JP2002061666A - トルクリミッタ - Google Patents

トルクリミッタ

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JP2002061666A JP2000246991A JP2000246991A JP2002061666A JP 2002061666 A JP2002061666 A JP 2002061666A JP 2000246991 A JP2000246991 A JP 2000246991A JP 2000246991 A JP2000246991 A JP 2000246991A JP 2002061666 A JP2002061666 A JP 2002061666A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各回転体の回転差を常に安定した所定の限界
トルクで生じさせることができ、耐久性にも優れたトル
クリミッタを提供する。 【解決手段】 出力側回転体2の負荷が所定の限界トル
クを超えると、各回転体1,2が互いに摩擦力に抗して
回転差を生ずる。その際、各ローラ4は各回転体1,2
及び押圧部材3の対向面にそれぞれ接触しながら転動す
るが、各ローラ4の転動軸は各回転体1,2の回転軸を
含む平面に対してそれぞれ所定角度だけ傾斜しているた
め、各ローラ4は滑り摩擦を生じながら転動する。これ
により、各回転体1,2が回転差を生ずる際、各ローラ
4の転動により静摩擦から瞬時に動摩擦に移行すること
から、静摩擦と動摩擦が間欠的に生ずるスティック・ス
リップが極めて少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば農作業用の
小型車両やその他の各種動力伝達装置に用いられるトル
クリミッタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のトルクリミッタとして
は、例えば特開平10−238553号公報に記載され
ているように、互いに同軸状に配置された入力側回転体
及び出力側回転体とを備え、各回転体を摩擦板を介して
互いに圧接させ、摩擦板の摩擦力により入力側回転体の
回転力を出力側回転体に伝達するとともに、出力側の負
荷に応じて各回転体間に前記摩擦力に抗した回転差を生
じさせるようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ト
ルクリミッタのように摩擦板を用いる構造では、摩擦板
が滑りを生ずる際、摩擦板とその接触面との間に静摩擦
と動摩擦とが間欠的に生ずる、いわゆるスティック・ス
リップが発生し、各回転体が回転差を生ずる限界トルク
を常に一定にすることが困難であった。このため、限界
トルクが不安定になることを想定して入力側の部材を必
要以上に高い強度にしなければならず、設計及び製造上
不都合であった。また、従来のトルクリミッタのように
摩擦板を面接触させる構造では、摩擦熱による劣化や摩
耗を生じ易く、耐久性に劣るという問題点もあった。
【0004】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、各回転体の回転差を
常に安定した所定の限界トルクで生じさせることがで
き、耐久性にも優れたトルクリミッタを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項1では、互いに同軸状に配置された
入力側回転体及び出力側回転体とを備え、各回転体間の
摩擦力により入力側回転体の回転力を出力側回転体に伝
達するとともに、出力側の負荷に応じて各回転体間に前
記摩擦力に抗した回転差を生じさせるトルクリミッタに
おいて、前記各回転体に互いに軸方向に対向する対向面
をそれぞれ設けるとともに、各回転体の対向面間に互い
に各回転体の周方向に所定間隔をおいて配置された複数
のローラと、各ローラをその転動軸が各回転体の回転軸
を含む平面に対してそれぞれ所定の傾斜角度をなすよう
に転動自在に保持する保持体と、各回転体の対向面と各
