JP2002061651A - 動圧型スラスト軸受装置の製造方法と動圧型スラスト軸受装置およびこれを用いたハードディスクドライブ装置 - Google Patents

動圧型スラスト軸受装置の製造方法と動圧型スラスト軸受装置およびこれを用いたハードディスクドライブ装置

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JP2002061651A
JP2002061651A JP2000248038A JP2000248038A JP2002061651A JP 2002061651 A JP2002061651 A JP 2002061651A JP 2000248038 A JP2000248038 A JP 2000248038A JP 2000248038 A JP2000248038 A JP 2000248038A JP 2002061651 A JP2002061651 A JP 2002061651A
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dynamic pressure
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thrust bearing
thrust
manufacturing
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JP2000248038A
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Toshihiro Yamanishi
敏弘 山西
Taizo Ikegawa
泰造 池川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度な動圧発生溝の形成が実現でき、HD
D装置のスピンドルモータに使用する空気軸受にも好適
に使用できる動圧型スラスト軸受装置の製造方法を提供
する。 【解決手段】 ステップポケット型に配置された凸部と
隣接する凸部の間に形成された凹部とからなる準ステッ
プポケット型の動圧型スラスト軸受装置を製造するに際
し、ステップS1〜ステップS3の工程でフォトエッチ
ングにより凹部を形成し、ステップS4〜ステップS6
の工程でイオンを用いた物理成膜法にて凸部を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧型スラスト軸
受装置の製造方法と動圧型スラスト軸受装置およびこれ
を用いたハードディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクドライブ装置(以下、
「HDD装置」と称す)は、年率150%〜200%の
勢いで高速回転化、高容量化が進む傾向にある。そのた
め、HDD装置に使用されるスピンドルモータには、非
繰り返しのディスク振れ(NRRO)や低騒音、耐衝撃
性に対する要望が厳しくなっている。
【0003】従来より、スピンドルモータの軸受には小
型ボール軸受が採用されているが、今後のモータの高速
回転化の勢いとボール軸受の技術革新を勘案すると、ボ
ール軸受の改良には限界があり、ボール軸受の代替え技
術が必要である。
【0004】このような背景からHDD装置のスピンド
ルモータとして、作動流体として潤滑油などの液体を用
いた軸受(以下、「流体軸受」と称す)が開発され、1
998年頃より流体軸受を搭載したHDD用スピンドル
モータの商品化が始まっている。流体軸受装置の機能や
形状に関する記述は多くの文献等に譲る事とし、参考文
献として社団法人日本能率協会「’98モータ技術シン
ポジウム」を紹介するにとどめる。
【0005】当面の2〜3年に関してのスピンドルモー
タ用軸受の技術動向は、ボール軸受から流体軸受への移
行期間であり、スピンドルモータの高速回転化とともに
ボール軸受は排他されると予想される。
【0006】しかし、HDD装置の高容量化はとどまる
ところを知らず、いずれ流体軸受でも対応できなくなる
事は明らかである。これはスピンドルモータの高速回転
でモータ内部が発熱し、流体軸受の作動油である潤滑油
の粘度が低下して、回転体質量を支持できるだけの油膜
剛性が消失するためである。
【0007】そこで作動流体として空気などの気体を用
いた気体軸受(以下、「空気軸受」と称す)が次世代軸
受として注目されている。空気軸受には、上記の流体軸
受とは異なり、温度に対する空気の粘性変化が少ないと
いう利点が有る。流体軸受に用いる潤滑油の場合、0℃
に対する80℃の粘性は約1/10で、回転体質量を支
持するための油膜剛性が激減する。これに対して空気の
場合、0℃に対する80℃の粘性は約1.3倍であっ
て、温度依存性は少ないといえる。
【0008】しかし、室温における空気の粘性は潤滑油
と比較して1/1000程度と小さく、軸受で発生する
動圧が非常に小さいため、空気軸受ではその軸受形状を
流体軸受と比較して格段に半径すき間及び動圧発生溝が
浅くなるよう設計変更して、大きな圧力させている。な
お発生する圧力が大気圧より高い時を動圧もしくは正圧
と呼び、大気圧より低い時を負圧と呼ぶ。
