JP2000305227A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたカラー画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたカラー画像形成方法

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JP2000305227A
JP2000305227A JP11118297A JP11829799A JP2000305227A JP 2000305227 A JP2000305227 A JP 2000305227A JP 11118297 A JP11118297 A JP 11118297A JP 11829799 A JP11829799 A JP 11829799A JP 2000305227 A JP2000305227 A JP 2000305227A
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Jun Arakawa
純 荒河
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像主薬を内蔵し、高温現像によって簡易迅
速化した処理方式において、色濁りを改良し、特に広く
普及している光学プリント方式での色再現を実質的に可
能にする。 【解決手段】 支持体上にハロゲン化銀粒子と現像主薬
及び該現像主薬の酸化体と反応して色素画像を形成する
カプラーを内蔵し、且つ層間色補正手段を有するハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料を、50℃以上の温度で現像
処理した後、漂白処理工程または漂白定着処理工程を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高感度で高画質、
特に色再現に優れたカラー画像を、高価な設備投資を行
うことなしに簡易迅速に提供するものである。
【従来の技術】ハロゲン化銀を利用した写真感光材料は
近年ますます発展し、現在では簡易に高画質のカラー画
像を入手することが可能となっている。例えば通常カラ
ー写真と呼ばれる方式ではカラーネガフィルムを用いて
撮影を行い、現像後のカラーネガフィルムに記録された
画像情報を光学的にカラー印画紙に焼き付けることでカ
ラープリントを得る。近年ではこのプロセスは高度に発
達し、大量のカラープリントを高効率で生産する大規模
な集中拠点であるカラーラボあるいは店舗に設置された
小型、簡易のプリンタプロセッサであるいわゆるミニラ
ボの普及により誰でもがカラー写真を手軽に楽しめるよ
うになっている。
【0002】現在普及しているカラー写真の原理は、通
常、減色法による色再現を用いた光学プリント方式を採
用している。例えば一般的なカラーネガでは透過支持体
上に青、緑、そして赤色領域に感光性を付与した感光素
子であるハロゲン化銀乳剤を用いた感光性層を設け、そ
れらの感光性層中には各々が補色となる色相であるイエ
ロー、マゼンタそしてシアンの色素を形成するいわゆる
カラーカプラーを組合せて含有させてある。撮影により
像様の露光を施されたカラーネガフィルムは芳香族第一
級アミン現像主薬を含有するカラー現像液中で現像され
る。この時、感光したハロゲン化銀粒子は現像主薬によ
って現像すなわち還元され、同時に生成する現像主薬の
酸化体と上記のカラーカプラーのカップリング反応によ
って各色素が形成される。現像によって生じた金属銀
(現像銀)と、未反応のハロゲン化銀とをそれぞれ漂白
および定着処理によって取り除くことで色素画像を得
る。同様な感光波長領域と発色色相の組合せを有する感
光性層を反射支持体上に塗設したカラー感光材料である
カラー印画紙に現像処理後のカラーネガフィルムを通し
て光学的な露光を与え、これも同様の発色現像と漂白、
定着処理とを施すことでオリジナルの光景を再現した、
色素画像よりなるカラープリントを得ることができる。
こうした古典的な画像形成方式に対して、最近ではカ
ラーネガに記録された画像情報をスキャナによってデジ
タル情報に変換し、これに様々な画像処理を施すことに
よって得られるプリントの画質を高めることも可能にな
ってきている。現実に、この技術を搭載したミニラボシ
ステムも実用化されている。 こうした状況下で、カラ
ー撮影材料の画像形成方法に対して、その簡易性を高め
る要求がますます強くなりつつある。第一には上述した
発色現像処理過程は、その組成や温度を精密に制御する
必要があり、専門的な知識と熟練した操作を必要とす
る。第二に、発色現像主薬などは環境的にその排出の規
制が必要な物質が含有されており、現像機器類の設置に
は専用の設備を必要とする場合が多い。第三に、近年の
技術開発によって短縮されたとはいえ、これらの現像処
理には時間を要し、迅速に記録画像を再現する要求に対
しては未だ不十分といわざるを得ない。
【0003】こうした背景から、現存のカラー画像形成
システムにおいて用いられている発色現像主薬を現像液
中で使用しないシステムを構築することで環境上の負荷
を軽減し、簡易性を改良することへの要求はますます高
まりつつある。電子スチルカメラなどのシステムに対抗
するためにも、処理液を用いる画像形成方法を限りなく
簡易に改良して行くことが必須となってきている。発色
現像主薬を含む処理液の不要なシステムとして、富士写
真フイルム株式会社よりピクトログラフィーシステムが
提供されている。このシステムは、塩基プレカーサーを
含有する感光部材に少量の水を供給し、受像部材と重ね
合わせ、加熱することで現像反応を生じさせている。こ
の方式は、先に述べた処理浴を用いない点で環境上有利
である。したがって、このシステムを撮影用感光材料の
画像形成に利用することがまず考えられる。その例とし
て、感光材料に内蔵させた現像主薬とカプラーより感光
材料中に発色画像を得る方法が特開平9−10506
号、欧州特許762,201号に述べられている。
【0004】このピクトログラフィーシステムを用いる
と、現像液を使用する必要はなく、少量の水を供給する
だけで現像を行うことが可能となる。このシステムは、
熱現像を進行させるのに必要な塩基の発生を、上記のよ
うな簡便な方法で実現したものである。また、このよう
に感材中にカプラーと共存させる形で現像主薬を内蔵さ
せ、加熱によって現像を進める方式では従来の現像処理
時間を1/5から1/20と大幅に短縮できるというメ
リットを有していることが知られていた。このような世
の趨勢である簡易迅速処理を実現するためには、現像主
薬を感光材料中に内蔵し、塩基を発生させたり、外部か
ら塩基を供給したり、加熱したりすることでカップリン
グ反応を起こさせる方法が有効であるとは従来から知ら
れたことであり様々な試みがなされて来ている。このよ
うに現像主薬を感材中に内蔵し、且つ加熱する現像方式
が簡易迅速化に大変有用であるが、この方式にはいくつ
かの問題点があった。問題点の第一は、熱現像で発色色
素像が形成されるが、この中にはハロゲン化銀が残存す
るため、プリントを行う際、特に光学プリントを行うと
ハロゲン化銀の光散乱により像が滲んでしまうという点
である。これに対しては、特開平9−258402号等
に開示されているように、感光材料から処理浴に除去す
る必要はなく、読み取り時に画質劣化を引き起こさない
ように、熱現像に続く付加的な処理により、ハロゲン化
銀の一部あるいは全部を溶解してヘイズ等の光散乱を除
去すれば良いことが開示されている。熱現像後のこの付
加的な工程においてはハロゲン化銀の一部あるいは全部
を溶解するために、第二の処理部材中から従来より知ら
れている定着剤やハロゲン化銀の溶剤を拡散させて行わ
れる。光散乱によるプリント画質の劣化については上記
方法で基本的には解決されるが、第二の問題点として、
イメージワイズに形成された現像銀像が残存することに
よる色濁りがクローズアップしてきた。前記の特開平9
−258402号においても、この現像銀の一部を溶解
する方法も併せて開示されているが、補助的であり完全
なものではなかった。処理後の撮影感材を光電的に読み
取り、ディジタル処理を施してプリントする方式では、
この色濁りはある程度補正することが容易であり、上記
の補助的な現像銀の溶解で充分であったが、一般に広く
普及している従来の光学プリント方式においてはこの色
濁りは致命的なものであることが明らかになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現像主薬を内蔵し、高
温現像によって簡易迅速化した処理方式において、色濁
りを改良し、特に広く普及している光学プリント方式で
の色再現を実質的に可能にするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は以下の方法に
より解決された。即ち、 (1)支持体上にハロゲン化銀粒子と現像主薬及び該現
像主薬の酸化体と反応して色素画像を形成するカプラー
を内蔵し、且つ層間色補正手段を有するハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料を、50℃以上の温度で現像処理した
後、漂白又は漂白定着工程を施すことによる。(2)上
記ハロゲン化銀カラー写真感光材料が、層間色補正手段
として下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも
1種を含有することを特徴とする。 一般式(I) A−{(L1a−(B)mp−(L2n−CCG 式中、Aは現像主薬の酸化体と反応して、{(L1a
(B)mp−(L2n−CCGを開裂する基を表し、L
1は一般式(I)で示されるL1の左側の結合が開裂した
後、右側の結合((B)mとの結合)が開裂する基を表
し、Bは現像主薬の酸化体と反応して、一般式(I)で示
されるBの右側の結合が開裂する基を表し、L2は一般
式(I)で示されるL2の左側の結合が開裂した後、右側
の結合(CCGとの結合)が開裂する基を表し、CCG
は層間色補正基を表し、a、mおよびnは各々0または
1を表し、pは0ないし2の整数を表す。ここでpが2
のとき、2個の{(L1a−(B)m}は各々同じも
の、または異なるものを表す。 (3)上記で規定されるカラー画像形成方法において、
ハロゲン化銀カラー写真感光材料と、支持体上に少なく
とも塩基及び/又は塩基プレカーサーを含む処理層を有