ローラとを所定の押圧力によって互いに圧接させる押圧
手段とを備えている。
【0006】また、請求項2では、互いに同軸状に配置
された入力側回転体及び出力側回転体とを備え、各回転
体間の摩擦力により入力側回転体の回転力を出力側回転
体に伝達するとともに、出力側の負荷に応じて各回転体
間に前記摩擦力に抗した回転差を生じさせるトルクリミ
ッタにおいて、前記各回転体にその回転軸に対して所定
の角度をなすように傾斜したテーパ状の対向面をそれぞ
れ設けるとともに、各回転体の対向面間に互いに各回転
体の周方向に所定間隔をおいて配置された複数のローラ
と、各ローラをその転動軸が各回転体の回転軸を含む平
面に対してそれぞれ所定の傾斜角度をなすように転動自
在に保持する保持体と、各回転体の対向面と各ローラと
を所定の押圧力によって互いに圧接させる押圧手段とを
備えている。
【0007】これにより、請求項1または2では、各回
転体が互いに回転差を生ずると、各ローラは各回転体の
対向面に接触しながら転動するが、各ローラの転動軸は
回転体の回転軸を含む平面に対してそれぞれ所定角度だ
け傾斜しているため、各ローラは各回転体との間に滑り
摩擦を生じながら転動する。これにより、各回転体が回
転差を生ずる際、各ローラの転動により静摩擦から瞬時
に動摩擦に移行することから、静摩擦と動摩擦が間欠的
に生ずることは極めて少ない。
【0008】また、請求項3では、請求項1記載のトル
クリミッタにおいて、前記各ローラの転動軸を各回転体
の回転軸を含む平面に対してそれぞれ同一方向に傾斜さ
せている。
【0009】また、請求項4では、請求項2記載のトル
クリミッタにおいて、前記各ローラの転動軸を各回転体
の回転軸に対して所定の角度をなすように傾斜させると
ともに、その傾斜角を10°よりも大きく20°よりも
小さくし、各ローラの転動軸を各回転体の回転軸を含む
平面に対して所定の角度をなすようにそれぞれ同一方向
に傾斜させ、その傾斜角を25°よりも大きく90°よ
りも小さくしている。
【0010】これにより、請求項3または4では、請求
項1または2の作用に加え、各ローラがそれぞれ同一方
向に傾斜していることから、各回転体の回転差を生ずる
方向によってそれぞれ異なった摩擦力が発生する。
【0011】また、請求項5では、請求項1記載のトル
クリミッタにおいて、前記各ローラの転動軸を各回転体
の回転軸を含む平面に対して所定の個数ずつ反対方向に
交互に傾斜させている。
【0012】また、請求項6では、請求項2記載のトル
クリミッタにおいて、前記各ローラの転動軸を各回転体
の回転軸に対して所定の角度をなすように傾斜させると
ともに、その傾斜角を3°よりも大きく8°よりも小さ
くし、各ローラの転動軸を各回転体の回転軸を含む平面
に対して所定の角度をなすように所定の個数ずつ反対方
向に交互に傾斜させ、その傾斜角を25°よりも大きく
90°よりも小さくしている。
【0013】これにより、請求項5または6では、請求
項1または2の作用に加え、各ローラが所定の個数ずつ
反対方向に交互に傾斜していることから、各回転体の回
転差を生ずる何れの方向においても互いに等しい摩擦力
が発生する。
【0014】また、請求項7では、請求項2、4または
6記載のトルクリミッタにおいて、前記各回転体の対向
面におけるローラとの接触面を、ローラの転動軸を含む
断面においてそれぞれローラの外周面に対して凸状をな
すように形成している。
【0015】また、請求項8では、請求項2、4または
6記載のトルクリミッタにおいて、前記各回転体の対向
面に接触するローラの外周面を、ローラの転動軸を含む
断面においてそれぞれ各回転体との接触面に対して凸状
をなすように形成している。
【0016】これにより、請求項7または8では、請求
項2、4または6の作用に加え、各ローラの軸方向両端
側の接触圧を減少させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1乃至図3は本発明の第1の実
施形態を示すもので、図1はトルクリミッタの側面断面
図、図2はそのX−X線方向矢視断面図、図3はローラ
及びケージの部分正面図である。