【0009】このようなスラスト軸受の動圧発生溝の形
成方法としては、フォトエッチング(特開平6−158
356)、メッキ(例えば特開平5−2144)、プレ
ス(特開平7−296502)、コイニング(特開昭6
3−238941)などが有り、LBPのポリゴンミラ
ーを回転させるためのモータ等で多くの加工技術が確立
されてきている。
【0010】HDD装置のスピンドルモータの場合、ポ
リゴンミラーより回転体質量が大きくかつ回転数が低い
ので軸受剛性が不足しやすく、どうしてもポリゴンミラ
ーと比較して厳しい条件で軸受設計をしなくてはならな
い。そのため動圧発生溝の加工精度は厳しいものが要求
されてくるが、現在の流体軸受装置では前述のフォトエ
ッチング等で対応できている。
【0011】しかしながらHDD装置用スピンドルモー
タに空気軸受を採用する場合には、上述のように空気の
粘性係数が小さい事から、流体軸受装置よりも軸受設計
が厳しくなるため、動圧発生溝にもいろいろなアイデア
が発明されている。その一つがステップポケット型と呼
ばれるものであり、この溝形状の軸受特性は、社団法人
日本能率協会「’98モータ技術シンポジウム」に記載
された小野京右氏の「HDDスピンドル用各種油動圧軸
受に関する特性比較研究」に開示されている。
【0012】図11〜図13は、上記文献に開示された
動圧型スラスト軸受装置を示す。動圧型スラスト軸受装
置は、図11に示すように、動圧発生溝が形成されたス
ラスト円板3と、このスラスト円板3と対向して配置さ
れる固定板4との間に作動流体を充填し、スラスト円板
3を矢印F方向に回転させて動圧を発生するよう構成さ
れている。
【0013】スラスト円板3には、図12に示すよう
に、コの字型の複数の凸部1が周方向に沿って等間隔に
配置されており、それぞれのコの字型の開口部1aはス
ラスト円板3の回転方向[矢印F方向]に向かって開く
ように配置されている。このような構成の溝形状をここ
では「ステップポケット型」と称す。なお、凸部1の形
状はコの字型でなくL字型でもよい。
【0014】ステップポケット型と呼ばれる溝形状に
は、さらに周方向に等間隔に配置され軸方向に延びる深
い溝である凹部2が組み合わされていてもよく、このよ
うに凸部1と凹部2とを組み合わせた溝形状を、ここで
は「準ステップポケット型」と称す。
【0015】以下、準ステップポケット型の動圧型スラ
スト軸受装置の詳細を説明する。ステップポケット型に
配置された凸部1は圧力ダムと呼ばれ、大きな動圧を発
生させるとともにサイドフロー現象を防止する機能を有
するものであり、隣接する凸部1の間に設けられた凹部
2は、軸受の中に正圧力である動圧しか生じさせないよ
うにする機能を有するものである。
【0016】サイドフロー現象とは、スラスト円板3の
回転に伴なって回転する作動流体(空気軸受の場合は空
気、流体軸受の場合は潤滑油)が、遠心力によってスラ
スト軸受の外周部へ流出する現象である。サイドフロー
現象が発生すると、スラスト軸受内部で発生する動圧が
減少するため、上記のようにコの字型もしくはL字型の
凸部1を設けて、作動流体の流出を防止している。
【0017】図13に示すように、スラスト軸受では発
生動圧を最大にするために凸部1の高さh1をどう設計
するかが重要となるが、同時に、負圧をいかに抑制する
かも大事になってくる。スラスト円板3上を旋回する流
体6がポケットステップ型の凸部1に当たって大きな圧
力を発生するという事は、どこかで流体6が希薄になっ
ており、流体6が空気である場合には、希薄になった領
域の気圧は大気圧より低い負圧となる。従って、コの字
型の凸部1で堰き止められて発生する動圧が固定板4か
らスラスト円板3を浮かす作用となるという事は、負圧
は固定板4とスラスト円板3をくっつける作用があり、
軸受特性としてはマイナス効果となる。
【0018】そこで隣接する凸部1の間には、上述のよ
うに周方向に沿って等間隔に配置され軸方向に延びる深
い溝である凹部2を加工する事が重要となるが、凹部2
の深さh2は浅すぎても深すぎても軸受特性がベストに
はならない。凹部2が適当な体積を持てば、少々の流体
6が凸部1の方向へ持ち去られても、隣接する凸部1の
間にはたくさんの流体6が残っているので流体6が希薄
になる現象を緩和でき、結果的に負圧が抑制できる。し
かしこの凹部2が浅ければ、上述の効果は少なく、逆に
深すぎると負圧は抑制できるが、スラスト円板3の凸部
1と固定板4のクリアランス7が見かけ上拡大して、ス
ラスト軸受としての動圧発生圧力が低下する。従って、
軸受仕様に応じた溝深さが概ね決定される。
【0019】また、上述のように、ステップポケット型
のコの字状の凸部1の高さに関しても充分な気遣いが必
要であり、スラスト方向の軸受剛性は、凸部1の高さに
対して二次関数的なピークを持ち、低すぎても高すぎて
もベストな軸受特性は得られない。
【0020】よって、将来的にHDD装置で空気軸受を
考える場合には、動圧発生溝の深さ、すなわち凸部1の
高さh1と凹部2の深さh2をコントロールして、負圧
を緩和する事が流体軸受の場合以上に重要となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ステッ
プポケット型や準ステップポケット型のスラスト軸受を
