JP2001316006A - 基材搬送装置および基材塗工体の製造方法 - Google Patents
基材搬送装置および基材塗工体の製造方法Info
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Abstract
が受けるダメージの低減を図ることができる基材搬送装
置および基材塗工体の製造方法を提供する。 【解決手段】 基材搬送装置1は、ガイドロール4,9
を有し、このガイドロール4,9間には、基材2の両縁
部をそれぞれ挟持する基材挟持部材10a,10bが設
けられている。基材挟持部材10a,10bは、押付ロ
ーラ12と平板13とで構成されている。基材挟持部材
10a,10bの各押付ローラ12は、それらの軸心を
基材2の搬送方向側で交差させるように基材2の搬送方
向に対して傾斜して配置されている。また、基材挟持部
材10a,10bは、基材2の両縁部をそれぞれ挟持し
たときに、基材2の幅方向における基材2と基材挟持部
材10a,10bとの接触長さDa,Dbの合計が、基
材の幅寸法Dの25%以下となるように配置されてい
る。
Description
紙、フィルム(多孔質フィルムを含む)等の基材を搬送
する基材搬送装置、及び、基材搬送装置により搬送され
る基材に塗工液を塗工して塗工膜を形成する基材塗工体
の製造方法に関するものである。
搬送する基材搬送装置としては、例えば、2本のガイド
ロール間で基材の上下より空気を高速で吹き出すことに
よって、基材を空中に浮かした状態で走行させるものが
知られている。
来技術においては、空気の流れで基材が揺れて空気の噴
射口に触れることがないように、基材搬送方向にかかる
基材の張力を上げると、紙や多孔質フィルム等といった
比較的剛性の小さい材質の基材では、縦シワが発生しや
すくなるという不具合がある。これを解決する手段とし
ては、エキスパンダーロールやクラウンロールを用いる
ことが考えられるが、この場合には、ロールが基材の大
部分に接触するため、基材の受けるダメージが大きく、
品質の良好な製品が得られなくなる虞れがある。本発明
の目的は、基材へのシワの発生を防止すると共に、基材
が受けるダメージの低減を図ることができる基材搬送装
置および基材塗工体の製造方法を提供することである。
置は、基材を搬送するための少なくとも2つの搬送部材
と、2つの搬送部材間に配置され、基材の両縁部をそれ
ぞれ挟持する少なくとも1対の基材挟持部材とを備え、
1対の基材挟持部材は、基材を押し付ける押付ローラを
それぞれ有し、各押付ローラが、それらの軸心を基材の
搬送方向側で交差させるように基材の搬送方向に対して
傾斜して配置されていると共に、1対の基材挟持部材
は、基材の両縁部をそれぞれ挟持したときに、基材の幅
方向における基材と各基材挟持部材との接触長さの合計
が、基材の幅寸法の25%以下、好ましくは15%以
下、より好ましくは10%以下となるように構成されて
いることを特徴とするものである。
紙、フィルム等の基材を搬送する場合、各搬送部材間の
距離が長くなると、基材の搬送方向に作用する基材の張
力に対して基材の幅方向に生じる収縮力が大きくなっ
て、基材の歪み量が大きくなり、結果として基材に縦シ
ワが発生しやすくなる。そこで、上述したように、1対
の基材挟持部材の各押付ローラを、それらの軸心が基材
の搬送方向側で交差するように基材の搬送方向に対して
傾斜させて配置することにより、基材の搬送方向にかか
る張力が押付ローラを介して基材の幅方向外側(収縮力
が働く方向とは反対方向)に作用し、その方向に張力が
生じる。従って、基材に対してシワ伸ばし作用が働くよ
うになり、基材に縦シワが発生することが防止され、基
材は略平面状態で搬送される。
り基材の両縁部を挟むことで、基材の両縁部がダメージ
を受けることがあるが、上述したように、基材の幅方向
における基材と各基材挟持部材との接触長さの合計が基
材の幅寸法の25%以下となるように1対の基材挟持部
材を配置することにより、基材におけるダメージを受け
る領域が比較的少なくて済む。従って、基材の両縁部に
おける各基材挟持部材と当たる領域は製品本来の用途と
しては使わずに、例えばその領域を切断することによっ
て、生産性を大きく低下させることなく、高品質の製品
を得ることができる。
2つで基材の縁部を挟持するように構成され、それらの
