JPH1187742A - シリコン系薄膜光電変換装置 - Google Patents

シリコン系薄膜光電変換装置

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JPH1187742A
JPH1187742A JP9235915A JP23591597A JPH1187742A JP H1187742 A JPH1187742 A JP H1187742A JP 9235915 A JP9235915 A JP 9235915A JP 23591597 A JP23591597 A JP 23591597A JP H1187742 A JPH1187742 A JP H1187742A
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silicon
thin film
layer
based thin
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JP9235915A
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Keiji Okamoto
圭史 岡本
Masashi Yoshimi
雅士 吉見
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマCVD法による低温プロセスを用い
て形成される結晶質シリコン系薄膜光電変換層における
結晶粒界や粒内欠陥を低減し、それによって光電変換特
性が改善されたシリコン系薄膜光電変換装置を提供す
る。 【解決手段】 シリコン系薄膜光電変換装置は、基板
(101)上に形成された少なくとも1つの光電変換ユ
ニット(111)を含み、その光電変換ユニット(11
1)は、プラズマCVD法によって順次積層された1導
電型微結晶半導体層(104)と、結晶質を含むシリコ
ン系薄膜光電変換層(105)と、逆導電型半導体層
(106)とを含み、1導電型微結晶半導体層(10
4)と結晶質光電変換層(105)との間には実質的に
i型の非晶質シリコン系薄膜(116)をさらに含みか
つこの非晶質シリコン系薄膜(116)が結晶質光電変
換層(105)と直接接していることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜光電変換装置に
関し、特に、シリコン系薄膜光電変換装置の性能改善に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、たとえば多結晶シリコンや微結晶
シリコンのような結晶質シリコンを含む薄膜を利用した
光電変換装置の開発が精力的に行なわれている。これら
の開発は、安価な基板上に低温プロセスで良質の結晶質
シリコン薄膜を形成することによって光電変換装置の低
コスト化と高性能化を両立させようという試みであり、
太陽電池だけでなく光センサ等の様々な光電変換装置へ
の応用が期待されている。
【0003】このような良質の結晶質シリコン薄膜を形
成する方法としては、基板上に大結晶粒径のシリコン薄
膜の下地層を何らかのプロセスで形成した後に、この下
地層をシード層または結晶化制御層として用いることに
よって、結晶粒界や粒内欠陥が少なくて一方向に強く結
晶配向した良質の光電変換層となる結晶質シリコン薄膜
をその下地層上に堆積させるという手法が知られてい
る。より具体的には、基板上に堆積されたシリコン膜を
ゾーンメルト法によって大結晶粒径化したものを下地層
に用いる方法がSolar Energy Materials and Solar Cel
ls, Vol.34, 1994, p.285 に記載されており、また、基
板上に堆積されたシリコン膜を固相成長法によって大粒
径化したものを下地層に用いる方法がSolar Energy Mat
erials andSolar Cells, Vol.34, 1994, p.257 に記載
されている。しかし、これらのいずれにおいても、下地
層または光電変換層の形成に500℃以上の比較的に高
温度のプロセスを含んでいることから、用いられ得る基
板の種類に制約がある。
【0004】また、結晶質シリコン系光電変換層の下地
層として非晶質シリコン系薄膜を用いた光電変換装置
が、特開平7−263732に記載されている。この非
晶質シリコン系薄膜は基板材料と結晶質シリコン系薄膜
との熱膨張係数の相違による歪を緩和させることを目的
としているが、この技術も500℃以上の高温度のプロ
セスにおける熱応力に対処するために必要とされるもの
であり、また、このような形成方法によって高い光電変
換特性が得られたという事例は未だ存在していない。
【0005】他方、安価な低融点ガラスの基板を用いる
ことができかつ熱膨張係数の差異に基づく積層膜内の応
力や歪が生じにくい比較的低温のプロセスのみを用いる
