JP2002060400A - コラーゲン結合活性および血管新生調節活性を有するハイブリッドポリペプチド - Google Patents
コラーゲン結合活性および血管新生調節活性を有するハイブリッドポリペプチドInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】血管新生調節活性およびコラーゲン結合活性の
両活性を有し、血管新生調節因子のDDSとして有用な
ハイブリッドポリペプチド、さらに該ハイブリッドポリ
ペプチドとコラーゲンとの複合化バイオマテリアル、お
よびこれらの用途の提供。該ハイブリッドポリペプチド
をコードする遺伝子を含む形質転換システムの提供。 【解決手段】フィブロネクチンのプロテアーゼ分解によ
り得られるコラーゲン結合性ドメインを構成するアミノ
酸配列からなるポリペプチドと、血管新生調節因子とが
遺伝子工学的手法により連結したハイブリッドポリペプ
チド。血管新生調節因子は、コラーゲン結合性FNポリ
ペプチドのカルボキシル末端に連結されている。
両活性を有し、血管新生調節因子のDDSとして有用な
ハイブリッドポリペプチド、さらに該ハイブリッドポリ
ペプチドとコラーゲンとの複合化バイオマテリアル、お
よびこれらの用途の提供。該ハイブリッドポリペプチド
をコードする遺伝子を含む形質転換システムの提供。 【解決手段】フィブロネクチンのプロテアーゼ分解によ
り得られるコラーゲン結合性ドメインを構成するアミノ
酸配列からなるポリペプチドと、血管新生調節因子とが
遺伝子工学的手法により連結したハイブリッドポリペプ
チド。血管新生調節因子は、コラーゲン結合性FNポリ
ペプチドのカルボキシル末端に連結されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コラーゲン結合性
と血管新生調節活性の両活性を有するハイブリッドポリ
ペプチド、これをコードする遺伝子を含む組換えベクタ
ーおよび形質転換体、該ハイブリッドポリペプチドを含
むバイオマテリアルおよびこれらの用途に関する。
と血管新生調節活性の両活性を有するハイブリッドポリ
ペプチド、これをコードする遺伝子を含む組換えベクタ
ーおよび形質転換体、該ハイブリッドポリペプチドを含
むバイオマテリアルおよびこれらの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】サイトカイン、細胞成長因子などの血管
新生調節因子の中には、医薬品としての用途を期待され
ているものが多い。例えばPDGF(血小板由来増殖因
子)スーパーファミリーの一つであるVEGF(血管内
皮細胞増殖因子)は、培養内皮細胞の増殖、遊走、プラ
スミノーゲンアクチベータやコラゲナーゼなどのプロテ
アーゼ活性、およびコラーゲンゲル中での血管様構造形
成など、いわゆる血管新生のすべてのステップを促進
し、血管透過性も著しく促進する。VEGFは、in viv
o でも血管新生を促進することから、心臓あるいは下肢
の虚血部位における血管新生療法や血管内皮細胞損傷後
の血管内皮細胞修復における効果が期待されている。
新生調節因子の中には、医薬品としての用途を期待され
ているものが多い。例えばPDGF(血小板由来増殖因
子)スーパーファミリーの一つであるVEGF(血管内
皮細胞増殖因子)は、培養内皮細胞の増殖、遊走、プラ
スミノーゲンアクチベータやコラゲナーゼなどのプロテ
アーゼ活性、およびコラーゲンゲル中での血管様構造形
成など、いわゆる血管新生のすべてのステップを促進
し、血管透過性も著しく促進する。VEGFは、in viv
o でも血管新生を促進することから、心臓あるいは下肢
の虚血部位における血管新生療法や血管内皮細胞損傷後
の血管内皮細胞修復における効果が期待されている。
【0003】ところが血管新生調節因子は一般的に生体
内での安定性が悪く、局所保持あるいは徐放が困難なた
めに標的組織での効果が低い。このため活性を得るため
には大量投与が必要とされるが、一方大量投与による他
部位での副作用が懸念されるため、実用性が危惧されて
いるものが多い。たとえば上記VEGFも、生体内での
安定性、局所での効果が低いが、これを大量投与した場
合には、他部位に拡散して血管新生し、ガンを増殖促進
するなどの副作用が懸念される。そのため血管新生調節
因子の効率のよいドラッグデリバリーシステム(DD
S)が切望されている。
内での安定性が悪く、局所保持あるいは徐放が困難なた
めに標的組織での効果が低い。このため活性を得るため
には大量投与が必要とされるが、一方大量投与による他
部位での副作用が懸念されるため、実用性が危惧されて
いるものが多い。たとえば上記VEGFも、生体内での
安定性、局所での効果が低いが、これを大量投与した場
合には、他部位に拡散して血管新生し、ガンを増殖促進
するなどの副作用が懸念される。そのため血管新生調節
因子の効率のよいドラッグデリバリーシステム(DD
S)が切望されている。
【0004】上記血管新生調節因子の生体内での安定性
および局所効果を改善し、ターゲッティング効果を付与
する方法として、コラーゲンをキャリヤーまたはマトリ
ックスとして利用することが期待されている。しかしな
がら血管新生調節因子は一般的にコラーゲンとの親和性
が低く、これらを単に混合するだけでは、血管新生調節
因子を長時間、安定にコラーゲンマトリックスに保持す
ることは困難である。一方血管新生調節因子とコラーゲ
ンとを化学的に結合すると、その血管新生調節活性が消
失または低下してしまう。
および局所効果を改善し、ターゲッティング効果を付与
する方法として、コラーゲンをキャリヤーまたはマトリ
ックスとして利用することが期待されている。しかしな
がら血管新生調節因子は一般的にコラーゲンとの親和性
が低く、これらを単に混合するだけでは、血管新生調節
因子を長時間、安定にコラーゲンマトリックスに保持す
ることは困難である。一方血管新生調節因子とコラーゲ
ンとを化学的に結合すると、その血管新生調節活性が消
失または低下してしまう。
【0005】また近年、盛んに開発が進められている遺
伝子組換え技術によれば、血管新生調節因子と他のポリ
ペプチドとの機能性ハイブリッドポリペプチドをEscher
ichia coli(E. coli)等で発現させることも可能である
と考えられる。しかしながら遺伝子工学的にハイブリッ
ド化したポリペプチドは必ずしも元の活性を示すとは限
らないという問題がある。特にポリペプチドに、コラー
ゲン結合活性を付与しようとするハイブリッド化例で
は、大腸菌で産生された封入体から回収された組換えタ
ンパクの多くで、そのコラーゲン結合活性が損なわれて
おり、かつ生理活性の低下も認められている。また血管
新生調節因子とコラーゲン結合性ポリペプチドとのハイ
ブリッド化によりコラーゲン結合後も血管新生調節活性
を示すようなハイブリッドポリペプチドを得た例は報告
されていない。
伝子組換え技術によれば、血管新生調節因子と他のポリ
ペプチドとの機能性ハイブリッドポリペプチドをEscher
ichia coli(E. coli)等で発現させることも可能である
と考えられる。しかしながら遺伝子工学的にハイブリッ
ド化したポリペプチドは必ずしも元の活性を示すとは限
らないという問題がある。特にポリペプチドに、コラー
ゲン結合活性を付与しようとするハイブリッド化例で
は、大腸菌で産生された封入体から回収された組換えタ
ンパクの多くで、そのコラーゲン結合活性が損なわれて
おり、かつ生理活性の低下も認められている。また血管
新生調節因子とコラーゲン結合性ポリペプチドとのハイ
ブリッド化によりコラーゲン結合後も血管新生調節活性
を示すようなハイブリッドポリペプチドを得た例は報告
されていない。
【0006】コラーゲン結合活性の付与についてさらに
述べれば、細胞外マトリックスを介しての徐放効果をね
らったものとして、ウシフォンビルブランド因子由来の
コラーゲン結合性デカペプチド(decapeptide)を用いた
ハイブリッドポリペプチドがいくつか報告されており、
該デカペプチドとトランスフォーミング増殖因子β(T
GF−β) とのハイブリッド化によるコラーゲンターゲ
ッティングTGF−β(USP5,800,811、 Tuan ら、Conne
ctive Tissue Reserch 、第34巻、1号、1〜9頁(199
6)、Han ら、Protein Expression and Purification
、第11巻、169〜 178頁(1997)、Gordonら、Human Ge
ne Therapy、第8 巻、1385〜1394頁(1997))、および
該デカペプチドと血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と
のハイブリッドポリペプチド(WO00/06195)などが提
案されている。
述べれば、細胞外マトリックスを介しての徐放効果をね
らったものとして、ウシフォンビルブランド因子由来の
コラーゲン結合性デカペプチド(decapeptide)を用いた
ハイブリッドポリペプチドがいくつか報告されており、
該デカペプチドとトランスフォーミング増殖因子β(T
GF−β) とのハイブリッド化によるコラーゲンターゲ
ッティングTGF−β(USP5,800,811、 Tuan ら、Conne
ctive Tissue Reserch 、第34巻、1号、1〜9頁(199
6)、Han ら、Protein Expression and Purification
、第11巻、169〜 178頁(1997)、Gordonら、Human Ge
ne Therapy、第8 巻、1385〜1394頁(1997))、および
該デカペプチドと血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と
のハイブリッドポリペプチド(WO00/06195)などが提
案されている。
【0007】これらの中で、コラーゲン結合活性の残存
したハイブリッドポリペプチドはコラーゲンに結合させ
た後、細胞の捕捉は可能であったが、TGF−βの活
性、特に増殖活性は認められないと報告しており、TG
F−β増殖活性の局所保持や徐放の目的は達成されてい
ない。このためハイブリッドポリペプチドであるコラー
ゲン結合性生理活性ポリペプチドのコラーゲン結合性ペ
プチド部分としては、フォンビルブランド因子のコラー
ゲン結合性デカペプチドは適切とはいえない。
したハイブリッドポリペプチドはコラーゲンに結合させ
た後、細胞の捕捉は可能であったが、TGF−βの活
性、特に増殖活性は認められないと報告しており、TG
F−β増殖活性の局所保持や徐放の目的は達成されてい
ない。このためハイブリッドポリペプチドであるコラー
ゲン結合性生理活性ポリペプチドのコラーゲン結合性ペ
プチド部分としては、フォンビルブランド因子のコラー
ゲン結合性デカペプチドは適切とはいえない。
【0008】また Nishiらは、嫌気性のグラム陽性桿菌
であるクロストリジウム ヒストリチカム(Clostridium
histolyticum)のコラゲナーゼ由来のコラーゲン結合性
ポリペプチドと、bFGFまたは上皮増殖因子(EG
F)とのハイブリッドポリペプチドであるコラーゲン結
合性細胞増殖因子の作製を試みている (Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA、第95巻、7018〜7023頁(1998))。この
コラーゲン結合性細胞増殖因子は、コラーゲンコートさ
れた細胞培養器または多くのコラーゲン材料に対し結合
不能であったことから、充分なコラーゲン結合活性を有
していないことが記載されている(Proc. Nat. Acad. of
Sci. USA 、第95巻、7018〜7023頁(199
8))。当然の事ながら、コラーゲン材料に結合後、細
胞増殖活性を示すことは不可能である。さらにこのコラ
ーゲン結合性細胞増殖因子では、元のEGF活性が低下
することが認められている。また細菌のコラゲナーゼ由
来のポリペプチドは、免疫学的にヒトの組織再生に適切
ではない。
であるクロストリジウム ヒストリチカム(Clostridium
histolyticum)のコラゲナーゼ由来のコラーゲン結合性
ポリペプチドと、bFGFまたは上皮増殖因子(EG
F)とのハイブリッドポリペプチドであるコラーゲン結
合性細胞増殖因子の作製を試みている (Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA、第95巻、7018〜7023頁(1998))。この
コラーゲン結合性細胞増殖因子は、コラーゲンコートさ
れた細胞培養器または多くのコラーゲン材料に対し結合
不能であったことから、充分なコラーゲン結合活性を有
していないことが記載されている(Proc. Nat. Acad. of
Sci. USA 、第95巻、7018〜7023頁(199
8))。当然の事ながら、コラーゲン材料に結合後、細
胞増殖活性を示すことは不可能である。さらにこのコラ
ーゲン結合性細胞増殖因子では、元のEGF活性が低下
することが認められている。また細菌のコラゲナーゼ由
来のポリペプチドは、免疫学的にヒトの組織再生に適切
ではない。
【0009】またコラーゲン結合性ポリペプチドとし
て、細胞外マトリックス成分の一つであるフィブロネク
チン(FN)のコラーゲン(ゼラチン)結合性ポリペプ
チドを用いる例も提案されている。たとえばUSP5,34
2,762 、USP5,460,955 では、有用タンパク質を、バ
キュロウイルス発現システムによる昆虫細胞で生産、精
製するか、または動物細胞(COS細胞)を宿主にして
生産、精製する際に、フィブロネクチンのコラーゲン/
ゼラチン結合性ポリペプチドを精製タッグとして用いて
いる。
て、細胞外マトリックス成分の一つであるフィブロネク
チン(FN)のコラーゲン(ゼラチン)結合性ポリペプ
チドを用いる例も提案されている。たとえばUSP5,34
2,762 、USP5,460,955 では、有用タンパク質を、バ
キュロウイルス発現システムによる昆虫細胞で生産、精
製するか、または動物細胞(COS細胞)を宿主にして
生産、精製する際に、フィブロネクチンのコラーゲン/
ゼラチン結合性ポリペプチドを精製タッグとして用いて
いる。
【0010】上記では、フィブロネクチン由来のポリペ
プチド(タッグ)と有用タンパク質とのハイブリッドポ
リペプチドを発現させ、タッグのコラーゲン/ゼラチン
への親和性によって、捕捉させた後、次いで特異的なプ
ロテアーゼ等により、切断し有用タンパク質部分を回収
している。ここで得られたハイブリッドポリペプチド
は、フィブロネクチンのゼラチン結合性領域のアミノ末
端側にトリプシンによる切断部位が位置し、そのアミノ
末端側に有用タンパク質が位置し、続いてファクターXI
IIa サイトが位置し、さらにそのアミノ末端側にフィブ
ロネクチンのプレプロ配列またはリーダーシグナルペプ
チド配列が付加された構造である。これにより有用タン
パク質の例としてフィブロネクチンのホモロジーユニッ
トI-12(12番目のI型ホモロジーユニット)、フィブロ
ネクチンのホモロジーユニットI-9(9番目のI型ホモ
ロジーユニット)とIII-1 (1番目のIII 型ホモロジー
ユニット)またはヒトのファクターIXのさまざまな部分
の発現、精製例が示されている。
プチド(タッグ)と有用タンパク質とのハイブリッドポ
リペプチドを発現させ、タッグのコラーゲン/ゼラチン
への親和性によって、捕捉させた後、次いで特異的なプ
ロテアーゼ等により、切断し有用タンパク質部分を回収
している。ここで得られたハイブリッドポリペプチド
は、フィブロネクチンのゼラチン結合性領域のアミノ末
端側にトリプシンによる切断部位が位置し、そのアミノ
末端側に有用タンパク質が位置し、続いてファクターXI
IIa サイトが位置し、さらにそのアミノ末端側にフィブ
ロネクチンのプレプロ配列またはリーダーシグナルペプ
チド配列が付加された構造である。これにより有用タン
パク質の例としてフィブロネクチンのホモロジーユニッ
トI-12(12番目のI型ホモロジーユニット)、フィブロ
ネクチンのホモロジーユニットI-9(9番目のI型ホモ
ロジーユニット)とIII-1 (1番目のIII 型ホモロジー
ユニット)またはヒトのファクターIXのさまざまな部分
の発現、精製例が示されている。
【0011】しかしながらいずれにも、フィブロネクチ
ン由来のポリペプチドのパートナーとして血管新生調節
活性因子をハイブリッド化したことは示されていない。
またこれらでは、発現されるハイブリッドポリペプチド
について、コラーゲン結合性以外の有用タンパク質の生
理活性があるか否かについては全く検討されていない。
また上記構成では、活性を有するハイブリッドポリペプ
チドをE. Coli などのバクテリアで産生させることは不
可能である。
ン由来のポリペプチドのパートナーとして血管新生調節
活性因子をハイブリッド化したことは示されていない。
またこれらでは、発現されるハイブリッドポリペプチド
について、コラーゲン結合性以外の有用タンパク質の生
理活性があるか否かについては全く検討されていない。
また上記構成では、活性を有するハイブリッドポリペプ
チドをE. Coli などのバクテリアで産生させることは不
可能である。
【0012】またフィブロネクチンのコラーゲン結合性
ポリペプチドを利用した他の例としては、該フィブロネ
クチンのコラーゲン結合部分と、他のポリペプチドまた
は治療剤とが結合したポリペプチドおよびその精製法
(特開昭62-89699号)がある。上記特開昭62-89699号公
報では、ヒト・FNのCys277からSer577(アミノ酸に付
した肩数字はヒト・FNのN末端から数えた残基数)ま
でのアミノ酸配列で構成されるポリペプチドがコラーゲ
ン結合性部分として開示されている。この配列は、FN
のプロテアーゼ分解で得られる配列あるいは自然分解に
より得られる配列と異なり、制限酵素で切断される遺伝
子配列を選択するような遺伝子工学的手法によってのみ
産生可能なアミノ酸配列である。しかしながらこのよう
な配列のポリペプチドを血管新生調節因子のポリペプチ
ドパートナーとするハイブリッドポリペプチドでは、コ
レーゲン結合性または血管新生調節因子の活性が低下ま
たは消失する。したがって上記ポリペプチドは、機能性
ハイブリッドポリペプチドにおける血管新生調節因子の
ポリペプチドパートナーとして有用であるとはいえな
い。
ポリペプチドを利用した他の例としては、該フィブロネ
クチンのコラーゲン結合部分と、他のポリペプチドまた
は治療剤とが結合したポリペプチドおよびその精製法
(特開昭62-89699号)がある。上記特開昭62-89699号公
報では、ヒト・FNのCys277からSer577(アミノ酸に付
した肩数字はヒト・FNのN末端から数えた残基数)ま
でのアミノ酸配列で構成されるポリペプチドがコラーゲ
ン結合性部分として開示されている。この配列は、FN
のプロテアーゼ分解で得られる配列あるいは自然分解に
より得られる配列と異なり、制限酵素で切断される遺伝
子配列を選択するような遺伝子工学的手法によってのみ
産生可能なアミノ酸配列である。しかしながらこのよう
な配列のポリペプチドを血管新生調節因子のポリペプチ
ドパートナーとするハイブリッドポリペプチドでは、コ
レーゲン結合性または血管新生調節因子の活性が低下ま
たは消失する。したがって上記ポリペプチドは、機能性
ハイブリッドポリペプチドにおける血管新生調節因子の
ポリペプチドパートナーとして有用であるとはいえな
い。
【0013】また同公報では、コラーゲン結合能を有す
る連続部分としてThr379からVal445までが記載されてい
るが、このThr379からVal445までを含むThe374からAla
479までのアミノ酸配列で構成されるポリペプチドには
コラーゲン結合性がないと報告する他の論文(Skorsten
gaard ら、FEBS letters、第343 巻、第47〜50頁(199
4))もある。このようにコラーゲン結合性ドメインに
相当するポリペプチドの全てまたは一部の配列を含んで
いても、プロテアーゼによる分解部位または自然分解に
よる部位を考慮せず、遺伝子工学的手法でのみ得られる
ようなFN由来のコラーゲン結合性ポリペプチドを血管
新生調節因子に融合させて作製したハイブリッドポリペ
プチドは、コラーゲン結合活性または血管新生調節因子
の活性の低下を招く。
る連続部分としてThr379からVal445までが記載されてい
るが、このThr379からVal445までを含むThe374からAla
479までのアミノ酸配列で構成されるポリペプチドには
コラーゲン結合性がないと報告する他の論文(Skorsten
gaard ら、FEBS letters、第343 巻、第47〜50頁(199
4))もある。このようにコラーゲン結合性ドメインに
相当するポリペプチドの全てまたは一部の配列を含んで
いても、プロテアーゼによる分解部位または自然分解に
よる部位を考慮せず、遺伝子工学的手法でのみ得られる
ようなFN由来のコラーゲン結合性ポリペプチドを血管
新生調節因子に融合させて作製したハイブリッドポリペ
プチドは、コラーゲン結合活性または血管新生調節因子
の活性の低下を招く。
【0014】さらにコラーゲン結合性ドメインではない
が、フィブロネクチンの細胞接着ドメイン配列からなる
ポリペプチドと、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFG
F)とをハイブリッド化した機能性ポリペプチドの製造
法が開示されている(特開平5-178897号公報)。具体的
にはヒト・FNのPro1239 からSer1515 までの277 アミ
ノ酸残基からなるポリペプチドと、bFGFとのハイブ
リッドポリペプチドである。ヒト・FNのPro1239 から
Ser1515 までのアミノ酸残基からなるポリペプチドは、
コラーゲン結合性ドメインが位置するヒト・FNのN末
端側約28KDaから約75KDaまでに含まれるポリ
ペプチドとは全く異なるアミノ酸配列から構成されてお
り、コラーゲン結合性は有さない。このハイブリッドポ
リペプチドは細胞に接着し、細胞増殖活性を示すが、一
方、細胞に直接結合するため長期的な徐放効果あるいは
局所保持は期待できない。また機能性ポリペプチドのb
FGFとしての活性は著しく低下することが記載されて
いる。
が、フィブロネクチンの細胞接着ドメイン配列からなる
ポリペプチドと、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFG
F)とをハイブリッド化した機能性ポリペプチドの製造
法が開示されている(特開平5-178897号公報)。具体的
にはヒト・FNのPro1239 からSer1515 までの277 アミ
ノ酸残基からなるポリペプチドと、bFGFとのハイブ
リッドポリペプチドである。ヒト・FNのPro1239 から
Ser1515 までのアミノ酸残基からなるポリペプチドは、
コラーゲン結合性ドメインが位置するヒト・FNのN末
端側約28KDaから約75KDaまでに含まれるポリ
ペプチドとは全く異なるアミノ酸配列から構成されてお
り、コラーゲン結合性は有さない。このハイブリッドポ
リペプチドは細胞に接着し、細胞増殖活性を示すが、一
方、細胞に直接結合するため長期的な徐放効果あるいは
局所保持は期待できない。また機能性ポリペプチドのb
FGFとしての活性は著しく低下することが記載されて
いる。
【0015】さらに他の機能性ポリペプチドのターゲテ
ィング技術として、機能性ポリペプチドを細胞外マトリ
ックス(FNポリペプチド)中に挿入して不溶化させる
ことも提案されている。具体的にはFNポリペプチドの
N末端70kDa領域とC末端37kDa領域との間
に、異種タンパク質(機能性ポリペプチド)または該ポ
リペプチドのアミノ酸鎖を挿入したキメラタンパク質が
提案されている(特開平8-140677号)。しかしながらこ
のように不溶化されたキメラタンパク質においては、F
N分子の間に異種タンパク質またはペプチドのアミノ酸
配列を挿入するので、高次構造に影響を及ぼし、挿入タ
ンパク質の機能維持が困難である。また分子量が大き
く、水に不溶性であることから、機能を維持したタンパ
ク質として回収することが著しく困難であり、E. coli
(大腸菌)、酵母、動物細胞等による工業的生産は事実
上不可能である。使用法としてはヒト細胞で直接遺伝子
的発現させる遺伝子治療にのみに限定される。
ィング技術として、機能性ポリペプチドを細胞外マトリ
ックス(FNポリペプチド)中に挿入して不溶化させる
ことも提案されている。具体的にはFNポリペプチドの
N末端70kDa領域とC末端37kDa領域との間
に、異種タンパク質(機能性ポリペプチド)または該ポ
リペプチドのアミノ酸鎖を挿入したキメラタンパク質が
提案されている(特開平8-140677号)。しかしながらこ
のように不溶化されたキメラタンパク質においては、F
N分子の間に異種タンパク質またはペプチドのアミノ酸
配列を挿入するので、高次構造に影響を及ぼし、挿入タ
ンパク質の機能維持が困難である。また分子量が大き
く、水に不溶性であることから、機能を維持したタンパ
ク質として回収することが著しく困難であり、E. coli
(大腸菌)、酵母、動物細胞等による工業的生産は事実
上不可能である。使用法としてはヒト細胞で直接遺伝子
的発現させる遺伝子治療にのみに限定される。
【0016】上記のように遺伝子組換え技術を用いてE.
