JP2002060102A - 基材搬送装置および基材塗工体の製造方法 - Google Patents

基材搬送装置および基材塗工体の製造方法

Info

Publication number
JP2002060102A
JP2002060102A JP2000252801A JP2000252801A JP2002060102A JP 2002060102 A JP2002060102 A JP 2002060102A JP 2000252801 A JP2000252801 A JP 2000252801A JP 2000252801 A JP2000252801 A JP 2000252801A JP 2002060102 A JP2002060102 A JP 2002060102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
substrate
pressing
transport
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000252801A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4266503B2 (ja
Inventor
Yasuo Shinohara
泰雄 篠原
Yoshifumi Tsujimoto
佳史 辻本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2000252801A priority Critical patent/JP4266503B2/ja
Publication of JP2002060102A publication Critical patent/JP2002060102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4266503B2 publication Critical patent/JP4266503B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Conveyors (AREA)
  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材に大きなダメージを与えることなく、基
材の搬送方向ずれを修正することができる基材搬送装置
および基材塗工体の製造方法を提供する。 【解決手段】 基材搬送装置1は、基材2の両エッジ部
をそれぞれ挟持する基材挟持部材10a,10bを有
し、この基材挟持部材10a,10bは、押付ローラ1
2と平板13とで構成されている。左右両側の押付ロー
ラ12は、それらの軸心を基材2の搬送方向側で交差さ
せるように基材2の搬送方向に対して傾斜して配置され
ている。各押付ローラ12は、エアーシリンダ15によ
って個別に駆動される。また、基材搬送装置1は、基材
2の両エッジ位置を検出するエッジセンサ20a,20
bを有し、この検出結果に応じて、作動させる押付ロー
ラ12の数を基材2の左右両側で変えるようにエアーシ
リンダ15を駆動することによって、基材2の搬送方向
ズレを修正することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織物、不織布、
紙、フィルム(多孔質フィルムを含む)等の基材を搬送
する基材搬送装置、及び、基材搬送装置により搬送され
る基材に塗工液を塗工して塗工膜を形成する基材塗工体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数のロールを有する基材搬送装置によ
り織物、不織布、紙、フィルム等の基材を連続的に搬送
させる場合には、基材が蛇行することにより、ロールか
ら基材が脱線したり、基材の巻取りの端部が揃わない等
の問題が発生することがある。このような基材の蛇行を
修正する装置としては、例えば特公平7−59455号
公報や特開平9−109359号公報に記載されている
ものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、ガイドロール等が基材の幅方向全体
に接するため、基材の受ける変形や破損等のダメージが
大きく、品質の良好な製品が得られなくなる虞れがあ
る。
【0004】本発明の目的は、基材に大きなダメージを
与えることなく、基材の搬送方向ずれを修正することが
できる基材搬送装置および基材塗工体の製造方法を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る基材搬送装
置は、基材を搬送するための少なくとも2つの搬送部材
と、2つの搬送部材間における基材の搬送方向の左右両
側に配置され、基材の両エッジ部を挟持する少なくとも
1対の基材挟持部材と、基材挟持部材を駆動する駆動手
段と、基材の搬送方向がずれた時にそのずれを修正する
ように駆動手段を制御する方向修正手段とを備え、1対
の基材挟持部材は、基材を押し付ける押付ローラをそれ
ぞれ有し、各押付ローラが、それらの軸心を基材の搬送
方向側で交差させるように基材の搬送方向に対して傾斜
して配置され、駆動手段は、各押付ローラを個別に駆動
する手段であることを特徴とするものである。
【0006】このように構成した本発明においては、1
対の基材挟持部材の各押付ローラを、それらの軸心が基
材の搬送方向側で交差するように基材の搬送方向に対し
て傾斜させて配置することにより、基材の搬送方向にか
かる張力が押付ローラを介して基材の幅方向外側に作用
するようになる。このとき、方向修正手段により基材の
左右両側で幅方向外側にかかる張力を調整することで、
基材の搬送方向ずれを修正することが可能となる。具体
的には、基材が搬送方向に対して右側にずれたときは、
左側のエッジ部にかかる張力が右側のエッジ部にかかる
張力よりも大きくなるように駆動手段を制御し、基材が
搬送方向に対して左側にずれたときは、右側のエッジ部
にかかる張力が左側のエッジ部にかかる張力よりも大き
くなるように駆動手段を制御する。このようにする事に
より、1対の基材挟持部材により基材の両エッジ部のみ
を挟持した場合であっても、基材の搬送方向ずれを修正
することができるので、基材に大きなダメージを与える
ことはほとんど無い。
【0007】好ましくは、方向修正手段は、基材のエッ
ジ位置を検出するエッジセンサと、エッジセンサにより
基材の搬送方向ずれが検出されると、基材のずれ側の反
対側で作動させる押付ローラの数が基材のずれ側で作動
させる押付ローラの数よりも多くなるように駆動手段を
制御する手段とを有する。これにより、エッジセンサの
検出結果に応じて、基材の左右両側における幅方向外側
にかかる張力が調整されるため、基材の搬送方向ずれの
修正を自動的に行うことができる。
【0008】また、方向修正手段は、基材のエッジ位置
を検出するエッジセンサと、エッジセンサにより基材の
搬送方向ずれが検出されると、基材のずれ側の反対側に
位置する押付ローラの押付力が基材のずれ側に位置する
