JP3690305B2 - プリント回路基板特性評価方法、及び記憶媒体 - Google Patents

プリント回路基板特性評価方法、及び記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント回路基板の電気特性等を評価するプリント回路基板特性評価方法、及びこの評価方法を実現するための記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント回路基板が正常に動作しうるかを数値解析手法によって評価する技術としては、例えば、「1993年1月、アールエフ・デザイン、25〜27頁(RF Design January 1993,pp.25−27)」に記載されているようなPSPICEと呼ばれる回路シミュレータが一般的に知られているほか、特開平9−274623号公報に開示されるものがあった。
【0003】
図23は、上記公報に開示された伝送線路シミュレータの構成を示すブロック図である。
この伝送線路シミュレータによれば、設計段階でシンボル化された素子と結線が入力されると、表示制御部101は、表示部102に結線の適用基板の物理形状と配線トポロジを表示し、結線のプロパティを入力部103を介して選択させる。プロパティは電磁界シミュレータ106に与えられ、該電磁界シミュレータ106は結線の線路定数を計算し、線路モデルを作成する。素子シンボルは置換部105に与えられ、置換部105はデバイスモデルを素子ライブラリ105aから抽出する。線路モデルとデバイスモデルは、組合せ部107で組合わされて評価対象回路の等価回路が形成される。回路シミュレータ108が、その等価回路に対して、遅延や反射特性等の伝送線等の伝送線路解析を行う。
【0004】
これらの技術を用いることにより、例えば、図24に示すように、ドライバIC201とレシーバIC202を実装したプリント回路基板200において、IC201からIC202へ配線203を介して伝送する信号の電気特性を以下のように評価することができる。
図25(a),(b)は、図24の基板200に構成した回路の解析モデルと解析結果の一例を示す図であり、同図(a)が解析モデル、同図(b)が解析結果を示している。
【0005】
図25(a)に示す解析モデルは、ドライバIC201とレシーバIC202を配線203で接続した回路である。ドライバIC201を電圧源または電流源とある値のインピーダンスとで構成した等価回路で表現し、レシーバIC202をある値のインピーダンスの等価回路で表現し、配線203を単なる同電位の配線または抵抗、インダクタ、キャパシタの組み合わせで構成した伝送線路で表現している。
【0006】
図25(b)に示す解析結果は、レシーバIC202の入力端子での電圧波形を表している。この電圧波形には、立ち上がり時に大きなオーバーシュートや立ち下がり時にアンダーシュートがあるため、このままでは回路の正常動作が保証できず、この基板を実装したものを製品化することはできない。
【0007】
そこで、図26(a)に示す解析モデルのように、ドライバIC201と配線203との間にフィルタ回路204を挿入することによって、前記オーバーシュートとアンダーシュートを抑えるようにする(図26(b))。
【0008】
このように、上記技術を用いれば、回路パラメータを容易に変更できるため、回路の最適設計を簡単に行うことが可能である。また、プリント回路基板を製造する前に回路の信号波形を把握することができるため、回路設計ミスによる基板の再版が少なくなり、製造コスト削減につながる。
【0009】
一方、プリント回路基板の中には、前述した信号をやり取りする回路以外に、ICやLSIなどのアクティブ素子に安定な直流電圧を供給するための電源供給系回路がある。図27は、電源供給系のみに着目した等価回路であり、その中で一点鎖線で示した範囲内の回路が電源供給系回路210である。
この例では、IC205の電源端子206とグランド端子207に、電源供給系回路210として働くコンデンサ208と、基板外にある直流電源209とが接続されている。このコンデンサ208は、IC205の近くに接続されることで直流電源209の代わりに、IC205がスイッチング動作するときに必要な電荷を補給する役割を果たす。低インピーダンスのものをこのコンデンサ208として用いれば、IC205がスイッチング動作してもその電源端子206とグランド端子207間の電圧は変動しない。
このようなコンデンサ208のことをデカップリングコンデンサと呼び、今まではこれが接続されていれば、電源供給系回路を直流回路として扱え、回路シミュレータでその高周波特性を解析する必要がないとされてきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、ICやLSIなどのアクティブ素子の動作周波数が急激に高くなってきているため、上述のような電源供給系回路の高周波特性を評価すべきであるにも拘わらず、この種の高周波特性を数値解析手法にて評価する技術は、今まで存在しなかった。その結果、(1)プリント回路基板の回路動作を十分保証することができない、(2)プリント回路基板から不要な電磁波が放射される、といった問題が生じている。
【0011】
まず、上記(1)の問題点について詳しく説明する。
アクティブ素子の動作周波数が高くなると、デカップリングコンデンサ自身のもつ寄生インダクタンスによるインピーダンスと、そのコンデンサを基板に実装するためのパッドやビアホールの寄生インダクタンスによるインピーダンスとの和が、そのコンデンサのもつキャパシタンスによるインピーダンスに比べ大きくなり、アクティブ素子に安定な直流電圧を供給することが難しくなり、それらの安定動作を保証しづらくなる。この点を図28を用いて具体的に説明する。
【0012】
図28は、デカップリングコンデンサの代表的な実装例を示す断面図である。コンデンサ220をパッド223,224とビアホール225を介して、内層の電源層221とグランド層222に接続する例を示している。コンデンサ220自身の寄生インダクタンスはチップ部品の場合に約1nH、パッド223,224とビアホール225の寄生インダクタンスも少なくとも合計約1nHあり、例えば、0.1μFのチップタイプのコンデンサを用いる場合には、36MHz以上で、もはやキャパシティブな素子ではなくインダクティブな素子として働く。そのため、これらインダクタンスをできるだけ小さく設計しなければ電源電圧変動が大きくなり、回路動作を保証することはできないのである。
