JP2002076012A - ヘテロ接合バイポーラトランジスタ - Google Patents
ヘテロ接合バイポーラトランジスタInfo
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Abstract
つ、高いfT を実現することができるHBTを提供す
る。 【解決手段】 半導体基板1上に少なくともInPから
なるコレクタ層3、p型GaAsSbからなるベース層
4、前記ベース層4よりもバンドギャップの大きな3−
5族化合物半導体からなるn型エミッタ層5が順次積層
されたヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、前
記コレクタ層3は、ベース層4側からアンドープInP
層3c、p型InP層およびn型InP層からなる。
Description
導体からなるヘテロ接合バイポーラトランジスタ( 以
降、HBTと称する) の構造に関する。
のバンドギャップエネルギーをベース層のそれよりも大
きくすることにより、ベース層からエミッタ層へのホー
ルの逆注入を抑え、通常のホモ接合バイポーラトランジ
スタに比べて、電流注入効率を高くすることができる素
子である。そのため、ベース層のキャリア濃度を高く設
定して、ベース抵抗を小さくすることができる。したが
って、ベース抵抗の1/2乗に逆比例する最大発信周波
数(高速性を示す指標の一つ)を向上させることが可能
となる。また、HBTは、コレクタ層に注入された“ho
t-electron"のバリスティックな伝導を用いることによ
り、マイクロ波・ミリ波への応用あるいは超高速光通信
における超高速電子デバイスとして、充分なポテンシャ
ルをもっていることが示されている。
ンジスタとして実用化されている。特に、InP系HB
Tは、GaAs系と比較して材料中を走行する電子速度
が速いことから、さらなる高速性が期待されている。従
来、高速性に優れたInP系HBTでは、ベース層には
InGaAsが用いられていたが、最近になり、製造プ
ロセス上の様々な利点を有するGaAsSbがベース層
の材質として注目されている。例えば、ベース層にGa
AsSbを用い、エミッタ層、コレクタ層に共にInP
を用いた低消費電力のHBTが報告されている(文献1
参照)。 文献1:Elctr. Lett. Vol.34 No.17 (1998) 1700-170
2.
aAsSbをベース層に、アンドープInPをコレクタ
層に用いた場合、バンド構造的には、図3に示すよう
に、ベース層4はコレクタ層3に対して、ΔEC =+
0.18eVのバンドオフセットを生じる。そのため、
トランジスタの高速性を示す指標の一つである電流利得
遮断周波数fT が劣り、高周波特性が伸びないという問
題があった。
即ち、ベース層4からコレクタ層3中に注入された電子
は、拡散によってコレクタ電流となるが、ベース層4と
コレクタ層3の間に生じる電界によって、伝導帯のエネ
ルギー的に低いΓバレー(谷)を拡散した電子の一部
は、見かけ上、より高いエネルギーをもつ伝導帯Lバレ
ーに散乱される確率が増加する。ところが、Γバレーと
Lバレーでは電子の有効質量が異なり、Lバレーの電子
の有効質量はΓバレーよりも大きくなっているため、L
バレーにおいて散乱を受けた電子は速度が低下し、コレ
クタ層3中の走行時間が長くなり、高速性が阻害され
る。
リア電子が有効質量の小さなΓバレーをできるだけ走行
するようにし、コレクタ層3中の走行時間を短くしたH
BTを提供することを目的とする。
決すべくなされたもので、半導体基板上に少なくともI
nPを含むコレクタ層、p型GaAsSbからなるベー
ス層、前記ベース層よりもバンドギャップの大きな3−
5族化合物半導体からなるn型エミッタ層が順次積層さ
れたヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、前記
コレクタ層は、ベース層側からアンドープ層、p型層お
よびn型層を有することを特徴とするものである。
ように、コレクタ層3の構造をベース層4側からアンド
ープInP層3c/p型InP層3b/n型InP層3
aとすることにより、コレクタ層3の伝導帯底の電界を
従来(点線で示す)よりも緩和し、ベース層4から注入
された少数キャリア電子がΓバレーを走行するようにし
て、コレクタ層3中の電子走行時間を短縮させたことで
ある。その結果、従来のアンドープInPで構成したコ
レクタ層を用いた場合に比べて、高いfT を実現するこ
とができる。したがって、本発明によれば、InPコレ
クタ層/ GaAsSbベース層の製造プロセス上の利点
を維持しながら、高速特性をも実現することができる。
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明にかかるH
BTの一実施形態を示す断面図である。このHBTに用
いたエピタキシャル層積層基板は、MBEあるいはMO
CVD法によって、半絶縁性(100)InP基板1上
に、コレクタ層3にオーミック性接触を形成するための
n型不純物を高濃度に含むn型InGaAsからなるサ
ブコレクタ層2(膜厚300nm、キャリア濃度5×1
018cm-3)、コレクタ層3、組成傾斜型p型GaAs
Sbベース層4、n型不純物を含むIn0.53Al 0.47A
sからなるエミッタ層5(膜厚50nm、キャリア濃度
3×1017cm-3)、n型不純物を高濃度に含むIn
0.53Ga0.47-yAly Asからなるエミッタ組成傾斜層
6(膜厚100nm、キャリア濃度1×1018c
