JP2002067772A - 車両内装用パッド材 - Google Patents

車両内装用パッド材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電率が低いにもかかわらず発熱し易い高周
波ウェルド層を備え、適度に柔軟であり、耐摩耗性等に
優れた車両内装用パッド材を提供する。 【解決手段】 多層押出成形法により、酢酸ビニル含
量が10〜30質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
からなるフィルムの両面に、酢酸ビニル含量が5質量%
以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体、又は低密度ポリ
エチレンからなるフィルムが積層された高周波ウェルド
層11用シートを成形する。エチレン−酢酸ビニル共重
合体からなるフィルムには、2質量%以上のイオン導電
性樹脂、及び必要に応じて多価アルコールを含有させ
る。この高周波ウェルド層用シートと、プロピレン系エ
ラストマー、ポリプロピレン及び低密度ポリエチレンを
含む接合層13と、プロピレン系エラストマー及びポリ
プロピレンを含有する表層12と、をこの順に積層し、
接合して、車両内装用パッド材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波ウェルド層
を備える車両内装用パッド材に関し、更に詳しくは、誘
電率が低いにもかかわらず発熱特性に優れた高周波ウェ
ルド層を備え、適度に柔軟であり、耐摩耗性等に優れた
車両内装用パッド材に関する。本発明の車両内装用パッ
ド材は、車両のフロアカーペットに融着されるヒールパ
ッド材等として有用であり、高周波ウェルドにおいて従
来より多用されてきた塩化ビニル樹脂を含有させる必要
がないため、フロアカーペット等の被着体と分別するこ
となく再利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両内装材の所要個所には耐
摩耗性、或いは美観等の向上を目的として樹脂製のパッ
ド材が融着されている。例えば、フロアカーペットで
は、履き物の踵が当たる部位の摩耗を抑えるためヒール
パッド材が融着されている。また、外観が単調になるの
を避けるため、ドアトリム等に融着される意匠用パッド
材も使用されている。これらの車両内装用パッド材は、
高周波の交流電圧を印加して発熱させ、同時に押圧する
ことにより、被着体に融着させることができる。
【0003】パッド材を被着体に容易に融着させ、美麗
な外観とするためには、被着体である車両内装材に積層
されたパッド材に交流電圧を印加した場合に、パッド材
は十分に発熱し、溶融する一方で、被着体はできるだけ
発熱しないことが好ましい。そのようなパッド材と被着
体との組み合わせであれば、パッド材は強固に融着さ
れ、優れた外観を有する製品とすることができる。この
ように発熱し易いパッド材とするため、従来より、極性
が十分に高く、加工も容易である塩化ビニル樹脂からな
るパッド材が多用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、塩化ビニル樹
脂を含む廃棄物を焼却した場合、ダイオキシンが発生す
るとの問題があり、塩化ビニル樹脂の使用の低減が求め
られている。更に、塩化ビニル等の塩素を有する樹脂を
用いたパッド材では、車両内装材を再利用する際に内装
材とパッド材とを分別する必要があり、処理操作が煩雑
であった。このような状況下、高周波ウェルド性に優
れ、塩化ビニル樹脂製の代替となり得るパッド材が検討
されているが、被着体に十分に強固に融着させることが
でき、且つ優れた外観を有する製品とすることができる
パッド材は見出されていない。
【0005】本発明は、上記の従来の問題を解決するも
のであり、高周波ウェルド法により車両内装材に強固に
融着させることができ、適度な柔軟性を有し、融着後は
外観に優れ、廃棄の際には内装材と分別する必要がな
く、そのまま処分又は再利用することができる車両内装
用パッド材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】高周波の交流電圧を印加
した場合に、塩化ビニル樹脂等、誘電率の高い樹脂から
なるパッド材であれば、容易に発熱させることができ、
被着体に強固に融着させることができる。一方、ポリオ
レフィン樹脂等、誘電率の低い樹脂によりパッド材を形
成した場合は、発熱し難く、通常、被着体に融着させる
ことができないとされてきた。しかし、特定の組成を有
する高周波ウェルド層を備えるパッド材とすることによ
り、その誘電率が低いにもかかわらず、十分に発熱させ
ることができ、被着体に容易に融着させ得ることが見出
された。本発明は、このような知見に基づきなされたも
のである。
【0007】第1発明の車両内装用パッド材は、周波数
1MHzの交流電圧を印加した場合に、誘電率が2.3
未満である高周波ウェルド層を備えることを特徴とす
る。