押付ローラの押付力よりも高くなるように駆動手段を制
御する手段とを有してもよい。この場合も、エッジセン
サの検出結果に応じて、基材の左右両側における幅方向
外側にかかる張力が調整されるため、基材の搬送方向ず
れの修正を自動的に行うことができる。
【0009】さらに、方向修正手段は、基材のエッジ位
置を検出するエッジセンサと、エッジセンサにより基材
の搬送方向ずれが検出されると、基材のずれ側の反対側
に位置する押付ローラの基材搬送方向に対する傾斜角度
が基材のずれ側に位置する押付ローラの基材搬送方向に
対する傾斜角度よりも大きくなるように駆動手段を制御
する手段とを有してもよい。この場合も、エッジセンサ
の検出結果に応じて、基材の左右両側における幅方向外
側にかかる張力が調整されるため、基材の搬送方向ずれ
の修正を自動的に行うことができる。
【0010】なお、エッジセンサは、基材の両エッジ位
置を検出するものであってもよいし、基材の片方のエッ
ジ位置を検出するものであってもよい。また、基材の片
方のエッジ位置を検出する場合、エッジセンサの数は、
2個以上でもよいし、1個でもよい。
【0011】また、好ましくは、基材挟持部材は、押付
ローラ2個で基材のエッジ部を挟持するように構成され
ている。この場合には、基材挟持部材を構成する部品が
1種類で済む。
【0012】また、基材挟持部材は、押付ローラと板状
部材とで基材のエッジ部を挟持するように構成されてい
てもよい。この場合には、押付ローラを基材の搬送方向
に複数配置した構成としたときに、板状部材として長板
を基材の搬送方向に延びるように配置することで、複数
の押付ローラと1枚の板状部材とで基材のエッジ部を挟
持できる。これにより、基材挟持部材を構成する部品数
を減らすことができる。
【0013】さらに、好ましくは、押付ローラは、2つ
の搬送部材間における基材の搬送方向の左右両側にそれ
ぞれ複数配置されている。これにより、基材の搬送方向
ずれの修正を効果的に行うことができる。
【0014】本発明に係る基材塗工体の製造方法は、上
述した基材搬送装置により基材を搬送する工程と、基材
の搬送方向に配置された複数の押付ローラのうちのいず
れか2つの押付ローラ間で、基材における基材挟持部材
と接触する部分の内側の領域に塗工液を塗工して塗工膜
を形成する工程とを有することを特徴とするものであ
る。
【0015】このような基材塗工体の製造方法において
は、基材に塗工液を塗工する部位(塗工部)の上流側お
よび下流側に、基材挟持部材が配置されることになる。
このように塗工部の上流側に基材挟持部材を配置するこ
とによって、塗工前に基材の搬送方向ずれが修正される
ため、基材の塗工位置がずれることが防止され、塗工液
の塗工精度が高くなる。また、塗工部の下流側にも基材
挟持部材が配置されるが、この基材挟持部材は基材の幅
方向全体ではなく、基材の両エッジ部を挟持するもので
あり、しかも、基材挟持部材によって、塗工液が固化し
て安定するまで、基材の搬送方向ずれの修正を行うこと
ができるため、基材に塗工した塗工液が基材挟持部材に
触れることが防止される。従って、基材に大きなダメー
ジを与えることはほとんど無い。
【0016】好ましくは、基材として、その材質が熱可
塑性ポリマー、ガラス繊維、アルミナ繊維のいずれであ
るものを使用し、塗工液として、芳香族ポリアミド、芳
香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の耐熱性樹
脂を1種または2種以上含むものを使用する。これによ
り、基材上には耐熱性を有する層が形成される。
【0017】この場合、基材として多孔質フィルムを使
用することが好ましい。より好ましくは、基材として熱
可塑性ポリマーからなる多孔質フィルムを用い、塗工液
として、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族
ポリアミドイミドのいずれかを含むものを用いる。この
ようにして得られた基材塗工体は、二次電池用セパレー
タとして好適に使用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る基材搬送装置
および基材塗工体の製造方法の好適な実施形態について
図面を参照して説明する。
【0019】まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図
8により説明する。図1は、本実施形態の基材搬送装置
の概略を示す構成図であり、図2はその平面図である。
これらの図において、基材搬送装置1は、基材塗工体を
製造(製膜ともいう)する製膜装置に備えられるもので
あり、この製膜装置は、織物、不織布、紙、樹脂フィル
ム(多孔質フィルムを含む)、金属フィルム等の基材2
に塗工液(以下、ドープという)Dを塗工することで、
基材2に樹脂膜を形成する。基材2としては、幅寸法が
150〜1000mm程度であり、厚さが通常100μ
m以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは25
μm以下のものが用いられる。なお、本実施形態で使用
する基材2及びドープDについては、後で詳述する。
【0020】基材搬送装置1は、巻き出し機3を有し、
この巻き出し機3から巻き出された基材2は、ガイドロ
ール(搬送部材)4を介して塗工部5に送られる。塗工
部5は、基材2を支持する支持台6と、この支持台6の
上部に設けられドープDをせき止めるダム部7とを有
し、ダム部7の吐出口7aからドープDを基材2の搬送
方向に連続的に送り出し、基材2上に塗工膜Sを形成す
る。この塗工膜Sが形成された基材2は、乾燥炉8内の
析出部に送られ、この析出部で析出処理が行われた後、
ガイドロール(搬送部材)9を介して凝固部に送られ
る。
【0021】ガイドロール4と塗工部5との間における
基材2の搬送方向の左右両側には、基材2の両エッジ部
をそれぞれ挟持する1対の基材挟持部材10a,10b
が配置されている。また、塗工部5とガイドロール9と
の間における基材2の搬送方向の左右両側には、塗工膜
Sが形成された基材2の両エッジ部をそれぞれ挟持する
1対の基材挟持部材11a,11bが配置されている。
なお、上述した塗工部5は、基材2における基材挟持部
材11a,11bと接触する部分の内側の領域にドープ
Dを塗工するように構成されている。
【0022】基材挟持部材10a,10bは、押付ロー
ラ12と平板13とで構成されている。基材挟持部材1
1a,11bは、基材2の搬送方向に直線状に配置され
た複数(ここでは6つ)の押付ローラ12と、基材2の
搬送方向に延びる平板14とで構成されている。ここ
で、平板14を長板とし、1枚の平板14と複数の押付
ローラ12とで基材2のエッジ部を挟むようにしたの
で、基材挟持部材11a,11bを構成する部品の数が
少なくて済む。左右両側の各押付ローラ12は、それら
の軸心を基材2の搬送方向側で交差させるように基材2
の搬送方向に対して傾斜して配置されている。なお、押
付ローラ12は、図示しない傾斜角調整手段によって、
