JPH1024492A - 生分解性成形物 - Google Patents

生分解性成形物

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JPH1024492A
JPH1024492A JP8199682A JP19968296A JPH1024492A JP H1024492 A JPH1024492 A JP H1024492A JP 8199682 A JP8199682 A JP 8199682A JP 19968296 A JP19968296 A JP 19968296A JP H1024492 A JPH1024492 A JP H1024492A
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acid
biodegradable
lactic acid
transparency
molded matter
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JP8199682A
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Masayuki Taniguchi
谷口  正幸
Tadashi Hongo
忠志 本郷
Takehito Tomita
岳人 富田
Seiji Obuchi
省二 大淵
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Toppan Inc
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/40General aspects of joining substantially flat articles, e.g. plates, sheets or web-like materials; Making flat seams in tubular or hollow articles; Joining single elements to substantially flat surfaces
    • B29C66/41Joining substantially flat articles ; Making flat seams in tubular or hollow articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波ウェルダー加工にて溶断、溶着による
成形ができ、柔軟性で透明性に優れ、経時的な劣化やブ
ロッキングの発生もなく、かつ生分解性機能を有する生
分解性成形物を提供する。 【解決手段】 今回提供する生分解性成形物はその素材
として、高周波ウェルダー加工にて溶断、溶着による成
形ができ、柔軟性があり、透明性に優れ、経時的な劣化
やブロッキングの発生もない、乳酸を主成分とする生分
解性プラスチックシートを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックシー
トを高周波ウェルダー加工にて溶断、溶着されて得られ
る小物ケース、手帳カバー、ファイル、被覆用カバー等
の成形物に関するものであり、特に生分解性機能を有す
る成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波ウェルダー加工は、溶断、溶着が
同時に出来、極めて生産性が高く、製品の均一性にも富
んだ加工法である。これにより製造される小物ケース、
手帳カバー、ファイル、被覆用カバー、雨カッパ、透明
傘、浮き輪、ビーチボール、その他レジャー用品等とい
ったもののほとんどは、現在、軟質塩化ビニルシートが
用いられている。軟質塩化ビニルシートは、可塑剤の配
合によって柔軟性が自由にコントロールでき、また、透
明性も優れた素材である。しかしながら、昨今の廃棄物
の問題の一部として、塩化ビニルの焼却時の有毒ガス発
生の問題があり、この軟質塩化ビニルシートを利用して
いる分野から、代替材料を望む要求が高まっている。さ
らに、埋め立て処理や散乱ゴミとなった場合にも、環境
中に永い間残存してしまうので、埋め立て地不足をまね
いたり、美的環境を損なっていた。
【0003】そこで、焼却時の安全性を考慮して、軟質
塩化ビニルを他の素材に置き換えようとした場合、上記
の小物ケース、手帳カバー、ファイル、被覆用カバー、
雨カッパ、透明傘、浮き輪、ビーチボール、その他レジ
ャー用品等の分野においては、その素材に求められる特
性は軟質塩化ビニル同様の優れた高周波ウェルダー適性
があり、柔軟性、必要に応じて透明性があり、そして材
料同志のブロッキングや、成形物使用時に接着面の剥離
や、柔軟性、透明性の経時劣化がないことである。
【0004】これらの特性を満足する素材として、本発
明者等は既にこれらの特性を満足し、さらに焼却時の安
全性を考慮したものとして、エチレンと酢酸ビニルの共
重合体、エチレンとアクリル酸類の共重合体、エチレン
とアクリル酸エステル類の共重合体から選択される少な
くとも1種以上の混合樹脂にケイ酸マグネシウムまたは
ケイ酸アルミニウムのフィラーを添加した組成を提案し
た(特開平5−301999号、同6−80838
号)。さらに成形物として重要な物性の一つである耐摩
擦性も上げるために、前記構成の少なくとも片面にアク
リルゴムを部分架橋したアクリル樹脂層を配した多層構
成についても提案した(特開平6−91822号)。
【0005】しかし、これらの構成では、燃焼時の安全
性にのみ考慮していたために、使用後廃棄され、埋め立
て処理された場合や、河川或いは海中等の環境中に散乱
してしまった場合、永い間そのままの形で残存してしま
い、環境保全という点で根本的な解決には到っていなか
った。
【0006】ところで、自然界に普遍に存在する微生物
の酵素により分解される、生分解性機能を備えた生分解
性プラスチックが近年注目を浴び、前述のような環境問
題を解決できる可能性のあるものとして注目されてい
る。既に現在この生分解性プラスチックを利用した環境
対応製品は数多く提案されており、例えば、包装容器分
野では飲料、シャンプーボトルのような硬い容器やスナ
ック菓子等の軟包装材、さらには紙と組み合わせた複合
素材による液体容器等に応用されている。他分野では食
器、文具、雑貨類においても多く紹介され、既に商品化
されているものも少なくない。一部自治体では家庭の生
ゴミの回収用に生分解性プラスチック製のゴミ袋を試用
しているところもある。
【0007】生分解性機能を備えた生分解性プラスチッ
クとしては、でんぷんなどの糖質等の天然物を他のプラ
スチックと混ぜ合わせたもの、微生物により合成された
もの、化学的に合成されたものがある。でんぷんやキチ
ン、キトサン或いはバクテリアセルロースといった糖類
を利用したもの以外の生分解性プラスチックは、脂肪族
系のポリエステルを主体にしている。微生物の産生する
脂肪族ポリエステルとしてはヒドロキシアルカノエート
ユニットを有するものが知られ、3−ヒドキシブチレー
ト・3−ヒドロキシバリレートが商品名「バイオポー
ル」(モンサント社製)として市販されている。化学合
成のものとしては、ポリカプロラクトン、ポリブチレン
サクシネート等の他、乳酸を原料にしたポリ乳酸があ
る。
【0008】本発明で目的とする成形物の材料として利
用できる生分解性プラスチックとしては、高周波ウェル
ダー加工にて溶断、溶着の成形が出来、柔軟性、場合に
よって透明性に優れていることが必要である。現在、入
手できる生分解性プラスチックのうちでは、優れた透明
性があるものは乳酸を原料にしたポリ乳酸だけである。
【0009】成形加工適性のあるポリ乳酸は、一般的に
は乳酸を環状二量体(ラクチド)にして溶融重合する間
接重合(米国特許第2,758,987号等)等により得られた
ものである。これは透明性は非常に優れているものの、
硬く柔軟性に乏しい。柔軟性を付与する方法としては、
本来硬い塩化ビニルに柔軟性を付与させた軟質塩化ビニ
ルと同様の手法である、可塑剤を添加する方法を適用す
ることが可能である。透明性を損なわないでポリ乳酸に
柔軟性を付与することができる可塑剤としては、軟質塩
化ビニルで使用する様々な可塑剤が可能であるが、好ま
しくは、アセチルクエン酸トリブチル等のヒドロキシ多
価カルボン酸エステル類、グリセリントリアセテートや
グリセリントリプロピオネート等の多価アルコールエス
テルがあげられる。
【0010】しかし、このようにして得られた可塑剤添
加ポリ乳酸は、成形加工前のシート材料の状態、あるい
は加工後製品となった後、経時的にシートから可塑剤が
滲み出し、材料同士のブロッキングによる作業性の低
下、高周波ウェルダーシール時の不完全な融着等の加工
上の問題点、および透明性の低下や可塑剤が滲み出すこ
とによる柔軟性の低下等も発生するので、可塑剤の量を
適切に調節する必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の上記問題点を解決するためになされたものである。
すなわち、本発明の課題とするところは、材料シートか
ら成形物への加工時は、軟質塩化ビニル同様に良好に高
周波ウェルダーにて溶断、溶着ができ、出来た成形物の
使用時は柔軟性、透明性が経時的に劣化することなく、
かつ表面がべた付いてきたりしない。さらに、廃棄時に
おいて、埋め立て処理や環境中に散乱してしまっても、
自然界に滞留することがなく、また、コンポストゴミと
して廃棄された場合にも優れたコンポスト肥料として農
作物の生産に役立ち、もちろん熱エネルギー回収のため
に焼却処理されたとしても塩化ビニル等のような有毒な
ガスを発生することがなく、使用後何れの廃棄処理状態
においても環境保全に役立つものである生分解性成形物
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、生分解性機能を有する乳酸を主
成分とするプラスチックシートを、高周波ウェルダーに
より溶断、溶着せしめて得られることを特徴とする生分
解性成形物である。
【0013】また、請求項2の発明は、前記プラスチッ
クシートの引張弾性率が30000kgf/cm2以下
であることを特徴とする請求項1記載の生分解性成形物
である。
【0014】また、請求項3の発明は、前記プラスチッ
クシートが、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸または、
脂肪族多価アルコール及び脂肪族多価塩基酸からなるコ
ポリマーであることを特徴とする請求項1または2記載
の生分解性成形物である。
【0015】また、請求項4の発明は、前記コポリマー
の乳酸成分の含有量が50〜99重量%であることを特
徴とする請求項3記載の生分解性成形物である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳しく説明する。
【0017】今回提供する生分解性成形物はその素材と
して、高周波ウェルダー加工にて溶断、溶着による成形
ができ、柔軟性があり、透明性に優れ、経時的な劣化や
ブロッキングの発生もない、乳酸を主成分とする生分解
性プラスチックシートを用いる。
【0018】本発明において、成形物の柔らかさが必要
な場合には、上述したように、ポリマーに適宜可塑剤を
添加したり、共重合体の場合は、その組成比を任意に選
択して軟質化することができる。したがって、本発明に
おいて、可塑剤の使用は任意である。ただし、可塑剤を
添加した場合、透明性がある程度損なわれることがある
ので、透明性を特に要求されない成形物の場合には可塑
剤の使用は問題ない。なお、可塑剤の中には透明性を劣
化させないものもあるので、透明性を要求される成形物
の場合であっても、そのような可塑剤を使用すれば問題
はない。
【0019】本発明で使用される可塑剤としては、リン
酸エステル類、フタル酸エステル類、脂肪族多塩基酸エ
ステル類、多価アルコールエステル類、オキシ酸エステ
ル類などが挙げられる。
【0020】リン酸エステル類としては、例えば、リン
酸トリブチル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸ト
リフェニル、リン酸トリクレシル等が挙げられる。
【0021】フタル酸エステルとしては、例えば、フタ
ル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸−
2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノイル、フタル酸
オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチ
ルベンジル等が挙げられる。
【0022】脂肪族多塩基酸エステル類としては、例え
ば、オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エス
テル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシ
ル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ア
ルキル610、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、
セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル等が挙げられる。
【0023】多価アルコールエステル類としては、例え
ば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレ
ングリコールジ−2−エチルブチラート、グリセリント
リアセテート、グリセリントリプロピオネート等が挙げ
られる。
【0024】オキシ酸エステル類としては、例えば、ア
セチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチ
ル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチレンク
エン酸トリブチル等が挙げられる。
【0025】その他、本発明において使用できる可塑剤
としては、塩素化パラフィン、ジノニルナフタレン、ト
リエンスルホンエチルアミド、ショウ脳、アビエチン酸
メチル等が挙げられる。
【0026】これらの可塑剤は一種或いは二種以上の混
合物であってもよい。その使用量は目的とする柔らかさ
にもよるが、ポリマーに対して1〜30重量%程度が適
当である。
【0027】このプラスチックシートは柔軟性を付与す
るために、単に乳酸を主成分にした樹脂に可塑剤を添加
したブレンド手法の代わりに、乳酸と他の脂肪族ポリエ
ステルのコポリマーとすることも出来、詳しくは乳酸と
オキシカルボン酸の共重合体、またD−乳酸、L−乳酸
の共重合体であることが望ましい。オキシカルボン酸と
して、グリコール酸、または6−ヒドロキシカプロン酸
を用いることも可能である。
【0028】本発明で用いられるポリマーとしては、ポ
リ乳酸、乳酸とヒドロキシカルボン酸や脂肪族多価アル
コールと脂肪族多塩基酸の群から選ばれる1種以上の他
のモノマー成分を含むポリ乳酸のランダム共重合体、ポ
リ乳酸とポリヒドロキシ酸や脂肪族多価アルコールと脂
肪族多塩基酸からなる脂肪族ポリエステルから選ばれる
1種以上の他のポリマー成分からなるポリ乳酸のブロッ
ク共重合体が挙げられる。
【0029】本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸
としては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシブチ
リックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、
3−ヒドロキシバレリックアシッド、4−ヒドロキシバ
レリックアシッド、5−ヒドロキシバレリックアシッ
ド、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0030】また、脂肪族多価アルコールとしては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール等
が挙げられる。
【0031】さらに、脂肪族多塩基酸としては、例え
ば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、フェニルコハ
ク酸、1,4−フェニレンジ酢酸等が挙げられる。
【0032】これらは、一種または二種以上の混合物と
して含まれてもよい。
【0033】本発明で用いられるポリマーの製造方法と
しては、例えば乳酸を触媒の存在下あるいは非存在下
で、有機溶媒中で脱水重縮合する直接重合法(特開平6
−65360号公報)、乳酸の環状二量体(ラクタイ
ド)を溶融重合する間接重合法(米国特許第2,758,987
号)、乳酸の環状二量体とε−カプロラクトンの混合物
を、触媒の存在下、溶融重合する開環重合法(米国特許
第4,057,537号)等が挙げられるが、その方法に何等制
限はない。また、一部多糖類等の多価アルコールと共重
合させてもよい。
【0034】本発明で用いられるポリ乳酸、ポリ乳酸の
ランダムおよびブロック共重合体の分子量は、実質的に
充分な機械物性を示すものであれば、特に制限はない。
一般的には、重量平均分子量として1〜50万が好まし
く、3〜40万がより好ましく、5〜30万がさらに好
ましい。
【0035】ポリマーの重量平均分子量が1万より小さ
い場合、機械物性が充分でなかったり、逆に分子量が5
0万を超える場合、取扱いが困難となったり、不経済に
なったりする場合がある。
【0036】本発明で示す透明性とは、成形物の光線透
過率(JIS K7614)で表し、一般的に85%以
上、好ましくは88%以上、より好ましくは90%以
上、さらに好ましくは93%以上、最も好ましくは95
%以上がよい。ただし、出来た成形物が特に透明である
ことを要求されないようなものである場合には、かかる
透明性は問題とならない。
【0037】本発明で用いられるポリ乳酸、あるいはポ
リ乳酸の共重合体のフィルムあるいはシートの機械物性
は前記したように分子量や組成等によって異なるが、通
常、引張弾性率が30000kgf/cm2以下を示
す。使用する目的によって柔らかさが必要な場合には、
適宜ポリマーに可塑剤を添加したり、共重合体の場合
は、その組成比を任意に選択して軟質化することができ
る。また共重合体の場合、特にポリマーに透明性と柔ら
かさの両方の特性が必要な場合は、乳酸成分が50〜9
9重量%であることが好ましい。
【0038】本発明に用いるプラスチックシートの製造
方法としては、溶融押出するT−ダイ法、カレンダー法
等が用いられるが、特に限定されるものではない。ま
た、耐摩擦性を上げるために、ケイ酸マグネシウムまた
はケイ酸アルミニウムのフィラーを添加することもでき
る。さらに、顔料、インキ、フィラー等を適宜添加して
着色することも可能である。
【0039】高周波ウェルダーによる溶断溶着方法とし
ては、発振周波数40MHz(40.46MHz付近)
の一般的な高周波ウェルダーでよい。溶断、溶着および
同時溶断溶着の時間は材料の電気的性質、誘電率によっ
て決定されるが、本発明の乳酸および脂肪族ポリエステ
ルとのコポリマーおよび可塑剤を添加したポリ乳酸の溶
着時間は軟質塩化ビニルとほぼ同様である。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明する。
【0041】乳酸を主成分としたプラスチックシートを
用いて、高周波ウェルダー加工により、透明な手帳カバ
ーを作製した。以下にその詳細を説明する。
【0042】乳酸を主成分としたポリマーとしては、5
種類の樹脂を原料にしてシートを作製した。まず、構成
1は乳酸(L−乳酸)のホモポリマー、構成2は乳酸と
6−ヒドロキシカプロン酸のコポリマー(6−ヒドロキ
シカプロン酸の含有量50%)、構成3は上記構成1に
可塑剤としてフタル酸ジメチルを20%添加、構成4は
該可塑剤を40%添加、構成5は該可塑剤を50%添加
したものである。
【0043】シート成形は、Tダイ式押出機にて温度1
90度で厚み200μmのシートを作製した。
【0044】次に、作製したシートのシートとしての性
能として、シートを小片にして重ねて保存したときのブ
ロッキング性と、保存中に透明性が低下しないかどう
か、また高周波ウェルダー加工でのシール適性も確認し
た。結果を下記表に示す。
【0045】その結果、1箇月保存で、構成5は重ねた
シート同士が貼り付いてブロッキングしていた。構成4
も3箇月ほどしたら同様にブロッキングしてしまった。
他の構成1〜3は6箇月経過しても変化はなかった。ま
た、構成3、4はどちらも色が1〜2箇月で薄白くな
り、透明性の低下が観察された。加工性については、構
成1はシートに剛性があるので一般的な軟質塩ビニル用
の高周波ウェルダー加工機では良好にシールできなかっ
た。他の構成2〜5はいずれもシール適性は良好であっ
たが、構成5は1箇月保存したシートではシール不良が
発生した。
【0046】次に、作製したシートを高周波ウェルダー
加工にて溶断、溶着して、手帳カバーを作製した。この
出来た製品としての性能も調べた。結果を下記表に示
す。
【0047】その結果、柔軟性(しなやかさ)は、やは
り構成2〜5は良好で、構成1はこの用途には向かなか
った。また、製品として陳列された場合や使用時に他の
印刷物、コピー原稿などのインキ移り(色移り)を調べ
たが、シートのブロッキング性能と同様に、構成4、5
は色移りしやすかった。さらに製品としての経時変化に
ついても調べたところ、構成4、5は可塑剤に滲み出し
により一度シールされていたところが剥離してしまう現
象が発生した。
【0048】
【表】
【0049】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
生分解性成形物によれば、素材として、高周波ウェルダ
ー加工にて溶断、溶着による成形ができ、かつ柔軟性で
透明性に優れた乳酸を主成分とする生分解性プラスチッ
クシートを用いることにより、従来の軟質塩化ビニルで
多く成形されている方法で簡単に製造でき、成形物を使
用している間に透明性の低下やべた付きといった劣化も
なく、廃棄物として埋め立て処理された場合や環境中に
散乱してしまった場合においても、自然界に滞留するこ
とがなく、環境保全に役立つという種々の優れた効果を
奏する。
【0050】さらに、本発明の生分解性成形物は、コン
ポストゴミとして廃棄された場合にも優れたコンポスト
肥料として農作物の生産に役立ち、もちろん熱エネルギ
ー回収のために焼却されたとしても塩化ビニル等のよう
な有毒なガスを発生することがなく、使用後何れの廃棄
処理状態においても有効であるという優れた効果も奏す
る。
フロントページの続き (72)発明者 富田 岳人 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 大淵 省二 神奈川県横浜市栄区笠間町1190 三井東圧 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性機能を有する乳酸を主成分とす
    るプラスチックシートを、高周波ウェルダーにより溶
    断、溶着せしめて得られることを特徴とする生分解性成
    形物。
  2. 【請求項2】 前記プラスチックシートの引張弾性率が
    30000kgf/cm2以下であることを特徴とする
    請求項1記載の生分解性成形物。
  3. 【請求項3】 前記プラスチックシートが、乳酸と他の
    ヒドロキシカルボン酸または、脂肪族多価アルコール及
    び脂肪族多価塩基酸からなるコポリマーであることを特
    徴とする請求項1または2記載の生分解性成形物。
  4. 【請求項4】 前記コポリマーの乳酸成分の含有量が5
    0〜99重量%であることを特徴とする請求項3記載の
    生分解性成形物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002067772A (ja) * 2000-08-25 2002-03-08 Toyota Motor Corp 車両内装用パッド材
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