JP2001168364A - 非晶質シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法 - Google Patents

非晶質シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法

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JP2001168364A
JP2001168364A JP35327799A JP35327799A JP2001168364A JP 2001168364 A JP2001168364 A JP 2001168364A JP 35327799 A JP35327799 A JP 35327799A JP 35327799 A JP35327799 A JP 35327799A JP 2001168364 A JP2001168364 A JP 2001168364A
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Masashi Yoshimi
雅士 吉見
Hiroko Tawada
裕子 多和田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非晶質シリコン系薄膜光電変換装置の特性を
改善し得る製造方法を提供する。 【解決手段】 透明絶縁基板1上に順に積層される透明
電極2、シリコン系光電変換ユニット11、および裏面
電極12を含み、光電変換ユニット11はプラズマCV
Dで順に堆積されるp型非晶質層111、実質的にi型
の非晶質光電変換層112A、実質的にi型の遷移層1
12B、およびn型微結晶層113を含むシリコン系薄
膜光電変換装置の製造方法では、プラズマCVDによっ
て光電変換層112Aを堆積する間にシラン系原料ガス
に対する水素希釈ガスのガス混合比が5倍以下であり、
遷移層112Bを堆積する間のそのガス混合比は最低限
でも5倍より大きくて少なくともその遷移層の堆積の実
質的な終了時において50倍以上であり、遷移層は5〜
30nmの範囲内の厚さに堆積される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜光電変換装置の
製法に関し、特に、非晶質シリコン系光電変換層を含む
非晶質シリコン系薄膜光電変換装置の性能を改善し得る
製法に関するものである。なお、本願明細書において、
「結晶質」と「微結晶」の用語は、薄膜光電変換装置の
技術分野で一般に用いられているように、部分的に非晶
質状態を含むものをも意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】薄膜光電変換装置の代表的なものとし
て、非晶質シリコン系太陽電池がある。非晶質半導体光
電材料の膜は通常200℃前後の低い成膜温度の下でプ
ラズマCVD法により形成され得るので、ガラス、ステ
ンレス、有機フィルム等の安価な基板がその成膜のため
に使用可能であり、低コストの光電変換装置を実現する
ための有力な材料として期待されている。しかしなが
ら、非晶質光電変換層を含む光電変換装置においてはそ
の光電変換効率が未だ十分ではなく、電力用太陽電池と
して実用化を進展させるためにはさらに性能改善を図る
ことが望まれる。
【0003】一般に非晶質シリコン系光電変換装置は、
実質的に真性半導体であるノンドープのi型非晶質光電
変換層をp型とn型の2つの導電型層でサンドイッチし
たpin接合構造を有する光電変換ユニットを含んでい
る。なお、主要部として非晶質光電変換層を含む光電変
換ユニットまたは光電変換装置はそれに含まれる導電型
層が非晶質であるか結晶質であるかにかかわらず非晶質
光電変換ユニットまたは非晶質光電変換装置と呼ばれ
る。
【0004】p型やn型の導電型層は光電変換ユニット
内に拡散電位を生じさせる役割を果たし、その拡散電位
の大きさによって光電変換装置の重要な特性である開放
端電圧の値も左右される。他方、これらの導電型層は光
電変換に直接寄与しない不活性な層であり、導電型層に
ドープされた不純物によって吸収される光は発電に寄与
しない損失となる。特に、光入射側の導電型層における
光損失は重大な問題であり、この導電型層としてできる
だけ光吸収ロスの少ない材料として一般にp型非晶質シ
リコンカーバイドのように広いエネルギバンドギャップ