【0008】上記「高周波ウェルド層」は、ポリオレフ
ィン系樹脂により形成することができる。ポリオレフィ
ン系樹脂であれば、焼却した場合のダイオキシン等の発
生もなく、車両内装材と分別することなく再利用するこ
ともできる。このポリオレフィン系樹脂としては、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重
合体等、エチレンと極性の高い単量体との共重合体が挙
げられる。これらの共重合体の誘電率は極性の高い単量
体の量比により変化するが、高周波ウェルド層の誘電率
は、共重合体の種類、及びその含有量によって容易に調
整することができる。
【0009】高周波ウェルド層は、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、エチレンと、ブテン−1、4
−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等との共重合体
である線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィンにより形成することもできる。また、これ
らのポリオレフィンと、上記の各種の共重合体とを併用
することが好ましい。尚、高周波ウェルド層は、これら
ポリオレフィンと共重合体との混合物からなる単層の樹
脂層により形成することができ、ポリオレフィン及び共
重合体の各々からなる樹脂層の積層体により形成するこ
ともできる。また、高周波ウェルド層の厚さは特に限定
されないが、50〜300μm、特に70〜150μm
程度とすることができる。
【0010】高周波ウェルド層には、第2発明のよう
に、2質量%以上の上記「イオン導電性樹脂」が含有さ
れることが好ましい。このイオン導電性樹脂の配合によ
って、誘電率が低いにもかかわらず、より容易に発熱さ
せることができ、車両内装材に更に強固に融着させるこ
とができる。イオン導電性樹脂の含有量は、特に5質量
%以上、更には10質量%以上であることが好ましい。
また、この含有量の上限は特定されないが、20質量%
含有させれば十分である。
【0011】イオン導電性樹脂としては、表面抵抗率が
低いイオン導電性樹脂そのもの、又は各種の添加剤の配
合により表面抵抗率が十分に低く調整されたイオン導電
性樹脂組成物を使用することができる。イオン導電性樹
脂の具体例としては、分子鎖に4級アンモニウム塩、ス
ルホン酸塩、カルボン酸塩等のアニオン基を有する樹
脂、所謂、アイオノマーが挙げられる。また、ポリエチ
レンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキ
サイドとの共重合体、エチレンオキサイドとエピクロル
ヒドリンとの共重合体、ポリエーテルエステルアミド等
のポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂を挙げるこ
ともできる。これらのイオン導電性樹脂の分子量は30
00以上であることが好ましい。
【0012】高周波ウェルド層には、特に、イオン導電
性樹脂がアイオノマーである場合に、第3発明のよう
に、更に上記「多価アルコール」を含有させることが好
ましい。多価アルコールを含有させることによって、高
周波ウェルド層はより発熱し易くなる。多価アルコール
の含有量は特に限定されないが、イオン導電性樹脂を1
00質量部(以下、「部」と略記する。)とした場合
に、0.1〜30部、特に1〜20部とすることが好ま
しい。
【0013】イオン導電性樹脂と併用される多価アルコ
ールとしては、グリセロール、ジグリセロール、トリメ
チロールプロパン等が挙げられる。これらの多価アルコ
ールは、イオン導電性樹脂の表面抵抗率を低下させる作
用を有しており、例えば、分子鎖にカルボン酸ナトリウ
ム塩基を有するイオン導電性樹脂のように、その表面抵
抗率がそれほど低くない場合に、多価アルコールを配合
することにより、表面抵抗率を容易に、且つ十分に低下
させることができる。これらの多価アルコールは1種の
みを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき
る。
【0014】また、イオン導電性樹脂が分子鎖にポリア
ルキレンオキサイド鎖を有する樹脂である場合は、チオ
シアン酸、リン酸、硫酸、過塩素酸等のアルカリ金属塩
又はアルカリ土類金属塩を含有させることもできる。こ
れらの塩の具体例としては、チオシアン酸カリウム、チ
オシアン酸ナトリウム、チオシアン酸リチウム、過塩素
酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等
が挙げられる。これらの塩の含有量は特に限定されない
が、ポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂を100
部とした場合に、0.1〜30部、特に0.2〜20部
であることが好ましい。これらの塩は1種のみを用いて
もよいし、2種以上を併用することもできる。更に、こ
の塩と多価アルコールとを併用することもできる。
【0015】イオン導電性樹脂とポリオレフィン系樹脂
とを十分に分散、混合させることができない場合は、そ
れらの相溶性を向上させるため、不飽和カルボン酸及び
その誘導体等をグラフト重合させてなる変性ポリオレフ
ィン系樹脂など、各々の樹脂に適した相溶化剤を適宜配
合することもできる。
【0016】この車両内装用パッド材では、特に、第2
乃至第3発明の特定の組成の高周波ウェルド層を備える
ことにより、第4発明のように、周波数27MHz、出
力10kWの交流電圧を印加し、圧力11MPaで高周
波ウェルド層をポリアミドにより形成された平面に35
秒間押圧し、融着させた場合の剥離強度(180°剥離
強度、引張速度;200mm/分)を3.9N/cm以
上とすることができる。この剥離強度は、特に11.7
N/cm以上、更には19.5N/cm以上とすること
ができ、パッド材の組成等により、必要であれば39N
/cm以上と、非常に強固に融着させることもできる。
【0017】高周波ウェルド層は、第5発明のように、
70〜90質量%のエチレン単位を有する第1エチレン
系共重合体からなる上記「中間層」と、この中間層の両
面に接合されたポリエチレン若しくは95質量%以上の
エチレン単位を有する第2エチレン系共重合体からなる
上記「第1又は第2表面層」と、により形成することが
できる。第1及び第2エチレン系共重合体としては、エ
チレンと、酢酸ビニル、エチルアクリレート、メチルメ
タクリレート等の極性の高い単量体とを共重合させてな
る前記の共重合体などを使用することができ、極性の高
い単量体の量比が高いものは第1エチレン系共重合体、
この量比が低いものは第2エチレン系共重合体として用
いることができる。ポリエチレンとしても、前記の各種
のポリエチレンを使用することができる。
【0018】中間層は、75〜85質量%のエチレン単
位を有する、言い換えれば、15〜25質量%の極性の
高い単量体からなる単位を有することが特に好ましい。
また、第6発明のように、中間層が有するエチレン単位
と、第1又は第2表面層が有するエチレン単位との含有
量の差が10質量%以上であることが好ましい。このよ
うに、中間層と第1又は第2表面層におけるエチレン単
位の含有量の差、即ち、極性の高い単量体からなる単位
の含有量に十分な差があれば、誘電率が低く、且つ容易
に発熱させることができる高周波ウェルド層とすること
ができる。
【0019】中間層及び第1又は第2表面層の厚さは特
に限定されないが、第1又は第2表面層の厚さは同程度
とし、各々の表面層と中間層との厚さの比を1/2〜1
/4とすることが好ましい。例えば、全厚さを100μ
mとした場合、中間層を50〜70μmとし、表面層を
各々15〜25μmとすることが好ましい。
【0020】高周波ウェルド層が第5乃至第6発明のよ
うな3層からなる場合、イオン導電性樹脂及び多価アル
コール等は中間層及び第1又は第2表面層のいずれに含
有されていてもよい。即ち、中間層及び第1又は第2表
面層のうちのいずれか1層に含有されていてもよいし、
すべての層に含有されていてもよいが、中間層に含有さ
れておれば、湿度の影響が少なく、しかも、下記の接合
層との熱圧着性が良好となり、特に好ましい。尚、イオ
ン導電性樹脂と多価アルコール等とは同じ層に含有され
ている必要があり、これらが異なる層に含有されている
場合は、多価アルコール等の併用による効果が十分に得
られない。
【0021】車両内装用パッド材は、第7発明のよう
に、この高周波ウェルド層と、オレフィン系エラストマ
ーを含有する上記「表層」とを積層し、形成することが
できる。表層は、オレフィン系エラストマーがプロピレ
ン系エラストマーである場合は、このエラストマーの他
にポリプロピレンを含有することが好ましく、オレフィ
ン系エラストマーがエチレン系エラストマーである場合
は、このエラストマーの他にポリエチレンを含有するこ
とが好ましい。更に、このパッド材では、第8発明のよ
うに、高周波ウェルド層と、表層との間にオレフィン系
エラストマーを含有する上記「接合層」が形成されてい
ることが好ましい。
【0022】表層に含有されるオレフィン系エラストマ
ーがエチレン系エラストマーである場合は、接合層は、
このエチレン系エラストマーの他に、ポリエチレンを含
有し、プロピレン系エラストマーである場合は、接合層
は、このプロピレン系エラストマーの他に、ポリプロピ
レン及びポリエチレンを含有する。この接合層を設ける
ことにより、高周波ウェルド層と表層とを十分に強固に
接合させることができる。更に、接合層にポリエチレン
を含有させることにより、パッド材を適度に柔軟なもの
とすることができる。
【0023】接合層に含有されるエチレン系エラストマ
ーとポリエチレンとの合計量を100部とした場合、エ
チレン系エラストマーは40〜60部であり、ポリエチ
レンは60〜40部であることが好ましい。また、接合
層に含有されるプロピレン系エラストマーと、ポリプロ
ピレン及びポリエチレンとの合計量を100部とした場