【0018】このトルクリミッタは、互いに同軸状に配
置された入力側回転体1及び出力側回転体2と、出力側
回転体2と一体に回転する押圧部材3と、入力側回転体
1と出力側回転体2との間に配置された複数のローラ4
と、各ローラ4を転動自在に保持する複数のケージ5
と、押圧部材3を軸方向に付勢する皿バネ6と、皿バネ
6に係止する係止部材7とから構成されている。
【0019】入力側回転体1は環状に形成され、その軸
方向両端側には出力側回転体2及び押圧部材3にそれぞ
れ対向する軌道面1aが形成されている。入力側回転体
1の周端にはスプロケット1bが一体に設けられ、スプ
ロケット1bには図示しないチェーン等を介して外部か
らの動力が入力されるようになっている。
【0020】出力側回転体2は軸方向に貫通する連結部
2aを有し、連結部2aには図示しない出力軸が挿通し
て連結されるようになっている。出力側回転体2の一端
側には入力側回転体1の一方の軌道面1aに軸方向に対
向する軌道面2bが形成され、その他端側には軸方向に
延びる複数の溝2cが周方向に間隔をおいて設けられて
いる。
【0021】押圧部材3は環状に形成され、その軸方向
一端側には入力側回転体1に対向する軌道面3aが形成
されている。また、押圧部材3は出力側回転体2の各溝
2cに軸方向に移動自在に係合している。
【0022】各ローラ4は、入力側回転体1と出力側回
転体2との軸方向の対向面間及び入力側回転体1と押圧
部材3との軸方向の対向面間にそれぞれ配置され、各対
向面に接触している。
【0023】各ケージ5は、図3に示すように各ローラ
4をそれぞれ周方向に間隔をおいて保持する複数の孔5
aを有し、各ローラ4はその転動軸Aが各回転体1,2
の回転軸Bを含む平面C(紙面に直交)に対してそれぞ
れ所定の傾斜角度θをなすように保持されている。この
場合、各ローラ4は互いに同一方向に傾斜している。ま
た、各ケージ5の厚さはローラ4の外径よりも若干小さ
く形成されている。
【0024】皿バネ6は押圧部材3と係止部材7との間
に圧縮状態で配置され、その弾性力により押圧部材3を
軸方向に付勢している。
【0025】係止部材7は入力側回転体1の他端側に配
置され、その一端側には皿バネ6の一端が当接してい
る。この場合、係止部材7は入力側回転体1との螺合に
より軸方向の移動を規制されるとともに、入力側回転体
1の軸回りに回動することにより、螺合による軸方向の
移動が可能になっている。
【0026】以上のように構成されたトルクリミッタに
おいては、スプロケット1bに入力された駆動力により
入力側回転体1が回転すると、入力側回転体1と共に出
力側回転体2が回転する。即ち、入力側回転体1及び出
力側回転体2は互いに各ローラ4を介して皿バネ6の押
圧力により圧接しているため、各ローラ4との間の摩擦
力によって互いに一体に回転する。また、出力側回転体
2の負荷が所定の限界トルクを超えると、各回転体1,
2が互いに摩擦力に抗して回転差を生ずる。その際、各
ローラ4は各回転体1,2及び押圧部材3の対向面にそ
れぞれ接触しながら転動するが、各ローラ4の転動軸A
は各回転体1,2の回転軸Bを含む平面Cに対してそれ
ぞれ角度θだけ傾斜しているため、各ローラ4は滑り摩
擦を生じながら転動する。これにより、各回転体1,2
が回転差を生ずる際、各ローラ4の転動により静摩擦か
ら瞬時に動摩擦に移行することから、静摩擦と動摩擦が
間欠的に生ずるスティック・スリップが極めて少なくな
る。また、係止部材7をその回動により軸方向に移動し
て皿バネ6の押圧力を変えることにより、前記限界トル
クを任意の大きさに設定することができる。
【0027】このように、本実施形態のトルクリミッタ
によれば、入力側回転体1と出力側回転体2との回転差
を各ローラ4の転動を伴う滑り摩擦に抗して生じさせる
ようにしたので、回転差を生ずる際のスティック・スリ
ップを極めて少なくすることができ、各回転体1,2の
回転差を常に安定した所定の限界トルクで生じさせるこ
とができる。従って、従来のように限界トルクが不安定
に発生することを想定して入力側の強度を必要以上に高
