JP2002063907A - 電池用格子の製造装置 - Google Patents

電池用格子の製造装置

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JP2002063907A
JP2002063907A JP2000250062A JP2000250062A JP2002063907A JP 2002063907 A JP2002063907 A JP 2002063907A JP 2000250062 A JP2000250062 A JP 2000250062A JP 2000250062 A JP2000250062 A JP 2000250062A JP 2002063907 A JP2002063907 A JP 2002063907A
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Japan
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metal sheet
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lead alloy
sheet
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Kenji Miyazaki
健二 宮崎
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Japan Storage Battery Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前置圧延装置8が鉛合金シート5を鉛蓄電池
の品種に応じた厚さに圧延することにより、前工程での
多段圧延装置3による圧延の際に、この鉛合金シート5
の厚さを変更するための面倒な調整作業を行う必要をな
くすと共に、この鉛合金シート5の在庫を減らすことが
できる電池用格子の製造装置を提供する。 【解決手段】 圧延された長尺な鉛合金シート5をロー
ラ間隔調整機構8dによって調整可能な所定の厚さに圧
延する前置圧延装置8と、この前置圧延装置8が圧延し
た鉛合金シート5にスリットを形成して展開することに
より網状の格子1を製造する展開装置4とを備えたこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池等に用い
る格子を製造する電池用格子の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池の格子1は、図2に示すよう
に、鉛合金の薄板に、図示上下の端部1a,1bを除い
て多数のスリットを形成し、これを上下方向に引き延ば
して展開することにより、多数の網の目1cを有する網
状(いわゆるエキスパンド格子)としたものを用いるこ
とが多い。
【0003】従来は、上記格子1を、図3に示す連続鋳
造装置2及び多段圧延装置3と、図4に示す展開装置4
とを用いて製造していた。図3に示す連続鋳造装置2
は、インゴット状の鉛合金を溶解して、例えば幅約80
mm、厚さ20mmの鉛合金シート5を連続的に鋳造す
るものである。また、多段圧延装置3は、上下一対の圧
延ローラを多段階に並べたものであり、連続鋳造装置2
が鋳造した鉛合金シート5をこれらの圧延ローラの間に
順に通すことにより段階的に圧延を行い、この鉛合金シ
ート5を例えば1mm〜0.5mm程度の所定の厚さに
する。そして、このようにして多段圧延装置3で連続的
に圧延された鉛合金シート5は、コイル状に巻回されて
適当な長さで切断されるようになっている。
【0004】上記コイル状に巻回された鉛合金シート5
は、図4に示すように、コイラ6にセットされて外周部
分から引き出され、テンションコントローラ7を介して
展開装置4に供給される。展開装置4は、この所定の厚
さの鉛合金シート5にスリットを形成して展開すること
により網状の格子1を作製する製造装置である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、格子1は、
鉛蓄電池の品種によって厚さがそれぞれ異なるため、多
段圧延装置3は、製造する鉛蓄電池の品種ごとに、圧延
する鉛合金シート5の厚さを変更しなければならない。
このため、従来は、多段圧延装置3の各段の上下の圧延
ローラの間隔や圧延速度を頻繁に調整する必要があり、
しかも、この多段圧延装置3は連続鋳造装置2に直結し
ていて圧延速度も速いために、これらの調整作業が複雑
で面倒なものになるという問題があった。
【0006】また、上記展開装置4は、製造する鉛蓄電
池の品種に応じた所定厚さの鉛合金シート5をコイル状
にしたものをコイラ6にセットして使用することにな