coli 等で発現させても、ハイブリッドポリペプチドは
元の活性を示さない場合が多い。また血管新生調節因子
のターゲッティング技術として、これにフィブロネクチ
ン由来のコラーゲン結合性を付与したハイブリッドポリ
ペプチドを得ることも提案されていない。
coli 等で発現させても、ハイブリッドポリペプチドは
元の活性を示さない場合が多い。また血管新生調節因子
のターゲッティング技術として、これにフィブロネクチ
ン由来のコラーゲン結合性を付与したハイブリッドポリ
ペプチドを得ることも提案されていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、血管新生調
節活性およびコラーゲン結合活性の両活性を有し、血管
新生調節因子のDDSとして有用なハイブリッドポリペ
プチドを提供することを目的としている。さらに、血管
新生調節因子の局所保持または長期的かつ調節可能な徐
放機能を実現するための該ハイブリッドポリペプチドと
コラーゲン由来のポリペプチドとを複合化したバイオマ
テリアル(血管新生調節因子複合化コラーゲン)、およ
びこれらハイブリッドポリペプチドまたはバイオマテリ
アルの用途を提供することを目的としている。またハイ
ブリッドポリペプチドをコードする遺伝子を含む組換え
ベクターおよび該組換えベクターを含む形質転換体を提
供することも目的としている。
節活性およびコラーゲン結合活性の両活性を有し、血管
新生調節因子のDDSとして有用なハイブリッドポリペ
プチドを提供することを目的としている。さらに、血管
新生調節因子の局所保持または長期的かつ調節可能な徐
放機能を実現するための該ハイブリッドポリペプチドと
コラーゲン由来のポリペプチドとを複合化したバイオマ
テリアル(血管新生調節因子複合化コラーゲン)、およ
びこれらハイブリッドポリペプチドまたはバイオマテリ
アルの用途を提供することを目的としている。またハイ
ブリッドポリペプチドをコードする遺伝子を含む組換え
ベクターおよび該組換えベクターを含む形質転換体を提
供することも目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な課題を遺伝子工学的手法で解決すべく検討したとこ
ろ、フィブロネクチン(以下単にFNとも記す)のコラ
ーゲン結合性ドメインと血管新生調節因子とを連結する
ことにより、血管新生調節活性が維持され、かつコラー
ゲンに対する結合活性が付与されたコラーゲン結合性血
管新生調節因子の製造が可能であることを証明し、さら
に該コラーゲン結合性血管新生調節因子とコラーゲン由
来のポリペプチドとを複合化させたバイオマテリアル
(血管新生調節因子複合化コラーゲン)を考案し、本発
明を完成するに至った。すなわち本発明の課題は以下の
1)〜15)によって解決される。
な課題を遺伝子工学的手法で解決すべく検討したとこ
ろ、フィブロネクチン(以下単にFNとも記す)のコラ
ーゲン結合性ドメインと血管新生調節因子とを連結する
ことにより、血管新生調節活性が維持され、かつコラー
ゲンに対する結合活性が付与されたコラーゲン結合性血
管新生調節因子の製造が可能であることを証明し、さら
に該コラーゲン結合性血管新生調節因子とコラーゲン由
来のポリペプチドとを複合化させたバイオマテリアル
(血管新生調節因子複合化コラーゲン)を考案し、本発
明を完成するに至った。すなわち本発明の課題は以下の
1)〜15)によって解決される。
【0019】1)本発明に係るハイブリッドポリペプチ
ドは、フィブロネクチン(FN)のプロテアーゼ分解ま
たは自然分解により得られ、かつコラーゲン結合性ドメ
インを構成するアミノ酸配列、あるいは該配列と相同ま
たは1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もし
くは付加されたアミノ酸配列からなるコラーゲン結合性
ポリペプチドと、血管新生調節因子とが連結されてな
り、コラーゲン結合活性および血管新生調節活性を有す
る。
ドは、フィブロネクチン(FN)のプロテアーゼ分解ま
たは自然分解により得られ、かつコラーゲン結合性ドメ
インを構成するアミノ酸配列、あるいは該配列と相同ま
たは1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もし
くは付加されたアミノ酸配列からなるコラーゲン結合性
ポリペプチドと、血管新生調節因子とが連結されてな
り、コラーゲン結合活性および血管新生調節活性を有す
る。
【0020】2)上記FNのコラーゲン結合性ポリペプ
チドは、FNのアミノ(N)末端から約28kDaの位
置から約75kDaまでの間に位置する。上記プロテア
ーゼは、トリプシン、キモトリプシン、サーモリシン、
プラスミン、トロンビン、カテプシンD、カテプシン
G、ペプシン、ズブチリシン、キマーゼ、白血球エラス
ターゼまたは大腸菌由来のプロテアーゼのいずれかであ
るかあるいは2種以上の組合わせが好ましい。プラスミ
ンとキモトリプシンとを併用することがさらに好まし
い。
チドは、FNのアミノ(N)末端から約28kDaの位
置から約75kDaまでの間に位置する。上記プロテア
ーゼは、トリプシン、キモトリプシン、サーモリシン、
プラスミン、トロンビン、カテプシンD、カテプシン
G、ペプシン、ズブチリシン、キマーゼ、白血球エラス
ターゼまたは大腸菌由来のプロテアーゼのいずれかであ
るかあるいは2種以上の組合わせが好ましい。プラスミ
ンとキモトリプシンとを併用することがさらに好まし
い。
【0021】3)上記コラーゲン結合性ポリペプチド
は、ヒト・フィブロネクチン由来であることが好まし
い。具体的に、ヒト・フィブロネクチンのAla260からTr
p599までのアミノ酸配列からなるヒト・フィブロネクチ
ン由来のポリペプチドであるか、あるいは該配列と相同
であるか、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿
入または付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド
であることが好ましい。
は、ヒト・フィブロネクチン由来であることが好まし
い。具体的に、ヒト・フィブロネクチンのAla260からTr
p599までのアミノ酸配列からなるヒト・フィブロネクチ
ン由来のポリペプチドであるか、あるいは該配列と相同
であるか、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿
入または付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド
であることが好ましい。
【0022】4)本発明のハイブリッドポリペプチドで
は、上記血管新生調節因子は、上記コラーゲン結合性ポ
リペプチドのカルボキシル末端に連結されている。
は、上記血管新生調節因子は、上記コラーゲン結合性ポ
リペプチドのカルボキシル末端に連結されている。
【0023】5)上記血管新生調節因子は、血管新生を
促進する血管新生促進因子または血管新生を阻害する血
管新生阻害因子である。特に血管新生調節因子は、血管
新生促進因子が有用である。血管新生促進因子として
は、具体的に、塩基性繊維芽細胞増殖因子及び酸性繊維
芽細胞増殖因子などのFGFファミリーに属する細胞成
長因子、血管内皮細胞増殖因子(VEGF110、12
1、165、189、206、−B、−C、−D) 、I
L−8、IL−4、PD−ECGF、HGF、アンジオ
ジェニン、EGFファミリーに属する細胞成長因子(T
GF−α、ヘパリン結合性EGF様成長因子、EGF、
アンフィレグリン、SDGF、ベータセルリン)、血小
板由来増殖因子(PDGF)、インテグリンαvβ3、
アンジオポエチン−1、プレイオトロフィン、ミッドカ
イン、組織因子、TNF−α(低濃度)、IGF(イン
シュリン様成長因子)、CYR61、HGFのNK1ド
メインおよびHGFのNK2ドメイン、エフリンB2、
マトリックスメタロプロティナーゼ、成長ホルモン、G
−CSFなどが含まれる。
促進する血管新生促進因子または血管新生を阻害する血
管新生阻害因子である。特に血管新生調節因子は、血管
新生促進因子が有用である。血管新生促進因子として
は、具体的に、塩基性繊維芽細胞増殖因子及び酸性繊維
芽細胞増殖因子などのFGFファミリーに属する細胞成
長因子、血管内皮細胞増殖因子(VEGF110、12
1、165、189、206、−B、−C、−D) 、I
L−8、IL−4、PD−ECGF、HGF、アンジオ
ジェニン、EGFファミリーに属する細胞成長因子(T
GF−α、ヘパリン結合性EGF様成長因子、EGF、
アンフィレグリン、SDGF、ベータセルリン)、血小
板由来増殖因子(PDGF)、インテグリンαvβ3、
アンジオポエチン−1、プレイオトロフィン、ミッドカ
イン、組織因子、TNF−α(低濃度)、IGF(イン
シュリン様成長因子)、CYR61、HGFのNK1ド
メインおよびHGFのNK2ドメイン、エフリンB2、
マトリックスメタロプロティナーゼ、成長ホルモン、G
−CSFなどが含まれる。
【0024】6)血管新生調節因子としては、具体的に
PDGFスーパーファミリーに属する細胞成長因子が挙
げられる。PDGFスーパーファミリーに属する細胞成
長因子には、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内
皮細胞増殖因子(VEGF)および結合組織成長因子
(CTGF)がある。 7)PDGFスーパーファミリーに属する細胞成長因子
のうちでも、VEGFが好適であり、特にVEGF12
1およびVEGF165が好適である。
PDGFスーパーファミリーに属する細胞成長因子が挙
げられる。PDGFスーパーファミリーに属する細胞成
長因子には、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内
皮細胞増殖因子(VEGF)および結合組織成長因子
(CTGF)がある。 7)PDGFスーパーファミリーに属する細胞成長因子
のうちでも、VEGFが好適であり、特にVEGF12
1およびVEGF165が好適である。
【0025】8)本発明のハイブリッドポリペプチド
は、血管新生調節因子と、FN由来のコラーゲン結合性
ポリペプチドとが遺伝子工学的手法により連結されたも
のである。
は、血管新生調節因子と、FN由来のコラーゲン結合性
ポリペプチドとが遺伝子工学的手法により連結されたも
のである。
【0026】上記において、血管新生調節因子とFN由
来のポリペプチドとの連結部位に、スペーサーとしてア
ミノ酸またはポリペプチドが挿入されていてもよい。こ
の場合には、スペーサーまたはスペーサーとその隣接配
列とのいずれかがプロテアーゼ認識配列を含むものが好
ましい。プロテアーゼ認識配列はエンテロキナーゼ、血
液凝固因子Xa、トロンビン、プレシジョン、カリクレ
イン、GenenaseIまたはレニンが好ましい。プロテアー
ゼ認識配列はエンテロキナーゼの認識配列であることが
さらに好ましい。
来のポリペプチドとの連結部位に、スペーサーとしてア
ミノ酸またはポリペプチドが挿入されていてもよい。こ
の場合には、スペーサーまたはスペーサーとその隣接配
列とのいずれかがプロテアーゼ認識配列を含むものが好
ましい。プロテアーゼ認識配列はエンテロキナーゼ、血
液凝固因子Xa、トロンビン、プレシジョン、カリクレ
イン、GenenaseIまたはレニンが好ましい。プロテアー
ゼ認識配列はエンテロキナーゼの認識配列であることが
さらに好ましい。
【0027】9)本発明のハイブリッドポリペプチド
は、バクテリアまたは酵母で産生することができる。特
にバクテリア好ましくはEscherichia coli(E. coli) で
産生することができる。 10)本発明のハイブリッドポリペプチドは、水溶性で
ある。
は、バクテリアまたは酵母で産生することができる。特
にバクテリア好ましくはEscherichia coli(E. coli) で
産生することができる。 10)本発明のハイブリッドポリペプチドは、水溶性で
ある。
【0028】11)本発明のハイブリッドポリペプチド
は、コラーゲンに結合後、結合を保持したままかまたは
徐放されることにより血管新生調節活性を示す。 12)本発明は、上記1)〜11)のいずれかに記載の
ハイブリッドポリペプチドを含有する血管新生調節因子
の局所維持剤、徐放剤、または血管新生調節活性付与剤
を提供する。
は、コラーゲンに結合後、結合を保持したままかまたは
徐放されることにより血管新生調節活性を示す。 12)本発明は、上記1)〜11)のいずれかに記載の
ハイブリッドポリペプチドを含有する血管新生調節因子
の局所維持剤、徐放剤、または血管新生調節活性付与剤
を提供する。
【0029】13)上記1)〜11)のいずれかに記載
のハイブリッドポリペプチドとコラーゲン由来のポリペ
プチドとが複合化された血管新生調節因子複合化コラー
ゲンを含有するバイオマテリアル。上記13)に記載の
バイオマテリアルを用いて血管新生調節活性を介して細
胞、組織、臓器に増殖、分化、再生または物質産生を促
進または阻害する方法。 14)上記13)に記載のバイオマテリアルを含有する
血管新生調節因子の局所維持剤、徐放剤、または血管新
生調節活性付与剤。
のハイブリッドポリペプチドとコラーゲン由来のポリペ
プチドとが複合化された血管新生調節因子複合化コラー
ゲンを含有するバイオマテリアル。上記13)に記載の
バイオマテリアルを用いて血管新生調節活性を介して細
胞、組織、臓器に増殖、分化、再生または物質産生を促
進または阻害する方法。 14)上記13)に記載のバイオマテリアルを含有する
血管新生調節因子の局所維持剤、徐放剤、または血管新
生調節活性付与剤。
【0030】上記ハイブリッドポリペプチドをコードす
る遺伝子を提供することができる。したがって本発明で
は、この遺伝子を含む組換えベクター、形質転換体、バ
クテリアなどの形質転換システムが提供され、具体的に 15)上記1)〜11)のいずれかに記載のハイブリッ
ドポリペプチドをコードする遺伝子を含む組換えベクタ
ーを提供する。さらに 16)上記15)の組換えベクターを含む形質転換体が
提供される。
る遺伝子を提供することができる。したがって本発明で
は、この遺伝子を含む組換えベクター、形質転換体、バ
クテリアなどの形質転換システムが提供され、具体的に 15)上記1)〜11)のいずれかに記載のハイブリッ
ドポリペプチドをコードする遺伝子を含む組換えベクタ
ーを提供する。さらに 16)上記15)の組換えベクターを含む形質転換体が
提供される。
【0031】上記形質転換体は、バクテリア、酵母、昆
虫細胞および動物細胞を含む。上記1)〜11)のいず
れかに記載のコラーゲン結合性血管新生調節因子をコー
ドする遺伝子を含有する組換えベクターを含むバクテリ
ア。上記1)〜11)のいずれかに記載のコラーゲン結
合性血管新生調節因子をコードする遺伝子を含有する組
換えベクターを含むE. coli 。上記1)〜11)に記載
のコラーゲン結合性血管新生調節因子をE. coli を用い
て生産する方法も挙げられる。
虫細胞および動物細胞を含む。上記1)〜11)のいず
れかに記載のコラーゲン結合性血管新生調節因子をコー
ドする遺伝子を含有する組換えベクターを含むバクテリ
ア。上記1)〜11)のいずれかに記載のコラーゲン結
合性血管新生調節因子をコードする遺伝子を含有する組
換えベクターを含むE. coli 。上記1)〜11)に記載
のコラーゲン結合性血管新生調節因子をE. coli を用い
て生産する方法も挙げられる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明に係るハイブリッドポリペ
プチドは、フィブロネクチン(FN)由来のコラーゲン
結合性ドメインのポリペプチドと、血管新生調節因子と
が遺伝子工学的に連結された機能性ハイブリッドポリペ
プチドすなわちコラーゲン結合性血管新生調節因子であ
る。このハイブリッドポリペプチドは、コラーゲン結合
活性および血管新生調節活性の両活性を示し、コラーゲ
ン結合後、血管新生調節活性を示す。
プチドは、フィブロネクチン(FN)由来のコラーゲン
結合性ドメインのポリペプチドと、血管新生調節因子と
が遺伝子工学的に連結された機能性ハイブリッドポリペ
プチドすなわちコラーゲン結合性血管新生調節因子であ
る。このハイブリッドポリペプチドは、コラーゲン結合
活性および血管新生調節活性の両活性を示し、コラーゲ
ン結合後、血管新生調節活性を示す。
【0033】本発明では、上記のようにコラーゲン結合
性ポリペプチドとしてFN由来のコラーゲン結合性ポリ
ペプチドを用いることにより、ハイブリッドポリペプチ
ドのコラーゲン結合活性と血管新生調節活性の両方を良
好に維持し、かつコラーゲン結合後の血管新生調節活性
も維持されることが確認されており、新規な機能性ハイ
ブリッドポリペプチドであるコラーゲン結合性血管新生
調節因子とその用途も提供される。これにより、元来コ
ラーゲン結合性を有さない血管新生調節因子は当然のこ
とながら、コラーゲン結合性を有する血管新生調節因子
に対してもFN由来のポリペプチドに依存したコラーゲ
ン結合性を付与することが可能になった。
性ポリペプチドとしてFN由来のコラーゲン結合性ポリ
ペプチドを用いることにより、ハイブリッドポリペプチ
ドのコラーゲン結合活性と血管新生調節活性の両方を良
好に維持し、かつコラーゲン結合後の血管新生調節活性
も維持されることが確認されており、新規な機能性ハイ
ブリッドポリペプチドであるコラーゲン結合性血管新生
調節因子とその用途も提供される。これにより、元来コ
ラーゲン結合性を有さない血管新生調節因子は当然のこ
とながら、コラーゲン結合性を有する血管新生調節因子
に対してもFN由来のポリペプチドに依存したコラーゲ
ン結合性を付与することが可能になった。
【0034】ここで「コラーゲン」とは、コラーゲン、
あるいはゼラチンなどの熱変性コラーゲンを含む意味で
用いられる。したがってコラーゲン結合性は、ゼラチン
結合性と同等の意味を有し、本明細書ではこれらを単に
コラーゲン結合性またはゼラチン結合性と表記すること
もある。
あるいはゼラチンなどの熱変性コラーゲンを含む意味で
用いられる。したがってコラーゲン結合性は、ゼラチン
結合性と同等の意味を有し、本明細書ではこれらを単に
コラーゲン結合性またはゼラチン結合性と表記すること
もある。
【0035】フィブロネクチン(FN)は、血漿、細胞
外マトリックス及び培養細胞表面に存在する細胞接着性
の糖タンパク質で、コラーゲン(ゼラチン)、ヘパリ
ン、フィブリン及びインテグリンなどの生体高分子に結
合し、細胞接着、組織構築及び組織損傷の修復などの生
物学的作用を持つことが知られている(Ruoslahti、Annu
al Review of Biochemistry 、第57巻、第375〜4
13頁(1988))。
外マトリックス及び培養細胞表面に存在する細胞接着性
の糖タンパク質で、コラーゲン(ゼラチン)、ヘパリ
ン、フィブリン及びインテグリンなどの生体高分子に結
合し、細胞接着、組織構築及び組織損傷の修復などの生
物学的作用を持つことが知られている(Ruoslahti、Annu
al Review of Biochemistry 、第57巻、第375〜4
13頁(1988))。
【0036】FN由来のポリペプチドのコラーゲン結合
活性は、ハイブリッドポリペプチドにおいても強固で非
常に安定である。そして、コラーゲンに結合後、結合を
保持したままかまたは徐放されて血管新生調節活性を示
す新規のバイオマテリアルである血管新生調節因子複合
化コラーゲンを完成することが可能となった。
活性は、ハイブリッドポリペプチドにおいても強固で非
常に安定である。そして、コラーゲンに結合後、結合を
保持したままかまたは徐放されて血管新生調節活性を示
す新規のバイオマテリアルである血管新生調節因子複合
化コラーゲンを完成することが可能となった。
【0037】さらに、本発明のコラーゲン結合性血管新
生調節因子は、そのコラーゲン結合性が血漿FNにより
競合阻害される性質を持ち、血漿への暴露、その添加ま
たは共存下ではコラーゲンからの放出が起こり、血漿の
不足した、即ち液性因子(細胞成長因子サイトカインお
よび酵素)の飢餓状態にある部位ではコラーゲンに保持
される特徴を持つのである。したがってコラーゲン結合
性血管新生調節因子の作製において、コラーゲン結合性
ポリペプチド部分としてFN由来のコラーゲン結合性ポ
リペプチドを用いたことが本発明の完成の鍵になってい
る。
生調節因子は、そのコラーゲン結合性が血漿FNにより
競合阻害される性質を持ち、血漿への暴露、その添加ま
たは共存下ではコラーゲンからの放出が起こり、血漿の
不足した、即ち液性因子(細胞成長因子サイトカインお
よび酵素)の飢餓状態にある部位ではコラーゲンに保持
される特徴を持つのである。したがってコラーゲン結合
性血管新生調節因子の作製において、コラーゲン結合性
ポリペプチド部分としてFN由来のコラーゲン結合性ポ
リペプチドを用いたことが本発明の完成の鍵になってい
る。
【0038】現在、組換えDNA技術、遺伝子工学の技
術によれば、FN由来のどの部分のポリペプチドの遺伝
子でも血管新生調節因子の遺伝子との融合遺伝子を作製
することが原理的には可能である。しかしながら、コラ
ーゲン結合性および血管新生調節活性を維持したままハ
イブリッドポリペプチド( 融合タンパク質) を作製する
には、適切なコラーゲン結合性ポリペプチド配列の選択
が必要である。この配列の選択も本発明の一つである。
術によれば、FN由来のどの部分のポリペプチドの遺伝
子でも血管新生調節因子の遺伝子との融合遺伝子を作製
することが原理的には可能である。しかしながら、コラ
ーゲン結合性および血管新生調節活性を維持したままハ
イブリッドポリペプチド( 融合タンパク質) を作製する
には、適切なコラーゲン結合性ポリペプチド配列の選択
が必要である。この配列の選択も本発明の一つである。
【0039】<FN由来のポリペプチド(FNCBD)
>すなわち本発明を構成するFN由来のポリペプチドと
は、FN由来のコラーゲン結合性ポリペプチドであり、
FNの自然分解またはプロテアーゼ分解により得られ
る。好ましくはプロテアーゼによる限定分解で得られ
る。このFNのコラーゲン結合性ポリペプチドは、FN
のアミノ末端から約28kDaの位置から約75kDa
までの間に位置する。
>すなわち本発明を構成するFN由来のポリペプチドと
は、FN由来のコラーゲン結合性ポリペプチドであり、
FNの自然分解またはプロテアーゼ分解により得られ
る。好ましくはプロテアーゼによる限定分解で得られ
る。このFNのコラーゲン結合性ポリペプチドは、FN
のアミノ末端から約28kDaの位置から約75kDa
までの間に位置する。
【0040】具体的に、上記FN由来のポリペプチド
は、コラーゲンおよび/またはゼラチンに対して結合活
性を有するFN由来のコラーゲン結合性ドメインを構成
するポリペプチドを構成するアミノ酸配列と、全て相同
であるかまたは1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置
換、挿入もしくは付加された配列であることが好まし
い。なお本発明において、欠失、置換、挿入もしくは付
加される数個のアミノ酸とは、連続した3個以下のアミ
ノ酸であることが望ましい。
は、コラーゲンおよび/またはゼラチンに対して結合活
性を有するFN由来のコラーゲン結合性ドメインを構成
するポリペプチドを構成するアミノ酸配列と、全て相同
であるかまたは1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置
換、挿入もしくは付加された配列であることが好まし
い。なお本発明において、欠失、置換、挿入もしくは付
加される数個のアミノ酸とは、連続した3個以下のアミ
ノ酸であることが望ましい。
【0041】上記プロテアーゼとしては、好ましくはト
リプシン、キモトリプシン、サーモリシン、プラスミ
ン、トロンビン、カテプシンD、カテプシンG、ペプシ
ン、ズブチリシン、キマーゼ、白血球エラスターゼ、ま
たはE. coli 由来のプロテアーゼなどが挙げられ、これ
らのいずれか或いは2種以上組合わせが挙げられる。こ
れらのうちでも、プラスミンとキモトリプシンとを併用
することが好ましい。FNは、ヒトFNが好ましいが、
他の動物種のFNでもよい。
リプシン、キモトリプシン、サーモリシン、プラスミ
ン、トロンビン、カテプシンD、カテプシンG、ペプシ
ン、ズブチリシン、キマーゼ、白血球エラスターゼ、ま
たはE. coli 由来のプロテアーゼなどが挙げられ、これ
らのいずれか或いは2種以上組合わせが挙げられる。こ
れらのうちでも、プラスミンとキモトリプシンとを併用
することが好ましい。FNは、ヒトFNが好ましいが、
他の動物種のFNでもよい。
【0042】したがって本明細書において、FNのコラ
ーゲン結合性ドメインとは、実質的にFNのアミノ末端
から約28kDaの位置から約75kDaまでの間に位
置し、トリプシン、キモトリプシン、サーモリシン、プ
ラスミン、トロンビン、カテプシンD、カテプシンG、
ペプシン、ズブチリシン、キマーゼ、白血球エラスター
ゼ、またはE. coli 由来のプロテアーゼのいずれかまた
はそれらプロテアーゼの組み合わせのいずれかにより限
定分解されたFN由来のコラーゲン/ゼラチン結合性ポ
リペプチドを意味する。
ーゲン結合性ドメインとは、実質的にFNのアミノ末端
から約28kDaの位置から約75kDaまでの間に位
置し、トリプシン、キモトリプシン、サーモリシン、プ
ラスミン、トロンビン、カテプシンD、カテプシンG、
ペプシン、ズブチリシン、キマーゼ、白血球エラスター
ゼ、またはE. coli 由来のプロテアーゼのいずれかまた
はそれらプロテアーゼの組み合わせのいずれかにより限
定分解されたFN由来のコラーゲン/ゼラチン結合性ポ
リペプチドを意味する。
【0043】より具体的にはトリプシン、サーモリシン
またはズブチリシンの限定分解で得られる約30kDa
のコラーゲンまたはゼラチン結合性ポリペプチド、ある
いはプラスミンとキモトリプシンの限定分解、カテプシ
ンDとトロンビンの限定分解、白血球エラスターゼの限
定分解、サーモリシンの限定分解、またはキマーゼの限
定分解で得られるコラーゲンまたはゼラチン結合性の約
39〜45kDaのポリペプチドまたはプラスミンとキ
モトリプシンの限定分解で得られるヒトFNのAla260
からTrp599 までのポリペプチドなどである。
またはズブチリシンの限定分解で得られる約30kDa
のコラーゲンまたはゼラチン結合性ポリペプチド、ある
いはプラスミンとキモトリプシンの限定分解、カテプシ
ンDとトロンビンの限定分解、白血球エラスターゼの限
定分解、サーモリシンの限定分解、またはキマーゼの限
定分解で得られるコラーゲンまたはゼラチン結合性の約
39〜45kDaのポリペプチドまたはプラスミンとキ
