JP2002069490A - 化粧用スポンジの洗浄料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧用スポンジに付着した汚れに対する洗
浄効果が良好で、洗浄剤の後残りがなく、系の安定性に
優れ、繰り返し洗浄してもスポンジの柔軟性維持に優れ
た化粧用スポンジの洗浄料を提供すること。 【解決手段】 ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを
含有し、イミダゾリニウムベタイン系、アミドベタイン
系又はベタイン系両性界面活性剤を含まない、ことを特
徴とする化粧用スポンジの洗浄料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は化粧用スポンジの洗
浄料に関する。更に詳しくは、化粧用スポンジに付着し
た汚れに対する洗浄効果が良好で、洗浄剤の後残りがな
く、系の安定性に優れ、繰り返し洗浄してもスポンジの
柔軟性維持に優れた化粧用スポンジの洗浄料に関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】通
常、ファンデーションを塗付する際に、化粧用スポンジ
が用いられている。また、近年では、化粧行動の多様化
により、ファンデーションのみならず、使用感や仕上が
り感が良好なことからアイメークやチークなどのポイン
トメイク、さらには、塗付した化粧品のふきとり用具と
して用いられている。この化粧用スポンジは繰り返し使
用されるものであるため、化粧品中の油分や皮脂が付
着、蓄積し、化粧品の肌へのつきやのびが悪化したり、
顔や手あるいは空中の常在菌が付着し繁殖する可能性が
あり、引き続き清潔な状態で使用するためはたびたび洗
浄することが望ましい。洗浄には一般に石鹸や家庭用液
体洗剤が使用されるが、特に油性ファンデーションで汚
れた化粧用スポンジは顔料が詰まり、汚れが落ちにく
く、乾燥後はスポンジの表面がゴワゴワし、肌触りが悪
くなるといわれている。また、すでに上市されている化
粧用具洗浄関連製剤は、特に汗や水に強いファンデーシ
ョンやエマルジョン・パクト等のファンデーションの洗
浄力が弱く、十分な洗浄効果を上げることが困難であ
る。また、洗浄を数回繰り返すと洗浄料の後残りなどに
より、化粧用スポンジを収縮、固化させる現象も認めら
れている。これに対し、特定の界面活性剤が洗浄力に優
れることは特公平５−２２７６０号公報や特公平４−７
５９６０号公報に開示されているが、年々、汗や水で落
ちにくいファンデーションが開発され、これらでは洗浄
力が不十分であり、また、洗浄料の後残り等によるスポ
ンジの柔軟性維持の点でもさらなる改良が望まれてい
た。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明者は前記技術的課
題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステルを含有させることにより、安定性が
良好で、従来の各種洗浄料や中性洗剤に比べて、スポン
ジに付着したファンデーションに対し優れた洗浄効果を
示し、かつ、すすぎが良好で、繰り返し洗浄してもスポ
ンジの収縮・固化をいった劣化が少なく、柔軟性を維持
できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。

【０００４】本発明は、 １． ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを含有し、イ
ミダゾリニウムベタイン系、アミドベタイン系又はベタ
イン系両性界面活性剤を含まない、ことを特徴とする化
粧用スポンジの洗浄料、 ２． ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステ
ルを含有することを特徴とするスポンジ洗浄料、 ３． 更に、油剤を配合することを特徴とする前記１又
は２の化粧用スポンジの洗浄料、 ４． 更に、多価アルコールを含有することを特徴とす
る前記１〜３のいずれかの化粧用スポンジの洗浄料、 に関する。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリオキシエ
チレン脂肪酸エステルとしては、ポリオキシエチレン多
価アルコール脂肪酸エステルが好ましく、より具体的に
は、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖
脂肪酸エステル等が挙げられる。このような脂肪酸エス
テルは、脂肪種として、ラウリン酸を多く含有し、詳細
にはラウリン酸を３０％以上含有している。本発明にお
いては、これらのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
好ましくは、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸
エステルの中から任意の一種又は二種以上を用いるが、
特に好ましいのは、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸エステルである。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
の配合量は、洗浄料中、５．０〜８０．０重量％であ
り、好ましくは２０．０〜７０．０重量％である。

【０００６】油剤としては流動パラフィン、イソパラフ
ィン、ワセリン、パラフィンワックス等の鉱物系炭化水
素類、スクワレン、スクワラン、プリスタン等の動物系
炭化水素類、オリーブ油、コメヌカ油等の油脂類、ホホ
バ油等のロウ類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチ
ン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル等のエステル
類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロ
キサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメ
チルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキ
サンシロキサン等のシリコーン油類、パーフルオロポリ
エーテル、三フッ素塩化エチレン共重合体等のフッ素オ
イル類等が挙げられ、これらの中から任意の一種又は二
種以上が用いられる。油剤の配合量は、洗浄料中の０．
１〜５０．０重量％であり、好ましくは１．０〜３０．
０重量％である。