を有する合金材料が用いられている。
【0005】ここで、ガラス板のような透明絶縁基板上
に薄膜光電変換装置が形成される場合、その基板は光電
変換装置の表面保護用のカバーガラスの役目を果たさせ
ることができるので、一般にガラス基板上にはp型層、
i型光電変換層およびn型層の順に積層される。この場
合、n型層は良好な導電性を有することが望まれる。そ
して、一般に結晶質半導体層は非晶質半導体層に比べて
導電性が良好なので、n型層としては微結晶シリコン系
膜がしばしば利用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際にはn
型微結晶シリコン系膜を裏面側導電型層に利用した非晶
質シリコン系光電変換装置においても、期待されるほど
の光電変換効率の改善は得られていない。その理由とし
ては、本発明者の理解によれば、以下のような事情が考
えられる。n型微結晶シリコン系膜を形成する際にその
下地となる層は、光電変換ユニットに含まれる層がpi
n接合を形成する順に堆積されるタイプの場合にはノン
ドープの非晶質シリコン系光電変換層となる。このよう
な非晶質下地層上にn型微結晶シリコン系膜を直接堆積
させようとしても、その微結晶化のために求められる厳
しいプラズマ条件のために下地層にダメージを与えた
り、不純物原子の相互拡散が生じて下地との界面の特性
を劣化させたり、さらにはn型層中で結晶粒が十分に成
長できないために微結晶膜として不完全なものしか形成
されないなどの問題が生じ得る。このようなことから、
上述の裏面側導電型層として望まれる条件を十分に満た
し得るn型微結晶シリコン系膜を形成することが容易で
ないのであると考えられる。
【0007】このような先行技術における課題に鑑み、
本発明は、高品質のn型微結晶シリコン系膜を形成する
ための技術を開発することを目的としており、ひいては
非晶質シリコン系光電変換装置の性能改善を目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、透明絶
縁基板上に順に積層される透明電極、非晶質シリコン系
光電変換ユニット、および裏面電極を含み、光電変換ユ
ニットはプラズマCVDで順に積層されるp型非晶質
層、実質的にi型の非晶質光電変換層、実質的にi型の
遷移層、およびn型微結晶層を含むシリコン系薄膜光電
変換装置の製造方法において、プラズマCVDによって
光電変換層を堆積する間にシラン系原料ガスに対する水
素希釈ガスのガス混合比が5倍以下であり、遷移層を堆
積する間のそのガス混合比は最低限でも5倍より大きく
て少なくともその遷移層の堆積の実質的な終了時におい
ては50倍以上であり、遷移層は5〜30nmの範囲内
の厚さに堆積されることを特徴としている。
【0009】なお、遷移層の堆積の間にガス混合比が連
続的または段階的に高められてもよい。また、n型微結
晶層は、5〜10nmの範囲内の厚さに堆積されること
が好ましい。
【0010】すなわち、本発明者が上述の先行技術にお
ける課題を解決すべく検討を重ねた結果、ノンドープの
非晶質シリコン系光電変換層を形成した後にn型微結晶
シリコン系膜を堆積させる場合には、これら両者の間に
結晶核生成のための遷移層を挿入することによって、良
質のn型微結晶シリコン系膜が10nm以下の薄い膜厚
においても得られることが見出されたのである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1の模式的な断面図を参照し
て、本発明の1つの実施の形態によるシリコン系薄膜光
電変換装置の製造方法について説明する。この光電変換
装置の絶縁性透明基板1には、有機フィルム、または低
融点の安価なガラス等が用いられ得る。
【0012】透明基板1上の前面電極2は、たとえば蒸
着法やスパッタ法によって、ITO、SnO2 およびZ
nOから選択された少なくとも1以上の酸化物からなる
層を含む透明導電性薄膜で形成され得る。
【0013】前面電極2上には、非晶質シリコン系光電
変換ユニット11が形成される。光電変換ユニット11
に含まれるすべての半導体層が、300℃以下の下地温
度の下にプラズマCVD法によって堆積される。プラズ
マCVD法としては、通常広く用いられているRFプラ
ズマCVD法が用いられ得る。
【0014】プラズマCVD法において、まず、光電変
換ユニット11に含まれるp型層111が堆積される。