モトリプシンの限定分解で得られるヒトFNのAla260
からTrp599 までのポリペプチドなどである。
【0044】上記のようなコラーゲン結合性FNポリペ
プチドの別の具体例として、たとえばヒトFNのAla
260 からTrp599 までのポリペプチドを構成するアミノ
酸配列あるいは、該配列と相同であるかまたはその一部
置換、欠失、挿入または付加体である配列が挙げられ
る。別の具体例として、本発明のヒトFN由来のポリペ
プチドとして、(1)ヒトFNのAla260 からTrp599
までのポリペプチドを構成するアミノ酸配列であるか、
該配列と相同であるか、またはそれらの一部欠失体また
は一部置換、欠失、挿入または付加体と同一の配列であ
り、かつカルボキシル末端がヒトFN由来のアミノ酸で
あるプロテアーゼ認識配列を有するもの、(2)ヒトF
NのAla260 からTrp599 までのポリペプチドを構成す
るアミノ酸配列の全てを含む配列であるか、該配列と相
同であるか、またはそれらの一部置換、欠失、挿入また
は付加体と同一の配列、(3)プロテアーゼによる限定
分解でヒトFNのAla260 からTrp599 までのポリペプ
チドから得られ、かつコラーゲン/ゼラチンに対して結
合活性を有するポリペプチドを構成するアミノ酸配列で
あるか、該配列と相同であるか、またはその一部置換、
欠失、挿入または付加体である配列が挙げられる。
プチドの別の具体例として、たとえばヒトFNのAla
260 からTrp599 までのポリペプチドを構成するアミノ
酸配列あるいは、該配列と相同であるかまたはその一部
置換、欠失、挿入または付加体である配列が挙げられ
る。別の具体例として、本発明のヒトFN由来のポリペ
プチドとして、(1)ヒトFNのAla260 からTrp599
までのポリペプチドを構成するアミノ酸配列であるか、
該配列と相同であるか、またはそれらの一部欠失体また
は一部置換、欠失、挿入または付加体と同一の配列であ
り、かつカルボキシル末端がヒトFN由来のアミノ酸で
あるプロテアーゼ認識配列を有するもの、(2)ヒトF
NのAla260 からTrp599 までのポリペプチドを構成す
るアミノ酸配列の全てを含む配列であるか、該配列と相
同であるか、またはそれらの一部置換、欠失、挿入また
は付加体と同一の配列、(3)プロテアーゼによる限定
分解でヒトFNのAla260 からTrp599 までのポリペプ
チドから得られ、かつコラーゲン/ゼラチンに対して結
合活性を有するポリペプチドを構成するアミノ酸配列で
あるか、該配列と相同であるか、またはその一部置換、
欠失、挿入または付加体である配列が挙げられる。
【0045】上記のようなFNポリペプチドをポリペプ
チドパートナーとするハイブリッドポリペプチドにおい
てゼラチン結合性が維持される事は、例えば本願実施例
で用いたヒト・FNのAla260 からTrp599 までのポリ
ペプチドと血管新生調節因子から成るハイブリッドポリ
ペプチドを上述のプロテアーゼで限定分解して得られる
ポリペプチドのゼラチン結合活性を調べることでも比較
的簡単に確認できる。またゼラチン結合性の程度は、高
濃度の塩たとえば2MNaCl存在下での結合の維持、
あるいは血漿FNとの競合阻害実験で調べることができ
る。
チドパートナーとするハイブリッドポリペプチドにおい
てゼラチン結合性が維持される事は、例えば本願実施例
で用いたヒト・FNのAla260 からTrp599 までのポリ
ペプチドと血管新生調節因子から成るハイブリッドポリ
ペプチドを上述のプロテアーゼで限定分解して得られる
ポリペプチドのゼラチン結合活性を調べることでも比較
的簡単に確認できる。またゼラチン結合性の程度は、高
濃度の塩たとえば2MNaCl存在下での結合の維持、
あるいは血漿FNとの競合阻害実験で調べることができ
る。
【0046】なお、プロテアーゼによる限定分解で得ら
れ、かつゼラチンに対して結合活性を有するFN由来の
ポリペプチドを構成するアミノ酸配列と相同であるアミ
ノ酸配列との僅かな相違ではハイブリッドポリペプチド
のコラーゲン結合活性を消失させない例もある得る。
れ、かつゼラチンに対して結合活性を有するFN由来の
ポリペプチドを構成するアミノ酸配列と相同であるアミ
ノ酸配列との僅かな相違ではハイブリッドポリペプチド
のコラーゲン結合活性を消失させない例もある得る。
【0047】ただし、ほとんどの場合、コラーゲン結合
性ドメインの全てまたは一部の配列を含んでいても、プ
ロテアーゼによる分解部位を全く無視して遺伝子工学的
手法でのみ得られるようなFN由来のアミノ酸配列を血
管新生調節因子に融合させて大腸菌で発現させたハイブ
リッドポリペプチドは、著しくコラーゲン結合活性の低
下を招く。
性ドメインの全てまたは一部の配列を含んでいても、プ
ロテアーゼによる分解部位を全く無視して遺伝子工学的
手法でのみ得られるようなFN由来のアミノ酸配列を血
管新生調節因子に融合させて大腸菌で発現させたハイブ
リッドポリペプチドは、著しくコラーゲン結合活性の低
下を招く。
【0048】従って、遺伝子工学的手法によりハイブリ
ッドのコラーゲン結合性血管新生調節因子を作製する場
合でも、FN由来のコラーゲン結合性ポリペプチドの配
列選択には、プロテアーゼによる限定分解で得られるゼ
ラチン結合性のポリペプチドと相同の配列を選択して作
製するのがよい。
ッドのコラーゲン結合性血管新生調節因子を作製する場
合でも、FN由来のコラーゲン結合性ポリペプチドの配
列選択には、プロテアーゼによる限定分解で得られるゼ
ラチン結合性のポリペプチドと相同の配列を選択して作
製するのがよい。
【0049】プロテアーゼによる切断部位は、例えばト
リプシンではアルギニンとリジンのC末端側、キモトリ
プシンではイソロイシン、ロイシン、フェニルアラニ
ン、チロシン、トリプトファンおよびスレオニンのC末
端側、サーモリシンではイソロイシン、ロイシン、バリ
ン、フェニルアラニン、メチオニンのC末端側、プラス
ミンではアルギニンとリジンのC末端側、トロンビンで
はアルギニンとグリシンの間、カテプシンDではリジ
ン、チロシン、フェニルアラニンおよびアルギニンのC
末端側、ペプシンではロイシン、フェニルアラニン、チ
ロシン、メチオニンのC末端側、白血球エラスターゼで
はグリシン、アラニンまたはバリンなどの側鎖の短いア
ミノ酸が2〜3個連続しているアミノ酸のC末端側、カ
テプシンGはロイシン、チロシン、ファニルアラニンの
C末端側、ズブチリシンはアラニンのC末端側などであ
る。
リプシンではアルギニンとリジンのC末端側、キモトリ
プシンではイソロイシン、ロイシン、フェニルアラニ
ン、チロシン、トリプトファンおよびスレオニンのC末
端側、サーモリシンではイソロイシン、ロイシン、バリ
ン、フェニルアラニン、メチオニンのC末端側、プラス
ミンではアルギニンとリジンのC末端側、トロンビンで
はアルギニンとグリシンの間、カテプシンDではリジ
ン、チロシン、フェニルアラニンおよびアルギニンのC
末端側、ペプシンではロイシン、フェニルアラニン、チ
ロシン、メチオニンのC末端側、白血球エラスターゼで
はグリシン、アラニンまたはバリンなどの側鎖の短いア
ミノ酸が2〜3個連続しているアミノ酸のC末端側、カ
テプシンGはロイシン、チロシン、ファニルアラニンの
C末端側、ズブチリシンはアラニンのC末端側などであ
る。
【0050】ただし、実際のFNの分解において、特に
限定分解においては、高次構造に依存して切断され易い
箇所と切断され難い部位があり、切断され易い箇所は限
定される。つまり、プロテアーゼの限定分解で得られる
コラーゲン/ゼラチン結合性のポリペプチドの種類は非
常に限られている。
限定分解においては、高次構造に依存して切断され易い
箇所と切断され難い部位があり、切断され易い箇所は限
定される。つまり、プロテアーゼの限定分解で得られる
コラーゲン/ゼラチン結合性のポリペプチドの種類は非
常に限られている。
【0051】従って、遺伝子工学的作製でコラーゲン結
合性ポリペプチド部分の区切りを選択する場合にもプロ
テアーゼで切断され易い部位を区切りとして選択するの
である。FNのプロテアーゼに切断されやすい部位及び
ゼラチン結合性は、文献または実際にFNをプロテアー
ゼで限定分解し、ゼラチンに結合するポリペプチドのア
ミノ末端、カルボキシル末端またはアミノ酸配列を決定
するなどでその部位を調べられる。この文献としては、
Ruoslahti ら、J. Biol. Chem.、第254 巻、第6054-605
9 頁 (1979) 、Balianら、J. Biol. Chem.、第254 巻、
第1429-32 頁、(1979)、Ruoslahti ら、J. Biol. Che
m.、第254 巻、第6054-6059 頁 (1979)、Hahnら、Proc.
Natl. Acad. Sci.、第76巻、第1160-1163 頁 (1979)
、Goldら、 Proc. Natl. Acad. Sci. U S A.、第76
巻、第4803-7頁、(1979)、Furie ら、J. Biol. Chem.
第255 巻、第4391-4頁、(1980)、Engvall ら、Coll.
Relat.Res. 、第1 巻、第505-516 頁(1981)、McDonald
ら、 J. Biol. Chem. 、第256巻、第5583-7頁(198
1)、Vartio Tら J. Biol. Chem. 第256 巻、第471-7
頁(1981)、De Petro Gら Proc. Natl. Acad. Sci. U
S A.第78巻、第4965-9頁(1981)、Ruoslahti ら、J. B
iol. Chem.、第256 巻、7277-81 頁(1981)、Vartioら
Eur. J. Biochem.第123 巻、第223-33頁、(1982)、Pe
tersenら、Proc. Natl. Acad. Sci.、第80巻、第137-14
1 頁 (1983) 、Skorstengaard ら、Eur. J. Biochem.、
第 140巻、第235-243 頁 (1984) 、Zardi ら、Eur. J.
Biochem.、第146 巻、第571-579 頁(1985)、Skorstenga
ard ら、 Eur. J. Biochem. 、第161 巻、第 441-453頁
(1986) 等を利用することができる。
合性ポリペプチド部分の区切りを選択する場合にもプロ
テアーゼで切断され易い部位を区切りとして選択するの
である。FNのプロテアーゼに切断されやすい部位及び
ゼラチン結合性は、文献または実際にFNをプロテアー
ゼで限定分解し、ゼラチンに結合するポリペプチドのア
ミノ末端、カルボキシル末端またはアミノ酸配列を決定
するなどでその部位を調べられる。この文献としては、
Ruoslahti ら、J. Biol. Chem.、第254 巻、第6054-605
9 頁 (1979) 、Balianら、J. Biol. Chem.、第254 巻、
第1429-32 頁、(1979)、Ruoslahti ら、J. Biol. Che
m.、第254 巻、第6054-6059 頁 (1979)、Hahnら、Proc.
Natl. Acad. Sci.、第76巻、第1160-1163 頁 (1979)
、Goldら、 Proc. Natl. Acad. Sci. U S A.、第76
巻、第4803-7頁、(1979)、Furie ら、J. Biol. Chem.
第255 巻、第4391-4頁、(1980)、Engvall ら、Coll.
Relat.Res. 、第1 巻、第505-516 頁(1981)、McDonald
ら、 J. Biol. Chem. 、第256巻、第5583-7頁(198
1)、Vartio Tら J. Biol. Chem. 第256 巻、第471-7
頁(1981)、De Petro Gら Proc. Natl. Acad. Sci. U
S A.第78巻、第4965-9頁(1981)、Ruoslahti ら、J. B
iol. Chem.、第256 巻、7277-81 頁(1981)、Vartioら
Eur. J. Biochem.第123 巻、第223-33頁、(1982)、Pe
tersenら、Proc. Natl. Acad. Sci.、第80巻、第137-14
1 頁 (1983) 、Skorstengaard ら、Eur. J. Biochem.、
第 140巻、第235-243 頁 (1984) 、Zardi ら、Eur. J.
Biochem.、第146 巻、第571-579 頁(1985)、Skorstenga
ard ら、 Eur. J. Biochem. 、第161 巻、第 441-453頁
(1986) 等を利用することができる。
【0052】なお現在まで、FN由来のコラーゲン結合
性ポリペプチドを同定する研究が多くの研究者によって
なされたが、各研究者の報告で対立があり、いまだに不
明な点が多く残されている(Owens ら、EMBO J、第5
巻、第2825〜2830頁(1986)、Inghamら、J. Biol. Che
m 、第264 巻、第16977 〜16980 頁(1989)、Litvinov
ich ら、J. Mol. Biol、第217 巻、第563 〜575 頁(19
91)、Banyaiら、Eur. J. Biochem 、第193 巻、第801
〜806 頁(1990)、Skorstengaard ら、FEBS letters、
第343 巻、第47〜50頁(1994)、Shimizu ら、Biochimi
ca et BiophysicaActa 、第1339巻、第53〜61
頁(1997)) 。本発明者らによれば、それらの報告の不
一致は遺伝子工学的に産生されたポリペプチドとプロテ
アーゼ処理で得られたポリペプチドを同様に考えて議論
しているので生じると判断される。
性ポリペプチドを同定する研究が多くの研究者によって
なされたが、各研究者の報告で対立があり、いまだに不
明な点が多く残されている(Owens ら、EMBO J、第5
巻、第2825〜2830頁(1986)、Inghamら、J. Biol. Che
m 、第264 巻、第16977 〜16980 頁(1989)、Litvinov
ich ら、J. Mol. Biol、第217 巻、第563 〜575 頁(19
91)、Banyaiら、Eur. J. Biochem 、第193 巻、第801
〜806 頁(1990)、Skorstengaard ら、FEBS letters、
第343 巻、第47〜50頁(1994)、Shimizu ら、Biochimi
ca et BiophysicaActa 、第1339巻、第53〜61
頁(1997)) 。本発明者らによれば、それらの報告の不
一致は遺伝子工学的に産生されたポリペプチドとプロテ
アーゼ処理で得られたポリペプチドを同様に考えて議論
しているので生じると判断される。
【0053】遺伝子工学的にFN由来のポリペプチドを
産生する際、不適切な部位で配列を区切り、さらに精製
タッグを付加する事は、本来コラーゲン結合性を有する
領域でもその活性を消失または低下させる原因となって
いる。特にハイブリッドポリペプチド中においては、F
N由来のポリペプチド単体でコラーゲン/ゼラチン結合
性を有していてもその結合性が維持されない場合が多
い。すなわち、本来の高次構造をゆがめる原因になり、
機能しなくなるのである。
産生する際、不適切な部位で配列を区切り、さらに精製
タッグを付加する事は、本来コラーゲン結合性を有する
領域でもその活性を消失または低下させる原因となって
いる。特にハイブリッドポリペプチド中においては、F
N由来のポリペプチド単体でコラーゲン/ゼラチン結合
性を有していてもその結合性が維持されない場合が多
い。すなわち、本来の高次構造をゆがめる原因になり、
機能しなくなるのである。
【0054】本発明のコラーゲン結合性血管新生調節因
子は、上述したような適切な部位で配列を区切り、かつ
精製タッグを付加しないFNのコラーゲン結合性ポリペ
プチドを血管新生調節因子に融合させて作製する。本発
明のコラーゲン結合性血管新生調節因子は、E. coli で
生産された組換えハイブリッドポリペプチドとして、F
Nのコラーゲン/ゼラチン結合性によりゼラチンセファ
ロースに結合し、容易にアフィニティー精製可能であ
り、血管新生調節因子に由来する血管新生調節活性も良
好に維持している。なお、本発明はハイブリッドポリペ
プチドの生産、精製のみならず、特異配列認識プロテア
ーゼなどを併用した血管新生調節因子の生産、精製シス
テムとしても適用可能である。
子は、上述したような適切な部位で配列を区切り、かつ
精製タッグを付加しないFNのコラーゲン結合性ポリペ
プチドを血管新生調節因子に融合させて作製する。本発
明のコラーゲン結合性血管新生調節因子は、E. coli で
生産された組換えハイブリッドポリペプチドとして、F
Nのコラーゲン/ゼラチン結合性によりゼラチンセファ
ロースに結合し、容易にアフィニティー精製可能であ
り、血管新生調節因子に由来する血管新生調節活性も良
好に維持している。なお、本発明はハイブリッドポリペ
プチドの生産、精製のみならず、特異配列認識プロテア
ーゼなどを併用した血管新生調節因子の生産、精製シス
テムとしても適用可能である。
【0055】なおコラーゲン結合性ポリペプチドの配列
としては、FNに由来するもの以外では、マトリックス
メタロプロテアーゼであるコラゲナーゼ及びゼラチナー
ゼ並びに細胞外マトリックスではフォンビルブランド因
子、デコリン、ビグリカン、フィブロモジュリン、ルミ
カン、オステオネクチン、ヴィトロネクチン、トロンボ
スポンジン等に由来する配列などが報告されている。し
かしながら、上述の細菌のコラゲナーゼまたはフォンビ
ルブランド因子由来のコラーゲン結合性ポリペプチドを
選択した試みも含め本発明と同等の機能を持ったハイブ
リッドポリペプチドは報告されていない。
としては、FNに由来するもの以外では、マトリックス
メタロプロテアーゼであるコラゲナーゼ及びゼラチナー
ゼ並びに細胞外マトリックスではフォンビルブランド因
子、デコリン、ビグリカン、フィブロモジュリン、ルミ
カン、オステオネクチン、ヴィトロネクチン、トロンボ
スポンジン等に由来する配列などが報告されている。し
かしながら、上述の細菌のコラゲナーゼまたはフォンビ
ルブランド因子由来のコラーゲン結合性ポリペプチドを
選択した試みも含め本発明と同等の機能を持ったハイブ
リッドポリペプチドは報告されていない。
【0056】本発明では、ヒト・FNのCys277からSer
577までのアミノ酸配列で構成されるポリペプチド(特
開昭62-89699号公報記載の配列)の全てを含んでいなく
てもコラーゲン結合性血管新生調節因子のFN由来のポ
リペプチドとして適切であるアミノ酸配列の例を挙げる
ことができる。
577までのアミノ酸配列で構成されるポリペプチド(特
開昭62-89699号公報記載の配列)の全てを含んでいなく
てもコラーゲン結合性血管新生調節因子のFN由来のポ
リペプチドとして適切であるアミノ酸配列の例を挙げる
ことができる。
【0057】具体的には、プラスミン、キモトリプシン
とペプシンの限定分解で得られるヒト・FNのAla260か
らLeu376までのアミノ酸配列で構成されるポリペプチ
ド、プラスミン、キモトリプシンとペプシンの限定分解
で得られるヒト・FNのAla 260 からLeu483までのアミ
ノ酸配列で構成されるポリペプチド、トリプシンの限定
分解で得られるヒト・FNのAla260からArg484までのア
ミノ酸配列で構成されるポリペプチド、プラスミン、キ
モトリプシンとペプシンの限定分解で得られるヒト・F
NのAla377からLeu483までのアミノ酸配列で構成される
ポリペプチド、プラスミン、キモトリプシンとペプシン
との限定分解で得られるヒト・FNのVal377からTrp599
までのアミノ酸配列で構成されるポリペプチド、プラス
ミン、キモトリプシンとペプシンとの限定分解で得られ
るヒト・FNのLeu483からTrp599までのアミノ酸配列で
構成されるポリペプチド、トリプシンとキモトリプシン
との限定分解で得られるヒト・FNのArg484からTrp599
までのポリペプチドのアミノ酸配列である。
とペプシンの限定分解で得られるヒト・FNのAla260か
らLeu376までのアミノ酸配列で構成されるポリペプチ
ド、プラスミン、キモトリプシンとペプシンの限定分解
で得られるヒト・FNのAla 260 からLeu483までのアミ
ノ酸配列で構成されるポリペプチド、トリプシンの限定
分解で得られるヒト・FNのAla260からArg484までのア
ミノ酸配列で構成されるポリペプチド、プラスミン、キ
モトリプシンとペプシンの限定分解で得られるヒト・F
NのAla377からLeu483までのアミノ酸配列で構成される
ポリペプチド、プラスミン、キモトリプシンとペプシン
との限定分解で得られるヒト・FNのVal377からTrp599
までのアミノ酸配列で構成されるポリペプチド、プラス
ミン、キモトリプシンとペプシンとの限定分解で得られ
るヒト・FNのLeu483からTrp599までのアミノ酸配列で
構成されるポリペプチド、トリプシンとキモトリプシン
との限定分解で得られるヒト・FNのArg484からTrp599
までのポリペプチドのアミノ酸配列である。
【0058】またヒト・FNのCys277からSer577までの
アミノ酸配列で構成されるポリペプチド配列の全てを含
んでいてコラーゲン結合性血管新生調節因子のFN由来
のポリペプチドとして適切であるポリペプチド配列の例
を挙げることができ、具体的にプラスミンとキモトリプ
シンの限定分解で得られるヒト・FNのAla260からTrp
599までのポリペプチド、ズブチリシンとキモトリプシ
ンの限定分解で得られるヒト・FNのVal262からTrp599
までのポリペプチドのアミノ酸配列が挙げられる。
アミノ酸配列で構成されるポリペプチド配列の全てを含
んでいてコラーゲン結合性血管新生調節因子のFN由来
のポリペプチドとして適切であるポリペプチド配列の例
を挙げることができ、具体的にプラスミンとキモトリプ
シンの限定分解で得られるヒト・FNのAla260からTrp
599までのポリペプチド、ズブチリシンとキモトリプシ
ンの限定分解で得られるヒト・FNのVal262からTrp599
までのポリペプチドのアミノ酸配列が挙げられる。
【0059】なおヒト・FNのCys277からSer577までの
アミノ酸配列で構成されるポリペプチド配列の全てを含
んでいても、コラーゲン結合性血管新生調節因子のFN
由来のポリペプチドとしては、不適切なポリペプチドの
数は膨大であるが、たとえばヒト・FNのAsn220からSe
r577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのArg221からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのGly222からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのAsn223からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのLeu224からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのLeu225からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのGln226からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys227からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのIle228からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からCys1201 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からThr1202 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からPhe1203 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からAsp1204 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からAsn1205 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からLeu1206 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からSer1207 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からPro1208 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からGly1209 までのアミノ酸配列 などで構成されるポリペプチドが挙げられる。以上か
ら、特開昭62-89699号公報にコラーゲン結合性部分とし
て記載されたヒト・FNのCys277からSer577までのポリ
ペプチドのアミノ酸配列の全てを含むか、含まないかは
本発明のコラーゲン結合性血管新生調節因子のFN由来
のポリペプチドのアミノ酸配列の選択には重要でない。
アミノ酸配列で構成されるポリペプチド配列の全てを含
んでいても、コラーゲン結合性血管新生調節因子のFN
由来のポリペプチドとしては、不適切なポリペプチドの
数は膨大であるが、たとえばヒト・FNのAsn220からSe
