JP2002064279A - 多層回路基板の検証方法、設計方法、それらの装置および記録媒体 - Google Patents

多層回路基板の検証方法、設計方法、それらの装置および記録媒体

Info

Publication number
JP2002064279A
JP2002064279A JP2000247656A JP2000247656A JP2002064279A JP 2002064279 A JP2002064279 A JP 2002064279A JP 2000247656 A JP2000247656 A JP 2000247656A JP 2000247656 A JP2000247656 A JP 2000247656A JP 2002064279 A JP2002064279 A JP 2002064279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit board
multilayer circuit
electronic component
standing wave
antinode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000247656A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Araki
健次 荒木
Ayao Yokoyama
礼夫 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000247656A priority Critical patent/JP2002064279A/ja
Publication of JP2002064279A publication Critical patent/JP2002064279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】基板内部の共振の影響を受けない位置に高速I
Cを配置する。 【解決手段】複数の導電層を層間に誘電体を挟んで積層
した構造を有し、最表面の導電層パターンに対し実装時
に電子部品が配置される多層回路基板について、電子部
品(たとえば高速IC)の配置位置を検証に際し、多層
回路基板内部の導電層間での共振周波数fを算出し、共
振周波数fごとに、その波長と多層回路基板の外形寸法
を基にして、導電層間に生じる定在波の振幅変化が最も
大きな腹の、多層回路基板の主面内における位置を算出
する。電子部品の中から特定の電子部品(高速IC)を
選別し(ST9,ST10)、定在波の腹付近の主面内
位置に、特定の電子部品が配置されるか否かを最表面の
導電層パターンにつき調査した後(ST11)、調査の
結果を出力する(ST15)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速動作するIC
などの電子部品に電源電圧を供給する電源電圧供給プレ
ートなどの複数の導電層を内部に有する多層回路基板に
ついて、複数の導電層間に発生する定在波による悪影響
を受ける電子部品位置を指摘することで電子部品位置変
更およびそれに伴うパターン修正等の対策に役立つ情報
の提供が可能な回路基板の検証方法と、この情報に基づ
いてパターン修正を行う回路基板の設計方法とに関す
る。また、本発明は、これらの検証方法または設計方法
を実行する、回路基板の検証装置および設計支援装置
と、上記検証方法を実施するステップを含む回路基板の
検証プラグラムが記録された記録媒体とに関する。
【0002】
【従来の技術】プリント基板などの回路実装基板(以
下、回路基板)は、その回路に実装される各種電子部品
間の接続を行う信号線、所定の電子部品にクロック信号
を供給するクロック供給線、各電子部品に電源電圧また
は基準電位を供給する電源供給線などを、絶縁基板面に
所定パターンにて形成したものである。
【0003】近年の電子機器の小型化、高性能化、高機
能化にともなって、回路基板として多層回路基板を内蔵
した電子機器も増えている。多層回路基板は、一般に、
たとえば5層,6層といった複数の導電体の層を、各層
間に誘電体を挟んで積層させ、また、誘電体の層を貫き
導電物質からなる棒状の接続体(以下、ビアという)に
より各層間を適宜接続した構成となっている。通常、最
上層の導電体パターンの表面(および最下層である導電
体パターン表面)に、ICを含む各種電子部品が実装さ
れる。
【0004】多層回路基板において、IC等に電源電圧
CCを供給する電源電圧供給層,基準電圧VSSを供給す
る基準電圧供給層(グランド層)として、多層回路基板
内部で誘電体内に埋め込まれた埋込導電層が用いられ
る。このほか、多層回路基板内部の埋込導電層は、たと
えばクロック信号分配のため、あるいは位置が離れた箇
所のIC間に信号を受け渡すための迂回路として用いら
れる。この多層回路基板内の埋込導電層の構造として、
上記した信号線の配線層が、電源電圧供給層と電源電圧
供給層間、グランド層とグランド層間、あるいは電源電
圧供給層とグランド層間に挟まれて配置されることがあ
る。これは、一定電圧で保持された層で信号線をシール
ディングするため、あるいは、多層回路基板内部の信号
線をストリップ線路構造するためである。また、実装面
の最も近い埋込配線層をグランド層として、実装面の信
号線をマイクロストリップ線路構造とすることもある。
【0005】以上のような使用目的で多層回路基板内に
配置された電源電圧供給層およびグランド層は、通常、
ビアを通す部分のみ一回り大きな穴が適宜形成された、
全体ではプレート状のベタ配線層とするのが一般的であ
る。
【0006】ところが、近年のICの高速化により、ベ
タ配線層構造の、電源電圧供給層とグランド層間の共振
現象が問題となっている。この共振現象は、これらベタ
配線層間に配置された信号線を伝搬するデジタル信号の
高調波成分が、電源電圧供給層またはグランド層を導波
管として共振する現象である。
【0007】以前のようにICの動作周波数が低いとき
は、その波長に比べて基板サイズが小さく、この共振現
象は問題とならなかった。ところが、最近のようにIC
の動作周波数が数十MHz〜数100MHzと高くなる
と、この共振現象が、いわゆるEMI(Electro-Magneti
c Interference) を引き起こす要因の一つてして顕在化
してきた。EMIを起こす放射雑音では、デジタル信号
の2次、3次、あるいは5次まで位のエネルギーが高い
高調波成分が問題となる。たとえば、仮に基板の比誘電
率εrを4とすると、100MHzのデジタル信号の3
次高調波である300MHzの波長はλ/√(εr)=
0.5mであり、その1/4波長は12.5cmとな
る。この長さが、たとえばノート型のパーソナルコンピ
ュータなどの基板長さに近づくと多層回路基板内で共振
が起こり、定在波が常時存在した状態となる。すると、
この電磁波は基板端部から空気中に放出され、電子機器
の筐体内のあらゆる処で共振現象を引き起しながら、筐
体の窓(スロットなど)から外部に妨害電波として放出
される。
【0008】この妨害電波となる電磁波を多層回路基板
内で閉じ込めるための工夫も提案されているが、これは
近年、他の電子機器または人体に与える影響が社会的に
問題となっている外部に放出される電磁波のEMI対策
としては有効である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、多層回路基
板内に定在波が存在すると、多層回路基板内部にICの
重要な制御線などが配線されていた場合、この重要な制
御線にノイズが重畳し、ICの誤動作などの不具合を引
き起こす恐れがある。また、電源電圧供給線やグランド
線の電圧値が局所的に変動することもある。これらのノ
イズ除去のため、たとえばEMIフィルタなどのノイズ
除去部品を用いることもあるが、ノイズ除去部品を用い
るとデジタル信号の高調波成分が除去され、このため信
号波形が鈍り、パルスの立ち上がり時間が遅れ、これに
よって高速ICが誤動作を起こす危険性が逆に高まるこ
とも少なくない。また、定在波の腹の位置に信号源(I
C)を配置すると、共振のレベルが増大すると言う問題
が有った。