その傾斜角度を調節できるようになっている。また、押
付ローラ12の直径は例えば30mmであり、幅は例え
ば5mmである。
【0023】各押付ローラ12は、図3に示すように、
その軸部がエアーシリンダ15のピストンロッド15a
に連結されている。なお、エアーシリンダ15は、取付
アーム(図示せず)に固定されている。このエアーシリ
ンダ15によって、押付ローラ12が平板13,14に
対して接触・離間可能であると共に、押付ローラ12と
平板13,14との押し付け荷重が調節可能となってい
る。このようなエアーシリンダ15の制御系構成図を図
4に示す。
【0024】同図において、複数本のエアーシリンダ1
5は、通常用シリンダ15rと修正用シリンダ15sと
からなり、これらは基材2の搬送方向に交互に配置され
ている。左右両側の通常用シリンダ15rと空気圧源1
6との間には圧力調整弁17a,17bがそれぞれ接続
されており、これら圧力調整弁17a,17bによって
左右の各通常用シリンダ15rの作動圧力を調整するこ
とで、基材2の走行バランスをとっている。修正用シリ
ンダ15sと空気圧源16との間には圧力調整弁18が
接続されており、この圧力調整弁18によって、基材2
の搬送方向ずれの修正の度合い(速度)を調整する。
【0025】圧力調整弁18と左右両側の修正用シリン
ダ15sとの間には電磁バルブ19a,19bがそれぞ
れ接続されており、この電磁バルブ19a,19bによ
って修正用シリンダ15sの駆動/停止及びストローク
方向を切り換える。具体的には、電磁バルブ19a,1
9bが図5(a)に示す位置(以下、加圧位置という)
にあるときは、空気圧源16からの空気が修正用シリン
ダ15sのボトム側に供給され、これにより修正用シリ
ンダ15sのピストンロッドが下側(ロッド側)に移動
する。一方、電磁バルブ19a,19bが図5(b)に
示す位置(以下、開放位置という)にあるときは、空気
圧源16からの空気が修正用シリンダ15sのロッド側
に供給され、これにより修正用シリンダ15sのピスト
ンロッドが上側(ボトム側)に移動する。また、電磁バ
ルブ19a,19bが図示しないオフ位置にあるとき
は、修正用シリンダ15sへの空気の供給が遮断され、
修正用シリンダ15sが停止状態となる。
【0026】なお、電磁バルブとしては、図示のような
形式のものには限定されず、例えばセレックスバルブ等
も使用できる。また、エアーシリンダとしては、図示の
ような直線駆動式のシリンダには限定されず、回転駆動
式のシリンダ等も使用できる。
【0027】電磁バルブ19aは、エッジセンサ20b
からの電気信号によって加圧位置と開放位置とが切り換
えられ、電磁バルブ19bは、エッジセンサ20aから
の電気信号によって加圧位置と開放位置とが切り換えら
れる。エッジセンサ20a,20bは、ガイドロール9
の下流側において基材2の両エッジ位置を検出するもの
であり、例えば光センサ等で構成されている。エッジセ
ンサ20aは、基材2が右側に所定量ずれるとオン信号
を出力し、エッジセンサ20bは、基材2が左側に所定
量ずれるとオン信号を出力する。
【0028】なお、エッジセンサとしては、上記のもの
に限らず、基材2の片方のエッジ位置を検出するもので
あってもよい。この場合、エッジセンサの数は、2個以
上でもよいし、1個でもよい。要は、エッジセンサとし
ては、基材2のエッジ位置を検出することによって、基
材2の搬送方向ずれを検出するものであれば何でも良
い。
【0029】ここで、空気圧源16、圧力調整弁17
a,17b,18、電磁バルブ19a,19b、エッジ
センサ20a,20bは、基材2の搬送方向がずれた時
にそのずれを修正するようにエアーシリンダ15を制御
する方向修正手段を構成する。
【0030】このような基材搬送装置1において、基材
2が図6(a)に示すように搬送方向に対してほぼ直進
状態で走行しているときは、エッジセンサ20a,20
bの出力信号は共にオフ信号であるので、電磁バルブ1
9a,19bはオフ位置にある。このため、複数本のエ
アーシリンダ15のうち全ての修正用シリンダ15sは
作動せず、通常用シリンダ15rのみが作動する。この
場合には、基材2の左右両側において、通常用シリンダ
15rにより駆動される押付ローラ12のみで基材2を
押し付ける。
【0031】このような状態から、基材2が図6(b)
に示すように搬送方向に対して右側にずれると、エッジ
センサ20aの出力信号がオン信号となり、電磁バルブ
19bが加圧位置に切り換えられる。これにより、空気
圧源16からの空気が左側の全ての修正用シリンダ15
sのボトム側に送られるため、その修正用シリンダ15
sに対応する押付ローラ12が作動するようになる。つ
まり、基材2の右側では、通常用シリンダ15rにより
駆動される押付ローラ12のみで基材2を押し付け、基
材2の左側では、全ての押付ローラ12で基材2を押し
付ける。
【0032】ここで、押付ローラ12を基材2に対して
押し付けると、押付ローラ12は変形して基材2に対し
線接触した状態となる。また、各押付ローラ12は、上
述したように、それらの軸心を基材2の搬送方向側で交
差させるように基材2の搬送方向に対して傾斜されてい
る。このため、図7(a)に示すように、A点で押付ロ
ーラ12と接した基材2は、基材2の走行に応じた押付
ローラ12の回転によってA点の外側のB点に移動する
ことになる。これによって、図7(b)に示すように、
基材2の搬送方向にかかる張力Wが押付ローラ12を介
して基材2の幅方向外側に作用し、基材2の幅方向外側
に張力Pがかかるようになる。
【0033】そこで、上記のように基材2の左側で作動
させる押付ローラ12の数を基材2の右側で作動させる
押付ローラ12の数よりも多くすると、基材2の左側に
作用する張力Pが基材2の右側に作用する張力Pよりも
大きくなる。これにより、基材2は左側に移動し、基材
2は図6(a)に示すように搬送方向に対してほぼ直進
状態で走行するようになる。すると、エッジセンサ20
aの出力信号がオフ信号となり、電磁バルブ19bが開
放位置に切り換えられ、空気圧源16からの空気が左側
の全ての修正用シリンダ15sのロッド側に送られるた
め、その修正用シリンダ15sに対応する押付ローラ1
2が基材2から離れる。
【0034】また、基材2が図6(c)に示すように搬
送方向に対して左側にずれると、エッジセンサ20bの
出力信号がオン信号となり、電磁バルブ19aが開放位
置から加圧位置に切り換えられる。これにより、空気圧
源16からの空気が右側の全ての修正用シリンダ15s
のボトム側に送られるため、その修正用シリンダ15s
に対応する押付ローラ12が作動するようになる。つま
り、基材2の左側では、通常用シリンダ15rにより駆
動される押付ローラ12のみで基材2を押し付け、基材
2の右側では、全ての押付ローラ12で基材2を押し付
ける。このため、基材2の右側に作用する張力Pが基材
2の左側に作用する張力Pよりも大きくなる。これによ
り、基材2は右側に移動し、基材2は図6(a)に示す
ように搬送方向に対してほぼ直進状態で走行するように