する処理部材を用い、該感光材料を像様露光した後、該
感光材料と該処理部材のバック層を除く全塗布膜を最大
膨潤させるのに要する量の0.1から1倍に相当する水を
該感光材料および/又は該処理部材に与えた後、該感光
材料と該処理部材を感光層と処理層が向かい合う形で重
ね合わせ、これを50℃ないし100℃の温度で5秒か
ら60秒間加熱することで現像処理を行う。 (4)上記で得られるカラー画像を通過させた透過光又
は反射光を用いた光学式プリント方式、もしくは撮像装
置を用いて該画像を読み取った後実質的にディジタル画
像処理を施すことなしにプリント画像を形成させる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に一般式(I)で表される化
合物について詳細に説明する。一般式(I)においてA
は詳しくはカプラー残基、もしくは酸化還元基を表す。
一般式(I)においてAがカプラー残基を表すとき、カ
プラー残基としては、例えばピバロイルアセトアニリド
型、ベンゾイルアセトアニリド型、マロンジエステル
型、マロンジアミド型、ジベンゾイルメタン型、ベンゾ
チアゾリルアセトアミド型、マロンエステルモノアミド
型、ベンゾオキサゾリルアセトアミド型、ベンゾイミダ
ゾリルアセトアミド型またはシクロアルカノイルアセト
アミド型のカプラー残基が挙げられる。さらに米国特許
5021332号、同5021330号または欧州特許
421221A号に記載のカプラー残基であってもよ
い。また、例えば5−ピラゾロン型、ピラゾロベンズイ
ミダゾール型、ピラゾロトリアゾール型、ピラゾロイミ
ダゾール型またはシアノアセトフェノン型のカプラー残
基、その他フェノール型またはナフトール型のカプラー
残基等が挙げられる。さらに米国特許4746602
号、欧州特許第249453A号に記載のカプラー残基
であってもよい。さらにAは実質的に色画像を残さない
カプラー残基であってもよい。この型のカプラー残基と
しては、例えばインダノン型、アセトフェノン型等のカ
プラー残基、欧州特許443530A号または同444
501A号に記載の溶出型のカプラー残基が挙げられ
る。Aとしては、具体的には後述のカプラーの残基を用
いることができる。
【0008】一般式(I)においてAが酸化還元基を表
すとき、酸化還元基とは、現像主薬の酸化体によりクロ
ス酸化され得る基であり、例えばハイドロキノン類、カ
テコール類、ピロガロール類、1,4−ナフトハイドロ
キノン類、1,2−ナフトハイドロキノン類、スルホン
アミドフェノール類、ヒドラジド類またはスルホンアミ
ドナフトール類が挙げられる。これらの基は具体的には
例えば特開昭61−230135号、同62−2517
46号、同61−278852号、米国特許第3,36
4,022号、同3,379,529号、同3,63
9,417号、同4,684,604号またはJ.Or
g.Chem.,29,588(1964)に記載され
ているものである。
【0009】一般式(I)においてL1およびL2で表さ
れる連結基は、例えば米国特許第4,146,396
号、同4,652,516号または同4,698,29
7号に記載のあるヘミアセタールの開裂反応を利用する
基、米国特許第4,248,962号、同4,857,
440号または同4,847,185号に記載のある分
子内求核反応を利用して開裂反応を起こさせるタイミン
グ基、米国特許第4,409,323号もしくは同4,
421,845号に記載のある電子移動反応を利用して
開裂反応を起こさせるタイミング基、米国特許第4,5
46,073号に記載のあるイミノケタールの加水分解
反応を利用して開裂反応を起こさせる基、または西独公
開特許第2,626,317号に記載のあるエステルの
加水分解反応を利用して開裂反応を起こさせる基が挙げ
られる。L1およびL2はそれに含まれるヘテロ原子、好
ましくは酸素原子、硫黄原子または窒素原子において、
各々AまたはA−(L1a−(B)m 等と結合する。
【0010】一般式(I)においてBで表される基はA
−(L1aより開裂した後、酸化還元基となる基または
カプラーとなる基であり、それらは前記のAについて説
明したものと同じものを表す。Bで表される基は現像主
薬の酸化体と反応して離脱する基(即ち、一般式(I)
においてBの右側に結合する基)を有する。Bで示され
る基は、例えば米国特許第4,824,772号におい
てBで表される基、米国特許第4,438,193号に
おいてCOUP(B)で表される基、または米国特許第
4,618,571号においてREDで表される基が挙
げられる。Bはそれに含まれるヘテロ原子、好ましくは
酸素原子または窒素原子において、A−(L1aと結合
するのが好ましい。
【0011】一般式(I)においてCCGで表される層
間色補正基には、他層に拡散して他層を現像抑制する現
像抑制剤、現像主薬酸化体スカベンジャーとなり得る
基、またはそれらの前駆体がある。また、他層の発色を
補償するべくイメージワイズに消色するような色素、例
えばカラードカプラーの色素などもこのような層間色補
正基と言うことが出来る。CCGの具体例としては従来
知られているものが有用である。例えば米国特許第4,
248,962号、同4,409,323号、同4,4
38,193号、同4,421,845号、同4,61
8,571号、同4,652,516号、同4,86
1,701号、同4,782,012号、同4,85
7,440号、同4,847,185号、同4,47
7,563号、同4,438,193号、同4,62
8,024号、同4,618,571号、同4,74
1,994号、ヨーロッパ公開特許第193389A
号、同348139A号または同272573A号に記
載のものが挙げられる。 CCGとして好ましくは現像
抑制剤が用いられる。
【0012】CCGが現像抑制剤となり得る基を表すと
き、ヘテロ環チオ基または含窒素ヘテロ環基が挙げられ
る。これらのヘテロ環基の部分は、炭素数が好ましくは
1〜4の、ヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子ま
たは硫黄原子)を少なくとも1個以上含み、好ましくは
5員環の、飽和もしくは不飽和の、置換もしくは無置換
の、ヘテロ環基である。好ましくは、テトラゾリルチ
オ、チアジアゾリルチオ、オキサジアゾリルチオ、トリ
アゾリルチオ、イミダゾリルチオ、ベンズイミダゾリル
チオ、ベンズチアゾリルチオ、ベンゾトリアゾリル、
1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、またはテトラゾリル等が挙げられる。これらの現像
抑制剤となり得る基は、置換もしくは無置換のものが含
まれる。置換基を有するときには、好ましい置換基とし
てはアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アルキル基、ニトロ基、アリール基、ハロゲン原
子、ヒドロキシル基、アシルアミノ基、またはアルコキ
シ基が挙げられる。
【0013】CCGが色素となり得る基を表すとき、助
色団(または発色団)において結合している場合または
そうでない場合のいずれであってもよい。前者において
は現像処理時CCGとして開裂したときに目的とする色
相となり、それが色素として利用される。後者において
は、一般式(I)で表されるカプラー自体が目的とする
色相を有し、現像処理時CCGとして開裂することによ
り、写真層から流出(もしくは脱色)するものが好まし
い例である。色素としてはアゾ系色素、アゾメチン系色
素、キノン系色素、またはベンジリデン系色素が有用で
ある。好ましくは下記の例が挙げられる。 −V−R7−N=N−R8 式中、Vは酸素原子、硫黄原子またはイミノ基(−NR
9−;R9はアルキル基またはアリール基)を表し、R7
はアリーレン基または2価の不飽和複素環基を表し、R
8はアリール基または不飽和複素環基を表す。
【0014】次に一般式(I)において、CCGが現像
抑制剤となり得る基であるときの、かかる現像抑制剤に
ついて詳細に説明する。現像抑制剤としては、例えばリ
サーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)
誌(以下、「RD」と略記する)76巻、No.176
43、(1978年12月)、米国特許第4,477,
563号、同5,021,332号、同5,026,6
28号、同3,227,554号、同3,384,65
7号、同3,615,506号、同3,617,291
号、同3,733,201号、同3,933,500
号、同3,958,993号、同3,961,959
号、同4,149,886号、同4,259,437
号、同4,095,984号、同4,782,012
号、英国特許第1450479号または同503431
1号に記載されている現像抑制剤が含まれる。好ましく
はヘテロ環チオ基、ヘテロ環セレノ基またはトリアゾリ
ル基(単環もしくは縮合環の1,2,3−トリアゾリル
もしくは1,2,4−トリアゾリル)のものであり、特
に好ましくはテトラゾリルチオ、テトラゾリルセレノ、
1,3,4−オキサジアゾリルチオ、1,3,4−チア
ジアゾリルチオ、1−(または2−)ベンゾトリアゾリ
ル、1,2,4−トリアゾール−1−(または4−)イ
ル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、2−ベンゾ
チアゾリルチオ、2−ベンゾオキサゾリルチオ、2−ベ
ンゾイミダゾリルチオおよびこれらの誘導体が含まれ
る。好ましい現像抑制剤は下記一般式DI−1〜DI−
6で示される。
【0015】
【化1】
【0016】式中R11はハロゲン原子(例えばブロム原
子、クロル原子)、アルコキシカルボニル基(炭素数2
〜20、好ましくは2〜10;例えばメトキシカルボニ
ル、イソアミルオキシカルボニルメトキシ)、アシルア
ミノ基(炭素数2〜20、好ましくは2〜10;例えば
ヘキサンアミド、ベンズアミド)、カルバモイル基(炭
素数1〜20、好ましくは1〜10;例えばN−ブチル
カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メ
シルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数1〜2
0、好ましくは1〜10;例えばN−ブチルスルファモ
イル)、アルコキシ基(炭素数1〜20、好ましくは1
