JP2002066267A - 管状膜エレメントとこれを用いた浸漬型濾過システム - Google Patents
管状膜エレメントとこれを用いた浸漬型濾過システムInfo
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Abstract
の改善に寄与できる管状膜エレメントとこれを用いた浸
漬型濾過システムを得る。 【解決手段】 一部に濾液集水管4を設けた筒状の外装
ケース1に、複数の管状膜2を集合させた集合体を挿通
させ、前記外装ケース1の両端の開口部を管状膜2の端
部とともに樹脂3にてポッティングし、前記外装ケース
1の両端の開口部の内面を凹状または凸状にした管状膜
エレメント、およびこの管状膜エレメントを、エアレー
ションによる気泡を放出する散気装置の上方に位置する
ように原液中に浸漬し、原液および気泡が管状膜の内部
を通過するようにし、かつ前記濾液集水管側を負圧にす
るか水頭圧差により、濾液集水管4から濾液を得るよう
にした浸漬型濾過システムである。
Description
これを用いた浸漬型濾過システムに関するものである。
などの濾過または濃縮のための分離装置には、原液槽内
に複数の膜エレメントを浸漬し、濾液側を負圧にして原
液を濾過する浸漬型濾過システムが多用されている。
進行に伴って膜エレメントの濾過膜で捕捉された物質が
表面に付着してケーキ層を形成し、これによって濾過抵
抗が増大し、濾過量が低下するため、濾過中に、または
定期的に濾過を中断させて膜エレメントの下方より空気
を送入して気泡を発生させ、気泡による濾過膜の振動や
気泡とケーキ層との接触によってケーキ層の付着を抑制
したり、付着したケーキ層の剥離を促進して、膜エレメ
ントが長期間使用できるようにしている。
比較的大容量の濾過に適したものとしては、外径が2.
5mm以下で、内径が1.5mm以下の中空糸膜からな
るものや袋状にした平膜からなるものがあり、前者のも
のは中空糸膜を多数集合させて両端を固定した中空糸膜
エレメントとして用いられ、これを原液中に浸漬し、中
空部を減圧して中空糸膜の外から内に流すことによって
濾過が行われるように構成され、後者のものは袋状にし
た複数の平膜の内側同士と外側同士とがそれぞれ共通に
なるようにした平膜エレメントとして用いられ、これを
原液中に浸漬し、内側を減圧して平膜の外から内に流す
ことによって濾過が行われるように構成される。そし
て、前記浸漬型濾過システムは、いずれの膜エレメント
を使用したものも、その下方に配置した散気装置から気
泡を発生させ、この気泡によって膜面に付着したケーキ
層を剥離する、エアレーションを行うようにしている。
空糸膜または平膜の外から内に原液を流すことによって
濾過を行うのは、中空糸膜では原液中の被濾過物質や活
性汚泥処理時の汚泥の大きさと中空糸膜の内径とがほぼ
同じであること、散気装置から発生させる気泡が中空部
を通過しにくいこと、平膜では散気装置から発生させる
気泡による原液の上昇流を生じさせやすいことによる。
トとでは、一定の容積に対する膜の表面積を比較する
と、中空糸膜エレメントの方が平膜エレメントより大き
く、容積効率を高くすることができるが、構造的には、
中空糸膜エレメントの場合は中空糸膜の両端が固定され
ているため、気泡による中空糸膜の揺動で糸切れが生じ
ることがあるのに対し、平膜エレメントの場合は下端が
フリーであるため、平膜の揺動による膜の破断は生じに
くいといった一長一短がある。
は、中空糸膜エレメントを用いたものであっても平膜エ
レメントを用いたものであっても、エアレーションは原
液が貯留された開放槽で行われるため、空気の量が多く
なってランニングコストが増大するといった問題もあ
る。
メントの双方がもつ長所を生かしたものとして、特開平
7−772号公報に記載されたようなものがある。前記
公報には、一定の容積に対する膜の表面積が大きくでき
る中空糸膜の長所を取り入れるとともに、中空部の閉塞
や糸切れといった中空糸膜の短所を排除することが開示
されている。すなわち、膜モジュール4の径を10mm
以上とし、かつこの膜モジュール4の一端を懸垂状態で
ケーシング3内に配置し、散気装置9による空気のエア
リフト作用によって循環流を生じさせ、これによってケ
ーキ層の除去とその成長を抑制するものである。
72号公報に記載されたものは、中空部の閉塞や糸切れ
といった問題を解消でき、循環流によるケーキ層の除去
とその成長を抑制できるが、散気装置による上向流の発
生は開放槽で行われるため、空気の量の増加によるラン
ニングコストが増大することを解消することはできない
