JP4697445B2 - 共振周波数算出装置および共振周波数算出方法 - Google Patents

共振周波数算出装置および共振周波数算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に、部品が搭載されたプリント配線基板における電気的共振周波数を高速・高精度で求めることが出来る技術に関する。
プリント配線基板の物理的な長さ(パターン配線長)から電気的な共振を発生させる電気長を計算する技術が提案(特開平10−293781号公報)されている。すなわち、特開平10−293781号公報には、物理的なパターン配線長にプリント配線基板の絶縁層の比誘電率による波長短縮を考慮して電気的な共振周波数を求める方法が紹介されている。又、ここで算出された周波数において効率よく電磁ノイズが放出されることが指摘されており、この放射を抑制する為の方法として、機器の内部で使用されている周波数と算出された電気的な共振周波数とが一致しないシステムについても言及されている。例えば、配線パターンの配線長と、装置の動作信号周波数及びその高調波周波数の1/2波長長さとを一致させないようにチェックする手段を備えたプリント回路基板設計システムが開示されている。
特開平10−293781号公報
ところで、上記特許文献1の技術は、配線パターン単独で計算を行っており、部品の影響が考慮されてない。この為、LSI等の部品がプリント配線基板に搭載された場合には、精度良く共振周波数が求められてない。
尚、精度良い共振周波数を求める方法として、電磁界シミレュータを利用する手法が有る。但し、この電磁界シミレュータを利用する手法では、精度が良い結果を得る為には、プリント配線基板の構造や構成、搭載されているLSI等の実装部品を含め、これ等をモデル化して計算する必要がある。さて、プリント配線基板の厚さが数十〜数百μmであるのに対して、プリント配線基板の大きさは数cm〜数十cmである。そして、精度を上げる為には、前者の寸法を基準にして解析メッシュを与える必要が有る。ところが、前記アスペクト比が大きすぎる為、プリント配線基板全体を解析しようとすると、膨大なメッシュ数が必要になる。従って、解析(計算)に多くの記憶容量とCPU占有時間を要するだけでなく、多大な解析時間を要することになる。よって、この手法を用いて、設計段階で多数の配線パターンや実装部品の配置パターンを短時間で計算することが出来ない。
精度良い共振周波数を得るもう一つの技術として、回路シミュレータを使い、配線形状の変化までの全てを回路モデルとして表し、解析を行う手法が有る。
しかしながら、この場合にも、上記した電磁界シミュレータを使用する場合と同様に、部品搭載用パッド等の詳細条件、配線が折れ曲がった場合の配線間の影響の全てを回路シミュレータ用のモデルで実現しようとすると、そのモデル作成が容易ではない。又、一律な表現の方法がないことからモデル作成の自動化が出来ず、その都度、人手を介して行わなければならず、やはり、短時間では計算できない。
従って、本発明が解決しようとする課題は、部品が搭載されたプリント配線基板において、当該配線基板上に在る全ての配線パターンの電気的な共振周波数を各々の配線パターンについて精度良く、かつ、高速で求めることが出来る技術を提供することである。
一般的に、部品を搭載しないプリント配線基板における配線パターンにあっては、共振周波数が比較的高い値を取る。この値は配線パターンの形状が非常に大きく影響している為、配線形状や部品を搭載するパッド等の構造を詳細にモデル化することが必要である。
これに対し、部品を搭載したプリント配線基板における配線パターンにあっては、部品を搭載しない場合に比べて共振周波数が低くなる。そして共振周波数を決定する要因には部品内部における集中定数で表されるパラメータが支配的になり、配線形状や部品を搭載するパッド等の影響は小さいことが、実験データから判明して来た。
すなわち、配線形状の共振周波数への影響が小さいことから、配線パターンのモデル作成手法には、配線の概略情報より作成する簡易的な手法を用いても、結果には大差無いと考えることが出来る。従って、解析モデル自身も非常に簡単にすることが出来る。
このようなことから、部品が搭載されたプリント配線基板における共振周波数の算出においては、計算システムとして回路シミュレータを用いる手法が非常に有効であり、実際に発生している電気的な共振周波数を精度良く解析することが可能となる。そして、電磁界シミュレータによる詳細な解析手法を用いる必要が無くなる為、解析リソースは小さくなり、共振周波数を高速に算出することが出来る。
上記知見を基にして本発明がなされたものである。
すなわち、前記の課題は、部品の接続が有る配線の共振周波数を求める場合には、部品の特性が支配的になることから、計算システムとして、SPICEに代表されるような回路シミュレータを用い、解析用のモデルとして、接続される部品の容量値等であるところの集中定数的パラメータや、配線の長さ成分と断面構造及びその構成要素等の配線の集中定数パラメータを決定する概略情報から作成される簡略回路モデルを用いることにより解決される。
特に、前記の課題は、部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める共振周波数算出装置であって、
配線パラメータ及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成手段と、
前記モデル生成手段で作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める演算手段と、
前記演算手段で求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定手段