める必要がなく、設計及び製造上極めて有利である。ま
た、各ローラ4の転動を伴う摩擦力を利用しているた
め、摩擦熱による劣化や摩耗を極めて少なくすることが
でき、耐久性の向上を図ることができる。更に、前記構
成においては、各ローラ4の傾斜角度θを大きくすると
各ローラ4の滑り摩擦も大きくなることから、設計時に
各ローラ4の傾斜角度θを任意に設定することにより、
各種動力伝達装置の仕様に幅広く対応することができ
る。
【0028】尚、前記実施形態では各ローラ4を互いに
同一方向に傾斜させたものを示したが、図4に示すよう
に各ローラ4をその転動軸Aが各回転体1,2の回転軸
Bを含む平面Cに対して一つずつ(または2つ以上の所
定個数ずつ)反対方向に交互に同角度で傾斜するように
設けてもよい。
【0029】図5乃至図10は本発明の第2の実施形態
を示すもので、図5はトルクリミッタの側面断面図、図
6はローラ及びケージの平面図、図7はローラの傾斜角
を示す概略図、図8はローラの動作説明図、図9及び図
10はローラの傾斜角と摩擦トルクとの関係を示す図で
ある。
【0030】本実施形態のトルクリミッタは、第1の実
施形態の摩擦力発生要素(入力側及び出力側回転体1,
2の一部、各ローラ4及びケージ6)を以下に示す構成
に代えたものであり、他の構成については、第1の実施
形態と同等であるため、同一の符号を用いて説明を省略
する。
【0031】即ち、本実施形態のトルクリミッタは、第
1の実施形態とは一部の形状が異なる入力側回転体10
及び出力側回転体11と、出力側回転体11と一体に回
転する一対の可動部材12と、入力側回転体10と各可
動部材11との間に配置された複数のローラ13と、各
ローラ13を転動自在に保持するケージ14とを備えて
いる。
【0032】入力側回転体10は環状に形成され、その
内周面には出力側回転体11に対向する軌道面10aが
形成されている。入力側回転体10の周端には第1の実
施形態と同様、スプロケット10bが一体に設けられ、
スプロケット10bには図示しないチェーン等を介して
外部からの動力が入力されるようになっている。
【0033】出力側回転体11は軸方向に貫通する連結
部11aを有し、連結部11aには図示しない出力軸が
挿通して連結されるようになっている。出力側回転体1
1の一端側は一方の可動部材11が軸方向に当接するよ
うに形成され、その他端側には軸方向に延びる複数の溝
11bが周方向に間隔をおいて設けられている。
【0034】各可動部材12は環状に形成され、その外
周面には入力側回転体10と対向する軌道面12aがそ
れぞれ形成されている。軌道面12aは各回転体10,
11の回転軸を中心とするテーパ状に形成され、図5に
示すように断面が凸状の曲線をなすように形成されてい
る。また、各可動部材12は出力側回転体11の溝11
bにそれぞれ軸方向に移動自在に係合しており、各可動
部材12の間には軸方向に僅かな隙間が設けられてい
る。
【0035】各ローラ13は外周面が軸方向に一様に延
びる円柱形状をなし、各可動部材12の周方向にそれぞ
れ等間隔で配列されている。
【0036】ケージ14は環状に形成され、各可動部材
12の軌道面12aに沿って湾曲したテーパ状をなすと
ともに、その厚さは各ローラ13の外径よりも小さく形
成されている。ケージ14には各ローラ13を転動自在
に収容する多数の孔14aが設けられ、各孔14aはケ
ージ14の周方向に等間隔で配置されている。また、各
孔14aは、図6に示すように各ローラ13の転動軸が
それぞれ同一方向に傾斜するように形成されている。
【0037】また、図7(a) に示すように各ローラ13
の転動軸Aは、各回転体10,11の回転軸Bに対して
それぞれ所定の傾斜角α1 をなすとともに、図7(b) に
示すように各回転体10,11の回転軸Bのを含む平面
に対してそれぞれ所定の傾斜角β1 をなす。この場合、
各ローラ13の傾斜角α1 は10°よりも大きく20°
よりも小さく設定され、傾斜角β1 は25°よりも大き
く、90°よりも小さく設定されている。尚、傾斜角β
1 はローラ13の転動軸Aに直交する方向から見た角度
である。
