi型微結晶シリコン薄膜、あ
るいは微量の不純物を含む弱p型または弱n型で光電変
換機能を十分に備えている結晶質シリコン系薄膜が使用
され得る。また、光電変換層105はこれらに限定され
ず、合金材料であるシリコンカーバイドやシリコンゲル
マニウム等の膜を用いてもよい。
【0015】光電変換層105の膜厚は1〜5μmの範
囲内で、より好ましくは1〜4μmの範囲内に設定さ
れ、結晶質を含むシリコン系薄膜光電変換層として必要
かつ十分な厚さにされる。光電変換層105は400℃
以下という低温で形成されるので、結晶粒界や粒内にお
ける欠陥を終端または不活性化させる水素原子を多く含
み、その好ましい水素含有量は0.5〜30原子%の範
囲内であり、より好ましくは1〜20原子%の範囲内に
ある。
【0016】シリコン系薄膜光電変換層105に含まれ
る結晶粒の多くは下地層から上方に柱状に延びて成長し
ている。これらの多くの結晶粒は膜面に平行に(11
0)の優先結晶配向面を有し、X線回折における(22
0)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比
は1/5以下であり、1/10以下であることがより好
ましい。
【0017】光電変換層105を堆積する際、その直前
に同一チャンバ2nip内でn層104を堆積している
ので、チャンバ壁面やプラズマ放電電極などに付着した
不要な膜からのリン原子の拡散によって、光電変換層1
05内の最初の堆積部分はn型になる。このようなn型
ドーパントの拡散は、成膜したi層105全体の厚みに
はあまり関係がなく、i層105の堆積初期からのプラ
ズマ継続時間によって影響を受ける。
【0018】具体的には、n層104を形成した後にi
層105を形成するためにプラズマを発生させた場合、
n層104を形成した際に放電電極部などに付着した不
要な膜がそのプラズマに晒されることによってn型ドー
パントが雰囲気中へ拡散してくる。このn型ドーパント
の拡散はi層105の堆積初期の5〜20分間続き、そ
の間に形成されたi層が影響を受けてn型影響領域とな
る。したがって、i層105の堆積初期の成膜速度を上
げれば上げるほど、ドーパントの影響を受ける領域の厚
さが増大する。前述のように、このn型影響領域はn層
104を補間する役目を果たすが、光電変換には寄与し
ない。また、i層105の初期成膜速度が速くなればこ
のn型影響領域が厚くなってi層全体の厚さも厚くしな
ければならず、その膜厚の増大に伴う電気抵抗の増加や
ドーパントによる光吸収などの悪影響が生じる。
【0019】したがって、i層105の堆積時に初めの
5〜20分は低速で成膜することが非常に重要になる。
他方、i層105の成膜速度が低すぎれば、その前に形
成したn層104にプラズマによるダメージが生じる。
たとえば、n層104の堆積の完了後に水素プラズマの
みを5分間発生させた後にi層105を成膜した場合に
は、n層104が水素プラズマによってエッチングされ
るために、完成した光電変換装置において良好な光電変
換効率を得ることができない。
【0020】このような状況からして、i層105の初
期成膜速度は0.036〜0.36μm/hrの範囲内
にあることが好ましく、0.05〜0.2μm/hrの
範囲内にあることがより好ましい。また、i層105の
うちでこのように遅い初期成膜速度で堆積される部分の
厚さは300nm以下であることが好ましい。なぜなら
ば、低速で堆積された膜はその堆積条件を最適化するこ
とによって高速で堆積された膜と比べて遜色のない品質
を有することが可能であるが、その領域の成膜に時間が
かかってスループットが小さくなり、光電変換装置の生
産性を低下させるからである。したがって、i層105
の堆積の初期に低速度の成膜を行なう時間は5〜20分
の範囲内であることが好ましく、5〜10分の範囲内に
あることがさらに好ましい。
【0021】なお、n層104と光電変換層105との
間には、光電変換層105の結晶配向を強めるために、
極めて薄い非晶質シリコン層やシリコン酸化膜層(図示
せず)が形成されてもよい。このような中間介在層の厚
みは0.5〜50nmの範囲内にあることが好ましく、
1〜5nmの範囲内にあることがより好ましい。
【0022】光電変換層105上には、p型層106が
同一のチャンバ2nip内で形成される。このp型層1
06としては、たとえば導電型決定不純物原子であるボ
ロンが0.01原子%以上ドープされたp型非晶質シリ
コン薄膜などが用いられ得る。しかし、p型層106に