押付ローラの少なくとも一方は、他方に対して接触・離
間可能である。このように基材挟持部材を2つの押付ロ
ーラで構成することにより、基材挟持部材を構成する部
品が1種類で済む。また、押付ローラ同士の押し付け荷
重を調節することによって、基材の幅方向外側にかかる
張力を容易に調節できる。
部材とで基材の端部を挟持するように構成され、押付ロ
ーラ及び板状部材の少なくとも一方は、他方に対して接
触・離間可能であるものでもよい。このように基材挟持
部材を構成する部品の1つを板状部材とすることによ
り、押付ローラを基材の搬送方向に複数配置した構成に
あっては、板状部材として長板を基材搬送方向に延びる
ように配置することで、複数の押付ローラと1枚の板状
部材とで基材の縁部を挟持できる。これにより、基材挟
持部材を構成する部品数を減らすことができる。また、
押付ローラと板状部材との押し付け荷重を調節すること
によって、基材の幅方向外側にかかる張力を容易に調節
できる。
り面の動摩擦係数が1.0以下であることが好ましい。
ここで、動摩擦係数は、JIS K7125−1987
の方方で測定したものである。これにより、基材進行方
向にかかる基材の張力が小さくなるため、基材の幅方向
外側に張力が効率良くかかるようになる。従って、基材
の幅方向における基材と基材挟持部材との接触長さを更
に短くできるので、基材の両縁部における製品として使
えない領域を更に少なくできる。
材との当たり面の動摩擦係数が0.1〜10である。こ
れにより、基材の幅方向外側に張力が効率良くかかるよ
うになる。従って、基材の幅方向における基材と基材挟
持部材との接触長さを更に短くできるので、基材の両縁
部における製品として使えない領域を更に少なくでき
る。
ングが設けられていることが好ましい。これにより、押
付ローラにおける基材との当たり面の動摩擦係数が大き
くなると共に、押付ローラが基材に当たることで生じる
基材の変形や破損を防止できる。
面は曲面であってもよい。この場合には、基材の幅方向
における基材と各基材挟持部材との接触長さを小さくで
きると共に、押付ローラが基材に当たることで生じる基
材の変形や破損を防止できる。
の搬送部材間に、基材の搬送方向に直線状に複数配置さ
れている。これにより、基材が略平面状態で搬送される
距離を長くすることができる。
は、押付ローラを基材の搬送方向に複数配置した基材搬
送装置により基材を搬送する工程と、基材の搬送方向に
配置された複数の押付ローラのうちのいずれか2つの押
付ローラ間で、基材における1対の基材挟持部材が接触
する部分の内側の領域に塗工液を塗工して塗工膜を形成
する工程とを有することを特徴とするものである。
材塗工体の製造を行うことにより、上述したように、基
材の搬送時に、基材にシワが発生することが防止される
と共に、基材の受けるダメージが低減される。このと
き、基材に塗工液を塗工する部位(塗工部)の上流側に
は基材挟持部材が配置されており、この基材挟持部材に
より略平面状とされた基材に塗工液が塗工されることに
なるため、塗工液の塗工精度が高くなる。また、塗工部
の下流側にも基材挟持部材が配置されており、この基材
挟持部材によって、基材に塗工した塗工液が固化して安
定するまで、基材を略平面状に維持したまま搬送するこ
とができる。
塑性ポリマー、ガラス繊維、アルミナ繊維のいずれであ
るものを使用し、塗工液として、芳香族ポリアミド、芳
香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の耐熱性樹
脂を1種または2種以上含むものを使用する。これによ
り、基材上には耐熱性を有する層が形成される。
用することが好ましい。より好ましくは、基材として熱
可塑性ポリマーからなる多孔質フィルムを用い、塗工液
として、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族
ポリアミドイミドのいずれかを含むものを用いる。この
ようにして得られた基材塗工体は、二次電池用セパレー
タとして好適に使用できる。
および基材塗工体の製造方法の好適な実施形態について
図面を参照して説明する。
を示す概略構成図であり、図2はその平面図である。こ
れらの図において、本実施形態の基材搬送装置1は、基
材塗工体を製造(製膜ともいう)する製膜装置に備えら
