JP7262285B2 - 電池用セパレータの製造システム、及び電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

電池用セパレータの製造システム、及び電池用セパレータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フィルムを乾燥させる乾燥部と、上記フィルムを、上記乾燥部を通過させる搬送部とを備える電池用セパレータの製造システム、及び電池用セパレータの製造方法に関する。
フィルムを最大延伸倍率まで延伸したのちに、最大延伸倍率よりも低い延伸倍率で一定時間保持する緩和工程の構成が知られている(特許文献1)。
また、予めポリオレフィン微多孔膜の延伸後のフィルム長さが10%以上、300%以下の範囲で減少する程度に熱収縮させ、最終延伸倍率とする熱緩和工程の構成が知られている(特許文献2)。
特開2014-6505号公報(2014年1月16日公開) 特開2017-141428号公報(2017年8月17日公開)
電池用セパレータに含まれる溶媒を乾燥させるための乾燥部において、当該溶媒の蒸発に伴って電池用セパレータに湾曲を生じるという問題、又は、電池用セパレータが幅方向に収縮するという問題がある。
本発明の一態様は、溶媒の蒸発に伴う電池用セパレータの変形を抑制することができる電池用セパレータの製造システム、及び電池用セパレータの製造方法を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電池用セパレータの製造システムは、フィルムを乾燥させる乾燥部と、上記フィルムを、上記乾燥部を通過させる搬送部とを備えており、上記乾燥部の出口における上記フィルムの張力は、上記乾燥部の入口における上記フィルムの張力より低い。
これによれば、乾燥部の入口でフィルムの張力が高くなるので、フィルムに含まれる溶媒の蒸発に起因するフィルムの変形が抑制される。一方、乾燥部の出口でフィルムの張力が低くなるので、乾燥部の入口での高い張力に起因して生じたフィルムの歪が低減される。従って、乾燥後のフィルムに湾曲が生じることを抑制することができる。
本発明の一態様に係る電池用セパレータの製造システムは、上記フィルムを洗浄する洗浄部を備えており、上記搬送部は、上記フィルムを、上記洗浄部、上記乾燥部の順に通過させ、上記洗浄部の入口における上記フィルムの張力は、上記乾燥部の入口における上記フィルムの張力より低いことが好ましい。
上記構成によれば、洗浄部でのフィルムの弛みに起因するフィルムの巻きずれを抑制することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電池用セパレータの製造方法は、フィルムを、乾燥部を通過させることで乾燥する工程を含み、上記乾燥部の出口における上記フィルムの張力を、上記乾燥部の入口における上記フィルムの張力より低くする。
これによれば、乾燥部の入口でフィルムの張力が高くなるので、フィルムに含まれる溶媒の蒸発に起因するフィルムの変形が抑制される。一方、乾燥部の出口でフィルムの張力が低くなるので、乾燥部の入口での高い張力に起因して生じたフィルムの歪が低減される。従って、乾燥後のフィルムに湾曲が生じることを防ぐことができる。
本発明の一態様に係る電池用セパレータの製造方法は、上記フィルムを洗浄する洗浄部を用いて、上記フィルムを、上記洗浄部、上記乾燥部の順に通過させ、上記洗浄部の入口における上記フィルムの張力を、上記乾燥部の入口における上記フィルムの張力より低くすることが好ましい。
上記構成によれば、洗浄部でのフィルムの弛みに起因するフィルムの巻きずれを抑制することができる。
本発明の一態様によれば、溶媒の蒸発に伴う電池用セパレータの変形を抑制することができる。
実施形態に係るリチウムイオン二次電池の断面構成を示す模式図である。 図1に示されるリチウムイオン二次電池の詳細構成を示す模式図である。 図1に示されるリチウムイオン二次電池の他の構成を示す模式図である。 リチウムイオン二次電池の積層セパレータを製造するセパレータ製造システムの流れを示すフロー図である。 上記セパレータ製造システムの洗浄装置及び乾燥装置の構成を示す模式図である。 上記乾燥装置の変形例の構成を示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
<リチウムイオン二次電池>