ついてのこれらの条件は限定的なものではなく、不純物
原子としてはたとえばアルミニウム等でもよく、また非
晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコンゲルマニウム
等の合金材料の層を用いてもよい。p型層106の厚さ
は2〜50nmの範囲内にあり、2〜10nmの範囲内
にあることがより好ましい。なお、p型層106は非晶
質薄膜に限られず、微結晶のシリコン系薄膜や合金系薄
膜であってもよく、また異なる複数の薄膜の積層であっ
てもよい。
【0023】なお、プラズマCVDチャンバ2nip内
に新しい基板を挿入してからn層104を成膜する直前
およびi層105を成膜する直前に水素ガスなどのパー
ジガスをチャンバ内に流すことによってチャンバのクリ
ーニングを行なってもよいが、クリーニング時間が長く
なれば生産性を損なうので、その時間は約20分以内が
好ましい。
【0024】光電変換ユニット111上には、ITO、
SnO2 、ZnO等から選択された少なくとも1以上の
層からなる透明導電性酸化膜107と、さらにこの上に
グリッド電極としてAl、Ag、Au、Cu、Pt、C
r、Ti等から選択された少なくとも1以上の金属また
はこれらの合金の層を含む櫛型状の金属電極108とが
スパッタ法または真空蒸着法によって形成され、これに
よって図1に示されたような光電変換装置が完成する。
なお、図1において光109は上方から入射されるよう
に描かれているが、これは下方から入射されるようにさ
れてもよく、その場合には金属電極108は櫛型状であ
る必要はなく、また、透明導電膜107を省略して逆導
電型層106を覆うように形成されてもよい。
【0025】
【実施例】以下において、本発明の一実施例によるシリ
コン系薄膜光電変換装置の製造方法が、比較例としての
光電変換装置の製造方法とともに説明される。
【0026】(比較例1)図1を参照して説明された実
施の形態に類似して、非晶質タイプのシリコン薄膜太陽
電池が、比較例1としての製造方法により作製された。
まず、ガラス基板101上に、裏面電極110として、
厚さ300nmのAg膜102とその上の厚さ100n
mのZnO膜103のそれぞれがスパッタ法にて形成さ
れた。その後、基板は半導体層形成用チャンバ2nip
に移され、裏面電極110上には、厚さ10nmでリン
ドープされたn型微結晶シリコン層104、厚さ300
nmでノンドープの非晶質シリコン光電変換層105、
および厚さ8nmでボロンドープされたp型微結晶シリ
コン層106がそれぞれプラズマCVD法により成膜さ
れ、nip型光電変換ユニット111が形成された。な
お、このi層105の成膜前には、チャンバ2nip内
のガスが一旦真空排気された後に、3分間にわたって1
00sccmの流量の水素ガスで置換された。他方、p
層106の成膜前には、チャンバ2nip内のガスが一
旦真空排気されただけであり、水素による置換は行なわ
れなかった。そして、光電変換ユニット111上には、
前面電極107として、厚さ80nmの透明導電性IT
O膜がスパッタ法にて堆積され、その上に電流取出しの
ための櫛型Ag電極108が真空蒸着法によって形成さ
れた。
【0027】n型微結晶シリコン層104は、RFプラ
ズマCVD法により、以下に示す条件にて堆積された。
すなわち、反応ガスの流量としてはシランが5scc
m、水素が200sccm、そしてホスフィンが0.0
5sccmであり、反応室内圧力は1Torrに設定さ
れた。また、RFパワー密度は150mW/cm2 であ
り、成膜温度は200℃であった。これと同一の成膜条
件でガラス基板上に直接堆積した厚さ300nmのn型
微結晶シリコン膜の暗導電率は、10S/cmであっ
た。さらに、このn型微結晶シリコン層104上に形成
される非晶質シリコン光電変換層105は、成膜温度1
50℃のもとでRFプラズマCVD法により堆積され
た。このとき、反応ガスにはシランが用いられ、チャン
バ2nip内圧力は0.3Torrにされた。これと同
一の成膜条件でガラス基板上に直接堆積した厚さ300
nmのi型非晶質シリコン膜の暗導電率は5×10-10
S/cmであった。また、このi型非晶質シリコン層1
05の成膜速度は0.36μm/hrであった。
【0028】この比較例1において製造された太陽電池
の入射光109としてAM1.5の光を100mW/c
2 の光量で照射したときの出力特性においては、開放
端電圧が0.830V、短絡電流密度が16.3mA/
cm2 、曲線因子が50.3%、そして変換効率が6.