なる。すると、エッジセンサ20bの出力信号がオフ信
号となり、電磁バルブ19aが開放位置に切り換えら
れ、空気圧源16からの空気が右側の全ての修正用シリ
ンダ15sのロッド側に送られるため、その修正用シリ
ンダ15sに対応する押付ローラ12が基材2から離れ
る。
【0035】このように基材2の搬送方向が左右両側に
ずれても、エッジセンサ20a,20bにより基材2の
ずれ方向を検出し、これに応じて作動させる押付ローラ
12の数を左右両側で変えることによって、基材2の搬
送方向ズレが自動的に修正される。
【0036】上記の基材2の幅方向外側に加わる張力P
は、押付ローラ12の傾斜角度を調整したり、圧力調整
弁17a,17b,18によりエアーシリンダ15の作
動圧を変えることで押付ローラ12と平板13,14と
の押し付け荷重を調整することによって、適宜変更する
ことができる。
【0037】また、基材2の幅方向外側に張力Pを効率
良くかけるには、図8に示すような構成を採用するのが
好ましい。同図において、押付ローラ12の外周面には
ゴムリング21が装着されており、押付ローラ12にお
ける基材2との当たり面の動摩擦係数を大きくしてい
る。この動摩擦係数は、具体的には0.1〜10である
ことが好ましい。これにより、基材2の幅方向外側への
張力Pがより効果的に作用するようになる。また、押付
ローラ12にゴムリング21を設けることによって、押
付ローラ12が基材2に当たることで生じる基材2の変
形や破損を防止できるという効果もある。平板13,1
4の上面部には、ポリテトラフルオロチレン(登録商標
名:テフロン)製の板材22が設けられており、平板1
3,14における基材2との当たり面の動摩擦係数を小
さくしている。この動摩擦係数は、具体的には1.0以
下であることが好ましい。このような板材22によっ
て、基材2の幅方向外側への張力Pを更に効率良くかけ
ることが可能となる。
【0038】以上のように構成した基材搬送装置1を備
えた製膜装置により製膜処理を行う場合、巻き出し機3
から巻き出された基材2は塗工部5に送られ、この塗工
部5において、基材2における基材挟持部材11a,1
1bと接触する部分の内側の領域にドープDを塗工して
塗工膜Sを形成する。このとき、ガイドロール4と塗工
部5との間に配置された基材挟持部材10a,10bに
よって、基材2の搬送方向ズレが修正される。これによ
り、基材2の塗工位置が所望の位置からずれることが防
止され、ドープDの塗工精度が高くなる。
【0039】この塗工膜Sが形成された基材2は、乾燥
炉8を介して次の工程に送られる。このとき、塗工部5
とガイドロール9との間に配置された基材挟持部材11
a,11bによって、基材2の搬送方向ズレが修正され
る。このため、ガイドロール9から基材2が脱線した
り、基材2の巻取りの端部が揃わなくなること等が防止
される。しかも、基材挟持部材11a,11bは、基材
2の両エッジ部のみを挟持するので、基材2に塗工した
ドープDが基材挟持部材11a,11bに触れる可能性
は少なく、これにより、塗工膜Sが固化して安定するま
で、ドープDを乱さないで基材2の搬送方向ずれの修正
を行うことができる。
【0040】その後、塗工膜Sが固化した基材2は、次
の工程に順次送られ、所定の処理が行われ、巻き取り機
9に巻き取られる。その後、必要に応じ、基材2におけ
る基材挟持部材10a,10b及び基材挟持部材11
a,11bと接触した部分を切断することにより、品質
の高い製品を得ることができる。
【0041】次に、本実施形態で使用される基材2及び
ドープDについて説明する。基材2及びドープDは、そ
の目的に応じて適宜選択することができる。
【0042】基材2の材質としては、有機物でも無機物
でもよく、また合成物でも天然物でもよい。有機物とし
ては、具体的には熱可塑性ポリマーがあげられる。熱可
塑性ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、レーヨン、ビニロン、ポリエステ
ル、アクリル、ポリスチレン、ナイロン等があげられ
る。無機物としては、ガラス繊維、アルミナ繊維等があ
げられる。
【0043】ドープDとしては、塗工により基材2上に
耐熱性を有する層を形成するためには、耐熱樹脂を含む
ドープを用いる。耐熱樹脂としては、芳香族ポリアミド
(以下、アラミドということがある)、芳香族ポリイミ
ド(以下、ポリイミドということがある)、芳香族ポリ
アミドイミド等があげられる。
【0044】アラミドとしては、例えばメタ配向芳香族
ポリアミド(以下、メタアラミドということがある)、
パラ配向芳香族ポリアミド(以下、パラアラミドという
ことがある)等があげられ、多孔質になりやすい点では
パラアラミドが好ましい。
【0045】ここで、パラアラミドとは、パラ配向芳香
族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮
合重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族
環のパラ位またはそれに準じた配向位(例えば、4,
4’−ビフェニレン,1,5−ナフタレン,2−6−ナ
フタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる
配向位)で結合される繰り返し単位から実質的になるも
のである。
【0046】具体的には、ポリ(パラフェニレンテレフ
タルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4,
4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラ
フェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミ
ド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレン
テレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド
/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共
重合体等のパラ配向型またはパラ配向型に準じた構造を
有するパラアラミドが例示される。
【0047】本実施形態におけるパラアラミドは、極性
有機溶媒に溶けて低粘度の溶液とすることができ、塗工
性が優れるので、固有粘度1.0〜2.8dl/gであ
ることが好ましく、固有粘度1.7〜2.5dl/gで
あることがより好ましい。これにより、十分なフィルム
強度が得られると共に、安定したパラアラミド溶液とな
ってフィルム化が容易になる。
【0048】ここで、極性有機溶媒としては、例えば極
性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒であり、具体的に
は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチル−2−ピロリドン、テトラメ