このp型層111としては、たとえば導電型決定不純物
原子であるボロンがドープされたp型シリコン系薄膜な
どが用いられ得る。しかし、p型層111に関するこれ
らの条件は限定的なものではなく、不純物原子として
は、アルミニウム等でもよい。また、p型層111の材
料としては、非晶質シリコンの他に非晶質シリコンカー
バイド等の合金材料を用いることもできる。
【0015】p型層111上には、光電変換層112A
として、実質的に真性半導体(i型)の非晶質シリコ
ン、またはその合金材料である非晶質シリコンカーバイ
ドや非晶質シリコンゲルマニウムなどの層が堆積され
る。非晶質光電変換層112Aの厚さは、好ましくは1
00〜600nmの範囲内に設定される。
【0016】非晶質シリコン系光電変換層112A上に
は、本発明における重要な特徴部分である遷移層112
Bが形成される。この遷移層112Bは、実質的に真性
半導体(i型)のノンドープシリコン遷移層であり、そ
の厚さは5〜30nmの範囲内に設定される。ノンドー
プシリコン遷移層112BをプラズマCVD法で形成す
る際の原料ガスとしては、モノシランやジシラン等の水
素化シラン系ガスに加えて水素ガスが混合されて用いら
れる。このとき、シラン系ガスに対する水素ガスの流量
比は最低限でも5倍より大きくて、50倍以上であるこ
とが好ましい。また、ノンドープシリコン遷移層112
Bの堆積時における下地温度は100〜250℃の範囲
内にあることが好ましい。
【0017】ノンドープシリコン遷移層112B上に
は、n型の微結晶シリコン系薄膜113が堆積され、そ
の厚さは5〜10nmの範囲内に設定される。n型層1
13としては、たとえば導電型決定不純物原子であるリ
ンがドープされたn型微結晶シリコン系薄膜などが用い
られ得る。しかし、n型層113に関するこれらの条件
は限定的なものではなく、不純物原子としては窒素など
でもよい。また、n型層113の材料としては、微結晶
シリコンの他に微結晶シリコンゲルマニウムなどの合金
材料を用いてもよい。
【0018】微結晶シリコン系n型層113をプラズマ
CVD法で形成する際の原料ガスとしては、モノシラン
やジシラン等の水素化シラン系ガスに対して、たとえば
リンドープの場合にはホスフィンが添加され、それに加
えて水素ガスが混合される。このとき、シラン系ガスに
対する水素ガスの流量比は60倍以上であることが好ま
しい。また、微結晶シリコン系n型層113を形成する
際における下地温度は100〜250℃の範囲内に設定
されることが好ましい。
【0019】光電変換ユニット11上には、裏面電極1
2として、ITO、SnO2 、ZnO等から選択された
少なくとも1以上の層からなる透明導電性酸化膜121
が形成され、さらにこの上にAl、Ag、Au、Cu、
Pt等から選択された少なくとも1以上の金属またはこ
れらの合金の層を含む金属膜122がスパッタ法または
蒸着法により形成され、これによって図1に示されてい
るような光電変換装置が完成する。
【0020】
【実施例】以下において、本発明のいくつかの実施例に
よるシリコン系薄膜光電変換装置としての薄膜太陽電池
の製法が、比較例による太陽電池の製法とともに説明さ
れる。
【0021】(実施例1)図1を参照して説明された実
施の形態に対応して、実施例1としての非晶質シリコン
系薄膜太陽電池が作製された。まず、ガラス基板1上の
前面電極2として、厚さ800nmSnO2膜が熱CV
D法にて形成された。前面電極2上には、ボロンドープ
された厚さ10nmのp型非晶質シリコンカーバイド層
111、ノンドープで厚さ335nmのi型非晶質シリ
コン光電変換層112A、光電変換層の働きを兼ねるも
のであってノンドープで厚さ15nmのシリコン遷移層
112B、および厚さ7.5nmのn型微結晶シリコン
層113がそれぞれプラズマCVD法によって順次に堆
積され、これによってpin光電変換ユニット11が形
成された。光電変換ユニット11上には、裏面電極12
として、厚さ90nmの透明導電性ZnO膜121がス
パッタ法にて堆積されるとともに、その上に厚さ300
nmのAg膜122が蒸着法にて形成された。
【0022】光電変換特性に重大な影響を及ぼすノンド
ープのi型非晶質シリコン光電変換層112Aは、以下
に示す条件にて堆積された。すなわち、プラズマCVD
反応室に導入される原料ガスとしてシランのみが用いら