【0010】ところで、回路基板の設計は、設計支援装
置(CAD装置)を用いて半自動化され、設計後のパタ
ーンは動作シュミレータで検証され、検証結果が良好で
あれば最終的なパターンが確定し、検証結果で不備が見
つかればパターンを修正することにより、設計の効率化
が図られている。
【0011】しかし、従来のパターン検証においては、
定在波が基板面内の何処で悪影響するかをCAD装置
上、またはCAD装置に付属するソフトウエアを用いて
知ることはできなった。一方、いわゆるEMIシュミレ
ータと呼ばれるソフトウエアも市販されているが、これ
は、信号線に流れる高周波電流を解析して放射雑音強度
を予測することはできても、その原因となる定在波を考
慮していない。
【0012】この多層回路基板の内部共振による定在波
の悪影響は以前から指摘されていたにもかかわらず、従
来の回路基板のパターン設計では、有効な対策が取られ
ていないのが現状であった。
【0013】本発明の目的は、従来の回路基板の設計工
程を大幅に変更することなく、定在波の共振レベルを増
大させる位置にICが配置されるか否かを自動的に検証
し、これにより設計効率を上げ、設計コストを低減でき
る回路基板の検証方法と、この検証方法を用いた回路基
板の設計方法を提案することにある。また、本発明の他
の目的は、これらの検証方法または設計方法を実行す
る、回路基板の検証装置および設計支援装置と、上記検
証方法を実施するステップを含む回路基板の検証プラグ
ラムが記録された記録媒体とを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に係
る多層回路基板の検証方法は、複数の導電層を層間に誘
電体を挟んで積層した構造を有し、最表面の導電層パタ
ーンに対し実装時に電子部品が配置される多層回路基板
について、上記電子部品の配置位置を検証する多層回路
基板の検証方法であって、上記多層回路基板内部の上記
導電層間での共振周波数を算出し、上記共振周波数の波
長と上記多層回路基板の外形寸法を基に、上記導電層間
に生じる定在波の振幅変化が最も大きな腹の、上記多層
回路基板の主面内における位置を算出し、上記電子部品
の中から特定の電子部品を選別し、上記定在波の上記腹
付近の主面内位置に、上記特定の電子部品が配置される
か否かを上記最表面の導電層パターンにつき調査し、上
記調査の結果を出力する。
【0015】好適に、上記共振周波数の算出では、上記
多層回路基板の主面の一方の辺に沿ったx方向と、x方
向に直交し他方の辺に沿ったy方向それぞれについて上
記多層回路基板の寸法の1/n(n=1,2,3,…)
を上記定在波の半波長とする周波数群のうちから、所定
の周波数より小さい有限数の周波数を算出し、上記定在
波の上記腹の位置の算出を上記有限数の周波数ごとに行
い、上記調査では、算出した全ての上記腹の付近に上記
特定の電子部品が配置されるか否かを上記最表面の導電
層パターンにつき調べる。
【0016】上記定在波の上記腹の位置を算出するに際
し、好適に、上記多層回路基板の主面のx方向の寸法S
xおよびx方向に直交するy方向の寸法Syそれぞれを
上記共振周波数の半波長で除して得られた数の整数値か
ら、上記x方向の上記定在波の半波数Nxと、上記y方
向の上記定在波の半波数Nyを求め、上記定在波の半波
数Nxの2倍値で上記寸法Sxを割ってx方向の第1単
位距離を求め、上記定在波の半波数Nyの2倍値で上記
寸法Syを割ってy方向の第2単位距離を求め、上記多
層回路基板の1つの角を原点としたxy座標系におい
て、x軸上で上記第1単位距離の偶数倍の座標を上記腹
のx座標とし、y軸上で上記第2単位距離の偶数倍の座
標を上記腹のy座標として上記腹の位置を求める。
【0017】上記電子部品は複数の半導体集積回路を含
む場合、好適に、上記電子部品の選別では、動作速度に
依存する上記半導体集積回路の所定の電気的特性パラメ
ータを評価し、その評価の結果から動作速度が速い部類
に属することが推定される半導体集積回路を、上記特定
の電子部品として上記複数の半導体集積回路の中から選
別する。上記所定の電気的特性パラメータは、たとえ
ば、パルス波の立ち上がり時間と、インバータの貫通電
流とを含む。
【0018】上記共振周波数の算出では、上記多層回路
基板内部の略プレート状の第1の電源電圧供給プレート
と、上記特定の電子部品に電気的に接続された信号線を
内部に埋め込んだ誘電体層を挟んで上記第1の電源電圧
供給プレートと上記多層回路基板内部で対向する略プレ
ート状の第2の電源電圧供給プレートとの間に発生する
共振の周波数を算出する。また、上記調査結果の出力で
は、好適に、算出した上記腹の付近に配置される上記特
定の電子部品の部品番号を全て表示して警告する。
【0019】本発明の第2の観点に係る多層回路基板の
設計方法は、複数の導電層を層間に誘電体を挟んで積層
した構造を有し、最表面の導電層パターンに対し実装時
に電子部品が配置される多層回路基板について、仮設計
データから上記電子部品の配置位置を調査し、検証の結
果を基に上記複数の導電層のパターンを修正する多層回
路基板の設計方法であって、仮設計された上記多層回路
基板の外形寸法を含む設計データおよび上記電子部品の
電気的特性データを抽出し、上記電気的特性データを基
に上記電子部品の中から特定の電子部品を選別し、上記
設計データに基づいて、上記多層回路基板内部の上記導
電層間での共振周波数を算出し、上記共振周波数の波長
と上記外形寸法とを基に、上記導電層間に生じる定在波
の振幅変化が最も大きな腹の、上記多層回路基板の主面
内における位置を算出し、上記定在波の上記腹付近の主
面内位置に上記特定の電子部品が配置されるか否かを、
上記最表面の導電層パターンにつき調査し、上記調査の
結果に基づいて、上記特定の電子部品が上記腹付近の主
面内位置に配置されないように上記導電層のパターンを
修正する。好適に、算出した上記共振周波数の波長と上
記外形寸法とを基に、上記導電層間に生じる定在波の振
幅変化が最も小さな節の、上記多層回路基板の主面内に
おける位置を算出し、上記導電層のパターン修正では、
上記特定の電子部品が上記節の主面内位置に出来るだけ
近く配置されるように上記導電層のパターンを修正す
る。
【0020】本発明の第3の観点に係る多層回路基板の
検証装置は、複数の導電層を層間に誘電体を挟んで積層
した構造を有し、最表面の導電層パターンに対し実装時
に電子部品が配置される多層回路基板について、上記電
子部品の配置位置を検証する多層回路基板の検証装置で
あって、設計された上記多層回路基板の設計データおよ
び上記電子部品の電気的特性データを登録した登録手段
と、上記設計データから上記多層回路基板の外形寸法を
含む所定の設計パラメータを抽出し、上記電気的特性デ
ータから上記電子部品の所定の特性パラメータを抽出す
る抽出手段と、上記設計パラメータを用いて、上記多層
回路基板内部の上記導電層間での共振周波数を算出し、
算出した上記共振周波数の波長と上記外形寸法を基に、
上記導電層間に生じる定在波の振幅変化が最も大きな腹
の、上記多層回路基板の主面内における位置を算出する
演算手段と、上記特性パラメータを基に、上記電子部品
の中から特定の電子部品を選別し、上記定在波の上記腹
付近の主面内位置に上記特定の電子部品が配置されるか
否かを、上記最表面の導電層パターンにつき調査する調
査手段と、上記調査の結果を出力する出力手段とを有す
る。上記出力手段は、好適に、算出した全ての上記腹の
付近に配置される上記特定の電子部品の部品番号を表示
して警告する。
【0021】本発明の第4の観点に係る多層回路基板の
設計支援装置は、複数の導電層を層間に誘電体を挟んで
積層した構造を有し、最表面の導電層パターンに対し実
装時に電子部品が配置される多層回路基板の設計を支援
する多層回路基板の設計支援装置であって、仮設計され
た上記多層回路基板の設計データおよび上記電子部品の
電気的特性データを登録した登録部と、上記多層回路基
板の設計を支援する設計支援部と、上記設計支援部が仮
設計した上記多層回路基板の上記電子部品の配置位置の
適否を検証する検証部とを有し、上記検証部は、上記登
録部から上記設計データおよび上記電気的特性データを
読み出して、上記多層回路基板の外形寸法を含む所定の
設計パラメータと、上記電子部品の所定の特性パラメー