とを具備することを特徴とする共振周波数算出装置によって解決される。
中でも、部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める共振周波数算出装置であって、
配線パターンの断面構造と各部の材料情報、配線の全長情報、及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成手段と、
前記モデル生成手段で作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める演算手段と、
前記演算手段で求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定手段
とを具備することを特徴とする共振周波数算出装置によって解決される。
更には、前記の課題は、部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める共振周波数算出装置であって、
配線パラメータ及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成手段と、
前記モデル生成手段で作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める回路シミュレータと、
前記回路シミュレータで求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定手段
とを具備することを特徴とする共振周波数算出装置によって解決される。
中でも、部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める共振周波数算出装置であって、
配線パターンの断面構造と各部の材料情報、配線の全長情報、及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成手段と、
前記モデル生成手段で作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める回路シミュレータと、
前記回路シミュレータで求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定手段
とを具備することを特徴とする共振周波数算出装置によって解決される。
又、上記の共振周波数算出装置であって、
共振周波数算定手段は、演算手段で求められた電気特性の中の電圧特性、電流特性、インピーダンス特性の何れかを選択して配線パターンの共振周波数を算定する手段である
ことを特徴とする共振周波数算出装置によって解決される。
又、上記の共振周波数算出装置であって、
CADが接続されており、
前記CADが有するプリント配線基板のデータがモデル作成手段で用いられるよう構成されている
ことを特徴とする共振周波数算出装置によって解決される。
又、前記の課題は、部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める方法であって、
配線パラメータ及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成ステップと、
前記モデル生成ステップで作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める演算ステップと、
前記演算ステップで求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定ステップ
とを具備することを特徴とする共振周波数算出方法によって解決される。
特に、 部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める方法であって、
配線パターンの断面構造と各部の材料情報、配線の全長情報、及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成ステップと、
前記モデル生成ステップで作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める演算ステップと、
前記演算ステップで求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定ステップ
とを具備することを特徴とする共振周波数算出方法によって解決される。
本発明によれば、共振周波数をスピーディに精度良く得ることが出来る。
その理由は、部品を搭載した配線パターンの共振周波数を決定する大きな要因は搭載部品内部における集中定数で表されるパラメータであることが判り、そして回路シミュレータを用いれば、高精度で素早く算出できるからである。
そして、共振周波数が原因となり、共振周波数近傍で敏感になる他の電子/電気機器、通信機器との干渉、或いは機器内部で発生する干渉の改善を検討する設計システムに応用できる。
本発明になる共振周波数算出装置は、部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める共振周波数算出装置である。そして、配線パラメータ及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成手段を有する。特に、配線パターンの断面構造と各部の材料情報、配線の全長情報、及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成手段を有する。又、モデル生成手段で作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める演算手段(例えば、回路シミュレータ)を有する。又、演算手段で求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定手段を有する。共振周波数算定手段は、例えば演算手段で求められた電気特性の中の電圧特性、電流特性、インピーダンス特性の何れかを選択して配線パターンの共振周波数を算定する手段である。そして、本装置にはCADを接続することも可能であり、このCADが有するプリント配線基板のデータがモデル作成手段で用いられるようにも構成されている。