実際にHDD用に開発した事例は公開公報等にも開示さ
れておらず、トライボロジー関連の学会発表及び論文に
も見あたらない。さらに、上記した小野京右氏の文献で
も、コンピューターシミュレーションの結果として軸受
特性が優れているという事は開示されているが、どのよ
うな工法で製作すれば動圧発生溝の溝深さを高精度にコ
ントロールできるかは論じられていない。
【0022】例えば、HDD用流体軸受の製造に適用さ
れているフォトエッチングにて上記の準ステップポケッ
ト型のスラスト軸受を製造する場合には、その製造工程
は図14に示すように2回のフォトエッチングが必要に
なる。
【0023】ステップS1では、スラスト円板3のコの
字型の凸部1に対応する領域にレジストが塗布され、マ
スキングされる。ステップS2でエッチング処理が施さ
れ、凸部1以外のスラスト円板3の表面が彫り落とされ
る。
【0024】次いで、ステップS3では凹部2を形成す
るために、最初のフォトエッチングした部分も含めて凹
部2以外の領域にレジストが重ね塗りされ、マスキング
される。
【0025】ステップS4では、2回目のフォトエッチ
ングが施され、凹部2が彫り込まれる。ステップS5で
エッチング時のレジストが除去され、準ステップポケッ
ト型の動圧発生溝が得られる。
【0026】上記のようなフォトエッチングによる動圧
発生溝の形成方法では、ステップS2,S4の各フォト
エッチング時に、フォトエッチングの深さ(2μm〜5
μm程度)に対して、深さのばらつきが0.5〜1μm
発生し、2回のフォトエッチングで発生する深さのばら
つきは合計1〜2μmとなる。
【0027】ところで、空気軸受によるスピンドルモー
タを搭載したHDD装置の研究開発は盛んに進んでいる
ため、近々、商品化も開始されるであろうが、その場合
には、凸部1の高さは2〜3μmとなると予想される。
しかしながら、上記のようなフォトエッチングによる溝
加工では、高さ方向のばらつきが1〜2μmとなり、空
気軸受を想定した軸受設計では無視できないばらつきと
なり、より高精度な溝加工技術が求められる。
【0028】このように従来の動圧型スラスト軸受装置
の製造方法は、流体軸受として使用するには技術レベル
は高いものの、HDD装置用のスピンドルモータに使用
する空気軸受としては、その製造技術を転用しただけで
は加工精度が十分でないという問題がある。
【0029】本発明は前記問題点を解決し、高精度な動
圧発生溝の形成が実現でき、HDD装置のスピンドルモ
ータに使用する空気軸受にも好適に使用できる動圧型ス
ラスト軸受装置の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の動圧型スラスト
軸受装置の製造方法は、スラスト円板にイオンを用いた
物理成膜法を用いて動圧発生溝を形成することを特徴と
する。
【0031】この本発明によると、高精度の動圧発生溝
を形成でき、軸受特性の変化の小さい動圧型スラスト軸
受装置が実現できる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の動圧型ス
ラスト軸受装置の製造方法は、動圧発生溝が形成された
スラスト円板とこのスラスト円板と対向する固定板との
間に作動流体を充填し、前記動圧発生溝を、複数のコの
字型の凸部を前記スラスト円板の周方向に沿って配列す
るとともに前記コの字型の開口部を前記スラスト円板の
回転方向に向かって配置して形成した動圧型スラスト軸
受装置を製造するに際し、前記スラスト円板に、イオン
を用いた物理成膜法にて前記凸部を形成することを特徴
とする。
【0033】本発明の請求項2記載の動圧型スラスト軸
受装置の製造方法は、動圧発生溝が形成されたスラスト
円板とこのスラスト円板と対向する固定板との間に作動
流体を充填し、前記動圧発生溝を、複数のコの字型の凸
部を前記スラスト円板の周方向に沿って配列するととも
に前記コの字型の開口部を前記スラスト円板の回転方向
に向かって配置し、隣接する前記凸部の間には前記凸部
の高さよりも深い溝である凹部を放射線状に配置して形
成した動圧型スラスト軸受装置を製造するに際し、前記
凸部をイオンを用いた物理成膜法にて形成し、前記凹部
をフォトエッチングにて形成することを特徴とする。
【0034】本発明の請求項3記載の動圧型スラスト軸
受装置の製造方法は、請求項2において、前記凹部をフ
ォトエッチングに代って押圧加工にて形成することを特
徴とする。
【0035】本発明の請求項4記載の動圧型スラスト軸
受装置の製造方法は、動圧発生溝が形成されたスラスト
円板とこのスラスト円板と対向する固定板との間に作動
流体を充填し、前記動圧発生溝を、複数のコの字型の凸
部を前記スラスト円板の周方向に沿って配列するととも
に前記コの字型の開口部を前記スラスト円板の回転方向
に向かって配置し、隣接する前記凸部の間に前記スラス
ト円板の一部が放射線状に除去された切り欠き部を配置
した動圧型スラスト軸受装置を製造するに際し、前記凸
部をイオンを用いた物理成膜法にて形成し、前記放射線
状の切り欠き部をプレス加工にて形成することを特徴と
する。
【0036】本発明の請求項5記載の動圧型スラスト軸
受装置の製造方法は、請求項4において、前記放射線状