タとを抽出する抽出手段と、上記設計パラメータを用い
て、上記多層回路基板内部の上記導電層間での共振周波
数を算出し、上記共振周波数の波長と上記外形寸法を基
に、上記導電層間に生じる定在波の振幅変化が最も大き
な腹の、上記多層回路基板の主面内における位置を算出
する演算手段と、上記特性パラメータを基に、上記電子
部品の中から特定の電子部品を選別し、上記演算手段が
算出した上記定在波の上記腹付近の主面内位置に上記特
定の電子部品が配置されるか否かを、上記最表面の導電
層パターンにつき調査し、調査の結果を上記設計支援部
に出力する調査手段とを有し、上記設計支援部は、上記
調査の結果に基づいて、上記特定の電子部品が上記腹付
近の主面内位置に配置されないように上記導電層のパタ
ーンを修正する。
【0022】このような構成の本発明の第3,第4の観
点に係る多層回路基板の検証装置,設計支援装置は、前
記した第1,第2の観点に係る検証方法または設計方法
を具体的な手段で実施するものである。検証装置は、上
記設計支援装置に登録部および検証部として包含されて
いるので、ここでは設計支援装置の動作(作用)を説明
する。
【0023】まず、設計支援部が設計者を支援すること
により、所定の機能を有する多層回路基板の仮設計がな
される。仮設計された多層回路基板の設計データは一
旦、登録部に登録される。また、この登録部には、回路
基板に実装されることが予定されているICなどの電子
部品の電気的特性データ(たとえば、入力出力特性や遅
延特性、パルスの立ち上がり時間などの各種データ)が
登録されている。
【0024】この仮設計された多層回路基板を検証する
際に、まず、抽出手段が、上記登録部から設計データお
よび電子部品の電気的特性データを読み出し、設計デー
タから多層回路基板の基板寸法を含む必要な設計パラメ
ータを抽出する。また、電気的特性データから、たとえ
ばインバータの貫通電流,パルス波の立ち上がり時間な
ど必要な特性パラメータを抽出する。
【0025】演算手段が、抽出した設計パラメータを用
いて、上記多層回路基板内部の導電層間、たとえば第
1,第2電源電圧供給プレート間に発生する共振の周波
数(共振周波数)を算出する。また、この共振周波数を
波長に変換し、この波長と上記基板寸法とを基に、第
1,第2電源電圧供給プレート間に生じる定在波の腹
の、多層回路基板の主面内における位置を算出する。こ
こで、定在波の腹とは、定在波の半波長ごとに現れる振
幅変化が最も大きな箇所である。具体的には、まず、多
層回路基板の主面のx方向の寸法Sxおよびx方向に直
交するy方向の寸法Syそれぞれを共振周波数の半波長
で除して得られた数の整数値から、x方向の定在波の半
波数Nxと、y方向の上記定在波の半波数Nyを求め
る。つぎに、定在波の半波数Nxの2倍値で寸法Sxを
割ってx方向の第1単位距離を求め、定在波の半波数N
yの2倍値で寸法Syを割ってy方向の第2単位距離を
求める。そして、多層回路基板の1つの角を原点とした
xy座標系において、x軸上で第1単位距離の偶数倍の
座標を腹のx座標とし、y軸上で第2単位距離の偶数倍
の座標を腹のy座標とし、腹の位置を求める。この腹の
位置は、所定周波数のより小さい共振周波数の全てにつ
いて算出する。また、演算手段は、必要に応じて、定在
波の節、すなわち振幅変化が最小の主面内位置も算出す
る。上記した腹の位置算出ではx軸,y軸上でそれぞれ
第1,第2単位距離の偶数倍の座標を腹のx座標,y座
標としたが、この節の座標は、x軸,y軸上でそれぞれ
第1,第2単位距離の奇数倍の座標を節のx座標,y座
標とすることで算出できる。
【0026】一方、調査手段が、予め、上記特性パラメ
ータを基に電子部品の中から特定の電子部品を選別して
おく。調査手段は、上記定在波の腹が算出されると、こ
の腹付近の主面内位置に特定の電子部品が配置されるか
否かを調べる。配置される場合は、必要に応じて警告を
出力するとともに、この腹付近に配置される特定の電子
部品の部品名を設計支援部に出力する。
【0027】設計支援部は、この部品名リストをもと
に、特定の電子部品の全てが定在波の腹付近の主面内位
置に配置されないように、最表面の導電層パターンを修
正し、また必要に応じて多層回路基板内部のパターンお
よび接続部の位置なども修正する。このとき、望ましく
は、定在波の節の位置に出来るだけ近くなるように特定
の電子部品を位置させる。これにより、特定の電子部品
に接続された信号線の電子部品近くの箇所に定在波の影
響でノイズが重畳され難くなる。また、特定の電子部品
に印加される電源電圧の電位も安定である。
【0028】本発明の第5の観点に係る記録媒体は、複
数の導電層を層間に誘電体を挟んで積層した構造を有
し、最表面の導電層パターンに対し実装時に電子部品が
配置される多層回路基板について、上記電子部品の配置
位置の適否を検証する検証プログラムを記録データ内に
含む記録媒体であって、外形寸法を含む上記多層回路基
板の設計データおよび電気的特性データを抽出するステ
ップと、上記電気的特性データを基に、上記電子部品の
中から特定の電子部品を選別するステップと、上記設計
データを用いて、上記多層回路基板内部の上記導電層間
での共振周波数を算出するステップと、上記共振周波数
の波長と上記外形寸法を基に、上記導電層間に生じる定
在波の振幅変化が最も大きな腹の、上記多層回路基板の
主面内における位置を算出するステップと、上記定在波
の上記腹付近の主面内位置に上記特定の電子部品が配置
されるか否かを、上記最表面の導電層パターンにつき調
査するステップとを含む。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る設
計支援装置(CAD装置)および設計方法を、図面を参
照しながら説明する。なお、本発明に係る検証装置およ
び検証方法の実施形態は、以下のCAD装置、および、
これを用いた回路基板の設計方法の実施形態に包摂され
る。また、本発明に係る記録媒体は、以下の設計方法の
検証に係わる処理ステップをプログラム言語で記述した
ものを記録したフロッピーディスク等の記録媒体である
ことから、ここでの説明は省略する。
【0030】図1は、多層回路基板の一例を示す断面図
である。この多層回路基板100では、導電層の階層が
8階層H1〜H8存在し、各階層H1〜H8の導電層
は、その各層間に誘電体109を挟んで積層されてい
る。最表面の第1階層H1において所定の配線パターン
101a,101bが形成され、配線パターン101
a,101bに図示しない各種電子部品がはんだ付けさ
れる。また、反対側の最表面の第8階層H8においても
所定の配線パターン108a,108bが形成され、配
線パターン108a,108bにも図示しない各種電子
部品がはんだ付けされる。このうち配線パターン101
bと108bは1本の棒状導電部材(ビア110)によ
り電気的に接続されている。多層回路基板100の内部
には、ビア110を通すところが適宜開口した全体では
略板状の電源電圧供給プレートが存在する。この例で
は、第2,第5階層H2,H5に基準電圧VSS(接地電
位)を供給する第1電源電圧供給プレート102,10
5が配置され、第4,第7階層H4,H7に電源電圧V
ccを供給する第2電源電圧供給プレート104,107
が配置されている。このうち第1電源電圧供給プレート
102,105は、前記したビア110に接続し、接地
電位が最表面の各種電子部品に供給されるようになって
いる。また、第2電源電圧供給プレート104,107
も、図示しない他のビアを経由して最表面の各種電子部
品に接続されるようになっている。一方、第3,第6階
層H3,H6には、所定パターンの信号線103,10
6が配置されている。この信号線103,106は、図
示しない他のビアを経由して最表面の各種電子部品また
は信号線101a,108a等に適宜接続されている。
【0031】このように形成された多層回路基板100
の内部では、第1,第2電源電圧供給線間(102と1
04間,または、105と107間)の誘電体に埋め込
まれた信号線103または106に、動作時に、高い周
波数のクロック信号その他のデジタル信号が伝播する
と、その高調波成分により第1,第2電源電圧供給プレ