【０００７】多価アルコールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、１，３−ブチレングリ
コール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジグリセ
リン、ソルビトール、ポリオキシエチレンメチルグルコ
シド、ペンタエリスリトール等が挙げられ、これらの中
から任意の一種又は二種以上が用いられる。この中でも
特にプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
１，３−ブチレングリコールが好ましい。多価アルコー
ルの配合量は、洗浄料中の０．１〜５０．０重量％であ
り、好ましくは１．０〜３０．０重量％である。

【０００８】本発明の化粧料スポンジの洗浄料には、上
記の必須成分に加えて、必要に応じて、他の界面活性
剤、水溶性高分子や水膨潤性粘度鉱物等の増粘剤、アミ
ノ酸や糖類等の保湿剤、パラオキシ安息香酸エステル、
サリチル酸、ソルビン酸、ヒノキチオール等の殺菌・防
腐剤、ＥＤＴＡ、ヘキサメタリン酸ナトリウム等の金属
キレート剤、ＤＬ−α−トコフェノール、ジブチルヒド
ロキシトルエン等の酸化防止剤、クエン酸、クエン酸ナ
トリウム、リン酸、リン酸二水素カリウム等のｐＨ調整
剤、生薬やハーブ等の植物抽出液類、天然香料（精油を
含む）やその他の合成香料、法定色素及び天然色素等の
着色料、ラウリルジメチル−β−アラニンナトリウム、
塩化ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、３級
アミン、４級アンモニウム塩、シリコーン類、アミノ変
性シリコーン等の柔軟性付与剤などが配合される。

【０００９】化粧用スポンジの洗浄料は、通常この分野
において採用されている製造方法によって製造すること
ができ、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルと
油剤を混合溶解し、それに多価アルコールを配合して混
合溶解した後、精製水の所定量を配合することにより製
造することができる。

【００１０】

【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細にする
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。配合量は重量％である。

【００１１】実施例１〜３、比較例１、２ 表１に記載の処方により化粧用スポンジの洗浄料を製造
した。比較対照として、同じく表１に記載の処方により
比較例１、２の洗浄料を製造した。これらの実施例、比
較例について、以下の評価方法を行い、その結果を表１
に示している。

【００１２】（１）経時安定性 実施例１〜３、比較例１、２の各洗浄料を、５０℃、２
５℃、０℃で３ヶ月保存し、分離、沈殿、白濁等がない
かを目視で観察し安定性試験を行った。評価は以下の基
準により行った。 ◎ ：安定性良好。沈殿、分離、白濁が見られない。 ○ ：安定性やや不安定。沈殿、分離は見られない。０
℃で若干白濁が見られる。

【００１３】（２）洗浄力 一定量のファンデーションを化粧用スポンジに塗布して
１５分放置後、実施例１〜３、比較例１、２の各洗浄料
を塗布して洗い流し、ファンデーションの汚れ落ちを目
視にて観察する試験を行った。評価は、以下の基準によ
り目視で行った。 ◎ ：汚れが落ちたもの。 ○ ：汚れが多少残ったもの（２度洗いできれいに落ち
る）。 ×：汚れがかなり残ったもの。

【００１４】（３）洗い流し性 一定量のファンデーションを化粧用スポンジに塗布して
１５分放置後、実施例１〜３、比較例１、２の各洗浄料
を塗布して洗い流した後、化粧用スポンジのべたつき感
の確認試験を行った。評価は、以下の基準により行っ
た。 ◎ ：べたつき感がない。 ○ ：ところどころべたつき感がある。 △ ：多少べたつき感がある。 ×：べたつき感がある。

【００１５】（４）スポンジの柔軟性 一定量のファンデーションを化粧用スポンジに塗布して
１５分放置後、実施例１〜３、比較例１、２の各洗浄料
を塗布して洗い流した後、化粧用スポンジの柔軟性試験
を行った。評価は、以下の基準により行った。 ◎ ：非常に柔らかい。 ○ ：柔らかい。 △ ：多少ごわつく。 ×：ごわつく。

【００１６】

【表１】

【００１７】表１より明らかなように、本発明の実施例
の洗浄料は比較例のものよりも経時安定性、洗浄力、洗
い流し性に優れ、かつ、化粧料スポンジの柔軟性維持に
優れていた。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明による化粧
料スポンジの洗浄料は、化粧用スポンジに付着したファ
ンデーション等の汚れに対する洗浄力、系の安定性に優
れ、繰り返し洗浄しても洗浄料の後残りがなく、スポン
ジの柔軟性維持に優れた化粧用スポンジの洗浄料であ
る。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを含
   有し、イミダゾリニウムベタイン系、アミドベタイン系
   又はベタイン系両性界面活性剤を含まない、ことを特徴
   とする化粧用スポンジの洗浄料。
2. 【請求項２】 ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪
   酸エステルを含有することを特徴とするスポンジ化粧
   料。
3. 【請求項３】 更に、油剤を配合することを特徴とする
   請求項１又は２記載の化粧用スポンジの洗浄料。
4. 【請求項４】 更に、多価アルコールを含有することを
   特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の化粧用スポ
   ンジの洗浄料。