チルウレア等があげられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0049】本実施形態におけるパラアラミドは、多孔
質であり、フィブリル状ポリマーであることが好まし
い。このフィブリル状ポリマーは、微視的には不織布状
であり、層状で多孔状の空隙を有するものであり、いわ
ゆるパラアラミド多孔質樹脂を形成している。
【0050】本実施形態で使用されるポリイミドとして
は、芳香族の二酸無水物とジアミンの縮重合で製造され
る全芳香族ポリイミドが好ましい。二酸無水物の具体例
としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’−ビス(3,4−ビカルボキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などがあげられ
る。ジアミンの具体例としては、オキシジアニリン、パ
ラフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン、3,
3’−メチレンヂアニリン、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルフォン、1,5’−ナフタレンジアミンなどが
あげられるが、これらに限定されるものではない。本実
施形態では、ポリイミド溶液から直接的に多孔質フィル
ムを作成する場合には、溶媒に可溶なポリイミドが好適
に使用できる。このポリイミドとしては、例えば、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物と、芳香族ジアミンとの重縮合物のポリイミド
があげられる。
【0051】ポリイミドに用いる極性有機溶媒として
は、アラミドの記載箇所で例示したもののほか、ジメチ
ルスルホキサイド、クレゾール、o−クロロフェノール
等が好適に使用できる。
【0052】耐熱樹脂を含むドープは、セラミック粉末
を含んでしてもよい。このセラミック粉末は、耐熱樹脂
と絡まって、塗工フィルム全体または部分的に分散して
配置している。
【0053】セラミック粉末は、強度に与える影響、塗
工面の平滑性の点より、一次粒子の平均粒径が1.0μ
m以下であることが好ましく、0.5μm以下であるこ
とがより好ましい。一次粒子の平均粒径は、電子顕微鏡
により得た写真を、粒子径計測器で解析する方法によっ
て測定する。
【0054】セラミック粉末としては、電気絶縁性の金
属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等からなるセラミッ
ク粉末があげられ、例えばアルミナ、シリカ、二酸化チ
タンまたは酸化ジルコニウム等の粉末が好ましく用いら
れる。上記セラミック粉末は、単独で用いてもよいし、
2種以上を混合して用いることもできる。
【0055】以上のような本実施形態にあっては、左右
両側の押付ローラ12を、その軸心が基材2の搬送方向
側で交差するように傾斜させると共に、作動させる押付
ローラ12の数を基材2の左右両側で変えることによっ
て、基材2の搬送方向ズレを修正するようにしたので、
基材2に与えるダメージは少なく、その結果欠陥の少な
い製品が得られる。
【0056】なお、本実施形態では、押付ローラ12と
平板13,14とで基材2の両エッジ部を挟持する構成
としたが、平板の代わりに、上面(基材2と接触する側
の面)が曲面形状をなした板材やバー等を用いてもよ
い。
【0057】本発明の第2の実施形態を図9〜図11に
より説明する。本実施形態では、押付ロール12を駆動
するエアーシリンダの構成が第1の実施形態と異なって
いる。図中、第1の実施形態と同一または同等の部材に
は同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0058】本実施形態の基材搬送装置31は、図9に
示すような2重構造のエアーシリンダ部32を有し、こ
のエアーシリンダ部32は、両ロッド型シリンダである
下側エアーシリンダ33と、片ロッド型シリンダである
上側エアーシリンダ34とからなっている。そして、下
側エアーシリンダ33の一方のピストンロッド33aが
押付ロール12の軸部に連結され、下側エアーシリンダ
33の他方のピストンロッド33bが上側エアーシリン
ダ34のピストンロッド34aと連結されている。この
ようなエアーシリンダ部32の制御系構成図を図10に
示す。
【0059】同図において、空気源16と各下側エアー
シリンダ33との間には圧力調整弁35a,35bが接
続され、空気源16と各上側エアーシリンダ34との間
には圧力調整弁36が接続されている。この圧力調整弁
36と左右両側の各上側エアーシリンダ34との間に
は、電磁バルブ37a,37bがそれぞれ接続されてい
る。この電磁バルブ37a,37bの構成は、図4に示
す電磁バルブ19a,19bと同じである。
【0060】電磁バルブ37aは、エッジセンサ20b
からの信号によって加圧位置と開放位置とが切り換えら
れ、電磁バルブ37bは、エッジセンサ20aからの信
号によって加圧位置と開放位置とが切り換えられる。電
磁バルブ37a,37bが図10に示すような位置(加
圧位置)にあるときは、空気圧源16からの空気が上側
エアーシリンダ34のボトム側に供給され、これにより
下側エアーシリンダ33及び上側エアーシリンダ34の
両方で押付ロール12が作動する。この場合、押付ロー
ル12の押付力は、下側エアーシリンダ33の作動圧と
上側エアーシリンダ34の作動圧34との和となる。
【0061】このような基材搬送装置31において、基
材2が図11(a)に示すように搬送方向に対してほぼ
直進状態で走行しているときは、エッジセンサ20a,
20bの出力信号は共にオフ信号であるので、電磁バル
ブ37a,37bは共にオフ位置にある。このため、基
材2の左右両側において、上側エアーシリンダ34は作
動せず、下側エアーシリンダ33のみが作動する。従っ
て、押付ローラ12の押付力は左右で同じである。
【0062】このような状態から、基材2が図11
(b)に示すように搬送方向に対して右側にずれると、
エッジセンサ20aの出力信号がオン信号となり、電磁
バルブ37bが加圧位置に切り換えられ、左側の上側エ
アーシリンダ34が作動するようになる。つまり、基材
2の右側では、下側エアーシリンダ33のみが作動し、
基材2の左側では、下側エアーシリンダ33及び上側エ
アーシリンダ34の両方が作動する。このため、左側の
押付ロール12の押付力が右側の押付ロール12の押付
力よりも大きくなるので、基材2の左側に作用する基材
2の幅方向外側の張力(以下、単に張力という)が基材
2の右側に作用する張力よりも大きくなる。これによ
り、基材2は左側に移動し、基材2は図11(a)に示
すように搬送方向に対してほぼ直進状態で走行するよう
になる。すると、エッジセンサ20aの出力信号がオフ
信号となり、電磁バルブ37bが開放位置に切り換えら
れるため、基材2の左側でも、下側エアーシリンダ33