【0013】
次に、上記(2)の問題点について詳しく説明する。
アクティブ素子の動作周波数が高くなると、電源供給系回路内の配線が単なる同電位の配線ではなく、伝送線路として作用し、この回路全体が伝送線路の共振回路として振る舞い、この共振よってこの基板から強い電磁波が放射される。この点を図29を用いて具体的に説明する。
【0014】
図29は、より現実の基板に近いモデルとして、複数のデカップリングコンデンサがつながる電源供給系回路を表した例を示している。同図に示すように、IC205には、デカップリングコンデンサ230aが接続され、それ以降には伝送線路として働く配線231と、他のICに接続されたデカップリングコンデンサ230bと、基板外にある直流電源209とが接続されている。デカップリングコンデンサ230aと230bは、共にキャパシタンス233と直列に寄生インダクタンス232がつながっている。電源供給系回路234は、一点鎖線内の回路であり、この回路が共振を起こすことがある。
【0015】
図30の実線は、IC205接続位置から電源供給系回路234を見たインピーダンス(Zin)特性の一例であり、同図30の破線はコンデンサ230aのインピーダンス(Zc)特性である。Zinの特性はほぼZcの特性と一致するが、周波数f01,f02では大きくなっている。これは、コンデンサ230aのインピーダンスが破線で示した通り誘導性リアクタンス、それ以降につなる電源供給系回路234のインピーダンスが容量性リアクタンスとして作用し、その大きさが一致することで並列共振を起こすためである。このような共振が起こると、IC205から電源供給系回路234を見たインピーダンスZinが大きくなり、電源電圧変動が大きくなる原因となる。また、共振によるエネルギーがこの電源供給系回路内に蓄えられ、そこから強い電磁波が放射され、不要電磁放射(EMI)に関する規格をクリヤしづらくなる。
【0016】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、電源電圧変動を抑えかつ電源供給系回路の共振による不要電磁放射を防止したプリント回路基板が設計できているかを、電源供給系回路の高周波特性に着目し、数値解析手法にて評価するプリント回路基板特性評価装置、プリント回路基板特性評価方法、及びこの評価方法を実現するための記憶媒体を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、
請求項1記載の発明に係るプリント回路基板特性評価方法では、入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、データ処理装置の演算手段により、プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から見た基板内の電源供給系回路のインピーダンス特性と、この電源端子接続位置からそれに最も近い位置に接続したコンデンサ素子までのインピーダンス特性とを算出し、データ処理装置の比較手段により、前記演算手段により算出された前記電源供給系回路のインピーダンス特性と前記コンデンサ素子までのインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断することを特徴とする。
【0019】
請求項2記載の発明に係るプリント回路基板特性評価方法では、入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、データ処理装置の演算手段により、プリント回路板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から最も近い位置に接続したコンデンサ素子のインピーダンス特性と、このコンデンサ素子以降の電源供給系回路のインピーダンス特性とを算出し、データ処理装置の比較手段により、前記演算手段により算出された前記コンデンサ素子のインピーダンス特性と前記電源供給系回路のインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断することを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の発明に係るプリント回路基板特性評価方法では、入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、データ処理装置の演算手段により、プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から見た基板内の電源供給系回路のインピーダンス特性と、この電源端子接続位置からそれに最も近い位置に接続したコンデンサ素子までのインピーダンス特性とを算出し、データ処理装置の比較手段により、前記演算手段により算出された前記電源供給系回路のインピーダンス特性と前記コンデンサ素子までのインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断し、共振が起こる場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号を前記電源端子接続位置から前記電圧供給系回路に入力し、この電源供給系回路内各点での電流値および電圧値をデータ処理装置の演算手段により算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出すことを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明に係るプリント回路基板特性評価方法では、入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、データ処理装置の演算手段により、プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から最も近い位置に接続したコンデンサ素子のインピーダンス特性と、このコンデンサ素子以降の電源供給系回路のインピーダンス特性とを算出し、データ処理装置の比較手段により、前記演算手段により算出された前記コンデンサ素子のインピーダンス特性と前記電源供給系回路のインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断し、共振が起こる場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号を前記電源端子接続位置から前記電圧供給系回路に入力し、データ処理装置の演算手段によりこの電源供給系回路内各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出すことを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明に係るプリント回路基板特性評価方法では、入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、データ処理装置の演算手段により、プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から見た基板内の電源供給系回路のインピーダンス特性と、この電源端子接続位置からそれに最も近い位置に接続したコンデンサ素子までのインピーダンス特性とを算出し、データ処理装置の比較手段により、前記演算手段により算出された前記電源供給系回路のインピーダンス特性と前記コンデンサ素子までのインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断し、共振が起こる場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号をこの電源端子接続位置からこの電圧供給系回路に入力し、データ処理装置の演算手段によりこの電源供給系回路内各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出し、さらにその場所または電源端子接続位置にあらかじめ用意した共振抑制手法を適用し、再度共振の有無を評価することを特徴とする。
【0023】
請求項6記載の発明に係るプリント回路基板特性評価方法では、入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、データ処理装置の演算手段により、プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から最も近い位置に接続したコンデンサ素子のインピーダンス特性と、このコンデンサ素子以降の電源供給系回路のインピーダンス特性とを算出し、データ処理装置の比較手段により、前記演算手段により算出された前記コンデンサ素子のインピーダンス特性と前記電源供給系回路のインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断し、共振が起こる場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号をこの電源端子接続位置からこの電圧供給系回路に入力し、データ処理装置の演算手段によりこの電源供給系回路内各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出し、さらにその場所または電源端子接続位置にあらかじめ用意した共振抑制手法を適用し、再度共振の有無を評価することを特徴とする。
【0024】
請求項7記載の発明に係るプリント回路基板特性評価方法では、請求項1または請求項2記載のプリント回路基板特性評価方法において、共振が起こると判断した場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号を、前記電源端子接続位置から前記電源供給系回路に入力し、データ処理装置の演算手段によりこの電源供給系回路各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値が小さい場所もしくは電圧値が大きい場所にコンデンサ素子を実装し、再度共振の有無を評価することを特徴とする。
【0025】
請求項8記載の発明にかかるプリント回路基板特性評価方法では、請求項1乃至請求項7記載のプリント回路基板特性評価方法において、実装するアクティブ素子の電源端子とグランド端子の間の電気的な等価回路モデルを用いて、ある指定したアクティブ素子の電源端子接続位置から電源供給系回路に信号をデータ処理装置の入力手段により入力し、データ処理装置の演算手段によりこの電源供給系回路内各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出すことを特徴とする。
【0026】
請求項9記載の発明に係る記憶媒体では、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のプリント回路基板特性評価方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント回路基板特性評価装置の構成を示すブロック図である。
このプリント回路基板特性評価装置は、入力装置1と、データ処理装置2と、記憶装置3と、出力装置4とで構成される。その中でデータ処理装置2には、抽出手段10と、変換手段11と、演算手段12とがあり、記憶装置3には記憶部13がある。
【0028】
次に、本実施形態の動作を、図2及び図3を参照して説明する。ここで、図2は、本実施形態の動作を示すフローチャートであり、図3(a),(b)は、評価対象である4層プリント回路基板の構成例を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
【0029】
図3に示す評価対象であるプリント回路基板20は、図の上から信号層26a、グランド層27、電源層28、信号層26bの4層で構成されている。第1層の信号層26aには、発振器21、ドライバIC22、レシーバIC23、及び4本の信号配線24のほかに、各アクティブ素子の電源端子と外部から電源を供給する端子とにそれぞれデカップリングコンデンサ25a,25b,25c,25dが実装されている。第2層のグランド層27と第3層の電源層28はともに、基板全体を覆う導体プレーンとなっている。第4層の信号層26bには、配線も部品もない。これらの導体はすべて銅で形成した。基板材29は例えばガラスエポキシ樹脂で、その比誘電率は4.7、誘電正接は0.015である。
【0030】