れるものであり、この製膜装置は、織物、不織布、紙、
樹脂フィルム(多孔質フィルムを含む)、金属フィルム
等の基材2に塗工液(以下、ドープという)Dを塗工す
ることで、基材2に樹脂膜を形成する。基材2として
は、幅寸法が150〜1000mm程度であり、厚さが
通常100μm以下、好ましくは50μm以下、より好
ましくは25μm以下のものが用いられる。なお、本実
施形態で使用する基材2及びドープDについては、後で
詳述する。
この巻き出し機3から巻き出された基材2は、ガイドロ
ール(搬送部材)4を介して塗工部5に送られる。塗工
部5は、基材2を支持する支持台6と、この支持台6の
上部に設けられドープDをせき止めるダム部7とを有
し、ダム部7の吐出口7aからドープDを基材2の搬送
方向に連続的に送り出し、基材2上に塗工膜Sを形成す
る。この塗工膜Sが形成された基材2は、乾燥炉8内の
析出部に送られ、この析出部で析出処理が行われた後、
ガイドロール(搬送部材)9を介して凝固部に送られ
る。
材2の幅方向の両縁部をそれぞれ挟持する左右1対の基
材挟持部材10a,10bが設けられ、塗工部5とガイ
ドロール9との間には、塗工膜Sが形成された基材2の
幅方向の両縁部をそれぞれ挟持する左右1対の基材挟持
部材11a,11bが設けられている。基材挟持部材1
0a,10bは、押付ローラ12と平板13とで構成さ
れている。また、基材挟持部材11a,11bは、基材
2の搬送方向に直線状に配置された複数(ここでは6
つ)の押付ローラ14と、基材2の搬送方向に延びる平
板15とで構成されている。ここで、押付ローラ12,
14は同一構造をなしており、その直径は例えば30m
mであり、幅は例えば5mmである。また、平板15を
長板とし、1枚の平板15と複数の押付ローラ14とで
基材2の縁部を挟むようにしたので、基材挟持部材11
a,11bを構成する部品の数が少なくて済む。
付ローラ12は、それらの軸心を基材2の搬送方向側で
交差させるように基材2の搬送方向に対して傾斜して配
置されている。また、1対の基材挟持部材11a,11
bの各押付ローラ14も、基材挟持部材10a,10b
の各押付ローラ12と同じ角度で傾斜して配置されてい
る。なお、押付ローラ12,14は、傾斜角度を調節で
きるようになっている。
は、基材2の両縁部をそれぞれ挟持したときに、基材2
の幅方向における基材2と基材挟持部材10a,10b
との接触長さDa,Dbの合計が基材2の幅寸法Dの2
5%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10
%以下となるように構成されている。また、1対の基材
挟持部材11a,11bについても、基材挟持部材10
a,10bと同様に構成されている。
基材挟持部材11a,11bにより基材2の両縁部を挟
んだときには、押付ローラ12,14と平板13,15
との押し付けによって基材2の両縁部がダメージを受け
ることがある。しかし、上述したように基材2における
接触長さDa,Dbの合計が基材2の幅寸法Dの25%
以下と比較的短くなっているので、基材2においてダメ
ージを受ける部分が少なくて済む。従って、基材2の両
縁部において基材挟持部材10a,10b及び基材挟持
部材11a,11bと当たる部分は、製品の本来の用途
に使わないようにしても、その無駄なロス部分は少ない
ため、特に生産性を損なうということは無い。
は、基材2において製品として使える領域、つまり基材
2における基材挟持部材11a,11bと接触する部分
の内側の領域にドープDを塗工するようになっている。
び基材挟持部材11a,11bの各押付ローラ12,1
4は、エアーシリンダ16により上下動する。これによ
り、押付ローラ12,14が平板13,15に対して接
触・離間可能であると共に、押付ローラ12,14と平
板13,15との押し付け荷重が調節可能となる。各エ
アーシリンダ16は、1つの圧力制御弁により連動して
動作する構成であるのが、コスト等の面から好ましい。
る手段は、上記のような空気圧を用いるエアーシリンダ
に限定されるものでなく、油圧、電気動力、バネ等の弾
性体を用いるものであってもよい。また、上記のように
押付ローラ12,14を上下動させる代わりに、平板1
3,15を上下動させてもよく、あるいは押付ローラ1
2,14及び平板13,15の両方を上下動可能として
もよい。
搬送する場合、図3に示すように、ガイドロール4,9
間には基材2の長手方向の張力Wが働くため、基材2の
幅方向内側に収縮力Gが生じる。ここで、ガイドロール
4,9間の距離が短い場合には、基材2の張力Wに対し
て基材2の収縮力Gが小さく、基材2の歪み量が少ない
ので、縦シワの発生には至らない。しかし、ガイドロー
ル4,9間の距離が長くなると、基材2の張力W(ロー
ル間距離に関係なく一定)に対して基材2の収縮力Gが
大きくなり、図3の点線に示すように歪み量が大きくな
り、結果として縦シワが発生してしまう。特に、基材2
として多孔質フィルムを使用した場合には、基材2にド
ープDを塗工すると、基材2にドープDが浸透すること
で基材2が膨張し、縦シワがより発生しやすくなる。
材搬送装置1では、押付ローラ12,14を上記のよう
に基材2の搬送方向に対して傾斜して配置したので、基
材2に縦シワが発生することを防止できる。すなわち、
押付ローラ12,14を平板13,15に対して押し付
けると、押付ローラ12,14が変形して基材2に対し
線接触した状態となる。そして、図4(a)に示すよう
に、A点で押付ローラ12,14と接した基材2は、基
材2の走行に応じた押付ローラ12,14の回転によっ
て、A点の外側のB点に移動することになる。このた
め、図4(b)に示すように、基材2の幅方向外側(収
縮力Gが働く方向とは反対方向)に張力Pがかかるよう
になり、この張力Pにより収縮力Gが相殺されるため、
基材2にはシワ伸ばし効果が働く。これにより、基材2
に縦シワが発生することが防止され、基材2は略平面状
を保った状態で走行する。
は、駆動機構(図示せず)により押付ローラ12,14
の傾斜角度を調整したり、エアーシリンダ16により押
付ローラ12,14と平板13,15との押し付け荷重
を調整することによって、適宜変更することができる。
良くかけるには、図5に示すような構成を採用するのが
好ましい。同図において、押付ローラ12,14の外周
面にはゴムリング17が装着されており、押付ローラ1
2,14における基材2との当たり面の動摩擦係数を大
きくしている。この動摩擦係数は、具体的には0.1〜
10であることが好ましい。これにより、基材2の幅方
向外側に張力Pが効率良くかかるので、その分だけ押付
ローラ12,14の幅を小さくできる。この場合には、
図2で示した接触長さDa,Dbを更に短くできるた
め、基材2の両縁部における製品として使えないロス部
分を更に減らすことができる。また、押付ローラ12,
14にゴムリング17を設けることによって、押付ロー
ラ12,14が基材2に当たることで生じる基材2の変
形や破損を防止できる。
フルオロチレン(登録商標名:テフロン)製の板材18
が設けられており、平板13,15における基材2との
当たり面の動摩擦係数を小さくしている。この動摩擦係
数は、具体的には1.0以下であることが好ましい。こ
のような構成によっても、基材2の幅方向外側に張力P
が効率良くかかるので、基材2の両縁部におけるロス部
分の削減に寄与することになる。
えた製膜装置により製膜処理を行う場合、巻き出し機3
から巻き出された基材2は塗工部5に送られ、この塗工
部5において、基材2にドープDを塗工して塗工膜Sを
形成する。このとき、ガイドロール4と塗工部5との間
には基材挟持部材10a,10bが配置されており、こ
の基材挟持部材10a,10bによって基材2は縦シワ
の無い略平面状態にされるため、ドープの塗工精度を高
くすることができる。
炉8を介して次の工程に送られる。このとき、塗工部5
とガイドロール9との間には、複数の押付ローラ14を
有する基材挟持部材11a,11bが配置されており、
この基材挟持部材11a,11bによって基材2は長時
間ほぼ平面状態にされる。これにより、基材2に塗工し
た塗工材料の溶媒が蒸発や貧溶媒溶解によるポリマーの
析出または加熱による硬化反応等で安定するまで、基材
2を略平面状態に維持したままガイドロール9に触れる
ことなく走行させることができる。
の工程に順次送られ、所定の処理が行われ、巻き取り機
に巻き取られる。その後、必要に応じ、基材2の両縁部
における基材挟持部材10a,10b及び基材挟持部材
11a,11bと接触したロス部分を含む所定部分を切
断することにより、品質の高い製品を得ることができ
る。
ドープDについて説明する。基材2及びドープDは、そ
の目的に応じて適宜選択することができる。
でもよく、また合成物でも天然物でもよい。有機物とし
ては、具体的には熱可塑性ポリマーがあげられる。熱可
塑性ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、レーヨン、ビニロン、ポリエステ
ル、アクリル、ポリスチレン、ナイロン等があげられ
る。無機物としては、ガラス繊維、アルミナ繊維等があ
げられる。
耐熱性を有する層を形成するためには、耐熱樹脂を含む
ドープを用いる。耐熱樹脂としては、芳香族ポリアミド
(以下、アラミドということがある)、芳香族ポリイミ
ド(以下、ポリイミドということがある)、芳香族ポリ
アミドイミド等があげられる。
ポリアミド(以下、メタアラミドということがある)、
パラ配向芳香族ポリアミド(以下、パラアラミドという
ことがある)等があげられ、多孔質になりやすい点では
パラアラミドが好ましい。
族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮
合重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族
環のパラ位またはそれに準じた配向位(例えば、4,
4’−ビフェニレン,1,5−ナフタレン,2−6−ナ
フタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる
配向位)で結合される繰り返し単位から実質的になるも
のである。
タルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4,
4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラ
フェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミ
ド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレン
テレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド
/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共
重合体等のパラ配向型またはパラ配向型に準じた構造を
有するパラアラミドが例示される。
有機溶媒に溶けて低粘度の溶液とすることができ、塗工
性が優れるので、固有粘度1.0〜2.8dl/gであ
ることが好ましく、固有粘度1.7〜2.5dl/gで
あることがより好ましい。これにより、十分なフィルム
強度が得られると共に、安定したパラアラミド溶液とな
ってフィルム化が容易になる。
性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒であり、具体的に
は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチル−2−ピロリドン、テトラメ
チルウレア等があげられるが、これらに限定されるもの
ではない。
質であり、フィブリル状ポリマーであることが好まし
い。このフィブリル状ポリマーは、微視的には不織布状
であり、層状で多孔状の空隙を有するものであり、いわ
ゆるパラアラミド多孔質樹脂を形成している。
は、芳香族の二酸無水物とジアミンの縮重合で製造され
る全芳香族ポリイミドが好ましい。二酸無水物の具体例
としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’−ビス(3,4−ビカルボキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などがあげられ
る。ジアミンの具体例としては、オキシジアニリン、パ
ラフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン、3,
3’−メチレンヂアニリン、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルフォン、1,5’−ナフタレンジアミンなどが
あげられるが、これらに限定されるものではない。本実
施形態では、ポリイミド溶液から直接的に多孔質フィル
ムを作成する場合には、溶媒に可溶なポリイミドが好適
に使用できる。このポリイミドとしては、例えば、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物と、芳香族ジアミンとの重縮合物のポリイミド
があげられる。
は、アラミドの記載箇所で例示したもののほか、ジメチ
ルスルホキサイド、クレゾール、o−クロロフェノール
等が好適に使用できる。
を含んでしてもよい。このセラミック粉末は、耐熱樹脂
と絡まって、塗工フィルム全体または部分的に分散して
配置している。
工面の平滑性の点より、一次粒子の平均粒径が1.0μ
m以下であることが好ましく、0.5μm以下であるこ
とがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに
好ましい。一次粒子の平均粒径は、電子顕微鏡により得
た写真を、粒子径計測器で解析する方法によって測定す
る。
属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等からなるセラミッ
ク粉末があげられ、例えばアルミナ、シリカ、二酸化チ
タンまたは酸化ジルコニウム等の粉末が好ましく用いら
れる。上記セラミック粉末は、単独で用いてもよいし、
2種以上を混合して用いることもできる。
挟持部材10a,10b及び基材挟持部材11a,11
bの各押付ローラ12,14を、それらの軸心が基材2
の搬送方向側で交差するように傾斜して配置したので、
基材2に縦シワが発生することを防止し、基材2を略平
面状態で走行させることができる。これにより、基材2
に対するドープDの塗工精度が高くなると共に、基材2
に塗工したドープDが効果的に安定化するようになる。
材挟持部材10a,10b及び基材挟持部材11a,1
1bとの接触長さDa,Dbの合計が、基材の幅寸法D
の25%以下となるように構成したので、基材2が受け
るダメージが低減され、基材2のロス部分が少なくな
る。従って、生産性をあまり低下させることなく、高品
質の製品を得ることができる。
つとして平板を用いる構成としたが、平板の代わりに、
上面(基材と接触する側の面)が曲面形状をなした板材
やバー等を用いてもよい。
を図6及び図7により説明する。図中、上述した実施形
態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説
明を省略する。
搬送装置21は、ガイドロール4,9間に配置され、基
材2の両縁部をそれぞれ挟持する左右複数対の基材挟持
部材22a,22bを有している。各基材挟持部材22
a,22bは、上下に配置された1対の押付ローラ2
3,23で構成されている。この押付ローラ23は、第
1の実施形態における押付ローラ12,14と同じ構造
である。これにより、基材挟持部材22a,22bを構
成する部品が1種類で済む。
からは、押付ローラ23の外周面の形状は、平面状また
は湾曲面状とし、局部的な応力集中が基材2にかからな
いようにするのが好ましい。このとき、1対の押付ロー
ラ23,23の外周面を同じ形状にしてもよく、あるい
は押付ローラ23,23の外周面の一方を平面状とする
と共に、他方を湾曲面状としてもよい。また、押付ロー
ラ23の外周面に、図3に示すようなゴムリングを装着
してもよい。
ラ23は、それらの軸心を基材2の搬送方向側で交差さ
せるように基材2の搬送方向に対して傾斜して配置され
ている。これにより、上述したように、基材2を搬送す
る際に、ガイドロール4,9間で、基材2に縦シワが発
生することを防止できる。
が、本発明は、上記実施形態に限定されるものではな
い。例えば、上記実施形態の基材搬送装置は、基材2に
ドープDを塗工する製膜装置に備えられたものである
が、本発明に係る基材搬送装置は、他の装置・設備にも
適用可能である。つまり、本発明は、ドープを塗工しな
い基材の搬送についても適用できる。
水平方向に走行させるものには限定されず、基材2を垂
直方向または傾斜方向に走行させるものにも、適用可能
である。
ドロール間で複数の押付ローラを基材2の搬送方向に配
置した場合には、基材2の蛇行修正を行うことも可能で
ある。具体的には、基材2の両縁部位置をエッジセンサ
で検出し、この検出結果に基づいて、基材2に押し付け
る押付ローラの数を左右両側で変えたり、押付ローラの
押付力を左右両側で変えたり、押付ローラの傾斜角度を
左右両側で変えることによって、基材の蛇行修正を行う
ことができる。
各押付ローラを、それらの軸心が基材の搬送方向側で交
差するように基材の搬送方向に対して傾斜させたので、
基材を搬送する時に、基材へのシワの発生を回避でき
る。
をそれぞれ挟持したときに、基材の幅方向における基材
と各基材挟持部材との接触長さの合計が基材の幅寸法の
25%以下となるようにしたので、基材においてダメー
ジの受ける領域を低減できる。従って、基材において製
品として使える領域を十分に確保できるので、生産性を
大きく損なうことなく、高品質の製品を得ることができ
る。
を示す概略構成図である
ある。
理を示す図であり、(b)は(a)のX部を拡大したも
のである。
る。
略を示す概略構成図である
部材)、5…塗工部、9…ガイドロール(搬送部材)、
10a,10b…基材挟持部材、11a,11b…基材
挟持部材、12…押付ローラ、13…平板(板状部
材)、14…押付ローラ、15…平板(板状部材)、1
6…エアーシリンダ、17…ゴムリング、21…基材搬
送装置、22a,22b…基材挟持部材、23…押付ロ
ーラ、D…ドープ。
Claims (10)
- 【請求項1】 基材を搬送するための少なくとも2つの
搬送部材と、 前記2つの搬送部材間に配置され、前記基材の両縁部を
それぞれ挟持する少なくとも1対の基材挟持部材とを備
え、 前記1対の基材挟持部材は、前記基材を押し付ける押付
ローラをそれぞれ有し、各押付ローラが、それらの軸心
を前記基材の搬送方向側で交差させるように前記基材の
搬送方向に対して傾斜して配置されていると共に、 前記1対の基材挟持部材は、前記基材の両縁部をそれぞ
れ挟持したときに、前記基材の幅方向における前記基材
と前記各基材挟持部材との接触長さの合計が、前記基材
の幅寸法の25%以下となるように構成されていること
を特徴とする基材搬送装置。 - 【請求項2】 前記基材挟持部材は、前記押付ローラ2
台で前記基材の縁部を挟持するように構成され、それら
の押付ローラの少なくとも一方は、他方に対して接触・
離間可能であることを特徴とする請求項1記載の基材搬
送装置。 - 【請求項3】 前記基材挟持部材は、前記押付ローラと
板状部材とで前記基材の端部を挟持するように構成さ
れ、前記押付ローラ及び前記板状部材の少なくとも一方
は、他方に対して接触・離間可能であることを特徴とす
る請求項1記載の基材搬送装置。 - 【請求項4】 前記板状部材における前記基材との当た
り面の動摩擦係数が1.0以下であることを特徴とする
請求項3記載の基材搬送装置。 - 【請求項5】 前記押付ローラにおける前記基材との当
たり面の動摩擦係数が0.1〜10であることを特徴と
する請求項1〜4のいずれか一項記載の基材搬送装置。 - 【請求項6】 前記押付ローラの外周面にはゴムリング
が設けられていることを特徴とする請求項5記載の基材
搬送装置。 - 【請求項7】 前記押付ローラは、前記2つの搬送部材
間に、前記基材の搬送方向に直線状に複数配置されてい
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の
基材搬送装置。 - 【請求項8】 請求項7記載の基材搬送装置により基材
を搬送する工程と、前記基材の搬送方向に配置された前
記複数の押付ローラのうちのいずれか2つの押付ローラ
間で、前記基材における前記1対の基材挟持部材が接触
する部分の内側の領域に塗工液を塗工して塗工膜を形成
する工程とを有することを特徴とする基材塗工体の製造
方法。 - 【請求項9】 前記基材として、その材質が熱可塑性ポ
リマー、ガラス繊維、アルミナ繊維のいずれかであるも
のを使用し、前記塗工液として、芳香族ポリアミド、芳
香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミドのいずれかを
含むものを使用することを特徴とする請求項8記載の基
材塗工体の製造方法。 - 【請求項10】 前記基材として多孔質フィルムを使用
することを特徴とする請求項9記載の基材塗工体の製造
方法。
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