〜10;例えばメトキシ、ベンジルオキシ)、アリール
オキシ基(炭素数6〜10、好ましくは6〜8;例えば
フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシ)、
アリールオキシカルボニル基(炭素数7〜21、好まし
くは7〜11;例えばフェノキシカルボニル)、アルコ
キシカルボニルアミノ基(炭素数1〜20、好ましくは
1〜10;例えばエトキシカルボニルアミノ)、シアノ
基、ニトロ基、アルキルチオ基(炭素数1〜20、好ま
しくは1〜10;例えばメチルチオ、ヘキシルチオ)、
ウレイド基(炭素数1〜20、好ましくは1〜10;例
えばN−フェニルウレイド)、アリール基(炭素数6〜
10;例えばフェニル、ナフチル、4−メトキシフェニ
ル)、複素環基(炭素数1〜10、ヘテロ原子(例え
ば、窒素原子、酸素原子または硫黄原子)を少なくとも
1個以上含み、3〜12、好ましくは5もしくは6員環
の、単環もしくは縮合環の;例えば2−ピリジル、1−
ピロリル、モルホリノ、インドリル)、アルキル基(炭
素数1〜20、好ましくは1〜10の、直鎖、分岐また
は環状の、飽和または不飽和の;例えばメチル、エチ
ル、ブトキシカルボニルメチル、4−メトキシベンジ
ル、ベンジル)、アシル基(炭素数1〜20、好ましく
は2〜10;例えばアセチル、ベンゾイル)、アリール
チオ基(炭素数6〜10、好ましくは6〜8;例えばフ
ェニルチオ、ナフチルチオ)、またはアリールオキシカ
ルボニルアミノ基(炭素数7〜11;例えばフェノキシ
カルボニルアミノ)が挙げられる。上記の置換基はさら
に置換基を有していてもよい。その置換基の例として
は、ここで挙げた置換基が挙げられる。
【0017】式中R12はアリール基(炭素数6〜10;
例えばフェニル、ナフチル、4−メトキシフェニル、3
−メトキシカルボニルフェニル)、複素環基(炭素数1
〜10、ヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子また
は硫黄原子)を少なくとも1個以上含み、3〜12、好
ましくは5もしくは6員環の、単環もしくは縮合環の;
例えば2−ピリジル、1−ピロリル、モルホリノ、イン
ドリル)、アルキル基(炭素数1〜20、好ましくは1
〜10の、直鎖、分岐または環状の、飽和または不飽和
の;例えばメチル、エチル、ブトキシカルボニルメチ
ル、4−メトキシベンジル、ベンジル)を表す。Vは酸
素原子または硫黄原子を表す。fは1〜4、gは0また
は1、hは1または2をそれぞれ表す。
【0018】一般式(I)において、pは0または1で
あるものが好ましい。一般式(I)で表される化合物は
耐拡散性である場合が好ましく、特に好ましくは耐拡散
基がA、L1またはBに含まれる場合である。一般式
(I)において、特に好ましい化合物はAがカプラー残
基を表すときである。
【0019】一般式(I)において、特に好ましいのは
CCGが現像抑制剤となり得る基を表すときである。一
般式(I)において、特に好ましい化合物はa=1、m=
0、p=1かつn=0のとき、a=0、m=1、p=1
かつn=0のとき、またはa=1、m=0、p=1かつ
n=1のときである。これらの化合物は層間抑制効果に
よる色再現性向上の他に、エッジ効果による鮮鋭度向
上、粒状性改良においても有用である。
【0020】一般式(I)で表される化合物の他の例お
よび合成法については、一般式(I)のA、L1、B、
2およびCCGについて説明のため引用した公知の文
献、特開昭63−37,346号および同61−15
6,127号によって示されている。以下に一般式(I)
で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0021】CCGが現像抑制剤となり得る基である場
合の具体例としてI−1〜I−23の化合物が挙げられ
る。
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】CCGが色素となり得る基を表すときの具
体的な化合物については、II−1〜4に示したが、これ
に限定されるものではない。
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】本発明における一般式(I)で表される化
合物の使用量はハロゲン化銀カラー感光材料1m2当た
り10-6〜2×10-3モルの範囲であり、好ましくは1
- 5〜10-3モルの範囲、さらに好ましくは2×10-5
〜5×10-4モルの範囲である。一般式(I)で表され
る化合物は、如何なる層(感光性層、非感光性層)にも
用いることができる。また同一の化合物を複数の層に用
いてもよく、同一層中に複数の化合物を混合して用いて
もよい。
【0037】本発明における現像処理は、現像主薬とカ
プラーを含む感光材料と、塩基及び/または塩基プレカ
ーサーを含む処理部材を用い、少量の水の存在下で加熱
現像し、感光材料上に非拡散性色素に基づく画像を形成
した場合、粒状やシャープネスに優れた画像が得られ、
この画像情報に基づいてカラーペーパーや熱現像カラー
プリント材料等の別の記録材料上に出力した場合、非常
に良好なカラー画像が得られるため、好ましい。また、
現像まで感光材料と塩基が隔離されているので、撮影用
材料に要求される高い保存安定性を満たしつつ、迅速な
現像処理が可能であることも好ましい理由である。
【0038】本発明ではカメラ等で撮影した感光材料を
現像する好ましい方法として、感光材料及び処理材料双
方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する
量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、感光材料
と処理材料を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合わ
せ、50℃から100℃の温度で5秒から60秒間加熱
する方法が用いられる。水の付与方法としては感光材料
または処理材料を水に浸積し、スクウィーズローラーで
余分な水を除去する方法がある。また、特開平10−2
6817号に記載されているような、水を噴射する複数
のノズル孔が一定の間隔で感光材料または処理材料の搬
送方向と交差する方向に沿って直線状に並べられたノズ
ルと前記ノズルを搬送経路上の感光材料または処理材料
に向かって変位させるアクチュエータとを有する水塗布
装置により水を噴射する方法も好ましい。また、スポン
ジ等で水塗布する方法も好ましい。現像工程における加
熱方法としては、加熱されたブロックやプレートに接触
させたり、熱ローラー、熱ドラム、赤外及び遠赤外線ラ
ンプ等を用いても良い。
【0039】本発明においては、熱現像によって発色画
像を形成後、残存する現像銀は漂白剤や漂白定着剤によ
り無色化およびまたは溶解除去する。漂白処理は定着処
理と同時に行われてもよいし(漂白定着処理)、また個
別に行われてもよい。例えば、漂白処理後漂白定着処理
する方法や、漂白処理後定着処理を行う方法でもよい。
漂白処理は、漂白剤を含有した漂白液に処理後の感光部
材を浸漬してもよいが、漂白剤を含有した処理シート
(以下、「漂白処理シート」という)と、熱現像後の感
光材料に重ね合わせる処理方法が処理廃液の環境汚染防
止の観点から好ましい。漂白液を用いる処理方法の場合
は、特開平7−152129、86〜87頁段落番号0
281〜0284に記載の方法を用いることができる。
漂白処理シート作製する場合、漂白剤は、水、メタノー
ル、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアルデヒ
ド、メチルプロピルグリコール等の溶媒あるいはアルカ
リまたは酸性水溶液として塗布液に添加できる。また、
漂白剤は固体微粒子分散させて塗布液に添加してもよ
い。漂白処理シート中の漂白剤の塗布量は、処理する感
光材料中に含まれる銀量の0.1〜20倍が好ましい。
漂白処理シート中の漂白剤の塗布量としては、0.1〜
100mmol/m2が好ましい。漂白処理シートの塗
布液には、バインダーとして感光部材同様の親水性ポリ
マーを用いることができ、該塗布液を後述の支持体上に
塗理層を設けることにより、本発明に用いる漂白処理シ
ートを作製することができる。漂白処理シートは感光材
料同様に硬膜剤で硬膜化されていることが好ましい。か
かる硬膜剤は後述する感光材料に使用しているものと同
様のものを用いることができる。
【0040】漂白処理シートには、感光材料と同様に保
護層、下塗り層、バック層、その他の種々の補助層があ
ってもよい。これらの層は、後述する感光材料と同様に
して設けることができる。また、漂白処理シートは連続
ウェブ上に処理層が設けられていることが好ましい。こ
こでいう連続ウェブとは、漂白処理シートの長さが、漂
白処理時に対応する感光部材の長辺より長さが十分に長
く、漂白処理に使用するときにその一部を裁断すること
なく使用し、複数の感光材料を連続で処理できる長さを
有する形態をいう。
【0041】漂白剤としては、例えば鉄(III)などの
多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等
が用いられる。代表的な漂白剤としては、鉄(III)の
有機錯塩、例えば、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレ
ントリアミン5酢酸、シクロヘキサンジアミン4酢酸、
メチルイミノ2酢酸、1,3−ジアミノプロパン4酢
酸、グリコールエーテルジアミン4酢酸などのアミノポ
リカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸な
どの錯塩を用いることができる。これらの内、エチレン
ジアミン4酢酸鉄(III)錯塩、1,3−ジアミノプロ
パン4酢酸鉄(III)錯塩などのアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩は迅速処理の観点から好ましい。アミノ
ポリカルボン酸鉄(III)錯塩は漂白処理においても、
漂白定着処理においても特に有用である。これらのアミ
ノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白工程また
は漂白定着工程のpHは、通常4から8であるが、処理
の迅速化の観点からは更に低いpHで処理することもで