まず、本実施形態では、上記のプリント回路基板全体の、実装部品を含めた各層のレイアウト情報を入力装置1にて取り込む(ステップS10)。次に、この情報の中で、電源供給系回路のレイアウト情報だけを抽出手段10にて抽出する(ステップS11)。この電源供給系回路のレイアウト情報として、図3の基板では、第1層26aに実装されたアクティブ素子の電源端子接続パッドとグランド端子接続パッド、そこから電源層28またはグランド層27に接続されるまでの配線やビアホール、デカップリングコンデンサ25a,25b,25c,25d、第2層のグランド層27、及び第3層の電源層28のレイアウト情報が相当する。抽出法としては、 たとえば、あらかじめ電源供給系回路のレイアウト情報に、「V」や「G」などの判別し易い記号を付けておけばよい。
【0031】
次に、この情報を記憶部13に保存した後(ステップS12)、変換手段11にこの情報を取り込み、電気回路情報に変換する(ステップS13)。
このステップS13の処理を、電源供給系回路の等価回路モデルを表す図4を用いて説明すると、まず、電源層28とグランド層27とを2枚の導体プレーンによって形成される平行板線路として扱う。基板の長辺(X)方向に対して垂直に、デカップリングコンデンサ25a,25b,25c,25dが接続されている位置(図4の破線で示した位置)でこの平行板線路を分割する。分割した部分の特性は、次式(1)に示したFマトリクスで表現し、それ以外のデカップリングコンデンサなどの部品やパッドなどの特性は、次式(2)または次式(3)に示したFマトリクスで表現した。
【数1】
Figure 0003690305
【0032】
式(1)は伝送線路の特性を表現するFマトリクスである。Z0は線路の特性インピーダンスであり、線路の物理形状と線路を形成する支持体の比誘電率や比透磁率などの電気定数によって決まる。例えば、「1977年11月、プロシーディングス・オブ・ジィ・アイ・イー・イー・イー、第65巻、第11号、1611〜1612頁(Proceedings of theIEEE, Vol.65,No.11,November 1977,pp.1611−1612)」に記載された式を用いれば求められる。γ(f)は、線路の伝搬定数である。この定数は、その実数部の減衰定数αと、その虚数部の位相定数βとによって構成される。減衰定数αと位相定数βはともに、特性インピーダンスと同様、線路の物理形状と支持体の電気定数によって値が決まるものであり、減衰定数αは例えば、「1968年6月、アイ・イー・イー・イー・トランザクション・オン・エム・ティ・ティ、第MMT−46巻、第6番、342〜350頁(IEEETransaction on MTT,Vol.MTT−16,No.6,June 1968,pp.342−350)」に記載された式を用いればよい。位相定数βは2π√εr/λ√μrより求まり、εrとμrは支持体の比誘電率と比透磁率、λは波長である。最後に、lは線路長である。
【0033】
式(2)は線路に並列に接続されたインピーダンスZの特性を表すFマトリクスであり、式(3)は直列にインピーダンスZがつながった場合のFマトリクスである。デカップリングコンデンサを表現する場合には、式(2)と、Zとして次式(4)を用いれば良い。
【数2】
Figure 0003690305
Rはその寄生抵抗、Lは寄生インダクタンス、Cはキャパシタンスである。ここで、コンデンサ25a,25b,25c,25dと直列につながるパッドやビアホールの寄生インダクタンスや寄生抵抗は、コンデンサの等価回路内に含めた。説明は省略するが、同様に、基板の長辺(X)方向と直交する基板の短辺(Y)方向についても同じようなモデルを作る。これによってステップS13の処理が完了する。
【0034】
次に、演算手段12にて、この電気回路情報を用いて、ある指定した電源端子接続位置から電源供給系回路を見たインピーダンス特性を算出する(ステップS14)。ここでは、レシーバIC23の電源端子接続位置からみたインピーダンス特性Zinの算出例を示す。図4において、インピーダンスZinはコンデンサ25cのインピーダンスZCcと、このコンデンサ25cから右側を見たインピーダンスZ1と、左側を見たインピーダンスZ2とを並列にしたものである。また、各インピーダンスZCc、Z1、Z2はそれぞれ次式(5)〜次式(9)を用いて算出することができる。
【数3】
Figure 0003690305
ZCcは次式(5)、Z1は次式(6)のFマトリクス要素から次式(7)を用いて算出できる。Z2も同様に、次式(8)のFマトリクス要素から次式(9)を用いて算出できる。Fマトリクスで処理するメリットは、次式(8)のように、接続順に伝送線路や部品のFマトリクスの積を取れば、その要素によってインピーダンスを算出できることにある。最終的にインピーダンスZinは、次式(10)によって求められる。
【数4】
Figure 0003690305
【0035】
次に、計算結果を表示する(ステップS15)。図5に計算結果の一例を示す。図5中の実線は基板の長辺方向について計算した結果、破線は測定結果であり、インピーダンスの大きさで示している。測定結果は、図3に示した基板を作製し、部品を実装し、ネットワークアナライザを用いて電源端子接続位置での反射(S11)特性の測定結果から次式(11)を用いて算出したものである。
【数5】
Figure 0003690305
この結果から、電源供給系回路のインピーダンスが約4MHz以上でインダクティブな素子として働いていること、100MHzで約1オームであること、電源供給系回路が8MHz、230MHz、510MHzで共振を起こしていることがわかる。また、測定結果と計算結果がよく一致していることから、本計算手法の妥当性が確認できること、基板の短辺(Y)方向には共振がなかったことから、これらは長辺(X)方向の共振であることがわかる。
【0036】
以上、本第1実施形態を用いることで、基板に実装するアクティブ素子の電源端子接続位置から見た電源供給系回路のインピーダンス特性を把握することができ、さらに電源供給系回路の共振の有無やその共振周波数を把握することができる。すなわち、基板レイアウト情報を用いて電源供給系回路のインピーダンス特性を算出することができるため、基板を作製しなくても、基板製造前のレイアウト作成中もしくはレイアウト作成後に、電源供給系回路のインピーダンスが十分低く設計されているか、または、電源供給系回路が共振を起こさないかを評価することができる。