の切り欠き部をプレス加工に代ってレーザ加工もしくは
放電加工にて形成することを特徴とする。
【0037】本発明の請求項6記載の動圧型スラスト軸
受装置の製造方法は、動圧発生溝が形成されたスラスト
円板とこのスラスト円板と対向する固定板との間に作動
流体を充填し、前記動圧発生溝を、複数のコの字型の凸
部を前記スラスト円板の周方向に沿って配列するととも
に前記コの字型の開口部を前記スラスト円板の回転方向
に向かって配置し、前記コの字型の凸部の高さが開口部
に向かって低くなるように周方向に傾斜し、隣接する前
記凸部の間には前記凸部の高さよりも深い溝である凹部
を放射線状に配置して形成した動圧型スラスト軸受装置
を製造するに際し、前記動圧発生溝を、電界によって液
体イオンを引き出して高圧電圧で加速された高速イオン
を前記スラスト円板の表面に繰り返し叩きつけて前記凹
部及び凸部を削り出すフォーカスイオンビーム法にて形
成することを特徴とする。
【0038】本発明の請求項7記載の動圧型スラスト軸
受装置の製造方法は、請求項6において、前記凹部をフ
ォーカスイオンビーム法に代って、プレス加工,レーザ
加工,放電加工のうちの何れかの方法にて切り欠き形状
に形成することを特徴とする。
【0039】本発明の請求項8記載の動圧型スラスト軸
受装置の製造方法は、動圧発生溝が形成されたスラスト
円板とこのスラスト円板と対向する固定板との間に作動
流体を充填し、前記動圧発生溝をヘリングボーン形状も
しくはスパイラル形状とした動圧型スラスト軸受装置を
製造するに際し、前記動圧発生溝をフォーカスイオンビ
ーム法にて形成することを特徴とする。
【0040】本発明の請求項9記載の動圧型スラスト軸
受装置の製造方法は、請求項8において、前記動圧発生
溝を、ヘリングボーン形状の場合には中央屈曲部から外
周部もしくは内周部の先端に向かってその高さが低くな
るように傾斜し、スパイラル形状の場合には内周部から
外周部に向かってその高さが低くなるように傾斜した形
状に加工することを特徴とする。
【0041】本発明の請求項10記載の動圧型スラスト
軸受装置は、請求項1〜請求項9の何れかに記載の方法
にて製造した動圧型スラスト軸受装置であって、前記作
動流体が空気であることを特徴とする。
【0042】本発明の請求項11記載の動圧型スラスト
軸受装置は、請求項1〜請求項9の何れかに記載の方法
にて製造した動圧型スラスト軸受装置であって、前記作
動流体が潤滑油であることを特徴とする。
【0043】本発明の請求項12記載のハードディスク
ドライブ装置は、請求項10記載の動圧型スラスト軸受
装置をスピンドルモータとして用いたことを特徴とす
る。以下、本発明の各実施の形態を具体例に基づき図1
〜図10を用いて説明する。
【0044】なお、上記従来例を示す図11〜図14と
同様の構成をなすものには同一の符号を付けて説明す
る。 (実施の形態1)図1は、本発明の(実施の形態1)を
示す。
【0045】この(実施の形態1)では、イオンを用い
た物理成膜法にてスラスト円板3に動圧発生溝を形成し
た点で上記従来例とは異なる。具体的には、上記従来例
に示す図11〜図14と同様の準ステップポケット型の
動圧型スラスト動圧軸受装置を製造するに際し、図1に
示す手順にてスラスト円板3の加工が行われる。
【0046】まず、軸受特性の改善機能を有する周方向
に等間隔に配置され軸方向に延びる深い溝である凹部2
を形成するために、ステップS1では、凹部2となる以
外のスラスト円板3の表面にレジストが塗布され、マス
キングが施される。スラスト円板3はステンレス製であ
り、直径は15〜20mm、板厚は1〜2mm、溝深さ
h2は30〜60μmである。
【0047】ステップS2でエッチングにより凹部2が
形成され、ステップS3でエッチング時のレジストが除
去される。次いでコの字の凸部1を形成するために、ス
テップS4では、エッチングで形成された凹部2も含め
てコの字型の凸部1とならない領域にマスキングが施さ
れる。
【0048】そして、この(実施の形態1)に特有の構
成であるステップS5では、半導体プロセスで薄膜形成
に用いられる物理蒸着法(PVD)により、スラスト円
板3に金属イオンが蒸着される。金属イオンとしてはク
ロムイオンが真空蒸着され、その膜厚が2〜3μm、膜
厚のばらつき0.1〜0.2μmになるようコントロー
ルされる。この蒸着により得られる凸部1の大きさは、
図12に示す外径11が15〜20mmで、開口部1a
の幅13が0.3〜1mmである。
【0049】ステップS6では蒸着時のマスキングが除
去され、準ステップポケット型の動圧発生溝が形成され
る。このように、従来技術のフォトエッチングにより凹
部2を形成し、金属イオンを物理蒸着させて凸部1を形
成することで、高さ方向のばらつきを抑えた動圧発生溝
が形成でき、高精度の準ステップポケット型の動圧型ス
ラスト軸受装置が実現できる。
【0050】従って、作動流体として空気を用いた空気
軸受は、HDD装置のスピンドルモータとして適用で
き、小型でかつ高速な高容量のHDD装置が実現でき
る。また、作動流体として潤滑油を使用した場合には、
上記従来例のようにフォトエッチングを用いた場合より
も軸受形状を正確に加工できるため、流体軸受からみて
