JP2002072402A - ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法

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JP2002072402A
JP2002072402A JP2000258010A JP2000258010A JP2002072402A JP 2002072402 A JP2002072402 A JP 2002072402A JP 2000258010 A JP2000258010 A JP 2000258010A JP 2000258010 A JP2000258010 A JP 2000258010A JP 2002072402 A JP2002072402 A JP 2002072402A
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Jun Arakawa
純 荒河
Toshio Kawagishi
俊雄 川岸
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で且つ粒状性、鮮鋭度に優れ、迅速処
理が可能なハロゲン化銀写真感光材料を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物を含む
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料(式中、X
は水素原子、ハロゲン原子を表す。R1は炭素数2〜4のア
ルキル基を表し、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表し、
且つR1、R2の炭素数の合計が3〜5であり、さらに、(R1
の炭素数)−(R2の炭素数)が-1〜3の間にある。Lは-N
R'CO-、-NR'SO2-、-CONR'-、-SO2NR'-、-COO-から選ば
れる基を表し(式中、R'は水素原子又はメチル基を表
し、右側の結合手でR2と結合する。)、R3、R4、R5、R6
及びR7はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子または炭素数
4以下のアルキル基を表し、且つR4、R5、R6及びR7の炭
素数の合計が5以下である。ただし、アルキル基には直
鎖、分岐及び環状のものが含まれる。)。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関するものであり、特に粒状性並びに鮮鋭度が
優れた高感度撮影用感光材料に関するものである。ま
た、本発明は、上記ハロゲン化銀写真感光材料を用いる
画像形成方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を利用した写真感光材料は
近年ますます発展し、現在では簡易に高画質のカラー画
像を入手することが可能となっている。たとえば通常カ
ラー写真と呼ばれる方式ではカラーネガフィルムを用い
て撮影を行い、現像後のカラーネガフィルムに記録され
た画像情報を光学的にカラー印画紙に焼き付けることで
カラープリントを得る。近年ではこのプロセスは高度に
発達し、大量のカラープリントを高効率で生産する大規
模な集中拠点であるカラーラボあるいは店舗に設置され
た小型、簡易のプリンタプロセッサであるいわゆるミニ
ラボの普及により誰でもがカラー写真を手軽に楽しめる
ようになっている。
【0003】現在普及しているカラー写真の原理は、通
常、減色法による色再現を用いた光学プリント方式を採
用している。一般的なカラーネガでは透過支持体上に
青、緑、そして赤色領域に感光性を付与した感光素子で
あるハロゲン化銀乳剤を用いた感光性層を設け、それら
の感光性層中には各々が補色となる色相であるイエロ
ー、マゼンタそしてシアンの色素を形成するいわゆるカ
ラーカプラーを組み合せて含有させてある。撮影により
像様の露光を施されたカラーネガフィルムは芳香族第一
級アミン現像主薬を含有するカラー現像液中で現像され
る。この時、感光したハロゲン化銀粒子は現像主薬によ
って現像すなわち還元され、同時に生成する現像主薬の
酸化体と上記のカラーカプラーのカップリング反応によ
って各色素が形成される。現像によって生じた金属銀
(現像銀)と、未反応のハロゲン化銀とをそれぞれ漂白
及び定着処理によって取り除くことで色素画像を得る。
同様な感光波長領域と発色色相の組み合せを有する感光
性層を反射支持体上に塗設したカラー感光材料であるカ
ラー印画紙に現像処理後のカラーネガフィルムを通して
光学的な露光を与え、これも同様の発色現像と漂白、定
着処理とを施すことでオリジナルの光景を再現した、色
素画像よりなるカラープリントを得ることができる。
【0004】こうした古典的な画像形成方式に対して、
最近ではカラーネガに記録された画像情報をスキャナに
よってデジタル情報に変換し、これに様々な画像処理を
施すことによって得られるプリントの画質を高めること
も可能になってきている。現実に、この技術を搭載した
ミニラボシステムも普及しつつある。
【0005】こうした状況下で、カラーネガ等のカラー
撮影材料の画像形成方法に対して、その簡易性を高める
要求がますます強くなりつつある。第一には、上述した
発色現像及び漂白、定着処理を行うための処理浴は、そ
の組成や温度を精密に制御する必要があり、専門的な知
識と熟練した操作を必要とする。第二に、これらの処理
液中には発色現像主薬や漂白剤である鉄キレート化合物
など環境的にその排出の規制が必要な物質が含有されて
おり、現像機器類の設置には専用の設備を必要とする場
合が多い。第三に、近年の技術開発によって短縮された
とはいえ、これらの現像処理には時間を要し、迅速に記
録画像を再現する要求に対しては未だ不十分といわざる
を得ない。
【0006】こうした背景から、現存のカラー画像形成
システムにおいて用いられている発色現像主薬や漂白剤
の薬液を使用しないシステムを構築することで環境上の
負荷を軽減し、簡易性を改良することへの要求はますま
す高まりつつある。電子スチルカメラなどのシステムに
対抗するためにも、処理液を用いる画像形成方法を限り
なく簡易に改良していくことが必須となってきている。
【0007】これらの観点に鑑み、多くの改良技術の提
案がなされている。例えば、IS&T’s 48th
Annual Conference Proceed
ings 180頁には、現像反応で生成した色素を媒
染層に移動させた後、剥離することで現像銀や未反応の
ハロゲン化銀を除去し、従来カラー写真処理に必須であ
った漂白定着浴を不要にするシステムが開示されてい
る。しかしながら、ここで提案されている技術では発色
現像主薬を含有する処理浴での現像処理は依然として必
要であり、環境上の問題は解決されているとは言い難
い。
【0008】発色現像主薬を含む処理液の不要なシステ
ムとして、例えば富士写真フイルム株式会社よりピクト
ログラフィーシステムが提供されている。このシステム
は、塩基プレカーサーを含有する感光部材に少量の水を
供給し、受像部材と貼り合わせ、加熱することで現像反
応を生じさせている。この方式は、先に述べた処理浴を
用いない点で環境上有利である。したがって、このシス
テムを撮影用感光材料の画像形成に利用することがまず
考えられる。
【0009】その例として、感光材料に内蔵させた現像
主薬とカプラーより感光材料中に発色画像を得る方法が
特開平9−10506号、欧州特許762,201号に
述べられている。
【0010】このピクトログラフィーシステムを用いる
と、現像液を使用する必要はなく、少量の水を供給する
だけで現像を行うことが可能となる。このシステムは、
熱現像を進行させるのに必要な塩基の発生を、上記のよ
うな簡便な方法で実現したものである。また、このよう
に感材中にカプラーと共存させる形で現像主薬を内蔵さ
せ、加熱によって現像を進める方式では従来の現像処理
時間を1/5から1/20と大幅に短縮できるというメ
リットを有していることが知られていた。
【0011】このような世の趨勢である簡易迅速処理を
実現するためには、現像主薬を感光材料中に内蔵し、塩
基を発生させたり、外部から塩基を供給したり、加熱し
たりすることでカップリング反応を起こさせる方法が有
効であるとは従来から言われてきたことであり様々な試
みがなされて来ている。
【0012】現像主薬を感材中に内蔵し、且つ加熱等の
迅速化手段を用いて短時間で現像を行う方式がこの中で
も特に有用であるが、この方式では現像主薬の制約から
現像が充分に行われないことにより、高感度化が難しい
という大きな問題点があった。従来のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料では現像主薬が処理液中からほぼ無限に
供給されるのに比べ、現像主薬を内蔵する系では膜中で
の供給される現像主薬の量に制約があり、更に感光材料
中で長期間安定に且つ安全に内蔵させるという点からも
使用できる現像主薬の種類に制約があるため、特にIS
O400以上の超高感度領域で更に感度を上げることは
困難であった。高感度化のために大サイズのハロゲン化
銀粒子を用いたり、ハロゲン化銀の塗布量を大きくする
方法は、現像主薬を内蔵する系でもある程度有効である
が、この方法では画質特に粒状性や鮮鋭度が著しく劣化
するので採用する事が出来なかった。
【0013】最近、ディスクリミネーションの優れた現
像主薬として構造を規定したスルホンアミドフェノール
型化合物が特開平11−202458号に開示されてい