本発明になる共振周波数算出方法は、部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める方法である。そして、 配線パラメータ及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成ステップを有する。特に、配線パターンの断面構造と各部の材料情報、配線の全長情報、及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成ステップを有する。又、モデル生成ステップで作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める演算ステップを有する。又、演算ステップで求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定ステップを有する。
以下、更に詳細に説明する。
図1は本発明になる装置の概略図、図2は本発明になる方法のフロー図である。
本発明の装置は、大略して、入力装置10と、出力装置16と、記憶装置18と、制御装置(データ処理装置:CPU)11とを有する。
本発明の要部であるデータ処理装置11は、入力装置10から入力された情報、又、は記憶装置18から読み出された情報(CADデータ17)を基にして、簡略化回路モデルを作成するモデル生成手段13を有する。又、モデル生成手段13で得られた情報を基にして電気特性(例えば、周波数と出力電圧との関係)を算出する演算手段(回路シミュレータ、例えばSPICE)14をも有する。更に、演算手段14で得られた電気特性から波形のピーク値をとる周波数である共振周波数を算定する共振周波数算定手段15をも備えている。尚、本明細書では、モデル生成手段13と演算手段14とを有する手段を解析エンジン12と称することもある。
すなわち、本発明の共振周波数算出装置は、入力装置10または記憶装置18から解析に必要なパラメータ情報がデータ処理装置11に入力されると、データ処理装置11は解析エンジン12を構成しているモデル生成手段13を動作せしめ、簡略化回路モデルを作成し、次いで演算手段(回路シミュレータ)14を動作せしめ、電気特性の解析を行わせ、そして得られた電気特性の情報を基に共振周波数算定手段15に共振周波数の算定を行わせるように構成されている。そして、算定された共振周波数の値を出力装置16から出力させる。
更に詳細な動作を説明すると次の通りである。
先ず、図2に示される通り、部品が搭載されたプリント配線基板の配線パラメータ及び部品パラメータの入力が行われる(ステップ101)。尚、この入力は、入力装置10から入力される。或いは、本装置がプリント配線基板の設計が行われたCADに接続されている場合、CADからの情報を受信して記憶している記憶装置18から読み出して入力されるようになっていても良い。ここで入力される配線パラメータとは、図9に例示される各部の配線長(折れ曲がりや部品搭載用のパッドの形状などの配線の詳細な構造の情報は含まれない)、及び図3に例示される配線幅55、配線の導電率53、層構成で表される各部の寸法56、グランドの導電率54、レジストや絶縁層の比誘電率(εr)などの構造や材料特性に関する値51,52などからなる、配線の集中定数的な情報を表すのに必要なパラメータである。部品パラメータとは、図6において、負荷404として表現されている配線405に接続されている部品の集中定数的パラメータである。尚、図3で例示されているのはマイクロストリップライン構造をした配線パターンの基板の構成(断面図)である。ここで、導電率の代わりに、例えば銅などの材料名を入力すると、内部のデータベースから導電率に置換される等の処理が行われるようになっている場合もある。こうして、共振周波数を算出するのに必要な各部の配線毎のパラメータが入力される。
上記ステップ101の後、データ処理装置11は、モデル生成手段13を動作せしめ、簡略化回路モデルの作成を行う(ステップ102)。ここで行われる処理は、マイクロストリップラインに代表されるプリント配線基板における配線パターンの物理的な寸法及び特性を基に、演算手段(回路シミュレータ、例えばSPICE)14で利用する為の集中定数で表された回路モデルを作成する処理である。ここで言う配線パターンの物理的な寸法及び特性とは、図3に示される如く、レジスト51の電気定数、絶縁層52の電気定数、メタル配線53の線幅55、グランド54とメタル配線53からなる層構成56等である。そして、これらのパラメータはステップ101で既に入力された情報である。