83%であった。
【0029】(比較例2)図1を参照して説明された実
施の形態に類似して、多結晶タイプのシリコン薄膜太陽
電池が、比較例2としての製造方法により作製された。
チャンバ2nip内において、n型微結晶シリコン層1
04、多結晶シリコン光電変換層105、およびp型微
結晶シリコン層106が、この順序でそれぞれプラズマ
CVD法によって成膜され、nip接合が形成された。
n型微結晶シリコン層104とp型微結晶シリコン層1
06は、比較例1と同様に作製された。しかし、多結晶
シリコン光電変換層105の形成においては、反応ガス
としてシランと水素が用いられ、シラン/水素の比率は
1/18にされ、チャンバ2nip内圧力は1.0To
rrに設定された。また、RFパワー密度は15mW/
cm2 であり、成膜温度は400℃に設定された。この
ときのi層105の成膜速度は、0.3μm/hrであ
った。
【0030】なお、この比較例2においても比較例1の
場合と同様に、i層105の成膜前にはチャンバ2ni
p内のガスが一旦真空排気された後に3分間にわたって
100sccmの流量の水素ガスで置換された。また、
p層106の成膜前には、チャンバ2nip内のガスが
一旦真空排気されただけであり、水素による置換は行な
われなかった。
【0031】この比較例2によって形成された多結晶シ
リコン光電変換層105において、2次イオン質量分析
法から求められた水素含有量は4原子%であり、X線回
折における(220)回折ピークに対する(111)回
折ピークの強度比は1/9であった。
【0032】このような比較例2の製造方法により得ら
れた太陽電池に入射光109としてAM1.5の光を1
00mW/cm2 の光量で照射したときの出力特性にお
いては、開放端電圧が0.467V、短絡電流密度が2
6.5mA/cm2 、曲線因子が65.4%、そして変
換効率が8.09%であった。
【0033】(参考例)図1を参照して説明された実施
の形態に類似して、多結晶タイプのシリコン薄膜太陽電
池が参考例としての製造方法により作製された。チャン
バ2nip内において、n型微結晶シリコン層104、
多結晶シリコン光電変換層105、およびp型微結晶シ
リコン層106が、この順序でそれぞれプラズマCVD
法によって成膜され、nip接合が形成された。n型微
結晶シリコン層104とp型微結晶シリコン層106
は、比較例1と同様に作製された。しかし、多結晶シリ
コン光電変換層105の形成においては、反応ガスとし
てシランと水素が用いられ、シラン/水素の比率は1/
120にされ、チャンバ2nip内圧力は5.0Tor
rに設定された。また、RFパワー密度は120mW/
cm2 であり、成膜温度は400℃に設定された。この
ときのi層105の成膜速度は、1.4μm/hrであ
った。
【0034】なお、この参考例においても比較例1の場
合と同様に、i層105の成膜前にはチャンバ2nip
内のガスが一旦真空排気された後に、3分間にわたって
100sccmの流量の水素ガスで置換された。また、
p層106の成膜前には、チャンバ2nip内のガスが
一旦真空排気されただけであり、水素による置換は行な
われなかった。
【0035】その後、前面電極107,108が、比較
例1の場合と同様に作製された。この参考例において形
成された多結晶シリコン光電変換層105において、2
次イオン質量分析法から求めた水素含有量は4原子%で
あり、X線回折における(220)回折ピークに対する
(111)回折ピークの強度比は1/9であった。
【0036】このような参考例の製造方法による太陽電
池に入射光109としてAM1.5の光を100mW/
cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、開
放端電圧が0.522V、短絡電流密度が26.9mA
/cm2 、曲線因子が73.4%、そして変換効率が1
0.3%であった。
【0037】(実施例)図1を参照して説明された実施
の形態に対応して、多結晶タイプのシリコン薄膜太陽電
池が実施例としての製造方法により作製された。この実
施例において、i層105がその堆積初期の10分間に
わたって0.05μm/hrの速度で成膜されたことを
除いて、参考例と同じ条件の下に光電変換装置が作製さ
れた。なお、i層105の堆積初期における遅い成膜速