るが、これには撮影感材の高感度化を目的とした検討は
含まれていなかった。本発明者らは、この特許の範囲に
ある化合物を高感度撮影感材対象に詳細に再評価を行っ
たところ、本発明に至ったものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度で且つ粒状性、鮮鋭度に優れた、迅速処理撮影感材を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記一
般式(1)で表される化合物、好ましくは一般式(2)
で表される化合物を含むことを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料により達成された。すなわち、本発明は、
以下のハロゲン化銀写真感光材料を提供する。
【0016】(I) 下記一般式(1)で表される化合
物を含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0017】
【化3】
【0018】式中、Xは水素原子、ハロゲン原子を表
す。R1は炭素数2〜4のアルキル基を表し、R2は炭素
数1〜4のアルキル基を表し、且つR1、R2の炭素数の
合計が3〜5であり、さらに、(R1の炭素数)−(R2
の炭素数)が−1〜3の間にある。Lは−NR’CO−
基、−NR’SO2−基、−CONR’−基、−SO2
R’−基、−COO−基から選ばれた基を表し、ここ
で、R’は水素原子又はメチル基を表す。ただし、各々
の基の右側の結合手でR2と結合する。さらにR3、R
4、R5、R6及びR7はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子
または炭素数4以下のアルキル基を表し、且つR3、R
4、R5、R6及びR7の炭素数の合計が5以下である。た
だし、前記アルキル基には、直鎖、分岐及び環状アルキ
ル基が含まれ、置換基を有していてもよい。前記ハロゲ
ン原子には、塩素原子、臭素原子及び沃素原子が含まれ
る。
【0019】(II) 前記一般式(1)で表される化合
物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする上記
(I)のハロゲン化銀写真感光材料。
【0020】
【化4】
【0021】式中、R1は炭素数2〜4のアルキル基を
表し、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表し、且つR1
とR2の炭素数の関係が、R1≧R2であり、且つR1、R
2の炭素数の合計が3〜5である。ただし、前記アルキ
ル基には、直鎖、分岐及び環状アルキル基が含まれ、置
換基を有していてもよい。
【0022】(III) 上記(I)または(II)におけ
るハロゲン化銀写真感光材料がISO感度が400以上
の現像主薬内蔵型撮影用感光材料であることを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料。
【0023】(IV) 該感光材料中に、平均アスペクト
比9ないし50で規定されるハロゲン化銀平板乳剤を含
むハロゲン化銀乳剤層を有する、上記(I)から(II
I)のいずれか1のハロゲン化銀写真感光材料。
【0024】(V) 上記(I)ないし(IV)の何れか
1で規定されるハロゲン化銀写真感光材料と、支持体上
に少なくとも塩基及び/又は塩基プレカーサーを含む処
理層を有する処理部材を用い、該感光材料を像様露光し
た後、該感光材料と該処理部材のバック層を除く全塗布
膜を最大膨潤させるのに要する量の0.1から1倍に相当
する水を該感光材料及び/又は該処理部材に与えた後、
該感光材料と該処理部材を感光層と処理層が向かい合う
形で重ね合わせ、これを50℃ないし100℃の温度で
5秒から60秒間加熱して画像を形成することを特徴と
する画像形成方法。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の例示化合物を以下に示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】一般式(1)、(2)で表される化合物
は、有機合成化学の分野で広く公知の方法を、段階的に
組み合わせて合成することができる。以下に後記する例
示化合物の合成スキームを示し、段階的合成方法の例を
記載する。
【0030】合成例 (例示化合物D−2の合成)下記スキームにしたがって
合成した。
【0031】
【化8】
【0032】中間体(A−1)の合成 市販の3−エチルフェノール855g(7.00mol)と
シリカゲル(和光純薬製ワコーゲルC-200)43gをジク
ロロメタン2500ミリリットル(以下、「mL」とも表
記する。)に加え、寒剤で冷却しながら攪拌した。これ
に、硝酸(比重1.38)524mL(7.00mol)を
3時間かけて滴下した。滴下中の反応液の温度は−8〜
10℃であった。4時間攪拌した後、シリカゲルを濾別
し、濾液に水2000mLを加えて抽出した。有機層を飽
和食塩水で洗浄した後、濃縮した。残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し、中間体(A−1)3
37g(収率29%)を黄色の油状物として得た。
【0033】中間体(A−2)の合成 還元鉄362g(6.48mol)、塩化アンモニウム2
8.9g(0.54mol)、酢酸30.8mL(0.54mo
l)、イソプロピルアルコール450mL、及び水90mL
の混合物を激しく攪拌して25分間加熱還流した。これ
に、中間体(A−1)157g(0.939mol)を10
分間で滴下し、さらに10分間加熱還流した。少し冷却
した後、酢酸エチル500mLを加え、不溶物をセライト
を用いて濾過し、セライトを酢酸エチルで洗浄して濾液
に加えた。濾液をハイドロサルファイトナトリウムを含
む飽和食塩水約1リットルで2回洗浄した後、ロータリ
ーエバポレーターで濃縮し、2−アミノ−5−エチルフ
ェノールの粗生成物126.7g(収率98%)を褐色
の固体として得た。この粗生成物116g(0.846m
ol)をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)47
0mLに加えて、水冷しながら攪拌した。これに、塩化プ
ロピオニル78.7g(0.851mol)を15分間で滴
下し、さらに1時間攪拌した後、一夜放置した。反応混
合物を酢酸エチル1リットルと水1.5リットルの混合
液に注いで抽出し、有機層を飽和食塩水1リットルで洗
浄後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。中間体
(A−2)の粗生成物160.6g(収率98%)を茶
褐色の固体として得た。この粗生成物精製することなく
次工程に使用した。
【0034】中間体(A−3)の合成 スルファニル酸143g(0.828mol)を水220mLに加
えて、寒剤で冷却しながら攪拌した。これに濃塩酸22
0mLを加え、内温が−5℃以下になるまで攪拌した。こ
れに、亜硝酸ナトリウム58.2g(0.828mol)を
水175mLに溶解して、50分間かけて滴下した。滴下
時の内温は−5〜3℃であった。0℃以下でさらに1時
間攪拌してジアゾ液を調製した。
【0035】水酸化カリウム255g(4.55mol)を
水600mLに加えて、寒剤で冷却しながら攪拌した。内
温が−5℃まで下がったところで、先に調製したジアゾ
液を1.5時間かけて添加した。滴下時の内温は−5〜
5℃であった。さらに30分間攪拌の後、50℃まで加
温し、激しく攪拌しながら、ハイドロサルファイトナト
リウム317g(1.82mol)をゆっくり加えた。15
分間攪拌した後、反応混合物に酢酸エチル800mLを加
え、さらに20分間攪拌した。分液し、有機層を飽和食
塩水で洗浄後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。
【0036】残査にアセトニトリル450mLを加えて溶
解し、水冷して攪拌した。これに、無水トリフルオロ酢
酸113mL(0.801mol)を30分間で滴下し、一
夜放置した。反応混合物を酢酸エチル1リットルと水1
リットルの混合液に注いで抽出し、有機層を飽和食塩水
で洗浄後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。
【0037】残査にアセトン500mLを加えて溶解し、
水冷して攪拌した。これに、ジメチルジクロロヒダント
イン(DMH−Cl)150g(0.763mol)を20
分間でゆっくり添加し、さらに1時間攪拌した。反応混
合物に水1.2リットルをゆっくり注ぎ、1時間攪拌し
た。析出した結晶を濾取し、水洗、乾燥して中間体(A
−3)182g(収率65%)を褐色の結晶として得
た。
【0038】例示化合物D−2の合成 水450mLを窒素バブリングしながら10分間攪拌した
後、水酸化カリウム95.9g(1.71mol)を加え、
50℃に加温した。これに、中間体(A−3)145g
(0.428mol)を添加し、25分間攪拌した。酢酸
100mLを添加して10分間攪拌した後、酢酸エチル4
00mLを加えて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。
【0039】残査にアセトニトリル500mLを加えて溶
解し、水冷して攪拌した。これにメシチレンスルホニル
クロリド(A−4)89.0g(0.407mol)を加え
て30分間攪拌し、ピリジン38.1mL(0.471mo
l)を15分間かけて滴下した。2時間攪拌後、水1.