m-3)、エミッタ組成傾斜層6にオーミック接触をとる
ためのn型不純物を高濃度に含むIn0.53Ga0.47As
からなるエミッタキャップ層7(膜厚50nm、キャリ
ア濃度2×1019cm-3)を順次積層したものである。
は、コレクタ層3がサブコレクタ層2側からn型不純物
を高濃度に含むn型InP層3a(膜厚80nm、キャ
リア濃度2×1019cm-3)、p 型不純物を高濃度に含
むp型InP層3b(膜厚20nm、キャリア濃度2×
1018cm-3)、およびアンドープInP層3c(膜厚
200nm、キャリア濃度<1×1016cm-3)の3層
からなることである。また、組成傾斜型p型GaAsS
bベース層4(膜厚50nm、キャリア濃度5×1019
cm-3)は、p型不純物(例えばカーボン等)を高濃度
に含み、GaAsSbの組成を、例えばコレクタ層3に
接した面では、InPに格子整合するGaAs0.5 Sb
0.5 よりもバンドギャップの小さな組成にしたGaAs
0.44Sb0.56から、徐々にエミッタ層5側に向かって5
族であるSbの組成比Sb/(As+Sb)を減少させ
ていき、即ちバンドギャップを大きくしていき、エミッ
タ層5に接した面では、InPに格子整合する組成であ
るGaAs0.5 Sb0.5からなる。
造を有し、コレクタ層3の伝導帯底が従来(点線で示
す)よりも持ち上がり、ベース層4近傍の伝導帯底の電
界が緩和されている。
本実施形態のHBTを以下の作製方法で作製した。即
ち、 1)先ず、耐熱性に優れたWSiをエミッタキャップ層
7の全面に成膜する。次いで、レジストマスク等を用い
て選択的にエミッタ領域を規定して、例えばSF 6 等の
ガスを用いたエッチングを行い、エミッタ電極8aを形
成するとともに、エミッタキャップ層7を露出させる。 2)次に、エミッタ電極8をマスクに、ウェットエッチ
ングにより、エミッタキャップ層7、エミッタ組成傾斜
層6およびエミッタ層5を順にエッチングして除去し、
ベース層4を露出させる。 3)次いで、Ti/Pt/Auを全面に蒸着し、レジス
ト等を用いてベース電極領域を規定した後に、ベース層
4およびコレクタ層3を例えばウェットエッチングによ
りサブコレクタ層2まで除去し、ベース電極9を形成す
るとともに、サブコレクタ層2を露出させる。なお、T
i/Pt/Auはエミッタ電極8a上にも蒸着され、エ
ミッタ電極8bとなる。 4)次いで、Ti/Pt/Auからなるコレクタ電極1
0をリフトオフ法によりサブコレクタ層2上に形成す
る。 5)最後に素子分離を行い、個別の素子とする。
ろ、80GHzが得られた。一方、従来のアンドープコ
レクタ層を用いたものは、fT が60GHzであり、ま
た、ベース層にInGaAsを用いたものは、70GH
zであった。このことより、本実施形態は、高いfT を
有し、高速性に優れていることがわかる。
Pにした構成であるが、コレクタ層全てをInPで構成
する必要はない。例えば、ベース層側すなわちアンドー
プ層、p型層がGaAsSb、n型層がInPであるコ
レクタ層を用いた構成にしてもなりたつ。また同様にア
ンドープ層だけにGaAsSbを用い、p層、n層がI
nPであるコレクタ層を用いた構成にしても成り立つこ
とはいうまでもない。すなわち、コレクタ層の一部、好
ましくはサブコレクタ層側が少なくともInPを含む構
成になっていればよい。なお、上記実施例はエミッタ層
にInAlAsを用いたが、エミッタ層にInPを用い
た系のHBTにおいても成り立つことは言うまでもな
い。また、GaAsSbからなるベース層の組成を傾斜
させず、均一組成にしたものについても成り立つことは
言うまでもない。
aAsSbからなるベース層を有するHBTにおいて、
高いfT を実現することができるという優れた効果があ
る。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 半導体基板上に少なくともInPを含む
コレクタ層、p型GaAsSbからなるベース層、前記
ベース層よりもバンドギャップの大きな3−5族化合物
半導体からなるn型エミッタ層が順次積層されたヘテロ
接合バイポーラトランジスタにおいて、前記コレクタ層
は、ベース層側からアンドープ層、p型層およびn型層
を有することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000254880A JP2002076012A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000254880A JP2002076012A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002076012A true JP2002076012A (ja) | 2002-03-15 |
Family
ID=18743756
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000254880A Pending JP2002076012A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002076012A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2000
- 2000-08-25 JP JP2000254880A patent/JP2002076012A/ja active Pending
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