【0037】
また、最適設計後の基板レイアウト情報を出力できることから、アクティブ素子の安定動作を保証し、かつ電磁放射を抑制したプリント回路基板を短時間に設計、製造することが可能となる。
【0038】
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係るプリント回路基板特性評価装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、図1に示した第1実施形態の構成において、データ処理装置2の中に、さらに比較手段14を加え、この比較手段14をもつことで、電源供給系回路内での共振の有無を判断することができるようにしたものである。
【0039】
図7のフローチャートを用いて本実施形態の動作を説明する。
本実施形態は、第1実施形態で示したステップS10からステップS13までの処理を行った後に、ステップS20からステップS23までの処理を行うことを特徴とする。
まず、ステップS13で電源供給系回路の電気回路情報を求めた後、指定した電源端子接続位置から見たインピーダンスの大きさ|Zin|を求める(ステップS20)。次に、その指定した電源端子接続位置からそれに最も近い位置に接続したデカップリングコンデンサまでのインピーダンスの大きさ|Zc|を算出する(ステップS21)。次にその両者を比較する(ステップS22)。最後に、その比較結果を出力、表示する(ステップS23)。
【0040】
図8は、|Zin|と|Zc|の計算結果を重ねて表示したものである。共振が起こっている8MHz、230MHz、510MHzでは、|Zc|に比べ|Zin|の方が大きい。この大小関係を比較することによって、共振の有無を判断することができる。10MHz以上の共振周波数以外で|Zin|と|Zc|とがほぼ一致する理由は、電源端子の最も近くに接続されたコンデンサのインピーダンスが電源供給系回路を構成する他の要素に比べ低く、|Zin|がこのインピーダンス|Zc|によって決まってしまうためである。
【0041】
次に、本実施形態の構成を維持したまま、共振の有無を調べる別の方法について説明する。
図9のフローチャートに示すように、ステップS13の後に、プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から最も近い位置に接続したデカップリングコンデンサのインピーダンスの大きさ|Zc’|を算出する(ステップS25)。次に、このコンデンサを除いた、それ以降につながる電源供給系回路のインピーダンスの大きさ|Zin2|を算出する(ステップS26)。次に、これらを比較することで、共振の有無を判断する(ステップS27)。最後に、インピーダンス計算結果と共振の有無と共振周波数を出力し、表示する(ステップS28)。
【0042】
図10に計算結果を示す。同図に示すように、8MHzでは、容量性リアクタンス(キャパシティブな素子)として振る舞う|Zc’|と、誘導性リアクタンス(インダクティブな素子)として振る舞う|Zin2|とが交差している。230MHzと510MHzでは、誘導性リアクタンスとして振る舞う|Zc’|と、容量性リアクタンスとして振る舞う|Zin2|とが交差している。
【0043】
このように、容量性リアクタンスと誘導性リアクタンスとが大きさが一致したとき、電源供給系回路が並列共振を起こすことから、この交差する点の有無を調べることで、共振の有無を調べることができる。また、交差する周波数から共振周波数を調べることができる。
【0044】
また、共振の有無を判断する他の方法としては、図11のフローチャートに示すように、ステップS13の後に、プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から最も近い位置に接続したコンデンサ素子のインピーダンスのリアクタンスIm(Zc’)を算出する(ステップS30)。次に、このコンデンサ以降のインピーダンスのリアクタンスIm(Zin2)を算出する(ステップS31)。次に、これらを比較し(ステップS32)、最後に、インピーダンスの計算結果や共振の有無や共振周波数を出力し、表示する(ステップS33)。
【0045】
図12に計算結果の一例を示す。同図において、縦軸はリアクタンス、横軸は周波数を示す。W1〜W4で示した位置では、符号が逆で、その大きさがほぼ一致しており、この230MHzと510MHzで共振が起こることがわかる。したがって、リアクタンスの符号が逆で、リアクタンスの大きさが一致する周波数があるかを調べれば、共振の有無が判断できることがわかる。
【0046】
次に、構成は図6のままで、演算手段12に別の演算機能を追加した変形例について図13のフローチャートを参照しつつ説明する。
図7、図9、及び図11の比較結果の表示(ステップS23、ステップS28、ステップS33)の後に続く処理として、まず、電源供給系回路が共振を起こす場合、その共振周波数の正弦波を、着目している電源端子接続位置から入力する(ステップS35)。次に、電源供給系回路内各点での電流値と電圧値を算出する(ステップS36)。最後に、その計算結果を表示する(ステップS37)。または、図14に示すように、ステップS37の前に、電流値または電圧値が大きい場所を明示する(ステップS38)。ここで、共振周波数の信号を入力する信号モデルとしては、例えば、正弦波信号を出力できる電圧源とあるインピーダンスの直列回路、または正弦波信号を出力できる電流源とあるインピーダンスの並列回路を用いればよい。
【0047】
図15及び図16のグラフの実線に、レシーバIC23の電源端子接続位置から230MHzの正弦波信号を入力した場合の、電源供給系回路内の電圧分布および電流分布の計算結果を示す(図中の破線については後の第3実施形態で述べる)。信号は1Vの電圧源と10オームの抵抗の直列回路より入力した。
この例では基板の右端で電圧が大きく、左端から50mmくらいの位置で電流が最大になることがわかる。すなわち、本変形例を用いれば、共振によって電圧や電流が大きい場所を特定することができ、共振抑制に適した場所を把握することができる。
【0048】
さらに、図17のフローチャートに示すように、同じ構成で、演算手段12にさらに別の演算機能を持たせた変形例について説明する。