5リットルと酢酸エチル1リットルを加えて抽出し、有
機層を飽和食塩水で洗浄後、ロータリーエバポレーター
で濃縮した。
【0040】残査にアセトニトリル300mLを加えて加
熱溶解し、濾過した後、晶析した。一夜放置後、析出し
た結晶を濾取し、127g(収率70%)の例示化合物
D−2を得た。
【0041】一般式(1)、(2)で表される化合物を
ハロゲン化銀写真感光材料に使用する場合、これらの化
合物は、本発明の目的どおり迅速な銀現像を行うことが
できるため、これらの化合物単独の還元反応で生成した
還元銀による画像を利用することもできるし、異なった
種類の還元剤と一般式(1)、(2)で表される化合物
の酸化体との間のクロス酸化反応を用いて画像形成する
ことも可能である。一般式(1)、(2)で表される化
合物と併用し、クロス酸化反応を行って画像形成するよ
うな還元剤について下記に示す。
【0042】(a)カプラーと組み合わせて、色素画像
を形成可能な発色現像主薬。 このような化合物の例としては、例えば特開平8−11
0608号、同9−34081号、同8−267839
号に記載のスルホンアミドフェノール、スルホニルヒド
ラジン、スルホニルヒドラゾン、カルバモイルヒドラジ
ン、カルバモイルヒドラゾン、また特開平9−1201
32号に記載のアミノアンチピリン誘導体等を挙げるこ
とができる。
【0043】(b)カップリングによって拡散性の色素
を放出可能なDDR−カプラー。 この例としては例えば、米国特許第3,443,940
号、同第4,474,867号、同第4,483914
号等に記載の化合物等を挙げることができる。
【0044】(c)酸化されることにより、拡散性の色
素を放出する色素供与性化合物(DRR化合物)。 この化合物の例としては、例えば特開昭59−6583
9号、同59−69839号、同53−3819 号等
に記載の化合物等を挙げることができる。
【0045】(d)還元されることにより、拡散性の色
素を放出する色素供与性化合物〔ROSET化合物(日
本写真学会誌 第55巻 第3号 185頁、199
2)、BEND化合物等(米国特許第4,139,37
9号)〕と組み合わせて用いられる還元剤。 この画像形成方法では、銀現像により酸化されずに残っ
た還元剤により、ポジ画像を形成することができる。こ
の色素供与性化合物の例としては、例えば特開平1−2
6842号、特開昭63−201653号、同63−2
01654号等に記載の化合物等を挙げることができ
る。
【0046】一般式(1)、(2)で表される化合物を
感光材料に使用する場合、その塗布量は、広い範囲を選
択可能である。特に、これらの化合物単独で使用する場
合と、上記のように他の還元剤と共用する場合とでその
使用量は異なる。まず、単独で使用する場合、好ましく
は0.001〜1000mmol/m2、さらに好まし
くは0.05〜50mmol/m2である。また、他の
還元剤と共用する場合、まず、画像形成に使用する還元
剤は、その形成される色素のモル分子吸光係数にもよる
が、好ましくは0.001〜1000mmol/m2
さらに好ましくは0.05〜50mmol/m2であ
る。これに対し、補助現像主薬として使用する、一般式
(1)、(2)で表される化合物は、該還元剤に対し
て、0.001〜1000モル倍、好ましくは0.01
〜100モル倍、さらに好ましくは0.05〜10モル
倍添加するのが適当である。
【0047】一般式(1)、(2)で表される化合物の
添加方法としては、まず、カプラー等他に使用する油溶
性化合物、及び高沸点有機溶媒(例えばリン酸アルキル
エステル、フタル酸アルキルエステル等)を混合して低
沸点有機溶媒(例えば酢酸エチル、メチルエチルケトン
等)に溶解し、当該分野で公知の乳化分散法を用いて水
に分散の後、添加することができる。また、特開昭63
−271339号に記載の固体分散法による添加も可能
である。
【0048】一般式(1)、(2)で表される化合物
は、感光性乳剤層に添加するのが好ましいが、非感光性
層に添加してもよい。本発明の化合物は、単色のハロゲ
ン化銀写真感光材料にも使用可能であるし、また、カラ
ー写真感光材料にも使用することができる。以下の例で
は本発明の化合物(1)または(2)を用いたカラー撮
影材料について説明する。
【0049】フルカラー画像を得るためには、少なくと
も3層のそれぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つ
ハロゲン化銀乳剤層を組み合わせて用いる。たとえば青
感層、緑感層、赤感層の3層、緑感層、赤感層、赤外感
層の組み合わせなどがある。各感光層は通常のカラー感
光材料で知られている種々の配列順序を採ることができ
る。また、これらの各感光層は必要に応じて2層以上に
分割してもよい。
【0050】また、熱現像によって発色画像を形成後、
残存するハロゲン化銀及び/または現像銀を除去しても
良いし、しなくても良い。また、その画像情報に基づい
て別の材料に出力する方法として通常の投影露光によっ
ても良いし、透過光の濃度測定によって画像情報を光電
的に読み取り、その信号によって出力しても良い。出力
する材料は感光材料でなくても良く、例えば昇華型感熱
記録材料、インクジェット材料、電子写真材料、フルカ
ラー直接感熱記録材料等でも良い。本発明において好ま
しい態様の例は、熱現像によって発色画像を形成後、残
存するハロゲン化銀及び現像銀を除去する付加的な処理
を行わず、画像情報を拡散光及びCCDイメージセンサ
を用いた透過濃度測定によって光電的に読み取り、デジ
タル信号に変換後、画像処理を行い、熱現像カラープリ
ンター、例えば富士写真フイルム(株)の「ピクトログ
ラフィー3000」で出力するものである。この場合、
コンベンショナルカラー写真で使用する処理液はいっさ
い使用することなく、迅速に良好なプリントを得ること
ができる。また、この場合、上記デジタル信号は任意に
加工編集できるので、撮影した画像を自由に修正、変
形、加工して出力できる。
【0051】感光材料は、支持体上に少なくとも1層の
感光性層とその下にアンチハレーション層が設けられて
いることが好ましい。感光性層としては、実質的に感色
性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳
剤層から成る感光性層であってもよいし、感光性層が青
色光、緑色光、及び赤色光の何れかに感色性を有する単
位感光性層であって、単位感光性層の配列が、支持体側
から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設
置されることも好ましい態様である。また、目的に応じ
て上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異
なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上
記のハロゲン化銀感光性層の間及び最上層、最下層には
非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラ
ー、現像主薬、及びDIR化合物、混色防止剤、染料等
が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数
のハロゲン化銀乳剤層は、DE1,121,470号あ
るいはGB923,045号に記載されているように高
感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって
順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましい。ま
た、特開昭57−112751号、同62−20035
0号、同62−206541号、62−206543号
に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳
剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0052】本発明においては、透明支持体上に、少な
くとも感光性ハロゲン化銀粒子、カプラー及びバインダ
ーを含み、感光波長領域及び/または前記発色現像主薬
及びカプラーから形成される色素の吸収波長領域が互い
に異なる少なくとも3種の感光層を有するカラー感光材