り、しかも、実際には、複数台の展開装置4を同時に稼
働させて並行して格子1を製造するので、同じ厚さのコ
イル状の鉛合金シート5が同時に複数必要となる。この
ため、従来は、連続鋳造装置2と多段圧延装置3を随時
稼働させて、鉛蓄電池の各品種ごとに、その格子1の厚
さに応じたコイル状の鉛合金シート5を予め製造してお
き、生産ラインからの要求にいつでも応じられるよう
に、数日分の在庫を確保するようにしていた。しかしな
がら、製造する鉛蓄電池の品種が多くなると、コイル状
の鉛合金シート5の厚さの種類も多くなるので、このよ
うな多数の種類の在庫を持つと、広い倉庫スペースが必
要となるため、生産工場のスペース効率が悪くなるとい
う問題も生じていた。
【0007】なお、このような問題は、鉛合金シート5
を展開して網状の格子1を製造する場合に限らず、鉛合
金シート5に穿孔を行うことにより多孔状の格子を製造
する場合にも同様に発生する。また、鉛合金シート5に
限らず、他の金属シートを展開又は穿孔して格子を製造
する場合も同様である。
【0008】本発明は、かかる事情に対処するためにな
されたものであり、金属シートを展開したり穿孔する直
前に、電池の品種に応じた格子の厚さとなるように最終
段階の圧延を行うことにより、前工程での圧延の際に厚
さの調整作業を行う必要をなくし、この金属シートの在
庫を減らすことができる電池用格子の製造装置を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の電池用格子の
製造装置は、圧延された長尺な金属シートを、調整によ
り変更可能な所定の厚さに圧延する前置圧延部と、この
前置圧延部から連続的に金属シートの供給を受け、この
金属シートにスリットを形成して展開する展開部とを備
えたことを特徴とする。
【0010】請求項1の発明によれば、展開部が展開を
行う直前に、前置圧延部が金属シートを電池の品種ごと
の所定の厚さに圧延するので、製造する電池の品種にか
かわらず同じ厚さの金属シートを供給することができる
ようになる。従って、ここに供給する金属シートを製造
するための多段圧延工程では、電池の品種に応じてこの
金属シートの厚さを変更する必要がなくなるので、複雑
な調整を頻繁に行う手間を省くことができる。また、こ
の多段圧延工程では、一定の厚さの金属シートだけを製
造すればよいので、電池の品種ごとに厚さの異なる金属
シートを多数在庫として持つ必要もなくなる。
【0011】請求項2の電池用格子の製造装置は、圧延
された長尺な金属シートを、調整により変更可能な所定
の厚さに圧延する前置圧延部と、この前置圧延部から連
続的に金属シートの供給を受け、この金属シートに穿孔
を行う穿孔部とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明によれば、穿孔部が穿孔を
行う直前に、前置圧延部が金属シートを電池の品種ごと
の所定の厚さに圧延するので、製造する電池の品種にか
かわらず同じ厚さの金属シートを供給することができる
ようになる。従って、ここに供給する金属シートを製造
するための多段圧延工程では、電池の品種に応じてこの
金属シートの厚さを変更する必要がなくなるので、複雑
な調整を頻繁に行う手間を軽減することができる。ま
た、多段圧延工程では、一定の厚さの金属シートだけを
製造すればよいので、電池の品種ごとに厚さの異なる金
属シートを多数在庫として持つ必要もなくなる。
【0013】請求項3の電池用格子の製造装置は、前記
前置圧延部が、コイル状に巻回された金属シートをコイ
ラから引き出し、ガイドロールでこの金属シートの幅方
向の位置決めを行い、かみ込みロールでこの金属シート
の表面に凹凸を付けて送り出し、ロール隙間を調整可能
な上下一対の圧延ロールでこの金属シートを所定の厚さ
に圧延するものであることを特徴とする。
【0014】請求項3の発明によれば、前置圧延部が1
段の圧延を行うことにより、一定の厚さの金属シートを
電池の品種ごとの所定の厚さに圧延するので、この厚さ
の調整作業を容易に行うことができるようになる。
【0015】請求項4の電池用格子の製造装置は、前記
前置圧延部で圧延された金属シートを連続したまま一旦
溜め置き、展開部又は穿孔部からの要求に応じて順次供
給する緩衝部が設けられたことを特徴とする。
【0016】請求項4の発明によれば、展開部又は穿孔
部が、金属シートを一定速度で搬送しながら加工するの
ではなく、間欠送りを行ったり送り速度が頻繁に変化す
るものである場合にも、前置圧延部での送り速度とこの
展開部又は穿孔部の送り速度の短期的な相違を緩衝部が
吸収することができるようになる。また、このような緩
衝部は、展開部又は穿孔部に供給する金属シートのテン
ションを一定に調整するテンションコントローラとして
使用することもできる。
【0017】請求項5の電池用格子の製造装置は、前記