きる。漂白促進剤およびまたは漂白ステイン防止剤とし
て、特開平7−152129、86頁〜87頁記載のも
のを用いることもできる。漂白促進剤は、感光部材中、
熱現像処理シート中に添加しもよく、漂白工程、漂白定
着工程に用いる処理液あるいは処理部材に用いてもよ
い。
【0042】本発明においては、現像後に感光材料中に
残存する現像銀は無色化又は溶解除去することは必須で
あるがハロゲン化銀の定着工程は必須ではない。しか
し、画像情報を読みとる負荷を軽減すること、及び画像
保存性を高めるため、定着工程を設けても良い。その場
合、通常の液体処理によっても良いが、特開平9−25
8402号に記載されているような処理剤を塗布した別
シートと共に加熱処理する工程も好ましい。この場合の
加熱温度は、現像処理工程同様50℃以上であることが
好ましく、現像処理工程と同じ温度に設定することが特
に好ましい。
【0043】ハロゲン化銀を溶解、透明化する、上記定
着処理シートにはハロゲン化銀溶剤を用いることができ
る。ハロゲン化銀溶剤は、公知のものを使用できる。例
えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムのよ
うなチオ硫酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素ナトリ
ウムの如き亜硫酸塩、チオシアン酸カリウム、チオシア
ン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、特公昭47
−11386号記載の1,8−ジ−3,6−ジチアオク
タン、2,2′−チオジエタノール、6,9−ジオキサ
−3,12−ジチアテトラデカン−1,14−ジオール
のようなチオエーテル化合物、特願平6−325350
号記載のウラシル、ヒダントインの如き5ないし6員環
のイミド環を有する化合物、特開昭53−144319
号記載の下記一般式(I)の化合物を用いることができ
る。アナリティカ・ケミカ・アクタ(Analytica Chemic
a Acta)248巻604〜614頁(1991年)記載
のトリメチルトリアゾリウムチオレートのメソイオンチ
オレート化合物も好ましい。特開平8−69097号記
載のハロゲン化銀を定着して安定化しうる化合物もハロ
ゲン化銀溶剤として使用しうる。
【0044】また、処理部材に物理現像核およびハロゲ
ン化銀溶剤を含ませておき、現像と同時に感光部材のハ
ロゲン化銀を可溶化、及び処理層に固定しても良い。物
理現像核は、感材より拡散してきた可溶性銀塩を還元し
て物理現像銀に変換し、処理層に固定させるものであ
る。物理現像核としては、亜鉛、水銀、鉛、カドミウ
ム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバルト、銅、ルテニ
ウムなどの重金属、あるいはパラジウム、白金、銀、金
等の貴金属、あるいはこれらの硫黄、セレン、テルル等
のカルコゲン化合物のコロイド粒子等の物理現像核とし
て公知のものはすべて使用できる。これらの物理現像核
物質は、対応する金属イオンをアスコルビン酸、水素化
ホウ素ナトリウム、ハイドロキノン等の還元剤で還元し
て、金属コロイド分散物をつくるか、あるいは、可溶性
硫化物、セレン化物またはテルル化物溶液を混合して、
水不溶性の金属硫化物、金属セレン化物または金属テル
ル化物のコロイド分散物をつくることによって得られ
る。これら分散物は、ゼラチンのような親水性バインダ
ー中で形成させるのが好ましい。コロイド銀粒子の調製
法は、米国特許第2,688,601号等に記載されて
いる。必要に応じて、ハロゲン化銀乳剤調製法で知られ
ている過剰の塩を除去する、脱塩法を行ってもよい。
【0045】処理層中の全ハロゲン化銀溶剤の含有量
は、0.01〜100ミリモル/m2であり、好ましく
は0.1〜50ミリモル/m2である。より好ましくは
10〜50ミリモル/m2である。感光材料の塗布銀量
に対してモル比で、1/20〜20倍で、好ましくは1
/10〜10倍で、より好ましくは1/3〜3倍であ
る。ハロゲン化銀溶剤は、水、メタノール、エタノー
ル、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルプロピル
グリコール等の溶媒或いはアルカリまたは酸性水溶液に
添加してもよいし、固体微粒子分散させて塗布液に添加
してもよい。
【0046】本発明における漂白処理を液処理で行う場
合には、特開平4−125558の第4頁左下欄16行
〜第7頁左下欄6行に記載された化合物や処理条件を適
用することができる。漂白剤は酸化還元電位が150m
V以上のものが好ましいが、その具体例としては特開平
5−72694、同5−173312に記載のものが好
ましく、特に1,3−ジアミノプロパン四酢酸、特開平
5−173312号第7頁の具体例1の化合物の第二鉄
錯塩が好ましい。また、漂白剤の生分解性を向上させる
には、特開平4−251845、同4−268552、
EP588,289、同591,934、特開平6−2
08213に記載の化合物第二鉄錯塩を漂白剤として使
用することが好ましい。これらの漂白剤の濃度は、漂白
能を有する液1リットルあたり0.05〜0.3モルが
好ましく、特に環境への排出量を低減する目的から、
0.1モル〜0.15モルで設計することが好ましい。
また、漂白能を有する液が漂白液の場合は、1リットル
あたり0.2モル〜1モルの臭化物を含有させることが
好ましく、特に0.3〜0.8モルを含有させることが
好ましい。漂白能を有する液の補充液には、基本的に以
下の式で算出される各成分の濃度を含有させる。これに
より、母液中の濃度を一定に維持することができる。 CR=CT×(V1+V2)/V1+CPR:補充液中の成分の濃度 CT:母液(処理タンク液)中の成分の濃度 CP:処理中に消費された成分の濃度 V1:1m2の感光材料に対する漂白能を有する補充液の
補充量(ミリリットル) V2:1m2の感光材料による前浴からの持ち込み量(ミ
リリットル) その他、漂白液にはpH緩衝剤を含有させることが好ま
しく、特にコハク酸、マレイン酸、マロン酸、グルタル
酸、アジピン酸など、臭気の少ないジカルボン酸を含有
させることが好ましい。また、特開昭53−9563
0、RDNo.17129、US3,893,858に
記載の公知の漂白促進剤を使用することも好ましい。漂
白液には、感光材料1m2あたり50〜1000ミリリ
ットルの漂白補充液を補充することが好ましく、特には
80〜500ミリリットル、さらには100〜300ミ
リリットルの補充をすることが好ましい。さらに漂白液
にはエアレーションを行なうことが好ましい。
【0047】定着能を有する処理液については、特開平
4−125558の第7頁左下欄10行〜第8頁右下欄
19行に記載の化合物や処理条件を適用することができ
る。特に、定着速度と保恒性を向上させるために、特開
平6−301169の一般式(I)と(II)で表される
化合物を、単独あるいは併用して定着能を有する処理液
に含有させることが好ましい。またp−トルエンスルフ
ィン酸塩をはじめ、特開平1−224762に記載のス
ルフィン酸を使用することも、保恒性の向上の上で好ま
しい。漂白能を有する液や定着能を有する液には、脱銀
性の向上の観点からカチオンとしてアンモニウムを用い
ることが好ましいが、環境汚染低減の目的からは、アン
モニウムを減少或いはゼロにする方が好ましい。漂白、
漂白定着、定着工程においては、特開平1−30905
9に記載のジェット攪拌を行なうことが特に好ましい。
漂白定着また定着工程における補充液の補充量は、感光
材料1m2あたり100〜1000ミリリットルであ
り、好ましくは150〜700ミリリットル、特に好ま
しくは200〜600ミリリットルである。漂白定着や
定着工程には、各種の銀回収装置をインラインやオフラ
インで設置して銀を回収することが好ましい。インライ
ンで設置することにより、液中の銀濃度を低減して処理
できる結果、補充量を減少させることができる。また、
オフラインで銀回収して残液を補充液として再利用する
ことも好ましい。漂白定着工程や定着工程は複数の処理
タンクで構成することができ、各タンクはカスケード配
管して多段向流方式にすることが好ましい。現像機の大
きさとのバランスから、一般には2タンクカスケード構
成が効率的であり、前段のタンクと後段のタンクにおけ
る処理時間の比は、0.5:1〜1:0.5の範囲にす
ることが好ましく、特には0.8:1〜1:0.8の範
囲が好ましい。漂白定着液や定着液には、保恒性の向上
の観点から金属錯体になっていない遊離のキレート剤を
存在させることが好ましいが、これらのキレート剤とし
ては、漂白液に関して記載した生分解性キレート剤を使
用することが好ましい。
【0048】本発明における、漂白、漂白定着および定
着処理に引き続いて、および又は該漂白、漂白定着、定
着処理と同時に各種の安定化処理を行う事が出来る。安
定化処理としては、余分な色素形成反応を抑止する処
理、解離型色素を形成する場合の解離促進処理等がその
代表的なものであるが、画像のS/N比を向上させたり
処理後の感材の性能を維持する種々の処理があり得る。
【0049】余分な色素形成反応を抑止する、いわゆる
抑止処理としては、色素を形成するカプラーと現像主薬
の両方または片方を除去する、あるいは、反応を促進す
るアルカリを中和する方法がある。また、画像形成後に
色素形成反応を抑止する化合物を感光部材に作用させて
もよい(ここで感光部材に作用させるとは、感光部材中
の素材(カプラー、現像主薬等)と反応可能な状態にす
ることである。)。色素形成反応を抑止させる手段とし
ては、熱現像用の処理部材に色素形成反応を抑止させる
化合物、あるいは、色素形成反応を抑止させる化合物の
プレカーサーを処理部材に含ませておき、現像後にタイ
ミングを遅らせて色素形成反応を抑止させることで熱現
像工程と同一工程で行うことも原理上可能ではあるが、
通常、熱現像工程とは別の工程、即ち漂白、漂白定着、
定着等の処理工程と同時に行うか、色素形成反応を抑止
させる処理工程を別に設けてもよい。色素形成反応を抑
止させる化合物としては、カプラーの活性点と反応し
て、色素形成反応活性を失活させるような化合物や、現
像主薬と反応して現像活性を無くしたりカプラーとのカ
ップリング活性を低下させる様な化合物が挙げられる。
具体的にはホルマリン、グルタルアルデヒドなどのアル