料が好ましく用いられる。発色現像主薬は、処理液や処
理ペースト等の形で処理工程において外部から感光材料
に供給されることも可能であるが、感光材料中にカプラ
ーと共存する形で内蔵させるのが好ましい。
【0053】また、塩基や塩基プレカーサーも処理液や
処理ペースト等の形で外部から感光材料に供給されるこ
とも可能であるが、支持体上に少なくとも塩基及び/ま
たは塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理材料を
用い、感光材料と処理材料双方のバック層を除く全塗布
膜を最大膨潤させるに要する量の0.1倍〜1倍に相当
する水の存在下で、感光材料と処理材料を感光層と処理
層が向かい合う形で重ね合わせる事で供給する方法が好
ましく用いられる。
【0054】本発明の感光材料中に使用し得るハロゲン
化銀は、沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩化
銀、沃塩臭化銀のいずれでもよい。ハロゲン化銀粒子の
大きさは、同体積の球の直径で換算して0.1〜2μ
m、特に0.2〜1.5μmが好ましい。これらは上述
の感光性ハロゲン化銀粒子として用いる他に、化学増感
しないなどして非感光性ハロゲン化銀粒子としても用い
ることができる。
【0055】ハロゲン化銀粒子の形状は立方体、八面体
あるいは14面体のような正常晶よりなる形状を有する
もの、六角や矩形の平板状の形状を有するものを使用で
きるが、この中でも粒子投影径を粒子厚みで除した値で
あるアスペクト比が2以上、好ましくは9以上、更に好
ましくは20以上の平板状粒子が好ましく、このような
平板状粒子で全粒子の投影面積の50%以上、好ましく
は80%以上、さらには90%以上を占める乳剤(平均
アスペクト比が9〜50の乳剤)を用いることが好まし
い。本発明の写真感光材料が、各々感度が異なる2層以
上の赤感性乳剤層、緑感性乳剤層及び青感性乳剤層を有
する場合、アスペクト比が2以上の平板状粒子は、赤感
性乳剤層、緑感性乳剤層、青感性乳剤層共に高感度層に
使用することが好ましい。
【0056】これらの平板状粒子の厚みは、好ましくは
0.3μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下、最
も好ましくは0.1μm以下である。
【0057】また、米国特許第5,494,789号、
同5,503,970号、同5,503,971号、同
5,536,632号等に記載されている粒子厚みが
0.07μmより薄く、さらに高アスペクト比の粒子も
好ましく用いることができる。また、米国特許第4,4
00,463号、同4,713,323号、同5,21
7,858号等に記載されている(111)面を主平面
として有する高塩化銀平板粒子、及び米国特許第5,2
64,337号、同5,292,632号、同5,31
0,635号等に記載されている(100)面を主平面
とする高塩化銀平板粒子も好ましく用いることができ
る。
【0058】これらのハロゲン化銀粒子を実際に使用し
た例は特開平9−274295号、同9−319022
号、同10−115888号、同10−221827号
等に記載されている。本発明のハロゲン化銀粒子は、粒
子サイズ分布の揃った所謂単分散粒子であることが好ま
しい。単分散性の目安としては、粒径分布の標準偏差を
平均粒子径で除した変動係数で25%以下が好ましく、
20%以下がさらに好ましい。また、粒子間でハロゲン
組成が均一であることも好ましい。
【0059】本発明の感光材料において用い得るハロゲ
ン化銀粒子は、粒子内ハロゲン組成を均一に構成しても
良いし、意図的にハロゲン組成の異なる部位を導入して
も良い。特に、高感度を得るためには、ハロゲン組成の
異なるコア(核)とシェル(殻)からなる積層構造を有
する粒子が好ましく用いられる。また、ハロゲン組成の
異なる領域を導入した後でさらに粒子を成長させて、転
位線を意図的に導入することも好ましい。さらに、形成
されたホスト粒子の頂点や稜に異なるハロゲン組成のゲ
スト結晶をエピタキシャル接合させることも好ましい。
【0060】本発明の感光材料において用い得るハロゲ
ン化銀粒子は、粒子内部に、多価遷移金属イオンあるい
は多価アニオンを不純物としてドープすることも好まし
い。特に前者では鉄族元素を中心金属としたハロゲノ錯
体や、シアノ錯体、有機配位子錯体等が好ましく用いら
れる。
【0061】本発明の感光材料において用い得る乳剤
は、通常化学増感及び分光増感が施されることが好まし
い。
【0062】化学増感としては、硫黄、セレンあるいは
テルル化合物を用いるカルコゲン増感法、金、白金、イ
リジウム等を用いる貴金属増感法、あるいは、粒子形成
中に適度な還元性を有する化合物を用いて、還元性の銀
核を導入することで高感度を得る、いわゆる還元増感法
を単独にあるいは種々組み合わせて用いることができ
る。
【0063】分光増感としては、ハロゲン化銀粒子に吸
着して、それ自身の吸収波長域に感度を持たせる、シア
ニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合
メロシアニン色素、ホロポーラー色素、ヘミシアニン色
素、スチリル色素あるいはヘミオキソノール色素等のい
わゆる分光増感色素が単独あるいは併用され、強色増感
剤と共に用いることも好ましい。
【0064】本発明の感光材料において用い得るハロゲ
ン化銀乳剤には、カブリを防止したり、保存時の安定性
を高める目的でアザインデン類、トリアゾール類、テト
ラゾール類、プリン類等の含窒素複素環化合物類、メル
カプトテトラゾール類、メルカプトトリアゾール類、メ
ルカプトイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類
等のメルカプト化合物類等の種々の安定剤を添加するこ
とが好ましい。特に、化合物中に炭素数5以上のアルキ
ル基や、芳香環を置換基として有するトリアゾール類あ
るいはメルカプトアゾール類は熱現像時のカブリを防止
し、ある場合には露光部の現像性を高め、高いディスク
リミネーションを与えるのに顕著な効果を呈する。ハロ
ゲン化銀乳剤用の写真用添加剤は、リサーチ・ディスク
ロージャー誌No.17643(1978年12月)、
同No.18716号(1979年11月)、同No.
307105号(1989年11月)、同No.389
57号(1996年9月号)に記載されているものを好
ましく用いることができる。
【0065】感光性ハロゲン化銀は、銀換算で0.05
〜20g/m2、好ましくは0.1〜10g/m2用い
る。
【0066】感光材料のバインダーには親水性のものが
好ましく、その例としては前記のリサーチ・ディスクロ
ージャーNo.17643(1978年12月)、同N
o.18716号(1979年11月)、同No.30
7105号(1989年11月)、同No.38957
号(1996年9月号)及び特開昭64−13546号
の71〜75ページに記載されているものが挙げられ
る。その中ではゼラチン及びゼラチンと他の水溶性バイ
ンダー、例えばポリビニルアルコール、変成ポリビニル
アルコール、セルロース誘導体、アクリルアミド重合体
等との組み合わせが好ましい。バインダーの塗布量は1
〜20g/m2、好ましくは2〜15g/m2、更に好ま
しくは3〜12g/m2が適当である。この中でゼラチ
ンとしては50%〜100%、好ましくは70%〜10
0%の割合で用いる。
【0067】感光材料には前記発色現像主薬の酸化体と
カップリング反応して色素を形成するカプラーを用い
る。その好ましい例としては、活性メチレン、5―ピラ
ゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、ナフトール、
ピロロトリアゾールと総称される化合物が挙げられる。
その具体例はリサーチ・ディスクロージャーNo.38
957号(1996年9月)616〜624ページに引
用されているものを好ましく用いることができる。特に
好ましい例としては、特開平8−110608号に記載
されているようなピラゾロアゾールカプラー、特開平8
−122994号、同9−218496号等に記載され
ているピロロトリアゾールカプラーが挙げられる。
【0068】これらのカプラーは、各色一般的には0.