れ、反応室の圧力は67Pa(0.5Torr)に設定
された。また、RFパワー密度は15mW/cm2で成
膜温度は200℃であった。
【0023】ノンドープのシリコン遷移層112Bの堆
積条件としては、プラズマCVD反応室内に導入される
原料ガスとしてシランと水素が用いられ、シランに対す
る水素の流量比が60倍にされたことのみにおいて光電
変換層112Aの場合と異なっていた。
【0024】他方、遷移層112B上に堆積されるn型
微結晶シリコン層113は、以下に示す条件にて形成さ
れた。すなわち、プラズマCVD反応室内に導入される
原料ガスとしてシラン、ホスフィン、および水素が用い
られ、それらのガスの流量比はシランに対してホスフィ
ンが0.01倍であり、水素が80倍に設定された。ま
た、反応室内圧力は133Pa、RFパワー密度は75
mW/cm2 、そして成膜温度は200℃に設定され
た。
【0025】このような実施例1の太陽電池に入射光3
としてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で照
射したときの出力特性においては、開放端電圧が0.8
77V、短絡電流密度が17.1mA/cm2 、曲線因
子が75.0%、そして変換効率が11.2%であっ
た。
【0026】(比較例1)非晶質シリコン光電変換層1
12Aを350nmの厚さに成膜した後に遷移層112
Bを省略してn型微結晶シリコン層113が形成された
ことを除いて、実施例1と同様の条件で非晶質シリコン
系太陽電池が比較例1として作製された。この比較例1
の太陽電池に入射光3としてAM1.5の光を100m
W/cm2の光量で照射したときの出力特性において
は、開放端電圧が0.829V、短絡電流密度が16.
6mA/cm2 、曲線因子が67.5%、そして変換効
率が9.3%であった。
【0027】(比較例2)n型微結晶シリコン層113
の厚さを増大させて30nmにしたことを除いて、比較
例1と同様の条件で非晶質シリコン系太陽電池が比較例
2として作製された。この比較例2の太陽電池に入射光
3としてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で
照射したときの出力特性においては、開放端電圧が0.
889V、短絡電流密度が16.1mA/cm2 、曲線
因子が69.0%、そして変換効率が9.9%であっ
た。
【0028】(実施例1と比較例1および2との比較)
実施例1と比較例1および2との比較から明らかなよう
に、ノンドープシリコン遷移層112Bをi型非晶質シ
リコン光電変換層112Aとn型微結晶シリコン層11
3との間の介在層として設けることによって、太陽電池
の光電変換効率が明らかに向上することがわかる。この
ことは、以下のように理解することができる。
【0029】先行技術においては、非晶質シリコン層上
に直接n型微結晶シリコン層を形成しようとする場合、
そのn型層中で容易に微結晶化が起こらないので、十分
に微結晶化させるためにはn型層の厚さを大きくする必
要があった。したがって、比較例1ではn型層が薄いた
めに十分に微結晶化することができなくてn型層として
能力不足になり、その結果として太陽電池特性における
曲線因子が低くなっていると考えられる。また、比較例
2のようにn型層が厚い場合には、遷移層112Bがな
くてもそのn型層の微結晶化が進んで開放端電圧が比較
的高くなっているが、厚いn型層における光吸収ロスと
厚さ方向の抵抗値の増大が顕著になるために短絡電流密
度が低下している。
【0030】他方、実施例1のように薄いノンドープシ
リコン遷移層112Bが形成される場合には、図1に示
されているn型層113との界面1Sの近傍で、この遷
移層112Bに結晶核が発生する。界面1Sにおける遷
移層112B中のこれらの結晶核はn型層113中の微
結晶成長の種となり得るので、n型層113はその膜厚
が薄くても容易に微結晶化され、その結果として高い開
放端電圧が得られる。また、遷移層112Bはその膜厚
が薄いので核発生層も薄くて、その大半がノンドープ非
晶質層であるので光電変換に直接寄与し得る活性層とな
り、この遷移層112Bにおける光吸収ロスが少ないこ
とから短絡電流密度も高い値が得られている。
【0031】(実施例2と3および比較例3)実施例2
と3および比較例3による非晶質シリコン系薄膜太陽電
池は実施例1と同様に作製されたものであり、シリコン