前置圧延部又は緩衝部から連続的に供給される金属シー
トを、所定のシート幅となるように両端部をカットして
から展開部又は穿孔部に供給する裁断部が設けられたこ
とを特徴とする。
【0018】請求項5の発明によれば、裁断部が金属シ
ートの両端部をカットして所定のシート幅にするので、
電池の品種ごとにシート幅の異なる金属シートを用いる
必要がなくなり、厚さと幅が一定の金属シートを共通に
使用することができるようになる。
【0019】請求項6の電池用格子の製造装置は、前記
金属シートが鉛合金シートであり、前記電池用格子が鉛
蓄電池用の格子であることを特徴とする。
【0020】請求項6の発明によれば、鉛蓄電池用の鉛
合金からなる格子の製造に適した電池用格子の製造装置
を提供することができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0022】図1は本発明の一実施形態を示すものであ
って、図1は鉛蓄電池用の格子を製造するための前置圧
延装置と展開装置の構成を示す側面図である。なお、図
2〜図4に示した従来例と同様の機能を有する構成部材
には同じ番号を付記する。
【0023】本実施形態は、鉛蓄電池に用いられる格子
1を製造するための製造装置について説明する。この製
造装置は、図3に示した連続鋳造装置2と多段圧延装置
3によって連続的に鋳造圧延された鉛合金シート5を展
開することにより網状の格子1を製造するものである。
多段圧延装置3は、製造する電池の品種にかかわりな
く、鉛合金シート5を常に一定の厚さ、即ちここでは
1.5mmの厚さに圧延するので、この鉛合金シート5
の厚さを変更するための調整作業が不要となる。また、
この鉛合金シート5は、幅も一定の80mmに定められ
る。そして、このようにして圧延された鉛合金シート5
は、従来と同様にコイル状に巻回されて適当な長さで切
断され、このコイル状の状態で搬送されて一旦倉庫に保
管される。
【0024】上記コイル状の鉛合金シート5は、倉庫か
ら運び出されて、図1に示すコイラ6にセットされる。
コイラ6は、回転によってコイル状の外周部から引き出
された鉛合金シート5を前置圧延装置8に供給するもの
である。前置圧延装置8は、ガイドローラ8aとかみ込
みローラ8bと圧延ローラ8cとを備えた圧延装置であ
り、コイラ6から供給される一定厚さの鉛合金シート5
をガイドローラ8aを介してかみ込みローラ8bに送り
込み、さらに圧延ローラ8cを通すことにより所定の厚
さに圧延するようになっている。圧延ローラ8cは、所
定の間隔を開けて上下に配置された一対のローラであ
り、このローラ間の間隔は、ローラ間隔調整機構8dに
より上方の圧延ローラ8cの高さ位置を変えることによ
り調整できるようになっている。また、このために、こ
れらの圧延ローラ8cは、それぞれ別個の駆動軸8eか
らタイミングベルトを介して回転力を受け取り、鉛合金
シート5の送り方向に回転するようになっている。これ
らの駆動軸8eは、速度制御付きモータ8fによってタ
イミングベルトを介して駆動される共通の中間歯車に歯
合することにより回転する。
【0025】かみ込みローラ8bは、圧延ローラ8cの
直前に配置された上下一対のローラであり、ローラ面に
形成した菱目ローレットを鉛合金シート5の表面にかみ
込ませることにより、この鉛合金シート5を確実に圧延
ローラ8cに送り込むようにしたものである。従って、
これらのかみ込みローラ8bは、圧延ローラ8cの回転
に連動するが、実際には、下方のかみ込みローラ8bが
速度制御付きモータ8gによってタイミングベルトを介
し駆動されて回転するので、回転速度は任意に調整する
ことができるようになっている。また、上方のかみ込み
ローラ8bは、バネによって下方に付勢されることによ
り、下方のかみ込みローラ8bに従動することになる。
なお、これらのかみ込みローラ8bのローラ面に形成さ
れる菱目ローレットは、1cm2 当たり100目位のロ
ーレットであることが好ましい。
【0026】ガイドローラ8aは、コイラ6から引き出
して90°のねじりを加えることにより水平方向に送る
鉛合金シート5の幅方向の位置決めを行うローラであ
り、これによってかみ込みローラ8bに供給される鉛合
金シート5の幅方向のずれをなくすことができる。この
ガイドローラ8aは、かみ込みローラ8bによって引き
込まれる鉛合金シート5に従動して回転するようになっ
ている。
【0027】上記構成の前置圧延装置8を用いることに
より、多段圧延装置3で一定の厚さに圧延された鉛合金
シート5を電池の品種ごとに異なる所定の厚さに圧延す
ることができる。即ち、本実施形態の場合には、多段圧
延装置3が鉛合金シート5の厚さを一律に1.5mmと
するが、前置圧延装置8のローラ間隔調整機構8dを調
整することにより、この鉛合金シート5を0.8〜1.