厳しい使用環境に耐える事ができる。例えば低速回転で
使用する時に溝深さがばらつくと、軸受剛性がばらつき
モータとして回転しない製品が現れてくるが、上述のよ
うにイオンを用いた物理成膜法によりばらつきの小さい
動圧発生溝を形成することで、製品の特性のばらつきを
低減できる。
【0051】なお、図12では、説明の都合上凸部1を
6個示しているが、実際には20〜30個のコの字型の
凸部1がクロムイオンの蒸着により形成される。また軸
受形状のファクターのひとつに溝幅比があるが、これは
コの字型の凸部1の角度14と凹部2の角度12との比
であり、凸部1の角度14を凹部2の角度12に対して
7〜10倍ぐらいの形状とする。
【0052】また、図11においてスラスト円板3は固
定板4に対して時計方向[矢印F方向]に回転するの
で、図12のように空気の流れ6を囲み込むようにコの
字型の凸部1の向きを配置する。
【0053】物理蒸着法に関しては、上記の真空蒸着以
外にも数種類の工法がある。参考文献として日本機械学
会の機素潤滑設計部門が開催した講習会テキスト「新・
役に立つトライボロジー」(講習会No99−89)を
挙げるが、一般的に物理蒸着法による膜厚の公差は±5
%程度であって、上述のように2〜3μmのクロムイオ
ンの膜に対して0.1〜0.2μm以下にばらつきをコ
ントロールできる。この(実施の形態1)のようにスピ
ンドルモータが起動時(及び停止時)にスラスト円板3
が固定板4と接触する場合には、耐摩耗性を考えて金属
系の硬質膜をステンレス製のスラスト円板3の母材に蒸
着させる必要があるため、真空蒸着を用いている。
【0054】また、上記説明では、隣接する凸部1の間
に形成された円周方向に等間隔で軸方向に延びる深い凹
部2をフォトエッチング加工にて形成したが、本発明は
これに限定されるものではなく、凹部2を押圧加工、具
体的にはコイニングにて形成してもよい。軸受特性に重
要なファクターは、凸部1の高さをコントロールする事
であり、凹部2に関しては溝を有することに効果がある
ため、軸受特性は劣るがコイニングで深い凹部2を形成
する事でコストダウンが図れる。
【0055】また、上記説明では、凸部1と凹部2を組
み合わせた準ステップポケット型の動圧型スラスト軸受
装置の製造方法を例に挙げて説明したが、凸1のみのス
テップポケット型の動圧型スラスト軸受装置について
も、凸部1を金属イオンを物理蒸着にて形成すること
で、高精度の動圧発生溝の形成が実現できる。
【0056】(実施の形態2)図2〜図5は、本発明の
(実施の形態2)を示す。この(実施の形態2)では、
スラスト円板3に凹部2の代りに切り欠き部15を設け
た点で異なるが、それ以外の構成は上記(実施の形態
1)と同様である。
【0057】準ステップポケット型の動圧型スラスト動
圧軸受装置を製造するに際し、ステンレス製のスラスト
円板3にプレス加工が施され、図2に示すように、放射
線状に切り欠き部15が形成された花びら形状のスラス
ト円板3が形成される。
【0058】切り欠き部15は、上記(実施の形態1)
における凹部2と同様の働きをするものであり、この切
り欠き部15を形成することで、凹部2をフォトエッチ
ングで加工する必要がなくなる。この場合には、スラス
ト円板3の板厚を適切に選んで軸受特性を最適にすれば
良く、スラスト軸受の動圧発生溝加工は、コの字型の凸
部1を物理蒸着法で成膜する工程だけとなる。
【0059】図2に示すスラスト円板3に上記(実施の
形態1)と同様に金属イオンを真空蒸着して凸部1が形
成され、このスラスト円板3を用いて図3〜図5に示す
動圧型スラスト軸受装置が形成される。
【0060】スラスト円板3の切り欠き部15は軸受仕
様に応じて適切な花びら形状を決定すれば良く、例え
ば、図3に示すようにコの字型の凸部1の内径側のコの
字の外周側まで達するようスラスト円板3に切り欠き部
15を形成したり、図4に示すように内径側のコの字の
内周側まで達するように切り欠き部15を形成してもよ
い。
【0061】また、切り欠き部15は、プレス加工だけ
でなく、レーザー加工や放電加工によっても形成可能で
ある。このようにスラスト軸受として特性の良い準ステ
ップポケット型を製作するに際し、周方向に等間隔に配
置された凹部2の代りに機械的除去による切り欠き部1
5を形成して、隣接する切り欠き部15の間に周期的に
コの字の凸部1を物理蒸着法にて形成することで、コの
字状の凸部1の高さに関してばらつきの少ない高精度の
動圧型スラスト軸受装置が容易に実現でき、上記実施の
形態と同様に作動流体として潤滑油だけでなく空気も好
適に使用できる流体軸受装置が実現できる。
【0062】(実施の形態3)図6と図7は、本発明の
(実施の形態3)を示す。この(実施の形態3)では、
コの字型の凸部1の形状を凸部1の高さが開口部に向か
って低くなるように周方向に傾斜させた準ステップポケ
ット型の動圧型スラスト軸受装置とした点で上記各実施
の形態とは異なる。
【0063】以下、図6に示すように、ステップポケッ
ト型に配置された凸部1にテーパが形成された動圧型ス
ラスト軸受装置を「テーパポケット型」と称し、テーパ
ポケット型の凸部1と凹部2を組み合わせたスラスト軸
受を「準テーパポケット型」と称す。テーパポケット型