のみが作動するようになる。
【0063】一方、基材2が図11(c)に示すように
搬送方向に対して左側にずれると、エッジセンサ20b
の出力信号がオン信号となり、電磁バルブ37aが加圧
位置に切り換えられ、右側の上側エアーシリンダ34が
作動する。この場合には、右側の押付ロール12の押付
力が左側の押付ロール12の押付力よりも大きくなるた
め、基材2の右側に作用する張力が基材2の左側に作用
する張力よりも大きくなる。これにより、基材2は右側
に移動し、基材2は図11(a)に示すように搬送方向
に対してほぼ直進状態で走行するようになる。すると、
エッジセンサ20bの出力信号がオフ信号となり、電磁
バルブ37aが開放位置に切り換えられるため、基材2
の右側でも、下側エアーシリンダ33のみが作動するよ
うになる。
【0064】なお、本実施形態では、押付ロール12を
駆動するエアーシリンダを2重構造とすることで、押付
ローラ12の押付力を左右両側で変えるようにしたが、
スムーズな搬送方向修正が可能であれば、1つのエアー
シリンダにより左右の押付ローラ12の押付力を変えて
もよい。
【0065】本発明の第3の実施形態を図12により説
明する。本実施形態では、基材挟持部材の構造が第1の
実施形態と異なっている。図中、第1の実施形態と同一
または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略
する。
【0066】図12において、本実施形態の基材搬送装
置41は、基材2の搬送方向の左右両側に配置された複
数対の基材挟持部材42を有している。各基材挟持部材
42は上下1対の押付ローラ12,12で構成され、こ
れらの押付ローラ12,12により基材2の両エッジ部
を挟持する。左右両側に位置する押付ローラ12は、そ
れらの軸心を基材2の搬送方向側で交差させるように基
材2の搬送方向に対して傾斜して配置されている。これ
により、作動させる押付ローラ12の数や押付ローラ1
2の押付力を基材2の左右両側で変えることによって、
基材2の搬送方向ズレを修正することができる。
【0067】また、基板2の変形や破損を防止する観点
からは、押付ローラ12の外周面の形状は、平面状また
は湾曲面状とし、局部的な応力集中が基材2にかからな
いようにするのが好ましい。このとき、上下1対の押付
ローラ12,12の外周面を同じ形状にしてもよく、あ
るいは上下1対の押付ローラ12,12の一方の外周面
を平面状とすると共に、他方の外周面を湾曲面状として
もよい。また、押付ローラ12の外周面に、図8に示す
ようなゴムリングを装着してもよい。
【0068】以上、本発明に係る基材搬送装置の実施形
態についていくつか説明したが、本発明は、上記実施形
態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態で
は、作動させる押付ローラ12の数を基材2の左右両側
で変えたり、押付ローラ12の押付力を左右両側で変え
るようにしたが、押付ローラ12の基材搬送方向に対す
る傾斜角度を左右両側で変えることで、基材2の搬送方
向ズレを修正することもできる。具体的には、傾斜角調
整手段(図示せず)によって、基材2のずれ側の反対側
に位置する押付ローラ12の基材搬送方向に対する傾斜
角度を、基材2のずれ側に位置する押付ローラ12の基
材搬送方向に対する傾斜角度よりも大きくする。この場
合にも、基材2の左右両側における幅方向外側にかかる
張力が調整されるため、基材2の搬送方向ずれを修正で
きる。
【0069】また、上記実施形態の基材搬送装置は、基
材2にドープDを塗工する製膜装置に備えられたもので
あるが、本発明に係る基材搬送装置は、ドープを塗工し
ない基材の搬送についても適用できる。また、ドープが
塗工された基材の水洗、乾燥等の工程にも適用できる。
【0070】また、押付ローラ12を上下動させる手段
は、上記のような空気圧を用いるエアーシリンダに限定
されるものでなく、油圧、電気動力、バネ等の弾性体を
用いるものであってもよい。
【0071】さらに、本発明の基材搬送装置は、基材2
を水平方向に走行させるものには限定されず、基材2を
垂直方向または傾斜方向に走行させるものにも、適用可
能である。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、1対の基材挟持部材の
各押付ローラを、それらの軸心が基材の搬送方向側で交
差するように基材の搬送方向に対して傾斜させると共
に、各押付ローラを個別に駆動するようにしたので、1
対の基材挟持部材により基材のエッジ部のみを挟持した
場合であっても、基材の搬送方向ずれを確実に修正する
ことができる。これにより、基材に与えるダメージは少
なく、欠陥の少ない製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による基材搬送装置の
概略を示す構成図である。
【図2】図1に示す基材搬送装置の平面図である。
【図3】図1に示す押付ローラの駆動機構を示す図であ
る。
【図4】図3に示すエアーシリンダの制御系を示す構成
図である。
【図5】図4に示す電磁バルブの切換位置を示す図であ
る。
【図6】図1に示す基材搬送装置による基材の搬送方向
ズレの修正動作を示す図である。
【図7】図1に示す基材搬送装置による基材の搬送方向
ズレの修正の原理を示す図であり、(b)は(a)のX
部を拡大したものである。
【図8】図1に示す基材挟持部材の変形例を示す図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施形態による基材搬送装置の
押付ローラの駆動機構を示す図である。
【図10】図9に示すエアーシリンダ部の制御系を示す
構成図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による基材の搬送方
向ズレの修正動作を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態による基材搬送装置
の概略を示す構成図である。
【符号の説明】 1…基材搬送装置、2…基材、4…ガイドロール(搬送
部材)、5…塗工部、9…ガイドロール(搬送部材)、
10a,10b…基材挟持部材、11a,11b…基材
挟持部材、12…押付ローラ、13…平板(板状部
材)、14…平板(板状部材)、15…エアーシリンダ
(駆動手段)、16…空気圧源(方向修正手段)、17
a,17b…圧力調整弁(方向修正手段)、18…圧力
調整弁(方向修正手段)、19a,19b…電磁バルブ
(方向修正手段)、20a,20b…エッジセンサ(方
向修正手段)、31…基材搬送装置、32…エアーシリ
ンダ部(駆動手段)、35,36…圧力調整弁(方向修
正手段)、37a,37b…電磁バルブ(方向修正手
段)、41…基材搬送装置、42…基材挟持部材、D…