ートを導波管とした電磁波の共振現象が生じる。
【0032】図2に、第1,第2電源電圧供給プレート
を、xyz座標系で示す。第1,第2電源電圧供給プレ
ートはxy平面と平行に配置され、そのx方向サイズは
共にSx,y方向サイズは共にSyである。また、第
1,第2電源電圧供給プレート間の誘電体の比誘電率は
εrで表す。この共振現象における共振周波数fは、基
板の辺の長さが半波長λ/2に等しくなる周波数、その
整数倍の周波数、および、基板の各辺に関する、これら
の周波数が複合した周波数である。したがって、この共
振周波数fは、基板の寸法(ここでは、第1,第2電源
電圧供給プレートのサイズSx,Syと等価)に密接に
関係する。共振周波数fの算出式を次式(1-1),(1-2) に
示す。
【数1】
【0033】ここで、Co は真空中の光速度〔m/
s〕、Rt は平方根の演算記号、εrは:第1,第2電
源電圧供給プレート間の誘電体の比誘電率、mとnは0
以上の任意の整数値をとるモード次数、Sxはx軸方向
の基板長(第1,第2電源電圧供給プレート長)
〔m〕、Syはy軸方向の基板長(第1,第2電源電圧
供給プレート長)〔m〕を表す。この式(1-1),(1-2) か
ら、各モードにおける共振周波数f〔Hz〕が求まり、
どのモードの共振が発生するかは、信号源(共振の原因
となるエネルギーが高い高調波成分をもつ信号線)が基
板主面上のどの位置に存在するかに依存する。
【0034】図3は、基板長Sx,Syを共に0.2
m、比誘電率εrを4.3とした場合、この共振によっ
て生ずるTM(Transverse Magnetic) 波TMn,m の周波
数を表に示したものである。また、図3の中からf=3
62MHz、724MHz、1086MHzで発生する
定在波を、図4(A)〜図4(C)に示す。図4(A)
〜図4(C)に示すように、第1,第2電源電圧供給プ
レート端同士がビア、あるいは、コンデンサ等で短絡さ
れていない場合、プレート端が必ず腹、すなわち定在波
の振幅変化が最も大きな箇所となることがわかる。ま
た、信号源(エネルギーが高い高調波成分を含む信号
線)の位置が節、すなわち定在波の振幅変化が最も小さ
な箇所にある時には共振せず、信号源が腹にあたる場所
にあるときは、逆に共振しやすくなる。さらに、この定
在波中に他の信号線がある場合、その信号線が定在波の
腹にあるとき最も共振しやすくなる。
【0035】図1に示すような多層回路基板100で
は、通常、たとえばマイクロプロセッサ,画像処理LS
Iまたは液晶駆動LSIなどの高速ICと他の電子部品
間を接続する信号線は最短の距離で結ばれ、また、高速
ICの電源電圧供給端子も、その電源電圧の供給プレー
トと最短の距離で結ばれる工夫がされている。したがっ
て、プレート間に挟まれた信号線103,106の真上
に、これに接続する高速ICも配置され、ビアによる最
短距離で対応する信号線と電気的接続が達成されること
が多い。したがって、この共振現象の影響を避けるため
に、高速なICは、出来るだけ定在波の腹にあたる場所
を避け、節にあたる場所に配置することが望ましい。本
実施形態は、この共振現象の影響を受けやすい位置にあ
る高速ICを自動的に検出し、高速ICの配置場所を変
更するステップを含む多層回路基板の設計に関する。
【0036】図5は、実施形態に係る設計支援装置(C
AD装置)の概略構成を示すブロック図である。このC
AD装置は、大まかには、コンピュータを中核とした設
計支援部1、設計支援部1による設計された多層回路基
板を検証する検証部2、外部記憶装置である登録部3、
設計者の操作を受け付けるキーボード,マウス,その他
の入力機器群からなる入力部4、ディスプレイ,プリン
タ,プロッタ,その他の出力機器群からなる出力部5と
を有する。
【0037】設計支援部1は、多層回路基板の設計デー
タを、一旦、登録部3に出力して仮登録する。設計デー
タとしては、たとえば、基板寸法、基板階層構造、各階
層ごとの信号線,電源電圧供給線(または電源電圧供給
プレート)のパターン,部品取り付けパターン,ビアお
よびビアパッド、誘電体の仕様等がある。これにより、
設計支援部1は、仮設計された多層回路基板の設計デー
タを登録部3を経由して検証部2に入力する。一方、検
証部2からの検証結果は、同様に、登録部3を経由して
設計支援部1に出力する構成でもよいが、この図示例で
は、検証結果を直接、設計支援部1に入力する構成とな
っている。登録部3は、多層回路基板の設計データを含
む基板データベース、ICを含む各種電子部品の電気的
特性データのデータベースを含む。入力部4は、入力し
たデータおよび指示を出力する設計支援部1および検証
部2に接続されている。出力部5は、設計支援部1およ
び検証部2に接続され、検証部2の検証結果、設計支援
部1の仮設計パターンおよび修正後のパターンの情報を
入力し、所定の出力形式で外部に出力または表示する。
【0038】検証部2は、変換部21、抽出部22、演
算部23、調査部24、記憶部25および制御部26を
有する。検証部2内の各構成部21〜25は、制御部2
6の制御を受けて予め決められた処理内容を、予め決め
られた手順に従って実行する。変換部21は、登録部3
からの各種データベースから取得したデータをフォーマ
ット変換して記憶部25または抽出部22に出力する。
【0039】抽出部22は、記憶部25内の基板データ
ベースから多層回路基板の所定の設計パラメータ、すな
わち基板サイズSx,Sy〔m〕および誘電体の比誘電
率εrなどを抽出する。また、記憶部25に保持された
電気的特性データから、ICの所定の特性パラメータ、
すなわちインバータの貫通電流Iscおよびパルス波の立
ち上がり時間τrなどを抽出する。これら抽出後のパラ
メータは、記憶部25内で指定されたアドレス内に格納
される。
【0040】本実施形態における記憶部25は、検証部
2内の、他の全ての構成部21〜24および26が処理
した結果および入力データを適宜保持する。したがっ
て、記憶部25は、検証部2内の他の構成部と直接接続
されている。そのほか、記憶部25は、入力データの一
つとして前記入力部4から入力され設定された初期条件
を保持可能に、入力部4に接続されている。この初期条
件としては、共振周波数fを求める範囲の最大値を示す
最大適用周波数fX (=定数K1)〔Hz〕および後述
する各種定数K2〜K5がある。この初期条件の取り込
み指令は、たとえば制御部26が行う。
【0041】演算部23は、抽出した設計パラメータを
記憶部25から読み出し、読み出した設計パラメータを
用いて、共振周波数fを前記式(1-1),(1-2) から算出す
る。この式(1-1),(1-2) からは共振周波数f〔Hz〕は
無限に存在することとなるが、ここでは、ある制限を設
ける。すなわち、最大適用周波数fX 〔Hz〕を上記初
期条件として設定し、その最大適用周波数fX 以下の有
限個の共振周波数fを求める。また、演算部23は、求
めた共振周波数ごとに、定在波の腹および節の位置、お
よび高速ICの配置禁止領域を算出する。
【0042】以下、この定在波の腹および節等の算出方
法について、式を用いて説明する。まず、次式(2)を
用いて各共振周波数f〔Hz〕を波長λ〔m〕に変換す
る。
【数2】 λ=Co /(f×Rt(εr) ) …(2)
【0043】つぎに、得られた波長λごとに、x方向お
よびy方向の定在波の半波数Nx,Nyを、次式(3-1),
(3-2) を用いて算出する。なお、これらの式中、“Int
eger”は[ ]内の演算結果の整数値を表す記号であ
る。
【数3】 Nx=Integer [a/(λ/2)] …(3-1) Ny=Integer [b/(λ/2)] …(3-2)
【0044】つぎに、定在波の半波数Nxと、0以上の
任意の整数であるx方向の次数uxとを用いた次式(4-
1),(4-2) から、定在波のx軸上の節のx座標Lxodd
〔m〕と腹のx座標Lxeven〔m〕を求める。同様に、
定在波の半波数Nyと、0以上の任意の整数であるy方
向の次数uy とを用いた次式(4-3),(4-4) から、定在波
のy軸上の節のy座標Lyodd 〔m〕と腹のy座標Ly
even〔m〕を求める。