方法であって、優れた光電変換効率の結晶質シリコン系
薄膜光電変換装置を形成し得る方法が近年脚光を浴びて
いる。たとえば、微結晶シリコンのpin接合からなる
光電変換ユニットを含む光電変換装置がAppl.Phys.Let
t.,Vol.65,1994,p.860に記載されている。この光電変換
ユニットは、簡便にプラズマCVD法で順次積層された
p型半導体層、光電変換層たるi型半導体層およびn型
半導体層からなり、これらの半導体層のすべてが微結晶
シリコンであることを特徴としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光電変換ユニットを構
成するシリコン系薄膜のすべてを低温プロセスのみで形
成しようとする場合、光電変換層のための下地層とし
て、シード層となり得る大粒径結晶質シリコン薄膜を形
成することは非常に困難である。しかしながら、上述の
先行技術中で、微結晶シリコンのpin接合をプラズマ
CVD法にて低温で形成する光電変換ユニットでは、導
電型微結晶シリコンが光電変換層の下地層となっている
ものの、これは単に光電変換層との材料的類似性を考慮
したものであって、光電変換層の結晶性を積極的に制御
しようとするためのものではない。また、この下地層の
導電型微結晶シリコン膜は小粒径の結晶シリコンが多数
存在する膜であるので、この上に形成される結晶質シリ
コン系光電変換層はその成長初期過程で多数の結晶核を
生じ、結果として光電変換特性に悪影響を及ぼす結晶粒
界や粒内欠陥の多い膜になりやすいという問題がある。
【0007】本発明の目的は、上述のような先行技術の
課題に鑑み、安価な基板が使用可能な低温プロセスのみ
を用いて形成されるシリコン系光電変換装置において、
結晶質シリコン系薄膜光電変換層中の結晶粒界や粒内欠
陥を低減させて光電変換特性を改善することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるシリコン系
薄膜光電変換装置は、基板上に形成された少なくとも1
つの光電変換ユニットを含み、その光電変換ユニット
は、プラズマCVD法によって順次積層された1導電型
半導体層と、結晶質を含むシリコン系薄膜の光電変換層
と、逆導電型半導体層とを含み、1導電型半導体層と光
電変換層との間には実質的にi型の非晶質シリコン系薄
膜をさらに含みかつこの非晶質シリコン系薄膜が光電変
換層と直接接していることを特徴としている。
【0009】すなわち、本発明者らは、上述の先行技術
における課題を解決すべく検討を重ねた結果、光電変換
ユニットに含まれる半導体層のすべてをプラズマCVD
法にて低温で形成するシリコン系薄膜光電変換装置の場
合に、光電変換層の下地となる導電型層とその光電変換
層との界面に実質的にi型のごく薄い非晶質シリコン系
薄膜を導入することにより、結晶質シリコン系光電変換
層の結晶核発生の要因となる小粒径の結晶シリコンの密
度を適度に抑制し、すなわち光電変換層の成長初期過程
における結晶核発生密度を適度に抑制することにより、
結晶粒界や粒内欠陥が少なくかつ一方向に強く結晶配向
した良質の光電変換層が得られることを見出したのであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態によるシリコン系薄膜光電変換装置を模式的な斜視図
で図解している。この装置の基板101には、ステンレ
ス等の金属、ポリイミド等の低膨張率を有する有機フィ
ルム、または低融点の安価なガラス等が用いられ得る。
【0011】基板101上の電極110は、下記の薄膜
(A)と(B)のうちの1以上を含み、たとえば蒸着法
やスパッタ法によって形成され得る。なお、図1におい
て光109は上方から入射されるように描かれている
が、これは下方から入射されるようにされてもよいこと
は言うまでもなく、その場合には、電極110は金属薄
膜を含まない。 (A) Ti、Cr、Al、Ag、Au、CuおよびP
tから選択された少なくとも1以上の金属またはこれら
の合金からなる金属薄膜。 (B) ITO、SnO2 およびZnOから選択された
少なくとも1以上の酸化物からなる透明導電性薄膜。
【0012】電極110上には光電変換ユニット111
のうちの1導電型半導体層104がプラズマCVD法に
て堆積される。この1導電型半導体層104としては、
たとえば導電型決定不純物原子であるリンが0.01原
子%以上ドープされたn型微結晶シリコン層、またはボ
ロンが0.01原子%以上ドープされたp型微結晶シリ
コン層などが用いられ得る。しかし、1導電型半導体層
104に関するこれらの条件は限定的なものではなく、
不純物原子としてはたとえばp型微結晶シリコンにおい
てはアルミニウム等でもよく、また微結晶シリコンカー
バイドや微結晶シリコンゲルマニウム等の合金材料の層
を用いてもよい。導電型微結晶シリコン系薄膜104の
厚さは3〜100nmの範囲内に設定され、より好まし