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、エネルギー密度が高い。それゆえ、上記非水電解液二次電池は、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末等の機器、自動車、航空機等の移動体に用いる電池として、広く使用されている。そして、上記非水電解液二次電池は、また、電力の安定供給に資する定置用電池として広く使用されている。
図1は、リチウムイオン二次電池1の断面構成を示す模式図である。図1に示されるように、リチウムイオン二次電池1は、カソード11と、セパレータ12と、アノード13とを備える。リチウムイオン二次電池1の外部において、カソード11とアノード13との間に、外部機器2が接続される。そして、リチウムイオン二次電池1の充電時には方向Aへ、放電時には方向Bへ、電子が移動する。
<セパレータ>
セパレータ12は、リチウムイオン二次電池1の正極であるカソード11と、その負極であるアノード13との間に、これらに挟持されるように配置される。セパレータ12は、カソード11とアノード13との間を分離しつつ、これらの間におけるリチウムイオンの移動を可能にする多孔質フィルムである。セパレータ12は、その材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを含む。
図2は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の詳細構成を示す模式図であって、(a)は通常の構成を示し、(b)はリチウムイオン二次電池1が昇温したときの様子を示し、(c)はリチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図2の(a)に示されるように、セパレータ12には、多数の孔Pが設けられている。通常、リチウムイオン二次電池1のリチウムイオン3は、孔Pを介し往来できる。
ここで、例えば、リチウムイオン二次電池1の過充電、又は、外部機器の短絡に起因する大電流等により、リチウムイオン二次電池1は、昇温することがある。この場合、図2の(b)に示されるように、セパレータ12が融解又は柔軟化し、孔Pが閉塞する。そして、セパレータ12は収縮する。これにより、リチウムイオン3の往来が停止するため、上述の昇温も停止する。
しかし、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温する場合、セパレータ12は、急激に収縮する。この場合、図2の(c)に示されるように、セパレータ12は、破壊されることがある。そして、リチウムイオン3が、破壊されたセパレータ12から漏れ出すため、リチウムイオン3の往来は停止しない。ゆえに、昇温は継続する。
<耐熱セパレータ>
図3は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の他の構成を示す模式図であって、(a)は通常の構成を示し、(b)はリチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図3の(a)に示されるように、リチウムイオン二次電池1は、機能層4をさらに備えてよい。機能層4と、セパレータ12とは、耐熱セパレータ12a(セパレータ)を形成している。機能層4は、セパレータ12のカソード11側の片面に積層されている。なお、機能層4は、セパレータ12のアノード13側の片面に積層されてもよいし、セパレータ12の両面に積層されてもよい。そして、機能層4にも、孔Pと同様の孔が設けられている。通常、リチウムイオン3は、孔Pと機能層4の孔とを介し往来する。機能層4は、その材料として、例えば全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)を含む。
図3の(b)に示されるように、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温し、セパレータ12が融解又は柔軟化しても、機能層4がセパレータ12を補助しているため、セパレータ12の形状は維持される。ゆえに、セパレータ12が融解又は柔軟化し、孔Pが閉塞するにとどまる。これにより、リチウムイオン3の往来が停止するため、上述の過放電又は過充電も停止する。このように、セパレータ12の破壊が抑制される。
<セパレータの製造方法>
リチウムイオン二次電池1のセパレータ12aの製造は特に限定されるものではなく、公知の方法を利用して行うことができる。以下では、セパレータ12がその材料として主にポリエチレンを含む場合を仮定して説明する。