度の制御は、反応ガスの流量とRFパワー密度を低減さ
せることによって行なわれた。
【0038】このような実施例の製造方法により得られ
た太陽電池に入射光109としてAM1.5の光を10
0mW/cm2 の光度で照射したときの出力特性におい
ては、開放端電圧が0.523V、短絡電流密度が2
7.6mA/cm2 、曲線因子が73.6%、そして変
換効率が10.6%であった。
【0039】以上のことから、本発明の実施例による太
陽電池は先行技術による比較例1および2の太陽電池に
比べて明らかに優れた光電変換特性を有していることが
わかる。また、参考例による太陽電池においてはi層1
05が高い反応ガス圧の下で高速で形成されているの
で、i層全体におけるリンの含有濃度が低くなっている
ために、そのドーパントによる光電変換特性の悪影響が
低減され、比較例に比べてはるかに優れた光電変換特性
を有していることがわかる。しかし、参考例においては
i層105が初めから高速で堆積されるので、n型影響
領域が厚くなり、その結果として、実施例に比べて短絡
電流密度が減少して変換効率が少し劣っているものと考
えられる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、すべて
の半導体層を同一のプラズマCVDチャンバ内で形成し
ても光電変換特性を低下させずにむしろ向上させつつ、
低コストでかつ優れた生産性を発揮し得るシリコン系薄
膜光電変換装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例によるシリコン系薄
膜光電変換装置の製造方法を説明するための模式的な斜
視図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例によるシリコン系薄
膜光電変換装置の製造方法に用いられるプラズマCVD
装置を示す模式的なブロック図である。
【図3】従来の光電変換装置の製造方法に用いられるイ
ンライン方式の製造装置を示す模式的なブロック図であ
る。
【図4】従来の光電変換装置の製造方法に用いられるマ
ルチチャンバ方式の製造方法を示す模式的なブロック図
である。
【符号の説明】
101:ガラス等の基板 102:Ag等の膜 103:ZnO、ITO等の膜 104:たとえばn型の微結晶シリコン層 105:i型のシリコン光電変換層 106:たとえばp型の微結晶シリコン層 107:ITO等の透明導電膜 108:Ag等の櫛型電極 109:照射光 2nip:n層、i層およびp層を形成するための単一
のプラズマCVDチャンバ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン系薄膜光電変換装置をプラズマ
    CVD法を利用して製造する方法であって、 n型層が2〜50nmの範囲内の厚さに形成され、 i型の結晶質シリコン系光電変換層が0.036〜0.
    36μm/hrの範囲内の堆積速度で5〜20分の範囲
    内の時間だけ堆積された後に1μm/hr以上の堆積速
    度で最終的に1〜5μmの範囲内の厚さまで堆積され、 さらに、p型層が2〜50nmの範囲内の厚さに形成さ
    れ、 前記n型層、前記i型光電変換層、および前記p型層が
    同一のプラズマCVD反応室内で引き続いて形成される
    ことを特徴とするシリコン系薄膜光電変換装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記結晶質シリコン系光電変換層の堆積
    時において、原料ガスはシランおよびジシランの少なく
    とも一方を含むシラン系ガスと水素とを含み、シラン系
    ガス/水素の流量比が1/100〜1/500の範囲内
    にあることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光電変換層はその膜面に平行に(1
    10)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折における
    (220)回折ピークに対する(111)回折ピークの
    強度比が1/5以下であることを特徴とする請求項2に
    記載の光電変換装置の製造方法。
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