という問題や膜モジュールの間に循環流を通過させるた
めの間隙を設ける必要があるため、容積効率の増加は期
待できないという問題が依然としてあった。
め、請求項1記載の発明は、一部に濾液集水管を設けた
筒状の外装ケースに、複数の管状膜を集合させた集合体
を挿通させ、前記外装ケースの両端の開口部を管状膜の
端部とともに樹脂にてポッティングした管状膜エレメン
トであって、前記外装ケースの両端の開口部の内面を凹
状または凸状にしたことを特徴とする管状膜エレメント
であり、これにより、樹脂によるポッティングの強度を
高めることができ、熱膨張、熱収縮、機械的ストレスに
よって剥離するといった問題が解消できる。
載の管状膜エレメントにおいて、外装ケースは一端が延
長された壁部を有することを特徴とする管状膜エレメン
トであり、これにより、原液を管状膜の内部を有効に通
過させ、濾液を隣接する管状膜の間隙から得るようにす
ることができる。
たは2記載の管状膜エレメントにおいて、樹脂にてポッ
ティングした外装ケースの両端の一部を切除することに
よって管状膜の端部を開口させたことを特徴とするもの
であり、これにより、原液を管状膜の内部を通過させ、
濾液を隣接する管状膜の間隙から得るようにした管状膜
エレメントを効果的に得ることができる。
集水管を設けた筒状の外装ケースに、複数の管状膜を集
合させた集合体を挿通させ、前記外装ケースの両端の開
口部を管状膜の端部とともに樹脂にてポッティングし、
前記外装ケースの両端の開口部の内面を凹状または凸状
にした管状膜エレメントと、エアレーションによる気泡
を放出する散気装置とを有し、この散気装置と前記管状
膜エレメントとを、下方に散気装置と壁部が位置するよ
うに原液中に浸漬し、原液および気泡が管状膜の内部を
通過するようにし、かつ前記濾液集水管側を負圧にする
か水頭圧差により、濾液集水管から濾液を得ることを特
徴とする浸漬型濾過システムであり、これにより、管状
膜エレメントの外側に濾液の流路が形成されるため、隣
接する管状膜エレメントの間にエアレーションのための
間隙を設ける必要はなく、その容積効率の向上とエアレ
ーションによる管状膜エレメントに対する機械的ストレ
スに耐えられるようにすることができる。
載の浸漬型濾過システムにおいて、外装ケースの一端が
延長された壁部を有する管状膜エレメントを用いたこと
を特徴とする浸漬型濾過システムであり、こりにより、
エアレーションによる空気の流れを効果的に管状膜エレ
メントの内側に導くことができるため、そのランニング
コストの抑制にも寄与することができる。
基づいて説明する。
に係る管状膜エレメントの縦断面図である。
トの特徴は、図1に示したように、一部に濾液集水管4
を設けた筒状の外装ケース1に、複数の管状膜2を集合
させた集合体を挿通させ、前記外装ケース1の両端の開
口部を管状膜2の端部とともに樹脂3にてポッティング
し、かつ前記開口部の内面が(a)のように凹状または
(b)のように凸状になるようにしたことである。
凹状にするのは、あらかじめ外装ケース1の両端の開口
部の内面に凹状の溝、好ましくは内部が表面より拡がっ
た逆三角形状の溝6aを設けるのがよく、開口部の内面
を(b)のように凸状にするのは、あらかじめ外装ケー
ス1の両端の開口部の内面にリング、好ましくは断面が
円形で、材質が外装ケース1と同じのリング6bを接着
または溶着しておくのがよい。
は、図1(a),(b)に示した実施の形態に対し、外
装ケース1の一端を延長した壁部5を備えた他の実施の
形態を示す図で、この壁部5を備えたことにより、原液
を管状膜2の内部を有効に通過させ、濾液を隣接する管
状膜2の間隙から得るようにすることができる。
リプロピレンなどの合成樹脂製のもので、外径が106
mm、内径が100mm、長さが1100mmの円筒状
のものであり、前記管状膜2はポリオレフィン系のもの
で、孔径が0.25μmの、外径が5.4mm、内径が
5.0mm、長さが1100mmのチューブ状のもので
あり、この管状膜2を240本集合させた集合体を前記
外装ケース1に挿通させ、この外装ケース1の両端の開
口部を管状膜2の端部とともにポリウレタンからなる樹
脂3でポッティングし、管状膜2の内側と外側とを隔離
している。
内面には、外径が5mmのポリ塩化ビニル、ポリプロピ
レンなどの合成樹脂製のリング6bが接着され、樹脂3
によるポッティングの強度を確保している。
膜面積は3.8m2 であり、容積効率の点では、これと
同程度の有効膜面積をもった中空糸膜エレメントには及
ばないものの、平膜エレメントと比較すると、大幅に向
上できることがわかった。
管状膜2の端部とともに樹脂3でポッティングするの