ドープ(塗工液)、S…塗工膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F027 AA01 CA02 DA03 EA04 FA12 3F104 AA01 AA03 AA07 BA04 CA01 CA11 4F100 AA19B AG00B AK01B AK47A AK49A AK50A AT00B BA02 DG01B EH462 JB16B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材を搬送するための少なくとも2つの
    搬送部材と、 前記2つの搬送部材間における前記基材の搬送方向の左
    右両側に配置され、前記基材の両エッジ部を挟持する少
    なくとも1対の基材挟持部材と、 前記基材挟持部材を駆動する駆動手段と、 前記基材の搬送方向がずれた時にそのずれを修正するよ
    うに前記駆動手段を制御する方向修正手段とを備え、 前記1対の基材挟持部材は、前記基材を押し付ける押付
    ローラをそれぞれ有し、各押付ローラが、それらの軸心
    を前記基材の搬送方向側で交差させるように前記基材の
    搬送方向に対して傾斜して配置され、 前記駆動手段は、前記各押付ローラを個別に駆動する手
    段であることを特徴とする基材搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記方向修正手段は、前記基材のエッジ
    位置を検出するエッジセンサと、前記エッジセンサによ
    り前記基材の搬送方向ずれが検出されると、前記基材の
    ずれ側の反対側で作動させる前記押付ローラの数が前記
    基材のずれ側で作動させる前記押付ローラの数よりも多
    くなるように前記駆動手段を制御する手段とを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の基材搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記方向修正手段は、前記基材のエッジ
    位置を検出するエッジセンサと、前記エッジセンサによ
    り前記基材の搬送方向ずれが検出されると、前記基材の
    ずれ側の反対側に位置する前記押付ローラの押付力が前
    記基材のずれ側に位置する前記押付ローラの押付力より
    も高くなるように前記駆動手段を制御する手段とを有す
    ることを特徴とする請求項1記載の基材搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記基材挟持部材は、前記押付ローラ2
    個で前記基材のエッジ部を挟持するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の
    基材搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記基材挟持部材は、前記押付ローラと
    板状部材とで前記基材のエッジ部を挟持するように構成
    されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
    項記載の基材搬送装置。
  6. 【請求項6】 前記押付ローラは、前記2つの搬送部材
    間における前記基材の搬送方向の左右両側にそれぞれ複
    数配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか一項記載の基材搬送装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の基材搬送装置により基材
    を搬送する工程と、 前記基材の搬送方向に配置された前記複数の押付ローラ
    のうちのいずれか2つの押付ローラ間で、前記基材にお
    ける前記基材挟持部材と接触する部分の内側の領域に塗
    工液を塗工して塗工膜を形成する工程とを有することを
    特徴とする基材塗工体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基材として、その材質が熱可塑性ポ
    リマー、ガラス繊維、アルミナ繊維のいずれかであるも
    のを使用し、前記塗工液として、芳香族ポリアミド、芳
    香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミドのいずれかを
    含むものを使用することを特徴とする請求項7記載の基
    材塗工体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記基材として多孔質フィルムを使用す
    ることを特徴とする請求項8記載の基材塗工体の製造方
    法。
JP2000252801A 2000-08-23 2000-08-23 基材搬送装置および基材塗工体の製造方法 Expired - Fee Related JP4266503B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000252801A JP4266503B2 (ja) 2000-08-23 2000-08-23 基材搬送装置および基材塗工体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000252801A JP4266503B2 (ja) 2000-08-23 2000-08-23 基材搬送装置および基材塗工体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002060102A true JP2002060102A (ja) 2002-02-26
JP4266503B2 JP4266503B2 (ja) 2009-05-20

Family

ID=18741993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000252801A Expired - Fee Related JP4266503B2 (ja) 2000-08-23 2000-08-23 基材搬送装置および基材塗工体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4266503B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010177343A (ja) * 2009-01-28 2010-08-12 Fuji Electric Holdings Co Ltd 薄膜積層体の製造装置
JP2010177407A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Fuji Electric Holdings Co Ltd 薄膜積層体の製造装置
KR20150015385A (ko) * 2013-07-31 2015-02-10 닛토덴코 가부시키가이샤 필름 적층체로부터의 이물 제거 방법, 필름 적층체의 제조 방법 및 제조 장치
CN104789913A (zh) * 2015-03-27 2015-07-22 中国重型机械研究院股份公司 一种夹送纠偏机构