5mmの間の任意の厚さに圧延することができるように
なる。多段圧延装置3は、連続鋳造装置2で連続鋳造さ
れた鉛合金シート5を高速で多段圧延するので、従来
は、この多段圧延装置3で電池の品種ごとに異なる厚さ
に圧延するために、複数段の圧延ロールの間隔の調整や
圧延速度の調整が必要となり、この作業が極めて複雑で
面倒なものになっていた。しかし、本実施形態の前置圧
延装置8は、展開装置4の動作に合わせて低速で圧延を
行えばよく、予め一定の厚さに圧延された鉛合金シート
5を所定の厚さに圧延するだけであるため、この厚さ変
更の調整作業は、ローラ間隔調整機構8dによって圧延
ローラ8cの間隔を調整するだけの極めて容易なものと
なる。
【0028】上記前置圧延装置8によって所定の厚さに
圧延された鉛合金シート5は、テンションコントローラ
7を介して展開装置4に連続的に供給される。テンショ
ンコントローラ7は、鉛合金シート5を一定のテンショ
ンを加えて展開装置4に供給するためのものである。ま
た、このテンションコントローラ7は、前置圧延装置8
が展開装置4の処理速度に合わせて圧延速度を自動調整
する際の速度差を吸収する緩衝装置の役割も果たす。
【0029】展開装置4は、上記テンションコントロー
ラ7を介して供給された鉛合金シート5にスリットを形
成して展開することにより網状の格子1を作製する製造
装置である。このため、展開装置4は、まず裁断部4a
によって、鉛合金シート5の両端部をカットして、電池
の品種ごとに異なる所定の幅にする。そして、このよう
に所定の幅となった鉛合金シート5に多数のスリットを
形成し、展開部4bで両端部を挟持して引き延ばすこと
により展開を行う。すると、この鉛合金シート5の各ス
リットが開いてそれぞれ網の目状となり、これによって
網状の格子1が作製される。なお、ここでは、スリット
を引き延ばして展開するロータリ方式の展開装置4につ
いて説明したが、鉛合金シート5を間欠的に送りながら
階段状に配置した刃で1〜数ピッチずつ網の目を形成し
て行くレシプロ方式の展開装置を用いることもできる。
レシプロ方式の展開装置を用いる場合、前置圧延装置8
から送り出された鉛合金シート5をテンションコントロ
ーラ7によって連続したまま一旦溜め置いて供給するこ
とにより、間欠送りを行うこの展開装置との間の鉛合金
シート5の緩衝部とすることができる。
【0030】以上説明したように、本実施形態の電池用
格子の製造装置によれば、展開装置4が鉛合金シート5
の展開を行う直前に、前置圧延装置8が最終段階の圧延
を行って電池の品種に応じた厚さに圧延するので、多段
圧延装置3は、この電池の品種にかかわりなく、一定の
厚さの鉛合金シート5を製造することができるようにな
る。従って、多段圧延装置3では、圧延する鉛合金シー
ト5の厚さを変更する必要がなくなるので、複雑な調整
を頻繁に行う手間を省くことができる。また、このよう
に多段圧延装置3が圧延する鉛合金シート5がいずれの
電池用の格子1にも共通に使えるようになるので、電池
の品種ごとに厚さの異なる鉛合金シート5を多数製造し
ておいて在庫として持つ必要もなくなる。さらに、展開
装置4は、裁断部4aによって鉛合金シート5の両端部
を電池の品種に応じた幅にカットするので、多段圧延装
置3は、製造する鉛合金シート5の幅も、電池の品種に
かかわりなく一定にすることができるようになる。
【0031】なお、上記実施形態では、前置圧延装置8
と展開装置4をそれぞれ独立した装置として構成する場
合について説明したが、これらを同じ架台に載せて一体
となった装置として構成することもできる。
【0032】また、上記実施形態では、一対の圧延ロー
ラ8cを備えた前置圧延装置8を用いる場合について説
明したが、複数対の圧延ローラ8cを用いて多段の圧延
を行うものであってもよい。このように前置圧延装置8
が多段の圧延を行う場合には、電池の品種に応じた鉛合
金シート5の厚さの相違が大きい場合にも、容易に対応
することができるようになる。もっとも、逆に、電池の
品種に応じた鉛合金シート5の厚さの相違が大きい場合
には、多段圧延装置3が製造する鉛合金シート5の厚さ
を2種類以上にすることにより、前置圧延装置8での圧
延作業を容易にすることもできる。この場合、多段圧延
装置3においても、圧延を行う鉛合金シート5の厚さを
変更する必要が生じるが、電池の各品種ごとに鉛合金シ
ート5の厚さを変更する場合に比べれば、遥かに少ない
変更回数で済み、この調整作業の手間を軽減することが
できる。また、この場合には、2種類以上の厚さの鉛合
金シート5を在庫する必要も生じるが、電池の各品種ご
とに厚さの異なる鉛合金シート5を多数種類在庫する場
合に比べれば、在庫数も少なくて済む。
【0033】また、上記実施形態では、展開装置4によ
って鉛合金シート5を展開することにより網状の格子1
を製造する場合について説明したが、この鉛合金シート
5に穿孔を行うことにより多孔状の格子を製造する製造
装置の場合にも、本発明は同様に実施可能である。さら
に、上記実施形態では、鉛合金シート5を用いて鉛蓄電
池用の格子を製造する場合について説明したが、網状又
は多孔状の格子であれば、必ずしも鉛蓄電池に用いる格