【数4】 Lxodd =Sx×(2ux +1)/(2Nx)…(4-1) Lxeven=Sx×(2ux )/(2Nx) …(4-2) Lyodd =Sy×(2uy +1)/(2Ny)…(4-3) Lyeven=Sy×(2uy )/(2Ny) …(4-4)
【0045】これらの式は、基板の一つの角を原点とし
たxy座標系における定在波の節と腹の座標を与えるも
のである。ここで、原点は腹となることから、式(4-1)
はu x <Nx(ux =0,1,2, …)の制限下で演算され、
式(4-2) はux ≦Nxの制限下で演算され、式(4-3) は
y <Ny(uy =0,1,2, …)の制限下で演算され、式
(4-4) はuy ≦Nyの制限下で演算される。これらのx
座標Lxodd ,Lxevenとy座標Lyodd ,Lyeven
基板の主面上に2次元に展開することにより、基板面内
の定在波の全ての節と腹の位置を求めることができる。
【0046】ただし、基板の周縁が定在波の腹となる
が、その周縁から一定幅内側の領域は、基板端から放出
される電磁波の回り込み等の影響で放射雑音強度が強く
高速ICの配置に向かない。そこで、最後に、その基板
縁部の高速ICの配置禁止領域のx方向の幅Wx〔m〕
とy方向の幅Wy〔m〕を、次式(5-1),(5-2) により算
定する。なお、この配置禁止領域の算定は、基板データ
が抽出された段階で予め演算手段23が算出し、記憶部
25内に保持しておくとよい。
【数5】 Wx=Sx/K2 …(5-1) Wy=Sy/K3 …(5-2)
【0047】ここでK2,K3は任意の定数であり、通
常、この値は初期条件として入力部4から入力され、記
憶部25内に取り込まれる。この定数は、たとえばEM
Iシュミレータなどの結果に応じて変えることができ
る。
【0048】調査部24は、抽出部22により抽出され
記憶部25内に電気的特性データが格納された段階で、
基板に実装される全てのICについての特性パラメータ
を用いて高速ICを調査し、選別する。すなわち、IC
内のインバータの貫通電流Isc〔A〕およびパルス波の
立ち上がり時間τr〔秒〕を全てのICについて調査
し、このパラメータが以下の式(6-1),(6-2) を満たすI
Cを、配置変更の対象である高速ICとして選別し、そ
のIC名をリストアップする。
【数6】 Isc=Cload×dV/dt ≧K4×10-3 …(6-1) τr≦K5×10-9 …(6-2)
【0049】ここで、CloadはICのロジック回路を構
成する基本インバータの負荷容量値であり、貫通電流I
scは、この容量値Cload〔F〕の負荷容量を充放電する
電流で定義される。
【0050】また、調査部24は、特定した高速ICの
リストを記憶部25から読み出し、その位置情報を参照
して、特定した高速ICのの配置位置が、演算部23が
算出した定在波の腹となっていないかを調べる。この調
査の結果、定在波の腹付近に配置される特定の高速IC
がある場合、その位置変更を警告するエラーチェックリ
ストを発行し、出力部5に送る。また、このエラーチェ
ックリストと定在波の腹と節の座標情報を、設計支援部
1に送る。
【0051】このエラーチェックリストは、出力部5か
ら出力、たとえば画面表示される。設計作業者は、出力
部5から出力されたエラーチェックリストを見て、設計
支援部1を操作し、定在波の腹付近に位置していた高速
ICを定在波の節に出来るだけ近づけるように、IC取
り付けパターンを含む配線パターンの修正、および必要
に応じて、多層回路基板内のビアの位置等を修正する。
修正が完了した回路基板データは登録部2に本登録さ
れ、多層回路基板の検証および修正が完了する。
【0052】つぎに、このような構成のCAD装置を用
いて、図6に示す構造の多層回路基板をパターン設計
し、その検証と修正を行う具体的実施例を、図7〜図9
のフローチャートに沿って説明する。
【0053】図6(A)は、多層回路基板の実装時にお
けるドライバIC(D)およびレシーバIC(R)と信
号線Eとの配置パターン例である。また、図6(B)は
ドライバDおよびレシーバRに関するパラメータを記述
した図、図6(C)は信号線の配線構造を示す図であ
る。多層回路基板の実装時には、図6(A)に示すよう
に、1つのドライバD(IC100)の第1出力ピン
と、1つのレシーバR(IC200)の第1入力ピンと
の間に、マイクロストリップ構造の信号線(マイクロス
トリップライン)Eが接続される。基準電位VSSで保持
された第1電源電圧供給プレートP1上に誘電体層Di
L1が形成され、その誘電体層DiL1上に信号線Eが
配置されている。また、第1電源電圧供給プレートP1
の下に、誘電体DiL2が配置され、さらにその下に第
2電源電圧供給プレートP2が配置されている。
【0054】このような構造の多層回路基板の検証およ
びパターン修正では、まず、図8のステップST1にお
いて、初期条件を設定する。ここでは、最大適用周波数
X としてのK1を1200MHzに設定し、他の係数
K2〜K5を、K2=K3=5、K4=K5=2に設定
する。これらの初期条件は、たとえば図5の入力部4か
ら操作者が手入力し、記憶部25の所定アドレス内に記
憶される。
【0055】つぎに、抽出部22が,登録部3内に登録
されている基板データベースから設計データを読み出
し、設計データから基板構造(図6(C))を抽出し
(ステップST2)、続いて基板寸法(Sx,Sy)=
(0.2〔m〕,0.2〔m〕)等の設計パラメータを
抽出する(ステップST3)。具体的には、登録部3か
ら読み出した基板データベース情報を、変換部21でフ
ォーマット変換した後、その中から、抽出部22が基板
寸法等を抽出し、必要に応じて記憶部25の所定アドレ
ス内に書き込む。また、抽出部22は、登録部3内の電
気的特性データのデータベースから、必要な特性パラメ
ータIsc,τr等を抽出し、必要に応じて記憶部25の
所定アドレス内に書き込む。
【0056】ステップST4では、演算部23が、抽出
した設計パラメータ、すなわち基板寸法Sx,Sy等を
前記式(1-2) に代入してkを求め、これを前記式(1-1)
に代入して共振周波数fを算出する。この共振周波数f
を算出範囲は、初期条件として与えられた最大適用周波
数fX 以内に限られ、図3の表でいうと、TM23,TM
32,TM33は算出対象から除外される。したがって、共
振周波数として、f=362,511,724,80
9,1022,1086,1144〔MHz〕の7つが
算出される。
【0057】ステップST5で、演算部23が、この7
つの共振周波数fをそれぞれ、式(2)により波長λに
変換する。これにより7つの波長、すなわちλ=0.4
00,0.283,0.200,0.179,0.14
1,0.133,0.126〔m〕が算出される。
【0058】ステップST6では、演算部23が、各波
長ごとに、定在波のパラメータを導出する。まず、図9
のステップ61において、x方向の定在波の半波数Nx
を、前記式(3-1) を用いて算出する。これにより、各波
長の定在波の半波数Nx=1,1,2,2,2,3,3
(波長が長い順)が求まる。つぎのステップST62に
おいて、定在波のx方向の節の座標、すなわちx座標L
odd を、前記式(4-1) を用いて算出する。これによ
り、各波長の定在波の節のx座標はLxodd =0.03
3,0.050,0.1,0.150,0.167
〔m〕の5種類となる。つぎのステップST63におい
て、定在波のx方向の腹の座標、すなわちx座標Lx
evenを、前記式(4-2) を用いて算出する。これにより、
各波長の定在波の腹のx座標はLxeven=0.0,0.
067,0.1,0.133,0.2〔m〕の5種類と
なる。
【0059】ステップST64〜ST66において、同
様に、定在波のy方向の半波数Nyを求め (式(3-2))、
これを用いて定在波の節のy座標Lyodd (式(3-2))
と、腹のy座標Lxeven (式(3-2))を算出する。本例の
場合、基板長さがx方向とy方向で同じことから、この
結果は、x方向の場合と同じであり、定在波のy方向の
半波数Nx=1,1,2,2,2,3,3となり、定在
波の節のy座標はLyodd =0.033,0.050,
0.1,0.150,0.167〔m〕の5種類とな
り、腹のy座標はLyeven=0.0,0.067,0.