図2のステップS15の後に、アクティブ素子の電源端子とグランド端子との間の等価回路モデルを用いて、電源供給系回路に時間軸波形を入力する(ステップS39)。次に、電源供給系回路内各点での電流波形や電圧波形を算出する(ステップS40)。それらを出力し、波形振幅の大きい場所を明示する(ステップS41)。または、図示していないが、それらの波形をすべてフーリエ変換して、特定の、例えば振幅の大きい周波数成分の電流分布もしくは電圧分布を表示する。
【0049】
これらにより、回路の動作時における電源供給系回路内各点での電流、電圧の振る舞いを把握することができる。また、回路動作時における電源供給系回路内の電流、電圧が大きくなる周波数とその大きさを把握することができる。さらにその大きさによって、抑制対策すべきかどうかを定量的に判断することができる。
【0050】
[第3実施形態]
図18は、本発明の第3実施形態に係るプリント回路基板特性評価装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態では、図6に示した第2実施形態のデータ処理装置2内にレイアウト変更手段15を追加し、さらに記憶装置3内に第二の記憶部16を追加することを特徴とする。このレイアウト変更手段15では、基板全体のレイアウト情報を変更することができ、主にここでは電源供給系回路のレイアウトを変更するのに用いる。第二の記憶部16では、電源供給系回路の共振を抑制する手法をあらかじめ記憶させておく。
【0051】
図19のフローチャートを用いて、本実施形態の動作を説明する。
先に示した図13や図14に示した変形例において、共振周波数の正弦波信号を入力したときの電源供給系回路内の電流値と電圧値を計算し(ステップS36またはステップS38)、電流値または電圧値が大きい場合、レイアウト変更手段15にて、あらかじめ第二の記憶部16に記憶した共振抑制手法を電流値または電圧値が大きい場所または電源端子接続位置に適用する(ステップS42)。次に、変更後の回路について、再度、図2にあるステップS11まで戻り、電源供給系回路部分のみのレイアウト情報を抽出する処理から始め、最後に共振の有無を判断する処理(ステップS23、またはステップS28、またはステップS33)までを行う(ステップS43)。
【0052】
この結果でも共振があると判断された場合には、何度でもレイアウト変更手段15にて電源供給系回路を変更する(ステップS44)。共振がないと判断した場合には、レイアウト変更手段15から出力装置4を介して変更後の基板全体のレイアウト情報を出力する(ステップS45)。これにより、電源供給系回路を最適設計した基板のレイアウト情報が得られる。
【0053】
第二の記憶部16に保存する共振抑制手法としては、例えば、電源供給系回路の中で電圧値が大きくて電流値が小さい場所にコンデンサなどの低インピーダンス素子を実装する方法がある。また、図20に示した電源供給系の等価回路のように、アクティブ素子の電源端子接続位置に、2個のデカップリングコンデンサ50aと50cとを長さl1の配線41で接続する方法を用いてもよい。この配線の長さl1を不要電磁放射で問題となっている上限周波数の1/4波長に設定することで、不要電磁放射が問題となる周波数帯域内で共振が抑制できることが知られており、詳細は特願平10−184469に記載されている。
【0054】
図21は、図20に示した共振抑制手法をすべてのアクティブ素子に適用したときの、電源供給系回路内のインピーダンス特性で、レシーバIC30の位置から見た特性を示すグラフである。長さl1の配線41とコンデンサ50cとは図3の基板において第1層に配置した。この図20のグラフの実線は計算値、破線は測定値である。6MHzに共振が残っているが、現在不要電磁放射で問題となっている30MHz〜1GHzでは、共振がない。これによって、共振が抑制できていることが確認できる。さらに、計算値と測定値とが一致することから、本発明の妥当性が確認できる。
【0055】
また、先の図15と図16のグラフの破線は、この共振抑制手法を適用した場合の電源供給系回路内各点の電流値と電圧値の分布特性である。これらグラフの実線の共振抑制手法適用前の結果に比べ、電流、電圧とも振幅が抑えられている。この結果から、本実施形態では、共振抑制手法が適用でき、その効果を確認できることがわかる。
【0056】
また、この共振抑制手法適用前後の放射電界特性の測定結果を図22(a),(b)に示す。同図(a)が適用前、同図(b)が適用後の結果である。この測定は、床面が金属板でそれ以外に電波吸収体を装着した電波暗室内にて行った。基板を高さ75cmの木製の机上に、床面と平行に配置し、そこから3m離れた位置にアンテナを配置して行った。回路は20MHzの水晶発振器で駆動し、共振抑制手法としては図20に示した手法を用いた。
全体的に放射レベルは低下し、特に共振を起こしていた230MHz付近と510MHz付近の放射レベルが約15dB低くなっている。この結果から、電磁放射の原因となる電源供給系回路の共振の有無を判別できること、その共振抑制手法を適用できることが裏づけられる。
【0057】
このように本実施形態では、あらかじめ共振抑制手法を用意することができ、且つそれを適用したレイアウト変更ができるため、共振抑制手法による効果を確認することが可能になる。
【0058】
なお、本発明を提供する形態としては、例えば上記各実施形態で説明したプリント回路基板特性評価装置の各機能及びプリント回路基板特性評価方法をコンピュータプログラムで実現し、そのプログラムを記憶した記憶媒体を提供してもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)基板レイアウト情報を用いて電源供給系回路のインピーダンス特性を算出することができるため、基板を作製しなくても、基板製造前のレイアウト作成中もしくはレイアウト作成後に、電源供給系回路のインピーダンスが十分低く設計されているか、または電源供給系回路が共振を起こさないかを評価することが可能になる。
(2)電源供給系回路内の電流分布や電圧分布が把握できるため、電源供給系回路が共振を起こす場合、その原因や抑制手法を適用するための最適な場所を把握することが可能になる。
(3)あらかじめ共振抑制手法を用意することができ、且つそれを適用したレイアウト変更ができるため、共振抑制手法による効果を確認することが可能になる。