例えば、熱可塑性樹脂に無機充填剤又は可塑剤を加えてフィルム成形した後、該無機充填剤及び該可塑剤を適当な溶媒で除去する方法が挙げられる。例えば、セパレータ12が、超高分子量ポリエチレンを含むポリオレフィンセパレータである場合には、以下に示すような方法により製造することができる。
この方法は、(1)超高分子量ポリエチレンと、無機充填剤(例えば、炭酸カルシウム、シリカ)、又は可塑剤(例えば、低分子量ポリオレフィン、流動パラフィン)とを混練してポリエチレン樹脂組成物を得る混練工程、(2)ポリエチレン樹脂組成物を用いてシートを成形する成形工程、(3)工程(2)で得られたシートを溶媒で洗浄し該シート中から無機充填剤又は可塑剤を除去する洗浄工程、(4)工程(3)で得られたシートを乾燥し該シートに含まれる洗浄溶媒を除去する乾燥工程、及び、(5)工程(4)で得られたフィルムを延伸してセパレータ12を得る延伸工程を含む。なお、前記工程(4)を、前記工程(2)と(3)との間で行なうこともできる。
除去工程によって、フィルム中に多数の微細孔が設けられる。延伸工程によって延伸されたフィルムの微細孔は、上述の孔Pとなる。これにより、所定の厚さと透気度とを有するポリエチレン微多孔膜であるセパレータ12が形成される。
なお、混練工程において、超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5~200重量部と、無機充填剤100~400重量部とを混練してもよい。
<積層セパレータの製造方法>
リチウムイオン二次電池1の積層セパレータの製造は特に限定されるものではなく、公知の方法を利用して行うことができる。
前記セパレータ12の表面に機能層4を形成することにより積層セパレータが得られる。例えば、セパレータ12に、アラミド/NMP(N-メチル-ピロリドン)溶液(塗工液)を塗工し、それを固化(析出工程)させた後に洗浄することによりアラミドコート層である機能層4を形成する。また、機能層4として、無機フィラーを含む懸濁液(アルミナとカルボキシメチルセルロースと水とを含む懸濁液など)を塗工し、それを固化(析出工程)させることで無機フィラーを含むコート層を形成してもよい。これらの機能層4は耐熱層として機能する。
また、塗工工程において、セパレータ12の表面に、ポリフッ化ビニリデン/ジメチルアセトアミド溶液(塗工液)を塗工(塗工工程)し、それを固化(析出工程)させることによりセパレータ12の表面に機能層を形成することもできる。当該機能層は接着層として機能する。
機能層は、セパレータ12の片面だけに設けられても、両面に設けられてもよい。
塗工液をセパレータ12に塗工する方法は、均一にウェットコーティングできる方法であれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、キャピラリーコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、バーコート法、グラビアコート法、ダイコート法などを採用することができる。機能層4の厚さは塗工される塗工液の厚み、又は、塗工液中の固形分濃度を調節することによって制御することができる。
<セパレータ製造システム20の構成>
図4はリチウムイオン二次電池の積層セパレータ12bを製造するセパレータ製造システム20の流れを示すフロー図である。図5はセパレータ製造システム20の洗浄装置24及び乾燥装置26の構成を示す模式図である。
セパレータ製造システム20は、搬送系29(搬送部)により搬送されるセパレータ12に機能層4を形成した積層セパレータ12b(フィルム)を製造する。セパレータ製造システム20には、捲出装置21と塗工装置22と析出装置23と洗浄装置24と乾燥装置26(乾燥部)と捲取装置28とが設けられている。なお、セパレータ製造システム20は、上記のすべての装置を備えるものに限定されるわけではない。セパレータ製造システム20は、必要に応じて、捲出装置21、および捲取装置28とから選ばれる一つ以上の装置を省略してもよく、その他の装置を含んでもよい。
塗工装置22は、搬送系29により搬送されるセパレータ12cに塗工液を塗工する。析出装置23は、塗工装置22によりセパレータ12cに塗工された塗工膜を固化させる。
洗浄装置24は、析出装置23により塗工膜が固化して機能層4が形成された積層セパレータ12bを洗浄する。乾燥装置26は、洗浄装置24により洗浄された積層セパレータ12bを乾燥させる。捲取装置28は、乾燥装置26により乾燥した積層セパレータ12bを捲き取る。
(乾燥装置26の構成)