上記ステップ102の詳細が図4に示される。すなわち、上記した如きのプリント配線基板の情報(パラメータ)の入力が行われる(ステップ1021)と、モデル生成手段13は、先ずフィールドソルバ等の呼称を持つ手段を用いてソルバ処理を行う(ステップ1022)。尚、この場合のソルバ処理とは、具体的には、マイクロストリップラインのような配線パターンの理想形状を与えることにより、抵抗、インダクタンス、キャパシタンス(場合によっては前記3種類に加えてコンダクタンスも含む)で表した単位長さ当りの集中定数回路に変換する処理のことを称している。尚、ソルバ処理して得られた集中定数回路のイメージの一例が図5に示される。次に、このような配線に部品が接続された解析用モデルの作成が行われる(ステップ1023)。ここで作成された解析用モデルである簡略化回路モデルの例が図6(Uは回路イメージ、VはSPICEモデルイメージ)に示される。図6における配線パターン402は図5の単位長さ当りの回路を、ステップ101で入力された配線の線長分だけ接続してマイクロストリップライン回路モデル405として表され、そして同様にステップ101で入力された集中定数的に表現される部品の負荷404が接続され、又、ノイズ源401が置かれる。ここで用いる配線パターン402の線長には特徴があり、配線パターンの折れ曲がりや部品搭載用のパッドなどを無視した配線の全長としている。そして、この全長は、プリント配線基板の設計システムCADが持っている配線情報から容易に抽出することが出来る。また、部品の負荷404は、接続されるLSIの入力部における電気定数であり、通常、容量性リアクタンスで表現される。この容量値は現状のLSIではその構造から通常数十pFのオーダーとなるが、プロセスの異なるLSIを使用する場合では数pF等の異なるオーダーの値をとる場合もある。又、ノイズ源401は、未知の値である共振周波数を含むような幅広い周波数範囲を有する波源とし、この場合では、複数のステップ周波数で一定の出力を有する電圧源としている。このようにして処理102を行うことで簡略化回路モデルが得られる。
尚、図6では、表記上はマイクロストリップライン回路モデル405は集中定数回路で記述されているが、実際のモデルでは、単位長さあたりの集中定数回路が線路全長分だけ接続される多段の回路となっている。但し、多段の集中定数回路のモデルの代わりに、等価の分布定数のモデルを用いても構わない。
次に、上記のようにして得られたモデルを用いて回路シミュレータ14による処理(ステップ103)が行われる。ここで解析される対象としては、周波数を変数とした出力電圧406の特性等が挙げられる。解析結果が図8に示される。
次に、図8で示されるような解析結果から共振周波数の算定処理が行われる(ステップ104)。この共振周波数の算定処理は共振周波数算定手段15によって行われる。この例においては、出力電圧の値がピークとなる周波数を共振周波数と定めるように共振周波数算定手段15が動作する。図8の例においては、約400MHzが共振周波数であると求められる。
共振周波数算定手段15によって共振周波数の算定が行われる(ステップ104)と、データ処理装置11は、出力装置16に、共振周波数の計算結果の出力/表示処理を行わせる(ステップ105)。尚、図6に示されるような回路シミュレータに入力される簡略化回路モデル、図8に示されるような回路シミュレータによる解析結果も出力させるようになっていても良い。そして、一連の処理が終了する。
上記一連の処理は、フィールドソルバで用いるマイクロストリップラインの物理寸法や定数を基にソルバ処理を行い、その結果と入力値から抽出される配線長とを組み合わせて得られる配線のモデルと、本発明のシステム内に持っているノイズ源と、固定値として与えられる部品の負荷を表す電気定数のモデルとを組み合わせて解析用のモデルを作成し、これに一定の処理を行わせるものであるから、自動化が可能である。そして、ここで用いられるソルバや回路シミュレータは市販のものが用いられ、その入力画面を本発明のシステムに結合させたもので完成できる。
このようにして、一本の配線において、その配線固有の共振周波数を求めることが出来、順次、他の配線にも同じ処理を繰り返すことで、プリント配線基板上の配線の全てにその配線固有の共振周波数を求めることが出来る。
更に、部品を搭載した配線パターンの共振周波数を決定する場合において、その共振周波数を決定する大きな要因は部品内部における集中定数で表されるパラメータであることを説明した。そして、このことを利用、即ち、配線パターンの折れ曲がりや部品搭載の為のパッドの有無等、配線の電気的定数に微少な影響しか与えない要素を排除し、配線の集中定数的なモデルを作成する際に必要となる断面構造と各構成要素の材料定数、及び配線の全長の情報だけを取り扱う簡略化モデルを適用することで、一層の高速化が可能となった。
共振周波数の算出に必要なパラメータを入力装置10で入力する代わりに、CADからの情報を用いるようにしても良いことは既に述べた。尚、CADデータを用いることは実際的である。そして、この処理は、図2における処理(ステップ301)であり、図4における処理(ステップ1024)である。尚、CADデータにおける配線情報には、一般的に、配線幅、配線ルートのX−Y座標におけるルート指定、これから求められる配線全長などの情報が含まれる。更には、接続先の部品名称や型番などの情報も含まれている。
又、共振周波数算定手段15で得られた結果を記憶装置18にあるCADデータ17に吐き出す(ステップ302)ようにしていても良い。
又、共振周波数算定手段15において、図6の出力電圧406を計算した結果から求める方法の他に、マイクロストリップライン回路モデル405の回路電流の最大値から求める方法も可能である。同様に、負荷404の両端のインピーダンスから、その最小値が該当する周波数として求める方法を適用しても良い。その場合、図2の回路シミュレータでの計算処理(ステップ103)において、解析対象として電流やインピーダンスを求める処理に置き換えることでこの手法が実現される。すなわち、共振周波数を算定する手段においては、電圧−周波数特性から共振周波数を求めるのではなく、電流−周波数特性、或いはインピーダンス−周波数特性から共振周波数を求めるものであっても良い。
次に、具体的な実施例を用いて本発明を説明する。