デヒド類の、N−メチロール化合物、ヘキサメチレンテ
トラミン付加物あるいは亜硫酸付加物を用いることがで
きる。例えば、特開平2−220052号記載のアルデ
ヒド亜硫酸付加物、同4−51237号記載のアルデヒ
ド類のヘキサメチレンテトラミン付加物、N−メチロー
ル化合物、ヘキサヒドロトリアジン付加物、同4−31
3753号記載の化合物等が使用できる。そのほか、米
国特許5,270,148号、英国特許1350296
号、特開昭48−47338号、特開平4−21455
6号、同5−34889号等に記載されている化合物お
よび処理方法を用いることができる。また、スルフィン
酸、酸無水物、活性エステル、エポキシ化合物などの求
核反応試剤を用いてもよい。また、加熱により酸を放出
する酸プレカーサー、加熱により共存する塩基と置換反
応を起こす親電子化合物を使用する事もでき、詳しく
は、特開昭62−190529号の(31)〜(32)
頁に記載されている。
【0050】色素形成反応を抑止させる手段を熱現像と
は別の工程として有する場合は、前述の色素形成反応を
抑止させる化合物を含有したに熱現像処理後の、漂白
液、漂白定着液、定着液、あるいは専用の抑止処理液
に、感光材料を浸漬してもよい。また色素形成反応を抑
止させる化合物を漂白シート、漂白定着シート、定着シ
ートに添加してもよいし、該抑止剤を含有したシート
(以下、「抑止処理シート」という場合がある)を熱現
像後の感光材料にに重ね合わせて色素形成反応を抑止さ
せる化合物を作用させてもよい。
【0051】また、上記色素形成反応抑止処理と同様な
プロセスで、解離型色素の解離促進処理を行う事が出来
る。解離型色素がアニオン型の場合、解離促進剤として
は、一般的な塩基性化合物が用いる事が出来る。塩基性
化合物としては、アミン類、アミジン類、ヒドラジン
類、グアニジン類などの有機塩基類が好ましいがグアニ
ジンが特に好ましい。また、中性化合物である解離促進
剤として、4級アンモニウム塩も用いることが出来る。
特に水溶性4級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
水溶性の4級アンモニウム塩は、少なくとも80℃での
水に対する溶解度が1%以上である4級アンモニウム塩
を意味する。水溶性の4級アンモニウム塩は、疎水性が
高い方が、より色素の解離安定化効果が高くなる。しか
し、少なくとも80℃での水に対する溶解度が1%以上
ないと、処理シートとして供給する場合には感材への転
写性が低いので効果が小さく、また、液処理で行う場合
でも高濃度で溶解する事が困難となるので有効に働かせ
ることが出来なくなる。
【0052】以下に本発明の好ましい態様について更に
詳細に説明する。本発明においては、透明支持体上に、
少なくとも感光性ハロゲン化銀粒子、カプラー及びバイ
ンダーを含み、感光波長領域及び/または前記発色現像
主薬及びカプラーから形成される色素の吸収波長領域が
互いに異なる少なくとも3種の感光層を有するカラー感
光材料が用いられる。発色現像主薬は感光材料中にカプ
ラーと共存する形で内蔵させる。また、塩基や塩基プレ
カーサーも処理液や処理ペースト等の形で外部から感光
材料に供給されることも可能であるが、支持体上に少な
くとも塩基及び/または塩基プレカーサーを含む処理層
を有する処理材料を用い、感光材料と処理材料双方のバ
ック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の
0.1倍〜1倍に相当する水の存在下で、感光材料と処
理材料を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合わせる
事で供給する方法が好ましく用いられる。
【0053】本発明の感光材料中に使用し得るハロゲン
化銀は、沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩化
銀、沃塩臭化銀のいずれでもよい。ハロゲン化銀粒子の
大きさは、同体積の球の直径で換算して0.1〜2μ
m、特に0.2〜1.5μmが好ましい。これらは上述
の感光性ハロゲン化銀粒子として用いる他に、化学増感
しないなどして非感光性ハロゲン化銀粒子としても用い
ることができる。ハロゲン化銀粒子の形状は立方体、八
面体あるいは14面体のような正常晶よりなる形状を有
するもの、六角や矩形の平板状の形状を有するものを使
用できるが、この中でも粒子投影径を粒子厚みで除した
値であるアスペクト比が2以上、好ましくは8以上、更
に好ましくは20以上の平板状粒子が好ましく、このよ
うな平板状粒子で全粒子の投影面積の50%以上、好ま
しくは80%以上、さらには90%以上を占める乳剤を
用いることが好ましい。これらの平板状粒子の厚みは、
好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.2μ
m以下、最も好ましくは0.1μm以下である。
【0054】また、米国特許第5,494,789号、
同5,503,970号、同5,503,971号、同
5,536,632号等に記載されている粒子厚みが
0.07μmより薄く、さらに高アスペクト比の粒子も
好ましく用いることができる。また、米国特許第4,4
00,463号、同4,713,323号、同5,21
7,858号等に記載されている(111)面を主平面
として有する高塩化銀平板粒子、及び米国特許第5,2
64,337号、同5,292,632号、同5,31
0,635号等に記載されている(100)面を主平面
とする高塩化銀平板粒子も好ましく用いることができ
る。これらのハロゲン化銀粒子を実際に使用した例は特
開平9−274295号、同9−319047号、同1
0−115888号、同10−221827号等に記載
されている。本発明のハロゲン化銀粒子は、粒子サイズ
分布の揃った所謂単分散粒子であることが好ましい。単
分散性の目安としては、粒径分布の標準偏差を平均粒子
径で除した変動係数で25%以下が好ましく、20%以
下がさらに好ましい。また、粒子間でハロゲン組成が均
一であることも好ましい。本発明のハロゲン化銀粒子
は、粒子内ハロゲン組成を均一に構成しても良いし、意
図的にハロゲン組成の異なる部位を導入しても良い。特
に、高感度を得るためには、ハロゲン組成の異なるコア
(核)とシェル(殻)からなる積層構造を有する粒子が
好ましく用いられる。また、ハロゲン組成の異なる領域
を導入した後でさらに粒子を成長させて、転位線を意図
的に導入することも好ましい。さらに、形成されたホス
ト粒子の頂点や稜に異なるハロゲン組成のゲスト結晶を
エピタキシャル接合させることも好ましい。
【0055】本発明のハロゲン化銀粒子は、粒子内部
に、多価遷移金属イオンあるいは多価アニオンを不純物
としてドープすることも好ましい。特に前者では鉄族元
素を中心金属としたハロゲノ錯体や、シアノ錯体、有機
配位子錯体等が好ましく用いられる。本発明の乳剤は、
通常化学増感および分光増感が施されることが好まし
い。化学増感としては、硫黄、セレンあるいはテルル化
合物を用いるカルコゲン増感法、金、白金、イリジウム
等を用いる貴金属増感法、あるいは、粒子形成中に適度
な還元性を有する化合物を用いて、還元性の銀核を導入
することで高感度を得る、いわゆる還元増感法を単独に
あるいは種々組み合わせて用いることができる。分光増
感としては、ハロゲン化銀粒子に吸着して、それ自身の
吸収波長域に感度を持たせる、シアニン色素、メロシア
ニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、
ホロポーラー色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素あ
るいはヘミオキソノール色素等のいわゆる分光増感色素
が単独あるいは併用され、強色増感剤と共に用いること
も好ましい。本発明のハロゲン化銀乳剤には、カブリを
防止したり、保存時の安定性を高める目的でアザインデ
ン類、トリアゾール類、テトラゾール類、プリン類等の
含窒素複素環化合物類、メルカプトテトラゾール類、メ
ルカプトトリアゾール類、メルカプトイミダゾール類、
メルカプトチアジアゾール類等のメルカプト化合物類等
の種々の安定剤を添加することが好ましい。特に、化合
物中に炭素数5以上のアルキル基や、芳香環を置換基と
して有するトリアゾール類あるいはメルカプトアゾール
類は熱現像時のカブリを防止し、ある場合には露光部の
現像性を高め、高いディスクリミネーションを与えるの
に顕著な効果を呈する。ハロゲン化銀乳剤用の写真用添
加剤は、リサーチ・ディスクロージャー誌No1764
3(1978年12月)、同No18716号(197
9年11月)、同No307105号(1989年11
月)、同No38957号(1996年9月号)に記載
されているものを好ましく用いることができる。
【0056】感光性ハロゲン化銀は、銀換算で0.05
〜15g/m2、好ましくは0.1〜8g/m2用いる。
感光材料のバインダーには親水性のものが好ましく、そ
の例としては前項に記載のリサーチ・ディスクロージャ
ーおよび特開昭64−13,546号の71〜75ペー
ジに記載されているものが挙げられる。その中ではゼラ
チン及びゼラチンと他の水溶性バインダー、例えばポリ
ビニルアルコール、変成ポリビニルアルコール、セルロ
ース誘導体、アクリルアミド重合体等との組み合わせが
好ましい。バインダーの塗布量は1〜25g/m2、好
ましくは3〜20g/m2、更に好ましくは5〜15g
/m2が適当である。この中でゼラチンとしては50%
〜100%、好ましくは70%〜100%の割合で用い
る。
【0057】発色現像主薬の例としては、p−フェニレ
ンジアミン類またはp−アミノフェノール類等がある。
更に好ましい例としては特開平8−110608号、同
8−122994号、同8−146578号、同9−1
5808号、同9−146248号等に記載されている
スルホンアミドフェノール類、EP545,491A
号、特開平8−166664号、同8−227131号
に記載されているスルホニルヒドラジン類、特開平8−
286340号に記載されているカルバモイルヒドラジ
ン類、特開平8−202002号、同10−18656
4号、同10−239793号に記載されているスルホ
ニルヒドラゾン類、及び特開平8−234390号に記
載されているカルバモイルヒドラゾン類が挙げられる。
発色現像主薬は、1種類、もしくは複数種類を組み合わ