遷移層112Bの膜厚が種々に変化させられたことのみ
において異なっている。なお、光電変換層112Aと遷
移層112Bの合計厚さは、350nmに維持された。
これらの実施例2と3および比較例3の太陽電池に入射
光としてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で
照射したときの出力特性である開放端電圧(Voc)、
短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(F.F.)、およ
び変換効率(Effi.)として、表1に示されている
ような結果が得られた。なお、表1においては、実施例
1と比較例1の結果も併記されている。
【0032】
【表1】
【0033】表1からわかるように、比較例3のように
遷移層112Bの膜厚が大きすぎる場合には、その中に
おいて界面1S近傍で微結晶化が生じ、非晶質領域と微
結晶領域とが局所的に混在した中途半端な構造を有する
膜となるので、光電変換によって発生したキャリアの輸
送特性が悪化し、光電変換活性層としての機能が低下し
てしまう。その結果、太陽電池としての光電変換効率は
実施例1〜3に比べてかえって低下している。以上のよ
うな表1の検討結果からわかるように、遷移層112B
の膜厚は5〜30nmの範囲内に設定されることが好ま
しい。
【0034】(実施例4と5および比較例4)実施例4
と5および比較例4による非晶質シリコン系薄膜太陽電
池は実施例1と同様に作製されたものであり、n型層1
13の厚さが種々に変化させられたことのみにおいて異
なっている。表2においては、表1の場合と同様に、実
施例4と5および比較例4による太陽電池の光電変換特
性が示されており、実施例1と比較例2の太陽電池の光
電変換特性も併記されている。
【0035】
【表2】
【0036】表2において、比較例4のようにn型層1
13の膜厚が薄くて3nmである場合には、n型層とし
て十分に機能しないので、太陽電池としての変換効率が
低くなっている。他方、比較例2のようにn型層113
の膜厚が30nmで大きすぎる場合には、n型層による
光吸収ロスと抵抗値が大きいために短絡電流密度が低下
している。このような表2における検討結果からわかる
ように、n型層113の膜厚は、5〜10nmの範囲内
に設定されることが好ましい。
【0037】(実施例6〜9および比較例5と6)実施
例6〜9および比較例5と6による非晶質シリコン系薄
膜太陽電池は実施例1と同様に作製されたものであり、
光電変換層112Aと遷移層112Bの堆積の際におけ
るシランに対する水素の流量比が種々に変えられたこと
のみにおいて異なっている。表3においては、これらの
実施例6〜9および比較例5と6による太陽電池の光電
変換特性が示されており、実施例1の太陽電池の光電変
換特性も併記されている。
【0038】
【表3】
【0039】表3からわかるように、比較例5のように
遷移層112Bの堆積の間にシランに対する水素の流量
比が50倍に満たない30倍の場合には、十分な光電変
換特性が得られない。これは、水素希釈率が低いために
遷移層112Bが界面1S近傍においても十分な結晶核
を生じることができず、そのためにn型層113の微結
晶化が不十分になったためであると考えられる。他方、
比較例6におけるように、光電変換層112Aの堆積の
間にシランに対する水素の流量比が5倍を超えて20倍
であった場合には、光電変換層112A自体が完全な非
晶質にならずに結晶核が混在した膜になったと考えられ
る。そのために、光電変換層112A内の不均一性によ
って光電変換機能が低下するとともに、キャリアのスム
ースな流れが阻害されて光電変換効率が顕著に低下した
ものと考えられる。
【0040】(実施例10)以下に言及される成膜条件
を除いて実施例1の場合と同様の条件で、実施例10の
非晶質シリコン系薄膜太陽電池が作製された。
【0041】ノンドープi型非晶質シリコン光電変換層
112Aは、320nmの厚さに堆積された。ノンドー
プのシリコン遷移層112Bは、その中間の膜厚20n
mまではシランに対する水素の流量比が10倍の下で堆
積され、その後の最終膜厚30nmまではシランに対す
る水素の流量比が60倍の下で堆積された。
【0042】このような実施例10の太陽電池に入射光
3としてAM1.5の光を100mW/cm2の光量で
照射したときの出力特性においては、開放端電圧が0.