図9は、具体的なプリント配線基板の一例である。2本の配線パターン(点a→点bと接続される配線1、点c→点dと接続される配線2)が引かれていて、それぞれその配線長に応じて電気的な共振周波数を有している。その中の上段の配線1の共振周波数を算出する具体的な方法を、先ず、説明する。
図9では、配線1の端(点a及び点b)に各々LSI1,2が接続されており、点aはノイズ源(図6,401)であるLSI1に接続され、点bが負荷(図6,404)であるLSI2に接続されている構造である。この時、LSI2の入力の容量である負荷404の容量値を10pFとする。この場合、部品の回路定数が支配的となり、配線形状の影響は小さい。そこで、図9に示される配線の詳細なレイアウトは深慮せず、配線の長さ(全長:64mm)だけを考慮して、図3の構造図及び負荷404の情報と併せて、図6に示したような簡略回路モデルを作成して解析することができる。その解析結果から、図8に示される出力電圧406の周波数特性のグラフを作成し、出力電圧406の値がピークとなる周波数を共振周波数と定めるという共振周波数の算定手段から、約400MHzの共振周波数が得られる。一方、このプリント配線基板に部品を搭載して実際に測定した結果が図7である。このグラフは実測結果である為、電圧値でピークを示す周波数が複数生じているが、波線で囲った部分が配線の共振周波数の特性によるもので、その他のピークはそれ以外の要因によるものだということが確認されている。従って、図7の上段にある配線の共振周波数特性を示す実測結果が約400MHzを示しており、解析結果の妥当性が確認できる。
そして、同様の手法を行うことによって、下段の配線2についての共振周波数を求めることが出来る。
一般に、プリント配線基板にはこの他にも多数の配線があるが、各々の配線についてこのような計算を繰り返し、各々の配線が有する電気的な共振周波数を、順次、求めて行けば良い。
さて、回路シミュレータを使う場合、配線一本の共振周波数を求めるのに要する時間は数秒に満たず、プリント配線基板全体の数百本を超える規模の配線数の繰り返し計算にも高速に対応できる。従って、部品が搭載されたプリント配線基板においては、この方法を適用し、各々の配線が有する共振周波数を短時間に精度良く求めることが出来る。
そして、こうして求められたプリント配線基板上の配線における共振周波数から、外部への効率の良い放射の原因となる配線をその周波数と共に判断することが出来、例えば無線通信に使う周波数への同調を回避する配線長に変更を示唆するツールとして利用可能となる。逆に、外部の電磁界に対し、特定の周波数に同調し、内部回路に外来ノイズとして引き込む可能性の高い配線を抽出することにも利用できる。
本発明のブロック図 本発明のフローチャート 解析用モデル作成に必要な情報である基板の構造の断面図 回路シミュレータでのフローチャート ソルバー処理で得られる集中定数回路の一例 回路イメージと対応するSPICEモデルイメージ 部品搭載した場合の配線パターンの共振周波数の測定例 回路シミュレータを用いた共振周波数の計算結果例 部品が搭載されたプリント配線基板の配線レイアウト
符号の説明
11 制御装置(データ処理装置:CPU)
12 解析エンジン
13 簡略化回路モデル作成手段
14 演算手段(回路シミュレータ:例えばSPICE)
15 共振周波数算定手段

特許出願人 日本電気株式会社
代 理 人 宇 高 克 己

Claims (5)

  1. 部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める共振周波数算出装置であって、
    配線パターンの断面構造と各部の材料情報、配線の全長情報、及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成手段と、
    前記モデル生成手段で作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める演算手段と、
    前記演算手段で求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定手段
    とを具備することを特徴とする共振周波数算出装置。
  2. 演算手段が回路シミュレータである
    ことを特徴とする請求項1の共振周波数算出装置。
  3. 共振周波数算定手段は、演算手段で求められた電気特性の中の電圧特性、電流特性、インピーダンス特性の何れかを選択して配線パターンの共振周波数を算定する手段である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の共振周波数算出装置。
  4. CAD装置が接続されており、
    前記CAD装置が有するプリント配線基板のデータがモデル作成手段で用いられるよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの共振周波数算出装置。
  5. 部品が搭載されたプリント配線基板における配線パターンの電気的な共振周波数を求める方法であって、
    モデル生成手段が、配線パターンの断面構造と各部の材料情報、配線の全長情報、及び部品の集中定数的パラメータを用いて簡略化回路モデルを作成するモデル生成ステップと、
    演算手段が、前記モデル生成ステップで作成された簡略化回路モデルを用いて配線パターンにおける電気特性を求める演算ステップと、
    共振周波数算定手段が、前記演算ステップで求められた電気特性の情報から共振周波数を算定する共振周波数算定ステップ
    とを具備することを特徴とする共振周波数算出方法
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