【0038】以上のように構成されたトルクリミッタに
おいては、スプロケット10bに入力された駆動力によ
り入力側回転体10が回転すると、入力側回転体10と
共に出力側回転体11が回転する。即ち、入力側回転体
10及び出力側回転体11は互いに各ローラ13を介し
て皿バネ6の押圧力により圧接しているため、各ローラ
13との間の摩擦力によって互いに一体に回転する。ま
た、出力側回転体2の負荷が所定の限界トルクを超える
と、各回転体10,11が互いに摩擦力に抗して回転差
を生ずる。その際、各ローラ13は入力側回転体10及
び各可動部材12の対向面にそれぞれ接触しながら転動
するが、各ローラ13の転動軸Aは各回転体10,11
の回転軸Bを含む平面Cに対してそれぞれ角度β1 だけ
傾斜しているため、各ローラ13は滑り摩擦を生じなが
ら転動する。これにより、各回転体10,11が回転差
を生ずる際、各ローラ13の転動により静摩擦から瞬時
に動摩擦に移行することから、静摩擦と動摩擦が間欠的
に生ずるスティック・スリップが極めて少なくなる。
【0039】前記トルクリミッタにおいて、図8(a) に
示すように各回転体10,11の回転差が一方の回転方
向に生じた場合(以下、正回転という)、各ローラ13
は入力側回転体10及び各可動部材12(一方のみ図
示)の軸方向一方、即ち図中破線矢印で示すように回転
軌道に対して角度β1 だけ傾斜した方向(軌道面10
a,12aの径の小さくなる方向)に転動しようとする
のをケージ14で規制されながら図中実線矢印で示すよ
うに回転軌道に沿って滑りながら転動するため、各ロー
ラ13と各軌道面10a,12aとの間に軸方向の荷重
F(皿バネ6による押圧力)に比例した摩擦力が発生す
る。
【0040】また、図8(b) に示すように各回転体1
0,11の回転差が他方の回転方向に生じた場合(以
下、逆回転という)、各ローラ13は入力側回転体10
及び各可動部材12(一方のみ図示)の軸方向他方、即
ち図中破線矢印で示すように回転軌道に対して角度β1
だけ傾斜した方向(軌道面10a,12aの径の大きく
なる方向)に転動しようとするのをケージ14で規制さ
れながら図中実線矢印で示すように回転軌道に沿って転
動するため、各ローラ13と各軌道面10a,12aと
の間に軸方向の荷重F(皿バネ6による押圧力)に比例
した摩擦力が発生する。即ち、前記正回転では各ローラ
13が軌道面10a,12aの径の小さくなる方向に転
動し、逆回転では各ローラ2が軌道面10a,12aの
径の大きくなる方向に転動することから、荷重Fが等し
い場合でも各回転体10,11の回転差が生ずる方向に
よって発生する摩擦力の大きさはそれぞれ異なる。この
場合、正回転における摩擦力が逆回転における摩擦力よ
りも大きくなる。
【0041】ところで、出願人は各ローラ13の傾斜角
α1,β1 と摩擦トルクPとの関係を、傾斜角α1 は3°
から40°、傾斜角β1 は5°から85°の範囲につい
て実験及び理論解析によって確認した。
【0042】即ち、図9に示すように前記正回転におけ
る各ローラ13の傾斜角α1 が5°以下の場合は、傾斜
角β1 が小さくなるに従って摩擦トルクPが急激に大き
くなる特性を示し、入力側回転体10及び各可動部材1
2が互いにロックし易い状態となる。また、傾斜角α1
が10°よりも大きい場合は、摩擦トルクPの急激な変
動は示さなくなるが、傾斜角α1 が20°以上になる
と、傾斜角β1 の大きさに拘わらず、実用上有効な値以
上の摩擦トルクPが得られなくなる。一方、各ローラ1
3の傾斜角β1 が25°よりも大きい場合は、傾斜角α
1 が5°以下の場合を除き、摩擦トルクPは急激な変動
を示さないが、傾斜角β1 が25°以下になると、摩擦
トルクPが大きく減少し、実用上有効な値以上の摩擦ト
ルクPが得られなくなる。また、図10に示すように前
記逆回転の場合は、傾斜角α1 が何れの場合も傾斜角β
1 が小さくなると摩擦トルクPが一様に減少する特性を
示すが、傾斜角α1 が20°以上になると、傾斜角β1
の大きさに拘わらず、実用上有効な値以上の摩擦トルク
Pが得られなくなる。また、傾斜角α1 が20°より小