889V、短絡電流密度が17.3mA/cm2、曲線
因子が74.6%、そして変換効率が11.5%であっ
た。
【0043】(実施例11)以下に言及される成膜条件
を除いて、実施例1の場合と同様の条件で実施例11に
よる非晶質シリコン太陽電池が作製された。
【0044】非晶質シリコン光電変換層112Aは、3
20nmの厚さに堆積された。遷移層112Bは、初め
の15nmの厚さまではシランに対する水素ガスの流量
比が10倍の下で堆積され、その後の25nmの中間厚
さまではシランに対する水素の流量比が20倍の下で堆
積され、さらにその後の最終膜厚30nmまではシラン
に対する水素の流量比が60倍の下で堆積された。
【0045】この実施例11の太陽電池に入射光3とし
てAM1.5の光を100mW/cm2の光量で照射し
たときの出力特性においては、開放端電圧が0.901
V、短絡電流密度が17.2mA/cm2、曲線因子が
75.0%、そして変換効率が11.6%であった。
【0046】以上のような実施例10および11と実施
例1との比較からわかるように、遷移層112Bの堆積
の間にシランに対する水素の混合比を段階的に高めるこ
とによって光電変換効率がさらに改善されることがわか
る。なお、遷移層112Bの堆積の間にシランに対する
水素の混合比が連続的に高められてもよいことは、言う
までもない。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、非晶質シリコン系光電変換層を含む光電変換装置の
高性能化に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態による非晶質シリコ
ン系薄膜光電変換装置を説明するための模式的な断面図
である。
【符号の説明】
1 ガラス等の基板、2 SnO2等の透明電極、3
入射光、12 裏面電極、11 非晶質シリコン系薄膜
光電変換ユニット、111 p型非晶質シリコン系層、
112A ノンドープ非晶質シリコン系薄膜光電変換
層、112B ノンドープシリコン系遷移層、113
n型微結晶シリコン系層、1S 遷移層とn型層との界
面、121 ZnO等の透明導電性酸化膜、122 A
g等の金属膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 AA08 AB01 AB03 AB04 AB06 AC01 AD05 AD06 AE19 AF07 BB16 CA13 CB10 DA53 EE12 GB19 5F051 AA04 AA05 CA07 CA15 DA04 GA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明絶縁基板上に順に積層される透明電
    極、非晶質シリコン系光電変換ユニット、および裏面電
    極を含み、前記光電変換ユニットはプラズマCVDで順
    に堆積されるp型非晶質層、実質的にi型の非晶質光電
    変換層、実質的にi型の遷移層、およびn型微結晶層を
    含む非晶質シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法であ
    って、 前記プラズマCVDにおいて、前記光電変換層を堆積す
    る間にシラン系原料ガスに対する水素希釈ガスのガス混
    合比が5倍以下であり、 前記遷移層を堆積する間の前記混合ガス比は最低限でも
    5倍より大きくて、少なくともその遷移層の堆積の実質
    的な終了時においては50倍以上であり、 前記遷移層は5〜30nmの範囲内の厚さに堆積される
    ことを特徴とする非晶質シリコン系薄膜光電変換装置の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記遷移層の堆積速度は前記光電変換層
    の堆積速度と実質的に同一に維持されることを特徴とす
    る請求項1に記載の非晶質シリコン系薄膜光電変換装置
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記n型微結晶層が5〜10nmの範囲
    内の厚さに堆積されることを特徴とする請求項1または
    2に記載の非晶質シリコン系薄膜光電変換装置の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7741144B2 (en) 2007-11-02 2010-06-22 Applied Materials, Inc. Plasma treatment between deposition processes
WO2013161668A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 三菱電機株式会社 太陽電池及びその製造方法
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