乾燥装置26は、洗浄工程において用いられた溶媒を除去するために積層セパレータ12bを乾燥させる。乾燥装置26には、積層セパレータ12bが矢印A1の方向に沿って供給される。積層セパレータ12bは、搬送系29の複数個の搬送ローラーR6aにより搬送され、左右2列に密集して交互に配置された複数個の乾燥ローラーR6に順次巻き付けられて搬送される。そして、他の搬送ローラーR6aにより搬送され、矢印A2に示す方向に沿って乾燥装置26から積層セパレータ12bが搬出される。このように、積層セパレータ12bは、搬送ローラR6aを含む搬送系29により搬送されて乾燥装置26を通過する。
乾燥装置26の出口における積層セパレータ12bの張力は、乾燥装置26の入口における積層セパレータ12bの張力より低い。このように、乾燥装置26の入口で積層セパレータ12bの張力を高くすることで、積層セパレータ12bの変形を抑制することができ、乾燥装置26の出口で積層セパレータ12bの張力を低くすることで、乾燥装置26の入口での大きな張力に起因して生じた積層セパレータ12bの歪を低減することができる。従って、乾燥後の積層セパレータ12bに湾曲が生じることを抑制することができる。
乾燥装置26の出口とは、実際に乾燥の機能を発揮する乾燥ローラーR6の下流側の位置を意味する。そして、乾燥装置26の入口とは、実際に乾燥の機能を発揮する乾燥ローラーR6の上流側の位置を意味する。
乾燥装置26の出口における積層セパレータ12bの張力、及び、乾燥装置26の入口における積層セパレータ12bの張力は、張力制御部材により、上記の関係となるように制御してもよい。前記張力制御部材の具体例としては、テンションピックアップロールやダンサーロール等がある。乾燥装置26の入口と乾燥装置26の出口との間における積層セパレータ12bの張力制御を行うには、例えば、乾燥装置26の入口と乾燥装置26の出口との間と、乾燥装置26の出口より下流側にそれぞれテンションピックアップロールを配置すればよい。また、前記張力制御部材の組み合わせは特に限定されず、ダンサーロールとテンションピックアップロールとを組み合わせてもよいし、ダンサーロールを複数用いてもよい。なお、テンションピックアップロールは、駆動ロールの上流側に配置されることが好ましい。この構成によると、テンションピックアップロールが検知した荷重に関する情報が駆動ロールに速やかに伝達されるので、張力制御をより高精度に行うことが出来る。
乾燥装置26の入口における積層セパレータ12bの張力に対する乾燥装置26の出口における積層セパレータ12bの張力の比率は、0.1以上0.95以下が好ましく、0.15以上0.9以下がより好ましく、0.2以上0.85以下がさらに好ましい。
乾燥装置26の上流、つまり乾燥装置26の入口側では、塗工液の溶媒の蒸発に伴って積層セパレータ12bに大きな変形が生じる。このため、高い張力で積層セパレータ12bを拘束しながら積層セパレータ12bを乾燥させることにより、積層セパレータ12bの変形を抑制することができる。
一方、塗工液の溶媒の多くが蒸発した後の乾燥装置26の下流、つまり乾燥装置26の出口側では、上流よりも低い張力を積層セパレータ12bに作用させながら、積層セパレータ12bを乾燥させることで、上記上流での拘束によって生じた積層セパレータ12bの歪を低減することができる。すなわち、乾燥後の積層セパレータ12bに生じるカールを抑制することができる。
なお、乾燥装置26の入口における積層セパレータ12bの温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、60℃以上95℃以下がより好ましい。一方、乾燥装置26の出口の温度は、80℃以上130℃以下が好ましく、90℃以上120℃以下がより好ましい。
(洗浄装置24の構成)
洗浄装置24は、セパレータ12cに機能層4が塗布された積層セパレータ12bを洗浄する。搬送系29は、積層セパレータ12bを、塗工装置22、析出装置23、洗浄装置24、乾燥装置26の順番に通過させる。
洗浄装置24には、積層セパレータ12bが矢印A3の方向に沿って供給される。積層セパレータ12bは、搬送系29の複数個の搬送ローラーR5aにより搬送され、複数個の水槽30に収容された水によりそれぞれ洗浄されながら複数個のローラーR5により水中を搬送される。そして、他の搬送ローラーR5aにより搬送され、矢印A4に示す方向に沿って洗浄装置24から積層セパレータ12bが搬出される。