1,0.133,0.2〔m〕の5種類となる。このよ
うにして、x座標Lxodd ,Lxevenとy座標Ly
odd ,Lyevenが基板の主面に2次元に展開され、基板
面内の定在波の全ての節と腹の位置を求めることができ
た。
【0060】図7のステップST7では、演算部23
が、高速ICの配置禁止領域を計算する。本例では、前
記式(5-1),(5-2) において、初期条件としてK2=K3
=5が既に初期条件として与えられているので、基板端
からの配置禁止領域のx方向の幅Wxとy方向の幅Wy
は共に0.04〔m〕となる。なお、この高速ICの配
置禁止領域の計算は、初期条件および基板寸法が与えら
れた段階で可能であることから、ステップST3とステ
ップST6の間で行い、記憶部25に保存しておくこと
もできる。
【0061】図8のステップST8では、登録部3内の
電気的特性データのデータベースからから抽出部22
が、当該多層回路基板に実装されることが予定されてい
る全てのICのIC番号リストを取得し、先に抽出した
特性パラメータIsc,τrと対応させて記憶部25の所
定のアドレス内に書き込む。このIC番号リストの取得
および保存は、基板構造が抽出されたステップST2以
後なら何時でも事前に実施できる。
【0062】ステップST9において、調査部が抽出部
22が、IC番号リストと、それに対応した特性データ
リストを記憶部25から読み出し、各ICの高速性を調
査し、所定の高速性を満たすICを選別する。すなわ
ち、IC内のインバータの貫通電流Isc〔A〕およびパ
ルス波の立ち上がり時間τr〔秒〕を全てのICについ
て調査し、このパラメータが前記式(6-1),(6-2) を満た
すICを、配置変更の対象である高速ICとして選別
し、そのIC名をリストアップする。続く、ステップS
T10において、リストアップした高速ICから1つの
高速ICを選択して、基板情報を基に、その選択した高
速ICの基板内座標を測定する。いま、図6のドライバ
D(IC100)が選択され、その位置座標(0.1
〔m〕,0.1〔m〕)が測定されたとする。
【0063】つぎのステップST11では、調査部24
が、この選択されたドライバD(IC100)の位置座
標が、先のステップST6で算出された定在波の腹の座
標に一致しているか否かを調査し、配置変更の要/不要
を判断する。このとき、座標の完全一致でなくとも、た
とえば±0.01〔m〕の範囲に入っていれば、座標が
略一致しているとして、配置変更が必要と判断すること
もできる。ドライバD(IC100)の位置座標=
(0.1〔m〕,0.1〔m〕)は、先のステップST
6で算出された定在波の腹の位置にあたるので、このス
テップST11の判断が“YES”となって、処理フロ
ーがステップST13に進む。一方、ステップST11
の判断が“NO”の場合は、ステップST12で選択さ
れた高速ICがステップST7で算出された配置禁止領
域にあるか否かが判断され、この場合も、配置変更が必
要であるとして処理フローがステップST13に進む。
ステップST12の判断が“NO”の場合は、“対策の
必要なし”として次のステップST13をスキップす
る。
【0064】ステップST13では、高速ICの配置変
更(対策)の方向性が、調査部24により決定される。
本例のドライバD(IC100)の場合、その位置座標
の配置変更方向を、図10に示す。この図10では、定
在波の節を○印および実線で示し、定在波の腹を×印お
よび破線で示す。ドライバD(IC100)は周囲の幅
0.04〔m〕の枠状の配置禁止領域の内側の配置許可
領域の中央に配置されている。この配置位置は、ステッ
プST6で算出されたように、定在波の腹位置の座標と
一致しているが、他の周波数の定在波の節の座標とも一
致している。したがって、この場合は、少なくとも腹の
位置でない箇所にICを移動させる必要がある。図10
から分かるように、配置許可領域の四隅付近(二重丸
印)がx方向とy方向の節同士が重なり、かつ腹でもな
いので、高速ICの配置位置としては最も望ましい。ま
た、その四隅を結ぶ一辺長さの約1/3づつ離れた箇所
(丸印)が定在波の節で、かつ腹でないので次に望まし
い位置である。IC100がこれらの位置に移動できれ
ば望ましい。また、配線も含めて大幅な変更ができない
ときは、図中の三角印の位置、すなわち定在波の節でな
いが、四方の腹から等距離離れた位置にIC100を移
動することができる。調査部24が、これらのIC配置
変更の決定を行うと、ドライバD(IC100)につい
ての検証が終了する。
【0065】つぎに、ステップST14において、調査
部24が高速ICリストを調査し、未だ検証が済んでい
ない他の高速ICがあるか否かを判断する。この判断の
結果、他の高速ICがある場合、ステップST10のI
C選択から、ステップST14の判断までを、ステップ
ST14で“他の高速ICなし”と判断され、高速IC
リスト中の全てのICの検証が済んだことが検出される
まで繰り返す。
【0066】ステップST15では、調査部24がIC
配置変更の対策を設計支援部1または出力部5に出力す
る。調査部24が、図10のIC変更位置の指示まで行
う場合は、その情報を設計支援部1に出力する。あるい
は、実際の決定は設計作業者に委ねることとし、図10
のような変更方向が分かる情報を出力部5に出力して、
表示させる。その後、設計支援部1により自動的に、あ
るいは、設計作業者がチェックリストおよび対策方向の
情報を見ながらパターン修正を行う。パターン修正で
は、高速ICの配置位置を変更するとともに、配線パタ
ーンおよびビア位置などを修正して、高速ICの信号線
および電源電圧供給線に定在波の影響でノイズが重畳さ
れないようにする。パターン修正が完了すると、この修
正後のパターンを含む回路基板のパターンが登録部3に
本登録され、動作チェックを経て当該多層回路基板の設
計が完了する。
【0067】なお、検証部2の各構成部21〜26は、
データ等の抽出や比較判断を行う手段であり、したがっ
て設計支援部1内の構成部を用いるとすることもでき
る。また、各構成部間のデータのやりとりの多くを記憶
部25を経由して行ったが、それぞれが記憶手段を持つ
なり、制御部26内の記憶手段を利用することでも実質
的には同じこととなる。さらに、対策検定では、複数の
高速ICに対策が必要であり、その複数の高速ICの対
策を全て行うと矛盾が生じる場合は、調査部24が各I
Cの高速性の高低を特性パラメータから比較し、高速性
が高いものから優先的に対策決定することもできる。
【0068】以上の方法によって、ノイズ源となる最も
高速なICの位置が変更されると、多層回路基板内部に
発生する共振現象による電磁界強度を低減することがで
きる。たとえば図10のIC100から出力される信号
線が多層基板内部に配線され、これが当該共振現象の電
磁界強度を増大させるのに大きく寄与していた場合、I
C100の位置を定在波の腹を避けて配置するだけで、
共振現象の電磁界強度を低減させる効果がある。これ
は、IC100の位置変更により、多層基板内部を通る
エネルギーが高い高調波成分を含む信号線が、定在波の
腹を外した位置に配線することが容易となるためであ
る。
【0069】この信号源の配置位置と基板面内に生じる
磁界強度の関係を実験により測定した。その結果を、図
11および図12に示す。この実験で用いた基板は、図
10の場合と基板サイズが異なるため、図10の場合と
逆に、IC配置許可領域の四隅で殆どの周波数で定在波
の腹が形成され、基板中央では定在波の腹が限定的であ
り、むしろ節が集中している。信号源として、高速IC
が動作する際に発生し電源電圧供給プレートあるいはグ
ランドプレートに流れ込む貫通電流の代わりに、トラッ
キングジュネレータから0dBmの高周波信号(周波数
範囲100MHz〜1GHz)を、基板隅に入れた場合
と基板中央に入れた場合で、基板表面と基板裏面の近傍
電界測定を行った。測定は、電磁プローブ(ループアン
テナ)を被測定面から7mm上方でスイープさせ、近傍
磁界分布をx方向(図の横方向)とy方向(図の縦方
向)それそれで計った。その結果の一例として、信号源
の周波数800MHzの場合を、近傍磁界分布マップに
して図11および図12に示す。これらの図は測定から
得られた近傍磁界の等磁界線の分布を示し、各線の数値
は磁界強度〔dBμV〕を示す。これらの図から、定在
波の腹が集中する四隅に信号源があると、基板全体の磁
界強度が大きくなり、定在波の腹が集中しない基板中央
に信号源があると基板全体の磁界強度が小さいことが良
く分かる。以上より、信号源となる高速ICを定在波の
腹を避けて配置することで、この信号源がノイズ源とな
る磁界強度を大幅に低減できることを、実験により確か
めることができた。
【0070】一方、信号源でない、あるいは信号源とし
ての寄与が小さい他の高速ICにおいては、それに接続
された信号線および電源電圧供給線を、この共振現象が
もたらすノイズを受けにくい位置に配置することによっ
て入力ノイズが低減される。本実施形態では、このノイ
ズを受けにくくなる効果と、上記した電磁界強度の低減
効果との相乗効果により、多層回路基板の動作信頼性が
格段に高くなる。
【0071】また、本実施形態に係る多層回路基板の設
計では、仮設計後に簡単な計算と比較判断などにより電
子部品(高速IC)の位置を検証するので、従来の設計
工程を大幅に変更する必要がない。これにより、設計コ
ストの大幅な増加を伴わずに、多層回路基板内部の共振
現象による高速ICの誤動作を有効に防止し、動作信頼
性が高い多層回路基板を提供することができる。
【0072】
【発明の効果】本発明に係る多層回路基板の検証方法、
設計方法、それらの装置および記録媒体によれば、従来
の設計工程を大幅に変えることなく、簡単な計算式を用
いて共振周波数を求め、その波長を用いて基板内部の共
振現象により定在波の腹(および節)の位置を算出し、
その結果、高速ICの配置変更に有益な情報を提供でき
る。したがって、多層回路基板の設計および設計変更が
容易であり、設計コストの大幅な増加を伴うことなく、
多層回路基板の動作信頼性を上げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る多層回路基板の一構成例を示
す断面図である。
【図2】本実施形態に係る多層回路基板内に配置された
2つの電源電圧プレートをxyz座標空間で示す図であ
る。
【図3】本実施形態に係る多層回路基板内のモード係数
3までの共振周波数(TM波の各モードの周波数)を示
す表である。
【図4】(A)は本実施形態に係る多層回路基板内の共
振による定在波(f=326〔MHz〕)を示す図であ
る。(B)は定在波(f=724〔MHz〕)を示す図
であり、(C)は定在波(f=1086〔MHz〕)を
示す図である。
【図5】実施形態に係るCAD装置の概略構成を示すブ
ロック図である。
【図6】(A)は、実施形態の具体的に実施例に係る多
層回路基板の実装時におけるドライバおよびレシーバと
信号線との配置パターンを示す図である。(B)は
(A)の多層回路基板についての電気的パラメータを記
述した図である。(C)は(A)の多層回路基板の断面
構造を示す図である。
【図7】実施形態に係る多層回路基板の設計でパターン
検証の手順のうち、最初のステップからIC配置禁止領
域の算出ステップまでを示すフローチャートである。
【図8】実施形態に係る回路基板の設計でパターン検証