r577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのArg221からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのGly222からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのAsn223からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのLeu224からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのLeu225からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのGln226からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys227からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのIle228からSer577までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からCys1201 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からThr1202 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からPhe1203 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からAsp1204 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からAsn1205 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からLeu1206 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からSer1207 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からPro1208 までのアミノ酸配列 ヒト・FNのCys277からGly1209 までのアミノ酸配列 などで構成されるポリペプチドが挙げられる。以上か
ら、特開昭62-89699号公報にコラーゲン結合性部分とし
て記載されたヒト・FNのCys277からSer577までのポリ
ペプチドのアミノ酸配列の全てを含むか、含まないかは
本発明のコラーゲン結合性血管新生調節因子のFN由来
のポリペプチドのアミノ酸配列の選択には重要でない。
【0060】またFN由来のポリペプチドとして適切な
場合あるいは不適切な場合のいずれもが、コラーゲン結
合能を有する連続部分として同公報に記載されたThr379
からVal445のアミノ酸配列を含んでおり、この連続部分
が本発明のコラーゲン結合性血管新生調節因子のFN由
来のポリペプチドとしての充分条件でもない。このThr
379からVal445までを含むThe374からAla479までのアミ
ノ酸配列で構成されるポリペプチドは単独でもコラーゲ
ン結合能が無いことが他の論文(Skorstengaardら)で
報告されていることは前述したとおりである。
場合あるいは不適切な場合のいずれもが、コラーゲン結
合能を有する連続部分として同公報に記載されたThr379
からVal445のアミノ酸配列を含んでおり、この連続部分
が本発明のコラーゲン結合性血管新生調節因子のFN由
来のポリペプチドとしての充分条件でもない。このThr
379からVal445までを含むThe374からAla479までのアミ
ノ酸配列で構成されるポリペプチドは単独でもコラーゲ
ン結合能が無いことが他の論文(Skorstengaardら)で
報告されていることは前述したとおりである。
【0061】なお前述したように過去の他の研究では、
コラーゲン結合性ポリペプチドと血管新生調節因子を含
むハイブリッドポリペプチドにおいて、コラーゲン結合
活性および血管新生調節活性の両方を維持することは困
難であった。特にこれらハイブリッドポリペプチドは、
コラーゲンに結合後、血管新生調節活性を示す事が実用
上重要になるが、従来これを十分には達成できなかっ
た。
コラーゲン結合性ポリペプチドと血管新生調節因子を含
むハイブリッドポリペプチドにおいて、コラーゲン結合
活性および血管新生調節活性の両方を維持することは困
難であった。特にこれらハイブリッドポリペプチドは、
コラーゲンに結合後、血管新生調節活性を示す事が実用
上重要になるが、従来これを十分には達成できなかっ
た。
【0062】<血管新生調節因子>本明細書で意味する
血管新生調節因子とは、血管新生促進活性または血管新
生阻害活性を有する血管新生促進因子または血管新生阻
害因子の総称である。血管新生促進因子は、塩基性繊維
芽細胞増殖因子及び酸性繊維芽細胞増殖因子などのFG
Fファミリー、血管内皮細胞増殖因子( VEGF11
0、121、165、189、206、−B、−C、−
D) 、IL−8、IL−4、PD−ECGF、HGF、
アンジオジェニン、EGFファミリーに属する細胞成長
因子(TGF−α、ヘパリン結合性EGF様成長因子、
EGF、アンフィレグリン、SDGF、ベータセルリ
ン)、PDGF、インテグリンαvβ3、アンジオポエ
チン−1、プレイオトロフィン、ミッドカイン、組織因
子、TNF−α(低濃度)、IGF、CYR61、HG
FのNK1ドメインおよびHGFのNK2ドメイン、エ
フリンB2、マトリックスメタロプロティナーゼ、G−
CSF、成長ホルモンなどである。血管新生阻害因子
は、エンドスタチン、アンジオスタチン、HGFのNK
4、トロンボモジュリン、IFN−α/INF−β、T
NF−α(高濃度)、TGF−β、IL−1、IL−1
2、IP−10、GRO−β、PF−4、コンドロモジ
ュリン、アンジオポエチン−2、TIMP−1,2、軟
骨細胞由来抑制因子、プロトロンビン(クリングル2)
などである。
血管新生調節因子とは、血管新生促進活性または血管新
生阻害活性を有する血管新生促進因子または血管新生阻
害因子の総称である。血管新生促進因子は、塩基性繊維
芽細胞増殖因子及び酸性繊維芽細胞増殖因子などのFG
Fファミリー、血管内皮細胞増殖因子( VEGF11
0、121、165、189、206、−B、−C、−
D) 、IL−8、IL−4、PD−ECGF、HGF、
アンジオジェニン、EGFファミリーに属する細胞成長
因子(TGF−α、ヘパリン結合性EGF様成長因子、
EGF、アンフィレグリン、SDGF、ベータセルリ
ン)、PDGF、インテグリンαvβ3、アンジオポエ
チン−1、プレイオトロフィン、ミッドカイン、組織因
子、TNF−α(低濃度)、IGF、CYR61、HG
FのNK1ドメインおよびHGFのNK2ドメイン、エ
フリンB2、マトリックスメタロプロティナーゼ、G−
CSF、成長ホルモンなどである。血管新生阻害因子
は、エンドスタチン、アンジオスタチン、HGFのNK
4、トロンボモジュリン、IFN−α/INF−β、T
NF−α(高濃度)、TGF−β、IL−1、IL−1
2、IP−10、GRO−β、PF−4、コンドロモジ
ュリン、アンジオポエチン−2、TIMP−1,2、軟
骨細胞由来抑制因子、プロトロンビン(クリングル2)
などである。
【0063】血管新生調節因子として、特にPDGFス
ーパーファミリーに属する細胞成長因子が挙げられる。
PDGFスーパーファミリーに属する細胞成長因子に
は、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮細胞増
殖因子(VEGF)および結合組織成長因子(CTG
F)がある。なおCTGFは、具体的にGrowth Factor
s,Mckay and Leigh edt. IRL Press(1993)に記載されて
いる。PDGFスーパーファミリーに属する細胞成長因
子のうちでも、VEGFが好適である。
ーパーファミリーに属する細胞成長因子が挙げられる。
PDGFスーパーファミリーに属する細胞成長因子に
は、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮細胞増
殖因子(VEGF)および結合組織成長因子(CTG
F)がある。なおCTGFは、具体的にGrowth Factor
s,Mckay and Leigh edt. IRL Press(1993)に記載されて
いる。PDGFスーパーファミリーに属する細胞成長因
子のうちでも、VEGFが好適である。
【0064】VEGFの活性にはダイマー(二量体)化
が必要であるが、ホモダイマーは酸に安定であり、糖鎖
を持つがレセプターへの結合や細胞増殖には影響しな
い。VEGFのレセプターは、flt-1 と kdr/flk-1 が
コードするタンパク質である。VEGFには4つのアイ
ソフォームが一般的には知られ、それぞれ、121(V
EGF121)、165(VEGF165)、189
(VEGF189)、206個(VEGF206)のア
ミノ酸配列からなり、VEGF165が最もよく研究さ
れている。特にVEGF121およびVEGF165が
好適である。
が必要であるが、ホモダイマーは酸に安定であり、糖鎖
を持つがレセプターへの結合や細胞増殖には影響しな
い。VEGFのレセプターは、flt-1 と kdr/flk-1 が
コードするタンパク質である。VEGFには4つのアイ
ソフォームが一般的には知られ、それぞれ、121(V
EGF121)、165(VEGF165)、189
(VEGF189)、206個(VEGF206)のア
ミノ酸配列からなり、VEGF165が最もよく研究さ
れている。特にVEGF121およびVEGF165が
好適である。
【0065】<血管新生調節活性>血管新生調節活性と
は、内皮細胞の増殖、遊走、プラスミノーゲンアクチベ
ータやコラゲナーゼなどのプロテアーゼ活性、血管様構
造形成およびin vivo での血管新生のいずれか一部、ま
たは全てを促進または阻害する活性を意味する。また本
明細書において、血管新生調節活性とは、上述した血管
新生調節因子由来の活性の一部または全てを意味し、本
質的に、血管新生の正負の調節に関わり、局所保持また
はターゲティングというデリバリーシステムの対象にな
るポリペプチドに対して血管新生調節因子と総称してい
る。
は、内皮細胞の増殖、遊走、プラスミノーゲンアクチベ
ータやコラゲナーゼなどのプロテアーゼ活性、血管様構
造形成およびin vivo での血管新生のいずれか一部、ま
たは全てを促進または阻害する活性を意味する。また本
明細書において、血管新生調節活性とは、上述した血管
新生調節因子由来の活性の一部または全てを意味し、本
質的に、血管新生の正負の調節に関わり、局所保持また
はターゲティングというデリバリーシステムの対象にな
るポリペプチドに対して血管新生調節因子と総称してい
る。
【0066】<ハイブリッドポリペプチド>本発明にお
けるフィブロネクチンコラーゲン結合性ドメイン(FN
CBD)と血管新生調節因子は、遺伝子工学的手法によ
り、血管新生調節因子がFNCBDのカルボキシル末端
側に連結されていることが望ましい。本発明のコラーゲ
ン結合性血管新生調節因子は水溶性である。またバクテ
リア好ましくはE.coliで工業的に生産することができ
る。したがって血管新生調節因子が該フィブロネクチン
由来のポリペプチドのカルボキシル末端に遺伝子工学的
手法により連結され、バクテリア好ましくはE.coliで産
生されることが望ましい。また酵母、昆虫細胞、動物細
胞で産生することも可能である。
けるフィブロネクチンコラーゲン結合性ドメイン(FN
CBD)と血管新生調節因子は、遺伝子工学的手法によ
り、血管新生調節因子がFNCBDのカルボキシル末端
側に連結されていることが望ましい。本発明のコラーゲ
ン結合性血管新生調節因子は水溶性である。またバクテ
リア好ましくはE.coliで工業的に生産することができ
る。したがって血管新生調節因子が該フィブロネクチン
由来のポリペプチドのカルボキシル末端に遺伝子工学的
手法により連結され、バクテリア好ましくはE.coliで産
生されることが望ましい。また酵母、昆虫細胞、動物細
胞で産生することも可能である。
【0067】例えば、FNのコラーゲン結合性ドメイン
のカルボキシル末端側に血管新生調節因子を連結させ、
血管新生調節因子のアミノ末端側にプロテアーゼ(例え
ばヒトの生体中に存在する)により切断され得る任意の
アミノ酸配列を挿入し、余分な配列を付加せずに血管新
生調節因子を遊離させることが可能である。詳しく説明
すると、多くのプロテアーゼは認識配列のカルボキシル
末端を切断するので、血管新生調節因子のアミノ末端に
プロテアーゼ認識配列を付加すると、プロテアーゼによ
る切断後は血管新生調節因子のアミノ末端には余分なア
ミノ酸配列が残らないのである。このプロテアーゼの認
識配列は新しく挿入するだけでなく、FNのコラーゲン
結合性ドメインのC末端側がプロテアーゼ認識配列及び
切断部位でもよい。従って、直接このカルボキシル末端
に血管新生調節因子を連結すれば全く人工的な配列の挿
入を含めないことも可能である。そして、この部位にお
ける切断後は、FNのコラーゲン結合性ドメイン及び血
管新生調節因子の両者ともに余分なアミノ酸配列は残存
しない。マトリクラインおよびジャクスタクライン活性
という固相からレセプターに結合して、細胞に血管新生
調節活性を及ぼす様式が可能な場合は、ハイブリッドポ
リペプチドのままでもレセプターに結合し血管新生調節
活性を示すことが可能かもしれない。一方、血管新生調
節因子がFNのコラーゲン結合性ドメインから切断さ
れ、液相に遊離する必要がある場合、上記方法は重要で
ある。
のカルボキシル末端側に血管新生調節因子を連結させ、
血管新生調節因子のアミノ末端側にプロテアーゼ(例え
ばヒトの生体中に存在する)により切断され得る任意の
アミノ酸配列を挿入し、余分な配列を付加せずに血管新
生調節因子を遊離させることが可能である。詳しく説明
すると、多くのプロテアーゼは認識配列のカルボキシル
末端を切断するので、血管新生調節因子のアミノ末端に
プロテアーゼ認識配列を付加すると、プロテアーゼによ
る切断後は血管新生調節因子のアミノ末端には余分なア
ミノ酸配列が残らないのである。このプロテアーゼの認
識配列は新しく挿入するだけでなく、FNのコラーゲン
結合性ドメインのC末端側がプロテアーゼ認識配列及び
切断部位でもよい。従って、直接このカルボキシル末端
に血管新生調節因子を連結すれば全く人工的な配列の挿
入を含めないことも可能である。そして、この部位にお
ける切断後は、FNのコラーゲン結合性ドメイン及び血
管新生調節因子の両者ともに余分なアミノ酸配列は残存
しない。マトリクラインおよびジャクスタクライン活性
という固相からレセプターに結合して、細胞に血管新生
調節活性を及ぼす様式が可能な場合は、ハイブリッドポ
リペプチドのままでもレセプターに結合し血管新生調節
活性を示すことが可能かもしれない。一方、血管新生調
節因子がFNのコラーゲン結合性ドメインから切断さ
れ、液相に遊離する必要がある場合、上記方法は重要で
ある。
【0068】上記のようにFNCBDと血管新生調節因
子とが連結された本発明のコラーゲン結合性血管新生調
節因子は、コラーゲンに対する結合活性及び血管新生調
節活性の両活性が維持されていることから、血管新生調
節因子をコラーゲンマトリックス中に安定に保持させる
ことが可能となり、血管新生調節活性を持続的に示すこ
とができる。
子とが連結された本発明のコラーゲン結合性血管新生調
節因子は、コラーゲンに対する結合活性及び血管新生調
節活性の両活性が維持されていることから、血管新生調
節因子をコラーゲンマトリックス中に安定に保持させる
ことが可能となり、血管新生調節活性を持続的に示すこ
とができる。
【0069】上記において、血管新生調節因子と該フィ
ブロネクチン由来のポリペプチドの連結部位にスペーサ
ーとしてアミノ酸またはポリペプチドが挿入されていて
もよい。この場合、該スペーサーと該スペーサー及びそ
の隣接配列とのいずれかがプロテアーゼ認識配列を含む
ものが好ましい。プロテアーゼ認識配列はエンテロキナ
ーゼ、血液凝固因子Xa、トロンビン、プレシジョン、
カリクレイン、GenenaseIまたはレニンが好ましい。ま
たプロテアーゼ認識配列はエンテロキナーゼの認識配列
であることがさらに好ましい。
ブロネクチン由来のポリペプチドの連結部位にスペーサ
ーとしてアミノ酸またはポリペプチドが挿入されていて
もよい。この場合、該スペーサーと該スペーサー及びそ
の隣接配列とのいずれかがプロテアーゼ認識配列を含む
ものが好ましい。プロテアーゼ認識配列はエンテロキナ
ーゼ、血液凝固因子Xa、トロンビン、プレシジョン、
カリクレイン、GenenaseIまたはレニンが好ましい。ま
たプロテアーゼ認識配列はエンテロキナーゼの認識配列
であることがさらに好ましい。
【0070】エンテロキナーゼ認識配列は、スペーサー
としてFNCBDとVEGF121又はVEGF165
との間の距離の調整やエンテロキナーゼによりFNCB
DからVEGF121又はVEGF165が遊離するた
めの役割を果たす。エンテロキナーゼは高等動物の十二
指腸粘膜、膵臓に存在するプロテアーゼである。従っ
て、エンテロキナーゼ認識配列は十二指腸粘膜、膵臓で
エンテロキナーゼにより認識、切断され、VEGF12
1又はVEGF165が遊離される。また、エンテロキ
ナーゼはDDDDK(Asp-Asp-Asp-Asp-Lys )という非
常に特異的配列を認識してK(Lys) のC末端側を切断す
る酵素であり、コラーゲン結合性血管新生調節因子の血
管新生調節活性を示すメカニズムを研究するために必要
な配列である。
としてFNCBDとVEGF121又はVEGF165
との間の距離の調整やエンテロキナーゼによりFNCB
DからVEGF121又はVEGF165が遊離するた
めの役割を果たす。エンテロキナーゼは高等動物の十二
指腸粘膜、膵臓に存在するプロテアーゼである。従っ
て、エンテロキナーゼ認識配列は十二指腸粘膜、膵臓で
エンテロキナーゼにより認識、切断され、VEGF12
1又はVEGF165が遊離される。また、エンテロキ
ナーゼはDDDDK(Asp-Asp-Asp-Asp-Lys )という非
常に特異的配列を認識してK(Lys) のC末端側を切断す
る酵素であり、コラーゲン結合性血管新生調節因子の血
管新生調節活性を示すメカニズムを研究するために必要
な配列である。
【0071】本発明のハイブリッドポリペプチドのコラ
ーゲン結合活性またはコラーゲン結合性は、FN由来の
ポリペプチドに依存したコラーゲンに対する結合性であ
り、血管新生調節因子に依存したコラーゲンへの結合で
はない。コラーゲン結合活性がFNに由来するかまたは
血管新生調節因子に由来するのかは天然のFNまたは血
管新生調節因子を用いた競合阻害実験で確認可能であ
る。
ーゲン結合活性またはコラーゲン結合性は、FN由来の
ポリペプチドに依存したコラーゲンに対する結合性であ
り、血管新生調節因子に依存したコラーゲンへの結合で
はない。コラーゲン結合活性がFNに由来するかまたは
血管新生調節因子に由来するのかは天然のFNまたは血
管新生調節因子を用いた競合阻害実験で確認可能であ
る。
【0072】本明細書で意味するコラーゲンまたはコラ
ーゲン由来のポリペプチドは、天然コラーゲン、未成熟
コラーゲン、アテロコラーゲン、またはゼラチン或いは
それらを構成するポリペプチドである。
ーゲン由来のポリペプチドは、天然コラーゲン、未成熟
コラーゲン、アテロコラーゲン、またはゼラチン或いは
それらを構成するポリペプチドである。
【0073】本発明のハイブリッドポリペプチドの一用
途として、上記コラーゲン結合性血管新生調節因子を含
む血管新生調節因子の局所維持剤、徐放剤、または血管
新生調節活性付与剤が提供される。またコラーゲンの分
解によるかまたは血管新生調節因子とFN由来のポリペ
プチドとの連結部位またはその近傍におけるプロテアー
ゼによる切断によって血管新生調節因子が徐放され、血
管新生調節活性がコントロールされるバイオマテリアル
が提供される。上記バイオマテリアルを用いて血管新生
調節活性を介した細胞、組織、臓器に、増殖、分化、再
生または物質産生を促進または阻害する方法を提供する
ことができる。
途として、上記コラーゲン結合性血管新生調節因子を含
む血管新生調節因子の局所維持剤、徐放剤、または血管
新生調節活性付与剤が提供される。またコラーゲンの分
解によるかまたは血管新生調節因子とFN由来のポリペ
プチドとの連結部位またはその近傍におけるプロテアー
ゼによる切断によって血管新生調節因子が徐放され、血
管新生調節活性がコントロールされるバイオマテリアル
が提供される。上記バイオマテリアルを用いて血管新生
調節活性を介した細胞、組織、臓器に、増殖、分化、再
生または物質産生を促進または阻害する方法を提供する
ことができる。
【0074】従って、例えば、閉塞性動脈硬化症、心筋
梗塞または狭心症に対して効果的な血管新生療法または
再狭窄防止を発揮させるためのVEGFなどの血管新生
促進因子の徐放性、局所保持またはターゲティングを狙
ったコラーゲン結合性血管新生調節因子及び血管新生調
節因子複合化コラーゲンマトリックスが提供される。心
臓や下肢など生体組織は多くの割合でコラーゲンから構
成されていて、あらゆる部位でコラーゲンは存在してい
るため、血管新生調節因子にコラーゲン結合性が備わっ
ていれば、投与した部位またはその近傍のコラーゲンに
結合し、局所濃度を高く維持し、有効性が高まる。それ
と同時に他部位へ拡散して生じる副作用を防ぐことにな
る。
梗塞または狭心症に対して効果的な血管新生療法または
再狭窄防止を発揮させるためのVEGFなどの血管新生
促進因子の徐放性、局所保持またはターゲティングを狙
ったコラーゲン結合性血管新生調節因子及び血管新生調
節因子複合化コラーゲンマトリックスが提供される。心
臓や下肢など生体組織は多くの割合でコラーゲンから構
成されていて、あらゆる部位でコラーゲンは存在してい
るため、血管新生調節因子にコラーゲン結合性が備わっ
ていれば、投与した部位またはその近傍のコラーゲンに
結合し、局所濃度を高く維持し、有効性が高まる。それ
と同時に他部位へ拡散して生じる副作用を防ぐことにな
る。
【0075】また本発明では、上記コラーゲン結合性血
管新生調節因子(ハイブリッドポリペプチド)を用いた
細胞増殖方法が提供される。すなわち本発明の血管新生
調節因子が細胞増殖因子であるハイブリッドポリペプチ
ドは、そのコラーゲン/ゼラチン結合性を利用してコラ
ーゲン/ゼラチンマトリックスに固定することができ、
細胞増殖因子は灌流される培養液で流出しないため、容
易に細胞増殖を行うことができる。
管新生調節因子(ハイブリッドポリペプチド)を用いた
細胞増殖方法が提供される。すなわち本発明の血管新生
調節因子が細胞増殖因子であるハイブリッドポリペプチ
ドは、そのコラーゲン/ゼラチン結合性を利用してコラ
ーゲン/ゼラチンマトリックスに固定することができ、
細胞増殖因子は灌流される培養液で流出しないため、容
易に細胞増殖を行うことができる。
【0076】本発明は、血管新生療法や再狭窄防止を目
的とするVEGFの例に限られず、血管新生調節活性を
持つ多くのポリペプチドに適用可能である。即ち、本発
明により、さまざまな血管新生調節因子の血管新生調節
活性が維持され、かつコラーゲンに対する結合活性が付
与されることで血管新生調節因子の徐放性、局所保持ま
たはターゲティングを狙ったコラーゲン結合性血管新生
調節因子が提供される。
的とするVEGFの例に限られず、血管新生調節活性を
持つ多くのポリペプチドに適用可能である。即ち、本発
明により、さまざまな血管新生調節因子の血管新生調節
活性が維持され、かつコラーゲンに対する結合活性が付
与されることで血管新生調節因子の徐放性、局所保持ま
たはターゲティングを狙ったコラーゲン結合性血管新生
調節因子が提供される。
【0077】また上記コラーゲン結合性血管新生調節因
子をコードする遺伝子、および該遺伝子を含有する組換
えベクター、該遺伝子を含有する形質転換体(動物細
胞、昆虫細胞、酵母、細菌)、または該遺伝子を含有す
るバクテリア好ましくはE. coli も提供される。さら
に、該コラーゲン結合性血管新生調節因子をコードする
遺伝子をレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴
ベクター等のウイルスベクターまたはリポソーム法等を
用いたベクターに組み込むことで遺伝子治療用ベクター
が提供され、さらに該ベクターが導入されることで該ポ
リペプチドまたは該遺伝子を含む細胞医薬が提供され
る。
子をコードする遺伝子、および該遺伝子を含有する組換
えベクター、該遺伝子を含有する形質転換体(動物細
胞、昆虫細胞、酵母、細菌)、または該遺伝子を含有す
るバクテリア好ましくはE. coli も提供される。さら
に、該コラーゲン結合性血管新生調節因子をコードする
遺伝子をレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴
ベクター等のウイルスベクターまたはリポソーム法等を
用いたベクターに組み込むことで遺伝子治療用ベクター
が提供され、さらに該ベクターが導入されることで該ポ
リペプチドまたは該遺伝子を含む細胞医薬が提供され
る。
【0078】該ポリペプチドをコラーゲンと複合化させ
ること血管新生調節因子複合化コラーゲンマトリックス
が提供され、医療分野で利用される新規な組織再生のバ
イオマテリアルとして有用である。すなわち本発明は、
人工組織、人工器官(血管、神経、耳、鼻、指、皮膚、
十二指腸などの腸管、胃、心臓、肝臓、膵臓、腎臓な
ど)を構築させるための足場と血管新生調節活性を兼ね
備えた血管新生調節因子複合化コラーゲンを含むバイオ
マテリアルを提供する。
ること血管新生調節因子複合化コラーゲンマトリックス
が提供され、医療分野で利用される新規な組織再生のバ
イオマテリアルとして有用である。すなわち本発明は、
人工組織、人工器官(血管、神経、耳、鼻、指、皮膚、
十二指腸などの腸管、胃、心臓、肝臓、膵臓、腎臓な
ど)を構築させるための足場と血管新生調節活性を兼ね
備えた血管新生調節因子複合化コラーゲンを含むバイオ
マテリアルを提供する。
【0079】以下に本発明の実施態様例について、より
詳細に説明する。ヒトFNのcDNA及びタンパク質の
一次構造は、各々 EMBL データバンク(EMBL DATA BANK
)及びThe EMBO Journal、第4巻、第7号、1755-1759
頁 (1985) に記載されている。
詳細に説明する。ヒトFNのcDNA及びタンパク質の
一次構造は、各々 EMBL データバンク(EMBL DATA BANK
)及びThe EMBO Journal、第4巻、第7号、1755-1759
頁 (1985) に記載されている。
【0080】まず、ヒトFNをプロテアーゼ(プラスミ
ンとキモトリプシン)で限定分解して得られるコラーゲ
ン/ゼラチン結合性ドメインのアミノ酸配列に相当する
配列をクローニングする。ヒトの細胞から抽出されたm
RNAを用いて逆転写反応を行い、得られたcDNAか
ら、PCR法(Polymerase Chain Reaction : Saiki
ら、Science 、第230巻、1350〜1354頁(1
985))によりヒトFNのコラーゲン結合性ドメイン
(FNCBD)に対応するcDNA部分が増幅される。
この際、PCRに用いられるセンスプライマーには5'
末端に制限酵素認識配列と開始コドン配列が、またアン
チセンスプライマーには5' 末端に制限酵素認識配列と
終始コドンが付加されている。
ンとキモトリプシン)で限定分解して得られるコラーゲ
ン/ゼラチン結合性ドメインのアミノ酸配列に相当する
配列をクローニングする。ヒトの細胞から抽出されたm
RNAを用いて逆転写反応を行い、得られたcDNAか
ら、PCR法(Polymerase Chain Reaction : Saiki
ら、Science 、第230巻、1350〜1354頁(1
985))によりヒトFNのコラーゲン結合性ドメイン
(FNCBD)に対応するcDNA部分が増幅される。
この際、PCRに用いられるセンスプライマーには5'
末端に制限酵素認識配列と開始コドン配列が、またアン
チセンスプライマーには5' 末端に制限酵素認識配列と
終始コドンが付加されている。
【0081】そして、FNCBDのcDNA断片がクロ
ーニングベクターpBlueScript SKに挿入され、プラスミ
ドpBS(FNCBD) が構築される。塩基配列確認後、こ
のcDNA断片が切り出され発現ベクター pTYB1に組み
込まれてプラスミドpTYB1(FNCBD) が構築される。
pTYB1(FNCBD) は、ヒトFNのAla260−Trp599(3
40アミノ酸残基)を発現するプラスミドであり、大腸
菌に導入されることによりコラーゲン結合性ポリペプチ
ドが調製される。
ーニングベクターpBlueScript SKに挿入され、プラスミ
ドpBS(FNCBD) が構築される。塩基配列確認後、こ
のcDNA断片が切り出され発現ベクター pTYB1に組み
込まれてプラスミドpTYB1(FNCBD) が構築される。
pTYB1(FNCBD) は、ヒトFNのAla260−Trp599(3
40アミノ酸残基)を発現するプラスミドであり、大腸
菌に導入されることによりコラーゲン結合性ポリペプチ
ドが調製される。
【0082】本発明で必要とされるFNCBDのcDN
Aとしては、プラスミドpBS(FNCBD) 由来のcDN
A断片が用いられるが、PCRプライマーの設計によ
り、cDNA断片の5' 末端には開始コドン配列が付加
されており、FNCBD翻訳領域のC末端に付加された
終止コドン直前にクローニングサイト、例えばXhoI
の認識配列が導入されている。これにより、FNCBD
のcDNAと血管新生調節因子のcDNAを連結させる
ことが可能である。
Aとしては、プラスミドpBS(FNCBD) 由来のcDN
A断片が用いられるが、PCRプライマーの設計によ
り、cDNA断片の5' 末端には開始コドン配列が付加
されており、FNCBD翻訳領域のC末端に付加された
終止コドン直前にクローニングサイト、例えばXhoI
の認識配列が導入されている。これにより、FNCBD
のcDNAと血管新生調節因子のcDNAを連結させる
ことが可能である。
【0083】本発明のポリペプチドは、FNCBDのc
DNAと血管新生調節因子のcDNAを連結し、遺伝子
工学的に発現させて調製される。本発明による機能性ポ
リペプチドは、例えば、ヒトFNをプロテアーゼ(プラ
スミンとキモトリプシン)で限定分解したときに得られ
る配列表配列番号4で表されるAla 260 −Trp 599 に相
当する340アミノ酸残基のポリペプチドを、配列表配
列番号8あるいは配列番号12で表されるヒトVEGF
121あるいはヒトVEGF165に各々結合させた人
工の機能性ポリペプチドである。即ち、該ポリペプチド
はFNCBDのcDNAにVEGF121またはヒトV
EGF165のcDNAが連結され、遺伝子工学的に調
製される。
DNAと血管新生調節因子のcDNAを連結し、遺伝子
工学的に発現させて調製される。本発明による機能性ポ
リペプチドは、例えば、ヒトFNをプロテアーゼ(プラ
スミンとキモトリプシン)で限定分解したときに得られ
る配列表配列番号4で表されるAla 260 −Trp 599 に相
当する340アミノ酸残基のポリペプチドを、配列表配
列番号8あるいは配列番号12で表されるヒトVEGF
121あるいはヒトVEGF165に各々結合させた人
工の機能性ポリペプチドである。即ち、該ポリペプチド
はFNCBDのcDNAにVEGF121またはヒトV
EGF165のcDNAが連結され、遺伝子工学的に調
製される。
【0084】配列表配列番号4のアミノ酸番号1はヒト
FNCBDを遺伝子工学的に発現させるための開始コド
ンに対応するMet 、アミノ酸番号2〜341はヒトFN
CBDのアミノ酸配列、アミノ酸番号342〜343は
血管新生調節因子のcDNAと連結するためのXhoI
認識配列由来のアミノ酸Leu 及びGlu である。但し、ハ
イブリッドポリペプチドではXhoI認識配列とSal
I認識配列の連結によりGlu は除かれる。
FNCBDを遺伝子工学的に発現させるための開始コド
ンに対応するMet 、アミノ酸番号2〜341はヒトFN
CBDのアミノ酸配列、アミノ酸番号342〜343は
血管新生調節因子のcDNAと連結するためのXhoI
認識配列由来のアミノ酸Leu 及びGlu である。但し、ハ
イブリッドポリペプチドではXhoI認識配列とSal
I認識配列の連結によりGlu は除かれる。
【0085】配列表配列番号8のアミノ酸番号1 はFN
CBDのcDNAとの連結するためのSalI認識配列
由来のAsp 、アミノ酸番号1〜5はエンテロキナーゼの
認識配列(Asp-Asp-Asp-Asp-Lys ;DDDDK) 、アミノ酸番
号6〜126はヒトVEGF121のアミノ酸配列であ
る。
CBDのcDNAとの連結するためのSalI認識配列
由来のAsp 、アミノ酸番号1〜5はエンテロキナーゼの
認識配列(Asp-Asp-Asp-Asp-Lys ;DDDDK) 、アミノ酸番
号6〜126はヒトVEGF121のアミノ酸配列であ
る。
【0086】配列表配列番号12のアミノ酸番号1はF
NCBDのcDNAと連結するためのSalI認識配列
由来のAsp 、アミノ酸番号1〜5はエンテロキナーゼの
認識配列(DDDDK)、アミノ酸番号6〜170 はヒトVEG
F165のアミノ酸配列である。
NCBDのcDNAと連結するためのSalI認識配列
由来のAsp 、アミノ酸番号1〜5はエンテロキナーゼの
認識配列(DDDDK)、アミノ酸番号6〜170 はヒトVEG
F165のアミノ酸配列である。
【0087】なお、ヒトFNのアミノ酸に付された肩数
字はEMBLデータバンク(EMBL DATABANK )中の成熟型ヒ
トFNのN末端から数えたアミノ酸残基数を示す。ま
た、配列表配列番号4で表されるヒトFNのAla260−Tr
p599に相当する340アミノ酸残基のポリペプチドは、
EMBL DATA BANK中のアミノ酸配列と2アミノ酸残基異な
り、人工的変異ではない。
字はEMBLデータバンク(EMBL DATABANK )中の成熟型ヒ
トFNのN末端から数えたアミノ酸残基数を示す。ま
た、配列表配列番号4で表されるヒトFNのAla260−Tr
p599に相当する340アミノ酸残基のポリペプチドは、
EMBL DATA BANK中のアミノ酸配列と2アミノ酸残基異な
り、人工的変異ではない。
【0088】ヒトVEGF121のcDNA及びタンパ
ク質の一次構造は、Weindel ら、(Biochemical and Bio
physical Research communications、第183 巻、第3
号、1167-1174 頁(1992))に記載されている。また、
ヒトVEGF165のcDNA及びタンパク質の一次構
造は、Leung ら(Science 、第246 巻、1306−1309頁
(1989))に記載されている。
ク質の一次構造は、Weindel ら、(Biochemical and Bio
physical Research communications、第183 巻、第3
号、1167-1174 頁(1992))に記載されている。また、
ヒトVEGF165のcDNA及びタンパク質の一次構
造は、Leung ら(Science 、第246 巻、1306−1309頁
(1989))に記載されている。
【0089】本発明では、ヒトのmRNAを用いて調製
したcDNAから、PCR法によりヒトVEGF121
及びヒトVEGF165のcDNAが増幅される。それ
ぞれのPCRには5' 末端に制限酵素認識配列とプロテ
アーゼ認識配列をコードする塩基配列が付加されたセン
スプライマーと5' 末端に制限酵素認識配列が付加され
たアンチセンスプライマーを用いた。次に、これらcD
NA断片をpBluescripSKに挿入して、pBS(VEGF12
1) ベクター及びpBS(VEGF165) ベクターが作成
される。
したcDNAから、PCR法によりヒトVEGF121
及びヒトVEGF165のcDNAが増幅される。それ
ぞれのPCRには5' 末端に制限酵素認識配列とプロテ
アーゼ認識配列をコードする塩基配列が付加されたセン
スプライマーと5' 末端に制限酵素認識配列が付加され
たアンチセンスプライマーを用いた。次に、これらcD
NA断片をpBluescripSKに挿入して、pBS(VEGF12
1) ベクター及びpBS(VEGF165) ベクターが作成
される。
【0090】前記したヒトFNCBDのc DNAをプラ
スミドpBS(VEGF121) あるいはpBS(VEGF16
5) のヒトVEGF121あるいはヒトVEGF165
の5′末端制限酵素認識配列に結合し、ヒトFNCBD
のC末端にヒトVEGF121またはヒトVEGF16
5の各々が連結しているcDNAを有するプラスミドpB
S(FNCBD−VEGF121) あるいはpBS(FNCB
D−VEGF165)が得られる。これらのプラスミド
から切り出された融合遺伝子断片を発現ベクターpTYB1
に挿入し、配列表配列番号14または配列番号16で表
されるポリペプチドを発現する組換体プラスミドpTYB1
(FNCBD−VEGF121) またはpTYB1(FNCB
D−VEGF165) が得られる。
スミドpBS(VEGF121) あるいはpBS(VEGF16
5) のヒトVEGF121あるいはヒトVEGF165
の5′末端制限酵素認識配列に結合し、ヒトFNCBD
のC末端にヒトVEGF121またはヒトVEGF16
5の各々が連結しているcDNAを有するプラスミドpB
S(FNCBD−VEGF121) あるいはpBS(FNCB
D−VEGF165)が得られる。これらのプラスミド
から切り出された融合遺伝子断片を発現ベクターpTYB1
に挿入し、配列表配列番号14または配列番号16で表
されるポリペプチドを発現する組換体プラスミドpTYB1
(FNCBD−VEGF121) またはpTYB1(FNCB
D−VEGF165) が得られる。
【0091】FNCBDのcDNAとVEGF121ま
たはVEGF165のcDNAとの連結部位にはPCR
プライマー由来の塩基配列が挿入されており、エンテロ
キナーゼ認識配列などをスペーサーペプチドとして発現
させることにより、FNCBDに対するVEGF121
またはヒトVEGF165の分子間距離の調整および/
またはプロテアーゼ認識配列の挿入が可能である。スペ
ーサー中のプロテアーゼ認識配列の有無、種類、ペプチ
ドの配列、長さは目的に応じて選択する。
たはVEGF165のcDNAとの連結部位にはPCR
プライマー由来の塩基配列が挿入されており、エンテロ
キナーゼ認識配列などをスペーサーペプチドとして発現
させることにより、FNCBDに対するVEGF121
またはヒトVEGF165の分子間距離の調整および/
またはプロテアーゼ認識配列の挿入が可能である。スペ
ーサー中のプロテアーゼ認識配列の有無、種類、ペプチ
ドの配列、長さは目的に応じて選択する。
【0092】配列表配列番号14はヒトFNCBDとヒ
トVEGF121のハイブリッドポリペプチドであり、
アミノ酸番号1は開始コドンに対応するMet 、アミノ酸
番号2〜341はヒトFNCBDのアミノ酸配列、アミ
ノ酸番号342〜343はヒトFNCBDのcDNAと
VEGF121のcDNAとの連結(XhoI認識配列
とSalI認識配列のライゲーション)により生じる塩
基配列がコードするLeu 及びAsp 、アミノ酸番号343
〜347はエンテロキナーゼの認識配列Asp-Asp-Asp-As
p-Lys (DDDDK)、アミノ酸番号348〜468はヒトV
EGF121のアミノ酸配列である。ただし、アミノ酸
番号1の開始コドンに対応するMet は、翻訳後、除かれ
る場合と除かれない場合がある。
トVEGF121のハイブリッドポリペプチドであり、
アミノ酸番号1は開始コドンに対応するMet 、アミノ酸
番号2〜341はヒトFNCBDのアミノ酸配列、アミ
ノ酸番号342〜343はヒトFNCBDのcDNAと
VEGF121のcDNAとの連結(XhoI認識配列
とSalI認識配列のライゲーション)により生じる塩
基配列がコードするLeu 及びAsp 、アミノ酸番号343
〜347はエンテロキナーゼの認識配列Asp-Asp-Asp-As
p-Lys (DDDDK)、アミノ酸番号348〜468はヒトV
EGF121のアミノ酸配列である。ただし、アミノ酸
番号1の開始コドンに対応するMet は、翻訳後、除かれ
る場合と除かれない場合がある。
【0093】配列表配列番号16はヒトFNCBDとヒ
トVEGF165のハイブリッドポリペプチドであり、
アミノ酸番号1 は開始コドンに対応するMet 、アミノ酸
番号2 〜341 はヒトFNCBDのアミノ酸配列、アミノ
酸番号342〜343はヒトFNCBDのcDNAとヒ
トVEGF165のcDNAとの連結(XhoIとSa
lIサイトのライゲーション)により生じる塩基配列が
コードするLeu 及びAsp 、アミノ酸番号343〜347
はエンテロキナーゼ認識配列(DDDDK)、アミノ酸番号3
48〜512はヒトVEGF165のアミノ酸配列であ
る。ただし、アミノ酸番号1の開始コドンに対応するMe
t は、翻訳後、除かれる場合と除かれない場合がある。
トVEGF165のハイブリッドポリペプチドであり、
アミノ酸番号1 は開始コドンに対応するMet 、アミノ酸
番号2 〜341 はヒトFNCBDのアミノ酸配列、アミノ
酸番号342〜343はヒトFNCBDのcDNAとヒ
トVEGF165のcDNAとの連結(XhoIとSa
lIサイトのライゲーション)により生じる塩基配列が
コードするLeu 及びAsp 、アミノ酸番号343〜347
はエンテロキナーゼ認識配列(DDDDK)、アミノ酸番号3
48〜512はヒトVEGF165のアミノ酸配列であ
る。ただし、アミノ酸番号1の開始コドンに対応するMe
t は、翻訳後、除かれる場合と除かれない場合がある。
【0094】上記の様に構築されたプラスミドpTYB1(F
NCBD) 、pTYB1(FNCBD−VEGF121) 及び
pTYB1(FNCBD−VEGF165) は各々大腸菌に導
入され、適当な条件下で培養されることにより、目的ポ
リペプチドが大腸菌内に蓄積される。発現の確認にはイ
ムノブロッティングが用いられる。即ち、組換え大腸菌
の全菌体タンパク質が SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動で分離され、ニトロセルロース膜転写後、FNC
BD、VEGF121及びヒトVEGF165の各々を
認識するモノクローナル抗体で目的ポリペプチドのバン
ドが検出される。
NCBD) 、pTYB1(FNCBD−VEGF121) 及び
pTYB1(FNCBD−VEGF165) は各々大腸菌に導
入され、適当な条件下で培養されることにより、目的ポ
リペプチドが大腸菌内に蓄積される。発現の確認にはイ
ムノブロッティングが用いられる。即ち、組換え大腸菌
の全菌体タンパク質が SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動で分離され、ニトロセルロース膜転写後、FNC
BD、VEGF121及びヒトVEGF165の各々を
認識するモノクローナル抗体で目的ポリペプチドのバン
ドが検出される。
【0095】本発明のポリペプチドは、例えば次のよう
に調製される。プラスミドが導入された組換え大腸菌は
SBブロス等の培地で培養され、IPTG(イソプロピル
−β−D−ガラクトシド)が添加される。これによって
導入された遺伝子の発現が誘導され、さらに培養してか
ら菌体が回収される。集められた菌体は超音波処理によ
って破砕される。そして、菌体破砕液から遠心分離して
回収される沈殿に目的ポリペプチドは封入体として得ら
れ、8M尿素により変性可溶化される。
に調製される。プラスミドが導入された組換え大腸菌は
SBブロス等の培地で培養され、IPTG(イソプロピル
−β−D−ガラクトシド)が添加される。これによって
導入された遺伝子の発現が誘導され、さらに培養してか
ら菌体が回収される。集められた菌体は超音波処理によ
って破砕される。そして、菌体破砕液から遠心分離して
回収される沈殿に目的ポリペプチドは封入体として得ら
れ、8M尿素により変性可溶化される。
【0096】次いで、尿素濃度を段階的に低下させなが
ら透析して、目的タンパク質が再活性化される(リフォ
ールディング処理)。以上のように調製される40kD
a、53.5kDa及び58.5kDaのポリペプチドは各々、
FNCBD、FNCBDとVEGF121とのハイブリ
ッドポリペプチド(FNCBD−VEGF121)及び
FNCBDとヒトVEGF165とのハイブリッドポリ
ペプチド(FNCBD−VEGF165)である。
ら透析して、目的タンパク質が再活性化される(リフォ
ールディング処理)。以上のように調製される40kD
a、53.5kDa及び58.5kDaのポリペプチドは各々、
FNCBD、FNCBDとVEGF121とのハイブリ
ッドポリペプチド(FNCBD−VEGF121)及び
FNCBDとヒトVEGF165とのハイブリッドポリ
ペプチド(FNCBD−VEGF165)である。
【0097】
【実施例】以下、本発明の実現性を実施例により具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。 (実施例1)ヒトFNCBDとヒトVEGF121との
ハイブリッドポリペプチド、及びヒトFNCBDとヒト
VEGF165とのハイブリッドポリペプチドの調製 (a)ヒトFNCBDをコードするcDNAのクローニ
ング ヒト腎臓の細胞から抽出したmRNAをテンプレートと
してプライマー(2)を用いてcDNAに逆転写し、プ
ライマー(1)及び(2)の1組のプライマーを用い
て、プラスミンとキモトリプシンで限定分解したときの
配列に相当するヒトFNCBDのcDNAをPCR増幅
させた(RT−PCR)。
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。 (実施例1)ヒトFNCBDとヒトVEGF121との
ハイブリッドポリペプチド、及びヒトFNCBDとヒト
VEGF165とのハイブリッドポリペプチドの調製 (a)ヒトFNCBDをコードするcDNAのクローニ
ング ヒト腎臓の細胞から抽出したmRNAをテンプレートと
してプライマー(2)を用いてcDNAに逆転写し、プ
ライマー(1)及び(2)の1組のプライマーを用い
て、プラスミンとキモトリプシンで限定分解したときの
配列に相当するヒトFNCBDのcDNAをPCR増幅
させた(RT−PCR)。
【0098】配列表配列番号1で表されるプライマー
(1)の塩基番号1 〜2は、PCR後のKpnI消化に
備えた隣接付加配列、塩基番号3〜8は、クローニング
用のKpnI認識配列、塩基番号7〜12は、NcoI認
識配列、塩基番号13〜14は、発現フレーム合わせの配
列、塩基番号15〜20は、NdeI認識配列、塩基番号18
〜20は、ヒトFNCBDを発現させるための開始コドン
配列、塩基番号21〜49は、ヒトFNCBDの塩基配列で
ある。
(1)の塩基番号1 〜2は、PCR後のKpnI消化に
備えた隣接付加配列、塩基番号3〜8は、クローニング
用のKpnI認識配列、塩基番号7〜12は、NcoI認
識配列、塩基番号13〜14は、発現フレーム合わせの配
列、塩基番号15〜20は、NdeI認識配列、塩基番号18
〜20は、ヒトFNCBDを発現させるための開始コドン
配列、塩基番号21〜49は、ヒトFNCBDの塩基配列で
ある。
【0099】また、配列表配列番号2で表されるプライ
マー(2)の塩基番号1〜2は、PCR後のBamHI
消化に備えた隣接付加配列、塩基番号3〜8は、クロー
ニング用のBamHI認識配列、塩基番号9〜11は、終
止コドンのアンチセンス配列、塩基番号12〜17は、VE
GF121またはヒトVEGF165などの血管新生調
節因子のcDNAと連結させるためのXhoI認識配
列、塩基番号18〜46は、ヒトFNCBDのcDNAのア
ンチセンス配列である。
マー(2)の塩基番号1〜2は、PCR後のBamHI
消化に備えた隣接付加配列、塩基番号3〜8は、クロー
ニング用のBamHI認識配列、塩基番号9〜11は、終
止コドンのアンチセンス配列、塩基番号12〜17は、VE
GF121またはヒトVEGF165などの血管新生調
節因子のcDNAと連結させるためのXhoI認識配
列、塩基番号18〜46は、ヒトFNCBDのcDNAのア
ンチセンス配列である。
【0100】RT−PCRは、RNA LAPCR Kit (AMV) Ve
r.1.1 (宝酒造)を用いて、まずトータルRNA 0.8μ
gを20μlの反応液量で60℃で20分間逆転写し、
さらに99℃で5分間加温した。得られたcDNAをテ
ンプレートとしたPCR反応は、100μlの反応液量
で、94℃で1分間保持した後、94℃で30秒間→6
3℃で1分間→72℃で2分間の温度サイクルを12回
繰り返した。反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動
で解析した結果、約1kbp のDNA断片が認められた。
これは、ヒトFNCBDのcDNAに相当するサイズで
あった。
r.1.1 (宝酒造)を用いて、まずトータルRNA 0.8μ
gを20μlの反応液量で60℃で20分間逆転写し、
さらに99℃で5分間加温した。得られたcDNAをテ
ンプレートとしたPCR反応は、100μlの反応液量
で、94℃で1分間保持した後、94℃で30秒間→6
3℃で1分間→72℃で2分間の温度サイクルを12回
繰り返した。反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動
で解析した結果、約1kbp のDNA断片が認められた。
これは、ヒトFNCBDのcDNAに相当するサイズで
あった。
【0101】この増幅されたcDNA断片をKpnI及
びBamHIで消化後、KpnI及びBamHIで消化
したクローニングベクターpBluescriptSK に、25℃で
3分間、ライゲーションした(宝酒造製ライゲーション
キットVer.2を使用)。
びBamHIで消化後、KpnI及びBamHIで消化
したクローニングベクターpBluescriptSK に、25℃で
3分間、ライゲーションした(宝酒造製ライゲーション
キットVer.2を使用)。
【0102】塩基配列解析の結果、配列表配列番号3で
表されるcDNAが組み込まれたプラスミド得られ、こ
れをpBS(FNCBD) と命名した。配列表配列番号
3の塩基番号1〜6は、クローニング用のKpnI認識
配列、塩基番号5〜10は、NcoI認識配列、塩基番号
11〜12は、フレーム合わせの配列、塩基番号13〜18は、
NdeI認識配列、塩基番号16〜18は、ヒトFNCBD
を発現させるための開始コドン配列、塩基番号19〜1038
は、ヒトFNCBDのcDNAの塩基配列、塩基番号10
39〜1044は、VEGF121またはヒトVEGF165
などの血管新生調節因子のcDNAと連結させるための
XhoI認識配列、塩基番号1045〜1047は、終止コド
ン、塩基番号1048〜1053は、クローニング用のBamH
I認識配列である。なおFNCBDのcDNA配列は、
EMBLデータバンク(EMBL DATA BANK )に登録された
配列と5塩基異なっていたが、この相違はPCRによる
点変異に起因しないことは確認している。
表されるcDNAが組み込まれたプラスミド得られ、こ
れをpBS(FNCBD) と命名した。配列表配列番号
3の塩基番号1〜6は、クローニング用のKpnI認識
配列、塩基番号5〜10は、NcoI認識配列、塩基番号
11〜12は、フレーム合わせの配列、塩基番号13〜18は、
NdeI認識配列、塩基番号16〜18は、ヒトFNCBD
を発現させるための開始コドン配列、塩基番号19〜1038
は、ヒトFNCBDのcDNAの塩基配列、塩基番号10
39〜1044は、VEGF121またはヒトVEGF165
などの血管新生調節因子のcDNAと連結させるための
XhoI認識配列、塩基番号1045〜1047は、終止コド
ン、塩基番号1048〜1053は、クローニング用のBamH
I認識配列である。なおFNCBDのcDNA配列は、
EMBLデータバンク(EMBL DATA BANK )に登録された
配列と5塩基異なっていたが、この相違はPCRによる
点変異に起因しないことは確認している。
【0103】(b)ヒトVEGF121をコードするc
DNAのクローニング ヒト細胞より抽出したmRNAをテンプレートとしてプ
ライマー(4)を用いてcDNAに逆転写し、プライマ
ー(3)及び(4)の1組のプライマーを用いてヒトV
EGF121のcDNAをPCR増幅させた。配列表配
列番号5で表されるプライマー(3)の塩基番号1〜2
はPCR後のSalI消化に備えた隣接付加配列、塩基
番号3〜8はクローニング用及びFNCBDのcDNA
との連結用SalI認識配列、塩基番号6〜20はエンテ
ロキナーゼの認識配列(DDDDK)をコードした塩基配列、
塩基番号21〜44はヒトVEGF121のcDNAの塩基
配列である。
DNAのクローニング ヒト細胞より抽出したmRNAをテンプレートとしてプ
ライマー(4)を用いてcDNAに逆転写し、プライマ
ー(3)及び(4)の1組のプライマーを用いてヒトV
EGF121のcDNAをPCR増幅させた。配列表配
列番号5で表されるプライマー(3)の塩基番号1〜2
はPCR後のSalI消化に備えた隣接付加配列、塩基
番号3〜8はクローニング用及びFNCBDのcDNA
との連結用SalI認識配列、塩基番号6〜20はエンテ
ロキナーゼの認識配列(DDDDK)をコードした塩基配列、
塩基番号21〜44はヒトVEGF121のcDNAの塩基
配列である。
【0104】また配列表配列番号6で表されるプライマ
ー(4)の塩基番号1は、PCR後のEcoRI消化に
備えた隣接付加配列、塩基番号2〜7は、クローニング
用のEcoRI認識配列、塩基番号8〜10は、終止コド
ンのアンチセンス配列、塩基番号11〜31は、ヒトVEG
F121のcDNAのアンチセンス配列である。
ー(4)の塩基番号1は、PCR後のEcoRI消化に
備えた隣接付加配列、塩基番号2〜7は、クローニング
用のEcoRI認識配列、塩基番号8〜10は、終止コド
ンのアンチセンス配列、塩基番号11〜31は、ヒトVEG
F121のcDNAのアンチセンス配列である。
【0105】RT−PCRはRNA LAPCR Kit (AMV) Ver.
1.1 (宝酒造)を用い、まずテンプレートのトータルR
NA 1.0μgを反応液量20μlで、60℃で20分間
逆転写し、さらに99℃で5分間加熱した。PCR反応
は、cDNAを加えた100μlの反応液で、94℃で
2分間保持した後、94℃で30秒間→65℃で4分間
の温度サイクルを30回行った。反応液の1/10量をアガ
ロースゲル電気泳動で解析した結果、約390bpのD
NA断片が認められた。これはヒトVEGF121に相
当するサイズであった。
1.1 (宝酒造)を用い、まずテンプレートのトータルR
NA 1.0μgを反応液量20μlで、60℃で20分間
逆転写し、さらに99℃で5分間加熱した。PCR反応
は、cDNAを加えた100μlの反応液で、94℃で
2分間保持した後、94℃で30秒間→65℃で4分間
の温度サイクルを30回行った。反応液の1/10量をアガ
ロースゲル電気泳動で解析した結果、約390bpのD
NA断片が認められた。これはヒトVEGF121に相
当するサイズであった。
【0106】このcDNA断片をSalI及びEcoR
Iで消化後、SalI及びEcoRIで消化したpBlues
criptSK にライゲーションした。そして配列表配列番号
7で表されるcDNAが組み込まれたプラスミドを得て
pBS(VEGF121) と命名した。配列表配列番号
7の塩基番号1〜6は、クローニング用及びFNCBD
のcDNAとの連結用SalI認識配列、塩基番号4〜
18はエンテロキナーゼの認識配列(DDDDK)をコードする
塩基配列、塩基番号19〜381 はヒトVEGF121のc
DNAの塩基配列、塩基番号382 〜384 は終止コドン、
塩基番号385 〜390 はクローニング用のEcoRI認識
配列である。
Iで消化後、SalI及びEcoRIで消化したpBlues
criptSK にライゲーションした。そして配列表配列番号
7で表されるcDNAが組み込まれたプラスミドを得て
pBS(VEGF121) と命名した。配列表配列番号
7の塩基番号1〜6は、クローニング用及びFNCBD
のcDNAとの連結用SalI認識配列、塩基番号4〜
18はエンテロキナーゼの認識配列(DDDDK)をコードする
塩基配列、塩基番号19〜381 はヒトVEGF121のc
DNAの塩基配列、塩基番号382 〜384 は終止コドン、
塩基番号385 〜390 はクローニング用のEcoRI認識
配列である。
【0107】(c)ヒトVEGF165をコードするc
DNAのクローニング ヒト細胞より抽出したmRNAをテンプレートとしてプ
ライマー(6)を用いてcDNAに逆転写し、プライマ
ー(5)及び(6)の1組のプライマーを用いてヒトV
EGF165のcDNAをPCR増幅させた。配列表配
列番号9で表されるプライマー(5)の塩基番号1〜2
はPCR後のSalI消化に備えた隣接付加配列、塩基
番号3〜8はクローニング用及びFNCBDのcDNA
との連結用SalI認識配列、塩基番号6 〜20はエンテ
ロキナーゼの認識配列(DDDDK)をコードした塩基配列、
塩基番号21〜44はヒトVEGF165のcDNAの塩基
配列である。
DNAのクローニング ヒト細胞より抽出したmRNAをテンプレートとしてプ
ライマー(6)を用いてcDNAに逆転写し、プライマ
ー(5)及び(6)の1組のプライマーを用いてヒトV
EGF165のcDNAをPCR増幅させた。配列表配
列番号9で表されるプライマー(5)の塩基番号1〜2
はPCR後のSalI消化に備えた隣接付加配列、塩基
番号3〜8はクローニング用及びFNCBDのcDNA
との連結用SalI認識配列、塩基番号6 〜20はエンテ
ロキナーゼの認識配列(DDDDK)をコードした塩基配列、
塩基番号21〜44はヒトVEGF165のcDNAの塩基
配列である。
【0108】また、配列表配列番号10で表されるプラ
イマー(6)の塩基番号1はPCR後のEcoRI消化
に備えた隣接付加配列、塩基番号2〜7はクローニング
用のEcoRI認識配列、塩基番号8〜10は終止コドン
のアンチセンス配列、塩基番号11〜31は、ヒトVEGF
165のcDNAのアンチセンス配列である。
イマー(6)の塩基番号1はPCR後のEcoRI消化
に備えた隣接付加配列、塩基番号2〜7はクローニング
用のEcoRI認識配列、塩基番号8〜10は終止コドン
のアンチセンス配列、塩基番号11〜31は、ヒトVEGF
165のcDNAのアンチセンス配列である。
【0109】RT−PCRは、TaKaRa RNA LA PCRTM
Kit (AMV) Ver.1.1(宝酒造)を用い、まずテンプレー
トのトータルRNA 1.0μg を反応液量20μlで、6
0℃で30分間逆転写反応させ、99℃で5分間加熱し
た。PCR反応は、反応液量100μlで94℃で1分
間保持した後、94℃で30秒間→65℃で45秒間の
温度サイクルを30回行った。
Kit (AMV) Ver.1.1(宝酒造)を用い、まずテンプレー
トのトータルRNA 1.0μg を反応液量20μlで、6
0℃で30分間逆転写反応させ、99℃で5分間加熱し
た。PCR反応は、反応液量100μlで94℃で1分
間保持した後、94℃で30秒間→65℃で45秒間の
温度サイクルを30回行った。
【0110】反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動
で解析した結果、約520 bpのDNA断片が認められ
た。これは、ヒトVEGF165に相当するサイズであ
った。このDNA断片をSalI及びEcoRIで消化
後、SalI及びEcoRIで消化したpBluescriptSK
にライゲーションした。そして、配列表配列番号11で
表されるcDNAが組み込まれたプラスミドが得られ、
pBS(VEGF165) と命名した。
で解析した結果、約520 bpのDNA断片が認められ
た。これは、ヒトVEGF165に相当するサイズであ
った。このDNA断片をSalI及びEcoRIで消化
後、SalI及びEcoRIで消化したpBluescriptSK
にライゲーションした。そして、配列表配列番号11で
表されるcDNAが組み込まれたプラスミドが得られ、
pBS(VEGF165) と命名した。
【0111】配列表配列番号11の塩基番号1〜6はク
ローニング用及びFNCBDのcDNAとの連結用Sa
lI認識配列、塩基番号4〜18はエンテロキナーゼの認
識配列(DDDDK)をコードした塩基配列、塩基番号19〜51
3 はヒトVEGF165のcDNAの塩基配列、塩基番
号514 〜516 は終止コドン配列、塩基番号517 〜522 は
クローニング用のEcoRI認識配列である。
ローニング用及びFNCBDのcDNAとの連結用Sa
lI認識配列、塩基番号4〜18はエンテロキナーゼの認
識配列(DDDDK)をコードした塩基配列、塩基番号19〜51
3 はヒトVEGF165のcDNAの塩基配列、塩基番
号514 〜516 は終止コドン配列、塩基番号517 〜522 は
クローニング用のEcoRI認識配列である。
【0112】(d)ヒトFNCBD発現ベクターの調製 上記(a)で得られたプラスミドpBS(FNCBD)
を、NdeI及びNotI(NotI認識配列はpBlues
criptSK のマルチクローニングサイトに存在)で処理し
た。挿入されていたFNCBDのcDNA断片を切り出
し、発現ベクターであるpTYB1(New England BioL
ab) のNdeI−NotIサイトにライゲーションし
た。構築されたプラスミドをpTYB(FNCBD) と
命名した。
を、NdeI及びNotI(NotI認識配列はpBlues
criptSK のマルチクローニングサイトに存在)で処理し
た。挿入されていたFNCBDのcDNA断片を切り出
し、発現ベクターであるpTYB1(New England BioL
ab) のNdeI−NotIサイトにライゲーションし
た。構築されたプラスミドをpTYB(FNCBD) と
命名した。
【0113】(e)FNCBDとVEGF121とのハ
イブリッドポリペプチド発現ベクターの調製 上記(a)で得られたプラスミドpBS(FNCBD)
はKpnI及びXhoIで消化された。なお、EMBL DAT
A BANKに登録されたFNCBD配列にはXhoI認識配
列は存在しないがヒトのメサンギウム細胞RNAからR
T−PCRで得られたFNCBDのcDNA配列中には
XhoI認識配列が存在したので部分消化した。
イブリッドポリペプチド発現ベクターの調製 上記(a)で得られたプラスミドpBS(FNCBD)
はKpnI及びXhoIで消化された。なお、EMBL DAT
A BANKに登録されたFNCBD配列にはXhoI認識配
列は存在しないがヒトのメサンギウム細胞RNAからR
T−PCRで得られたFNCBDのcDNA配列中には
XhoI認識配列が存在したので部分消化した。
【0114】この処理により挿入されていたFNCBD
のcDNA断片が切り出され、上記(b)で得られたプ
ラスミドpBS(VEGF121) のKpnI−Sal
Iサイトにライゲーションされた。このように構築され
たプラスミドには、配列表配列番号13で表されるDN
Aが組み込まれており、このプラスミドをpBS(FN
CBD−VEGF121) と命名した。
のcDNA断片が切り出され、上記(b)で得られたプ
ラスミドpBS(VEGF121) のKpnI−Sal
Iサイトにライゲーションされた。このように構築され
たプラスミドには、配列表配列番号13で表されるDN
Aが組み込まれており、このプラスミドをpBS(FN
CBD−VEGF121) と命名した。
【0115】配列表配列番号13の塩基番号1〜6はク
ローニング用KpnI認識配列、塩基番号5〜10はNc
oI認識配列、塩基番号11〜12はフレーム合わせの配
列、塩基番号13〜18はNdeI認識配列、塩基番号16〜
18は開始コドン配列、塩基番号19〜1038はヒトFNCB
DのcDNA配列、塩基番号1039〜1044はXhoI認識
配列とSalI認識配列のライゲーションによって生じ
た塩基配列、塩基番号1042〜1056はエンテロキナーゼの
認識配列(DDDDK)をコードする塩基配列、塩基番号1057
〜1419はヒトVEGF121のcDNA配列、塩基番号
1420〜1422は終止コドン、塩基番号1423〜1428はクロー
ニング用のEcoRI認識配列である。
ローニング用KpnI認識配列、塩基番号5〜10はNc
oI認識配列、塩基番号11〜12はフレーム合わせの配
列、塩基番号13〜18はNdeI認識配列、塩基番号16〜
18は開始コドン配列、塩基番号19〜1038はヒトFNCB
DのcDNA配列、塩基番号1039〜1044はXhoI認識
配列とSalI認識配列のライゲーションによって生じ
た塩基配列、塩基番号1042〜1056はエンテロキナーゼの
認識配列(DDDDK)をコードする塩基配列、塩基番号1057
〜1419はヒトVEGF121のcDNA配列、塩基番号
1420〜1422は終止コドン、塩基番号1423〜1428はクロー
ニング用のEcoRI認識配列である。
【0116】pBS(FNCBD−VEGF121) に
挿入されていた融合遺伝子のDNA断片がNdeIとE
coRIで切り出され、この断片は発現ベクターである
pTYB1 のNdeI−EcoRIサイトにライゲーシ
ョンされた。このように構築されたプラスミドをpTY
B1(FNCBD−VEGF121) と命名した。
挿入されていた融合遺伝子のDNA断片がNdeIとE
coRIで切り出され、この断片は発現ベクターである
pTYB1 のNdeI−EcoRIサイトにライゲーシ
ョンされた。このように構築されたプラスミドをpTY
B1(FNCBD−VEGF121) と命名した。
【0117】(f)FNCBDとヒトVEGF165と
のハイブリッドポリペプチド発現ベクターの調製 上記(a)で得られたプラスミドpBS(FNCBD)
から、KpnI及びXhoI(部分消化)処理で、挿入
されていたFNCBDのDNA断片が切り出され、上記
(c)で得られたプラスミドpBS(ヒトVEGF16
5) のKpnI−SalIサイトにライゲーションされ
た。このように構築されたプラスミドには配列表配列番
号15で表されるDNAが組み込まれており、このプラ
スミドをpBS(FNCBD−VEGF165) と命名
した。
のハイブリッドポリペプチド発現ベクターの調製 上記(a)で得られたプラスミドpBS(FNCBD)
から、KpnI及びXhoI(部分消化)処理で、挿入
されていたFNCBDのDNA断片が切り出され、上記
(c)で得られたプラスミドpBS(ヒトVEGF16
5) のKpnI−SalIサイトにライゲーションされ
た。このように構築されたプラスミドには配列表配列番
号15で表されるDNAが組み込まれており、このプラ
スミドをpBS(FNCBD−VEGF165) と命名
した。
【0118】配列表配列番号15の塩基番号1〜6はク
ローニング用のKpnI認識配列、塩基番号5〜10はN
coI認識配列、塩基番号11〜12はフレーム合わせの配
列、塩基番号13〜18はNdeI認識配列、塩基番号16〜
18は開始コドン配列、塩基番号19〜1038はヒトFNCB
DのcDNA配列、塩基番号1039〜1044はXhoI認識
配列とSalI認識配列のライゲーションによって生じ
た塩基配列、塩基番号1042〜1056はエンテロキナーゼの
認識配列(DDDDK)をコードする塩基配列、塩基番号1057
〜1551はヒトVEGF165のcDNA配列、塩基番号
1552〜1554は終止コドン、塩基番号1555〜1560はクロー
ニング用のEcoRI認識配列である。
ローニング用のKpnI認識配列、塩基番号5〜10はN
coI認識配列、塩基番号11〜12はフレーム合わせの配
列、塩基番号13〜18はNdeI認識配列、塩基番号16〜
18は開始コドン配列、塩基番号19〜1038はヒトFNCB
DのcDNA配列、塩基番号1039〜1044はXhoI認識
配列とSalI認識配列のライゲーションによって生じ
た塩基配列、塩基番号1042〜1056はエンテロキナーゼの
認識配列(DDDDK)をコードする塩基配列、塩基番号1057
〜1551はヒトVEGF165のcDNA配列、塩基番号
1552〜1554は終止コドン、塩基番号1555〜1560はクロー
ニング用のEcoRI認識配列である。
【0119】pBS(FNCBD−VEGF165) に
挿入されていた融合遺伝子のDNA断片がNdeIとE
coRIで切り出され、発現ベクターであるpTYB1
のNdeI−EcoRIサイトにライゲーションされ
た。このように構築されたプラスミドをpTYB1(FNCB
D−ヒトVEGF165)と命名した。
挿入されていた融合遺伝子のDNA断片がNdeIとE
coRIで切り出され、発現ベクターであるpTYB1
のNdeI−EcoRIサイトにライゲーションされ
た。このように構築されたプラスミドをpTYB1(FNCB
D−ヒトVEGF165)と命名した。
【0120】(g)FNCBDとVEGF121とのハ
イブリッドポリペプチド及びFNCBDとVEGF16
5とのハイブリッドポリペプチドの発現の確認 pTYB1(FNCBD) 、pTYB1(FNCBD−VEGF12
1) 及びpTYB1(FNCBD−VEGF165) で大腸菌
株ER2566(New England BioLabs )を各々形質転換し
た。形質転換された大腸菌は、100μg/mlのアン
ピシリンを含むLB培地2mlで、一夜37℃で培養さ
れた。この前培養液0.02mlを100μg/mlの
アンピシリンを含むSB培地2mlに接種した。菌濁度
が0.5になるまで培養後、1mMになるようにIPT
G(イソプロピル−β−D−ガラクトシド)を添加し、
さらに37℃で2時間培養後集菌した。
イブリッドポリペプチド及びFNCBDとVEGF16
5とのハイブリッドポリペプチドの発現の確認 pTYB1(FNCBD) 、pTYB1(FNCBD−VEGF12
1) 及びpTYB1(FNCBD−VEGF165) で大腸菌
株ER2566(New England BioLabs )を各々形質転換し
た。形質転換された大腸菌は、100μg/mlのアン
ピシリンを含むLB培地2mlで、一夜37℃で培養さ
れた。この前培養液0.02mlを100μg/mlの
アンピシリンを含むSB培地2mlに接種した。菌濁度
が0.5になるまで培養後、1mMになるようにIPT
G(イソプロピル−β−D−ガラクトシド)を添加し、
さらに37℃で2時間培養後集菌した。
【0121】全菌体タンパク質をSDS−PAGE(1
2%ゲル)で展開した後、クマシー染色を行った。その
結果、染色ゲルにおいて、FNCBD、FNCBDとV
EGF121とのハイブリッドポリペプチド及びFNC
BDとVEGF165とのハイブリッドポリペプチドそ
れぞれの分子量に相当する40kDa、53.5kDa及び5
8.5kDaに各々のバンドが観察され、組換えポリペプ
チドの発現が確認された。
2%ゲル)で展開した後、クマシー染色を行った。その
結果、染色ゲルにおいて、FNCBD、FNCBDとV
EGF121とのハイブリッドポリペプチド及びFNC
BDとVEGF165とのハイブリッドポリペプチドそ
れぞれの分子量に相当する40kDa、53.5kDa及び5
8.5kDaに各々のバンドが観察され、組換えポリペプ
チドの発現が確認された。
【0122】別に、SDS−PAGE後のゲルをニトロ
セルロース膜に転写し、FNCBDを特異的に認識する
モノクローナル抗体(FNC4-4、宝酒造)、VEGF12
1及びヒトVEGF165を特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体を作用させた。
セルロース膜に転写し、FNCBDを特異的に認識する
モノクローナル抗体(FNC4-4、宝酒造)、VEGF12
1及びヒトVEGF165を特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体を作用させた。
【0123】その結果、40kDaのポリペプチドには抗
ヒトFNCBDモノクローナル抗体が反応し、53.5kD
aのポリペプチドには抗ヒトFNCBDモノクローナル
抗体及び抗ヒトVEGFモノクローナル抗体が反応し、
58.5kDaのポリペプチドには抗ヒトFNCBDモノク
ローナル抗体及び抗ヒトVEGFモノクローナル抗体が
反応することが確認された。従って、40kDaのポリ
ペプチドはヒトのFNCBD、53.5kDaのポリペプチ
ドはヒトFNCBDとヒトVEGF121とのハイブリ
ッドポリペプチド(FNCBD−VEGF121)、そ
して58.5kDaのポリペプチドはヒトFNCBDとヒト
VEGF165とのハイブリッドポリペプチド(FNC
BD−VEGF165)と考えられる。
ヒトFNCBDモノクローナル抗体が反応し、53.5kD
aのポリペプチドには抗ヒトFNCBDモノクローナル
抗体及び抗ヒトVEGFモノクローナル抗体が反応し、
58.5kDaのポリペプチドには抗ヒトFNCBDモノク
ローナル抗体及び抗ヒトVEGFモノクローナル抗体が
反応することが確認された。従って、40kDaのポリ
ペプチドはヒトのFNCBD、53.5kDaのポリペプチ
ドはヒトFNCBDとヒトVEGF121とのハイブリ
ッドポリペプチド(FNCBD−VEGF121)、そ
して58.5kDaのポリペプチドはヒトFNCBDとヒト
VEGF165とのハイブリッドポリペプチド(FNC
BD−VEGF165)と考えられる。
【0124】以上のようにプラスミドpTYB1(FNCB
D) 、pTYB1(FNCBD−VEGF121) 及び pTYB1
( FNCBD−VEGF165) で形質転換され、各々
のポリペプチドの発現が確認された大腸菌ER2566(Ne
w England BioLabs )を、各々、ER2566 [pTYB1(FN
CBD)]、ER2566 [pTYB1(FNCBD−VEGF12
1)]、ER2566 [pTYB1(FNCBD−VEGF165)]
と命名した。
D) 、pTYB1(FNCBD−VEGF121) 及び pTYB1
( FNCBD−VEGF165) で形質転換され、各々
のポリペプチドの発現が確認された大腸菌ER2566(Ne
w England BioLabs )を、各々、ER2566 [pTYB1(FN
CBD)]、ER2566 [pTYB1(FNCBD−VEGF12
1)]、ER2566 [pTYB1(FNCBD−VEGF165)]
と命名した。
【0125】(h)発現ポリペプチドの調製 上記(g)で得られた大腸菌を100μg/mlのアン
ピシリンを含むLB培地2mlで一夜37℃で前培養し
た。この前培養液0.2 mlを100μg/mlのアンピ
シリンを含むSB培地2mlに接種した。濁度2〜5で
IPTGを終濃度10μMになるように添加し、さらに
37℃で16時間培養した後、集菌した。
ピシリンを含むLB培地2mlで一夜37℃で前培養し
た。この前培養液0.2 mlを100μg/mlのアンピ
シリンを含むSB培地2mlに接種した。濁度2〜5で
IPTGを終濃度10μMになるように添加し、さらに
37℃で16時間培養した後、集菌した。
【0126】得られた菌体は2mlの超音波処理用緩衝
液[50mMトリス(Tris)−塩酸緩衝液pH 8.0 、50
mM塩化ナトリウム、1mMエチレンジアミン四酢酸(E
DTA)]で洗浄後、遠心分離して再び同緩衝液2mlに懸
濁し、超音波の15秒処理・15秒休止を氷冷で6回繰
り返して菌体を破砕した。
液[50mMトリス(Tris)−塩酸緩衝液pH 8.0 、50
mM塩化ナトリウム、1mMエチレンジアミン四酢酸(E
DTA)]で洗浄後、遠心分離して再び同緩衝液2mlに懸
濁し、超音波の15秒処理・15秒休止を氷冷で6回繰
り返して菌体を破砕した。
【0127】この懸濁液に終濃度1%になるようにトラ
イトンX-100(TritonX-100) を添加し、4℃、 5,000回
転/分で20分間遠心分離した。得られた沈査をさらに封
入体洗浄液[0.5%TritonX-100 、1mM EDTA ]で
3回洗浄した。遠心分離後、不溶画分を8M尿素溶液
[8M尿素、50mM Tris-塩酸緩衝液pH8.0、1
mMのEDTA]中に1時間室温で静置して溶解した。
次にこの溶解液を4℃、14,000回転/分で20分間遠心
分離し、上清を回収した。
イトンX-100(TritonX-100) を添加し、4℃、 5,000回
転/分で20分間遠心分離した。得られた沈査をさらに封
入体洗浄液[0.5%TritonX-100 、1mM EDTA ]で
3回洗浄した。遠心分離後、不溶画分を8M尿素溶液
[8M尿素、50mM Tris-塩酸緩衝液pH8.0、1
mMのEDTA]中に1時間室温で静置して溶解した。
次にこの溶解液を4℃、14,000回転/分で20分間遠心
分離し、上清を回収した。
【0128】上清は、4M尿素溶液、2M尿素溶液に対
して順次透析され、最後にゼラチン結合活性実験用とし
て超音波処理用緩衝液に対して透析された。
して順次透析され、最後にゼラチン結合活性実験用とし
て超音波処理用緩衝液に対して透析された。
【0129】透析後、4℃、14,000回転/分で20分間
遠心分離し、上清を可溶化組換えタンパク質サンプルと
した。得られたサンプルはSDS−PAGEにより、ア
ミノ酸配列から算出される40kDa、53.5kDa及び
58.5kDaの位置に各々のバンドが検出され、組換えタ
ンパク質であるポリペプチドが確認された。
遠心分離し、上清を可溶化組換えタンパク質サンプルと
した。得られたサンプルはSDS−PAGEにより、ア
ミノ酸配列から算出される40kDa、53.5kDa及び
58.5kDaの位置に各々のバンドが検出され、組換えタ
ンパク質であるポリペプチドが確認された。
【0130】(実施例2) <コラーゲン結合性の検討>実施例1で得られたFNC
BD−VEGF121及びFNCBD−VEGF165
を用いてコラーゲン結合活性を調べた。 (1) バッチ法 FNCBD−VEGF121及びFNCBD−VEGF
165のゼラチン(ゼラチンセファロース4B、アマシ
ャムファルマシアバイオテク) に対する結合活性はバッ
チ法によって調べた。組換えタンパク質サンプルとして
は、超音波処理用緩衝液に透析された約50μg/ml
のFNCBD−VEGF121及びFNCBD−VEG
F165を用いた。1.5mlのマイクロチューブに5
00μlのFNCBD−VEGF121またはFNCB
D−VEGF165と500μlのゼラチンセファロー
ス4B(超音波処理用緩衝液で2回洗浄後、50%(容
積/容積) 混濁液とした)を加え、4℃で1時間回転器
で混合した。5000回転/分で30秒遠心後、その上清を
回収した。次に沈査に超音波処理用緩衝液500μlを
加え4℃で1時間、回転器で混濁後、5,000 回転/分で
30秒遠心し、その上清を回収した。同様に、トリス緩
衝生理的食塩水、1M塩化ナトリウム溶液、2M塩化ナ
トリウム溶液で沈査を洗浄した。次に同様の操作で1M
尿素、2M尿素、4M尿素、8M尿素溶液で順次ゼラチ
ンセファロース4Bに結合しているタンパク質の溶出を
試みた。最後に、500μlのSDSバッファー中で9
0℃に加熱してゼラチンセファロース4Bに結合してい
るタンパク質を溶出させた。
BD−VEGF121及びFNCBD−VEGF165
を用いてコラーゲン結合活性を調べた。 (1) バッチ法 FNCBD−VEGF121及びFNCBD−VEGF
165のゼラチン(ゼラチンセファロース4B、アマシ
ャムファルマシアバイオテク) に対する結合活性はバッ
チ法によって調べた。組換えタンパク質サンプルとして
は、超音波処理用緩衝液に透析された約50μg/ml
のFNCBD−VEGF121及びFNCBD−VEG
F165を用いた。1.5mlのマイクロチューブに5
00μlのFNCBD−VEGF121またはFNCB
D−VEGF165と500μlのゼラチンセファロー
ス4B(超音波処理用緩衝液で2回洗浄後、50%(容
積/容積) 混濁液とした)を加え、4℃で1時間回転器
で混合した。5000回転/分で30秒遠心後、その上清を
回収した。次に沈査に超音波処理用緩衝液500μlを
加え4℃で1時間、回転器で混濁後、5,000 回転/分で
30秒遠心し、その上清を回収した。同様に、トリス緩
衝生理的食塩水、1M塩化ナトリウム溶液、2M塩化ナ
トリウム溶液で沈査を洗浄した。次に同様の操作で1M
尿素、2M尿素、4M尿素、8M尿素溶液で順次ゼラチ
ンセファロース4Bに結合しているタンパク質の溶出を
試みた。最後に、500μlのSDSバッファー中で9
0℃に加熱してゼラチンセファロース4Bに結合してい
るタンパク質を溶出させた。
【0131】クマシー染色後のゲルでは、ゼラチンとの
反応後の上清をアプライしたレーンにアミノ酸配列から
計算される53.5kDaまたは58.5kDaの付近にFNC
BD−VEGF121またはFNCBD−VEGF16
5のバンドが検出されず、FNCBD−VEGF12
1、FNCBD−VEGF165のゼラチンへの結合が
明らかになった。次いで、超音波処理用緩衝液、トリス
緩衝生理的食塩水、1M塩化ナトリウム溶液及び2M塩
化ナトリウム溶液による洗浄によってもバンドは検出さ
れず、これら溶液の洗浄では、FNCBD−VEGF1
21、FNCBD−VEGF165はゼラチンから溶出
しないことが明らかとなった。同様の操作で1M尿素、
2M尿素、4M尿素、8M尿素で溶出を試みた結果、1
M尿素、2M尿素では、ほとんどバンドは検出されず、
4M尿素、8M尿素で各々53.5kDaまたは58.
5kDaのバンドが検出された。90℃のSDSバッフ
ァーによる溶出でも、FNCBD−VEGF121、F
NCBD−VEGF165のバンドは検出された
反応後の上清をアプライしたレーンにアミノ酸配列から
計算される53.5kDaまたは58.5kDaの付近にFNC
BD−VEGF121またはFNCBD−VEGF16
5のバンドが検出されず、FNCBD−VEGF12
1、FNCBD−VEGF165のゼラチンへの結合が
明らかになった。次いで、超音波処理用緩衝液、トリス
緩衝生理的食塩水、1M塩化ナトリウム溶液及び2M塩
化ナトリウム溶液による洗浄によってもバンドは検出さ
れず、これら溶液の洗浄では、FNCBD−VEGF1
21、FNCBD−VEGF165はゼラチンから溶出
しないことが明らかとなった。同様の操作で1M尿素、
2M尿素、4M尿素、8M尿素で溶出を試みた結果、1
M尿素、2M尿素では、ほとんどバンドは検出されず、
4M尿素、8M尿素で各々53.5kDaまたは58.
5kDaのバンドが検出された。90℃のSDSバッフ
ァーによる溶出でも、FNCBD−VEGF121、F
NCBD−VEGF165のバンドは検出された
【0132】即ち、1 M尿素、2M尿素では、FNCB
D−VEGF121及びFNCBD−VEGF165は
ゼラチンからほとんど溶出されず、4M尿素、8M尿
素、90℃のSDSバッファーによって殆どが溶出される
ことから、FNCBD−VEGF121及びFNCBD
−VEGF165のゼラチンに対する強固な結合が裏付
けられた。同様の実験結果はゼラチンの代わりにコラー
ゲンスポンジを用いた場合にも得られた。以降の実験
は、ゼラチンセファロース4Bで精製後、リン酸緩衝液
で透析されたポリペプチドサンプルが使用された。
D−VEGF121及びFNCBD−VEGF165は
ゼラチンからほとんど溶出されず、4M尿素、8M尿
素、90℃のSDSバッファーによって殆どが溶出される
ことから、FNCBD−VEGF121及びFNCBD
−VEGF165のゼラチンに対する強固な結合が裏付
けられた。同様の実験結果はゼラチンの代わりにコラー
ゲンスポンジを用いた場合にも得られた。以降の実験
は、ゼラチンセファロース4Bで精製後、リン酸緩衝液
で透析されたポリペプチドサンプルが使用された。
【0133】(2) ELISA法 酵素結合免疫評価法(ELISA法) では、ウシ天然コ
ラーゲン (I−AC、高研)、ウシアテロコラーゲン
(I−PC、高研)及びウシ血清アルブミン(BSA、
シグマ)に対するFNCBD−VEGF121及びFN
CBD- VEGF165の結合活性を調べた。
ラーゲン (I−AC、高研)、ウシアテロコラーゲン
(I−PC、高研)及びウシ血清アルブミン(BSA、
シグマ)に対するFNCBD−VEGF121及びFN
CBD- VEGF165の結合活性を調べた。
【0134】最初に、ELISA用平底の96ウエル
(well)マルチプレートに各々1mg/mlの天然コラ
ーゲン、アテロコラーゲン、血清アルブミン溶液を20
0μl/ウエルで分注し、4℃で一夜静置した。
(well)マルチプレートに各々1mg/mlの天然コラ
ーゲン、アテロコラーゲン、血清アルブミン溶液を20
0μl/ウエルで分注し、4℃で一夜静置した。
【0135】0.05% Tween 20 のリン酸緩衝化生理
的食塩水溶液でウエルを6回洗浄後、リン酸緩衝化生理
的食塩水で希釈したFNCBD−VEGF121及びF
NCBD−ヒトVEGF165溶液を 100μl、各々の
ウエルに分注し、37℃で1時間、静置した。
的食塩水溶液でウエルを6回洗浄後、リン酸緩衝化生理
的食塩水で希釈したFNCBD−VEGF121及びF
NCBD−ヒトVEGF165溶液を 100μl、各々の
ウエルに分注し、37℃で1時間、静置した。
【0136】Tween 20を0.05%含むリン酸緩衝化生理的
食塩水溶液で3回洗浄後、1000分の1に希釈された
抗ヒトFNCBDモノクローナル抗体(宝酒造) を10
0μl分注し、室温で1時間静置した。0.05%Tween 20
/リン酸緩衝化生理的食塩水溶液でウエルを3回洗浄
後、1000倍希釈のペルオキシダーゼ標識抗マウスイ
ムノグロブリンポリクローナル抗体(ダコジャパン)を
100μlウエルに分注し、室温で1時間静置した。0.
05% Tween20/リン酸緩衝化生理的食塩水溶液でウェル
を6回洗浄後、1mg/mlオルト- フェニレンジアミ
ン(o-phenylenediamine)と0.03%過酸化水素を含む 0.1
Mクエン酸緩衝液pH4.7を分注し、10分静置後、
4規定硫酸50μlで反応を停止し、492nm−69
0nmの吸光度を測定した。
食塩水溶液で3回洗浄後、1000分の1に希釈された
抗ヒトFNCBDモノクローナル抗体(宝酒造) を10
0μl分注し、室温で1時間静置した。0.05%Tween 20
/リン酸緩衝化生理的食塩水溶液でウエルを3回洗浄
後、1000倍希釈のペルオキシダーゼ標識抗マウスイ
ムノグロブリンポリクローナル抗体(ダコジャパン)を
100μlウエルに分注し、室温で1時間静置した。0.
05% Tween20/リン酸緩衝化生理的食塩水溶液でウェル
を6回洗浄後、1mg/mlオルト- フェニレンジアミ
ン(o-phenylenediamine)と0.03%過酸化水素を含む 0.1
Mクエン酸緩衝液pH4.7を分注し、10分静置後、
4規定硫酸50μlで反応を停止し、492nm−69
0nmの吸光度を測定した。
【0137】FNCBD−VEGF121およびFNC
BD−VEGF165を、天然コラーゲン、アテロコラ
ーゲン、血清アルブミンに反応させた結果、天然コラー
ゲン、アテロコラーゲンの場合の吸光度は、血清アルブ
ミンを用いた場合の吸光度より明らかに高かった。この
ように、FNCBD−VEGF121およびFNCBD
−VEGF165の天然コラーゲン、アテロコラーゲン
に対する結合度は、血清アルブミンに対する結合度に比
べて顕著に高い値を示した。
BD−VEGF165を、天然コラーゲン、アテロコラ
ーゲン、血清アルブミンに反応させた結果、天然コラー
ゲン、アテロコラーゲンの場合の吸光度は、血清アルブ
ミンを用いた場合の吸光度より明らかに高かった。この
ように、FNCBD−VEGF121およびFNCBD
−VEGF165の天然コラーゲン、アテロコラーゲン
に対する結合度は、血清アルブミンに対する結合度に比
べて顕著に高い値を示した。
【0138】ELISA法における吸光度は、結合活性
に相関して高くなると考えられるが、非特異的な結合と
見なせる固相化血清アルブミンとの反応に比べ、FNC
BD−VEGF121及びFNCBD−VEGF165
と固相化天然コラーゲン、アテロコラーゲンとの反応で
は明らかに高い吸光度を示すことから、これらの反応は
特異的な結合反応と考えられる。このことは、本発明で
遺伝子工学的に産生されたポリペプチドが、FNCBD
が本来持っているコラーゲン結合活性を消失することな
く血管新生調節因子がハイブリッド化された分子である
ことを示す。すなわち、ハイブリッドポリペプチドとし
たことにより、血管新生調節因子にフィブロネクチン由
来のコラーゲン結合活性の付与が可能であった。
に相関して高くなると考えられるが、非特異的な結合と
見なせる固相化血清アルブミンとの反応に比べ、FNC
BD−VEGF121及びFNCBD−VEGF165
と固相化天然コラーゲン、アテロコラーゲンとの反応で
は明らかに高い吸光度を示すことから、これらの反応は
特異的な結合反応と考えられる。このことは、本発明で
遺伝子工学的に産生されたポリペプチドが、FNCBD
が本来持っているコラーゲン結合活性を消失することな
く血管新生調節因子がハイブリッド化された分子である
ことを示す。すなわち、ハイブリッドポリペプチドとし
たことにより、血管新生調節因子にフィブロネクチン由
来のコラーゲン結合活性の付与が可能であった。
【0139】(実施例3) <血管内皮細胞増殖活性>上記実施例2でコラーゲン結
合活性を示したFNCBD、FNCBD−VEGF12
1及びFNCBD−ヒVEGF165について、それら
が細胞増殖活性を維持しているかどうかを検討した。
合活性を示したFNCBD、FNCBD−VEGF12
1及びFNCBD−ヒVEGF165について、それら
が細胞増殖活性を維持しているかどうかを検討した。
【0140】ヒト微小血管内皮細胞を、2%牛胎児血清
を含む培地に懸濁し、24穴マイクロプレートに1 ×10
4 細胞/ウェルで分注後、5%二酸化炭素存在下、37
℃で7 時間培養した。次に、FNCBD、FNCBD−
VEGF121、FNCBD−VEGF165の各々を
培地中に添加し、37℃で4日間培養した。そして、細
胞増殖活性の測定にはWST−1法を用いた。反応液を
96穴マイクロプレートに移し、マイクロプレートリー
ダーによって450nm−690nmの吸光度を測定
し、細胞増殖活性を調べた。
を含む培地に懸濁し、24穴マイクロプレートに1 ×10
4 細胞/ウェルで分注後、5%二酸化炭素存在下、37
℃で7 時間培養した。次に、FNCBD、FNCBD−
VEGF121、FNCBD−VEGF165の各々を
培地中に添加し、37℃で4日間培養した。そして、細
胞増殖活性の測定にはWST−1法を用いた。反応液を
96穴マイクロプレートに移し、マイクロプレートリー
ダーによって450nm−690nmの吸光度を測定
し、細胞増殖活性を調べた。
【0141】FNCBDと比べて、明らかにFNCBD
−VEGF121、FNCBD−VEGF165の各々
は、ヒト微小血管内皮細胞に対して濃度依存的に細胞増
殖活性を示した。従って、FNCBDをVEGF121
またはVEGF165にハイブリッド化させることで、
ヒトVEGF121およびVEGF165の内皮細胞増
殖活性は消失しなかったと考えられる。
−VEGF121、FNCBD−VEGF165の各々
は、ヒト微小血管内皮細胞に対して濃度依存的に細胞増
殖活性を示した。従って、FNCBDをVEGF121
またはVEGF165にハイブリッド化させることで、
ヒトVEGF121およびVEGF165の内皮細胞増
殖活性は消失しなかったと考えられる。
【0142】(実施例4) <コラーゲン結合後の血管内皮細胞増殖活性>コラーゲ
ン結合性血管新生調節因子のコラーゲン結合後の血管内
皮細胞増殖活性を調べた。コラーゲン結合活性及び内皮
細胞増殖活性が確認されたコラーゲン結合性血管新生調
節因子の例として、FNCBD−VEGF121、FN
CBD−VEGF165の各々をコラーゲンに結合後
(FNCBD−VEGF121、FNCBD−VEGF
165各々の複合化コラーゲン)、その細胞増殖活性が
調べられた。最初に、組織培養用24穴マイクロプレー
トに1mg/mlのアテロコラーゲン塩酸溶液(pH3.0 )を
500μl /ウエルで分注し、一夜、4℃で静置した。そ
の溶液を捨て、0.05% Tween 20 のリン酸緩衝化生理的
食塩水溶液で4回洗浄し、続いてリン酸緩衝化生理的食
塩水溶液で2 回洗浄後、無血清DMEM培地で1 回洗浄し
た。次に、無血清DMEM培地で連続希釈したFNCBD−
VEGF121、FNCBD−VEGF165またはF
NCBD溶液を250μl 、各々のウエルに分注し、3
7℃で2時間、静置した。溶液を捨て0.05% Tween 20
のリン酸緩衝化生理的食塩水溶液で2回洗浄し、続いて
リン酸緩衝化生理的食塩水溶液で6回洗浄後、ハンクス
緩衝液で1回洗浄した。次に2%FBSを含む培地にヒ
ト微小血管内皮細胞が懸濁され、24穴マイクロプレー
トに104 細胞/0.5 ml/ウェルで分注された。その後、
ヒト微小血管内皮細胞は5%二酸化炭素存在下、37℃
で4日間培養された。そして、細胞増殖活性の測定には
WST−1法を用いた。反応液を96穴マイクロプレー
トに移し、マイクロプレートリーダーによって、450nm-
690nm の吸光度を測定し、細胞増殖活性が調べられた。
ン結合性血管新生調節因子のコラーゲン結合後の血管内
皮細胞増殖活性を調べた。コラーゲン結合活性及び内皮
細胞増殖活性が確認されたコラーゲン結合性血管新生調
節因子の例として、FNCBD−VEGF121、FN
CBD−VEGF165の各々をコラーゲンに結合後
(FNCBD−VEGF121、FNCBD−VEGF
165各々の複合化コラーゲン)、その細胞増殖活性が
調べられた。最初に、組織培養用24穴マイクロプレー
トに1mg/mlのアテロコラーゲン塩酸溶液(pH3.0 )を
500μl /ウエルで分注し、一夜、4℃で静置した。そ
の溶液を捨て、0.05% Tween 20 のリン酸緩衝化生理的
食塩水溶液で4回洗浄し、続いてリン酸緩衝化生理的食
塩水溶液で2 回洗浄後、無血清DMEM培地で1 回洗浄し
た。次に、無血清DMEM培地で連続希釈したFNCBD−
VEGF121、FNCBD−VEGF165またはF
NCBD溶液を250μl 、各々のウエルに分注し、3
7℃で2時間、静置した。溶液を捨て0.05% Tween 20
のリン酸緩衝化生理的食塩水溶液で2回洗浄し、続いて
リン酸緩衝化生理的食塩水溶液で6回洗浄後、ハンクス
緩衝液で1回洗浄した。次に2%FBSを含む培地にヒ
ト微小血管内皮細胞が懸濁され、24穴マイクロプレー
トに104 細胞/0.5 ml/ウェルで分注された。その後、
ヒト微小血管内皮細胞は5%二酸化炭素存在下、37℃
で4日間培養された。そして、細胞増殖活性の測定には
WST−1法を用いた。反応液を96穴マイクロプレー
トに移し、マイクロプレートリーダーによって、450nm-
690nm の吸光度を測定し、細胞増殖活性が調べられた。
【0143】FNCBDと比べて、明らかにFNCBD
−VEGF121、FNCBD−VEGF165はヒト
微小血管内皮細胞に対して濃度依存的に細胞増殖活性を
示した。従ってFNCBD−VEGF121またはFN
CBD−VEGF165は、フィブロネクチン由来のコ
ラーゲン結合性ドメインとVEGF121またはVEG
F165とが連結されたハイブリッドポリペプチド(で
あり、該ハイブリッドポリペプチドは、コラーゲン結合
性を示し、コラーゲンに結合後、結合を保持したままか
又は徐放されることによりVEGF活性を示すコラーゲ
ン結合性血管新生調節(促進)因子(コラーゲン結合性
VEGF)である事が判明した。
−VEGF121、FNCBD−VEGF165はヒト
微小血管内皮細胞に対して濃度依存的に細胞増殖活性を
示した。従ってFNCBD−VEGF121またはFN
CBD−VEGF165は、フィブロネクチン由来のコ
ラーゲン結合性ドメインとVEGF121またはVEG
F165とが連結されたハイブリッドポリペプチド(で
あり、該ハイブリッドポリペプチドは、コラーゲン結合
性を示し、コラーゲンに結合後、結合を保持したままか
又は徐放されることによりVEGF活性を示すコラーゲ
ン結合性血管新生調節(促進)因子(コラーゲン結合性
VEGF)である事が判明した。
【0144】また、FNCBD−VEGF121または
FNCBD−VEGF165の結合したコラーゲンは、
コラーゲン結合性VEGF及びコラーゲン由来のポリペ
プチドを含むバイオマテリアル(血管新生調節因子複合
化コラーゲン)といえる。また上記ヒト微小血管内皮細
胞の培養法は、血管新生調節因子複合化コラーゲンを用
いて血管内皮細胞に対して増殖活性促進の血管新生調節
活性を与える方法の一例である。
FNCBD−VEGF165の結合したコラーゲンは、
コラーゲン結合性VEGF及びコラーゲン由来のポリペ
プチドを含むバイオマテリアル(血管新生調節因子複合
化コラーゲン)といえる。また上記ヒト微小血管内皮細
胞の培養法は、血管新生調節因子複合化コラーゲンを用
いて血管内皮細胞に対して増殖活性促進の血管新生調節
活性を与える方法の一例である。
【0145】
【発明の効果】本発明に係るハイブリッドポリペプチド
は、血管新生調節活性およびコラーゲン結合活性の両活
性を有し、特にコラーゲン結合後も血管新生調節活性を
示す。さらに該ハイブリッドポリペプチドとコラーゲン
との複合化バイオマテリアルは、血管新生調節活性を有
する新しいバイオマテリアルとして有用である。これら
ハイブリッドポリペプチドおよびバイオマテリアルは、
ドラッグデリバリーシステム(DDS)として有用であ
り、具体的に血管新生調節因子の局所維持剤、徐放剤ま
たは血管新生調節活性付与剤として有用である。
は、血管新生調節活性およびコラーゲン結合活性の両活
性を有し、特にコラーゲン結合後も血管新生調節活性を
示す。さらに該ハイブリッドポリペプチドとコラーゲン
との複合化バイオマテリアルは、血管新生調節活性を有
する新しいバイオマテリアルとして有用である。これら
ハイブリッドポリペプチドおよびバイオマテリアルは、
ドラッグデリバリーシステム(DDS)として有用であ
り、具体的に血管新生調節因子の局所維持剤、徐放剤ま
たは血管新生調節活性付与剤として有用である。
【0146】
【配列表フリーテキスト】配列番号1 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインのPCRセンスプライマー 配列番号2 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインのPCRアンチセンスプライマー 配列番号3 人工配列の説明:修飾されたヒト・フィブロネクチンコ
ラーゲン結合性ドメインをコードするDNAの塩基配列 配列番号4 人工配列の説明:修飾されたヒト・フィブロネクチンコ
ラーゲン結合性ドメインのアミノ酸配列 (2)..(341):/ノート=“ヒト・フィブロネクチンコラ
ーゲン結合性ドメイン” 配列番号5 人工配列の説明:ヒト血管内皮細胞増殖因子121のP
CRセンスプライマー 配列番号6 人工配列の説明:ヒト血管内皮細胞増殖因子121のP
CRアンチセンスプライマー 配列番号7 人工配列の説明:エンテロキナーゼ認識配列が付加され
たヒト血管内皮細胞増殖因子121をコードするDNA
の塩基配列 配列番号8 人工配列の説明:エンテロキナーゼ認識配列が付加され
たヒト血管内皮細胞増殖因子121のアミノ酸配列 (1)..(5):/ノート=“エンテロキナーゼ認識配列” (6)..(126):/ノート=“ヒト血管内皮細胞増殖因子1
21” 配列番号9 人工配列の説明:ヒト血管内皮細胞増殖因子165 のPC
Rセンスプライマー配列番号10 人工配列の説明:ヒト血管内皮細胞増殖因子165 のPC
Rアンチセンスプライマー 配列番号11 人工配列の説明:エンテロキナーゼ認識配列が付加され
たヒト血管内皮細胞増殖因子165 をコードするDNAの
塩基配列 配列番号12 人工配列の説明:エンテロキナーゼ認識配列が付加され
たヒト血管内皮細胞増殖因子165 のアミノ酸配列 (1)..(5):/ノート=“エンテロキナーゼ認識配列” (6)..(170):/ノート=“ヒト血管内皮細胞増殖因子16
5 ” 配列番号13 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインとヒト血管内皮細胞増殖因子121からな
るハイブリッドポリペプチドをコードするDNAの塩基
配列 配列番号14 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインとヒト血管内皮細胞増殖因子121から成
るハイブリッドポリペプチドのアミノ酸配列 (2)..(341):/ノート=“ヒト・フィブロネクチンコラ
ーゲン結合性ドメイン” (343)..(347):/ノート=“エンテロキナーゼ認識配
列” (348)..(468):/ノート=“ヒト血管内皮細胞増殖因子
121” 配列番号15 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインとヒト血管内皮細胞増殖因子165 から成る
ハイブリッドポリペプチドをコードするDNAの塩基配
列 配列番号16 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインとヒト血管内皮細胞増殖因子165 から成る
ハイブリッドポリペプチドのアミノ酸配列 (2)..(341):/ノート=“ヒト・フィブロネクチンコラ
ーゲン結合性ドメイン” (343)..(347):/ノート=“エンテロキナーゼ認識配
列” (348)..(512):/ノート=“ヒト血管内皮細胞増殖因子
165 ”
合性ドメインのPCRセンスプライマー 配列番号2 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインのPCRアンチセンスプライマー 配列番号3 人工配列の説明:修飾されたヒト・フィブロネクチンコ
ラーゲン結合性ドメインをコードするDNAの塩基配列 配列番号4 人工配列の説明:修飾されたヒト・フィブロネクチンコ
ラーゲン結合性ドメインのアミノ酸配列 (2)..(341):/ノート=“ヒト・フィブロネクチンコラ
ーゲン結合性ドメイン” 配列番号5 人工配列の説明:ヒト血管内皮細胞増殖因子121のP
CRセンスプライマー 配列番号6 人工配列の説明:ヒト血管内皮細胞増殖因子121のP
CRアンチセンスプライマー 配列番号7 人工配列の説明:エンテロキナーゼ認識配列が付加され
たヒト血管内皮細胞増殖因子121をコードするDNA
の塩基配列 配列番号8 人工配列の説明:エンテロキナーゼ認識配列が付加され
たヒト血管内皮細胞増殖因子121のアミノ酸配列 (1)..(5):/ノート=“エンテロキナーゼ認識配列” (6)..(126):/ノート=“ヒト血管内皮細胞増殖因子1
21” 配列番号9 人工配列の説明:ヒト血管内皮細胞増殖因子165 のPC
Rセンスプライマー配列番号10 人工配列の説明:ヒト血管内皮細胞増殖因子165 のPC
Rアンチセンスプライマー 配列番号11 人工配列の説明:エンテロキナーゼ認識配列が付加され
たヒト血管内皮細胞増殖因子165 をコードするDNAの
塩基配列 配列番号12 人工配列の説明:エンテロキナーゼ認識配列が付加され
たヒト血管内皮細胞増殖因子165 のアミノ酸配列 (1)..(5):/ノート=“エンテロキナーゼ認識配列” (6)..(170):/ノート=“ヒト血管内皮細胞増殖因子16
5 ” 配列番号13 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインとヒト血管内皮細胞増殖因子121からな
るハイブリッドポリペプチドをコードするDNAの塩基
配列 配列番号14 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインとヒト血管内皮細胞増殖因子121から成
るハイブリッドポリペプチドのアミノ酸配列 (2)..(341):/ノート=“ヒト・フィブロネクチンコラ
ーゲン結合性ドメイン” (343)..(347):/ノート=“エンテロキナーゼ認識配
列” (348)..(468):/ノート=“ヒト血管内皮細胞増殖因子
121” 配列番号15 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインとヒト血管内皮細胞増殖因子165 から成る
ハイブリッドポリペプチドをコードするDNAの塩基配
列 配列番号16 人工配列の説明:ヒト・フィブロネクチンコラーゲン結
合性ドメインとヒト血管内皮細胞増殖因子165 から成る
ハイブリッドポリペプチドのアミノ酸配列 (2)..(341):/ノート=“ヒト・フィブロネクチンコラ
ーゲン結合性ドメイン” (343)..(347):/ノート=“エンテロキナーゼ認識配
列” (348)..(512):/ノート=“ヒト血管内皮細胞増殖因子
165 ”
【0147】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Terumo Corporation <120> Collagen-Binding Angiogenesis Modulating Factor <130> TE0000097 <160> 16 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 49 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:PCR Sense Primer for Human Fibronectin Collagen-Binding Domain <400> 1 gaggtaccat ggtacatatg gcagctgttt accaaccgca gcctcaccc 49 <210> 2 <211> 46 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:PCR Antisense Primer for Human Fibronectin Collagen-Binding Domain <400> 2 cgggatcctt actcgagcca ctggatgggg tgggagttgg gctgac 46 <210> 3 <211> 1053 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Modified Human Fibronectin Collagen-Binding Domain <220> <221> conflict <222> (109) <220> <221> conflict <222> (206) <220> <221> conflict <222> (270) <220> <221> conflict <222> (374) <220> <221> conflict <222> (681) <220> <221> CDS <222> (16)..(1044) <400> 3 ggtaccatgg tacat atg gca gct gtt tac caa ccg cag cct cac ccc cag 51 Met Ala Ala Val Tyr Gln Pro Gln Pro His Pro Gln 1 5 10 cct cct ccc tat ggc cac tgt gtc aca gac agt ggt gtg gtc tac tct 99 Pro Pro Pro Tyr Gly His Cys Val Thr Asp Ser Gly Val Val Tyr Ser 15 20 25 gtg ggg atg cag tgg ctg aag aca caa gga aat aag caa atg ctt tgc 147 Val Gly Met Gln Trp Leu Lys Thr Gln Gly Asn Lys Gln Met Leu Cys 30 35 40 acg tgc ctg ggc aac gga gtc agc tgc caa gag aca gct gta acc cag 195 Thr Cys Leu Gly Asn Gly Val Ser Cys Gln Glu Thr Ala Val Thr Gln 45 50 55 60 act tac ggt ggc aac tca aat gga gag cca tgt gtc tta cca ttc acc 243 Thr Tyr Gly Gly Asn Ser Asn Gly Glu Pro Cys Val Leu Pro Phe Thr 65 70 75 tac aat ggc agg acg ttc tac tcc tgc acc aca gaa ggg cga cag gac 291 Tyr Asn Gly Arg Thr Phe Tyr Ser Cys Thr Thr Glu Gly Arg Gln Asp 80 85 90 gga cat ctt tgg tgc agc aca act tcg aat tat gag cag gac cag aaa 339 Gly His Leu Trp Cys Ser Thr Thr Ser Asn Tyr Glu Gln Asp Gln Lys 95 100 105 tac tct ttc tgc aca gac cac act gtt ttg gtt cag act cga gga gga 387 Tyr Ser Phe Cys Thr Asp His Thr Val Leu Val Gln Thr Arg Gly Gly 110 115 120 aat tcc aat ggt gcc ttg tgc cac ttc ccc ttc cta tac aac aac cac 435 Asn Ser Asn Gly Ala Leu Cys His Phe Pro Phe Leu Tyr Asn Asn His 125 130 135 140 aat tac act gat tgc act tct gag ggc aga aga gac aac atg aag tgg 483 Asn Tyr Thr Asp Cys Thr Ser Glu Gly Arg Arg Asp Asn Met Lys Trp 145 150 155 tgt ggg acc aca cag aac tat gat gcc gac cag aag ttt ggg ttc tgc 531 Cys Gly Thr Thr Gln Asn Tyr Asp Ala Asp Gln Lys Phe Gly Phe Cys 160 165 170 ccc atg gct gcc cac gag gaa atc tgc aca acc aat gaa ggg gtc atg 579 Pro Met Ala Ala His Glu Glu Ile Cys Thr Thr Asn Glu Gly Val Met 175 180 185 tac cgc att gga gat cag tgg gat aag cag cat gac atg ggt cac atg 627 Tyr Arg Ile Gly Asp Gln Trp Asp Lys Gln His Asp Met Gly His Met 190 195 200 atg agg tgc acg tgt gtt ggg aat ggt cgt ggg gaa tgg aca tgc att 675 Met Arg Cys Thr Cys Val Gly Asn Gly Arg Gly Glu Trp Thr Cys Ile 205 210 215 220 gcc tac tcg cag ctt cga gat cag tgc att gtt gat gac atc act tac 723 Ala Tyr Ser Gln Leu Arg Asp Gln Cys Ile Val Asp Asp Ile Thr Tyr 225 230 235 aat gtg aac gac aca ttc cac aag cgt cat gaa gag ggg cac atg ctg 771 Asn Val Asn Asp Thr Phe His Lys Arg His Glu Glu Gly His Met Leu 240 245 250 aac tgt aca tgc ttc ggt cag ggt cgg ggc agg tgg aag tgt gat ccc 819 Asn Cys Thr Cys Phe Gly Gln Gly Arg Gly Arg Trp Lys Cys Asp Pro 255 260 265 gtc gac caa tgc cag gat tca gag act ggg acg ttt tat caa att gga 867 Val Asp Gln Cys Gln Asp Ser Glu Thr Gly Thr Phe Tyr Gln Ile Gly 270 275 280 gat tca tgg gag aag tat gtg cat ggt gtc aga tac cag tgc tac tgc 915 Asp Ser Trp Glu Lys Tyr Val His Gly Val Arg Tyr Gln Cys Tyr Cys 285 290 295 300 tat ggc cgt ggc att ggg gag tgg cat tgc caa cct tta cag acc tat 963 Tyr Gly Arg Gly Ile Gly Glu Trp His Cys Gln Pro Leu Gln Thr Tyr 305 310 315 cca agc tca agt ggt cct gtc gaa gta ttt atc act gag act ccg agt 1011 Pro Ser Ser Ser Gly Pro Val Glu Val Phe Ile Thr Glu Thr Pro Ser 320 325 330 cag ccc aac tcc cac ccc atc cag tgg ctc gag taaggatcc 1053 Gln Pro Asn Ser His Pro Ile Gln Trp Leu Glu 335 340 <210> 4 <211> 343 <212> PRT <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence:Modified Human Fibronectin Collagen-Binding Domain <400> 4 Met Ala Ala Val Tyr Gln Pro Gln Pro His Pro Gln Pro Pro Pro Tyr 1 5 10 15 Gly His Cys Val Thr Asp Ser Gly Val Val Tyr Ser Val Gly Met Gln 20 25 30 Trp Leu Lys Thr Gln Gly Asn Lys Gln Met Leu Cys Thr Cys Leu Gly 35 40 45 Asn Gly Val Ser Cys Gln Glu Thr Ala Val Thr Gln Thr Tyr Gly Gly 50 55 60 Asn Ser Asn Gly Glu Pro Cys Val Leu Pro Phe Thr Tyr Asn Gly Arg 65 70 75 80 Thr Phe Tyr Ser Cys Thr Thr Glu Gly Arg Gln Asp Gly His Leu Trp 85 90 95 Cys Ser Thr Thr Ser Asn Tyr Glu Gln Asp Gln Lys Tyr Ser Phe Cys 100 105 110 Thr Asp His Thr Val Leu Val Gln Thr Arg Gly Gly Asn Ser Asn Gly 115 120 125 Ala Leu Cys His Phe Pro Phe Leu Tyr Asn Asn His Asn Tyr Thr Asp 130 135 140 Cys Thr Ser Glu Gly Arg Arg Asp Asn Met Lys Trp Cys Gly Thr Thr 145 150 155 160 Gln Asn Tyr Asp Ala Asp Gln Lys Phe Gly Phe Cys Pro Met Ala Ala 165 170 175 His Glu Glu Ile Cys Thr Thr Asn Glu Gly Val Met Tyr Arg Ile Gly 180 185 190 Asp Gln Trp Asp Lys Gln His Asp Met Gly His Met Met Arg Cys Thr 195 200 205 Cys Val Gly Asn Gly Arg Gly Glu Trp Thr Cys Ile Ala Tyr Ser Gln 210 215 220 Leu Arg Asp Gln Cys Ile Val Asp Asp Ile Thr Tyr Asn Val Asn Asp 225 230 235 240 Thr Phe His Lys Arg His Glu Glu Gly His Met Leu Asn Cys Thr Cys 245 250 255 Phe Gly Gln Gly Arg Gly Arg Trp Lys Cys Asp Pro Val Asp Gln Cys 260 265 270 Gln Asp Ser Glu Thr Gly Thr Phe Tyr Gln Ile Gly Asp Ser Trp Glu 275 280 285 Lys Tyr Val His Gly Val Arg Tyr Gln Cys Tyr Cys Tyr Gly Arg Gly 290 295 300 Ile Gly Glu Trp His Cys Gln Pro Leu Gln Thr Tyr Pro Ser Ser Ser 305 310 315 320 Gly Pro Val Glu Val Phe Ile Thr Glu Thr Pro Ser Gln Pro Asn Ser 325 330 335 His Pro Ile Gln Trp Leu Glu 340 <210> 5 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:PCR Sense Primer for Human Vascular Endothelial Growth Factor 121 <400> 5 gtgtcgacga cgatgataag gcacccatgg cagaaggagg aggg 44 <210> 6 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:PCR Antisense Primer for Human Vascular Endothelial Growth Factor 121 <400> 6 ggaattctta ccgcctcggc ttgtcacatt t 31 <210> 7 <211> 390 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Human Vascular Endothelial Growth Factor 121 with Enterokinase Recognition Sequence <220> <221> CDS <222> (4)..(381) <400> 7 gtc gac gac gat gat aag gca ccc atg gca gaa gga gga ggg cag aat 48 Asp Asp Asp Asp Lys Ala Pro Met Ala Glu Gly Gly Gly Gln Asn 1 5 10 15 cat cac gaa gtg gtg aag ttc atg gat gtc tat cag cgc agc tac tgc 96 His His Glu Val Val Lys Phe Met Asp Val Tyr Gln Arg Ser Tyr Cys 20 25 30 cat cca atc gag acc ctg gtg gac atc ttc cag gag tac cct gat gag 144 His Pro Ile Glu Thr Leu Val Asp Ile Phe Gln Glu Tyr Pro Asp Glu 35 40 45 atc gag tac atc ttc aag cca tcc tgt gtg ccc ctg atg cga tgc ggg 192 Ile Glu Tyr Ile Phe Lys Pro Ser Cys Val Pro Leu Met Arg Cys Gly 50 55 60 ggc tgc tgc aat gac gag ggc ctg gag tgt gtg ccc act gag gag tcc 240 Gly Cys Cys Asn Asp Glu Gly Leu Glu Cys Val Pro Thr Glu Glu Ser 65 70 75 aac atc acc atg cag att atg cgg atc aaa cct cac caa ggc cag cac 288 Asn Ile Thr Met Gln Ile Met Arg Ile Lys Pro His Gln Gly Gln His 80 85 90 95 ata gga gag atg agc ttc cta cag cac aac aaa tgt gaa tgc aga cca 336 Ile Gly Glu Met Ser Phe Leu Gln His Asn Lys Cys Glu Cys Arg Pro 100 105 110 aag aaa gat aga gca aga caa gaa aaa tgt gac aag ccg agg cgg 381 Lys Lys Asp Arg Ala Arg Gln Glu Lys Cys Asp Lys Pro Arg Arg 115 120 125 taagaattc 390 <210> 8 <211> 126 <212> PRT <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence:Human Vascular Endothelial Growth Factor 121 with Enterokinase Recognition Sequence <400> 8 Asp Asp Asp Asp Lys Ala Pro Met Ala Glu Gly Gly Gly Gln Asn His 1 5 10 15 His Glu Val Val Lys Phe Met Asp Val Tyr Gln Arg Ser Tyr Cys His 20 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Vascular Endothelial Growth Factor 165 with Enterokinase Recognition Sequence <220> <221> CDS <222> (4)..(513) <400> 11 gtc gac gac gat gat aag gca ccc atg gca gaa gga gga ggg cag aat 48 Asp Asp Asp Asp Lys Ala Pro Met Ala Glu Gly Gly Gly Gln Asn 1 5 10 15 cat cac gaa gtg gtg aag ttc atg gat gtc tat cag cgc agc tac tgc 96 His His Glu Val Val Lys Phe Met Asp Val Tyr Gln Arg Ser Tyr Cys 20 25 30 cat cca atc gag acc ctg gtg gac atc ttc cag gag tac cct gat gag 144 His Pro Ile Glu Thr Leu Val Asp Ile Phe Gln Glu Tyr Pro Asp Glu 35 40 45 atc gag tac atc ttc aag cca tcc tgt gtg ccc ctg atg cga tgc ggg 192 Ile Glu Tyr Ile Phe Lys Pro Ser Cys Val Pro Leu Met Arg Cys Gly 50 55 60 ggc tgc tgc aat gac gag ggc ctg gag tgt gtg ccc act gag gag tcc 240 Gly Cys Cys Asn Asp Glu Gly Leu Glu Cys Val Pro Thr Glu Glu Ser 65 70 75 aac atc acc atg cag att atg cgg atc aaa cct cac caa ggc cag cac 288 Asn Ile Thr Met Gln Ile Met Arg Ile Lys Pro His Gln Gly Gln His 80 85 90 95 ata gga gag atg agc ttc cta cag cac aac aaa tgt gaa tgc aga cca 336 Ile Gly Glu Met Ser Phe Leu Gln His Asn Lys Cys Glu Cys Arg Pro 100 105 110 aag aaa gat aga gca aga caa gaa aat ccc tgt ggg cct tgc tca gag 384 Lys Lys Asp Arg Ala Arg Gln Glu Asn Pro Cys Gly Pro Cys Ser Glu 115 120 125 cgg aga aag cat ttg ttt gta caa gat ccg cag acg tgt aaa tgt tcc 432 Arg Arg Lys His Leu Phe Val Gln Asp Pro Gln Thr Cys Lys Cys Ser 130 135 140 tgc aaa aac aca gac tcg cgt tgc aag gcg agg cag ctt gag tta aac 480 Cys Lys Asn Thr Asp Ser Arg Cys Lys Ala Arg Gln Leu Glu Leu Asn 145 150 155 gaa cgt act tgc aga tgt gac aag ccg agg cgg taagaattc 522 Glu Arg Thr Cys Arg Cys Asp Lys Pro Arg Arg 160 165 170 <210> 12 <211> 170 <212> PRT <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence:Human Vascular Endothelial Growth Factor 165 with Enterokinase Recognition Sequence <400> 12 Asp Asp Asp Asp Lys Ala Pro Met Ala Glu Gly Gly Gly Gln Asn His 1 5 10 15 His Glu Val Val Lys Phe Met Asp Val Tyr Gln Arg Ser Tyr Cys His 20 25 30 Pro Ile 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tat ggc cac tgt gtc aca gac agt ggt gtg gtc tac tct 99 Pro Pro Pro Tyr Gly His Cys Val Thr Asp Ser Gly Val Val Tyr Ser 15 20 25 gtg ggg atg cag tgg ctg aag aca caa gga aat aag caa atg ctt tgc 147 Val Gly Met Gln Trp Leu Lys Thr Gln Gly Asn Lys Gln Met Leu Cys 30 35 40 acg tgc ctg ggc aac gga gtc agc tgc caa gag aca gct gta acc cag 195 Thr Cys Leu Gly Asn Gly Val Ser Cys Gln Glu Thr Ala Val Thr Gln 45 50 55 60 act tac ggt ggc aac tca aat gga gag cca tgt gtc tta cca ttc acc 243 Thr Tyr Gly Gly Asn Ser Asn Gly Glu Pro Cys Val Leu Pro Phe Thr 65 70 75 tac aat ggc agg acg ttc tac tcc tgc acc aca gaa ggg cga cag gac 291 Tyr Asn Gly Arg Thr Phe Tyr Ser Cys Thr Thr Glu Gly Arg Gln Asp 80 85 90 gga cat ctt tgg tgc agc aca act tcg aat tat gag cag gac cag aaa 339 Gly His Leu Trp Cys Ser Thr Thr Ser Asn Tyr Glu Gln Asp Gln Lys 95 100 105 tac tct ttc tgc aca gac cac act gtt ttg gtt cag act cga gga gga 387 Tyr Ser Phe Cys Thr Asp His Thr Val Leu Val Gln Thr Arg Gly Gly 110 115 120 aat tcc aat ggt gcc ttg tgc cac ttc ccc ttc cta tac aac aac cac 435 Asn Ser Asn Gly Ala Leu Cys His Phe Pro Phe Leu Tyr Asn Asn His 125 130 135 140 aat tac act gat tgc act tct gag ggc aga aga gac aac atg aag tgg 483 Asn Tyr Thr Asp Cys Thr Ser Glu Gly Arg Arg Asp Asn Met Lys Trp 145 150 155 tgt ggg acc aca cag aac tat gat gcc gac cag aag ttt ggg ttc tgc 531 Cys Gly Thr Thr Gln Asn Tyr Asp Ala Asp Gln Lys Phe Gly Phe Cys 160 165 170 ccc atg gct gcc cac gag gaa atc tgc aca acc aat gaa ggg gtc atg 579 Pro Met Ala Ala His Glu Glu Ile Cys Thr Thr Asn Glu Gly Val Met 175 180 185 tac cgc att gga gat cag tgg gat aag cag cat gac atg ggt cac atg 627 Tyr Arg Ile Gly Asp Gln Trp Asp Lys Gln His Asp Met Gly His Met 190 195 200 atg agg tgc acg tgt gtt ggg aat ggt cgt ggg gaa tgg aca tgc att 675 Met Arg Cys Thr Cys Val Gly Asn Gly Arg Gly Glu Trp Thr Cys Ile 205 210 215 220 gcc tac tcg cag ctt cga gat cag tgc att gtt gat gac atc act tac 723 Ala Tyr Ser Gln Leu Arg Asp Gln Cys Ile Val Asp Asp Ile Thr Tyr 225 230 235 aat gtg aac gac aca ttc cac aag cgt cat gaa gag ggg cac atg ctg 771 Asn Val Asn Asp Thr Phe His Lys Arg His Glu Glu Gly His Met Leu 240 245 250 aac tgt aca tgc ttc ggt cag ggt cgg ggc agg tgg aag tgt gat ccc 819 Asn Cys Thr Cys Phe Gly Gln Gly Arg Gly Arg Trp Lys Cys Asp Pro 255 260 265 gtc gac caa tgc cag gat tca gag act ggg acg ttt tat caa att gga 867 Val Asp Gln Cys Gln Asp Ser Glu Thr Gly Thr Phe Tyr Gln Ile Gly 270 275 280 gat tca tgg gag aag tat gtg cat ggt gtc aga tac cag tgc tac tgc 915 Asp Ser Trp Glu Lys Tyr Val His Gly Val Arg Tyr Gln Cys Tyr Cys 285 290 295 300 tat ggc cgt ggc att ggg gag tgg cat tgc caa cct tta cag acc tat 963 Tyr Gly Arg Gly Ile Gly Glu Trp His Cys Gln Pro Leu Gln Thr Tyr 305 310 315 cca agc tca agt ggt cct gtc gaa gta ttt atc act gag act ccg agt 1011 Pro Ser Ser Ser Gly Pro Val Glu Val Phe Ile Thr Glu Thr Pro Ser 320 325 330 cag ccc aac tcc cac ccc atc cag tgg ctc gac gac gat gat aag gca 1059 Gln Pro Asn Ser His Pro Ile Gln Trp Leu Asp Asp Asp Asp Lys Ala 335 340 345 ccc atg gca gaa gga gga ggg cag aat cat cac gaa gtg gtg aag ttc 1107 Pro Met Ala Glu Gly Gly Gly Gln Asn His His Glu Val Val Lys Phe 350 355 360 atg gat gtc tat cag cgc agc tac tgc cat cca atc gag acc ctg gtg 1155 Met Asp Val Tyr Gln Arg Ser Tyr Cys His Pro Ile Glu Thr Leu Val 365 370 375 380 gac atc ttc cag gag tac cct gat gag atc gag tac atc ttc aag cca 1203 Asp Ile Phe Gln Glu Tyr Pro Asp Glu Ile Glu Tyr Ile Phe Lys Pro 385 390 395 tcc tgt gtg ccc ctg atg cga tgc ggg ggc tgc tgc aat gac gag ggc 1251 Ser Cys Val Pro Leu Met Arg Cys Gly Gly Cys Cys Asn Asp Glu Gly 400 405 410 ctg gag tgt gtg ccc act gag gag tcc aac atc acc atg cag att atg 1299 Leu Glu Cys Val Pro Thr Glu Glu Ser Asn Ile Thr Met Gln Ile Met 415 420 425 cgg atc aaa cct cac caa ggc cag cac ata gga gag atg agc ttc cta 1347 Arg Ile Lys Pro His Gln Gly Gln His Ile Gly Glu Met Ser Phe Leu 430 435 440 cag cac aac aaa tgt gaa tgc aga cca aag aaa gat aga gca aga caa 1395 Gln His Asn Lys Cys Glu Cys Arg Pro Lys Lys Asp Arg Ala Arg Gln 445 450 455 460 gaa aat ccc tgt ggg cct tgc tca gag cgg aga aag cat ttg ttt gta 1443 Glu Asn Pro Cys Gly Pro Cys Ser Glu Arg Arg Lys His Leu Phe Val 465 470 475 caa gat ccg cag acg tgt aaa tgt tcc tgc aaa aac aca gac tcg cgt 1491 Gln Asp Pro Gln Thr Cys Lys Cys Ser Cys Lys Asn Thr Asp Ser Arg 480 485 490 tgc aag gcg agg cag ctt gag tta aac gaa cgt act tgc aga tgt gac 1539 Cys Lys Ala Arg Gln Leu Glu Leu Asn Glu Arg Thr Cys Arg Cys Asp 495 500 505 aag ccg agg cgg taagaattc 1560 Lys Pro Arg Arg 510 <210> 16 <211> 512 <212> PRT <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence:Hybrid Polypeptide of Human Fibronectin Cllagen-Binding Domain and Human Vascular Endothelial Growth Factor 165 <400> 16 Met Ala Ala Val Tyr Gln Pro Gln Pro His Pro Gln Pro Pro Pro Tyr 1 5 10 15 Gly His Cys Val Thr Asp Ser Gly Val Val Tyr Ser Val Gly Met Gln 20 25 30 Trp Leu Lys Thr Gln Gly Asn Lys Gln Met Leu Cys Thr Cys Leu Gly 35 40 45 Asn Gly Val Ser Cys Gln Glu Thr Ala Val Thr Gln Thr Tyr Gly Gly 50 55 60 Asn Ser Asn Gly Glu Pro Cys Val Leu Pro Phe Thr Tyr Asn Gly Arg 65 70 75 80 Thr Phe Tyr Ser Cys Thr Thr Glu Gly Arg Gln Asp Gly His Leu Trp 85 90 95 Cys Ser Thr Thr Ser Asn Tyr Glu Gln Asp Gln Lys Tyr Ser Phe Cys 100 105 110 Thr Asp His Thr Val Leu Val Gln Thr Arg Gly Gly Asn Ser Asn Gly 115 120 125 Ala Leu Cys His Phe Pro Phe Leu Tyr Asn Asn His Asn Tyr Thr Asp 130 135 140 Cys Thr Ser Glu Gly Arg Arg Asp Asn Met Lys Trp Cys Gly Thr Thr 145 150 155 160 Gln Asn Tyr Asp Ala Asp Gln Lys Phe Gly Phe Cys Pro Met Ala Ala 165 170 175 His Glu Glu Ile Cys Thr Thr Asn Glu Gly Val Met Tyr Arg Ile Gly 180 185 190 Asp Gln Trp Asp Lys Gln His Asp Met Gly His Met Met Arg Cys Thr 195 200 205 Cys Val Gly Asn Gly Arg Gly Glu Trp Thr Cys Ile Ala Tyr Ser Gln 210 215 220 Leu Arg Asp Gln Cys Ile Val Asp Asp Ile Thr Tyr Asn Val Asn Asp 225 230 235 240 Thr Phe His Lys Arg His Glu Glu Gly His Met Leu Asn Cys Thr Cys 245 250 255 Phe Gly Gln Gly Arg Gly Arg Trp Lys Cys Asp Pro Val Asp Gln Cys 260 265 270 Gln Asp Ser Glu Thr Gly Thr Phe Tyr Gln Ile Gly Asp Ser Trp Glu 275 280 285 Lys Tyr Val His Gly Val Arg Tyr Gln Cys Tyr Cys Tyr Gly Arg Gly 290 295 300 Ile Gly Glu Trp His Cys Gln Pro Leu Gln Thr Tyr Pro Ser Ser Ser 305 310 315 320 Gly Pro Val Glu Val Phe Ile Thr Glu Thr Pro Ser Gln Pro Asn Ser 325 330 335 His Pro Ile Gln Trp Leu Asp Asp Asp Asp Lys Ala Pro Met Ala Glu 340 345 350 Gly Gly Gly Gln Asn His His Glu Val Val Lys Phe Met Asp Val Tyr 355 360 365 Gln Arg Ser Tyr Cys His Pro Ile Glu Thr Leu Val Asp Ile Phe Gln 370 375 380 Glu Tyr Pro Asp Glu Ile Glu Tyr Ile Phe Lys Pro Ser Cys Val Pro 385 390 395 400 Leu Met Arg Cys Gly Gly Cys Cys Asn Asp Glu Gly Leu Glu Cys Val 405 410 415 Pro Thr Glu Glu Ser Asn Ile Thr Met Gln Ile Met Arg Ile Lys Pro 420 425 430 His Gln Gly Gln His Ile Gly Glu Met Ser Phe Leu Gln His Asn Lys 435 440 445 Cys Glu Cys Arg Pro Lys Lys Asp Arg Ala Arg Gln Glu Asn Pro Cys 450 455 460 Gly Pro Cys Ser Glu Arg Arg Lys His Leu Phe Val Gln Asp Pro Gln 465 470 475 480 Thr Cys Lys Cys Ser Cys Lys Asn Thr Asp Ser Arg Cys Lys Ala Arg 485 490 495 Gln Leu Glu Leu Asn Glu Arg Thr Cys Arg Cys Asp Lys Pro Arg Arg 500 505 510
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/78 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 A61K 37/02 5/10 C12N 5/00 A // C12N 15/09 ZNA 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 CA07 CA12 DA06 EA04 GA11 HA01 HA03 4B065 AA26X AA93Y AB01 BA02 BD16 BD17 CA24 CA44 4C076 AA95 CC11 CC41 EE41 EE59 FF31 FF67 FF70 4C084 AA02 BA44 DB57 NA03 NA06 NA12 NA13 ZA442 4H045 AA10 BA41 CA40 EA20 EA34 FA72 FA74 GA01 GA10
Claims (16)
- 【請求項1】フィブロネクチンのプロテアーゼ分解また
は自然分解により得られ、かつコラーゲン結合性ドメイ
ンを構成するアミノ酸配列、あるいは該配列と相同また
は1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしく
は付加されたアミノ酸配列からなるコラーゲン結合性ポ
リペプチドと、血管新生調節因子とが連結されてなり、
コラーゲン結合活性および血管新生調節活性を有するハ
イブリッドポリペプチド。 - 【請求項2】前記コラーゲン結合性ポリペプチドが、フ
ィブロネクチンのアミノ末端から約28KDaから約7
5KDaまでに位置する請求項1に記載のハイブリッド
ポリペプチド。 - 【請求項3】前記コラーゲン結合性ポリペプチドが、ヒ
ト・フィブロネクチンのAla260からTrp599までのアミノ
酸配列からなるヒト・フィブロネクチン由来のポリペプ
チドであるか、あるいは該配列と相同であるか、1もし
くは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入または付加され
たアミノ酸配列からなるポリペプチドである請求項1ま
たは2に記載のハイブリッドポリペプチド。 - 【請求項4】前記血管新生調節因子が前記コラーゲン結
合性ポリペプチドのカルボキシル末端に連結されている
請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッドポリペプ
チド。 - 【請求項5】前記血管新生調節因子が血管新生促進因子
である請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッドポ
リペプチド。 - 【請求項6】前記血管新生調節因子がPDGFスーパー
ファミリーに属する細胞成長因子である請求項1〜5の
いずれかに記載のハイブリッドポリペプチド。 - 【請求項7】前記血管新生調節因子がVEGFである請
求項1〜6のいずれかに記載のハイブリッドポリペプチ
ド。 - 【請求項8】前記血管新生調節因子と前記コラーゲン結
合性ポリペプチドとが遺伝子工学的手法により連結され
ている請求項1〜7のいずれかに記載のハイブリッドポ
リペプチド。 - 【請求項9】バクテリアで産生される請求項1〜8のい
ずれかに記載のハイブリッドポリペプチド。 - 【請求項10】水溶性である請求項1〜9のいずれかに
記載のハイブリッドポリペプチド。 - 【請求項11】コラーゲンに結合後、結合を保持したま
まかまたは徐放されることにより血管新生調節活性を示
す請求項1〜10のいずれかに記載のハイブリッドポリ
ペプチド。 - 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載のハイ
ブリッドポリペプチドを含有する血管新生調節因子の局
所維持剤、徐放剤または血管新生調節活性付与剤。 - 【請求項13】請求項1〜11のいずれかに記載のハイ
ブリッドポリペプチドと、コラーン由来のポリペプチド
とが複合化された血管新生調節因子複合化コラーゲンを
含有するバイオマテリアル。 - 【請求項14】請求項13に記載のバイオマテリアルを
含有する血管新生調節因子の局所維持剤、徐放剤または
血管新生調節活性付与剤。 - 【請求項15】請求項1〜11のいずれかに記載のハイ
ブリッドポリペプチドをコードする遺伝子を含む組換え
ベクター。 - 【請求項16】請求項15に記載の組換えベクターを含
む形質転換体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000247379A JP2002060400A (ja) | 2000-08-17 | 2000-08-17 | コラーゲン結合活性および血管新生調節活性を有するハイブリッドポリペプチド |
Applications Claiming Priority (1)
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Family
ID=18737485
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JP2000247379A Withdrawn JP2002060400A (ja) | 2000-08-17 | 2000-08-17 | コラーゲン結合活性および血管新生調節活性を有するハイブリッドポリペプチド |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2002060400A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2000
- 2000-08-17 JP JP2000247379A patent/JP2002060400A/ja not_active Withdrawn
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