(4)最適設計後の基板レイアウト情報を出力できることから、アクティブ素子の安定動作を保証し、且つ電磁放射を抑制したプリント回路基板を短時間に設計、製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るプリント回路基板特性評価装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】 評価対象である4層プリント回路基板の構成例を示す図である。
【図4】 電源供給系回路の等路回路モデルを表す図である。
【図5】 第1実施形態にかかる電源供給系回路のインピーダンス特性図である。
【図6】 本発明の第2実施形態に係るプリント回路基板特性評価装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図8】 第2実施形態にかかる電源供給系回路のインピーダンス特性図である。
【図9】 第2実施形態の他の動作を示すフローチャートである。
【図10】 第2実施形態にかかる電源供給系回路の他のインピーダンス特性図である。
【図11】 第2実施形態の他の動作を示すフローチャートである。
【図12】 第2実施形態にかかる電源供給系回路の他のインピーダンス特性図である。
【図13】 第2実施形態の他の動作を示すフローチャートである。
【図14】 第2実施形態の他の動作を示すフローチャートである。
【図15】 第2実施形態に係る電源供給系回路内の電圧分布図である。
【図16】 第2実施形態に係る電源供給系回路内の電流分布図である。
【図17】 第2実施形態の他の動作を示すフローチャートである。
【図18】 本発明の第3実施形態に係るプリント回路基板特性評価装置の構成を示すブロック図である。
【図19】 第3実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図20】 共振抑制手法を説明する電源供給系回路の等価回路モデルを示す図である。
【図21】 電源供給系回路のインピーダンス特性図である。
【図22】 共振抑制手法適用前後の放射電界特性の測定結果を示す図である。
【図23】 従来の伝送線路シミュレータの構成を示すブロック図である。
【図24】 プリント回路基板の一例を示す図である。
【図25】 対策前の回路解析モデルを示す図である。
【図26】 対策後の回路解析モデルを示す図である。
【図27】 電源供給系のみに着目した等価回路図である。
【図28】 デカップリングコンデンサの代表的な実装例を示す断面図である。
【図29】 電源供給系の等価回路モデルを示す図である。
【図30】 電源供給系回路のインピーダンス特性図である。
【符号の説明】
1 入力装置
2 データ処理装置
3 記憶装置
4 出力装置
10 抽出手段
11 変換手段
12 演算手段
13 記憶部
14 比較手段
15 レイアウト変更手段
16 第二の記憶部

Claims (9)

  1. 入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、
    該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、
    読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、
    データ処理装置の演算手段により、
    プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から見た基板内の電源供給系回路のインピーダンス特性と、この電源端子接続位置からそれに最も近い位置に接続したコンデンサ素子までのインピーダンス特性とを算出し、
    データ処理装置の比較手段により、
    前記演算手段により算出された前記電源供給系回路のインピーダンス特性と前記コンデンサ素子までのインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断することを特徴とするプリント回路基板特性評価方法。
  2. 入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、
    該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、
    読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、
    データ処理装置の演算手段により、
    プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から最も近い位置に接続したコンデンサ素子のインピーダンス特性と、このコンデンサ素子以降の電源供給系回路のインピーダンス特性とを算出し、
    データ処理装置の比較手段により、
    前記演算手段により算出された前記コンデンサ素子のインピーダンス特性と前記電源供給系回路のインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断することを特徴とするプリント回路基板特性評価方法。
  3. 入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、
    該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、
    読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、
    データ処理装置の演算手段により、
    プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から見た基板内の電源供給系回路のインピーダンス特性と、この電源端子接続位置からそれに最も近い位置に接続したコンデンサ素子までのインピーダンス特性とを算出し、
    データ処理装置の比較手段により、
    前記演算手段により算出された前記電源供給系回路のインピーダンス特性と前記コンデンサ素子までのインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断し、