子には限定されず、他の金属シートを用いた電池用格子
の製造装置にも同様に実施可能である。
【0034】
【実施例】上記前置圧延装置8と展開装置4を用いて鉛
蓄電池用の格子1を製造した結果、従来は、製造する鉛
蓄電池の品種を切り換える際に、製造ラインが約30分
間停止していたが、この停止時間が実質的に0時間とな
り、生産性を大幅に向上することができた。また、従来
は、鉛蓄電池の品種ごとに厚さの異なる多数種類の鉛合
金シート5を在庫として2〜3日間保管するために、倉
庫の床面積150m 2 、高さ5mの空間を占有していた
が、本発明により、この在庫の占有面積を5分の1に縮
小することができた。さらに、生産計画の急な変更によ
り、特定の品種用の鉛合金シート5の在庫が切れるよう
なこともなくなるので、材料供給のトラブルによる生産
性の低下を防止することもできるようになった。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電池用格子の製造装置によれば、同じ厚さの金属シー
トを用いて、電池の品種ごとに厚さの異なる格子を製造
することができるので、前工程の多段圧延工程で、金属
シートの厚さを頻繁に変更する必要がなくなり、複雑な
調整作業の手間を軽減することができるようになる。ま
た、予め用意しておく必要のある金属シートが最低1種
類で足りるので、電池の品種ごとに厚さの異なる金属シ
ートを多数種類在庫として持つ必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、鉛蓄
電池用の格子を製造するための前置圧延装置と展開装置
の構成を示す側面図である。
【図2】鉛蓄電池に用いる網状の格子の斜視図である。
【図3】従来例を示すものであって、鉛蓄電池用の格子
を製造するための連続鋳造装置と多段圧延装置の構成を
示す側面図である。
【図4】従来例を示すものであって、鉛蓄電池用の格子
を製造するための展開装置の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 格子 4 展開装置 4a 裁断部 4b 展開部 5 鉛合金シート 7 テンションコントローラ 8 前置圧延装置 8c 圧延ローラ 8d ローラ間隔調整機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延された長尺な金属シートを、調整に
    より変更可能な所定の厚さに圧延する前置圧延部と、 この前置圧延部から連続的に金属シートの供給を受け、
    この金属シートにスリットを形成して展開する展開部と
    を備えたことを特徴とする電池用格子の製造装置。
  2. 【請求項2】 圧延された長尺な金属シートを、調整に
    より変更可能な所定の厚さに圧延する前置圧延部と、 この前置圧延部から連続的に金属シートの供給を受け、
    この金属シートに穿孔を行う穿孔部とを備えたことを特
    徴とする電池用格子の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記前置圧延部が、コイル状に巻回され
    た金属シートをコイラから引き出し、ガイドロールでこ
    の金属シートの幅方向の位置決めを行い、かみ込みロー
    ルでこの金属シートの表面に凹凸を付けて送り出し、ロ
    ール隙間を調整可能な上下一対の圧延ロールでこの金属
    シートを所定の厚さに圧延するものであることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の電池用格子の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記前置圧延部で圧延された金属シート
    を連続したまま一旦溜め置き、展開部又は穿孔部からの
    要求に応じて順次供給する緩衝部が設けられたことを特
    徴とする請求項1,2又は3に記載の電池用格子の製造
    装置。
  5. 【請求項5】 前記前置圧延部又は緩衝部から連続的に
    供給される金属シートを、所定のシート幅となるように
    両端部をカットしてから展開部又は穿孔部に供給する裁
    断部が設けられたことを特徴とする請求項1,2,3又
    は4に記載の電池用格子の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記金属シートが鉛合金シートであり、
    前記電池用格子が鉛蓄電池用の格子であることを特徴と
    する請求項1,2,3,4又は5に記載の電池用格子の
    製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109065836A (zh) * 2018-08-06 2018-12-21 刘燃 一种锂电池负极铜箔生产装置
WO2023128398A1 (ko) * 2021-12-29 2023-07-06 재단법인 파동에너지 극한제어연구단 줄히팅 기반 롤투롤 그래핀 제조방법 및 그래핀 제조장치

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