さい場合でも、傾斜角β1 が25°以下では実用上有効
な値以上の摩擦トルクPが得られなくなる。尚、傾斜角
β1 が85°よりも大きい場合については実際に確認し
ていないが、前記実験データによれば傾斜角β1 が90
°までの摩擦トルクPは85°の場合とほぼ等しくなる
と推測される。
【0043】従って、本実施形態のトルクリミッタにお
いては、各ローラ13の転動軸が各回転体10,11の
回転軸に対してなす角度α1 を10°よりも大きく20
°よりも小さくするとともに、各ローラ13の転動軸が
各回転体10,11の回転軸を含む平面に対してなす角
度β1 を25°よりも大きく90°よりも小さくするこ
とにより、常に安定した摩擦力を発生させることができ
る。
【0044】また、前記実施形態の構成では、図6のI
−I線矢視方向断面図、即ちローラ13の転動軸Aを含
む断面において、図11に示すように各軌道面10a,
12aをローラ13の外周面に軸方向に均一に接触させ
た場合、ローラ13の軸方向両端側の接触圧が中央側よ
りも大きくなる。そこで、図12に示すようにローラ1
3の転動軸Aを含む断面における各軌道面10a,12
aをそれぞれローラ13の外周面に対して凸状をなすよ
うな曲面形状にすれば、ローラ13の軸方向両端側の接
触圧を減少させることができる。従って、各軌道面10
a,12aの曲面形状をローラ13の軸方向の接触圧が
均等になるように形成することにより、各ローラ13に
軸方向に偏った摩耗を生ずることがなく、各ローラ13
の耐久性を向上させることができる。また、図13に示
すようにローラ13の転動軸Aを含む断面において各軌
道面10a,12aを直線状に形成した場合でも、ロー
ラ13の外周面を各軌道面10a,12aに対して凸状
をなすような曲面形状にすることにより、前述と同等の
効果を得ることができる。
【0045】図14乃至図16は本発明の第3の実施形
態を示すもので、図14はローラ及びケージの展開図、
図15はローラの傾斜角を示す概略図、図16はローラ
の傾斜角と摩擦トルクとの関係を示す図である。
【0046】即ち、本実施形態では、前記第2の実施形
態の各ローラ13を各回転体10,11の回転軸を含む
平面に対して同数ずつ(一つずつ)交互に反対方向に傾
斜させている。即ち、図15(a) に示すように各ローラ
13の転動軸Aは各回転体10,11の回転軸Bに対し
てそれぞれ所定の傾斜角α2 をなすとともに、図15
(b) に示すように各回転体10,11の回転軸Bを含む
平面に対してそれぞれ所定の傾斜角β2 をなす。この場
合、各ローラ13の傾斜角α2 は3°よりも大きく8°
よりも小さく設定され、傾斜角β2 は25°よりも大き
く、90°よりも小さく設定されている。尚、傾斜角β
2 はローラ13の転動軸Aに直交する方向から見た角度
である。
【0047】以上の構成においては、前述と同様、各ロ
ーラ13と各回転体10,11との間に軸方向の荷重F
に比例した摩擦力を発生させることができる。この場
合、各ローラ13は各回転体10,11の回転軸を含む
平面に対して一つずつ交互に反対方向に傾斜しているの
で、各回転体10,11の回転差の生ずる何れの方向に
おいても等しい摩擦力が発生する。
【0048】本実施形態において、出願人は各ローラ1
3の傾斜角α2,β2 と摩擦トルクPとの関係を、傾斜角
α2 は3°から40°、傾斜角β2 は5°から85°の
範囲について実験及び理論解析によって確認した。
【0049】即ち、図16に示すように各ローラ13の
傾斜角α2 が何れの場合も傾斜角β2 が小さくなると摩
擦トルクPが一様に減少する特性を示すが、傾斜角α2
が8°以上になると、傾斜角β2 の大きさに拘わらず、
実用上有効な値以上の摩擦トルクPが得られなくなる。
また、傾斜角α2 が20°より小さい場合でも、傾斜角
β2 が25°以下では実用上有効な値以上の摩擦トルク
Pが得られなくなる。尚、傾斜角β2 が85°よりも大
きい場合については実際に確認していないが、前記実験
データによれば傾斜角β2 が90°までの摩擦トルクP
は85°の場合とほぼ等しくなると推測される。