くは5〜50nmの範囲内に設定される。
【0013】一導電型微結晶層104上には、本願発明
の最も重要な特徴であるところの実質的にi型の非晶質
シリコン系薄膜116が形成される。ここで、実質的に
i型の非晶質シリコン系薄膜とは、プラズマCVD法に
より400℃以下の下地温度の下で形成され、導電型決
定不純物原子の密度が1×1018cm-3以下である非晶
質シリコン系薄膜を意味する。また、この実質的にi型
のシリコン系薄膜としては、合金材料である非晶質シリ
コンカーバイドや非晶質シリコンゲルマニウム等を用い
てもよい。
【0014】非晶質シリコン系薄膜116の厚さは、
0.5〜50nmの範囲内にあることが好ましく、1〜
5nmの範囲内にあることがより好ましい。なお、ここ
でいう薄膜の厚さは所定のプラズマCVD条件下におけ
る堆積時間から計算して得られたものである。したがっ
て、非晶質シリコン系薄膜116は非常に薄い範囲で
は、その膜が完全に連続で均一な厚さを有するものでは
なくて、多くの島状部分や半島状部分を含む網状の薄膜
になっていると考えられる。
【0015】非晶質シリコン系薄膜116上には、光電
変換層105として、結晶質を含むシリコン系薄膜がプ
ラズマCVD法によって400℃以下の下地温度のもと
で形成される。この光電変換層105としては、ノンド
ープのi型多結晶シリコン薄膜や体積結晶化分率80%
以上のi型微結晶シリコン薄膜、あるいは微量の不純物
を含む弱p型または弱n型で光電変換機能を十分に備え
ている結晶質シリコン系薄膜が使用され得る。また、光
電変換層105はこれらに限定されず、合金材料である
シリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等の膜を用
いてもよい。
【0016】光電変換層105の膜厚は0.5〜20μ
mの範囲内で、より好ましくは1〜10μmの範囲内に
設定され、結晶質を含むシリコン系薄膜光電変換層とし
て必要かつ十分な厚さである。光電変換層105は40
0℃以下という低温で形成されるので、結晶粒界や粒内
における欠陥を終端または不活性化させる水素原子を多
く含み、その好ましい水素含有量は0.1〜30原子%
の範囲内であり、より好ましくは1〜20原子%の範囲
内にある。
【0017】シリコン系薄膜光電変換層105に含まれ
る結晶粒の多くは、下地層から上方に柱状に延びて成長
している。それらの多くの結晶粒は膜面に平行に(11
0)の優先結晶配向面を有し、X線回折で求めた(22
0)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比
が1/5以下であることが好ましく、1/10以下であ
ることがより好ましい。
【0018】光電変換層105を形成する前に本発明の
重要な特徴であるところの非晶質シリコン薄膜116を
形成した場合、その非晶質薄膜116を形成しない場合
に比べて、光電変換層105中における(110)面配
向が顕著になり、結晶粒度も大きくなる。すなわち、光
電変換層105からのX線回折において、(220)面
反射ピークが高くかつその半値幅が狭くなる。
【0019】これは、一導電型微結晶層104の上面に
おいて(110)表面を有する微結晶の方位を非晶質薄
膜116が選択的に光電変換層105中の結晶成長に伝
達させやすい性質を有しているからであると考えられ
る。前述のように、非晶質薄膜116が極めて薄い場
合、それは不完全に連続する網状の膜になっていると考
えられ、このとき、一導電型微結晶層104の上面にお
いて(110)表面を有する微結晶上にその網状の非晶
質薄膜116の開口部が形成されやすく、逆に他の結晶
方位を有する面がマスクされやすいと考えられる。ま
た、非晶質薄膜116の厚さが増大して完全な連続膜に
なった場合でも、非晶質薄膜116のうち一導電型微結
晶層104の上面において(110)表面を有する微結
晶を覆っている領域では完全にランダムな非晶質にはな
らずに(110)面方位の影響を受けた原子配列構造を
有していると考えられ、この領域上において光電変換層
105中で(110)面方位の結晶が核生成しやすいも
のと考えられる。しかし、非晶質薄膜116があまり厚
くなりすぎれば一導電型微結晶層104中の結晶方位を
完全にマスクしてしまうので、光電変換層105中の結
晶成長における方位の優先性に対する影響を喪失する。
したがって、光電変換層105における(110)面方
位の優先性と非晶質薄膜116の厚さとの関係について
の実験結果から、非晶質薄膜116の厚さは、前述のよ
うに0.5〜50nmの範囲内にあることが好ましく、
1〜5nmの範囲内にあることがより好ましい。
【0020】光電変換層105上には、一導電型層10
4とは逆タイプの導電型半導体層106がプラズマCV
D法によって堆積される。この逆導電型層106として
は、たとえば導電型決定不純物原子であるボロンが0.