および準テーパポケット型は、ステップポケット型およ
び準ステップポケット型のコの字型の凸部1の高さh1
が高すぎると軸受特性を損ねることからその解決手段と
して提案されているものであるが、精度のよい製造方法
は未だ開示されていない。
【0064】そこでこの(実施の形態3)では、準テー
パポケット型のスラスト軸受を例に挙げ、その詳細を説
明する。図7に示すように、テーパを有する凸部1は、
フォーカスイオンビーム法にて形成される。フォーカス
イオンビーム法は半導体プロセスで用いられる方法であ
り、例えば、30〜40kVの電界21によって液体イ
オンを引き出し光学系でイオンを集光させたイオンビー
ム22をスラスト円板3の表面に繰り返し叩きつける
と、スラスト円板3の表面の粒子23がはじき飛ばさ
れ、スラスト円板3の表面を深く削り取る事ができる。
【0065】また、凸部2の高さを周方向に関して徐々
に変化させたテーパ型凸部20だけでなく、円周方向に
等間隔で軸方向に深い凹部2もこのフォーカスイオンビ
ーム法により形成できる。
【0066】このように製造された動圧型スラスト軸受
装置は、凸部1が高精度に形成されているため軸受のば
らつきが低減され、上記各実施の形態と同様に作動流体
として空気などの気体や潤滑油などの液体が好適に使用
できる。
【0067】なお、上記フォーカスイオンビーム法の代
りに、従来のフォトエッチングにてテーパポケット型の
スラスト軸受を形成した場合には、高精度な凸部1の形
成は実現できない。すなわち、フォトエッチングは膜厚
一定の加工技術であるため、図15に示すように凸部1
は段々的な形状25となってテーパを表現できず、ま
た、一段当たりの高さは少なくとも2μmが必要とな
る。しかし、ハードディスクドライブ装置の空気軸受を
想定した溝深さ1は2〜3μmであるため、図7に示す
ようなテーパ形状はフォトエッチングでは形成できな
い。
【0068】従って、上記のように高精度のテーパ形状
の凸部1を形成するためには、フォーカスイオンビーム
法が空気軸受用の動圧型スラスト軸受装置の加工技術で
重要となってくる。フォーカスイオンビーム法の詳細に
ついては、専門図書の紹介にとどめる(薄膜ハンドブッ
ク第1版299ページ、オーム社)。
【0069】なお、上記説明では、凸部1だけでなく凹
部2をフォーカスイオンビーム法にて形成したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、図2に示した花び
ら型のスラスト円板3を用いれば、凹部2の加工を省略
できる。
【0070】また、上記説明では、準テーパポケット型
のスラスト軸受を例に挙げて説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、テーパポケット型のスラス
ト軸受にも適用できる。
【0071】(実施の形態4)図8〜図10は、本発明
の(実施の形態4)を示す。この(実施の形態4)で
は、動圧発生溝の形状をヘリングボーン型とした点で異
なるが、それ以外の基本的な構成は上記(実施の形態
3)と同様である。
【0072】空気軸受を塔載したスピンドルモータの使
用環境が、例えば上記(実施の形態1)のように過酷な
条件でない場合には、ステップポケット型やテーパポケ
ット型だけでなく、図8に示すように、一般的なヘリン
グボーン型の動圧発生溝も適用できる。
【0073】ただし、その場合の溝加工技術としては、
上記(実施の形態3)のフォーカスイオンビーム法を利
用する。フォーカスイオンビーム法の長所は上述の通
り、凸部1の高さ方向を任意にコントロールできる点に
あり、ヘリングボーン溝26で発生する負圧を軽減する
ために、図9に示すようにテーパ型のヘリングボーン溝
27も形成可能である。
【0074】このようなヘリングボーン溝を有するスラ
スト軸受は、溝深さのばらつきを抑制できるので、空気
軸受だけでなく、流体軸受としても安定した品質が実現
できる。
【0075】なお、上記説明では、ヘリングボーン型の
動圧発生溝26,27を例に挙げて説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、軸中心から外周に向
かって曲がりながら延びていくスパイラル型のスラスト
軸受にも適用できる。この場合にもフォーカスイオンビ
ーム法を用いることでフォトエッチングよりも溝深さの
ばらつきを抑制でき、かつ周方向に沿って溝深さを徐々
に変化させる事ができるため、図10に示すように、テ
ーパが設けられたスパイラル状溝28を有するスラスト
軸受の形成が可能となる。このようにテーパ型のスパイ
ラル状溝28は、負圧の発生を軽減でき、高品質で高性
能なスラスト軸受が実現できる。
【0076】このように上記各実施の形態における動圧
型スラスト軸受装置の製造方法によると、動圧発生溝の
高さ方向のばらつきが±5%以下となり、正確な動圧発
生溝の形成が実現できる。また、製造された動圧型スラ
スト軸受装置は、作動流体として空気を用いても負圧の
発生を軽減できるため、小型で高速な空気軸受が実現で
きる。さらに、この空気軸受を搭載したスピンドルモー
タを用いることで、小型で高容量なHDD装置が実現で
きる。
【0077】なお、上記各実施の形態において、動圧発