05〜10mmol/m2、好ましくは0.1から5m
mol/m2用いる。また、発色色素の不要な吸収を補
正するためのカラードカプラー、現像主薬酸化体と反応
して写真的に有用な化合物、例えば現像抑制剤を放出す
る化合物(カプラーを含む)等も用いることができる。
【0069】感光材料は、通常3種以上の感色性の異な
る感光性層から構成される。各感光性層は少なくとも1
層のハロゲン化銀乳剤層を含むが、典型的な例として
は、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数
のハロゲン化銀乳剤層からなる。このとき、粒子投影径
の大きいハロゲン化銀粒子ほど、粒子投影径を粒子厚み
で除した所謂アスペクト比が大きい形状の粒子を用いる
ことが好ましい。該感光性層は青色光、緑色光、及び赤
色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多
層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に
単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、
緑感色性層、青感色性層の順に設置される。しかし、目
的に応じて上記設置順が逆であっても、また、同一感色
性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもと
りうる。感光層の膜厚の合計は一般に3〜25μm、好
ましくは5〜20μmである。
【0070】本発明においては、処理で脱色可能な油溶
性染料を用いた着色層として、イエローフィルター層、
マゼンタフィルター層、及びアンチハレーション層が用
いられうる。それにより、例えば感光層が支持体に最も
近い側から赤色感光層、緑色感光層、青色感光層の順に
設けられている場合は、青色感光層と緑色感光層の間に
イエローフィルター層、緑色感光層と赤色感光層の間に
マゼンタ色フィルター層、赤色感光層と支持体の間にシ
アン色フィルター層(アンチハレーション層)を設ける
ことができる。これらの着色層は乳剤層に直に接しても
よく、またゼラチン等の中間層を介して接するように配
置されていても良い。色素の使用量は、それぞれの層の
透過濃度が各々青、緑、赤光に対し、0.03〜3.
0、より好ましくは0.1〜1.0になるように用い
る。具体的には、色素のε及び分子量にもよるが0.0
05〜2.0ミリモル/m2用いれば良く、より好まし
くは0.05〜1.0ミリモル/m2である。
【0071】用いられる染料としては特開平10−20
7027号に記載の環状のケトメチレン化合物(例えば
2−ピラゾリン−5−オン、1,2,3,6−テトラヒ
ドロピリジン−2,6−ジオン、ロダニン、ヒダントイ
ン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオ
ン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツ
ール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、
ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジ
ヒドロフラン−2−オン、ピロリン−2−オン)または
電子吸引性基によって挟まれたメチレン基(例えば−C
N、−SO21、−COR1、−COOR1、CON(R
22、−SO2N(R22、−C〔=C(CN)2
1、−C〔=C(CN)2〕N(R12(R1はアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、環状アルキル基、複
素環基を表わし、R2は水素原子またはR1で挙げた基を
表わす)によって挟まれたメチレン基)を有する化合物
からなる酸性核、塩基性核(例えばピリジン、キノリ
ン、インドレニン、オキサゾール、イミダゾール、チア
ゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベ
ンゾチアゾール、オキサゾリン、ナフトオキサゾール、
ピロール)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル
基)及び複素環基(例えばピロール、インドール、フラ
ン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、インドリ
ジン、キノリン、カルバゾール、フェノチアジン、フェ
ノキサジン、インドリン、チアゾール、ピリジン、ピリ
ダジン、チアジアジン、ピラン、チオピラン、オキサジ
アゾール、ベンゾキノリン、チアジアゾール、ピロロチ
アゾール、ピロロピリダジン、テトラゾール、オキサゾ
ール、クマリン、クロマン)のうちの2種とメチン基か
らなる構造の化合物、或は(NC)2C=C(CN)−
3(R3はアリール基、複素環基)が好ましい)。
【0072】本発明の感光材料は一つの着色層に二つ以
上の染料を混合して用いてもよい。例えば上述のアンチ
ハレーション層にイエロー、マゼンタ、シアンの3種の
染料を混合して用いることもできる。
【0073】好ましくは消色性染料をオイル及び/また
は油溶性ポリマーに溶解させた油滴を親水性バインダー
中に分散させた状態で用いる。その調製法としては乳化
分散法が好ましく、例えば米国特許2,322,027
号記載の方法によることができる。この場合には米国特
許4,555,470号、同4,536,466号、同
4,587,206号、同4,555,476号、同
4,599,296号、特公平3−62256号等に記
載のような高沸点オイルを、必要に応じて沸点50℃〜
160℃の低沸点有機溶媒と併用して用いることができ
る。また、高沸点オイルは2種以上併用することができ
る。また、油溶性ポリマーをオイルの代わりに又は、併
用して用いることができるが、その例はPCT国際公開
番号WO88/00723号明細書に記載されている。
高沸点オイル及び/またはポリマーの量は、用いられる
染料1gに対して0.01g〜10g、好ましくは0.
1g〜5gを用いる。
【0074】また、染料をポリマーに溶解させる方法と
して、ラテックス分散法によることも可能であり、その
工程、含漬用のラテックスの具体例は、米国特許4,1
99,363号、西独特許出願(OLS)2,541,
274号、同第2,541,230号、特公昭53−4
1091号及び欧州特許公開第029104号等に記載
されている。
【0075】油滴を親水性バインダーに分散させる際に
は、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば特
開昭59−157,636号の37〜38ページ、公知
技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限会
社発行)136〜138ページに記載の界面活性剤を用
いることができる。また、特開平7−56267号、同
7−228589号、西ドイツ公開特許第932,29
9A号記載のリン酸エステル型界面活性剤も使用でき
る。
【0076】親水性バインダーとしては、水溶性ポリマ
ーが好ましい。例としてはゼラチン、ゼラチン誘導体の
蛋白質、またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴ
ム、デキストラン、プルラン等の多糖類のような天然化
合物とポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
アクリルアミド重合体等の合成高分子化合物が挙げられ
る。これら水溶性ポリマーは2種以上組み合わせて用い
ることもできる。特にゼラチンとの組み合わせが好まし
い。ゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチン、カルシウム等の含有量を減らした
いわゆる脱灰ゼラチンから選択すれば良く、組み合わせ
て用いることもできる。
【0077】染料は、消色剤の存在下にて処理時に消色
する。
【0078】消色剤としては、アルコールもしくはフェ
ノール類、アミンもしくはアニリン類、スルフィン酸類
もしくはその塩、亜硫酸もしくはその塩、チオ硫酸もし
くはその塩、カルボン酸類もしくはその塩、ヒドラジン
類、グアニジン類、アミノグアニジン類、アミジン類、
チオール類、環状または鎖状の活性メチレン化合物、環
状または鎖状の活性メチン化合物、及びこれら化合物か
ら生じるアニオン種等が挙げられる。
【0079】これらのうちで好ましく用いられるものは
ヒドロキシアミン類、スルフィン酸類、亜硫酸、グアニ
ジン類、アミノグアニジン類、ヘテロ環チオール類、環
状または鎖状の活性メチレン、活性メチン化合物類であ
り、特に好ましいのはグアニジン類、アミノグアニジン
類である。
【0080】上述の消色剤は処理時に染料と接触し、染
料分子に求核付加することにより、染料を消色させると
考えられる。好ましくは染料を含有するハロゲン化銀感