合、プロピレン系エラストマーは25〜40部であり、
ポリプロピレンは10〜25部、ポリエチレンは50〜
65部であることが好ましい。接合層に含有される各々
の樹脂の量比が上記の範囲内にあれば、高周波ウェルド
層と表層とを強固に接合させることができ、適度に柔軟
なパッド材とすることができる。
【0024】尚、オレフィン系エラストマー層及び接合
層等が積層された車両内装用パッド材は、誘電率が低い
高周波ウェルド層に、主としてポリオレフィン系樹脂か
らなる他の層が積層されたものであるため、第9発明の
ように、その誘電率は2.3未満と低く、誘電正接も
0.01未満と小さい。この車両内装用パッド材は、そ
の誘電率が低く、誘電正接が小さいにもかかわらず、特
定の組成の高周波ウェルド層を備えるため、容易に発熱
し、車両内装材に十分に強固に融着させることができ
る。
【0025】パッド材の各々の層には、必要に応じて、
更に、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、
滑剤、アンチブロッキング剤、加工助剤、顔料等を適量
配合することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
詳しく説明する。 実施例1 (1)高周波ウェルド層となるシートの成形 多層押出成形法により、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(酢酸ビニル含量;19質量%)からなる厚さ60μm
のフィルムの両面に、低密度ポリエチレンからなる厚さ
20μmのフィルムが積層された高周波ウェルド層とな
る全厚さが100μmのシートを成形した。エチレン−
酢酸ビニル共重合体からなるフィルムには、10質量%
のイオン導電性樹脂(アイオノマー)と、このイオン導
電性樹脂に対して質量比で9/1のグリセロールとを含
有させた。このシートのASTM−D150により測定
した誘電率は2.16であり、誘電正接は0.0632
であった。
【0027】(2)パッド材の作製 (1)で成形した高周波ウェルド層となるシートと、3
5質量%のプロピレン系エラストマーと、15質量%の
ポリプロピレンと、50質量%の低密度ポリエチレンと
を含有する厚さ500μmの接合層と、65質量%の上
記プロピレン系エラストマーと、35質量%の上記ポリ
プロピレンとを含有する厚さ300μmの表層と、をこ
の順に積層し、接合して、図1にその横断面を示す車両
内装用パッド材を作製した。このパッド材のASTM−
D150により測定した誘電率は2.05であり、誘電
正接は0.0039であった。
【0028】(3)フロアカーペットへのパッド材の融
着 (2)で作製したパッド材から7.8×17.5cmの
寸法のヒールパッド材を切り出し、このヒールパッド材
を、周波数27MHz帯、押圧力6〜11MPaのウェ
ルド条件で、パイル糸がナイロン6からなり、基布がポ
リエステルからなる図2のフロアカーペットに融着させ
た。融着されたヒールパッドは適度に柔軟であり、フロ
アカーペットに十分に強固に接合されていた。尚、ヒー
ルパッド部を切り取り、引張速度200mm/分で18
0°剥離試験を行ったところ、剥離強度は39N/cm
であった。
【0029】比較例1 実施例1の(2)において高周波ウェルド層となるシー
トと、接合層とを用いず、表層が直接フロアカーペット
に接するようにして融着を試みた。パッド材(表層)の
ASTM−D150により測定した誘電率は2.06で
あり、誘電正接は0.0009であった。しかし、この
パッド材はほとんど融解しないため、フロアカーペット
に融着させることができず、従来の誘電率の低い樹脂層
と同様に高周波ウェルド層としてはほとんど機能しない
ものであった。
【0030】尚、本発明では、上記の具体的な実施例に
限られず、本発明の範囲内で種々変更した実施例とする
ことができる。例えば、接合層の厚さは200〜800
μm、表層の厚さは800〜200μmとすることがで
きる。また、高周波ウェルド層も含めたパッド材の全厚
さは500〜1500μmとすることができ、この範囲
内で各層の厚さを適宜設定することが好ましい。更に、
パッド材は少なくとも1層の高周波ウェルド層を有する
が、このウェルド層の表面は、ポリエチレン系樹脂ばか
りでなく、ウェルド層の誘電率が2.3以上とならない
限り、ポリエステル、ポリアミド等、融点が高く、耐熱
性に優れた樹脂により形成することもできる。
【0031】
【発明の効果】第1発明によれば、特に、第2乃至第3
発明のように、特定の組成を有する高周波ウェルド層を
備えることにより、誘電率が低いにもかかわらず、容易
に発熱させることができる。また、第4発明によれば、
特定の測定方法により評価した場合に、車両内装材に十
分に強固に融着させることができる車両内装用パッド材
とすることができる。更に、高周波ウェルド層を、第5
乃至第6発明に特定される組成等とすることによって、
より優れた品質のパッド材とすることができる。また、
第7乃至第8発明によれば、融着後、優れた外観を有
し、適度に柔軟な車両内装用パッド材とすることができ
る。このパッド材は、第9発明のように、誘電率が低
く、誘電正接が小さいにもかかわらず、車両内装材に容
易に融着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両内装用パッド材の断面図である。
【図2】パッド材をフロアカーペットに融着した様子を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1;車両内装用パッド材(ヒールパッド材)、11;高
周波ウェルド層、12;表層、13;接合層、2;フロ
アカーペット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000206473 大倉工業株式会社 香川県丸亀市中津町1515番地 (71)出願人 500083123 アイセイ株式会社 浜松市青屋町592 (72)発明者 木村 昌絵 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 久田 洋士 愛知県葉栗郡木曽川町外割田字下稲葉1− 1 豊田化工株式会社内 (72)発明者 大島 孝博 名古屋市中村区名駅4丁目7番23号 豊田 通商株式会社内 (72)発明者 荒岡 成伸 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 村越 信純 静岡県浜松市青屋町592番地 アイセイ株 式会社内 (72)発明者 滝上 勝史 愛知県葉栗郡木曽川町外割田字下稲葉1− 1 豊田化工株式会社内 Fターム(参考) 3B088 HA02 4F100 AH02A AK01A AK04B AK04C AK06 AK41 AK46 AK68A AK68B AK68C AK70A AK71 AL09B AL09C BA01 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C BA16 DG01 DG16 EC03A EJ17A EJ46A GB33 GB81 JG01A JG05A JL12A JL14A YY00A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数1MHzの交流電圧を印加した場
    合に、誘電率が2.3未満である高周波ウェルド層を備
    えることを特徴とする車両内装用パッド材。
  2. 【請求項2】 上記高周波ウェルド層が2質量%以上の
    イオン導電性樹脂を含有する請求項1記載の車両内装用
    パッド材。
  3. 【請求項3】 上記高周波ウェルド層が更に多価アルコ
    ールを含む請求項2記載の車両内装用パッド材。
  4. 【請求項4】 周波数27MHz、出力10kWの交流
    電圧を印加し、圧力11MPaで上記高周波ウェルド層
    をポリアミドにより形成された平面に35秒間押圧し、
    融着させた場合に、剥離強度が3.9N/cm以上であ
    る請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の車両内
    装用パッド材。
  5. 【請求項5】 上記高周波ウェルド層が、70〜90質
    量%のエチレン単位を有する第1エチレン系共重合体か
    らなる中間層と、該中間層の両面に接合されたポリエチ
    レン若しくは95質量%以上のエチレン単位を有する第
    2エチレン系共重合体からなる第1又は第2表面層と、
    を有する請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の
    車両内装用パッド材。
  6. 【請求項6】 上記中間層が有するエチレン単位と、上
    記第1又は第2表面層が有するエチレン単位との含有量
    の差が10質量%以上である請求項5記載の車両内装用
    パッド材。
  7. 【請求項7】 上記高周波ウェルド層に、オレフィン系
    エラストマーを含有する表層が積層された請求項1乃至
    6のうちのいずれか1項に記載の車両内装用パッド材。
  8. 【請求項8】 上記高周波ウェルド層と、上記表層との
    間に接合層が形成され、上記オレフィン系エラストマー
    がエチレン系エラストマーである場合は、上記接合層
    は、該エチレン系エラストマーとポリエチレンとを含
    み、上記オレフィン系エラストマーがプロピレン系エラ
    ストマーである場合は、上記接合層は、該プロピレン系
    エラストマーと、ポリプロピレン及びポリエチレンとを
    含む請求項7記載の車両内装用パッド材。
  9. 【請求項9】 誘電率が2.3未満であり、誘電正接が
    0.01未満である請求項1乃至8のうちのいずれか1
    項に記載の車両内装用パッド材。
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