生溝を半導体プロセスで使用される物理蒸着方法やフォ
ーカスイオンビーム法にて行ったが、本発明では半導体
プロセスで使用される化学蒸着法(CVD)法は除外し
ている。これは、化学蒸着法は、一般に摂氏数百度の高
温環境で使用することから、スラスト円板3を構成する
ステンレス鋼や真鍮が扱いにくいためである。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、動圧発生
溝が形成されたスラスト円板とこのスラスト円板と対向
する固定板との間に作動流体を充填し、前記動圧発生溝
を、複数のコの字型の凸部を前記スラスト円板の周方向
に沿って配列するとともに前記コの字型の開口部を前記
スラスト円板の回転方向に向かって配置して形成した動
圧型スラスト軸受装置を製造するに際し、前記スラスト
円板に、イオンを用いた物理成膜法にて前記凸部を形成
することで、凸部の高さを精度良く管理でき、軸受特性
の変化の小さい高性能な動圧型スラスト軸受装置が実現
できる。
【0079】また、準ステップポケット型のスラスト軸
受を製造する際には、物理蒸着法とフォトエッチングと
を組み合わせる、具体的には凸部を半導体プロセスで使
用される物理蒸着法で形成し、凹部をフォトエッチング
にて形成することで、上記と同様の効果が得られる。ま
た、ステップポケット型と放射線状の切り欠き部を組み
合わせたスラスト軸受に関しては、切り欠き部をプレス
加工やレーザ加工、あるいは放電加工にて形成すること
で、高さ方向のばらつきを抑制できる。
【0080】さらにテーパポケット型、準テーパポケッ
ト型の場合には、凸部を半導体プロセスで使用されるフ
ォーカスイオンビーム法でスラスト円板の表面の粒子を
飛ばしながら任意の形状の溝を削り出すことで、流体軸
受よりも軸受特性の温度変化が少なく、しかも高速回転
が可能な空気軸受を実現でき、同時にこの加工技術を流
体軸受用のスラスト軸受の溝加工に転用することで、溝
形状のばらつきを抑制でき、軸受特性を最大限に引き出
せる流体軸受モータを提供できる。
【0081】従って、上記の動圧型スラスト軸受装置を
スピンドルモータとして用いたHDD装置は、流体軸受
や玉軸受を用いたモータでは実現できない高速な回転数
で回転でき、小さなNRROで軸受特性の温度変化が小
さく、しかも潤滑油もれなどのない小型で大容量のHD
D装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)における動圧発生溝
の製造工程を説明するフローチャート図
【図2】本発明の(実施の形態2)におけるスラスト円
板の斜視図
【図3】図2のスラスト円板を用いた動圧型スラスト軸
受装置の固定板を図示していない平面図
【図4】図3とは切り込み部の形状が異なる動圧型スラ
スト軸受装置の平面図
【図5】同実施の形態における動圧型スラスト軸受装置
のA−A線に沿う断面図
【図6】本発明の(実施の形態3)におけるスラスト円
板の一部切り欠き斜視図
【図7】同実施の形態における動圧発生溝の製造工程を
説明する断面模式図
【図8】本発明の(実施の形態4)におけるスラスト円
板の一部切り欠き斜視図
【図9】図8の動圧発生溝にテーパを設けたスラスト円
板の一部切り欠き斜視図
【図10】同実施の形態における図8,図9とは動圧発
生溝の形状が異なるスラスト円板の一部切り欠き斜視図
【図11】従来のステップポケット型動圧発生溝が形成
された動圧型スラスト軸受装置のスラスト円板の一部を
切り欠いた斜視図
【図12】図11の動圧型スラスト軸受装置を軸方向か
らみた固定板を図示していない平面模式図
【図13】図12のA−A線に沿う断面図
【図14】従来の動圧発生溝の製造工程を説明するフロ
ーチャート図
【図15】従来の製造方法にて製造したテーパ型動圧発
生溝の断面模式図
【符号の説明】
1 凸部 2 凹部 3 スラスト円板 4 固定板 6 流体 7 クリアランス 12,14 角度 13 幅 15 切り欠き部 20 テーパ型凸部 21 電界 22 イオンビーム 23 粒子 26 ヘリングボーン溝 27 テーパ型ヘリングボーン溝 28 スパイラル状溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA20 BA08 CA03 CA05 DA02 JA02 KA03 4K029 AA02 BA07 CA01 EA01 HA07 4K057 WA11 WB17 WC08 WC10 WK06 WN06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動圧発生溝が形成されたスラスト円板とこ
    のスラスト円板と対向する固定板との間に作動流体を充
    填し、前記動圧発生溝を、複数のコの字型の凸部を前記
    スラスト円板の周方向に沿って配列するとともに前記コ
    の字型の開口部を前記スラスト円板の回転方向に向かっ
    て配置して形成した動圧型スラスト軸受装置を製造する
    に際し、 前記スラスト円板に、イオンを用いた物理成膜法にて前
    記凸部を形成する動圧型スラスト軸受装置の製造方法。
  2. 【請求項2】動圧発生溝が形成されたスラスト円板とこ