の手順のうち、IC番号取得のステップから最終ステッ
プまでを示すフローチャートである。
【図9】実施形態に係る回路基板の設計でパターン検証
手順のうち、図7における定在波のパラメータを算出す
るステップの詳細を示すフローチャートである。
【図10】実施形態に係る具体的実施例の多層回路基板
において、対策決定の方向性を示す図である。
【図11】実施形態の効果としての信号源の位置と磁界
強度の関係を明らかにするための実験において、周波数
800MHzの信号源をIC配置許可領域の隅に配置し
た場合の近傍磁界強度分布の面内分布を示すチャートで
ある。
【図12】実施形態の効果としての信号源の位置と磁界
強度の関係を明らかにするための実験において、周波数
800MHzの信号源をIC配置許可領域の中央に配置
した場合の近傍磁界強度分布の面内分布を示すチャート
である。
【符号の説明】
1…設計支援部、2…検証部、3…登録部(登録手
段)、4…入力部、5…出力部(出力手段)、21…変
換部、22…抽出部(抽出手段)、23…演算部(演算
手段)、24…調査部(調査手段)、25…記憶部、2
6…制御部、100…多層回路基板、101a,10
3,106,108a…信号線、101b,108b…
基準電圧供給線、102,105…第1の電源電圧供給
プレート、104,107…第2の電源電圧供給プレー
ト、109…誘電体、D…ドライバ(電子部品)、R…
レジーバ(電子部品)、E…信号線、DiL1,DiL
2…誘電体層、P1,P2…電源プレート(電源電圧供
給プレート)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/50 658 G06F 17/50 658V 658A 666 666V H01L 23/12 H05K 3/00 T H05K 3/00 D H01L 23/12 N Fターム(参考) 5B046 AA08 BA05 5E346 AA15 AA32 AA35 AA51 BB01 BB06 BB15 BB16 GG31 GG40 HH31

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の導電層を層間に誘電体を挟んで積層
    した構造を有し、最表面の導電層パターンに対し実装時
    に電子部品が配置される多層回路基板について、上記電
    子部品の配置位置を検証する多層回路基板の検証方法で
    あって、 上記多層回路基板内部の上記導電層間での共振周波数を
    算出し、 上記共振周波数の波長と上記多層回路基板の外形寸法を
    基に、上記導電層間に生じる定在波の振幅変化が最も大
    きな腹の、上記多層回路基板の主面内における位置を算
    出し、 上記電子部品の中から特定の電子部品を選別し、 上記定在波の上記腹付近の主面内位置に、上記特定の電
    子部品が配置されるか否かを上記最表面の導電層パター
    ンにつき調査し、 上記調査の結果を出力する多層回路基板の検証方法。
  2. 【請求項2】上記共振周波数の算出では、上記多層回路
    基板の主面の一方の辺に沿ったx方向と、x方向に直交
    し他方の辺に沿ったy方向それぞれについて上記多層回
    路基板の寸法の1/n(n=1,2,3,…)を上記定
    在波の半波長とする周波数群のうちから、所定の周波数
    より小さい有限数の周波数を算出し、 上記定在波の上記腹の位置の算出を上記有限数の周波数
    ごとに行い、 上記調査では、算出した全ての上記腹の付近に上記特定
    の電子部品が配置されるか否かを上記最表面の導電層パ
    ターンにつき調べる請求項1記載の多層回路基板の検証
    方法。
  3. 【請求項3】上記定在波の上記腹の位置を算出するに際
    し、上記多層回路基板の主面のx方向の寸法Sxおよび
    x方向に直交するy方向の寸法Syそれぞれを上記共振
    周波数の半波長で除して得られた数の整数値から、上記
    x方向の上記定在波の半波数Nxと、上記y方向の上記
    定在波の半波数Nyを求め、 上記定在波の半波数Nxの2倍値で上記寸法Sxを割っ
    てx方向の第1単位距離を求め、 上記定在波の半波数Nyの2倍値で上記寸法Syを割っ
    てy方向の第2単位距離を求め、 上記多層回路基板の1つの角を原点としたxy座標系に
    おいて、x軸上で上記第1単位距離の偶数倍の座標を上
    記腹のx座標とし、y軸上で上記第2単位距離の偶数倍
    の座標を上記腹のy座標として上記腹の位置を求める請
    求項1記載の多層回路基板の検証方法。
  4. 【請求項4】上記電子部品は複数の半導体集積回路を含
    み、 上記電子部品の選別では、動作速度に依存する上記半導
    体集積回路の所定の電気的特性パラメータを評価し、そ
    の評価の結果から動作速度が速い部類に属することが推
    定される半導体集積回路を、上記特定の電子部品として
    上記複数の半導体集積回路の中から選別する請求項1記
    載の多層回路基板の検証方法。
  5. 【請求項5】上記所定の電気的特性パラメータは、パル
    ス波の立ち上がり時間と、インバータの貫通電流とを含
    む請求項2記載の多層回路基板の検証方法。
  6. 【請求項6】上記共振周波数の算出では、上記多層回路
    基板内部の略プレート状の第1の電源電圧供給プレート
    と、上記特定の電子部品に電気的に接続された信号線を
    内部に埋め込んだ誘電体層を挟んで上記第1の電源電圧
    供給プレートと上記多層回路基板内部で対向する略プレ
    ート状の第2の電源電圧供給プレートとの間に発生する
    共振の周波数を算出する請求項1記載の多層回路基板の
    検証方法。
  7. 【請求項7】上記調査結果の出力では、算出した上記腹
    の付近に配置される上記特定の電子部品の部品番号を全
    て表示して警告する請求項1記載の多層回路基板の検証
    方法。
  8. 【請求項8】複数の導電層を層間に誘電体を挟んで積層
    した構造を有し、最表面の導電層パターンに対し実装時
    に電子部品が配置される多層回路基板について、仮設計
    データから上記電子部品の配置位置を調査し、検証の結
    果を基に上記複数の導電層のパターンを修正する多層回
    路基板の設計方法であって、 仮設計された上記多層回路基板の外形寸法を含む設計デ
    ータおよび上記電子部品の電気的特性データを抽出し、 上記電気的特性データを基に上記電子部品の中から特定
    の電子部品を選別し、 上記設計データに基づいて、上記多層回路基板内部の上
    記導電層間での共振周波数を算出し、 上記共振周波数の波長と上記外形寸法とを基に、上記導
    電層間に生じる定在波の振幅変化が最も大きな腹の、上
    記多層回路基板の主面内における位置を算出し、 上記定在波の上記腹付近の主面内位置に上記特定の電子
    部品が配置されるか否かを、上記最表面の導電層パター
    ンにつき調査し、 上記調査の結果に基づいて、上記特定の電子部品が上記
    腹付近の主面内位置に配置されないように上記導電層の
    パターンを修正する多層回路基板の設計方法。
  9. 【請求項9】算出した上記共振周波数の波長と上記外形
    寸法とを基に、上記導電層間に生じる定在波の振幅変化
    が最も小さな節の、上記多層回路基板の主面内における
    位置を算出し、 上記導電層のパターン修正では、上記特定の電子部品が
    上記節の主面内位置に出来るだけ近く配置されるように
    上記導電層のパターンを修正する請求項8記載の多層回
    路基板の設計方法。
  10. 【請求項10】複数の導電層を層間に誘電体を挟んで積
    層した構造を有し、最表面の導電層パターンに対し実装
    時に電子部品が配置される多層回路基板について、上記
    電子部品の配置位置を検証する多層回路基板の検証装置
    であって、 設計された上記多層回路基板の設計データおよび上記電
    子部品の電気的特性データを登録した登録手段と、 上記設計データから上記多層回路基板の外形寸法を含む
    所定の設計パラメータを抽出し、上記電気的特性データ
    から上記電子部品の所定の特性パラメータを抽出する抽
    出手段と、 上記設計パラメータを用いて、上記多層回路基板内部の
    上記導電層間での共振周波数を算出し、算出した上記共
    振周波数の波長と上記外形寸法を基に、上記導電層間に
    生じる定在波の振幅変化が最も大きな腹の、上記多層回
    路基板の主面内における位置を算出する演算手段と、 上記特性パラメータを基に、上記電子部品の中から特定
    の電子部品を選別し、上記定在波の上記腹付近の主面内
    位置に上記特定の電子部品が配置されるか否かを、上記
    最表面の導電層パターンにつき調査する調査手段と、 上記調査の結果を出力する出力手段とを有する多層回路
    基板の検証装置。
  11. 【請求項11】上記出力手段は、算出した全ての上記腹
    の付近に配置される上記特定の電子部品の部品番号を表
    示して警告する請求項10記載の多層回路基板の検証装
    置。
  12. 【請求項12】複数の導電層を層間に誘電体を挟んで積
    層した構造を有し、最表面の導電層パターンに対し実装
    時に電子部品が配置される多層回路基板の設計を支援す
    る多層回路基板の設計支援装置であって、 仮設計された上記多層回路基板の設計データおよび上記
    電子部品の電気的特性データを登録した登録部と、 上記多層回路基板の設計を支援する設計支援部と、 上記設計支援部が仮設計した上記多層回路基板の上記電
    子部品の配置位置の適否を検証する検証部とを有し、 上記検証部は、上記登録部から上記設計データおよび上
    記電気的特性データを読み出して、上記多層回路基板の
    外形寸法を含む所定の設計パラメータと、上記電子部品
    の所定の特性パラメータとを抽出する抽出手段と、 上記設計パラメータを用いて、上記多層回路基板内部の
    上記導電層間での共振周波数を算出し、上記共振周波数
    の波長と上記外形寸法を基に、上記導電層間に生じる定
    在波の振幅変化が最も大きな腹の、上記多層回路基板の
    主面内における位置を算出する演算手段と、 上記特性パラメータを基に、上記電子部品の中から特定
    の電子部品を選別し、上記演算手段が算出した上記定在
    波の上記腹付近の主面内位置に上記特定の電子部品が配
    置されるか否かを、上記最表面の導電層パターンにつき
    調査し、調査の結果を上記設計支援部に出力する調査手
    段とを有し、 上記設計支援部は、上記調査の結果に基づいて、上記特
    定の電子部品が上記腹付近の主面内位置に配置されない
    ように上記導電層のパターンを修正する多層回路基板の
    設計支援装置。
  13. 【請求項13】複数の導電層を層間に誘電体を挟んで積
    層した構造を有し、最表面の導電層パターンに対し実装
    時に電子部品が配置される多層回路基板について、上記
    電子部品の配置位置の適否を検証する検証プログラムを
    記録データ内に含む記録媒体であって、 外形寸法を含む上記多層回路基板の設計データおよび電