光材料を像様露光後または像様露光と同時に消色剤また
は消色剤プレカーサーを含有する処理部材と水の存在下
で膜面同士を重ね合わせて加熱し、その後両者を剥離す
ることにより、該ハロゲン化銀感光材料上に発色画像を
得ると共に染料を消色させる。この場合、消色後の染料
の濃度は、元の濃度の1/3以下、好ましくは1/5以
下である。消色剤の使用量は、染料の0.1倍から20
0倍モル、好ましくは0.5倍から100倍モルであ
る。
【0081】ハロゲン化銀及び発色現像主薬、カプラー
は同一感光層に含まれていても別層でも良い。また、感
光層以外にも保護層、下塗り層、中間層、及び上述した
黄色フィルター層、アンチハレーション層等非感光性層
を設けても良く、支持体の裏側にはバック層があっても
良い。感光層側の全塗布膜の膜厚は3〜25μm、好ま
しくは5〜20μmである。
【0082】感光材料には、種々の目的で硬膜剤、界面
活性剤、写真安定剤、帯電防止剤、滑り剤、マット剤、
ラッテクス、ホルマリンスカベンジャー、染料、UV吸
収剤等を用いることができる。これらの具体例は、前記
のリサーチ・ディスクロージャー及び特開平9−204
031号等に記載されている。なお、特に好ましい帯電
防止剤の例はZnO、TiO2、SnO2、Al23、I
23、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V25
の金属酸化物微粒子である。
【0083】感光材料の支持体としては、日本写真学会
編「写真工学の基礎―銀塩写真編」(株)コロナ社刊
(昭和54年)223〜240ページ記載の写真用支持
体が好ましい。具体的にはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シ
ンジオタクティックポリスチレン、セルロース類(例え
ばトリアセチルセルロース)等が挙げられる。
【0084】これらの支持体は光学的特性、物理的特性
を改良するために、熱処理(結晶化度や配向制御)、一
軸及び二軸延伸(配向制御)、各種ポリマーのブレン
ド、表面処理等を行うことができる。また、支持体とし
て、例えば、特開平4−124645号、同5−403
21号、同6−35092号、同6−31875号記載
の磁気記録層を有する支持体を用い、撮影情報等を記録
することが好ましい。
【0085】感光材料の支持体の裏面には、特開平8−
292514号に記載されているような耐水性のポリマ
ーを塗布することも好ましい。上記の磁気記録層を有す
る感材に特に好ましく用いられるポリエステル支持体に
ついては公開技報94−6023(発明協会;199
4.3.15)に詳細に記載されている。支持体の厚み
は5〜200μm、好ましくは40〜120μmであ
る。本発明の感光材料のISO感度としては、100以
上であることが好ましく、更に好ましくは400以上で
あり、特に好ましくは800以上である。
【0086】本発明においては撮影済み感光材料を現像
するのに感光材料とは別の処理材料を用いることが出来
る。処理材料は少なくとも塩基及び/または塩基プレカ
ーサーを含む。そのもっとも好ましいものは、EP21
0,660号、米国特許第4,740,445号に記載
されている水に難溶性の塩基性金属化合物及び、この塩
基性金属化合物を構成する金属イオンと水を媒体として
錯形成反応しうる化合物の組み合わせで塩基を発生させ
る方式である。この場合、水に難溶性の塩基性化合物は
感光材料に、錯形成化合物は処理材料に添加することが
好ましいが、逆も可能である。好ましい化合物の組み合
わせとしては、水酸化亜鉛の微粒子を感光材料に、ピコ
リン酸の塩、例えばピコリン酸グアニジンを処理材料に
用いる系である。
【0087】処理材料には媒染剤を用いても良く、この
場合、ポリマー媒染剤が好ましい。処理材料には、特開
平9−146246号に記載されているようにコロイド
銀や硫化パラジウムのような物理現像核、及びヒダント
インのようなハロゲン化銀溶剤を含ませておき、現像と
同時に感光材料のハロゲン化銀を可溶化し、処理材料に
固定化しても良い。処理材料にはこの他に現像停止剤、
プリントアウト防止剤などを含ませても良い。
【0088】処理材料には処理層以外にも保護層、下塗
り層、バック層その他の補助層があっても良い。処理材
料は連続ウェブに処理層がもうけられ、送り出しロール
から供給され処理に使用された後も裁断されることなく
別のロールに巻き取られる形態が好ましい。その例は特
開平9−127670号に記載されている。
【0089】処理材料の支持体は限定がなく、感光材料
で述べたようなプラスチックフイルム、または紙が用い
られる。厚みは4μm〜120μm、好ましくは6〜7
0μmである。特開平9−222690号に記載されて
いるような、アルミニウムを蒸着したフィルムも好まし
く用いることができる。
【0090】本発明ではカメラ等で撮影した感光材料を
現像する方法として、感光材料及び処理材料双方のバッ
ク層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の0.
1から1倍に相当する水の存在下で、感光材料と処理材
料を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合わせ、50
℃から100℃の温度で5秒から60秒間、好ましくは
5秒〜20秒加熱する方法が好ましく用いられる。
【0091】水の付与方法としては感光材料または処理
材料を水に浸積し、スクウィーズローラーで余分な水を
除去する方法がある。また、特開平10−26817号
に記載されているような、水を噴射する複数のノズル孔
が一定の間隔で感光材料または処理材料の搬送方向と交
差する方向に沿って直線状に並べられたノズルと前記ノ
ズルを搬送経路上の感光材料または処理材料に向かって
変位させるアクチュエータとを有する水塗布装置により
水を噴射する方法も好ましい。また、スポンジ等で水塗
布する方法も好ましい。
【0092】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱ローラ
ー、熱ドラム、赤外及び遠赤外線ランプ等を用いても良
い。
【0093】本発明においては、現像後に感光材料中に
残存するハロゲン化銀、及び現像銀を、更に除去するた
めの、別の漂白定着工程は必須ではない。しかし、画像
情報を読みとる負荷を軽減すること、及び画像保存性を
高めるため、定着工程及び/または漂白工程を設けても
良い。その場合、通常の液体処理によっても良いが、特
開平9−258402号に記載されているような処理剤
を塗布した別シートと共に加熱処理する工程によること
が好ましい。この場合の加熱温度は、現像処理工程同様
50℃から100℃であることが好ましく、現像処理工
程と同じ温度に設定することが特に好ましい。
【0094】本発明においては感光材料上に画像を得た
後、その情報に基づいて別の記録材料上にカラー画像を
得る。その方法としては、透過光の濃度測定によって画
像情報を光電的に読みとり、デジタル信号に変換し、画
像処理後その信号によって別の記録材料に出力する。出
力する材料は、ハロゲン化銀を用いた感光材料以外に、
昇華型感熱記録材料、フルカラー直接感熱記録材料、イ
ンクジェット材料、電子写真材料等でも良い。
【0095】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果を詳しく
説明するが、これに限定されるものではない。
【0096】実施例1 平均分子量15000のゼラチン0.74g及び臭化カ
リウム0.7gを含む蒸留水930mLを反応容器中に入
れ、40℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝
酸銀0.34gを含む水溶液30mLと臭化カリウム0.
24gを含む水溶液30mLとを20秒間で添加した。添
加終了後1分間40℃に保った後、反応溶液の温度を7
5℃に上昇させた。
【0097】ゼラチン27.0gを蒸留水200mLと共
に加えた後、硝酸銀23.36gを含む水溶液100mL
と臭化カリウム16.37gを含む水溶液80mLとを添
加流量を加速しながら36分間にわたって添加した。次
いで硝酸銀83.2gを含む水溶液250mLと沃化カリ
ウムを臭化カリウムとのモル比3:97で含む水溶液
(臭化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加速しな
がら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して
−20mVとなるように60分間で添加した。さらに硝
酸銀18.7gを含む水溶液75mLと臭化カリウムの2
1.9%水溶液とを10分間にわたって、かつ反応液の
銀電位が飽和カロメル電極に対して20mVとなるよう
に添加した。添加終了後1分間75℃に保った後、反応
液の温度を40℃に下降させた。次いで、p−沃化アセ
トアミドベンゼンスルホン酸ナトリウム一水塩10.5
gを含む水溶液100mLを添加し、反応液のpHを9.