    のスラスト円板と対向する固定板との間に作動流体を充
    填し、前記動圧発生溝を、複数のコの字型の凸部を前記
    スラスト円板の周方向に沿って配列するとともに前記コ
    の字型の開口部を前記スラスト円板の回転方向に向かっ
    て配置し、隣接する前記凸部の間には前記凸部の高さよ
    りも深い溝である凹部を放射線状に配置して形成した動
    圧型スラスト軸受装置を製造するに際し、 前記凸部をイオンを用いた物理成膜法にて形成し、前記
    凹部をフォトエッチングにて形成する動圧型スラスト軸
    受装置の製造方法。
  3. 【請求項3】前記凹部をフォトエッチングに代って押圧
    加工にて形成する請求項2記載の動圧型スラスト軸受装
    置の製造方法。
  4. 【請求項4】動圧発生溝が形成されたスラスト円板とこ
    のスラスト円板と対向する固定板との間に作動流体を充
    填し、前記動圧発生溝を、複数のコの字型の凸部を前記
    スラスト円板の周方向に沿って配列するとともに前記コ
    の字型の開口部を前記スラスト円板の回転方向に向かっ
    て配置し、隣接する前記凸部の間に前記スラスト円板の
    一部が放射線状に除去された切り欠き部を配置した動圧
    型スラスト軸受装置を製造するに際し、 前記凸部をイオンを用いた物理成膜法にて形成し、前記
    放射線状の切り欠き部をプレス加工にて形成する動圧型
    スラスト軸受装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記放射線状の切り欠き部をプレス加工に
    代ってレーザ加工もしくは放電加工にて形成する請求項
    4記載の動圧型スラスト軸受装置の製造方法。
  6. 【請求項6】動圧発生溝が形成されたスラスト円板とこ
    のスラスト円板と対向する固定板との間に作動流体を充
    填し、前記動圧発生溝を、複数のコの字型の凸部を前記
    スラスト円板の周方向に沿って配列するとともに前記コ
    の字型の開口部を前記スラスト円板の回転方向に向かっ
    て配置し、前記コの字型の凸部の高さが開口部に向かっ
    て低くなるように周方向に傾斜し、隣接する前記凸部の
    間には前記凸部の高さよりも深い溝である凹部を放射線
    状に配置して形成した動圧型スラスト軸受装置を製造す
    るに際し、 前記動圧発生溝を、電界によって液体イオンを引き出し
    て高圧電圧で加速された高速イオンを前記スラスト円板
    の表面に繰り返し叩きつけて前記凹部及び凸部を削り出
    すフォーカスイオンビーム法にて形成する動圧型スラス
    ト軸受装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記凹部をフォーカスイオンビーム法に代
    って、プレス加工,レーザ加工,放電加工のうちの何れ
    かの方法にて切り欠き形状に形成する請求項6記載の動
    圧型スラスト軸受装置の製造方法。
  8. 【請求項8】動圧発生溝が形成されたスラスト円板とこ
    のスラスト円板と対向する固定板との間に作動流体を充
    填し、前記動圧発生溝をヘリングボーン形状もしくはス
    パイラル形状とした動圧型スラスト軸受装置を製造する
    に際し、 前記動圧発生溝をフォーカスイオンビーム法にて形成す
    る動圧型スラスト軸受装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記動圧発生溝を、ヘリングボーン形状の
    場合には中央屈曲部から外周部もしくは内周部の先端に
    向かってその高さが低くなるように傾斜し、スパイラル
    形状の場合には内周部から外周部に向かってその高さが
    低くなるように傾斜した形状に加工する請求項8記載の
    動圧型スラスト軸受装置の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜請求項9の何れかに記載の方
    法にて製造した動圧型スラスト軸受装置であって、前記
    作動流体が空気である動圧型スラスト軸受装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜請求項9の何れかに記載の方
    法にて製造した動圧型スラスト軸受装置であって、前記
    作動流体が潤滑油である動圧型スラスト軸受装置。
  12. 【請求項12】請求項10記載の動圧型スラスト軸受装
    置をスピンドルモータとして用いたハードディスクドラ
    イブ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013148136A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Honda Motor Co Ltd スラストすべり軸受
CN105980721A (zh) * 2014-01-31 2016-09-28 米巴滑动轴承奥地利有限公司 用于制备双材料滑动轴承的方法

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