【0050】尚、前記実施形態では各ローラ13を一つ
ずつ交互に反対方向に傾斜させたものを示したが、各ロ
ーラ13を互いに異なった個数(複数)ずつ反対方向に
傾斜させるようにしてもよい。
【0051】また、本実施形態では各ローラ13を軸方
向二列に配置しているが、各列のローラ13は互いに同
一方向に傾斜するように配置されていてもよいし、同数
ずつ交互に反対方向に傾斜するように配置されていても
よい。また、互いに同一方向に傾斜するように配置した
場合には、各列同士のローラ13の傾斜方向は互いに同
一方向または反対方向の何れであってもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2の
トルクリミッタによれば、各回転体の回転差を常に安定
した所定の限界トルクで生じさせることができるので、
従来のように限界トルクが不安定に発生することを想定
して入力側の強度を必要以上に高める必要がなく、設計
及び製造上極めて有利である。また、従来のようにクラ
ッチ板同士を面接触させる構造に比べて摩耗を極めて少
なくすることができるので、耐久性を格段に向上させる
ことができる。
【0053】また、請求項3及び4のトルクリミッタに
よれば、請求項1または2の効果に加え、各回転体の回
転差が生ずる方向によってそれぞれ異なった摩擦力を発
生させることができるので、このような機能を要求され
る動力伝達装置等に用いる場合に有利である。
【0054】また、請求項5及び6のトルクリミッタに
よれば、請求項1または2の効果に加え、各回転体の回
転差が生ずる何れの方向においても互いに等しい摩擦力
を発生させることができるので、このような機能を要求
される動力伝達装置等に用いる場合に有利である。
【0055】また、請求項7及び8のトルクリミッタに
よれば、請求項2、4または6の効果に加え、各ローラ
の軸方向両端側の接触圧を減少させることができるの
で、各ローラに軸方向に偏った摩耗を生ずることがな
く、各ローラの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すトルクリミッタ
の側面断面図
【図2】図1におけるX−X線方向矢視断面図
【図3】ローラ及びケージの部分正面図
【図4】第1の実施形態の変形例を示すローラ及びケー
ジの部分正面図
【図5】本発明の第2の実施形態を示すトルクリミッタ
の側面断面図
【図6】ローラ及びケージの平面図
【図7】ローラの傾斜角を示す概略図
【図8】ローラの動作説明図
【図9】ローラの傾斜角と摩擦トルクとの関係を示す図
【図10】ローラの傾斜角と摩擦トルクとの関係を示す
【図11】各軌道面及びローラの外周面を直線状に形成
した場合を示す図6のI−I線矢視方向断面図
【図12】各軌道面を曲線状に形成した例を示す図6の
I−I線矢視方向断面図
【図13】ローラの外周面を曲線状に形成した例を示す
図6のI−I線矢視方向断面図
【図14】本発明の第3の実施形態を示すローラ及びケ
ージの展開図
【図15】ローラの傾斜角を示す概略図
【図16】ローラの傾斜角と摩擦トルクとの関係を示す
【符号の説明】
1…入力側回転体、2…出力側回転体、4…ローラ、5
…ケージ、6…皿バネ、7…押圧部材、10…入力側回
転体、11…出力側回転体、13…ローラ、14…ケー
ジ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに同軸状に配置された入力側回転体
    及び出力側回転体とを備え、各回転体間の摩擦力により
    入力側回転体の回転力を出力側回転体に伝達するととも
    に、出力側の負荷に応じて各回転体間に前記摩擦力に抗
    した回転差を生じさせるトルクリミッタにおいて、 前記各回転体に互いに軸方向に対向する対向面をそれぞ
    れ設けるとともに、 各回転体の対向面間に互いに各回転体の周方向に所定間
    隔をおいて配置された複数のローラと、 各ローラをその転動軸が各回転体の回転軸を含む平面に
    対してそれぞれ所定の傾斜角度をなすように転動自在に