0に調製した。次いで、亜硫酸ナトリウム4.3gを含
む水溶液50mLを添加した。添加終了後、40℃で3分
保った後、反応液の温度を55℃に昇温した。反応液の
pHを5.8に調製した後、ベンゼンチオスルフィン酸
ナトリウム0.8mg、ヘキサクロロイリジウム(IV)
酸カリウム0.04mg及び臭化カリウム5.5gを加
え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀44.3g
を含む水溶液180mLと臭化カリウム34.0g及びヘ
キサシアノ鉄(II)酸カリウム8.9mgを含む水溶液
160mLとを30分間にわたって添加した。温度を下
げ、定法に従って脱塩を行った。脱塩終了後、ゼラチン
を7質量%となるように添加し、pHを6.2に調整し
た。得られた乳剤は球相当の直径で表した平均粒子サイ
ズ1.29μm、平均粒子厚み0.27μm、粒子投影
径を粒子厚みで除した比であるアスペクト比の平均値
(平均アスペクト比)が8.5の六角平板状粒子よりな
る乳剤であった。この乳剤を乳剤A−1とした。
【0098】乳剤A−1と同様の調製法で粒子形状を変
え、球相当の直径で表した平均粒子サイズ0.75μ
m、平均粒子厚み0.18μm、平均アスペクト比が
6.9の六角平板状粒子よりなる乳剤をA−2とし、球
相当の直径で表した平均粒子サイズ0.52μm、平均
粒子厚み0.18μm、平均アスペクト比4.0の六角
平板状粒子よりなる乳剤をA−3とし、更に球相当の直
径で表した平均粒子サイズ0.44μm、平均粒子厚み
0.18μm、平均アスペクト比3.1の六角平板状粒
子よりなる乳剤をA−4として各々の乳剤を調製した。
ただし、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム及び
及びヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの添加量は粒子体
積に反比例させて、p−沃化アセトアミドベンゼンスル
ホン酸ナトリウム一水塩の添加量は粒子の周長に比例さ
せて変化させた。
【0099】次に、平均分子量15000のゼラチン
0.37g、酸化処理ゼラチン0.37g及び臭化カリ
ウム0.7gを含む蒸留水930mLを反応容器中に入
れ、40℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝
酸銀0.34gを含む水溶液30mLと臭化カリウム0.
24gを含む水溶液30mLとを20秒間で添加し000
00了後1分間40℃に保った後、反応溶液の温度を7
5℃に上昇させた−アミノ基をトリメリト酸で修飾した
ゼラチン27.0gを蒸留水200mLと共に加えた後、
硝酸銀23.36gを含む水溶液100mLと臭化カリウ
ム16.37gを含む水溶液80mLとを添加流量を加速
しながら36分間にわたって添加した。次いで硝酸銀8
3.2gを含む水溶液250mLと沃化カリウムを臭化カ
リウムとのモル比3:97で含む水溶液(臭化カリウム
の濃度26%)とを添加流量を加速しながら、かつ反応
液の銀電位が飽和カロメル電極に対して−50mVとな
るように60分間で添加した。さらに硝酸銀18.7g
を含む水溶液75mLと臭化カリウムの21.9%水溶液
とを10分間にわたって、かつ反応液の銀電位が飽和カ
ロメル電極に対して0mVとなるように添加した。添加
終了後1分間75℃に保った後、反応液の温度を40℃
に下降させた。次いで、p−沃化アセトアミドベンゼン
スルホン酸ナトリウム一水塩10.5gを含む水溶液1
00mLを添加し、反応液のpHを9.0に調製した。次
いで、亜硫酸ナトリウム4.3gを含む水溶液50mLを
添加した。添加終了後、40℃で3分保った後、反応液
の温度を55℃に昇温した。反応液のpHを5.8に調
製した後、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム0.8
mg、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム0.0
4mg及び臭化カリウム5.5gを加え、55℃で1分
間保った後、さらに硝酸銀44.3gを含む水溶液18
0mLと臭化カリウム34.0g及びヘキサシアノ鉄(I
I)酸カリウム8.9mgを含む水溶液160mLとを3
0分間にわたって添加した。温度を下げ、定法に従って
脱塩を行った。脱塩終了後、ゼラチンを7質量%となる
ように添加し、pHを6.2に調整した。
【0100】得られた乳剤は球相当の直径で表した平均
粒子サイズ1.29μm、平均粒子厚み0.13μm、
平均アスペクト比が25.4の六角平板状粒子よりなる
乳剤であった。この乳剤を乳剤A−5とした。
【0101】乳剤A−5と同様の調製法で粒子形状を変
え、球相当の直径で表した平均粒子サイズ0.75μ
m、平均粒子厚み0.11μm、平均アスペクト比が1
4.0の六角平板状粒子よりなる乳剤をA−6とし、球
相当の直径で表した平均粒子サイズ0.52μm、平均
粒子厚み0.09μm、平均アスペクト比11.3の六
角平板状粒子よりなる乳剤をA−7とし、更に球相当の
直径で表した平均粒子サイズ0.44μm、平均粒子厚
み0.07μm、平均アスペクト比10.5の六角平板
状粒子よりなる乳剤をA−8とし各々の乳剤を調製し
た。
【0102】ただし、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸
カリウム及び及びヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの添
加量は粒子体積に反比例させて、p−沃化アセトアミド
ベンゼンスルホン酸ナトリウム一水塩の添加量は粒子の
周長に比例させて変化させた。
【0103】乳剤A−1に、40℃で沃化カリウム1%
水溶液を5.6mL添加してから、下記の分光増感色素を
6.1×10-4mol、化合物1、チオシアン酸カリウ
ム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム及びモノ(ペンタフ
ルオロフェニル)ジフェニルホスフィンセレニドを添加
して分光増感及び化学増感を施した。化学増感終了後、
安定剤Sを1.2×10-4mol添加した。このとき、
化学増感剤の量は乳剤の化学増感の程度が最適になるよ
うに調節した。ここで、化学増感の程度が最適とは、感
度が最も高くなることをいう。
【0104】
【化9】
【0105】こうして調製した青感性乳剤をA−1bと
した。同様に、各乳剤に分光増感及び化学増感を施し、
乳剤A−2b、A−3b、A−4b、A−5b及びA−
6bを調製した。ただし、分光増感色素の添加量は各乳
剤中のハロゲン化銀粒子の表面積に応じて変化させた。
また、化学増感に用いる各薬品量も、各乳剤の化学増感
の程度が最適になるように調節した。
【0106】同様に、分光増感色素を変えることで緑感
性乳剤A−1g、A−2g、A−3g、A−4g、A−
5g、A−6g、A−7g及びA−8g、赤感性乳剤A
−1r、A−2r、A−3r、A−4r、A−5r、A
−6r、A−7r及びA−8rを調製した。
【0107】
【化10】
【0108】
【化11】
【0109】次に塩基プレカーサーとして用いる水酸化
亜鉛の分散物を調製した。一次粒子の粒子サイズが0.
2μmの水酸化亜鉛の粉末31g、分散剤としてカルボ
キシメチルセルロース1.6g及びポリアクリル酸ソー
ダ0.4g、石灰処理オセインゼラチン8.5g、水1
58.5mLを混合し、この混合物をガラスビーズを用い
たミルで1時間分散した。分散後、ガラスビーズを濾別
し、水酸化亜鉛の分散物188gを得た。
【0110】さらに、カプラー及び内蔵現像主薬を含有
する乳化分散物を調製した。イエローカプラー(a)
8.95g、現像主薬(b)7.26g、比較化合物
(c−1)1.47g、被り防止剤(d)0.17g、
(e)0.28g、高沸点有機溶媒(f)18.29g
及び酢酸エチル50.0mLを60℃で溶解した。石灰処
理ゼラチン18.0g及びドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム0.8gを溶解した水溶液200g中に先の
溶液を混合し、ディゾルバー攪拌機を用いて10000
回転で20分間かけて乳化分散した。分散後、全量が3
00gとなるように蒸留水を加え、2000回転で10
分間混合した。
【0111】
【化12】
【0112】
【化13】
【0113】次いで、同様にマゼンタカプラー及びシア
ンカプラーの分散物も調製した。マゼンタカプラー
(g)7.65g、(h)1.12g、現像主薬(i)
8.13g、比較化合物(c−1)1.05g、被り防
止剤(d)0.11g、高沸点有機溶媒(j)7.52
g及び酢酸エチル38.0mLを60℃で溶解した。石灰
処理ゼラチン12.2g及びドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.8gを溶解した水溶液150g中に先
の溶液を混合し、ディゾルバー攪拌機を用いて1000
0回転で20分間かけて乳化分散した。分散後、全量が
300gとなるように蒸留水を加え、2000回転で1
0分間混合した。
【0114】シアンカプラー(k)10.78g、現像
主薬(i)8.23g、比較化合物(c−1)1.06
g、被り防止剤(d)0.15g、高沸点有機溶媒
(j)8.27g及び酢酸エチル38.0mLを60℃で
溶解した。石灰処理ゼラチン12.2g及びドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.8gを溶解した水溶液
150g中に先の溶液を混合し、ディゾルバー攪拌機を
用いて10000回転で20分間かけて乳化分散した。
分散後、全量が300gとなるように蒸留水を加え、2
000回転で10分間混合した。
【0115】
【化14】
【0116】さらに、フィルター層及びハレーション防
止層として中間層を着色するための染料の分散物も同様
に調製した。各染料と、それを分散するのに用いた高沸
点有機溶媒とを下記に示す。
【0117】
【化15】
【0118】
【化16】
【0119】これらの分散物と、先に調製したハロゲン
化銀乳剤を組み合わせて表1の組成で支持体上に塗布
し、試料101〜109の多層カラーネガ感光材料を作
成した。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
【化17】
【0128】さらに、表6及び表7に示すような処理材
料P−1及びP−2を作成した。
【0129】
【表8】
【0130】
【表9】
【0131】
【化18】
【0132】
【化19】
【0133】これらの感光材料から試料片を切り出し、
光学楔を介して200luxで1/100秒の露光を施
した。露光後の感光材料の表面に40℃の温水を15mL
/m2付与し、処理材料P−1と互いの膜面どうしを重
ね合わせた後、ヒートドラムを用いて83℃で熱現像し
た。この熱現像の現像処理時間は15秒である。感光材
料の現像後、P−1を剥離した感光材料表面に10mL/
2の水を塗布し、処理材料P−2と貼り合わせ、さら
に50℃で30秒加熱した。
【0134】熱現像後に得られた発色試料から透過濃度
を測定し、ISO感度を求めた。本発明で用いられるI
SO感度Sは、ANSI(American National Standar
d)PH2.27(1988)「スチル写真に用いられるカラーネ
ガフィルムのISO感度決定」に従い決定された。
【0135】ISO感度の値は処理剤、時間、温度、攪
拌、処理装置、処理プロセス等に依存するため、ISO
感度の絶対値を求めるには上記の規格の他に処理方法を
細かく規定したものが別に必要である。本発明では、感
材と処理プロセスを一つのセットとして扱うことでIS
O感度を規定した。ISO感度は、これらの感材を実際
に処理するときに使用する処方に従って現像処理を行
い、その他の条件は上記ANSI PH2.27の規定に従
って測定された。
【0136】また、試料101〜109をix240で
決められた形態で加工し、このix240カートリッジ
入りのハロゲン化銀カラーネガ感光材料から、更にレン
ズ付きフィルムの形態に加工した。この加工仕様は、富
士写真フイルム(株)製「写ルンですスーパースリム」
と同様のものとした。
【0137】テスト感材を詰めた該レンズ付きフィルム
を各試料あたり1本ずつ作製した。これらを用い、マク
ベスカラーチェッカーチャートの入った被写体及び解像
力チャートをノーマル条件にて撮影した。各々の試料に
つき、上記ISO感度を求めた時と同様に熱現像83℃
15秒処理を行った。
【0138】該処理済みフィルムを富士写真フイルム
(株)製デジタルカラープリンター「フロンティア」を
用い、フジカラーディジタルペーパーにプリント出力し
た。これらのプリントサンプルについて、無作為に選ん
だ10人の評価者によって鮮鋭度の視覚評価を実施し
た。評価は5段階評価とし(満足度の高い方から5
点)、鮮鋭度評価点とした。
【0139】また、フロンティアのスキャナーで読みと
った各画像データ中にあるマクベスチェッカーチャート
のグレー部分6段のB、G、Rの3つの信号を用い、パ
ソコンを使って、チャートの濃度をオリジナルに合致さ
せる処理を行った。その上で、画像信号を8ビットに変
換し、各画素濃度を1〜255で表し、各々のパッチ中
の濃度変動をRMSとして計算しRMS粒状度とした。
該RMS粒状度を各々の画像に対して、マクベスグレー
の6段のパッチ全部について求め、これらを平均した平
均値として表した。これが、撮像装置で読み取り、ディ
ジタル画像処理を施した後の粒状度を表すものである。
この数値が小さい方が粒状性に優れることを意味する。
【0140】
【表10】
【0141】本発明の化合物は主に銀現像を行うもので
あるが、この種の化合物が無い場合には感度は著しく低
く、画質、特に鮮鋭度も著しく劣るものである(試料1
09)。
【0142】銀現像主薬として公知のc−1やc−2を
用いた試料は感度、粒状度、鮮鋭度共に不十分なもので
あった(試料101、試料104)が、これに対して本
発明の化合物D−2、D−4、D−7を用いた試料は感
度も高く、粒状度、鮮鋭度共に優れることが分かる(試
料102、試料103、試料105〜107)。
【0143】特にハロゲン化銀乳剤として平均アスペク
ト比が9以上の高アスペクト比粒子からなるA−5〜8
を用いた試料でこの効果が顕著であった。
【0144】
【発明の効果】本発明によれば、高感度で且つ粒状性、
鮮鋭度に優れ、迅速処理が可能なハロゲン化銀写真感光
材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 7/46 G03C 7/46 // C07C 311/21 C07C 311/21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物を含
    むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、Xは水素原子、ハロゲン原子を表す。R1は炭素
    数2〜4のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜4のア
    ルキル基を表し、且つR1、R2の炭素数の合計が3〜5
    であり、さらに、(R1の炭素数)−(R2の炭素数)が
    −1〜3の間にある。Lは−NR’CO−基、−NR’
    SO2−基、−CONR’−基、−SO2NR’−基、−
    COO−基から選ばれた基を表し、ここで、R’は水素
    原子又はメチル基を表す。ただし、各々の基の右側の結
    合手でR2と結合する。さらにR3、R4、R5、R6及び
    R7はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子または炭素数4
    以下のアルキル基を表し、且つR3、R4、R5、R6及び
    R7の炭素数の合計が5以下である。ただし、前記アル
    キル基には、直鎖、分岐及び環状アルキル基が含まれ、
    置換基を有していてもよい。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表される化合物が下
    記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1の
    ハロゲン化銀写真感光材料。 【化2】 式中、R1は炭素数2〜4のアルキル基を表し、R2は炭
    素数1〜4のアルキル基を表し、且つR1とR2の炭素数
    の関係が、R1≧R2であり、且つR1、R2の炭素数の合
    計が3〜5である。ただし、前記アルキル基には、直
    鎖、分岐及び環状アルキル基が含まれ、置換基を有して
    いてもよい。
  3. 【請求項3】 請求項1または2におけるハロゲン化銀
    写真感光材料がISO感度が400以上の現像主薬内蔵
    型撮影用感光材料であることを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料。
  4. 【請求項4】 該感光材料中に、平均アスペクト比9な
    いし50で規定されるハロゲン化銀平板乳剤を含むハロ
    ゲン化銀乳剤層を有する、請求項1から3のいずれか1
    項のハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項で規定
    されるハロゲン化銀写真感光材料と、支持体上に少なく
    とも塩基及び/又は塩基プレカーサーを含む処理層を有
    する処理部材を用い、該感光材料を像様露光した後、該
    感光材料と該処理部材のバック層を除く全塗布膜を最大
    膨潤させるのに要する量の0.1から1倍に相当する水を
    該感光材料及び/又は該処理部材に与えた後、該感光材
    料と該処理部材を感光層と処理層が向かい合う形で重ね
    合わせ、これを50℃ないし100℃の温度で5秒から
    60秒間加熱して画像を形成することを特徴とする画像
    形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010077082A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Fujifilm Corp ハロピラジンカルボキサミド化合物の製造方法

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