    気的特性データを抽出するステップと、 上記電気的特性データを基に、上記電子部品の中から特
    定の電子部品を選別するステップと、 上記設計データを用いて、上記多層回路基板内部の上記
    導電層間での共振周波数を算出するステップと、 上記共振周波数の波長と上記外形寸法を基に、上記導電
    層間に生じる定在波の振幅変化が最も大きな腹の、上記
    多層回路基板の主面内における位置を算出するステップ
    と、 上記定在波の上記腹付近の主面内位置に上記特定の電子
    部品が配置されるか否かを、上記最表面の導電層パター
    ンにつき調査するステップとを含む記録媒体。
JP2000247656A 2000-08-17 2000-08-17 多層回路基板の検証方法、設計方法、それらの装置および記録媒体 Pending JP2002064279A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000247656A JP2002064279A (ja) 2000-08-17 2000-08-17 多層回路基板の検証方法、設計方法、それらの装置および記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000247656A JP2002064279A (ja) 2000-08-17 2000-08-17 多層回路基板の検証方法、設計方法、それらの装置および記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002064279A true JP2002064279A (ja) 2002-02-28

Family

ID=18737703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000247656A Pending JP2002064279A (ja) 2000-08-17 2000-08-17 多層回路基板の検証方法、設計方法、それらの装置および記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002064279A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005096188A1 (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Nec Corporation 統合電源系解析システム、統合電源系解析方法及び多層プリント回路基板
US7114132B2 (en) 2001-04-20 2006-09-26 Nec Corporation Device, system, server, client, and method for supporting component layout design on circuit board, and program for implementing the device
JP2006285794A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Mitsubishi Electric Corp 回路基板のemi設計検証方法
JP2007293725A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Nec Corp 共振周波数算出装置および共振周波数算出方法
JP2008251777A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Toshiba Corp 回路基板モジュール、情報処理装置およびインピーダンス低減方法
JP2016512672A (ja) * 2013-03-14 2016-04-28 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Machines Corporation パーセル損失を制御する方法、システム、チップおよびコンピュータ・プログラム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7114132B2 (en) 2001-04-20 2006-09-26 Nec Corporation Device, system, server, client, and method for supporting component layout design on circuit board, and program for implementing the device
WO2005096188A1 (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Nec Corporation 統合電源系解析システム、統合電源系解析方法及び多層プリント回路基板
CN100437598C (zh) * 2004-03-30 2008-11-26 日本电气株式会社 综合电源系统解析系统、解析方法及多层印刷电路基板
US7669162B2 (en) 2004-03-30 2010-02-23 Nec Corporation Integrated power supply system analyzing system, integrated power supply system analyzing method, and multiplayer printed circuit board
JP2006285794A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Mitsubishi Electric Corp 回路基板のemi設計検証方法
JP4481862B2 (ja) * 2005-04-01 2010-06-16 三菱電機株式会社 回路基板のemi設計検証方法
JP2007293725A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Nec Corp 共振周波数算出装置および共振周波数算出方法
JP4697445B2 (ja) * 2006-04-26 2011-06-08 日本電気株式会社 共振周波数算出装置および共振周波数算出方法
JP2008251777A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Toshiba Corp 回路基板モジュール、情報処理装置およびインピーダンス低減方法
JP2016512672A (ja) * 2013-03-14 2016-04-28 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Machines Corporation パーセル損失を制御する方法、システム、チップおよびコンピュータ・プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6546528B1 (en) System and method for evaluation of electric characteristics of printed-circuit boards
JP3348709B2 (ja) プリント回路基板設計支援装置及び制御プログラム記録媒体
US6598208B2 (en) Design and assisting system and method using electromagnetic position
JP4612543B2 (ja) プリント回路配線基板設計支援装置及びプリント回路基板設計方法並びにそのプログラム
US7350175B2 (en) Circuit board design system, design data analysis method and recording medium with analysis program recorded thereon
JP2002541531A (ja) コンピュータ・システムを使用した電力分配システムのために所望の減結合構成要素を決定するシステムおよび方法
KR20030081475A (ko) 회로 레이아웃 설계 방법 및 그 시스템
US6875920B2 (en) Semiconductor device and design support method of electronic device using the same
JP2002064279A (ja) 多層回路基板の検証方法、設計方法、それらの装置および記録媒体
Pak et al. Modeling and measurement of radiated field emission from a power/ground plane cavity edge excited by a through-hole signal via based on a balanced TLM and via coupling model
US8990761B2 (en) Decoupling method, appratus for designing power feeding line, and circuit board
JP3840883B2 (ja) プリント基板の設計支援装置、設計支援方法および設計支援装置で使用されるプログラムを記録した記録媒体
US6774641B2 (en) Printed circuit board design support apparatus, method, and program
JP3052907B2 (ja) 電子機器のemi設計・評価方法
JP3885830B2 (ja) プリント基板の設計支援装置、設計支援方法および設計支援装置で使用されるプログラムを記録した記録媒体
Archambeault et al. Modeling the effectiveness of decoupling capacitors for multilayer PCBs
JP4966697B2 (ja) 電磁障害ノイズ解析方法及び半導体集積回路
JP2008305074A (ja) 電子機器設計支援装置及びプログラム
JP2004192618A (ja) レイアウトチェックシステム
Umekawa Simple modeling method of EMI simulation for PCB
JP2001092874A (ja) プリント基板設計装置
US20090112558A1 (en) Method for simultaneous circuit board and integrated circuit switching noise analysis and mitigation
Kayano et al. A study on characteristics of em radiation from stripline structure
Yang et al. Field‐circuit simulation of electromagnetic interference and optimisation design in vehicle navigation system
JP3690305B2 (ja) プリント回路基板特性評価方法、及び記憶媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100223