    保持する保持体と、 各回転体の対向面と各ローラとを所定の押圧力によって
    互いに圧接させる押圧手段とを備えたことを特徴とする
    トルクリミッタ。
  2. 【請求項2】 互いに同軸状に配置された入力側回転体
    及び出力側回転体とを備え、各回転体間の摩擦力により
    入力側回転体の回転力を出力側回転体に伝達するととも
    に、出力側の負荷に応じて各回転体間に前記摩擦力に抗
    した回転差を生じさせるトルクリミッタにおいて、 前記各回転体にその回転軸に対して所定の角度をなすよ
    うに傾斜したテーパ状の対向面をそれぞれ設けるととも
    に、 各回転体の対向面間に互いに各回転体の周方向に所定間
    隔をおいて配置された複数のローラと、 各ローラをその転動軸が各回転体の回転軸を含む平面に
    対してそれぞれ所定の傾斜角度をなすように転動自在に
    保持する保持体と、 各回転体の対向面と各ローラとを所定の押圧力によって
    互いに圧接させる押圧手段とを備えたことを特徴とする
    トルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 前記各ローラの転動軸を各回転体の回転
    軸を含む平面に対してそれぞれ同一方向に傾斜させたこ
    とを特徴とする請求項1記載のトルクリミッタ。
  4. 【請求項4】 前記各ローラの転動軸を各回転体の回転
    軸に対して所定の角度をなすように傾斜させるととも
    に、その傾斜角を10°よりも大きく20°よりも小さ
    くし、 各ローラの転動軸を各回転体の回転軸を含む平面に対し
    て所定の角度をなすようにそれぞれ同一方向に傾斜さ
    せ、その傾斜角を25°よりも大きく90°よりも小さ
    くしたことを特徴とする請求項2記載のトルクリミッ
    タ。
  5. 【請求項5】 前記各ローラの転動軸を各回転体の回転
    軸を含む平面に対して所定の個数ずつ反対方向に交互に
    傾斜させたことを特徴とする請求項1記載のトルクリミ
    ッタ。
  6. 【請求項6】 前記各ローラの転動軸を各回転体の回転
    軸に対して所定の角度をなすように傾斜させるととも
    に、その傾斜角を3°よりも大きく8°よりも小さく
    し、 各ローラの転動軸を各回転体の回転軸を含む平面に対し
    て所定の角度をなすように所定の個数ずつ反対方向に交
    互に傾斜させ、その傾斜角を25°よりも大きく90°
    よりも小さくしたことを特徴とする請求項2記載のトル
    クリミッタ。
  7. 【請求項7】 前記各回転体の対向面におけるローラと
    の接触面を、ローラの転動軸を含む断面においてそれぞ
    れローラの外周面に対して凸状をなすように形成したこ
    とを特徴とする請求項2、4または6記載のトルクリミ
    ッタ。
  8. 【請求項8】 前記各回転体の対向面に接触するローラ
    の外周面を、ローラの転動軸を含む断面においてそれぞ
    れ各回転体との接触面に対して凸状をなすように形成し
    たことを特徴とする請求項2、4または6記載のトルク
    リミッタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007064272A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Yanmar Co Ltd トルクリミッタ
JP2008503418A (ja) * 2004-06-24 2008-02-07 パーク,ジェブン アキュムレータコンベヤのローラ駆動制御装置
JP2008133960A (ja) * 2007-12-14 2008-06-12 Yanmar Co Ltd トルクリミッタ
JP2008223979A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Jtekt Corp プーリユニット

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