せて用いるが、その総使用量は0.05〜20mmol
/m2、好ましくは0.1〜10mmol/m2が適当で
ある。感光材料には前記発色現像主薬の酸化体とカップ
リング反応して色素を形成するカプラーを用いる。その
好ましい例としては、活性メチレン、5―ピラゾロン、
ピラゾロアゾール、フェノール、ナフトール、ピロロト
リアゾールと総称される化合物が挙げられる。その具体
例はリサーチ・ディスクロージャーNo.38957号
(1996年9月)616〜624ページに引用されて
いるものを好ましく用いることができる。特に好ましい
例としては、特開平8−110608号に記載されてい
るようなピラゾロアゾールカプラー、特開平8−122
994号、同9−218496号等に記載されているピ
ロロトリアゾールカプラーが挙げられる。これらのカプ
ラーは、各色一般的には0.05〜10mmol/
2、好ましくは0.1から5mmol/m2用いる。
【0058】感光材料は、通常3種以上の感色性の異な
る感光性層から構成される。各感光性層は少なくとも1
層のハロゲン化銀乳剤層を含むが、典型的な例として
は、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数
のハロゲン化銀乳剤層からなる。このとき、粒子投影径
の大きいハロゲン化銀粒子ほど、粒子投影径を粒子厚み
で除した所謂アスペクト比が大きい形状の粒子を用いる
ことが好ましい。該感光性層は青色光、緑色光、及び赤
色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多
層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に
単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、
緑感色性層、青感色性層の順に設置される。しかし、目
的に応じて上記設置順が逆であっても、また、同一感色
性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもと
りうる。感光層の膜厚の合計は一般に1〜20μm、好
ましくは3〜15μmである。
【0059】本発明においては、処理で脱色可能な油溶
性染料を用いた着色層として、イエローフィルター層、
マゼンタフィルター層、及びアンチハレーション層が好
ましく用いられる。それにより、例えば感光層が支持体
に最も近い側から赤色感光層、緑色感光層、青色感光層
の順に設けられている場合は、青色感光層と緑色感光層
の間にイエローフィルター層、緑色感光層と赤色感光層
の間にマゼンタ色フィルター層、赤色感光層と支持体の
間にシアン色フィルター層(アンチハレーション層)を
設けることができる。これらの着色層は乳剤層に直に接
してもよく、またゼラチン等の中間層を介して接するよ
うに配置されていても良い。色素の使用量は、それぞれ
の層の透過濃度が各々青、緑、赤光に対し、0.03〜
3.0、より好ましくは0.1〜1.0になるように用
いる。具体的には、色素のε及び分子量にもよるが0.
005〜2.0ミリモル/m2用いれば良く、より好ま
しくは0.05〜1.0ミリモル/m2である。
【0060】用いられる染料としては特開平10−20
7027に記載の環状のケトメチレン化合物(例えば2
−ピラゾリン−5−オン、1,2,3,6−テトラヒド
ロピリジン−2,6−ジオン、ロダニン、ヒダントイ
ン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオ
ン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツ
ール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、
ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジ
ヒドロフラン−2−オン、ピロリン−2−オン)または
電子吸引性基によって挟まれたメチレン基(例えば−C
N、−SO21、−COR1、−COOR1、CON(R
22、−SO2N(R22、−C〔=C(CN)2
1、−C〔=C(CN)2〕N(R12(R1はアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、
複素環基を表わし、R2は水素原子またはR1で挙げた基
を表わす)によって挟まれたメチレン基)を有する化合
物からなる酸性核、塩基性核(例えばピリジン、キノリ
ン、インドレニン、オキサゾール、イミダゾール、チア
ゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベ
ンゾチアゾール、オキサゾリン、ナフトオキサゾール、
ピロール)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル
基)及び複素環基(例えばピロール、インドール、フラ
ン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、インドリ
ジン、キノリン、カルバゾール、フェノチアジン、フェ
ノキサジン、インドリン、チアゾール、ピリジン、ピリ
ダジン、チアジアジン、ピラン、チオピラン、オキサジ
アゾール、ベンゾキノリン、チアジアゾール、ピロロチ
アゾール、ピロロピリダジン、テトラゾール、オキサゾ
ール、クマリン、クロマン)のうちの2種とメチン基か
らなる構造の化合物、或は(NC)2C=C(CN)−
3(R3はアリール基、複素環基)が好ましい。
【0061】本発明の感光材料は一つの着色層に二つ以
上の染料を混合して用いてもよい。例えば上述のアンチ
ハレーション層にイエロー、マゼンタ、シアンの3種の
染料を混合して用いることもできる。好ましくは消色性
染料をオイルおよび/または油溶性ポリマーに溶解させ
た油滴を親水性バインダー中に分散させた状態で用い
る。その調製法としては乳化分散法が好ましく、例えば
米国特許2,322,027号記載の方法によることが
できる。この場合には米国特許4,555,470号、
同4,536,466号、同4,587,206号、同
4,555,476号、同4,599,296号、特公
平3−62,256号等に記載のような高沸点オイル
を、必要に応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶
媒と併用して用いることができる。また、高沸点オイル
は2種以上併用することができる。また、油溶性ポリマ
ーをオイルの代わりに又は、併用して用いることができ
るが、その例はPCT国際公開番号WO88/0072
3号明細書に記載されている。高沸点オイルおよび/ま
たはポリマーの量は、用いられる染料1gに対して0.
01g〜10g、好ましくは0.1g〜5gを用いる。
【0062】また、染料をポリマーに溶解させる方法と
して、ラテックス分散法によることも可能であり、その
工程、含漬用のラテックスの具体例は、米国特許4,1
99,363号、西独特許出願(OLS)2,541,
274号、同第2,541,230号、特公昭53−4
1091号および欧州特許公開第029104号等に記
載されている。油滴を親水性バインダーに分散させる際
には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば
特開昭59−157,636号の37〜38ページ、公
知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限
会社発行)136〜138ページに記載の界面活性剤を
用いることができる。また、特開平7−56267号、
同7−228589号、西ドイツ公開特許第932,2
99A号記載のリン酸エステル型界面活性剤も使用でき
る。親水性バインダーとしては、水溶性ポリマーが好ま
しい。例としてはゼラチン、ゼラチン誘導体の蛋白質、
またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキス
トラン、プルラン等の多糖類のような天然化合物とポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルア
ミド重合体等の合成高分子化合物が挙げられる。これら
水溶性ポリマーは2種以上組み合わせて用いることもで
きる。特にゼラチンとの組み合わせが好ましい。ゼラチ
ンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼ
ラチン、カルシウム等の含有量を減らしたいわゆる脱灰
ゼラチンから選択すれば良く、組み合わせて用いること
もできる。
【0063】染料は、消色剤の存在下にて処理時に消色
する。消色剤としては、アルコールもしくはフェノール
類、アミンもしくはアニリン類、スルフィン酸類もしく
はその塩、亜硫酸もしくはその塩、チオ硫酸もしくはそ
の塩、カルボン酸類もしくはその塩、ヒドラジン類、グ
アニジン類、アミノグアニジン類、アミジン類、チオー
ル類、環状または鎖状の活性メチレン化合物、環状また
は鎖状の活性メチン化合物、およびこれら化合物から生
じるアニオン種等が挙げられる。これらのうちで好まし
く用いられるものはヒドロキシアミン類、スルフィン酸
類、亜硫酸、グアニジン類、アミノグアニジン類、ヘテ
ロ環チオール類、環状または鎖状の活性メチレン、活性
メチン化合物類であり、特に好ましいのはグアニジン
類、アミノグアニジン類である。
【0064】ハロゲン化銀及び発色現像主薬、カプラー
は同一感光層に含まれていても別層でも良い。また、感
光層以外にも保護層、下塗り層、中間層、及び上述した
黄色フィルター層、アンチハレーション層等非感光性層
を設けても良く、支持体の裏側にはバック層があっても
良い。感光層側の全塗布膜の膜厚は3〜25μm、好ま
しくは5〜20μmである。感光材料には、種々の目的
で硬膜剤、界面活性剤、写真安定剤、帯電防止剤、滑り
剤、マット剤、ラッテクス、ホルマリンスカベンジャ
ー、染料、UV吸収剤等を用いることができる。これら
の具体例は、前記のリサーチ・ディスクロージャー及び
特願平9−204031号等に記載されている。なお、
特に好ましい帯電防止剤の例はZnO、TiO2、Sn
2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、
MoO3、V25等の金属酸化物微粒子である。
【0065】感光材料の支持体としては、日本写真学会
編「写真工学の基礎―銀塩写真編」(株)コロナ社刊
(昭和54年)223〜240ページ記載の写真用支持
体が好ましい。具体的にはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シ
ンジオタクティックポリスチレン、セルロース類(例え
ばトリアセチルセルロース)等が挙げられる。これらの
支持体は光学的特性、物理的特性を改良するために、熱
処理(結晶化度や配向制御)、一軸及び二軸延伸(配向
制御)、各種ポリマーのブレンド、表面処理等を行うこ
とができる。また、支持体として、例えば、特開平4−
124645号、同5−40321号、同6−3509
2号、同6−31875号記載の磁気記録層を有する支
持体を用い、撮影情報等を記録することが好ましい。感
光材料の支持体の裏面には、特開平8−292514号
に記載されているような耐水性のポリマーを塗布するこ
とも好ましい。
【0066】上記の磁気記録層を有する感材に特に好ま
しく用いられるポリエステル支持体については公開技報
94−6023(発明協会;1994.3.15)に詳
細に記載されている。支持体の厚みは5〜200μm、
好ましくは40〜120μmである。本発明においては
撮影済み感光材料を現像するのに感光材料とは別の処理
部材を用いることが出来る。処理部材は主に現像処理を
行う現像処理部材の他に、上記に掲げた漂白、漂白定
着、定着、安定化等各種目的に合った処理部材(処理シ
ート)を用いることが出来る。現像処理部材には少なく
とも塩基及び/または塩基プレカーサーを含む。そのも
っとも好ましいものは、EP210,660号、米国特
許第4,740,445号に記載されている水に難溶な
塩基性金属化合物及び、この塩基性金属化合物を構成す
る金属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物
の組み合わせで塩基を発生させる方式である。この場
合、水に難溶な塩基性化合物は感光材料に、錯形成化合
物は現像処理部材に添加することが好ましいが、逆も可
能である。好ましい化合物の組み合わせとしては、水酸
化亜鉛の微粒子を感光材料に、ピコリン酸の塩、例えば
ピコリン酸グアニジンを現像処理部材に用いる系であ
る。現像または他の処理部材には媒染剤を用いても良
く、この場合、ポリマー媒染剤が好ましい。現像処理部
材には、コロイド銀や硫化パラジウムのような物理現像
核、及びヒダントインのようなハロゲン化銀溶剤を含ま
せておき、現像と同時に感光材料のハロゲン化銀を可溶
化し、処理材料に固定化しても良い。処理材料にはこの
他に現像停止剤、プリントアウト防止剤などを含ませて
も良い。各種処理部材には処理層以外にも保護層、下塗
り層、バック層その他の補助層があっても良い。各種処
理材料は連続ウェブに処理層がもうけられ、送り出しロ
ールから供給され処理に使用された後も裁断されること
なく別のロールに巻き取られる形態が好ましい。各種処
理部材の支持体は限定がなく、感光材料で述べたような
プラスチックフイルム、または紙が用いられる。厚みは
4μm〜120μm、好ましくは6〜70μmである。
特開平9−222690号に記載されているような、ア
ルミニウムを蒸着したフィルムも好ましく用いることが
できる。
【0067】本発明においては、その画像情報に基づい
て別の材料に出力する方法として通常の光学的投影露光
によるのが好ましいが、画像情報を光電的に読み取り、
その信号によって出力しても良い。出力する材料は感光
材料でなくても良く、例えば昇華型感熱記録材料、イン
クジェット材料、電子写真材料、フルカラー直接感熱記
録材料等でも良い。
【0068】本発明において好ましい態様の例は、熱現
像によって発色画像を形成後、残存する現像銀およびハ
ロゲン化銀を除去する付加的な処理を行い、カラーペー
パー等の出力感材に光学的投影露光により画像情報をプ
リントするものである。
【0069】以下、実施例によって本発明を詳しく説明
するが、これに限定されるものではない。
【実施例1】平均分子量15000のゼラチン0.37
g、酸化処理ゼラチン0.37gおよび臭化カリウム
0.7gを含む蒸留水930mlを反応容器中に入れ、
40℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝酸銀
0.34gを含む水溶液30mlと臭化カリウム0.2
4gを含む水溶液30mlとを20秒間で添加し終了後
1分間40℃に保った後、反応溶液の温度を75℃に上
昇させた−アミノ基をトリメリト酸で修飾したゼラチン
27.0gを蒸留水200mlと共に加えた後、硝酸銀
23.36gを含む水溶液100mlと臭化カリウム1
6.37gを含む水溶液80mlとを添加流量を加速し
ながら36分間にわたって添加した。次いで硝酸銀8
3.2gを含む水溶液250mlと沃化カリウムを臭化
カリウムとのモル比3:97で含む水溶液(臭化カリウ
ムの濃度26%)とを添加流量を加速しながら、かつ反
応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して−50mVと
なるように60分間で添加した。さらに硝酸銀18.7
gを含む水溶液75mlと臭化カリウムの21.9%水
溶液とを10分間にわたって、かつ反応液の銀電位が飽
和カロメル電極に対して0mVとなるように添加した。
添加終了後1分間75℃に保った後、反応液の温度を4
0℃に下降させた。次いで、p−沃化アセトアミドベン
ゼンスルホン酸ナトリウム一水塩10.5gを含む水溶
液100mlを添加し、反応液のpHを9.0に調製し
た。次いで、亜硫酸ナトリウム4.3gを含む水溶液5
0mlを添加した。添加終了後、40℃で3分保った
後、反応液の温度を55℃に昇温した。反応液のpHを
5.8に調製した後、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリ
ウム0.8mg、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリ
ウム0.04mgおよび臭化カリウム5.5gを加え、
55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀44.3gを含
む水溶液180mlと臭化カリウム34.0gおよびヘ
キサシアノ鉄(II)酸カリウム8.9mgを含む水溶液
160mlとを30分間にわたって添加した。温度を下
げ、定法に従って脱塩を行った。脱塩終了後、ゼラチン
を7重量%となるように添加し、pHを6.2に調整し
た。
【0070】得られた乳剤は球相当の直径で表した平均
粒子サイズ1.29μm、平均粒子厚み0.13μm、
平均アスペクト比が25.4の六角平板状粒子よりなる
乳剤であった。この乳剤を乳剤A−1とした。乳剤A−
1と同様の調製法で粒子形状を変え、球相当の直径で表
した平均粒子サイズ0.75μm、平均粒子厚み0.1
1μm、平均アスペクト比が14.0の六角平板状粒子
よりなる乳剤をA−2とし、球相当の直径で表した平均
粒子サイズ0.52μm、平均粒子厚み0.09μm、
平均アスペクト比11.3の六角平板状粒子よりなる乳
剤をA−3とし、更に球相当の直径で表した平均粒子サ
イズ0.44μm、平均粒子厚み0.07μm、平均ア
スペクト比10.5の六角平板状粒子よりなる乳剤をA
−4とし各々の乳剤を調製した。ただし、ヘキサクロロ
イリジウム(IV)酸カリウムおよびおよびヘキサシアノ
鉄(II)酸カリウムの添加量は粒子体積に反比例させ
て、p−沃化アセトアミドベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム一水塩の添加量は粒子の周長に比例させて変化させ
た。乳剤A−1に、40℃で沃化カリウム1%水溶液を
5.6ml添加してから、下記の分光増感色素を6.1
×10-4mol、化合物I、チオシアン酸カリウム、塩
化金酸、チオ硫酸ナトリウムおよびモノ(ペンタフルオ
ロフェニル)ジフェニルホスフィンセレニドを添加して
分光増感および化学増感を施した。化学増感終了後、安
定剤Sを1.2×10-4mol添加した。このとき、化
学増感剤の量は乳剤の化学増感の程度が最適になるよう
に調節した。
【0071】
【化15】
【0072】こうして調製した青感性乳剤をA−1bと
した。同様に、各乳剤に分光増感および化学増感を施
し、乳剤A−2b、A−3bおよびA−4bを調製し
た。ただし、分光増感色素の添加量は各乳剤中のハロゲ
ン化銀粒子の表面積に応じて変化させた。また、化学増
感に用いる各薬品量も、各乳剤の化学増感の程度が最適
になるように調節した。 同様に、分光増感色素を変え
ることで緑感性乳剤A−1g、A−2g、A−3gおよ
びA−4g、赤感性乳剤A−1r、A−2r、A−3r
およびA−4rを調製した。
【0073】
【化16】
【0074】
【化17】
【0075】次に塩基プレカーサーとして用いる水酸化
亜鉛の分散物を調製した。一次粒子の粒子サイズが0.
2μmの水酸化亜鉛の粉末31g、分散剤としてカルボ
キシメチルセルロース1.6gおよびポリアクリル酸ソ
ーダ0.4g、石灰処理オセインゼラチン8.5g、水
158.5mlを混合し、この混合物をガラスビーズを
用いたミルで1時間分散した。分散後、ガラスビーズを
濾別し、水酸化亜鉛の分散物188gを得た。
【0076】さらに、カプラーおよび内蔵現像主薬を含
有する乳化分散物を調製した。イエローカプラー(a)
8.95g、現像主薬(b)7.26g、(c)1.4
7g、被り防止剤(d)0.17g、(e)0.28
g、高沸点有機溶媒(f)18.29gおよび酢酸エチ
ル50.0mlを60℃で溶解した。石灰処理ゼラチン
18.0gおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0.8gを溶解した水溶液200g中に先の溶液を混
合し、ディゾルバー攪拌機を用いて10000回転で2
0分間かけて乳化分散した。分散後、全量が300gと
なるように蒸留水を加え、2000回転で10分間混合
した。
【0077】
【化18】
【0078】
【化19】
【0079】次いで、同様にマゼンタカプラーおよびシ
アンカプラーの分散物も調製した。マゼンタカプラー
(g)7.65g、(h)1.12g、現像主薬(i)
8.13g、(c)1.05g、被り防止剤(d)0.
11g、高沸点有機溶媒(j)7.52gおよび酢酸エ
チル38.0mlを60℃で溶解した。石灰処理ゼラチ
ン12.2gおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.8gを溶解した水溶液150g中に先の溶液を
混合し、ディゾルバー攪拌機を用いて10000回転で
20分間かけて乳化分散した。分散後、全量が300g
となるように蒸留水を加え、2000回転で10分間混
合した。シアンカプラー(k)10.78g、現像主薬
(i)8.23g、(c)1.06g、被り防止剤
(d)0.15g、高沸点有機溶媒(j)8.27gお
よび酢酸エチル38.0mlを60℃で溶解した。石灰
処理ゼラチン12.2gおよびドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.8gを溶解した水溶液150g中に
先の溶液を混合し、ディゾルバー攪拌機を用いて100
00回転で20分間かけて乳化分散した。分散後、全量
が300gとなるように蒸留水を加え、2000回転で
10分間混合した。
【0080】
【化20】
【0081】
【化21】
【0082】さらに、フィルター層およびハレーション
防止層として中間層を着色するための染料の分散物も同
様に調製した。各染料と、それを分散するのに用いた高
沸点有機溶媒とを下記に示す。
【0083】
【化22】
【0084】
【化23】
【0085】これらの分散物と、先に調製したハロゲン
化銀乳剤を組み合わせて表1の組成で支持体上に塗布
し、試料101〜109の多層ハロゲン化銀カラー感光
材料を作成した。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【化24】
【0093】さらに、表6および表7に示すような処理
材料P−1およびP−2を作成した。
【0094】
【表7】
【0095】
【表8】
【0096】
【化25】
【0097】
【化26】
【0098】[感度の求め方]これらの感光材料(1)〜
(4)の試料片を切り出し、ISO感度を求める方法
(ANSI PH2.27)に従い。連続光学楔を介し
て白色光源500luxで1/100秒の露光を施し
た。試料101では、露光後の感光材料(1)の表面に
40℃の温水を15ml/m2付与し、処理材料P−1
と互いの膜面同士を重ね合わせた後、ヒートドラムを用
いて75℃で現像を行った。現像後、直ちに下記漂白液
にて42℃で50秒処理を行い、続いて下記定着液にて
42℃で50秒処理、更に続いて下記組成のアルカリ浴
で20秒処理した後、水洗5秒を行い乾燥した。試料1
02では、試料101の感光材料(1)の代わりに感光
材料(2)を用い、更に熱現像温度を45℃にした以外
は試料101と同様に作成した。試料103では、試料
102の熱現像温度を55℃にした以外は試料102と
同様に作成した。試料104では、試料102の熱現像
温度を75℃にした以外は試料102と同様に作成し
た。試料105では、試料104における漂白処理工程
を飛ばして、熱現像の後に直ちに定着処理を行った以外
は試料104と同様に作成した。試料106では、熱現
像後に漂白液の代わりに、漂白定着液を用いて42℃で
70秒処理を行った後、アルカリ浴処理20秒、水洗5
秒、乾燥を行った以外は試料104と同様に作成した。
試料107では、感光材料(2)の代わりに感光材料
(3)を使用した以外は試料104と同様に作成した。
試料108では、感光材料(2)の代わりに感光材料
(4)を使用した以外は試料104と同様に作成した。
試料109では、熱現像を行った後直ちに、感材試料表
面に40℃の温水10ml/m2を付与しこの感光材料
と処理材料P−2とを重ね、ヒートドラムを用いて75
℃で20秒間加熱することで、ドライ漂白定着処理を行
った以外は試料104と同様に作成した。 但し、試料
101〜109を通して、白色露光での平均階調がほぼ
同じになるように、熱現像時間は10秒から25秒の間
で調節した。
【0099】 (漂白液組成) ・3−ジアミノプロパン4酢酸第2鉄アンモニウム1水塩 130g ・臭化アンモニウム 70g ・硝酸アンモニウム 14g ・ヒドロキシ酢酸 25g ・酢酸 40g 上記組成に1.0リットルの水を加えpHが4.4にな
るようにアンモニア水で調整して漂白液を調製した。
【0100】 (定着液) ・亜硫酸アンモニウム 19g ・チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル ) 280ml ・イミダゾール 15g ・エチレンジアミン4酢酸 15g 上記組成に1.0リットルの水を加えpHが7.4にな
るようにアンモニア水で調整して定着液を調製した。
【0101】 (アルカリ浴) ・炭酸グアニジン 50g ・エチレンジアミン4酢酸 15g 上記組成に1.0リットルの水を加えpHが10.2に
なるように1規定のNaOH水溶液で調整してアルカリ
浴液を調製した。
【0102】[色彩度の評価]本実施例では、色彩度を白
色露光センシトメトりーの特性曲線の階調度と色分解露
光センシトメトりーの特性曲線の階調度との比で評価し
た。即ち、白色露光階調が同等の場合、色分解階調度が
大きな値をとる方が色彩度が高いことを表す。白色露光
階調は、感度を求める露光と同じ方法で露光、処理、セ
ンシトメトりーを行い、得られたLogH−D曲線にお
いてDmin+0.15の濃度を与える対数露光量をHs
とすると、この点から1.0増えたときの対数露光量H
hにおける濃度の増加分ΔDの値を階調度と定義した
(図1参照)。こうして求めた白色露光時の赤測定階
調、同緑測定階調、同青測定階調をそれぞれγWr
γWg、γWbで表した。一方、色分解露光階調度は次の方
法で求められる。即ち、上記白色光露光の代わりに、赤
色光露光(富士フィルターSC62を通して露光)、緑
色光露光(富士フィルターBPN53を通して露光)を
行う。これらの露光済み試料を上記白色露光の場合と同
様に処理、センシトメトりーを行い、得られたH−D曲
線から白色露光の場合と同様にそれぞれの階調度を求め
た。赤色光露光での赤階調度、緑色光露光での緑階調
度、青色光露光での青階調度をそれぞれγRr、γGg、γ
Bbで表した。こうして得られた、色分解階調度と白色露
光階調度の比の値を表8に示した。
【0103】
【表9】
【0104】この結果から、本発明の顕著な効果を見る
ことができる。 [官能評価]表8の感材と処理の組合せと全く同じ組合せ
で、実際の画像をISO400設定で撮影したサンプル
を作り、これらのフィルムを用いて、富士写真フィルム
(株)製ミニラボ用プリンタープロセサーPP728A
で、フジカラーFAペーパー上にCサイズでプリントし
視覚官能評価を行ったところ、表8の結果にほぼ対応す
る色彩度の評価が得られた。試料102は感度が低いた
め、表8での評価以上に彩度が低く、くすんだ印象であ
った。
【0105】
【発明の効果】高感度で高画質、特に色再現に優れたカ
ラー画像を、高価な設備投資を行うことなしに簡易迅速
に提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は特性曲線(H−D曲線)から階調度を求
める例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 7/46 G03C 7/46

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀粒子と現像主薬
    及び該現像主薬の酸化体と反応して色素画像を形成する
    カプラーを含有し、且つ層間色補正手段を有するハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料を、50℃以上の温度で現像
    処理した後、漂白処理工程または漂白定着処理工程を施
    すことを特徴とするカラー画像形成方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀カラー写真感光材料が、層
    間色補正手段として下記一般式(I)で表される化合物
    の少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項
    1に記載のカラー画像形成方法。 一般式(I) A−{(L1a−(B)mp−(L2n−CCG 式中、Aは現像主薬の酸化体と反応して、{(L1a
    (B)mp−(L2n−CCGを開裂する基を表し、L
    1は一般式(I)で示されるL1の左側の結合が開裂した
    後、右側の結合((B)mとの結合)が開裂する基を表
    し、Bは現像主薬の酸化体と反応して、一般式(I)で示
    されるBの右側の結合が開裂する基を表し、L2は一般
    式(I)で示されるL2の左側の結合が開裂した後、右側
    の結合(CCGとの結合)が開裂する基を表し、CCG
    は層間色補正基を表し、a、mおよびnは各々0または
    1を表し、pは0ないし2の整数を表す。ここでpが2
    のとき、2個の{(L1a−(B)m }は各々同じも
    の、または異なるものを表す。
  3. 【請求項3】 現像処理が、前記ハロゲン化銀カラー写
    真感光材料と、支持体上に少なくとも塩基及び/又は塩
    基プレカーサーを含む処理層を有する処理部材を用い、
    該感光材料を像様露光した後、該感光材料と該処理部材
    のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるのに要する
    量の0.1から1倍に相当する水を該感光材料および/又
    は該処理部材に与えた後、該感光材料と該処理部材を感
    光層と処理層が向かい合う形で重ね合わせ、これを50
    ℃ないし100℃の温度で5秒から60秒間加熱するこ
    とで行われることを特徴とする請求項1または2に記載
    のカラー画像形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1つに記載
    されたカラー画像形成方法によって得られるカラー画像
    を通過させた透過光又は反射光を用いた光学式プリント
    方式、もしくは撮像装置を用いて該画像を読み取った後
    実質的にディジタル画像処理を施すことなしにプリント
    画像を形成させることを特徴とするカラー画像形成方
    法。
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