    共振が起こる場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号を前記電源端子接続位置から前記電圧供給系回路に入力し、この電源供給系回路内各点での電流値および電圧値をデータ処理装置の演算手段により算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出すことを特徴とするプリント回路基板特性評価方法。
  4. 入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、
    該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、
    読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、
    データ処理装置の演算手段により、
    プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から最も近い位置に接続したコンデンサ素子のインピーダンス特性と、このコンデンサ素子以降の電源供給系回路のインピーダンス特性とを算出し、
    データ処理装置の比較手段により、
    前記演算手段により算出された前記コンデンサ素子のインピーダンス特性と前記電源供給系回路のインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断し、
    共振が起こる場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号を前記電源端子接続位置から前記電圧供給系回路に入力し、データ処理装置の演算手段によりこの電源供給系回路内各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出すことを特徴とするプリント回路基板特性評価方法。
  5. 入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、
    該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、
    読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、
    データ処理装置の演算手段により、
    プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から見た基板内の電源供給系回路のインピーダンス特性と、この電源端子接続位置からそれに最も近い位置に接続したコンデンサ素子までのインピーダンス特性とを算出し、
    データ処理装置の比較手段により、
    前記演算手段により算出された前記電源供給系回路のインピーダンス特性と前記コンデンサ素子までのインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断し、
    共振が起こる場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号をこの電源端子接続位置からこの電圧供給系回路に入力し、データ処理装置の演算手段によりこの電源供給系回路内各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出し、さらにその場所または電源端子接続位置にあらかじめ用意した共振抑制手法を適用し、再度共振の有無を評価することを特徴とするプリント回路基板特性評価方法。
  6. 入力手段により入力されたプリント基板のレイアウト情報のうち、電源供給系回路のレイアウト情報を記憶手段に記憶し、
    該記憶手段に記憶された電源供給系回路のレイアウト情報を読み出し、
    読み出された電源供給系回路のレイアウト情報に基づいて、
    データ処理装置の演算手段により、
    プリント回路基板上に実装された各アクティブ素子の電源端子接続位置から最も近い位置に接続したコンデンサ素子のインピーダンス特性と、このコンデンサ素子以降の電源供給系回路のインピーダンス特性とを算出し、
    データ処理装置の比較手段により、
    前記演算手段により算出された前記コンデンサ素子のインピーダンス特性と前記電源供給系回路のインピーダンス特性の大きさ、位相、実数部、虚数部のいずれかを比較することによって、データ処理装置の判断手段によりこの電源供給系回路内で共振が起こるか否かを判断し、
    共振が起こる場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号をこの電源端子接続位置からこの電圧供給系回路に入力しデータ処理装置の演算手段により、この電源供給系回路内各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出し、さらにその場所または電源端子接続位置にあらかじめ用意した共振抑制手法を適用し、再度共振の有無を評価することを特徴とするプリント回路基板特性評価方法。
  7. 共振が起こると判断した場合にはデータ処理装置の入力手段によりその共振周波数の正弦波信号を、前記電源端子接続位置から前記電源供給系回路に入力し、データ処理装置の演算入力手段によりこの電源供給系回路各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値が小さい場所もしくは電圧値が大きい場所にコンデンサ素子を実装し、再度共振の有無を評価することを特徴とする請求項1または2に記載のプリント回路基板特性評価方法。
  8. 実装するアクティブ素子の電源端子とグランド端子の間の電気的な等価回路モデルを用いて、ある指定したアクティブ素子の電源端子接続位置から電源供給系回路に信号をデータ処理装置の入力手段により入力し、データ処理装置の演算手段によりこの電源供給系回路内各点での電流値および電圧値を算出し、この電流値または電圧値が大きい場所を見つけ出すことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプリント回路基板特性評価方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のプリント回路基板特性評価方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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