WO2016031990A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 住友化学株式会社 多孔質フィルムの捲回体、および、その製造方法
JP2017056420A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 株式会社Screenホールディングス 塗工装置
KR20180099471A (ko) * 2017-02-28 2018-09-05 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 웹 가공 장치

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010177343A (ja) * 2009-01-28 2010-08-12 Fuji Electric Holdings Co Ltd 薄膜積層体の製造装置
JP2010177407A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Fuji Electric Holdings Co Ltd 薄膜積層体の製造装置
KR20150015385A (ko) * 2013-07-31 2015-02-10 닛토덴코 가부시키가이샤 필름 적층체로부터의 이물 제거 방법, 필름 적층체의 제조 방법 및 제조 장치
JP2015031751A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 日東電工株式会社 フィルム積層体からの異物除去方法、フィルム積層体の製造方法及び製造装置。
KR102211407B1 (ko) * 2013-07-31 2021-02-03 닛토덴코 가부시키가이샤 필름 적층체로부터의 이물 제거 방법, 필름 적층체의 제조 방법 및 제조 장치
US10059085B2 (en) 2014-08-29 2018-08-28 Sumitomo Chemical Company, Limited Wound body of porous film, and manufacturing method thereof
WO2016031990A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 住友化学株式会社 多孔質フィルムの捲回体、および、その製造方法
JP2017022092A (ja) * 2014-08-29 2017-01-26 住友化学株式会社 多孔質フィルムの捲回体、および、その製造方法
JPWO2016031990A1 (ja) * 2014-08-29 2017-04-27 住友化学株式会社 多孔質フィルムの捲回体、および、その製造方法
CN106661257A (zh) * 2014-08-29 2017-05-10 住友化学株式会社 多孔膜的卷绕体及其制造方法
CN104789913A (zh) * 2015-03-27 2015-07-22 中国重型机械研究院股份公司 一种夹送纠偏机构
CN106540863A (zh) * 2015-09-18 2017-03-29 株式会社斯库林集团 涂敷装置
JP2017056420A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 株式会社Screenホールディングス 塗工装置
KR20180099471A (ko) * 2017-02-28 2018-09-05 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 웹 가공 장치
CN108502596A (zh) * 2017-02-28 2018-09-07 株式会社村田制作所 幅材加工装置
KR102022956B1 (ko) * 2017-02-28 2019-09-19 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 웹 가공 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP4266503B2 (ja) 2009-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001316006A (ja) 基材搬送装置および基材塗工体の製造方法
US5964973A (en) Method and apparatus for making an elastomeric laminate web
KR101309343B1 (ko) 양면 도포 시공 장치 및 양면 도포 시공 방법
JP2002060102A (ja) 基材搬送装置および基材塗工体の製造方法
US10214000B2 (en) Method and apparatus for applying film
JP2013150946A (ja) ウエブ塗布装置
JP2014079708A (ja) 両面塗布装置
TW201700382A (zh) 片材構件之搬送方法及搬送裝置
TW201532936A (zh) 張力調節裝置及使用其之連續卷材處理方法
EP1274580B1 (en) Pressure laminator apparatus
US6805771B1 (en) Pressure laminator apparatus and non woven fabric formed thereby
WO2013111624A1 (ja) 電極シート材の製造装置
JP2002003035A (ja) ウエブの蛇行制御装置およびこの蛇行制御装置を用いたセラミックグリーンシートの製造装置
US6152345A (en) Method for controlling width-wise expansion of a conveyed web
KR100294527B1 (ko) 적층시이트제조방법및제조장치
JP2812911B2 (ja) 段ボールの製造方法および製造装置
JP2009013245A (ja) ポリイミドフィルム
JP2009046285A (ja) ウェブ搬送方向変更機構
JP2009045565A (ja) ウェブ塗布装置
KR101561974B1 (ko) 쉬트 라미네이터
JP3046790B2 (ja) コーティング基材の乾燥装置および乾燥方法
JP3369605B2 (ja) フィルム材の搬送装置
JP3358829B2 (ja) フィルム材の連続乾燥装置
KR20010098074A (ko) 직물의 합포제조방법 및 그 장치
KR102089917B1 (ko) 절단면을 갖는 긴 광학 필름을 반송하는 반송 장치, 및 광학 표시 패널의 연속 제조 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081014

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees