JP2002070629A - 内燃機関の停止行程判別装置、燃料噴射制御装置および始動時行程判別装置 - Google Patents

内燃機関の停止行程判別装置、燃料噴射制御装置および始動時行程判別装置

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JP2002070629A
JP2002070629A JP2000259115A JP2000259115A JP2002070629A JP 2002070629 A JP2002070629 A JP 2002070629A JP 2000259115 A JP2000259115 A JP 2000259115A JP 2000259115 A JP2000259115 A JP 2000259115A JP 2002070629 A JP2002070629 A JP 2002070629A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】実際に停止した時における内燃機関の行程状態
を正確に限定して始動時の早期の初爆を実現する。 【解決手段】極大位置エネルギー位相とシグナルロータ
の欠歯の位相とを除いて(S171で「NO」)、最初
にNE信号のパルス出力間隔が前後の位相よりも長くな
る位相を逆転クランク角として検出し(S172,S1
74,S176,S178)、行程状態変数Nを決定し
ている(S173,S175,S177,S179)。
この行程状態変数Nにより逆転クランク角に対応するク
ランク角領域あるいはその一つ前の領域にてエンジンが
停止していると判断できる。こうして4気筒のエンジン
が取り得る4つのクランク角領域の内の2つに正確に限
定することが可能となる。このことにより、始動時にお
いて従来よりも正確な行程判別が可能となり、始動時の
初爆を早期化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の停止行
程判別装置、この停止行程判別装置により決定された行
程状態に基づいて燃料噴射を実行する燃料噴射制御装
置、およびこの停止行程判別装置により決定された行程
状態内を始動時に更に選別する始動時行程判別装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の始動時において迅速にクラン
ク角や各気筒の行程状態を決定し燃料噴射制御と点火制
御に反映させて、初爆を早期に行うことで、内燃機関の
始動性を向上させるシステムが知られている(特開平1
1−62681号公報、特開平5−133268号公
報)。
【0003】このようなシステムは、燃費の改善などの
ために、自動車が交差点等で走行停止した時に内燃機関
を自動停止し発進操作時にスタータを回転させて内燃機
関を自動始動して自動車を発進可能とさせる自動停止始
動装置、いわゆるエコノミーランニングシステム(以
下、「エコランシステム」と略す)において発進を円滑
に実行させるために重要である。更に、このようなエコ
ランシステムに限らず、通常の始動においても良好な始
動性を実現する上で重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、始動時におけ
るクランク角や行程状態の決定は、クランクシャフトに
設けられた回転数センサおよびカムシャフトに設けられ
たカム角センサが、回転し始めたクランクシャフトやカ
ムシャフトの回転を検出し、その内で特徴的な信号状態
を検出してから初めて可能となる。このため、スタータ
の回転から実際に燃料噴射や点火を実行するまでに比較
的時間がかかり、始動性が十分なものとは言えない。
【0005】この他に、内燃機関の停止時におけるクラ
ンク角や各気筒の行程状態を決定しておくことにより、
内燃機関の始動時における燃料噴射制御と点火制御に反
映させるシステムが知られている(特開平7−8309
3号公報)。このシステムでは、エンジンのイグニッシ
ョン・オフ時のクランク角を記憶し、始動時にこのクラ
ンク角から始動したものとして機関制御を開始してい
る。
【0006】しかし、イグニッション・オフしても燃焼
中である気筒からは出力トルクが発生しており、また燃
焼がなされなくなっても実際に内燃機関のクランクシャ
フトの回転が停止するまで、内燃機関は更に慣性回転す
る。したがって、特開平7−83093号公報のごと
く、イグニッション・オフ時のクランク角を記憶して
も、実際に停止した行程状態とはずれを生じ、始動する
際の行程状態を正確に反映した燃料噴射や点火制御が困
難となるおそれがある。
【0007】これを解決する手法として、イグニッショ
ン・オフ後も完全にクランクシャフトの回転が停止する
まで回転数センサのパルス数カウントを継続することが
考えられる。すなわち、完全にクランクシャフトの回転
が停止したタイミングで計測されているクランク角を記
憶することが考えられる。
【0008】ところが、内燃機関がこのような慣性回転
にある時においては、圧縮行程にある気筒のピストンは
クランクシャフトを逆方向に回転させる逆回転トルクを
発生させ、膨張行程にある気筒のピストンはクランクシ
ャフトを正方向に回転させる正回転トルクを発生させて
いる。このため、内燃機関の燃焼停止から回転停止まで
の期間においては、慣性回転力、フリクション、前記逆
回転トルク、前記正回転トルクなどにより、クランクシ
ャフトの回転速度は決定されている。この内、前記逆回
転トルクおよび前記正回転トルクはクランク角により周
期的に変化するため、停止直前においては、クランクシ
ャフトは、それまで正回転していた状態から逆転し、逆
回転・正回転を繰り返す状態となり、その後に完全に停
止する。そして最終的停止位置は、上述したトルクの周
期的変化状態により決定される位置エネルギーが極小と
なる安定した回転位相にて停止するか、あるいはフリク
ションなどの原因により、その近傍にて停止することに
なる。
【0009】しかし、停止直前に、前述した逆転現象が
一旦生じると、実際にはクランク角が減少している時間
が存在するにもかかわらず、正回転と同様に継続的に増
加しているものとして計算されてしまう。したがって、
実際のクランク角と完全停止時に求められているクラン
ク角とが大きく異なり、クランク角から決定した行程状
態と実際の行程状態とが全く異なることとなる。このた
め、停止時に得られたクランク角を始動時の行程判定に
反映させて燃料噴射制御や点火制御を実行した場合に
は、予想したような初爆が早期に行われなかったりし
て、内燃機関の始動性が低下するおそれがある。
【0010】更に、従来技術では、例え正確に停止時の
行程状態が求められたとしても、始動以後の制御に用い
られるクランク角の正確な位置は、回転数センサおよび
カム角センサの両者から特徴的な信号が発生するまで
は、決定することができなかった。このため、初爆以降
の機関制御に遅れを生じて、始動が不安定化するおそれ
がある。
【0011】本発明は、内燃機関のクランクシャフトが
実際に停止した時における内燃機関の行程状態を、停止
時におけるクランクシャフトの挙動に基づいて正確に限
定することを目的とするものである。また、本発明は、
このように限定された行程状態に基づいて再始動時の早
期の初爆を実現させることを目的とするものである。ま
た、このように限定された行程状態に基づいて再始動時
に更に正確に行程状態を限定することを目的とするもの
である。また、このように限定された行程状態に基づい
て再始動以後のクランク角の決定を早期化することを目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段およびその作用効果について記載する。請
求項1記載の内燃機関の停止行程判別装置は、内燃機関
の回転に応じた回転信号を出力し内燃機関の特定回転位
相においては前記回転信号を他の回転位相とは異なる状
態にする内燃機関回転状態検出手段を備え、該内燃機関
回転状態検出手段からの回転信号単独あるいは他の信号
を組み合わせて、内燃機関のクランク角が検出される内
燃機関において、内燃機関の回転において位置エネルギ
ーが極大となる回転位相を極大位置エネルギー位相とし
て設定し、内燃機関の停止処理後に内燃機関の回転が停
止するまでの期間に、前記回転信号が、最初に、前記特
定回転位相および前記極大位置エネルギー位相以外の回
転位相にて前後の回転信号の状態とは異なる状態となっ
た場合のクランク角を逆転クランク角として検出する逆
転クランク角検出手段と、前記逆転クランク角検出手段
にて検出された逆転クランク角に基づいて内燃機関の停
止時の行程状態を決定する停止行程判別手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0013】停止までに惰性回転している内燃機関が正
回転から逆回転に移る場合は、逆転時に一旦回転が停止
するので、その前後の位相よりも回転速度が鈍る。この
ため、この時に内燃機関回転状態検出手段が出力する回
転信号は、前後における回転信号とは異なる状態とな
る。したがって最初に前後とは異なる回転信号となった
場合には、その時のクランク角が最初に逆転したクラン
ク角であると判断できる。
【0014】ただし、前述したごとく極大位置エネルギ
ー位相では、正回転と逆回転との間で切り替わらなくて
も、その前後の位相よりも回転速度が鈍る。したがっ
て、この時にも、内燃機関回転状態検出手段が出力する
回転信号は、前後における回転信号とは異なるものとな
る。また、内燃機関回転状態検出手段は、内燃機関の特
定回転位相においては回転信号を他の回転位相とは異な
る状態にしているため、このような特定位相において
も、内燃機関回転状態検出手段が出力する回転信号が、
前後における回転信号とは異なることとなり、逆転時と
は区別が困難となる場合がある。したがって、逆転クラ
ンク角検出手段は、最初に、前記特定回転位相および前
記極大位置エネルギー位相以外の回転位相にて前後の回
転信号とは異なる状態となった場合のクランク角を逆転
クランク角として検出する。
【0015】このように逆転クランク角検出手段により
検出された逆転クランク角が、実際に最初に正回転から
逆回転になった場合の逆転位相である場合には、クラン
ク角は逆転クランク角以上進むことがないことから、逆
転クランク角より遅角側に存在する位置エネルギーが極
小の位相(以下、「極小位置エネルギー位相」と称す
る)あるいはその位相近傍で停止することが判る。
【0016】また、最初に正回転から逆回転になった場
合の逆転位相が前記特定回転位相および前記極大位置エ
ネルギー位相に重複していた場合には、この時のクラン
ク角は逆転クランク角としては検出されず、2番目の逆
転位相、すなわち逆回転から正回転に戻った場合の逆転
位相、あるいは3番目以降の逆転位相が逆転クランク角
として検出される。この2番目以降の逆転により得られ
た逆転クランク角は、逆回転による位相変化分が加算さ
れているため、実際のクランク角よりも大きくなってい
る。すなわち実際のクランク角は、得られている逆転ク
ランク角とは極大位置エネルギー位相を挟んでクランク
角が小さい側に存在する。このことから、実際のクラン
ク角は、計算上の逆転クランク角よりも遅角側の極大位
置エネルギー位相の更に遅角側に存在する極小位置エネ
ルギー位相あるいはその位相近傍で停止することが判
る。
【0017】したがって、逆転クランク角検出手段にて
検出された逆転クランク角に基づいて、停止行程判別手
段では、上述したごとく回転停止のクランク角範囲を絞
ることができることから、内燃機関の行程状態を、停止
時におけるクランクシャフトの挙動に基づいて正確に限
定することができる。
【0018】請求項2記載の内燃機関の停止行程判別装
置は、請求項1記載の構成において、前記内燃機関回転
状態検出手段は、内燃機関の回転数が高くなるのに応じ
て時間間隔が短くなる回転信号を出力し内燃機関の特定
回転位相においては前記回転信号を他の回転位相より長
い時間間隔にするものであり、前記逆転クランク角検出
手段は、内燃機関の停止処理後に内燃機関の回転が停止
するまでの期間に、前記回転信号が、最初に、前記特定
回転位相および前記極大位置エネルギー位相以外の回転
位相にて前後の回転信号の時間間隔よりも長い時間間隔
となった場合のクランク角を逆転クランク角として検出
するものであることを特徴とする。
【0019】このように、内燃機関回転状態検出手段と
しては、内燃機関の回転に応じた時間間隔の回転信号を
出力するものとすることができ、内燃機関の特定回転位
相においては回転信号を他の回転位相とは異なる状態と
することができる。そして、このことにより、逆転クラ
ンク角検出手段は、最初に、前記特定回転位相および前
記極大位置エネルギー位相以外の回転位相にて前後の回
転信号の時間間隔よりも長い時間間隔となった場合に、
そのクランク角を逆転クランク角として検出することが
できるようになる。
【0020】このように検出された逆転クランク角に基
づいて、停止行程判別手段では、内燃機関の行程状態
を、停止時におけるクランクシャフトの挙動に基づいて
正確に限定することができる。
【0021】請求項3記載の内燃機関の停止行程判別装
置は、内燃機関の回転に応じた回転信号を出力する内燃
機関回転状態検出手段を備え、該内燃機関回転状態検出
手段からの回転信号単独あるいは他の信号を組み合わせ
て、内燃機関のクランク角が検出される内燃機関におい
て、内燃機関の回転において位置エネルギーが極大とな
る回転位相を極大位置エネルギー位相として設定し、内
燃機関の停止処理後に内燃機関の回転が停止するまでの
期間に、前記回転信号が、最初に、前記極大位置エネル
ギー位相以外の回転位相にて前後の回転信号の状態とは
異なる状態となった場合のクランク角を逆転クランク角
として検出する逆転クランク角検出手段と、前記逆転ク
ランク角検出手段にて検出された逆転クランク角に基づ
いて内燃機関の停止時の行程状態を決定する停止行程判
別手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】本請求項では、前記請求項1と異なり、内
燃機関回転状態検出手段は特定回転位相において回転信
号が他の回転位相とは異なる構成とされていない。した
がって、逆転クランク角検出手段は、内燃機関の停止処
理後に内燃機関の回転が停止するまでの期間に、最初
に、前記極大位置エネルギー位相以外の回転位相にて前
後の回転信号の状態とは異なる状態となった場合のクラ
ンク角を逆転クランク角として検出する。
【0023】このことにより請求項1にて述べたごとく
のメカニズムにより、逆転クランク角検出手段により検
出された逆転クランク角が、実際に最初に正回転から逆
回転になった場合の逆転位相である場合には、クランク
角は逆転クランク角以上進むことがないことから、逆転
クランク角より遅角側に存在する極小位置エネルギー位
相あるいはその位相近傍で停止することが判る。
【0024】また、最初に正回転から逆回転になった場
合の逆転位相が極大位置エネルギー位相に重複していた
場合には、この時のクランク角は逆転クランク角として
は検出されず、2番目以降の逆転位相が検出される。こ
のことから、実際のクランク角は、計算上の逆転クラン
ク角よりも遅角側の極大位置エネルギー位相の更に遅角
側に存在する極小位置エネルギー位相あるいはその位相
近傍で停止することが判る。
【0025】したがって、逆転クランク角検出手段にて
検出された逆転クランク角に基づいて、停止行程判別手
段では、上述したごとく回転停止のクランク角範囲を絞
ることができることから、内燃機関の行程状態を、停止
時におけるクランクシャフトの挙動に基づいて正確に限
定することができる。
【0026】請求項4記載の内燃機関の停止行程判別装
置は、請求項3記載の構成において、前記内燃機関回転
状態検出手段は、内燃機関の回転数が高くなるのに応じ
て時間間隔が短くなる回転信号を出力するものであり、
前記逆転クランク角検出手段は、内燃機関の停止処理後
に内燃機関の回転が停止するまでの期間に、前記回転信
号が、最初に、前記極大位置エネルギー位相以外の回転
位相にて前後の回転信号の時間間隔よりも長い時間間隔
となった場合のクランク角を逆転クランク角として検出
するものであることを特徴とする。
【0027】このように、内燃機関回転状態検出手段と
しては、内燃機関の回転に応じた時間間隔の回転信号を
出力するものとすることができる。そして、このことに
より、逆転クランク角検出手段は、最初に、前記極大位
置エネルギー位相以外の回転位相にて前後の回転信号の
時間間隔よりも長い時間間隔となった場合に、そのクラ
ンク角を逆転クランク角として検出することができるよ
うになる。
【0028】このように検出された逆転クランク角に基
づいて、停止行程判別手段では、内燃機関の行程状態
を、停止時におけるクランクシャフトの挙動に基づいて
正確に限定することができる。
【0029】請求項5記載の内燃機関の停止行程判別装
置は、請求項1〜4のいずれか記載の構成において、内
燃機関のカムシャフトの回転位相を判別する信号を出力
するカム角検出手段を備え、内燃機関のクランク角は、
前記内燃機関回転状態検出手段の回転信号と、前記カム
角検出手段の信号とに基づいて検出されていることを特
徴とする。
【0030】より具体的には、内燃機関のクランク角
は、内燃機関回転状態検出手段の回転信号と、カム角検
出手段の信号とに基づいて検出するように構成すること
ができる。このようにして構成された内燃機関の停止行
程判別装置において、正確に検出された逆転クランク角
に基づいて、停止行程判別手段では、内燃機関の行程状
態を、停止時におけるクランクシャフトの挙動に基づい
て正確に限定することができる。
【0031】請求項6記載の内燃機関の停止行程判別装
置は、請求項5記載の構成において、前記カム角検出手
段は、カムシャフトの回転位相の内で特定の一カ所にお
いて他と異なる状態となる信号を出力するものであるこ
とを特徴とする。
【0032】より具体的には、カム角検出手段は、カム
シャフトの回転位相の内で特定の一カ所において他と異
なる状態となる信号を出力するものとして構成すること
ができる。
【0033】請求項7記載の内燃機関の停止行程判別装
置は、請求項1〜6のいずれか記載の構成において、前
記極大位置エネルギー位相を境界として内燃機関のクラ
ンク角領域を分割設定し、前記停止行程判別手段は、前
記逆転クランク角検出手段にて検出された逆転クランク
角が属するクランク角領域と該クランク角領域の直前の
クランク角領域とを、内燃機関の停止時の行程状態とし
て決定することを特徴とする。
【0034】前述したごとく、最初に得られた逆転クラ
ンク角からは、そのクランク角より遅角側の極小位置エ
ネルギー位相あるいはその位相近傍で停止するか、ある
いは更にもう一つ遅角側の極小位置エネルギー位相ある
いはその位相近傍でクランク角は停止することが判る。
【0035】このため、極大位置エネルギー位相を境界
として内燃機関のクランク角領域を分割設定した場合
に、停止行程判別手段は、逆転クランク角が属するクラ
ンク角領域とこのクランク角領域の直前(遅角側)のク
ランク角領域とを内燃機関の停止時の行程状態として限
定することができることになる。このように、停止行程
判別手段は、内燃機関の行程状態を正確に限定すること
ができる。
【0036】請求項8記載の内燃機関の燃料噴射制御装
置は、請求項1〜7のいずれか記載の内燃機関の停止行
程判別装置を備えるとともに、内燃機関の始動時におい
ては、直前の内燃機関停止時において前記停止行程判別
手段にて決定されている行程状態に基づいて、燃料噴射
した場合に最も早期に点火燃焼が可能な気筒に対して燃
料噴射を実行する始動時燃料噴射手段を備えたことを特
徴とする。
【0037】本燃料噴射制御装置は、請求項1〜7のい
ずれか記載の内燃機関の停止行程判別装置を備えること
により、従来よりも正確に内燃機関の行程状態を限定す
ることができる。このように限定された行程状態に基づ
いて再始動時の早期の初爆を実現させることができるよ
うになり、始動性をより高いものとできる。
【0038】請求項9記載の内燃機関の燃料噴射制御装
置は、請求項8記載の構成において、内燃機関が吸気ポ
ート燃料噴射タイプである場合には、前記始動時燃料噴
射手段は、前記停止行程判別手段にて決定されている行
程状態において吸気行程にある気筒の吸気ポートに燃料
を供給することを特徴とする。
【0039】このようにすることにより、吸気ポート燃
料噴射タイプの内燃機関において、一層確実に始動時燃
料噴射手段が吸気行程にある気筒の吸気ポートに燃料噴
射することができる。このため、始動時において、一層
確実に早期の初爆を実現することができるようになり、
始動性をより高いものとできる。
【0040】請求項10記載の内燃機関の燃料噴射制御
装置は、請求項8記載の構成において、内燃機関が筒内
燃料噴射タイプである場合には、前記始動時燃料噴射手
段は、前記停止行程判別手段にて決定されている行程状
態において圧縮行程にある気筒の燃焼室内に燃料を供給
することを特徴とする。
【0041】このようにすることにより、筒内燃料噴射
タイプの内燃機関において、一層確実に始動時燃料噴射
手段が圧縮行程にある気筒の燃焼室内に燃料噴射するこ
とができる。このため、始動時において、一層確実に早
期の初爆を実現することができるようになり、始動性を
より高いものとできる。
【0042】請求項11記載の内燃機関の始動時行程判
別装置は、請求項7記載の内燃機関の停止行程判別装置
または請求項8〜10のいずれか記載の内燃機関の燃料
噴射制御装置を備えるとともに、内燃機関の始動時にお
いて、直前の内燃機関停止時において前記停止行程判別
手段にて決定されている行程状態の内から、前記内燃機
関回転状態検出手段の信号および前記カム角検出手段の
信号の内の一方または両方における出力開始初期の状態
に基づいて、始動時の行程状態を選別する始動時行程選
別手段を備えたことを特徴とする。
【0043】本始動時行程判別装置は、請求項7記載の
内燃機関の停止行程判別装置または請求項8〜10のい
ずれか記載の内燃機関の燃料噴射制御装置を備えること
により、前記停止行程判別手段にて正確に限定された停
止時の行程状態を得ている。そして、始動時において
は、このように正確に限定された行程状態から、始動時
行程選別手段が、内燃機関回転状態検出手段の信号およ
びカム角検出手段の信号の内の一方または両方における
出力開始初期の状態に基づいて、始動時の行程状態を選
別することで、更に行程状態を限定している。このこと
により、始動時において早期に一層確実な行程状態に絞
ることができる。こうして、始動時の制御を一層精密な
ものとできる。
【0044】請求項12記載の内燃機関の始動時行程判
別装置は、請求項7記載の内燃機関の停止行程判別装置
または請求項8〜10のいずれか記載の内燃機関の燃料
噴射制御装置を備えるとともに、内燃機関の始動時にお
いて、直前の内燃機関停止時において前記停止行程判別
手段にて決定されている行程状態の内から、前記内燃機
関回転状態検出手段の信号および前記カム角検出手段の
信号の内の一方または両方における出力開始初期の状態
に基づいて、始動時の行程状態を選別し、かつ該選別時
点でのクランク角を決定する始動時行程選別手段を備え
たことを特徴とする。
【0045】本請求項12では、始動時行程選別手段
は、始動時の行程状態を選別するとともに、この選別時
点でのクランク角を決定している。このため、選別以後
はクランク角にしたがって内燃機関の通常の制御が可能
となる。このように限定された行程状態に基づいて再始
動時に更に正確に行程状態を限定し、このように一層正
確に限定された行程状態に基づいて再始動以後のクラン
ク角の決定が早期化できる。したがって、迅速に安定し
た運転を開始することができるようになる。
【0046】請求項13記載の内燃機関の始動時行程判
別装置は、請求項12記載の構成に加えて、前記始動時
行程選別手段により得られた始動時の行程状態と、該選
別時点でのクランク角とに基づいて、最も早く燃焼が可
能な気筒に点火を実行する初爆点火実行手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0047】行程状態が正確に限定できることと、この
行程状態に基づいて再始動以後のクランク角の決定が早
期化できることから、初爆点火実行手段は最も早く初爆
が可能な気筒を迅速に判断することができる。このこと
から、一層安定した始動が可能となる。
【0048】前記請求項8〜10に記載したごとく始動
時燃料噴射手段にて始動時に燃料噴射を行っている場合
も、この燃料噴射された気筒に対して点火チャンスを逃
すことなく適切に点火燃焼でき、初爆を最も早いタイミ
ングで確実に実行させることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1,2に上述
した発明が適用された自動車用4気筒ガソリンエンジン
(以下「エンジン」と略す)2の要部縦断面図を示す。
図1はクランクシャフト4に直交する縦断面を示し、図
2はクランクシャフト4に平行な縦断面を示している。
【0050】エンジン2のシリンダブロック2aには1
番気筒(以下「#1」で表す)、2番気筒(以下「#
2」で表す)、3番気筒(以下「#3」で表す)、4番
気筒(以下「#4」で表す)の4つの気筒を有する。こ
れら各気筒(#1〜#4)毎にピストン6が往復移動可
能に設けられている。これらのピストン6は、エンジン
2の出力軸であるクランクシャフト4にコネクティング
ロッド6aを介してそれぞれ連結されている。ピストン
6の往復移動は、コネクティングロッド6aによってク
ランクシャフト4の回転へと変換される。またエンジン
2においては、始動に用いられるスタータ8が設けられ
ている。手動による始動時にはイグニッションスイッチ
10の操作に基づきスタータ8を駆動してクランクシャ
フト4を回転させることによりエンジン2を始動させ
る。またエコランシステムにより自動停止しているエン
ジン2を自動始動させる場合には、自動始動条件が満足
されると、後述するECU50によりスタータ8が駆動
されてクランクシャフト4が回転しエンジン2が始動さ
れる。
【0051】図1に示すように(図2では略してい
る)、クランクシャフト4にはシグナルロータ12が取
り付けられている。このシグナルロータ12の外周部に
は、クランクシャフト4の軸線を中心として等角度間隔
(ここでは10°間隔)に配置された34個の突起12
aと、1個の幅広の欠歯12bが設けられている。そし
て、シグナルロータ12の外周部に対向して、クランク
ポジションセンサ14が設けられている。このように構
成されていることにより、クランクシャフト4が回転し
た場合には、シグナルロータ12の各突起12aおよび
欠歯12bが順次クランクポジションセンサ14の近傍
を通過することにより、クランクポジションセンサ14
からはそれら各突起12aおよび欠歯12bの通過数に
対応したパルス状の回転信号(以下「NE信号」と称す
る)が出力される。
【0052】また、シリンダブロック2a上にはシリン
ダヘッド16が設けられている。シリンダヘッド16と
ピストン6との間には燃焼室18が設けられ、この燃焼
室18には吸気通路20および排気通路22が接続され
ている。そして、燃焼室18と吸気通路20とは吸気バ
ルブ24の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室1
8と排気通路22とは排気バルブ26の開閉動作によっ
て連通・遮断される。
【0053】更に、シリンダヘッド16には吸気バルブ
24および排気バルブ26を開閉駆動するための吸気カ
ムシャフト28および排気カムシャフト30が回転可能
に支持されている。これら吸気カムシャフト28および
排気カムシャフト30は、タイミングプーリおよびタイ
ミングベルト(共に図示せず)を介してクランクシャフ
ト4に連結され、クランクシャフト4の回転に連動して
回転する。
【0054】吸気カムシャフト28の外周面には3個の
突起32,34,36が吸気カムシャフト28の軸線を
中心として90°(180°CAに相当する)間隔に配
列して設けられている。したがって両端の突起32と突
起36との間隔は180°(360°CAに相当する)
となっている。これら突起32〜36に対向するよう
に、シリンダヘッド16においては、突起32〜36を
検出して検出信号を出力するカムポジションセンサ38
が設けられている。吸気カムシャフト28が回転した場
合には、突起32〜36がカムポジションセンサ38の
近傍を通過する。このことにより、カムポジションセン
サ38からは、突起32〜36のそれぞれの通過に対応
してパルス状の検出信号が出力される。
【0055】なお、吸気カムシャフト28に取り付けら
れているタイミングプーリと一体に可変バルブタイミン
グ機構(以下「VVT」と称する)39が設けられてい
る。このVVT39は、クランクシャフト4に対して吸
気カムシャフト28の回転位相を進角量を調整すること
により、吸気バルブ24のバルブタイミングを可変とす
る装置である。したがってカムポジションセンサ38の
検出信号は気筒判別信号であると共に、吸気バルブ24
のバルブタイミングの検出信号でもある。
【0056】吸気通路20には、燃料を吸気ポート20
aへ向けて噴射する燃料噴射弁40が設けられている。
この燃料噴射弁40からは、必要なタイミング、通常は
吸気行程時に、エンジン2の運転状態に応じて算出され
た量の燃料噴射が行われる。この燃料噴射によって吸気
ポート20aの空気と共に混合気が形成されて燃焼室1
8内に吸入される。更にシリンダヘッド16には点火プ
ラグ42が設けられ、この点火プラグ42によって圧縮
行程中に燃焼室18内の混合気に対して点火が行われ
る。この点火プラグ42の点火時期は、点火プラグ42
の上方に設けられたイグナイタ44によって制御され
る。そして、燃焼室内の混合気が点火されて燃焼する
と、このときの燃焼エネルギによりピストン6が往復移
動してエンジン2が回転駆動される。
【0057】次に、本実施の形態における制御系統の電
気的構成について図3を参照して説明する。この制御系
統には、燃料噴射制御および点火時期制御など、エンジ
ン2の運転状態を制御するための電子制御ユニット(以
下、ECUという)50を備えている。このECU50
は、CPU50a、ROM50b、RAM50c、およ
びバックアップRAM50d等を備える算術論理演算回
路として構成されている。ここで、CPU50aはRO
M50bに記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。RAM50cはCPU50
aでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一
時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM50
dはエンジン2の停止時にその記憶されたデータ等を保
存する不揮発性のメモリである。そして、CPU50
a、ROM50b、RAM50cおよびバックアップR
AM50dは、バス50eを介して互いに接続されると
ともに、外部入力回路50fおよび外部出力回路50g
と接続されている。
【0058】外部入力回路50fには、クランクポジシ
ョンセンサ14、カムポジションセンサ38、スタータ
8、およびイグニッションスイッチ10等が接続されて
いる。また、外部出力回路50gには、スタータ8の駆
動回路、#1〜#4の各燃料噴射弁40、イグナイタ4
4およびVVT39等がそれぞれ接続されている。
【0059】上述したごとく構成されたECU50にお
いては、その通電状態がイグニッションスイッチ10の
操作に基づき切り換えられる。イグニッションスイッチ
10は、オフ位置、アクセサリ位置、オン位置、および
スタート位置の4つの位置に切り換え可能なものであっ
て、オフ位置もしくはアクセサリ位置にあるときにはE
CU50が非通電状態となる。イグニッションスイッチ
10がオン位置にある時にはECU50は通電状態とな
る。またイグニッションスイッチ10がスタート位置に
ある時にはスタータ8が駆動されてクランクシャフト4
の強制的な回転(クランキング)が実行され、エンジン
2の始動がなされる。
【0060】エンジン2の運転中においては、吸気行
程、圧縮行程、膨張行程、および排気行程の各行程が、
#1→#3→#4→#2→#1の順で行われる。そし
て、各気筒(#1〜#4)においては、吸気行程中に燃
料噴射弁40からの燃料噴射が実行されるとともに、圧
縮上死点近傍、通常は圧縮上死点直前にて点火プラグ4
2による点火が実行される。
【0061】ここで、エンジン2が駆動している時にお
いてECU50に入力されるクランクポジションセンサ
14、およびカムポジションセンサ38からの信号を図
4に示す。図4において、(a)は吸気カムシャフト2
8の回転に伴いカムポジションセンサ38内に発生する
電圧波形を示すものである。(b)は(a)の電圧波形
をパルス状のカム角信号に変換したものである。(c)
はクランクシャフト4の回転に伴いクランクポジション
センサ14内に発生する電圧波形を示すものである。
(d)は(c)の電圧波形をNE信号に変換したもので
ある。このNE信号の内、突起12aに対応するパルス
数は、クランクシャフト4の1回転(360°CA)当
たりに「34」となっている。また、クランクポジショ
ンセンサ14から出力される回転信号のうち、欠歯12
bに対応する部分ではパルスの間隔が2パルス存在しな
いことにより広くされている。このパルス間隔が広い部
分の数は、クランクシャフト4の1回転(360°C
A)当たりに「1」となっている。そして、欠歯12b
に対応する部分は、図5の行程状態説明図にてKKBで
示すように、#2および#3の圧縮行程中にクランクポ
ジションセンサ14から出力される。すなわち、こうし
たタイミングで欠歯12bに対応するパルス信号が出力
されるよう欠歯12bの位置が設定されている。
【0062】ECU50は、上述したクランクポジショ
ンセンサ14のNE信号およびカムポジションセンサ3
8からのカム角信号に基づきクランクシャフト4および
吸気カムシャフト28の回転位相を検知する。そして、
ECU50は、クランクシャフト4および吸気カムシャ
フト28の回転位相から各気筒(#1〜#4)について
気筒判別を行い、それら各気筒(#1〜#4)のうち燃
料噴射や点火を行うべき気筒を選択する。また、ECU
50は、クランクポジションセンサ14のNE信号や、
図示していないアクセル開度センサ、吸入空気量セン
サ、水温センサ等の出力にもとづいて、燃料噴射量、燃
料噴射時期、点火時期、VVT39によるバルブタイミ
ングの調整を行っている。
【0063】なお、運転中のエンジン2を運転者が手動
で停止させる際には、イグニッションスイッチ10をオ
ン位置からアクセサリ位置もしくはオフ位置に切り換え
る。このようにイグニッションスイッチ10が切り換え
られる(停止指令がなされる)と、ECU50により燃
料噴射弁40からの燃料噴射が停止されるのでエンジン
2の駆動は停止する。なお、このイグニッションスイッ
チ10の切り換え時には直ちにECU50が非通電状と
されるのではなく、少なくともクランクシャフト4の回
転が完全に停止するまではECU50には通電され、そ
の後、適当なタイミングでECU50が非通電とされ
る。このように燃料噴射停止後もクランクシャフト4の
回転中はECU50を通電状態に維持するのは、後述す
る停止行程判別処理を完遂させるためである。
【0064】これ以外にエンジン2が停止する状況とし
ては、前述したエコランシステムによってエンジン2が
自動停止される場合がある。この場合には、クランクシ
ャフト4の回転停止有無にかかわらずECU50は通電
状態に維持されている。
【0065】ところで、エンジン2を停止させるために
燃料噴射弁40からの燃料噴射を停止すると、エンジン
2は惰性回転に移り、クランクシャフト4の回転速度
(エンジン回転数)が徐々に低下する。この状態にあっ
ては、圧縮行程中の密閉された燃焼室18から生じる逆
方向の回転トルク、および膨張行程中の密閉された燃焼
室18から生じる正方向の回転トルクがクランクシャフ
ト4の回転に影響する。すなわち、図5に示したごと
く、行程の中央部分(90,270,450,630°
CA)が極小位置エネルギー回転位相となり、行程の境
界部分(0,180,360,540°CA)が極大位
置エネルギー位相となる。
【0066】このため、エンジン2が惰性回転にある場
合には、図6(b)に示すごとく、クランクポジション
センサ14に発生する電圧波形は、行程の境界部分
(0,180,360,540°CA)の極大位置エネ
ルギー位相TOPを乗り越える際には一旦エンジン回転
数が低下する。したがって、極大位置エネルギー位相T
OP通過の際には前後よりも長い波長(周波数としては
低い)となる。すなわちNE信号のパルス間隔が前後よ
りも長くなる。また、欠歯12bの回転位相KKBにお
いては、前述した構成により自ずと前後よりも長い波長
となり、NE信号のパルス間隔が前後よりも長くなるよ
うにされている。
【0067】そして、惰性回転しているエンジン2がフ
リクション等により次第に回転エネルギーを失い、極大
位置エネルギー位相TOPを乗り越えられなくなると、
エンジン2の回転は一旦停止する。そして、この回転位
相を逆転回転位相RVSとして、正回転から逆回転へと
逆転現象を生じる。この逆転回転位相RVSにおいても
一旦回転が停止することから、クランクポジションセン
サ14に発生する電圧波形は前後より長波長となり、N
E信号のパルス間隔が前後よりも長くなる。
【0068】以後、逆回転しても遅角側の極大位置エネ
ルギー位相TOPを乗り越える回転エネルギーは無いの
で、乗り越えられなかった極大位置エネルギー位相TO
Pとその遅角側の極大位置エネルギー位相TOPとの間
に挟まれた領域内で、逆転を繰り返して、最後には完全
にエンジン2の惰性回転は停止する。したがって最初に
NE信号のパルス間隔が前後よりも長くなったクランク
角を、最初の逆転回転位相RVSとして検出すれば、エ
ンジン2が実際に停止した時の各気筒(#1〜#4)の
行程状態が判明し、始動時でのエンジン制御に用いるこ
とができる。
【0069】しかし、極大位置エネルギー位相TOPを
乗り越える際にも、そして欠歯12bの回転位相KKB
においても、NE信号のパルス間隔が前後よりも長くな
るため、本実施の形態のECU50は、次に説明する図
7の停止行程判別処理により、エンジン2の停止時の行
程状態を決定している。
【0070】停止行程判別処理(図7)について説明す
る。この処理は、運転者がイグニッションスイッチ10
をオン位置からアクセサリ位置もしくはオフ位置に切り
換えた時、あるいはエコランシステムにより自動停止さ
れた時から、エンジン2の回転が完全に停止するまで繰
り返し実行される処理である。実際には、停止行程判別
処理は、図4(d)に示したNE信号のパルス出力がな
される毎に繰り返し実行され、必要に応じてNE信号の
パルス出力がなされなくなってクランクシャフト4の回
転が完全に停止した場合にも割り込み実行される。
【0071】本処理が開始されると、まず、図4(d)
に示したNE信号による割り込みか否かが判定される
(S110)。NE信号のパルス出力による割り込みで
あれば(S110で「YES」)、次にCPU50aに
内蔵されているタイマーによりカウントされている現在
の時刻を表す数値を時刻変数t(n)に設定する(S1
20)。そして、次式1に示すごとく、今回の時刻変数
t(n)から前回の制御周期でのステップS120の処
理にて設定されている時刻変数t(n−1)を減算して
(S130)、NEパルス出力の時間間隔を表すパルス
幅Tne(n)を算出する(S130)。
【0072】
【数1】 Tne(n) ← t(n) − t(n−1) … [式1] 次に、クランク角を表すクランクカウンタCCRNKの
更新処理を行う。このクランクカウンタCCRNKは、
NE信号を3分周してカウントアップされる値であり、
図8にCCRNK更新処理の詳細を示す。
【0073】CCRNK更新処理では、まず、今回のパ
ルスが欠歯12bを検出しているか否かが判定される
(S141)。欠歯12bか否かはパルス幅Tne
(n)が前回の制御周期でのパルス幅Tne(n−1)
に対して基準比率(例えば、2.5))よりも大きい
(例えば、Tne(n)>2.5×Tne(n−1))
ことにより、極大位置エネルギー位相TOPでのパルス
幅Tne(n)の極大化や逆転回転位相RVSでの極大
化とは区別して判定できる。
【0074】欠歯12bによるものでなければ(S14
1で「NO」)、次にパルス出力のカウント数を表す変
数mを「1」増加させる(S142)。そして変数mが
3以上となったか否かが判定される(S143)。m≧
3であれば(S143で「YES」)、次に変数mに
「0」を設定し(S144)、更に、クランクカウンタ
CCRNKを「1」増加させる(S145)。そして、
クランクカウンタCCRNKが「23」より大きいか否
かが判定される(S146)。CCRNK>23であれ
ば(S146で「YES」)、クランクカウンタCCR
NKに「0」を設定する(S147)。
【0075】なお、ステップS143でm<3の場合は
(S143で「NO」)、クランクカウンタCCRNK
は「1」増加させることなく一旦CCRNK更新処理を
出る。また、ステップS146でCCRNK≦23であ
れば(S146で「NO」)、クランクカウンタCCR
NKに「0」を設定することなく、一旦CCRNK更新
処理を出る。
【0076】今回のパルス出力が欠歯12bを検出した
ものであった場合には(S141で「YES」)、次に
今回の欠歯検出と前回の欠歯検出との間に2回のカム角
信号PCAが入力されているか否かが判定される(S1
48)。2回のカム角信号PCAが入力されていれば
(S148で「YES」)、クランクカウンタCCRN
Kに「4」が設定される(S149)。2回のカム角信
号PCAが入力されていなければ(S148で「N
O」)、クランクカウンタCCRNKに「16」が設定
される(S150)。
【0077】なお、このCCRNK更新処理(S14
0:図8)はエンジン2の駆動中にも行われている。本
実施の形態では、上述したごとくエンジン2の駆動停止
後もクランクシャフト4が停止するまで実行されること
になる。
【0078】CCRNK更新処理(S140:図8)が
終了すると、次にNE信号のパルス幅Tneが極大とな
ったか否かが判定される(S160)。例えば、前々回
のパルス幅Tne(n−2)から前回のパルス幅Tne
(n−1)へはパルス幅が増加しており、今回のパルス
幅Tne(n)が前回のパルス幅Tne(n−1)より
も減少している場合に、前回の制御周期にてパルス幅T
ne(n−1)が極大となったと判定される。すなわち
前後の状態よりもパルス幅Tne(n−1)が長けれ
ば、その位相で極大となったと判定される。パルス幅T
ne(n−1)が極大となっていなければ(S160で
「NO」)、このまま、停止行程判別処理を一旦終了す
る。パルス幅Tneが極大となっていれば(S160で
「YES」)、次に行程状態変数N設定処理が実行され
る(S170)。
【0079】図9に行程状態変数N設定処理の詳細を示
す。行程状態変数N設定処理では、まず、前回制御周期
時のクランクカウンタCCRNK(n−1)が「0,
4,6,12,16,18」のいずれかに該当するか否
かを判定する(S171)。この内、CCRNK(n−
1)=「4,16」は、欠歯12bによりパルス幅Tn
eに極大が現れるクランク角位相に対応している。ま
た、CCRNK(n−1)=「0,6,12,18」
は、極大位置エネルギー位相TOPを通過する際に一旦
回転数が低下することによりパルス幅Tneに極大が現
れるクランク角位相に対応している。
【0080】このように、正回転を継続していてもCC
RNK(n−1)=「0,4,6,12,16,18」
である場合にはパルス幅Tneが極大となる。このよう
な極大位相が生じたことが判明すると(S171で「Y
ES」)、このまま一旦行程状態変数N設定処理から出
る。
【0081】CCRNK(n−1)=「0,4,6,1
2,16,18」でない場合には(S171で「N
O」)、次にCCRNK(n−1)=「18〜23」か
否かが判定される(S172)。このようにCCRNK
(n−1)=「18〜23」である状態は、図5に示さ
れているごとく、#1が圧縮行程、#2が膨張行程、#
3が吸気行程および#4が排気行程にある状態を示して
いる。なお、以下、行程状態は、圧縮行程の気筒にて代
表して述べるものとする。したがって、この場合の行程
状態は#1が圧縮行程となっている状態である。
【0082】CCRNK(n−1)=「18〜23」で
あれば(S172で「YES」)、行程状態変数Nに
「1」が設定され(S173)、このまま一旦行程状態
変数N設定処理を出る。なお、行程状態変数Nには初期
値として「0」が予め設定されているものとする。
【0083】ここで、ステップS172にて「YES」
と判定された状態は、前回制御周期でのクランクカウン
タCCRNK(n−1)が「18〜23」にある時に、
パルス幅Tne(n−1)が極大になったことを示して
いる。ただし、CCRNK(n−1)=「18」につい
ては、ステップS171にて「YES」となるため、ス
テップS172にて「YES」と判定されることはな
い。すなわち、ステップS172にて「YES」と判定
された状態は、#1が圧縮行程である状態において、正
回転を継続していたのでは通常生じないクランク角位相
にて、パルス幅Tne(n−1)が最初に極大となった
ことを示している。
【0084】この状態となるには、2つの場合が考えら
れる。第1の場合は、#1が圧縮行程にある時に最初の
逆転が生じた場合である。したがって、この場合は、ク
ランクシャフト4は、以後、クランク角位相540°C
Aと0(720)°CAとの間の領域で、逆回転と正回
転とを繰り返して、極小位置エネルギー回転位相BTM
(630°CA)あるいはこの位相近傍にて回転を停止
する。
【0085】第2の場合は、最初の逆転が実際には、C
CRNK(n−1)=「0,4,6,12,16,1
8」と重なったために、ステップS171にて「YE
S」と判定されて、最初の逆転は検出されず、実際には
2番目の逆転が最初の逆転として検出された場合であ
る。例えば、CCRNK(n−1)=「16」または
「18」にて最初の逆転が生じたが、ステップS171
にて「YES」と判定されて検出されず、2番目の逆
転、すなわち逆回転から正回転への逆転時に生じたパル
ス幅Tne(n−1)の極大を捉えた場合である。この
場合は、実際には#2の圧縮行程(CCRNK(n−
1)=「12〜17」)にて逆回転と正回転とを繰り返
して、極小位置エネルギー回転位相BTM(450°C
A)あるいはこの位相近傍にて回転を停止することにな
る。しかし、逆回転においてもNE信号がカウントされ
てクランクカウンタCCRNKがカウントアップされる
ので、逆転の検出時のクランクカウンタCCRNK(n
−1)の数値は、#1が圧縮行程状態にあるかのような
値を示す。
【0086】このように、第1の場合と第2の場合とが
存在するため、行程状態変数N=「1」は、完全停止時
のクランク角位相が#1と#2とのいずれかが圧縮行程
にあることを表すものとなる。
【0087】また、ステップS171,S172にて共
に「NO」と判定されると、次にCCRNK(n−1)
=「0〜5」か否かが判定される(S174)。このよ
うにCCRNK(n−1)=「0〜5」である状態は、
#3が圧縮行程にある状態を示している。CCRNK
(n−1)=「0〜5」であれば(S174で「YE
S」)、行程状態変数Nに「2」が設定され(S17
5)、このまま一旦行程状態変数N設定処理を出る。
【0088】ここで、ステップS174にて「YES」
と判定された状態は、クランクカウンタCCRNK(n
−1)が「0〜5」にある時に、パルス幅Tne(n−
1)が極大になったことを示している。ただし、CCR
NK(n−1)=「0」および「4」については、ステ
ップS171にて「YES」となるため、ステップS1
74にて「YES」と判定されることはない。すなわ
ち、正回転を継続していたのでは通常生じないクランク
角位相にて、最初にパルス幅Tne(n−1)が極大と
なったことを示している。
【0089】この状態となるには、2つの場合が考えら
れる。第1の場合は、#3が圧縮行程にある時に最初の
逆転が生じた場合である。したがって、この場合は、ク
ランクシャフト4は、以後、クランク角位相0°CAと
180°CAとの間の領域で、逆回転と正回転とを繰り
返して、極小位置エネルギー回転位相BTM(90°C
A)あるいはこの位相近傍にて回転を停止する。
【0090】第2の場合は、最初の逆転が実際には、C
CRNK=「0,4,6,12,16,18」と重なっ
たために、ステップS171にて「YES」と判定され
て、最初の逆転は検出されず、2番目の逆転が最初の逆
転であると検出された場合である。例えば、CCRNK
=「0」にて最初の逆転が生じたが、ステップS171
にて「YES」と判定されて検出されず、2番目の逆
転、すなわち逆回転から正回転に切り替わった場合に生
じたパルス幅Tne(n−1)の極大を捉えた場合であ
る。この場合は、実際には#1の圧縮行程(CCRNK
(n−1)=「18〜23」)にて逆回転と正回転とを
繰り返して、極小位置エネルギー回転位相BTM(63
0°CA)あるいはこの位相近傍にて回転を停止するこ
とになる。しかし、逆回転においてもNE信号がカウン
トされてクランクカウンタCCRNKがカウントアップ
されるので、クランクカウンタCCRNK(n−1)の
数値は、#3が圧縮行程にあるかのような値を示すよう
になる。
【0091】このように、行程状態変数N=「2」は、
完全停止時のクランク角位相が#1と#3とのいずれか
が圧縮行程状態にあることを表すものとなる。また、ス
テップS171,S172,S174にて共に「NO」
と判定されると、次にCCRNK(n−1)=「6〜1
1」か否かが判定される(S176)。このようにCC
RNK(n−1)=「6〜11」である状態は、#4が
圧縮行程にある状態を示している。CCRNK(n−
1)=「6〜11」であれば(S176で「YE
S」)、行程状態変数Nに「3」が設定され(S17
7)、このまま一旦行程状態変数N設定処理を出る。
【0092】ここで、ステップS176にて「YES」
と判定された状態は、クランクカウンタCCRNK(n
−1)が「6〜11」にある時に、パルス幅Tne(n
−1)が極大になったことを示している。ただし、CC
RNK(n−1)=「6」については、ステップS17
1にて「YES」となるため、ステップS176にて
「YES」と判定されることはない。すなわち、正回転
を継続していたのでは通常生じないクランク角位相に
て、最初にパルス幅Tne(n−1)が極大となったこ
とを示している。
【0093】この状態となるには、2つの場合が考えら
れる。第1の場合は、#4が圧縮行程にある時に最初の
逆転が生じた場合である。したがって、この場合は、ク
ランクシャフト4は、以後、クランク角位相180°C
Aと360°CAとの間の領域で、逆回転と正回転とを
繰り返して、極小位置エネルギー回転位相BTM(27
0°CA)あるいはこの位相近傍にて回転を停止する。
【0094】第2の場合は、最初の逆転が実際には、C
CRNK(n−1)=「0,4,6,12,16,1
8」と重なったために、ステップS171にて「YE
S」と判定されて、実際には最初の逆転は検出されず、
2番目の逆転が最初の逆転として検出された場合であ
る。例えば、CCRNK=「4」または「6」にて最初
の逆転が生じたが、ステップS171にて「YES」と
判定されて検出されず、2番目の逆転、すなわち逆回転
から正回転に切り替わった場合に生じたパルス幅Tne
(n−1)の極大を捉えた場合である。この場合は、実
際には#3の圧縮行程(CCRNK(n−1)=「0〜
5」)にて逆回転と正回転とを繰り返して、極小位置エ
ネルギー回転位相BTM(90°CA)あるいはこの位
相近傍にて回転を停止することになる。しかし、逆回転
においてもNE信号がカウントされてクランクカウンタ
CCRNKがカウントアップされるので、クランクカウ
ンタCCRNK(n−1)の数値は、#4が圧縮行程に
あるかのような値を示す。
【0095】このように、行程状態変数N=「3」は、
完全停止時のクランク角位相が#3と#4とのいずれか
が圧縮行程状態にあることを表すものとなる。また、ス
テップS171,S172,S174,S176にて共
に「NO」と判定されると、次にCCRNK(n−1)
=「12〜17」か否かが判定される(S178)。こ
のようにCCRNK(n−1)=「12〜17」である
状態は、#2が圧縮行程にある状態を示している。CC
RNK(n−1)=「12〜17」であれば(S178
で「YES」)、行程状態変数Nに「4」が設定され
(S179)、このまま一旦行程状態変数N設定処理を
出る。
【0096】ここで、ステップS178にて「YES」
と判定された状態は、クランクカウンタCCRNK(n
−1)が「12〜17」にある時に、パルス幅Tne
(n−1)が極大になったことを示している。ただし、
CCRNK=「12」および「16」については、ステ
ップS171にて「YES」となるため、ステップS1
78にて「YES」と判定されることはない。すなわ
ち、正回転を継続していたのでは通常生じないクランク
角位相にて、最初にパルス幅Tne(n−1)が極大と
なったことを示している。
【0097】この状態となるには、2つの場合が考えら
れる。第1の場合は、#2が圧縮行程にある時に最初の
逆転が生じた場合である。したがって、この場合は、ク
ランクシャフト4は、以後、クランク角位相360°C
Aと540°CAとの間の領域で、逆回転と正回転とを
繰り返して、極小位置エネルギー回転位相BTM(43
0°CA)あるいはこの位相近傍にて回転を停止する。
【0098】第2の場合は、最初の逆転が実際には、C
CRNK=「0,4,6,12,16,18」と重なっ
たために、ステップS171にて「YES」と判定され
て、最初の逆転は検出されず、2番目の逆転が最初の逆
転として検出された場合である。例えば、CCRNK=
「12」にて最初の逆転が生じたが、ステップS171
にて「YES」と判定されて検出されず、2番目の逆
転、すなわち逆回転から正回転に切り替わった場合に生
じたパルス幅Tne(n−1)の極大を捉えた場合であ
る。この場合は、実際には#4の圧縮行程(CCRNK
(n−1)=「6〜11」)にて逆回転と正回転とを繰
り返して、極小位置エネルギー回転位相BTM(270
°CA)あるいはこの位相近傍にて回転を停止すること
になる。しかし、逆回転においてもNE信号がカウント
されてクランクカウンタCCRNKがカウントアップさ
れるので、クランクカウンタCCRNK(n−1)の数
値は、#2が圧縮行程状態にあるかのような値を示すよ
うになる。
【0099】このように、行程状態変数N=「4」は、
完全停止時のクランク角位相が#2と#4とのいずれか
が圧縮行程状態にあることを表すものとなる。なお、3
番目以降の逆転において前述したステップS172,S
174,S176,S178にて「YES」と判定され
る場合は極めて少ない。しかし、このように3番目以降
の逆転が最初の逆転として検出されたとしても、正回転
および逆回転の繰り返しによるクランクカウンタCCR
NKの増加は大きなものでない。したがって行程状態変
数Nにて限定した完全停止時のクランク角位相から外れ
るような誤差は生じない。
【0100】次に、ステップS171,S172,S1
74,S176,S178にて共に「NO」と判定され
ると、このまま一旦行程状態変数N設定処理を出る。し
たがって、この場合は行程状態変数Nは初期設定の
「0」のままである。
【0101】なお、停止行程判別処理(図7)におい
て、NE信号のパルス出力による割り込みでなく、クラ
ンクシャフト4の回転停止時の割り込みである場合は
(S110で「NO」)、逆転が検出されずに停止した
ことを示しており、停止したクランク角位相でのクラン
クカウンタCCRNKについて判定される。この場合
は、上述した行程状態変数N設定処理(図9)のステッ
プS172から実行される。
【0102】したがって、CCRNK(n−1)=「1
8〜23」であれば(S172で「YES」)、行程状
態変数Nに「1」が設定され(S173)、#1と#2
とのいずれかが圧縮行程にあることを示す。すなわち、
全く逆転せずにCCRNK(n−1)=「18〜23」
の値であれば#1の圧縮行程で回転停止したことにな
る。また、最初の逆転が実際には、CCRNK=「0,
4,6,12,16,18」と重なったために、ステッ
プS171にて「YES」と判定され、その後、逆転無
しでCCRNK(n−1)=「18〜23」の値となれ
ば#2の圧縮行程で回転停止したことになる。最初の逆
転ばかりでなくすべての逆転がことごとくCCRNK=
「0,4,6,12,16,18」と重なった場合も#
2の圧縮行程で回転停止したことになる。
【0103】同様にして、CCRNK=「0〜5」であ
れば(S174で「YES」)、行程状態変数Nに
「2」が設定され(S175)、#1と#3とのいずれ
かが圧縮行程にあることを示す。また、CCRNK=
「6〜11」であれば(S176で「YES」)、行程
状態変数Nに「3」が設定され(S177)、#3と#
4とのいずれかが圧縮行程にあることを示す。また、C
CRNK=「12〜17」であれば(S178で「YE
S」)、行程状態変数Nに「4」が設定され(S17
9)、#2と#4とのいずれかが圧縮行程にあることを
示す。
【0104】このようにして、行程状態変数N設定処理
(S170:図9)が終了すると次に行程状態変数N=
「0」か否かが判定される(S180)。行程状態変数
Nが「0」であって(S180で「YES」)、未だ行
程状態変数Nが設定されていなければ、一旦、停止行程
判別処理を終了する。
【0105】一方、行程状態変数Nに「1〜4」のいず
れかの値が設定されいてれば(S180で「NO」)、
停止行程判別処理割り込み実行を停止する設定をして
(S190)、停止行程判別処理を終了する。この停止
行程判別処理割り込み実行の停止設定(S190)によ
り、再度、運転者がイグニッションスイッチ10をオン
位置からアクセサリ位置もしくはオフ位置に切り換える
まで、あるいはエコランシステムにより自動停止される
まで、停止行程判別処理(図7)は停止される。なお、
行程状態変数Nの値は、バックアップRAM50dに記
憶されるので、停止行程判別処理(図7)後にECU5
0の電源が切られた場合でも、次の始動時まで保持され
る。
【0106】次に、上述したごとくに設定されバックア
ップRAM50dに記憶された行程状態変数Nの値に基
づいて始動時に行われる処理について説明する。この始
動時とは、イグニッションスイッチ10をスタート位置
にした時、あるいはエコランシステムにより自動始動を
開始した時である。
【0107】図10に行程状態変数Nの値に基づいて行
われる始動時燃料噴射処理を示す。本処理は始動時に1
回実行される処理である。本処理が開始されると、ま
ず、行程状態変数Nが「1」か否かが判定される(S2
10)。N=「1」であれば(S210で「YE
S」)、#1と#2とのいずれかが圧縮行程状態にある
ことを示していることから、この行程状態では#1と#
3とのいずれかが吸気行程にあることになる。したがっ
て、#1と#3との両方に燃料噴射を実行する(S22
0)。すなわち、始動時に冷却水温THWに基づいて設
定された燃料量を、#1と#3との両方の燃料噴射弁4
0から、各吸気ポート20aに向けて噴射する。こうし
て始動時燃料噴射処理を終了する。このことにより、吸
気行程にある#1と#3とのいずれかの燃焼室18に、
エンジン2のクランキングにより、燃料は吸気とともに
直ちに吸い込まれる。そして、引き続いて圧縮行程とな
り、圧縮行程の終了近傍で点火がなされて初爆がなされ
る。
【0108】例えば、実際には停止状態では#1が圧縮
行程にあった場合には(CCRNK=「18〜2
3」)、この時に吸気行程にあるのは#3である。した
がって、#3の吸気ポート20aに向けて噴射された燃
料が直ちに吸入されて、クランク角位相=180°CA
近傍にて初爆となる。そして、#1の吸気ポート20a
に向けて噴射された燃料は、3行程後に訪れる吸気行程
にて#1の燃焼室18に吸入されて燃焼に用いられる。
【0109】また、実際には#2が圧縮行程であった場
合には(CCRNK=「12〜17」)、吸気行程にあ
るのは#1となる。したがって、#1の吸気ポート20
aに向けて噴射された燃料が直ちに吸入されて、クラン
ク角位相=0°CA近傍にて初爆となる。そして、#3
の吸気ポート20aに向けて噴射された燃料は、更に直
後の吸気行程にて#3の燃焼室18に吸入されてクラン
ク角位相=180°CA近傍にて点火燃焼される。
【0110】N=「1」でなければ(S210で「N
O」)、次に行程状態変数Nが「2」か否かが判定され
る(S230)。N=「2」であれば(S230で「Y
ES」)、#1と#3とのいずれかが圧縮行程状態にあ
ることを示していることから、この行程状態では#3と
#4とのいずれかが吸気行程にある。したがって、#3
と#4との両方に燃料噴射を実行する(S240)。す
なわち、始動時に冷却水温THWに基づいて設定された
燃料量を、#3と#4との両方の燃料噴射弁40から、
各吸気ポート20aに向けて噴射する。こうして始動時
燃料噴射処理を終了する。このことにより、吸気行程に
ある#3と#4とのいずれかの燃焼室18に、エンジン
2のクランキング時に、燃料は吸気とともに直ちに吸い
込まれる。そして、引き続いて圧縮行程となり、圧縮行
程の終了時に点火がなされて初爆がなされる。
【0111】例えば、実際には#3が圧縮行程であった
場合には(CCRNK=「0〜5」)、吸気行程にある
のは#4である。したがって、#4の吸気ポート20a
に向けて噴射された燃料が直ちに吸入されて、クランク
角位相=360°CA近傍にて初爆となる。そして、#
3の吸気ポート20aに向けて噴射された燃料は、3行
程後に訪れる吸気行程にて#3の燃焼室18に吸入され
て燃焼に用いられる。
【0112】また、実際には#1が圧縮行程であった場
合には(CCRNK=「18〜23」)、吸気行程にあ
るのは#3である。したがって、#3の吸気ポート20
aに向けて噴射された燃料が直ちに吸入されて、クラン
ク角位相=180°CA近傍にて初爆となる。そして、
#4の吸気ポート20aに向けて噴射された燃料は、更
に直後の吸気行程にて#4の燃焼室18に吸入されてク
ランク角位相=360°CA近傍にて点火燃焼される。
【0113】N=「2」でなければ(S230で「N
O」)、次に行程状態変数Nが「3」か否かが判定され
る(S250)。N=「3」であれば(S250で「Y
ES」)、#3と#4とのいずれかが圧縮行程状態にあ
ることを示していることから、この行程状態では#2と
#4とのいずれかが吸気行程にある。したがって、#2
と#4との両方に燃料噴射を実行する(S260)。す
なわち、始動時に冷却水温THWに基づいて設定された
燃料量を、#2と#4との両方の燃料噴射弁40から、
各吸気ポート20aに向けて噴射する。こうして始動時
燃料噴射処理を終了する。このことにより、吸気行程に
ある#2と#4とのいずれかの燃焼室18に、エンジン
2のクランキング時に燃料は吸気とともに直ちに吸い込
まれる。そして、引き続いて圧縮行程となり、圧縮行程
の終了時に点火がなされて初爆がなされる。
【0114】例えば、実際には#4が圧縮行程であった
場合には(CCRNK=「6〜11」)、吸気行程にあ
るのは#2である。したがって、#2の吸気ポート20
aに向けて噴射された燃料が直ちに吸入されて、クラン
ク角位相=540°CA近傍にて初爆となる。そして、
#4の吸気ポート20aに向けて噴射された燃料は、3
行程後に訪れる吸気行程にて#4の燃焼室18に吸入さ
れて燃焼に用いられる。
【0115】また、実際には#3が圧縮行程であった場
合には(CCRNK=「0〜5」)、吸気行程にあるの
は#4である。したがって、#4の吸気ポート20aに
向けて噴射された燃料が直ちに吸入されて、クランク角
位相=360°CA近傍にて初爆となる。そして、#2
の吸気ポート20aに向けて噴射された燃料は、更に直
後の吸気行程にて#2の燃焼室18に吸入されてクラン
ク角位相=540°CA近傍にて点火燃焼される。
【0116】N=「3」でなければ(S250で「N
O」)、行程状態変数Nが「4」である。このことは、
#2と#4とのいずれかが圧縮行程状態にあることを示
していることから、この行程状態では#1と#2とのい
ずれかが吸気行程にある。したがって、#1と#2との
両方に燃料噴射を実行する(S270)。すなわち、始
動時に冷却水温THWに基づいて設定された燃料量を、
#1と#2との両方の燃料噴射弁40から、各吸気ポー
ト20aに向けて噴射する。こうして始動時燃料噴射処
理を終了する。このことにより、吸気行程にある#1と
#2とのいずれかの燃焼室18に、エンジン2のクラン
キング時に燃料は吸気とともに直ちに吸い込まれる。そ
して、引き続いて圧縮行程となり、圧縮行程の終了時に
点火がなされて初爆がなされる。
【0117】例えば、実際には#2が圧縮行程であった
場合には(CCRNK=「12〜17」)、吸気行程に
あるのは#1である。したがって、#1の吸気ポート2
0aに向けて噴射された燃料が直ちに吸入されて、クラ
ンク角位相=720°CA近傍にて初爆となる。そし
て、#2の吸気ポート20aに向けて噴射された燃料
は、3行程後に訪れる吸気行程にて#2の燃焼室18に
吸入されて燃焼に用いられる。
【0118】また、実際には#4が圧縮行程であった場
合には(CCRNK=「6〜11」)、吸気行程にある
のは#2である。したがって、#2の吸気ポート20a
に向けて噴射された燃料が直ちに吸入されて、クランク
角位相=540°CAにて初爆となる。そして、#1の
吸気ポート20aに向けて噴射された燃料は、更に直後
の吸気行程にて#1の燃焼室18に吸入されてクランク
角位相=0°CA近傍にて点火燃焼される。
【0119】次に、イグニッションスイッチ10をスタ
ート位置にした時以後、あるいはエコランシステムによ
り自動始動を開始した時以後に行われるクランク角設定
処理について図11〜15に基づいて説明する。本クラ
ンク角設定処理はNE信号のパルス出力毎に割り込み実
行される処理である。
【0120】クランク角設定処理が開始されると、ま
ず、選別完了フラグFsが「OFF」か否かが判定され
る(S310)。ここで、選別完了フラグFsは後述す
る各選別処理(図12〜15)にて、始動開始時に圧縮
行程にある気筒が選別された場合に「ON」に設定され
るフラグであり、始動時にはFs=「OFF」に初期化
されている。したがって、最初はFs=「OFF」(S
310で「YES」)であるので、次にスタータ8がオ
ンしてからの回転クランク角Scaをカウントする(S
315)。すなわち、ステップS315の実行毎に10
°CAが加算される。ただし欠歯12bであった場合に
は30°CAが加算される。
【0121】次にバックアップRAM50dに記憶され
ている行程状態変数Nを読み出して、N=「1」か否か
を判定する(S320)。ここで、N=「1」であれば
(S320で「YES」)、図12に示す#1,2選別
処理が実行される(S330)。N=「1」では、前述
したごとくエンジン2の停止時の行程状態は、#1ある
いは#2のいずれかが圧縮行程にあることが判明してい
る。すなわち、#1,2選別処理は、実際には#1ある
いは#2のいずれの圧縮行程が停止時(始動時)の行程
状態であるかを決定し、クランクカウンタCCRNKを
早期に設定するための処理である。
【0122】#1,2選別処理が開始されると、まず、
今回の割り込み実行に対応するNE信号が欠歯12bに
該当するものか否かを判定する(S331)。欠歯12
bに該当しない内は(S331で「NO」)、次に、カ
ム角信号PCAが2回入力したか否かが判定される(S
332)。カム角信号PCAが入力されていなかった
り、あるいはカム角信号PCAがいまだ1回である内は
(S332で「NO」)、このまま#1,2選別処理
(図12)を出る。そしてクランク角設定処理(図1
1)についても一旦終了する。
【0123】一方、NE信号が欠歯12bに該当すれば
(S331で「YES」)、前記回転クランク角Sca
が80°CA以内か否かが判定される(S333)。S
ca≦80°CAであれば(S333で「YES」)、
始動時に圧縮行程にある気筒として#2が該当すること
から、RAM50c内に設定されている始動時気筒変数
SSに「#2」を記憶する(S334)。
【0124】図5に示したごとく、N=「1」では、停
止時のエンジン2は#1あるいは#2のいずれかが圧縮
行程にあり、しかも、この内でも極小位置エネルギー回
転位相BTM(450°CAまたは630°CA)、あ
るいはこの近傍の回転位相にある。この状態からエンジ
ン2が回転して、スタータ8のオンから80°CA以内
に欠歯12bの回転位相KKBとなるのは、始動開始時
に#2が圧縮行程にある状態のみである。したがって、
始動時気筒変数SSに「#2」が記憶されることにな
る。なお、図5は、VVT39が、クランクシャフト4
に対する吸気カムシャフト28の相対位相を、始動時の
位相である最遅角位相に配置している状態を示してい
る。
【0125】そして、#2が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、最初に欠歯12bを検出する
回転位相KKBは480°CAである。このためクラン
クカウンタCCRNKに「16」を設定する(S33
5)。そして、選別完了フラグFsに「ON」を設定し
て(S336)、#1,2選別処理(図12)を出る。
【0126】一方、欠歯12bが検出されない内に(S
331で「NO」)、カム角信号PCAが2回入力する
と(S332で「YES」)、始動時に圧縮行程にある
気筒として#2が該当することから、始動時気筒変数S
Sに「#2」を記憶する(S337)。
【0127】図5に示したごとく、停止時のエンジン2
が、実際に#2が圧縮行程にある状態にあったとして
も、フリクションなどの関係で最初に欠歯12bを検出
する回転位相KKBである480°CAにあるかわずか
に越えている場合も考えられる。この場合には、欠歯1
2bが検出される前にカム角信号PCAが2回入力する
ことになる。したがって、このような場合には始動時気
筒変数SSには「#2」が記憶される。
【0128】そして、#2が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、2つ目のカム角信号PCAが
入力する回転位相は0°CAである。このためクランク
カウンタCCRNKに「0」を設定する(S338)。
そして、選別完了フラグFsに「ON」を設定して(S
336)、#1,2選別処理(図12)を出る。
【0129】また2回のカム角信号PCAが検出されな
い内に欠歯12bが検出され(S331で「YE
S」)、しかも回転クランク角Scaが80°CAを越
えていた場合は(S333で「NO」)、始動時に圧縮
行程にある気筒としては#1が該当する。このため始動
時気筒変数SSに「#1」を記憶する(S339)。
【0130】図5に示したごとく、N=「1」の停止状
態からエンジン2が回転して、2回のカム角信号PCA
が検出されない内にスタータ8のオンから80°CAを
越えた後に欠歯12bの回転位相KKBとなるのは、始
動開始時に#1が圧縮行程にある場合のみである。した
がって、始動時気筒変数SSに「#1」が記憶されるこ
とになる。
【0131】そして、#1が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、最初に欠歯12bを検出する
回転位相KKBは、120°CAである。このためクラ
ンクカウンタCCRNKに「4」を設定する(S34
0)。そして、選別完了フラグFsに「ON」を設定し
て(S336)、#1,2選別処理(図12)を出る。
【0132】クランク角設定処理(図11)にて、N=
「1」でない場合には(S320で「NO」)、次にN
=「2」か否かが判定される(S350)。N=「2」
であれば(S350で「YES」)、図13に示す#
1,3選別処理が実行される(S360)。N=「2」
では、前述したごとくエンジン2の停止時の行程状態
は、#1あるいは#3のいずれかが圧縮行程にあること
が判明している。すなわち、#1,3選別処理は、実際
には#1あるいは#3のいずれが停止時(始動時)の行
程状態であるかを決定し、クランクカウンタCCRNK
を早期に設定するための処理である。
【0133】#1,3選別処理が開始されると、まず、
今回の割り込み実行に対応するNE信号が欠歯12bに
該当するものか否かを判定する(S361)。欠歯12
bに該当しない内は(S361で「NO」)、次に、カ
ム角信号PCAが入力したか否かが判定される(S36
2)。カム角信号PCAが入力されていない内は(S3
62で「NO」)、このまま#1,3選別処理(図1
3)を出る。そしてクランク角設定処理(図11)につ
いても一旦終了する。
【0134】一方、NE信号が欠歯12bに該当すれば
(S361で「YES」)、始動時に圧縮行程にある気
筒として#3が始動時気筒変数SSに記憶される(S3
64)。図5に示したごとく、N=「2」では、停止時
のエンジン2は#1あるいは#3のいずれかが圧縮行程
にあり、しかも、この内でも極小位置エネルギー回転位
相BTM(630°CAまたは90°CA)、あるいは
この近傍の回転位相状態にある。この状態からエンジン
2が回転して、スタータ8のオンからカム角信号PCA
が入力しない内に欠歯12bの回転位相KKBとなるの
は、始動開始時に#3が圧縮行程にある場合のみであ
る。したがって、始動時気筒変数SSに「#3」が記憶
されることになる。
【0135】そして、#3が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、最初に欠歯12bを検出する
回転位相KKBは、120°CAである。このためクラ
ンクカウンタCCRNKに「4」を設定する(S36
5)。そして、選別完了フラグFsに「ON」を設定し
て(S366)、#1,3選別処理(図13)を出る。
【0136】一方、欠歯12bが検出されない内に(S
361で「NO」)、カム角信号PCAの入力があると
(S362で「YES」)、次に前記回転クランク角S
caが180°CA以内か否かが判定される(S36
7)。Sca≦180°CAであれば(S367で「Y
ES」)、始動時に圧縮行程にある気筒として「#1」
が始動時気筒変数SSに記憶される(S368)。N=
「2」の停止状態では、スタータ8のオンから180°
CA以内にカム角信号PCAの入力があるのは、始動開
始時に#1が圧縮行程にある場合のみである。したがっ
て、始動時気筒変数SSに「#1」が記憶されることに
なる。
【0137】そして、#1が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、最初にカム角信号PCAの入
力があるのは、0°CAである。このためクランクカウ
ンタCCRNKに「0」を設定する(S369)。そし
て、選別完了フラグFsに「ON」を設定して(S36
6)、#1,3選別処理(図13)を出る。
【0138】また、Sca>180°CAであれば(S
367で「NO」)、始動時に圧縮行程にある気筒とし
て「#3」が始動時気筒変数SSに記憶される(S37
0)。図5に示したごとく、停止時に#3が圧縮行程に
あったとしても、フリクションなどの関係で最初に欠歯
12bを検出する回転位相KKBである120°CAに
あるかわずかに越えている場合が考えられる。この場合
には、Sca>180°CAとなった後、クランク角4
80°CAの欠歯12bが検出される前にクランク角3
60°CAにてカム角信号PCAが入力することにな
る。したがって、このような場合には始動時気筒変数S
Sには「#3」が記憶される。
【0139】そして、#3が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、Sca>180°CAとなっ
た後、カム角信号PCAが入力する回転位相は360°
CAである。このためクランクカウンタCCRNKに
「12」を設定する(S371)。そして、選別完了フ
ラグFsに「ON」を設定して(S366)、#1,3
選別処理(図13)を出る。
【0140】クランク角設定処理(図11)にて、N=
「2」でない場合には(S350で「NO」)、次にN
=「3」か否かが判定される(S380)。N=「3」
であれば(S380で「YES」)、図14に示す#
3,4選別処理が実行される(S390)。N=「3」
では、前述したごとくエンジン2の停止時の行程状態
は、#3あるいは#4のいずれかが圧縮行程にあること
が判明している。すなわち、#3,4選別処理は、#3
あるいは#4のいずれが停止時(始動時)の行程状態で
あるかを決定し、クランクカウンタCCRNKを早期に
設定するための処理である。
【0141】#3,4選別処理が開始されると、まず、
今回の割り込み実行に対応するNE信号が欠歯12bに
該当するものか否かを判定する(S391)。欠歯12
bに該当しない内は(S391で「NO」)、次に、カ
ム角信号PCAが入力したか否かが判定される(S39
2)。カム角信号PCAが入力されていない内は(S3
92で「NO」)、このまま#3,4選別処理(図1
4)を出る。そしてクランク角設定処理(図11)につ
いても一旦終了する。
【0142】一方、NE信号が欠歯12bに該当すれば
(S391で「YES」)、始動時に圧縮行程にある気
筒として「#3」が始動時気筒変数SSに記憶される
(S394)。図5に示したごとく、N=「3」では、
停止時のエンジン2は#3あるいは#4のいずれかが圧
縮行程にあり、しかも、この内でも極小位置エネルギー
回転位相BTM(90°CAまたは270°CA)、あ
るいはこの近傍の回転位相状態にある。この状態からエ
ンジン2が回転して、スタータ8のオンからカム角信号
PCAが入力しない内に、欠歯12bの回転位相KKB
となるのは、始動開始時に#3が圧縮行程にある場合の
みである。したがって、始動時気筒変数SSに「#3」
が記憶されることになる。
【0143】そして、#3が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、最初に欠歯12bを検出する
回転位相KKBは120°CAである。このためクラン
クカウンタCCRNKに「4」を設定する(S39
5)。そして、選別完了フラグFsに「ON」を設定し
て(S396)、#3,4選別処理(図14)を出る。
【0144】一方、欠歯12bが検出されない内に(S
391で「NO」)、カム角信号PCAの入力があると
(S392で「YES」)、次に前記回転クランク角S
caが180°CA以内か否かが判定される(S39
7)。Sca≦180°CAであれば(S397で「Y
ES」)、始動時に圧縮行程にある気筒として「#4」
が始動時気筒変数SSに記憶される(S398)。N=
「3」の停止状態では、始動開始時から180°CA以
内にカム角信号PCAの入力があるのは、始動開始時に
#4が圧縮行程にある場合のみである。したがって、始
動時気筒変数SSに「#4」が記憶されることになる。
【0145】そして、#4が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、最初にカム角信号PCAの入
力があるのは、360°CAである。このためクランク
カウンタCCRNKに「12」を設定する(S39
9)。そして、選別完了フラグFsに「ON」を設定し
て(S396)、#3,4選別処理(図14)を出る。
【0146】また、Sca>180°CAであれば(S
397で「NO」)、始動時に圧縮行程にある気筒とし
て「#3」が始動時気筒変数SSに記憶される(S40
0)。図5に示したごとく、停止時のエンジン2が#3
が圧縮行程にある状態にあったとしても、フリクション
などの関係で最初に欠歯12bを検出する回転位相KK
Bである120°CAにあるかわずかに越えている場合
が考えられる。この場合には、Sca>180°CAと
なった後、クランク角480°CAの欠歯12bが検出
される前にクランク角360°CAにてカム角信号PC
Aが入力することになる。したがって、このような場合
には始動時気筒変数SSには「#3」が記憶される。
【0147】そして、#3が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、Sca>180°CAとなっ
た後、カム角信号PCAが入力する回転位相は360°
CAである。このためクランクカウンタCCRNKに
「12」を設定する(S401)。そして、選別完了フ
ラグFsに「ON」を設定して(S396)、#3,4
選別処理(図14)を出る。
【0148】クランク角設定処理(図11)にて、N=
「3」でない場合には(S380で「NO」)、N=
「4」である。したがって、図15に示す#2,4選別
処理が実行される(S410)。N=「4」では、前述
したごとくエンジン2の停止時の行程状態は、#2ある
いは#4のいずれかが圧縮行程にあることが判明してい
る。すなわち、#2,4選別処理は、#2あるいは#4
のいずれが停止時(始動時)の行程状態であるかを決定
し、クランクカウンタCCRNKを早期に設定するため
の処理である。
【0149】#2,4選別処理が開始されると、まず、
今回の割り込み実行に対応するNE信号が欠歯12bに
該当するものか否かを判定する(S411)。欠歯12
bに該当しない場合は(S411で「NO」)、カム角
信号PCAが2回入力したか否かが判定される(S41
6)。カム角信号PCAが2回入力していなければ(S
416で「NO」)、このまま#2,4選別処理(図1
5)を出る。そしてクランク角設定処理(図11)につ
いても一旦終了する。
【0150】一方、NE信号が欠歯12bに該当すれば
(S411で「YES」)、次に前記回転クランク角S
caが80°CA以内か否かが判定される(S41
2)。Sca≦80°CAであれば(S412で「YE
S」)、始動時に圧縮行程にある気筒として「#2」が
始動時気筒変数SSに記憶される(S413)。N=
「4」の停止状態では、スタータ8のオンから80°C
A以内に欠歯12bとなるのは、始動開始時に#2が圧
縮行程にある場合のみである。したがって、始動時気筒
変数SSに「#2」が記憶されることになる。
【0151】そして、#2が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、最初に欠歯12bとなるのは
480°CAである。このためクランクカウンタCCR
NKに「16」を設定する(S414)。そして、選別
完了フラグFsに「ON」を設定して(S415)、#
2,4選別処理(図15)を出る。
【0152】また、カム角信号PCAが2回入力しない
内に(S416で「NO」)、欠歯12bが検出され、
Sca>80°CAであれば(S412で「NO」)、
始動時に圧縮行程にある気筒として「#4」が始動時気
筒変数SSに記憶される(S417)。N=「4」の停
止状態では、始動開始時から80°CAを越え、かつカ
ム角信号PCAが2回入力しない内に欠歯12bとなる
のは、始動開始時に#4が圧縮行程にある場合のみであ
る。したがって、始動時気筒変数SSに「#4」が記憶
されることになる。
【0153】そして、#4が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、最初に欠歯12bとなるのは
480°CAである。このためクランクカウンタCCR
NKに「16」を設定する(S418)。そして、選別
完了フラグFsに「ON」を設定して(S415)、#
2,4選別処理(図15)を出る。
【0154】また、欠歯12bが検出される前に(S4
11で「NO」)、カム角信号PCAが2回入力される
と(S416で「YES」)、始動時に圧縮行程にある
気筒として「#2」が始動時気筒変数SSに記憶される
(S419)。図5に示したごとく、実際に停止時のエ
ンジン2が、#2が圧縮行程にある状態にあったとして
も、フリクションなどの関係で最初に欠歯12bを検出
する回転位相KKBである480°CAにあるかわずか
に越えている場合が考えられる。この場合には、欠歯1
2bが検出される前にカム角信号PCAが2回入力す
る。したがって、このような場合には始動時気筒変数S
Sには「#2」が記憶される。
【0155】そして、#2が圧縮行程にある状態から回
転開始したことが判れば、カム角信号PCAが2回入力
した時の回転位相は0°CAである。このためクランク
カウンタCCRNKに「0」を設定する(S420)。
そして、選別完了フラグFsに「ON」を設定して(S
415)、#2,4選別処理(図15)を出る。
【0156】このように各選別処理(図12〜15)に
て、始動時気筒変数SSとクランクカウンタCCRNK
とが決定されて、選別完了フラグFsに「ON」が設定
されると、クランク角設定処理(図11)の次の制御周
期では、Fs=「ON」であることから(S310で
「NO」)、クランクカウンタCCRNK更新処理が実
行される(S430)。このクランクカウンタCCRN
K更新処理は図8に示したクランクカウンタCCRNK
更新処理と同じ処理である。以後、運転者がイグニッシ
ョンスイッチ10をオン位置からアクセサリ位置もしく
はオフ位置に切り換えるまで、あるいはエコランシステ
ムにより自動停止されるまでは、このステップS430
処理が繰り返し実行される。
【0157】次に、図16に示す点火時期・燃料噴射時
期設定処理について説明する。この点火時期・燃料噴射
時期設定処理は、前記選別処理(図12〜15)にてF
s=「ON」と設定されることで、NE信号により割り
込み実行を許可される処理である。
【0158】点火時期・燃料噴射時期設定処理が開始さ
れると、まずFs=「ON」となった後の最初の制御周
期であるか否かが判定される(S510)。最初であれ
ば(S510で「YES」)、次に、行程状態変数N、
始動時気筒変数SSおよびクランクカウンタCCRNK
に基づいて、最初に点火する初期点火気筒とその点火タ
イミングを設定する(S520)。この設定は、図17
に示したごとく、ROM50bに記憶されている関係か
ら求められる。例えば、N=「1」、SS=「1」およ
びCCRNK=「4」の場合、初期点火気筒として#3
が設定され、点火タイミングとしては175°CAが設
定される。これらの設定理由については後述する。
【0159】次に、同じ行程状態変数N、始動時気筒変
数SSおよびクランクカウンタCCRNKに基づいて、
最初に燃料噴射する初期燃料噴射気筒とその燃料噴射タ
イミングを設定する(S530)。この設定も、図17
に示したごとく、ROM50bに記憶されている関係か
ら求められる。例えば、N=「1」、SS=「1」およ
びCCRNK=「4」の場合、初期燃料噴射気筒として
4番気筒は#4が設定され、燃料噴射タイミングとして
は吸気行程中のクランク角が設定される。これらの設定
理由については後述する。
【0160】こうして一旦本処理を終了する。そして、
次の制御周期以降においては、ステップS510にては
「NO」と判定されて、次に、TDCか否かが判定され
る(S540)。すなわち、クランク角=0,180,
360,540°CAのいずれかのタイミングか否かが
判定される。TDCでなければ(S540で「N
O」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0161】TDCであれば(S540で「YE
S」)、ステップS520にて実行された初期点火気筒
に引き続いて、クランク角の変化に従って順次点火気筒
が設定され、エンジン2の運転状態に応じた点火時期が
設定される(S550)。そして、次にステップS53
0にて実行された初期燃料噴射気筒に引き続いて、クラ
ンク角の変化に従って順次燃料噴射気筒が設定され、エ
ンジン2の運転状態に応じた噴射時期が設定される(S
560)。以後、エンジン運転が継続している限りTD
C毎にステップS550,S560の処理が繰り返され
る。
【0162】ここで、図17の内容の設定理由について
説明する。N=「1」の場合には、停止時の行程状態
は、#1あるいは#2が圧縮行程にある状態(クランク
角450°,630°CAあるいはこの近傍)には絞ら
れている。そして始動時にNE信号とカム角信号とに基
づいて始動時気筒変数SS=「#2」でクランクカウン
タCCRNK=「16」であったものとする。
【0163】この場合には、実際にはクランク角450
°CAあるいはこの近傍にて、#1と#3とに燃料噴射
を実行したことになる。#1は吸気行程であるので吸気
ポート20aに噴射された燃料は直ちに#1の燃焼室1
8内に吸入される。#3は排気行程であるので吸気ポー
ト20aに噴射された燃料は1行程待って吸気行程にな
ったところで#3の燃焼室18内に吸入される。
【0164】そして、実際にクランクカウンタCCRN
Kの値が判明するのが、スタータ8による回転直後のC
CRNK=「16」からである。このため、始動時に噴
射された#1の圧縮行程のBTDC5°CAである71
5°CAにて#1に点火し、迅速に初爆ができる。そし
て、引き続き始動時に燃料噴射された#3の点火時期と
なる。また#4に対して#4の吸気行程時に初期の燃料
噴射が実行されて、以後、順次、各気筒の吸気ポート2
0aに燃料が噴射され点火燃焼される。このため、以後
順番に燃焼が継続し安定した始動となる。
【0165】また、N=「1」の場合に始動時気筒変数
SS=「#2」でクランクカウンタCCRNK=「0」
であったものとする。この場合にも、実際にはクランク
角480°CAあるいはこれより大きい側の近傍にて、
#1と#3とに燃料噴射を実行したことになる。#1の
吸気ポート20aに噴射された燃料は直ちに#1の燃焼
室18内に吸入され、#3では吸気ポート20aに噴射
された燃料は1行程待って#3の燃焼室18内に吸入さ
れる。そして、実際にクランクカウンタCCRNKの値
が判明するのが、スタータ8による回転後のCCRNK
=「0」からである。このため、直ちに、始動時に噴射
された#1の圧縮行程のTDCである0°CAにて#1
に点火し迅速に初爆ができる。そして、引き続き始動時
に燃料噴射された#3の点火時期となる。また#4に対
して初期の燃料噴射が実行されて、以後順次、各気筒の
吸気ポート20aに燃料が噴射され点火燃焼される。こ
のため、以後順番に燃焼が継続し安定した始動となる。
【0166】また、N=「1」の場合に始動時気筒変数
SS=「#1」でクランクカウンタCCRNK=「4」
であったものとする。この場合には、実際にはクランク
角630°CAあるいはこの近傍にて、#1と#3とに
燃料噴射を実行したことになる。#1は既に圧縮行程と
なっているので、吸気ポート20aに噴射された燃料は
3行程後に#1の燃焼室18内に吸入されることにな
る。一方、#3は吸気行程であるので、吸気ポート20
aに噴射された燃料は直ちに#3の燃焼室18内に吸入
される。そして、実際にクランクカウンタCCRNKの
値が判明するのが、スタータ8による回転後のCCRN
K=「4」からである。このため、始動時に噴射された
#3の圧縮行程のBTDC5°CAである175°CA
にて#3に点火し迅速に初爆ができる。また#4はCC
RNK=「4」では既に吸気行程であるので、直ちに初
期の燃料噴射が実行されて、以後順次、各気筒の吸気ポ
ート20aに燃料が噴射され点火燃焼される。このた
め、以後順番に燃焼が継続し安定した始動となる。ただ
し、始動時に燃料噴射された#1は、3行程の間は燃料
が吸気ポート20aに留まり、その後に吸気行程となっ
た場合に吸入される。したがってステップS560によ
る#1に対する最初の燃料噴射のみ省略する。
【0167】次に、N=「2」の場合について説明す
る。N=「2」の場合には、停止時の行程状態は、#1
あるいは#3が圧縮行程にある状態(クランク角630
°,90°CAあるいはこの近傍)には絞られている。
そして始動時にNE信号とカム角信号とに基づいて始動
時気筒変数SS=「#1」でクランクカウンタCCRN
K=「0」であったものとする。
【0168】この場合には、実際にはクランク角630
°CAあるいはこの近傍にて、#3と#4とに燃料噴射
を実行したことになる。#3は吸気行程であるので吸気
ポート20aに噴射された燃料は直ちに#3の燃焼室1
8内に吸入される。#4は排気行程であるので吸気ポー
ト20aに噴射された燃料は1行程待って#4の燃焼室
18内に吸入される。
【0169】そして、実際にクランクカウンタCCRN
Kの値が判明するのが、スタータ8による回転直後のC
CRNK=「0」からである。このため、始動時に噴射
された3番気筒#3の圧縮行程のBTDC5°CAであ
る175°CAにて#3に点火し迅速に初爆ができる。
更に引き続いて#4に対して点火される。また#2に初
期の燃料噴射が実行されて、以後順次、各気筒の吸気ポ
ート20aに燃料が噴射され点火燃焼される。このため
以後順番に燃焼が継続し安定した始動となる。
【0170】また、N=「2」の場合に始動時気筒変数
SS=「#3」でクランクカウンタCCRNK=「4」
であったものとする。この場合には、実際にはクランク
角90°CAあるいはこの近傍にて、#3と#4とに燃
料噴射を実行したことになる。#4の吸気ポート20a
に噴射された燃料は直ちに#4の燃焼室18内に吸入さ
れ、#3では吸気ポート20aに噴射された燃料は3行
程待って#3の燃焼室18内に吸入される。そして実際
にクランクカウンタCCRNKの値が判明するのが、ス
タータ8による回転直後のCCRNK=「4」からであ
る。このため、始動時に噴射された#4の圧縮行程のB
TDC5°CAである355°CAにて#4に点火し迅
速に初爆ができる。また#2に対して初期の燃料噴射が
実行されて、以後順次、各気筒の吸気ポート20aに燃
料が噴射され点火燃焼される。このため、以後順番に燃
焼が継続し安定した始動となる。ただし、始動時に燃料
噴射された#3は、3行程の間は燃料が吸気ポート20
aに留まり、その後に吸気行程となった場合に吸入され
る。したがってステップS560による#3に対する最
初の燃料噴射のみ省略する。
【0171】また、N=「2」の場合に始動時気筒変数
SS=「#3」でクランクカウンタCCRNK=「1
2」であったものとする。この場合には、実際にはクラ
ンク角120°CAあるいはこれより大きい側の近傍に
て、#3と#4とに燃料噴射を実行したことになる。#
4は吸気行程であるので、吸気ポート20aに噴射され
た燃料は直ちに#4の燃焼室18内に吸入されることに
なる。一方、#3は圧縮行程であるので、吸気ポート2
0aに噴射された燃料は3行程後に#3の燃焼室18内
に吸入される。そして、実際にクランクカウンタCCR
NKの値が判明するのが、スタータ8による回転後のC
CRNK=「12」からである。このため、直ちに、始
動時に噴射された#4に対して360°CAにて点火し
迅速に初爆ができる。また初期の燃料噴射は#1になさ
れるので、1行程おいて#1にも点火される。以後順
次、各気筒の吸気ポート20aに燃料が噴射され点火燃
焼される。このため、以後順番に燃焼が継続し安定した
始動となる。ただし、始動時に燃料噴射された#3は、
3行程の間は燃料が吸気ポート20aに留まり、その後
に吸気行程となった場合に吸入される。したがって、ス
テップS560による3番気筒#3に対する最初の燃料
噴射のみ省略する。
【0172】次に、N=「3」の場合について説明す
る。N=「3」の場合には、停止時の行程状態は、#3
あるいは#4が圧縮行程にある状態(クランク角90
°,270°CAあるいはこの近傍)には絞られてい
る。そして始動時にNE信号とカム角信号とに基づいて
始動時気筒変数SS=「#3」でクランクカウンタCC
RNK=「4」であったものとする。
【0173】この場合には、実際にはクランク角90°
CAあるいはこの近傍にて、#2と#4とに燃料噴射を
実行したことになる。#4は吸気行程であるので吸気ポ
ート20aに噴射された燃料は直ちに#4の燃焼室18
内に吸入される。#2は排気行程であるので吸気ポート
20aに噴射された燃料は1行程待って#2の燃焼室1
8内に吸入される。
【0174】そして、実際にクランクカウンタCCRN
Kの値が判明するのが、スタータ8による回転直後のC
CRNK=「4」からである。このため、始動時に噴射
された#4の圧縮行程のBTDC5°CAである355
°CAにて#4に点火し迅速に初爆ができる。更に引き
続き#2の点火燃焼がなされる。また、#1に対して初
期の燃料噴射が実行されて、以後順次、各気筒の吸気ポ
ート20aに燃料が噴射され点火燃焼される。このため
以後順番に燃焼が継続し安定した始動となる。
【0175】また、N=「3」の場合に始動時気筒変数
SS=「#3」でクランクカウンタCCRNK=「1
2」であったものとする。この場合には、実際にはクラ
ンク角120°CAあるいはこれより大きい側の近傍に
て、#2と#4とに燃料噴射を実行したことになる。#
4の吸気ポート20aに噴射された燃料は直ちに#4の
燃焼室18内に吸入され、#2では吸気ポート20aに
噴射された燃料は1行程待って#2の燃焼室18内に吸
入される。そして、実際にクランクカウンタCCRNK
の値が判明するのが、スタータ8による回転後のCCR
NK=「12」からである。このため、直ちに、始動時
に噴射された#4の圧縮行程のTDCである360°C
Aにて#4に点火し迅速に初爆ができる。更に引き続き
#2の点火燃焼がなされる。また#1に対して初期の燃
料噴射が実行されて、以後順次、各気筒の吸気ポート2
0aに燃料が噴射され点火燃焼される。このため、以後
順番に燃焼が継続し安定した始動となる。
【0176】また、N=「3」の場合に始動時気筒変数
SS=「#4」でクランクカウンタCCRNK=「1
2」であったものとする。この場合には、実際にはクラ
ンク角270°CAあるいはこの近傍にて、#2と#4
とに燃料噴射を実行したことになる。#2は吸気行程で
あるので、吸気ポート20aに噴射された燃料は直ちに
#2の燃焼室18内に吸入されることになる。一方、#
4は圧縮行程であるので、吸気ポート20aに噴射され
た燃料は3行程後に#4の燃焼室18内に吸入される。
そして、実際にクランクカウンタCCRNKの値が判明
するのが、スタータ8による回転後のCCRNK=「1
2」からである。このため、始動時に噴射された#2の
圧縮行程のBTDC5°CAである535°CAにて#
2に点火し迅速に初爆ができる。また、初期の燃料噴射
は1番気筒#1になされるので、更に、引き続き1番気
筒#1にも点火される。以後順次、各気筒の吸気ポート
20aに燃料が噴射され点火燃焼される。このため、以
後順番に燃焼が継続し安定した始動となる。ただし、始
動時に燃料噴射された#4は、3行程の間は燃料が吸気
ポート20aに留まり、その後に吸気行程となった場合
に吸入される。したがって、ステップS560による#
4に対する最初の燃料噴射のみ省略する。
【0177】次に、N=「4」の場合について説明す
る。N=「4」の場合には、停止時の行程状態は、#2
あるいは#4が圧縮行程にある状態(クランク角270
°,450°CAあるいはこの近傍)には絞られてい
る。そして始動時にNE信号とカム角信号とに基づいて
始動時気筒変数SS=「#2」でクランクカウンタCC
RNK=「16」であったものとする。
【0178】この場合には、実際にはクランク角450
°CAあるいはこの近傍にて、#1と#2とに燃料噴射
を実行したことになる。#1は吸気行程であるので吸気
ポート20aに噴射された燃料は直ちに#1の燃焼室1
8内に吸入される。#2は圧縮行程であるので吸気ポー
ト20aに噴射された燃料は3行程待って#2の燃焼室
18内に吸入される。
【0179】そして、実際にクランクカウンタCCRN
Kの値が判明するのが、スタータ8による回転直後のC
CRNK=「16」からである。このため、始動時に噴
射された#1の圧縮行程のBTDC5°CAである71
5°CAにて#1に点火し迅速に初爆ができる。また#
3に対して初期の燃料噴射が実行されて、以後順次、各
気筒の吸気ポート20aに燃料が噴射され点火燃焼され
る。このため、以後順番に燃焼が継続し安定した始動と
なる。ただし、始動時に燃料噴射された#2は、3行程
の間は燃料が吸気ポート20aに留まり、その後に吸気
行程となった場合に吸入される。したがって、ステップ
S560による#2に対する最初の燃料噴射のみ省略す
る。
【0180】また、N=「4」の場合に始動時気筒変数
SS=「#2」でクランクカウンタCCRNK=「0」
であったものとする。この場合にも、実際にはクランク
角480°CAあるいはこれより大きい側の近傍にて、
#1と#2とに燃料噴射を実行したことになる。#1の
吸気ポート20aに噴射された燃料は直ちに#1の燃焼
室18内に吸入され、#2では吸気ポート20aに噴射
された燃料は3行程待って#2の燃焼室18内に吸入さ
れる。そして、実際にクランクカウンタCCRNKの値
が判明するのが、スタータ8による回転後のCCRNK
=「0」からである。このため、直ちに、始動時に噴射
された#1の圧縮行程のTDCである0°CAにて#1
に点火し迅速に初爆ができる。また#4に対して初期の
燃料噴射が実行されて、初爆から1行程おいて点火燃焼
される。以後順次、各気筒の吸気ポート20aに燃料が
噴射され点火燃焼される。このため、以後順番に燃焼が
継続し安定した始動となる。ただし、始動時に燃料噴射
された#2は、3行程の間は燃料が吸気ポート20aに
留まり、その後に吸気行程となった場合に吸入される。
したがって、ステップS560による#2に対する最初
の燃料噴射のみ省略する。
【0181】また、N=「4」の場合に始動時気筒変数
SS=「#4」でクランクカウンタCCRNK=「1
6」であったものとする。この場合には、実際にはクラ
ンク角270°CAあるいはこの近傍にて、#1と#2
とに燃料噴射を実行したことになる。#2は吸気行程で
あるので、吸気ポート20aに噴射された燃料は直ちに
#2の燃焼室18内に吸入されることになる。一方、#
1は排気行程であるので、吸気ポート20aに噴射され
た燃料は1行程後に#1の燃焼室18内に吸入される。
そして、実際にクランクカウンタCCRNKの値が判明
するのが、スタータ8による回転後のCCRNK=「1
6」からである。このため、始動時に噴射された#2の
圧縮行程のBTDC5°CAである535°CAにて#
2に点火し迅速に初爆ができる。更に、引き続き#1に
点火される。また、初期の燃料噴射は#3になされるの
で、更に、#3にも点火される。以後順次、各気筒の吸
気ポート20aに燃料が噴射され点火燃焼される。この
ため、以後順番に燃焼が継続し安定した始動となる。
【0182】本実施の形態において、シグナルロータ1
2とクランクポジションセンサ14との組み合わせが内
燃機関回転状態検出手段に、突起32〜36とカムポジ
ションセンサ38との組み合わせがカム角検出手段に相
当する。また、停止行程判別処理(図7)のステップS
120〜S160および行程状態変数N設定処理(図
9)のステップS171が逆転クランク角検出手段とし
ての処理に、行程状態変数N設定処理(図9)のステッ
プS172〜S179が停止行程判別手段としての処理
に、始動時燃料噴射処理(図10)が始動時燃料噴射手
段としての処理に、クランク角設定処理(図11)のス
テップS315〜S410が始動時行程選別手段として
の処理に、点火時期・燃料噴射時期設定処理(図16)
のステップS520が初爆点火実行手段に相当する。
【0183】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).行程状態変数N設定処理(図9)では、クラン
クシャフト4に逆転を生じなくてもNE信号のパルス出
力間隔が前後の位相よりも長くなる極大位置エネルギー
位相TOPと欠歯12bの位相とを除いて(S17
1)、最初にNE信号のパルス出力間隔が前後の位相よ
りも長くなる位相を検出している。したがって、クラン
クシャフト4において実際に最初に逆転した位相または
2番目以降に逆転した位相が、逆転クランク角として検
出される。
【0184】前述したごとく、検出した逆転クランク角
が、実際に最初の逆転位相であった場合には、クランク
角は逆転クランク角以上進むことがないことから、回転
を阻んだ極大位置エネルギー位相TOPとその直前にあ
る極大位置エネルギー位相TOPとの間のクランク角領
域にてクランクシャフト4の回転が停止したと判断する
ことができる。この領域の内でも特に極小位置エネルギ
ー回転位相BTMあるいはその近傍でクランクシャフト
4の回転が停止したと判断することができる。
【0185】また、前述したごとく、検出した逆転クラ
ンク角が2番目以降に逆転した位相であった場合は、逆
転クランク角が実際に最初の逆転位相であった場合に比
較して、計算上で回転を阻んだ極大位置エネルギー位相
TOPとその直前にある極大位置エネルギー位相TOP
との間のクランク角領域よりも、更に1つ前のクランク
角領域にてクランクシャフト4の回転が停止したと判断
することができる。
【0186】したがって、行程状態変数N設定処理(図
9)にて検出された逆転クランク角に基づいて、クラン
クシャフト4の停止クランク角を、エンジン2が取り得
る4つのクランク角領域の内の2つに正確に限定するこ
とが可能となる。
【0187】従来では、惰性回転時のクランクシャフト
4の回転や逆転については考慮していないので、実際と
は異なる行程状態で停止しているおそれがある。このた
め始動時に予測とは異なる気筒から回転を開始したと判
断して始動時あるいは始動時以後の制御が不適切なもの
となるおそれがある。
【0188】本実施の形態では、惰性回転時のクランク
シャフト4の挙動に基づいて正確にクランクシャフト4
が停止したクランク角領域を限定している。このことに
より、始動時において、従来よりも正確な行程判別が可
能となり、始動時あるいは始動時以後の制御を、より適
切なものとすることができる。
【0189】(ロ).突起32〜36によってカムポジ
ションセンサ38が検出するカム角信号PCAは図5に
示すごとくの配置(始動時)となっている。このため、
始動時において、欠歯12bとともにカム角信号PCA
を利用することで、停止時に正確に限定した行程状態を
迅速に限定することができる。そして、このことにより
早期に、より確実な行程状態に絞ることができる。した
がって始動時あるいは始動時以後の制御を、より精密で
適切なものとすることができる。
【0190】(ハ).始動時燃料噴射処理(図10)に
より、始動時おいては、行程状態変数N設定処理(図
9)にて決定されている行程状態において吸気行程にあ
る気筒の吸気ポート20aに燃料を供給している。この
ようにすることにより、本実施の形態のごとく吸気ポー
ト燃料噴射タイプのエンジン2において、一層確実に吸
気行程にある気筒の吸気ポート20aに燃料噴射するこ
とができる。このため、始動時において、一層確実に早
期に初爆を開始させることができるようになり、始動性
をより高いものとできる。
【0191】(ニ).エンジン2の始動時においては、
クランク角設定処理(図11)では直前のエンジン停止
時において行程状態変数N設定処理(図9)にて決定さ
れている2つのクランク角領域から、NE信号およびカ
ム角信号における出力開始初期の状態に基づいて、始動
時のクランク角領域(始動時気筒変数SS)を選別し、
選別時点でのクランク角を決定している。
【0192】このことにより、始動時において早期にク
ランク角領域を1つに絞ることができる。そして、選別
以後はクランク角に従って通常のエンジン制御が可能と
なる。このため迅速に始動できると共に、その後の運転
を安定したものとすることができる。
【0193】(ホ).クランク角設定処理(図11)に
て選別された始動時のクランク角領域と選別時点でのク
ランク角とに基づくことにより、点火時期・燃料噴射時
期設定処理(図16)では、最も早く燃焼が可能な気筒
に点火を迅速に実行することができる。また、このよう
に、迅速にクランク角が判明し始動時のクランク角領域
も判明するので、始動時燃料噴射処理(図10)にて燃
料噴射された気筒に対しても、点火チャンスを逃すこと
なく適切に点火燃焼でき、初爆を最も早いタイミングで
確実に実行させることができる。
【0194】[実施の形態2]本実施の形態では、4気
筒エンジンの代わりに6気筒エンジンを用いる。6気筒
エンジンでは、図18の行程状態説明図に示すごとく1
20°CA毎に極大位置エネルギー位相TOPが存在す
る。このため、エンジン停止時の行程状態としては、C
CRNK=0〜3の#5圧縮行程(一部#3も圧縮行程
であるが全域が圧縮行程の#5を代表とする。以下同
じ)、CCRNK=4〜7の#3圧縮行程、CCRNK
=8〜11の#6圧縮行程、CCRNK=12〜15の
#2圧縮行程、CCRNK=16〜19の#4圧縮行
程、CCRNK=20〜23の#1圧縮行程の6つに行
程状態を分割する。
【0195】このことにより、エンジン停止時の行程状
態変数N設定処理としては、極大位置エネルギー位相T
OPおよび欠歯12bの位相であるCCRNK=0,
4,8,12,16,20以外で、NE信号のパルス間
隔が最初に極大となる位相が、CCRNK=0〜23の
いずれの位置であるかを判定する。例えば、極大位相が
CCRNK=17〜19であればN=1に、CCRNK
=21〜23であればN=2に設定し、CCRNK=1
〜3であればN=3に設定し、CCRNK=5〜7であ
ればN=4に設定し、CCRNK=9〜11であればN
=5に設定し、CCRNK=13〜15であればN=6
に設定する。
【0196】ここで、N=1の場合は、前記実施の形態
1で説明したごとくエンジンが実際に停止した行程状態
は#2,4圧縮行程のいずれかの圧縮行程であると限定
できる。同様に、N=2での停止時行程状態は#1,4
圧縮行程のいずれか、N=3での停止時行程状態は#
1,5圧縮行程のいずれか、N=4での停止時行程状態
は#3,5圧縮行程のいずれか、N=5での停止時行程
状態は#3,6圧縮行程のいずれか、N=6での停止時
行程状態は#2,6圧縮行程のいずれかであると限定で
きる。
【0197】そして、始動時には、図19に示すごと
く、始動時燃料噴射処理により、N=1では#1,5
に、N=2では#3,5に、N=3では#3,6に、N
=4では#2,6に、N=5では#2,4に、N=6で
は#1,4に燃料噴射する。また、クランク角設定処理
では、欠歯12bの出現位相KKBとカム角信号PCA
の出現位相との関係から、図19に示したごとく、始動
時気筒変数SSが判明し、始動時気筒変数SSの判明時
のクランクカウンタCCRNKが決定される。そして、
このようにして求められた始動時気筒変数SSとクラン
クカウンタCCRNKとに基づいて、図19に示したご
とく、初期点火気筒、点火タイミング、初期燃料噴射気
筒および燃料噴射タイミングが決定される。
【0198】すなわち、エンジン停止時にN=1に決定
されていた場合、その後の始動時においては、スタータ
・オンから最初に欠歯12bが出現(KKB)すれば、
SS=#2であることが判明し、判明時にCCRNK=
16(480°CA)となる。したがって、715°C
Aにて#1に点火可能となり、始動時に燃料噴射された
#1,5に引き続いて#3の吸気行程にて#3に燃料噴
射が可能となる。またN=1の場合に、スタータ・オン
から50°CA以内にカム角信号PCAが最初に出現す
れば、SS=#4であることが判明し、判明時にCCR
NK=18(540°CA)となる。したがって、11
5°CAにて#5に点火可能となり、始動時に燃料噴射
された#1,5に引き続いて#3の吸気行程にて#3に
燃料噴射が可能となる。なお、#1に噴射された燃料は
ほとんど燃焼室内には吸い込まれていないので、1サイ
クル後の吸気行程時に燃焼室内に吸い込まれて燃焼に用
いられる。したがって、スタータ・オンから1サイクル
後の#1の吸気行程時には#1には燃料噴射は行わな
い。またN=1の場合に、スタータ・オンから50°C
A越えてからカム角信号PCAが最初に出現すれば、S
S=#4であることが判明し、判明時にCCRNK=0
(0°CA)となる。したがって、115°CAにて#
5に点火可能となり、始動時に燃料噴射された#1,5
に引き続いて#3の吸気行程にて#3に燃料噴射が可能
となる。なお#1については上述したごとくの理由によ
りスタータ・オンから1サイクル後の吸気行程時には燃
料噴射は行わない。
【0199】エンジン停止時にN=2に決定されていた
場合に、スタータ・オンから最初に2つのカム角信号P
CAが出現すれば、SS=#4であることが判明し、判
明時にCCRNK=0(0°CA)となる。したがっ
て、115°CAにて#5に点火可能となり、始動時に
燃料噴射された#5,3に引き続いて#6の吸気行程に
て#6に燃料噴射が可能となる。また、N=2の場合
に、2つのカム角信号PCAが出現しない内に、スター
タ・オンから230°CAを越えた後に欠歯12bが出
現(KKB)すれば、SS=#4であることが判明し、
判明時のCCRNK=4(120°CA)となる。した
がって、120°CAにて#5に点火可能となり、始動
時に燃料噴射された#5,3に引き続いて#6の吸気行
程にて#6に燃料噴射が可能となる。また、N=2の場
合に、2つのカム角信号PCAが出現しない内に、スタ
ータ・オンから230°CA以内に欠歯12bが出現
(KKB)すれば、SS=#1であることが判明し、判
明時のCCRNK=4(120°CA)となる。したが
って、235°CAにて#3に点火可能となり、始動時
に燃料噴射された#5,3に引き続いて#6の吸気行程
にて#6に燃料噴射が可能となる。なお#5については
N=1の場合で述べたごとくの理由によりスタータ・オ
ンから1サイクル後の吸気行程時には燃料噴射は行わな
い。
【0200】エンジン停止時にN=3に決定されていた
場合に、最初にカム角信号PCAが出現すれば、SS=
#1であることが判明し、判明時にCCRNK=0(0
°CA)となる。したがって、235°CAにて#3に
点火可能となり、始動時に燃料噴射された#3,6に引
き続いて#2の吸気行程にて#2に燃料噴射が可能とな
る。また、N=3の場合に、最初に欠歯12bが出現
(KKB)すれば、SS=#5であることが判明し、判
明時のCCRNK=4(120°CA)となる。したが
って、355°CAにて#6に点火可能となり、始動時
に燃料噴射された#3,6に引き続いて#2の吸気行程
にて#2に燃料噴射が可能となる。なお#3については
N=1の場合で述べたごとくの理由によりスタータ・オ
ンから1サイクル後の吸気行程時には燃料噴射は行わな
い。
【0201】エンジン停止時にN=4に決定されていた
場合に、最初にカム角信号PCAが出現すれば、SS=
#3であることが判明し、判明時にCCRNK=12
(360°CA)となる。したがって、475°CAに
て#2に点火可能となり、始動時に燃料噴射された#
6,2に引き続いて#4の吸気行程にて#4に燃料噴射
が可能となる。なお#6についてはN=1の場合で述べ
たごとくの理由によりスタータ・オンから1サイクル後
の吸気行程時には燃料噴射は行わない。また、N=4の
場合に、最初に欠歯12bが出現(KKB)すれば、S
S=#5であることが判明し、判明時のCCRNK=4
(120°CA)となる。したがって、355°CAに
て#6に点火可能となり、始動時に燃料噴射された#
6,2に引き続いて#4の吸気行程にて#4に燃料噴射
が可能となる。
【0202】エンジン停止時にN=5に決定されていた
場合に、スタータ・オンから110°CAを越えて最初
にカム角信号PCAが出現すれば、SS=#3であるこ
とが判明し、判明時にCCRNK=12(360°C
A)となる。したがって、475°CAにて#2に点火
可能となり、始動時に燃料噴射された#2,4に引き続
いて#1の吸気行程にて#1に燃料噴射が可能となる。
また、N=5の場合に、スタータ・オンから110°C
A以内に最初にカム角信号PCAが出現すれば、SS=
#6であることが判明し、判明時のCCRNK=12
(360°CA)となる。したがって、595°CAに
て#4に点火可能となり、始動時に燃料噴射された#
2,4に引き続いて#1の吸気行程にて#1に燃料噴射
が可能となる。なお#2についてはN=1の場合で述べ
たごとくの理由によりスタータ・オンから1サイクル後
の吸気行程時には燃料噴射は行わない。
【0203】エンジン停止時にN=6に決定されていた
場合に、スタータ・オン後に最初にカム角信号PCAが
出現すれば、SS=#6であることが判明し、判明時に
CCRNK=12(360°CA)となる。したがっ
て、595°CAにて#4に点火可能となり、始動時に
燃料噴射された#4,1に引き続いて#5の吸気行程に
て#5に燃料噴射が可能となる。また、N=6の場合
に、スタータ・オン後に最初に欠歯12bが出現(KK
B)すれば、SS=#2であることが判明し、判明時の
CCRNK=16(480°CA)となる。したがっ
て、715°CAにて#1に点火可能となり、始動時に
燃料噴射された#4,1に引き続いて#5の吸気行程に
て#5に燃料噴射が可能となる。なお#4についてはN
=1の場合で述べたごとくの理由によりスタータ・オン
から1サイクル後の吸気行程時には燃料噴射は行わな
い。
【0204】以上説明した本実施の形態2によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前述した実施の形態1と同様の効果を得ること
ができる。 (ロ).特に、停止時の行程状態を6つのクランク角領
域の内の2つに正確に限定できるので4気筒の場合より
もより限定範囲が狭まるという効果を生じる。
【0205】[その他の実施の形態] ・前記各実施の形態においては、シグナルロータ12に
は欠歯12bが存在したが、欠歯12b以外の方法で基
準となる回転位相が検出される構成であれば、行程状態
変数N設定処理のステップS171において、検出され
た極大クランク角から除くクランクカウンタCCRNK
の値は、極大位置エネルギー位相TOPのみで良い。こ
のことによっても前述した各実施の形態と同様の効果を
生じさせることができる。
【0206】・前記各実施の形態においては、VVT3
9により吸気カムシャフト28がクランクシャフト4に
対して相対回転する構成であったが、VVT39を備え
ていない場合にも、本発明は同様に適用できる。この場
合は、カム角信号PCAは、クランク角に対して完全に
固定されているので、始動時において始動時気筒変数S
SやクランクカウンタCCRNKの決定が迅速にでき
る。更にこの構成により、上述したごとくシグナルロー
タ12に欠歯12bを設けずに、カムポジションセンサ
38からの信号によりクランク角の基準位置を決定する
ことができる。
【0207】・前述した各実施の形態では、4気筒と6
気筒のエンジンの例を示したが、これ以外の気筒数(例
えば8気筒)においても同様に適用できる。この場合
も、極大位置エネルギー位相により区画されたクランク
角領域の2つに正確に限定できる。そして、始動時にこ
の内の1つに絞ることにより、早期の初爆と安定した始
動を実現できる。
【0208】・前述した各実施の形態では、吸気ポート
に燃料を噴射するタイプのガソリンエンジンに適用した
例を示したが、これ以外に、直接燃焼室内に燃料を噴射
する筒内噴射タイプのガソリンエンジンに適用すること
もできる。この場合には、始動時の燃料噴射は圧縮行程
にある気筒に噴射することができる。
【0209】・なお、エンジンの停止中にも坂道などで
車両が移動し、これに連動してクランクシャフトが回転
する場合がある。この場合には、エンジンの行程状態が
変化するおそれがあるので、エンジン停止中にクランク
ポジションセンサの信号を検出し、図20(a)に示す
ごとくの時間的に長く連続出力される信号がクランクポ
ジションセンサから発生した場合には、行程状態の変化
のおそれがあるものとして始動時燃料噴射処理(図1
0)、クランク角設定処理(図11)および点火時期・
燃料噴射時期設定処理(図16)のステップS520,
S530の実行を禁止しても良い。ただし、図20
(b)に示すごとく、頻度は多いが短時間に発生する信
号は単に橋梁等の上における車両振動により生ずること
から、この場合には実行禁止をしないようにしても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の自動車用4気筒ガソリンエンジ
ンの要部縦断面図。
【図2】図1とは直交する方向での前記エンジンの要部
縦断面図。
【図3】実施の形態1の制御系統の電気的構成説明図。
【図4】実施の形態1のカムポジションセンサおよびク
ランクポジションセンサにおける電圧波形と信号の状態
説明図。
【図5】実施の形態1の4気筒ガソリンエンジンにおけ
る行程状態説明図。
【図6】実施の形態1のカムポジションセンサおよびク
ランクポジションセンサにおいてエンジン回転完全停止
時に発生する電圧波形の説明図。
【図7】実施の形態1のECUにて実行される停止行程
判別処理のフローチャート。
【図8】同じくクランクカウンタCCRNK更新処理の
フローチャート。
【図9】同じく行程状態変数N設定処理のフローチャー
ト。
【図10】同じく始動時燃料噴射処理のフローチャー
ト。
【図11】同じくクランク角設定処理のフローチャー
ト。
【図12】同じく#1,2選別処理のフローチャート。
【図13】同じく#1,3選別処理のフローチャート。
【図14】同じく#3,4選別処理のフローチャート。
【図15】同じく#2,4選別処理のフローチャート。
【図16】同じく点火時期・燃料噴射時期設定処理のフ
ローチャート。
【図17】実施の形態1のECUによる始動時の制御内
容説明図。
【図18】実施の形態2の6気筒ガソリンエンジンにお
ける行程状態説明図。
【図19】実施の形態2のECUによる始動時の制御内
容説明図。
【図20】他の実施の形態において処理の実行有無を判
定するためのクランクポジションセンサにおける電圧波
形説明図。
【符号の説明】
2…エンジン、2a…シリンダブロック、4…クランク
シャフト、6…ピストン、6a…コネクティングロッ
ド、8…スタータ、10…イグニッションスイッチ、1
2…シグナルロータ、12a…突起、12b…欠歯、1
4…クランクポジションセンサ、16…シリンダヘッ
ド、18…燃焼室、20…吸気通路、20a…吸気ポー
ト、22…排気通路、24…吸気バルブ、26…排気バ
ルブ、28…吸気カムシャフト、30…排気カムシャフ
ト、32,34,36…突起、38…カムポジションセ
ンサ、39…VVT、40…燃料噴射弁、42…点火プ
ラグ、44…イグナイタ、50…ECU、50a…CP
U、50b…ROM、50c…RAM、50d…バック
アップRAM、50e…バス、50f…外部入力回路、
50g…外部出力回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G022 AA03 CA01 CA10 GA01 GA05 GA06 GA08 GA09 GA12 3G084 BA13 BA15 BA17 CA01 CA07 DA09 FA00 FA07 FA10 FA20 FA33 FA36 FA38 3G301 HA06 JA00 KA01 KA28 MA11 MA18 PA01Z PE00Z PE01Z PE03Z PE05Z PE08Z PF03Z PF16Z

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の回転に応じた回転信号を出力し
    内燃機関の特定回転位相においては前記回転信号を他の
    回転位相とは異なる状態にする内燃機関回転状態検出手
    段を備え、該内燃機関回転状態検出手段からの回転信号
    単独あるいは他の信号を組み合わせて、内燃機関のクラ
    ンク角が検出される内燃機関において、 内燃機関の回転において位置エネルギーが極大となる回
    転位相を極大位置エネルギー位相として設定し、内燃機
    関の停止処理後に内燃機関の回転が停止するまでの期間
    に、前記回転信号が、最初に、前記特定回転位相および
    前記極大位置エネルギー位相以外の回転位相にて前後の
    回転信号の状態とは異なる状態となった場合のクランク
    角を逆転クランク角として検出する逆転クランク角検出
    手段と、 前記逆転クランク角検出手段にて検出された逆転クラン
    ク角に基づいて内燃機関の停止時の行程状態を決定する
    停止行程判別手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の停止行程判別装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の構成において、前記内燃機
    関回転状態検出手段は、内燃機関の回転数が高くなるの
    に応じて時間間隔が短くなる回転信号を出力し内燃機関
    の特定回転位相においては前記回転信号を他の回転位相
    より長い時間間隔にするものであり、 前記逆転クランク角検出手段は、内燃機関の停止処理後
    に内燃機関の回転が停止するまでの期間に、前記回転信
    号が、最初に、前記特定回転位相および前記極大位置エ
    ネルギー位相以外の回転位相にて前後の回転信号の時間
    間隔よりも長い時間間隔となった場合のクランク角を逆
    転クランク角として検出するものであることを特徴とす
    る内燃機関の停止行程判別装置。
  3. 【請求項3】内燃機関の回転に応じた回転信号を出力す
    る内燃機関回転状態検出手段を備え、該内燃機関回転状
    態検出手段からの回転信号単独あるいは他の信号を組み
    合わせて、内燃機関のクランク角が検出される内燃機関
    において、 内燃機関の回転において位置エネルギーが極大となる回
    転位相を極大位置エネルギー位相として設定し、内燃機
    関の停止処理後に内燃機関の回転が停止するまでの期間
    に、前記回転信号が、最初に、前記極大位置エネルギー
    位相以外の回転位相にて前後の回転信号の状態とは異な
    る状態となった場合のクランク角を逆転クランク角とし
    て検出する逆転クランク角検出手段と、 前記逆転クランク角検出手段にて検出された逆転クラン
    ク角に基づいて内燃機関の停止時の行程状態を決定する
    停止行程判別手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の停止行程判別装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の構成において、前記内燃機
    関回転状態検出手段は、内燃機関の回転数が高くなるの
    に応じて時間間隔が短くなる回転信号を出力するもので
    あり、 前記逆転クランク角検出手段は、内燃機関の停止処理後
    に内燃機関の回転が停止するまでの期間に、前記回転信
    号が、最初に、前記極大位置エネルギー位相以外の回転
    位相にて前後の回転信号の時間間隔よりも長い時間間隔
    となった場合のクランク角を逆転クランク角として検出
    するものであることを特徴とする内燃機関の停止行程判
    別装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載の構成におい
    て、内燃機関のカムシャフトの回転位相を判別する信号
    を出力するカム角検出手段を備え、 内燃機関のクランク角は、前記内燃機関回転状態検出手
    段の回転信号と、前記カム角検出手段の信号とに基づい
    て検出されていることを特徴とする内燃機関の停止行程
    判別装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の構成において、前記カム角
    検出手段は、カムシャフトの回転位相の内で特定の一カ
    所において他と異なる状態となる信号を出力するもので
    あることを特徴とする内燃機関の停止行程判別装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか記載の構成におい
    て、前記極大位置エネルギー位相を境界として内燃機関
    のクランク角領域を分割設定し、 前記停止行程判別手段は、前記逆転クランク角検出手段
    にて検出された逆転クランク角が属するクランク角領域
    と該クランク角領域の直前のクランク角領域とを、内燃
    機関の停止時の行程状態として決定することを特徴とす
    る内燃機関の停止行程判別装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか記載の内燃機関の
    停止行程判別装置を備えるとともに、 内燃機関の始動時においては、直前の内燃機関停止時に
    おいて前記停止行程判別手段にて決定されている行程状
    態に基づいて、燃料噴射した場合に最も早期に点火燃焼
    が可能な気筒に対して燃料噴射を実行する始動時燃料噴
    射手段を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制
    御装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の構成において、内燃機関が
    吸気ポート燃料噴射タイプである場合には、前記始動時
    燃料噴射手段は、前記停止行程判別手段にて決定されて
    いる行程状態において吸気行程にある気筒の吸気ポート
    に燃料を供給することを特徴とする内燃機関の燃料噴射
    制御装置。
  10. 【請求項10】請求項8記載の構成において、内燃機関
    が筒内燃料噴射タイプである場合には、前記始動時燃料
    噴射手段は、前記停止行程判別手段にて決定されている
    行程状態において圧縮行程にある気筒の燃焼室内に燃料
    を供給することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装
    置。
  11. 【請求項11】請求項7記載の内燃機関の停止行程判別
    装置または請求項8〜10のいずれか記載の内燃機関の
    燃料噴射制御装置を備えるとともに、 内燃機関の始動時において、直前の内燃機関停止時にお
    いて前記停止行程判別手段にて決定されている行程状態
    の内から、前記内燃機関回転状態検出手段の信号および
    前記カム角検出手段の信号の内の一方または両方におけ
    る出力開始初期の状態に基づいて、始動時の行程状態を
    選別する始動時行程選別手段を備えたことを特徴とする
    内燃機関の始動時行程判別装置。
  12. 【請求項12】請求項7記載の内燃機関の停止行程判別
    装置または請求項8〜10のいずれか記載の燃料噴射制
    御装置を備えるとともに、 内燃機関の始動時において、直前の内燃機関停止時にお
    いて前記停止行程判別手段にて決定されている行程状態
    の内から、前記内燃機関回転状態検出手段の信号および
    前記カム角検出手段の信号の内の一方または両方におけ
    る出力開始初期の状態に基づいて、始動時の行程状態を
    選別し、かつ該選別時点でのクランク角を決定する始動
    時行程選別手段を備えたことを特徴とする内燃機関の始
    動時行程判別装置。
  13. 【請求項13】請求項12記載の構成に加えて、 前記始動時行程選別手段により得られた始動時の行程状
    態と、該選別時点でのクランク角とに基づいて、最も早
    く燃焼が可能な気筒に点火を実行する初爆点火実行手段
    を備えたことを特徴とする内燃機関の始動時行程判別装
    置。
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