は、外装ケース1の両端の開口部を管状膜2の端部とと
もにポッティングした後、外装ケース1の両端の一部を
切除することによって管状膜2の端部を開口させるよう
にするのがよい。
浸漬型濾過システムについて説明する。
た管状膜エレメントの下方に、エアレーションによる気
泡を放出する散気装置が位置するように原液中に浸漬
し、原液および気泡が管状膜2の内部を通過するように
し、濾液集水管4側を負圧にするか水頭圧差によって濾
液集水管4から濾液を得るようにしたことである。
泡が管状膜2の内部を通過することにより原液の上昇流
が管状膜2の内部に生じ、これによって管状膜2の内面
にケーキ層が過大に集積することが防止できる。
両端の開口部の内面にリング6bを接着していない管状
膜エレメントとを、活性汚泥(MLSS)が約1200
0〜15000mg/リットルの原液中に浸漬し、散気
装置からの散気量を、中空糸膜エレメントや平膜エレメ
ントを用いた場合の散気量と同程度の5〜10リットル
/分・m2 とし、濾過線速を0.8m/日で濾過を開始
し、6か月経過時に樹脂3によるポッティング部を視覚
で確認したところ、前者の管状膜エレメントには異状が
認められなかったが、後者の管状膜エレメントには樹脂
3によるポッティング部に僅かの間隙が認められた。さ
らに、1年経過時に同じ確認をしたところ、前者の管状
膜エレメントは依然として異状が認められなかったが、
後者の管状膜エレメントは前述した間隙が拡大して汚泥
の一部が濾液側に侵入していることが認められた。
ムでは、樹脂3によるポッティング部の強度を向上する
ことができ、システムの信頼性の向上に寄与できること
がわかる。
状膜エレメントの管状膜の内径は5mmのものであった
が、原液のMLSSに応じて5〜9mmのものを使用す
ることができる。
によれば、原液を管状膜の内部を通過させ、濾液を隣接
する管状膜の間隙から得るようにできる管状膜エレメン
トを、効果的に得ることができ、その容積効率やランニ
ングコストを改善することができるとともに、中空糸膜
エレメントのような中空部から濾液を得るものではない
から、糸切れや中空部の閉塞といった信頼性が低下する
原因を排除することができ、さらに、樹脂によるポッテ
ィング部の強度を向上することができる。
浸漬型濾過システムを長期間安定して使用するととも
に、その信頼性を向上するのに寄与することができる。
縦断面図である。
トの縦断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 一部に濾液集水管を設けた筒状の外装ケ
ースに、複数の管状膜を集合させた集合体を挿通させ、
前記外装ケースの両端の開口部を管状膜の端部とともに
樹脂にてポッティングした管状膜エレメントであって、
前記外装ケースの両端の開口部の内面を凹状または凸状
にしたことを特徴とする管状膜エレメント。 - 【請求項2】 請求項1記載の管状膜エレメントにおい
て、外装ケースは一端が延長された壁部を有することを
特徴とする管状膜エレメント。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の管状膜エレメン
トにおいて、樹脂にてポッティングした外装ケースの両
端の一部を切除することによって管状膜の端部を開口さ
せたことを特徴とする管状膜エレメント。 - 【請求項4】 一部に濾液集水管を設けた筒状の外装ケ
ースに、複数の管状膜を集合させた集合体を挿通させ、
前記外装ケースの両端の開口部を管状膜の端部とともに
樹脂にてポッティングし、前記外装ケースの両端の開口
部の内面を凹状または凸状にした管状膜エレメントと、
エアレーションによる気泡を放出する散気装置とを有
し、この散気装置と前記管状膜エレメントとを、下方に
散気装置と壁部が位置するように原液中に浸漬し、原液
および気泡が管状膜の内部を通過するようにし、かつ前
記濾液集水管側を負圧にするか水頭圧差により、濾液集
水管から濾液を得ることを特徴とする浸漬型濾過システ
ム。 - 【請求項5】 請求項4記載の浸漬型濾過システムにお
いて、外装ケースの一端が延長された壁部を有する管状
膜エレメントを用いたことを特徴とする浸漬型濾過シス
テム。
Priority Applications (6)
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- 2000-08-25 JP JP2000255789A patent/JP2002066267A/ja active Pending
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