01原子%以上ドープされたp型の非晶質もしくは微結
晶のシリコン層またはそれらの重複層あるいはリンが
0.01原子%以上ドープされたn型の非晶質もしくは
微結晶のシリコン層またはそれらの重複層などが用いら
れ得る。しかし、逆導電型半導体層106についてのこ
れらの条件は限定的なものではなく、不純物原子として
はたとえばp型シリコンにおいてはアルミニウム等でも
よく、またシリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム
等の合金材料の層を用いてもよい。なお、逆導電型半導
体層106として非晶質シリコン系層が用いられる場合
には、その厚さは1〜50nmの範囲内にあることが好
ましく、2〜30nmの範囲内にあることがさらに好ま
しく、また、微結晶シリコン系層が用いられる場合に
は、その厚さは3〜100nmの範囲内にあることが好
ましく、5〜50nmの範囲内にあることがさらに好ま
しい。
【0021】光電変換ユニット111上には、ITO、
SnO2 、ZnO等から選択された少なくとも1以上の
層からなる透明導電性酸化膜107と、さらにこの上に
グリッド電極としてAl、Ag、Au、Cu、Pt等か
ら選択された少なくとも1以上の金属またはこれらの合
金の層を含む櫛形状の金属電極108とがスパッタ法ま
たは蒸着法により形成され、これによって図1に示され
ているような光電変換装置が完成する。なお、図1にお
いて光109は上方から入射されるように描かれている
が、これは下方から入射されてもよいことはいうまでも
なく、その場合には、金属電極108は櫛形状である必
要はなく、また、透明導電性酸化膜107を省略して逆
導電型層106を覆うように形成されてもよい。
【0022】図3は、本発明の第2の実施の形態による
タンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を模式的な斜視
図で図解している。図3のタンデム型光電変換装置にお
いては、図1の場合と同様に基板301上の複数の層3
02〜306が、図1の基板101上の複数の層102
〜106にそれぞれ対応して同様に形成される。
【0023】しかし、図3のタンデム型光電変換装置に
おいては、第1の光電変換ユニット311上に重ねて第
2の光電変換ユニット312がさらに形成される。第2
の光電変換ユニット312は、第1の光電変換ユニット
311上にプラズマCVD法で順次積層された1導電型
の微結晶または非晶質のシリコン系薄膜313、実質的
にi型の非晶質シリコン系薄膜光電変換層314、およ
び逆導電型の微結晶または非晶質のシリコン系薄膜31
5を含んでる。
【0024】第2の光電変換ユニット312上には、透
明電極307および櫛形状金属電極308が図1中の対
応する要素107および108と同様に形成され、これ
によって図3のタンデム型光電変換装置が完成する。
【0025】図5は、本発明の第3の実施の形態による
タンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を模式的な斜視
図で図解している。この図5の光電変換装置において
は、まず透明基板501上に図3中の透明導電層307
に対応する層507が形成される。そして、この透明導
電層507上には、図3中の複数の層302〜306と
313〜315にそれぞれ対応する複数の層502〜5
06と513〜515が積層順序を逆にして堆積され
る。また、図5中の実質的にi型の非晶質シリコン系薄
膜516は図3中の薄膜316に対応する。図5と図3
において対応する各層は、それぞれ対応する同様の条件
で形成され得る。
【0026】また、本発明のさらに他の実施の形態によ
る光電変換装置として、結晶質光電変換層を含む光電変
換ユニットと非晶質光電変換層を含む光電変換ユニット
との少なくとも一方のユニットを複数含む多段のタンデ
ム型光電変換装置も可能であることはいうまでもない。
【0027】
【実施例】以下において、本発明のいくつかの実施例に
よるシリコン系薄膜光電変換装置としてのシリコン系薄
膜太陽電池が、比較例による太陽電池とともに説明され
る。
【0028】(比較例1)図2に示されているような多
結晶シリコン薄膜太陽電池が、比較例1として作製され
た。まず、ガラス基板201上に、裏面電極210とし
て、厚さ300nmのAg膜202とその上の厚さ10
0nmのZnO膜203のそれぞれがスパッタ法にて形
成された。裏面電極210上には、厚さ30nmでリン
ドープされたn型微結晶シリコン層204、厚さ3μm
でノンドープの多結晶シリコン光電変換層205、およ
び厚さ15nmでボロンドープされたp型微結晶シリコ
ン層206がそれぞれプラズマCVD法により成膜さ
れ、nip光電変換ユニット211が形成された。光電
変換ユニット211上には、前面電極207として、厚
さ80nmの透明導電性ITO膜がスパッタ法にて堆積
され、その上に電流取出のための櫛形Ag電極208が
蒸着法にて形成された。
【0029】n型微結晶シリコン層204は、RFプラ
ズマCVD法により、以下に示す条件にて堆積された。
すなわち、反応ガスの流量としてはシランが5scc
m、水素が200sccm、そしてホスフィンが0.0
5sccmであり、反応室内圧力は1Torrに設定さ
れた。また、RFパワー密度は150mW/cm2 であ
り、成膜温度は200℃であった。これと同一の成膜条
件でガラス基板上に直接堆積した厚さ300nmのn型
微結晶シリコン膜の暗導電率は、10S/cmであっ
た。さらに、このn型微結晶シリコン層204上に形成
される多結晶シリコン光電変換層205は、成膜温度2
00℃のもとでRFプラズマCVD法により堆積され
た。多結晶シリコン光電変換層205において、2次イ
オン質量分析法から求めた水素含有量は5原子%であ
り、X線回折における(220)回折ピークに対する
(111)回折ピークの強度比は1/4であった。
【0030】この比較例1の太陽電池に入射光209と
してAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で照射
したときの出力特性においては、開放端電圧が0.46
1V、短絡電流密度が26.8mA/cm2 、曲線因子
が74.5%、そして変換効率が9.2%であった。
【0031】(実施例1)図1の第1の実施の形態に対
応して、実施例1としての多結晶シリコン薄膜太陽電池
が作製された。この実施例1の太陽電池は、n型微結晶
シリコン層104と光電変換層105との間に2.7n
mの厚さを有する実質的にi型の非晶質シリコン薄膜1
16を含んでいることのみにおいて、比較例1の太陽電
池と異なっている。すなわち、実施例1による図1の太
陽電池中の非晶質シリコン薄膜116を除く他の要素1
01〜108は、比較例1による図2の太陽電池中の要
素201〜208のそれぞれに対応した同じ方法と条件
によって形成されたものである。
【0032】図1中の実質的にi型の非晶質シリコン薄
膜116は、RFプラズマCVD法により、以下に示す
条件にて堆積された。すなわち、反応ガスとしてシラン
が用いられ、反応室内圧力は0.3Torrに設定され
た。RFパワー密度は15mW/cm2 であり、成膜温
度は150℃であった。これと同一の成膜条件でガラス
基板上に直接堆積した厚さ300nmのi型非晶質シリ
コン膜の暗導電率は5×10-6S/cmであった。この
i型非晶質シリコンの下地層116上に形成された多結
晶シリコン光電変換層105において、2次イオン質量
分析法から求めた水素含有量は比較例1とほぼ同じ5原
子%であったが、X線回折における(220)回折ピー
クに対する(111)回折ピークの強度比は1/9に減
少した。
【0033】このような実施例1の太陽電池に入射光1
09としてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量
で照射したときの出力特性においては、開放端電圧が
0.540V、短絡電流密度が27.0mA/cm2
曲線因子が70.0%、そして変換効率が10.2%で
あった。
【0034】(比較例2)図4に示されているようなタ
ンデム型太陽電池が比較例2として作製された。この比
較例2の太陽電池においては、要素401〜406が比
較例1の対応する要素201〜206と同様に形成され
た。しかし、この比較例2においては、第1の光電変換
ユニット411上に、さらに非晶質シリコン光電変換ユ
ニット412が積層された。この第2の光電変換ユニッ
ト412は、それぞれが非晶質のn層413、i層41
4、およびp層415を含んでいる。非晶質光電変換層
414の厚さは、0.4μmにされた。このような第2
の光電変換セル412上に前面透明電極407および櫛
形金属電極408を比較例1の対応する要素207およ
び208と同様に形成することによって、図4に示され
ているような比較例2のタンデム型太陽電池が作製され
た。
【0035】このような比較例2による非晶質シリコン
薄膜/多結晶シリコン薄膜型のタンデム型太陽電池に対
して入射光409としてAM1.5の光を100mW/
cm 2 の光量で照射したときの出力特性においては、開
放端電圧が1.34V、短絡電流密度が13.3mA/
cm2 、曲線因子が73.3%、そして変換効率が1
3.0%であった。
【0036】(実施例2)図3の第2の実施の形態に対
応して、実施例2としてタンデム型太陽電池が作製され
た。この実施例2のタンデム型太陽電池は、n型微結晶
シリコン層304と光電変換層305との間に実施例1
の薄膜116と同様に2.7nmの厚さを有する実質的
にi型の非晶質シリコン薄膜316を含んでいることの
みにおいて、比較例2の太陽電池と異なっている。すな
わち、実施例2による図3の太陽電池中の非晶質シリコ
ン薄膜316を除く他の要素301〜308は、比較例
1による図4の太陽電池中の要素401〜408のそれ
ぞれに対応した同じ方法と条件によって形成されたもの
である。
【0037】この実施例2による非晶質シリコン薄膜/
多結晶シリコン薄膜型のタンデム型太陽電池に対して入
射光309としてAM1.5の光を100mW/cm2
の光量で照射したときの出力特性としては、開放端電圧
が1.42V、短絡電流密度が13.5mA/cm2
曲線因子が73.1%、そして変換効率が14.0%で
あった。
【0038】(比較例3)図6に示されているようなタ
ンデム型太陽電池が比較例3として作製された。この図
6の光電変換装置においては、まず透明基板601上に
図4中の透明導電層407に対応する層607が形成さ
れる。そして、この透明導電層607上には、図4中の
複数の層402〜406と413〜415にそれぞれ対
応する複数の層602〜606と613〜615が積層
順序を逆にして堆積される。このとき、透明電極607
として600nmの厚さのSnO膜が堆積され、非晶質
光電変換層614の厚さが0.3μmにされ、そして透
明導電層603としてITO膜が堆積されたことを除け
ば、この比較例3中の各層602〜607と613〜6
15は比較例2中の対応する各層402〜407と41
3〜415に準じて同様に形成された。
【0039】このような比較例3による非晶質シリコン
薄膜/多結晶シリコン薄膜型のタンデム型太陽電池に対
して入射光609としてAM1.5の光を100mW/
cm 2 の光量で照射したときの出力特性においては、開
放端電圧が1.34V、短絡電流密度が13.0mA/
cm2 、曲線因子が74.8%、そして変換効率が1
3.0%であった。
【0040】(実施例3)図5の第3の実施の形態に対
応して、実施例3としてタンデム型太陽電池が作製され
た。この実施例3のタンデム型太陽電池は、p型微結晶
シリコン層506と結晶質光電変換層505との間に実
施例2の薄膜316と同様に2.7nmの厚さを有する
実質的にi型の非晶質シリコン薄膜516を含めて形成
されていることのみにおいて、比較例3の太陽電池と異
なっている。
【0041】この実施例3による非晶質シリコン薄膜/
多結晶シリコン薄膜型のタンデム型太陽電池に対して入
射光509としてAM1.5の光を100mW/cm2
の光量で照射したときの出力特性としては、開放端電圧
が1.42V、短絡電流密度が13.2mA/cm2
曲線因子が75.2%、そして変換効率が14.1%で
あった。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、結晶質
を含むシリコン系光電変換層を高品質化することがで
き、それによってシリコン系薄膜光電変換装置の高性能
化に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による結晶質シリコ
ン系薄膜光電変換装置を示す模式的な斜視図である。
【図2】先行技術による比較例1としての結晶質シリコ
ン系薄膜光電変換装置を示す模式的な斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による非晶質シリコ
ン薄膜/結晶質シリコン薄膜型のタンデム型光電変換装
置を示す模式的な斜視図である。
【図4】先行技術による比較例2としての非晶質シリコ
ン薄膜/結晶質シリコン薄膜型のタンデム型光電変換装
置を示す模式的な斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態による非晶質シリコ
ン薄膜/結晶質シリコン薄膜型のタンデム型光電変換装
置を示す模式的な斜視図である。
【図6】先行技術による比較例3としての非晶質シリコ
ン薄膜/結晶質シリコン薄膜型のタンデム型光電変換装
置を示す模式的な斜視図である。
【符号の説明】
101、201、301、401、501、601:ガ
ラス等の基板 102、202、302、402、502、602:A
g等の膜 103、203、303、403、503、603:Z
nO、ITO等の膜 104、204、304、404、504、604:た
とえばn型の1導電型微結晶シリコン層 105、205、305、405、505、605:結
晶質シリコン光電変換層 106、206、306、406、506、606:た
とえばp型の逆導電型微結晶シリコン層 107、207、307、407、507、607:I
TO,SnO等の透明導電膜 108、208、308、408:Ag等の櫛形電極 109、209、309、409、509、609:照
射光 110、210、310、410、510、610:電
極 111、211、311、411、511、611:結
晶質シリコン光電変換ユニット 312、412、512、612:非晶質シリコン光電
変換ユニット 313、413、513、613:たとえばn型の第1
導電型シリコン系層 314、414、514、614:i型の非晶質シリコ
ン光電変換層 315、415、515、615:たとえばp型の逆導
電型シリコン系層 116、316、516:i型非晶質シリコン薄膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された少なくとも1つの光
    電変換ユニットを含み、 前記光電変換ユニットは、プラズマCVD法によって順
    次積層された1導電型半導体層と、結晶質を含むシリコ
    ン系薄膜光電変換層と、逆導電型半導体層とを含み、 前記1導電型半導体層と前記光電変換層との間には実質
    的にi型の非晶質シリコン系薄膜をさらに含みかつこの
    非晶質シリコン系薄膜が前記光電変換層と直接接してい
    ることを特徴とするシリコン系薄膜光電変換装置。
  2. 【請求項2】 前記実質的にi型の非晶質シリコン系薄
    膜の厚さが0.5〜50nmの範囲内にあることを特徴
    とする請求項1に記載のシリコン系薄膜光電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記光電変換層は400℃以下の下地温
    度のもとで形成されたものであり、80%以上の体積結
    晶化分率と、0.1〜30原子%の範囲内の水素含有量
    と、0.5〜20μmの範囲内の厚さとを有しているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン系薄
    膜光電変換装置。
  4. 【請求項4】 前記光電変換層はその膜面に平行に(1
    10)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折における
    (220)回折ピークに対する(111)回折ピークの
    強度比が1/5以下であることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれかの項に記載のシリコン系薄膜光電変換装
    置。
  5. 【請求項5】 前記シリコン系薄膜光電変換装置は前記
    基板上で前記光電変換ユニットと少なくとも1つの非晶
    質シリコン系光電変換ユニットを含むタンデム型である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載
    のシリコン系薄膜光電変換装置。
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