洗浄装置24の入口における積層セパレータ12bの張力は、乾燥装置26の入口における積層セパレータ12bの張力より低い。より具体的には、乾燥装置26の入口における積層セパレータ12bの張力に対する洗浄装置24の入口における積層セパレータ12bの張力の比率は、0.1以上0.9以下が好ましく、0.15以上0.85以下がより好ましく、0.2以上0.8以下がさらに好ましい。張力の比率を上記範囲に制御することで、洗浄装置24での積層セパレータ12bの弛みに起因する、積層セパレータ12bの巻きずれを抑制することができる。洗浄装置24の出口における積層セパレータ12bの張力は、洗浄装置24の入口における積層セパレータ12bの張力より高いことが好ましく、また、乾燥装置26の入口における積層セパレータ12bの張力は、洗浄装置24の出口における積層セパレータ12bの張力よりも高いことが好ましい。また、洗浄装置24における積層セパレータ12bの張力はその入口から出口にかけて徐々に高くなることが好ましい。このように張力を制御することによって洗浄部での積層セパレータ12bの弛みを効果的に、より抑制することができる。
洗浄装置24の入口とは、実際に洗浄の機能を発揮する水槽30の上流側の位置を意味する。
洗浄装置24の入口における積層セパレータ12bの張力、及び、乾燥装置26の入口における積層セパレータ12bの張力は、張力制御部材により、上記の関係となるように制御してもよい。前記張力制御部材の具体例としては、テンションピックアップロールやダンサーロール等がある。洗浄装置24の入口と乾燥装置26の入口との間における積層セパレータ12bの張力制御を行うには、例えば、洗浄装置24の入口と乾燥装置26の入口との間と、乾燥装置26の入口より下流側にそれぞれテンションピックアップロールを配置すればよい。また、前記張力制御部材の組み合わせは特に限定されず、ダンサーロールとテンションピックアップロールを組み合わせてもよいし、ダンサーロールを複数用いてもよい。なお、テンションピックアップロールは、駆動ロールの上流側に配置されるのが好ましい。この構成によると、テンションピックアップロールが検知した荷重に関する情報が駆動ロールに速やかに伝達されるので、張力制御をより高精度に行うことが出来る。
〔実施例〕
(巻きずれ評価)
作製した塗工フィルムロールを目視で確認し、巻きずれが生じていないものを〇、巻きずれが生じたものを×とした。
(カール評価)
作製した塗工フィルムロールを1m繰り出して机上に静置し、カールが生じなかったものを〇、カールが生じたものを×とした。
(実施例1)
攪拌翼、温度計、窒素流入管および粉体添加口を有する、3リットルのセパラブルフラスコに、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)2200g、塩化カルシウム粉末151gを加えた。次いで、当該セパラブルフラスコの内容物を摂氏100度に昇温して、当該塩化カルシウム粉末を完全に溶解させた。次いで、当該セパラブルフラスコの内容物を室温に冷却した後に、パラフェニレンジアミン68.23gを加え完全に溶解させた。次いで、テレフタル酸ジクロライド124.97gを加え、摂氏20度で1時間撹拌することで、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)(以下、PPTAと省略する)の6重量パーセント溶液を得た。
得られたPPTA溶液100gに、NMP300gを加え、PPTAの1.5重量パーセント溶液を得た。得られた1.5重量パーセント溶液にアルミナC(日本アエロジル社製)6g、アドバンスドアルミナAA-03(住友化学社製)6gを加え、240分間攪拌した。さらに炭酸カルシウム0.73gを加え、240分間攪拌し、塗工液1を得た。
膜厚13.5μmのポリエチレン多孔質フィルムの表面に、バーコーターを用いて、上記塗工液1を塗工することによって、前記ポリエチレン多孔質フィルムの表面に塗工膜が形成された塗工フィルムを得た。この塗工フィルムを50℃、相対湿度70%の雰囲気下に導き、前記塗工膜に含まれるPPTAを析出させた。PPTAが析出した塗工フィルムを、水で満たされた水槽中に導き洗浄した後、乾燥部に導き乾燥した。ここで、前記水槽の入口の張力Aは0.09N/mmとし、前記乾燥部の入口の張力Bは0.17N/mm、温度は90℃とし、乾燥部の出口の張力Cは0.04N/mm、温度は110℃とした。その後、乾燥した塗工フィルムを、巻取部にてロール状に巻取り、塗工フィルムロール1を得た。巻取られた塗工フィルムに巻きずれはなく外観良好であり、また、カール評価の結果、カールは認められなかった。
(比較例1)
洗浄部入口の張力A、乾燥部入口の張力Bおよび乾燥部出口の張力Cを0.09N/mmとした以外は、実施例1と同じ条件で塗工フィルムロール2を作製した。得られた塗工フィルムは、カールし、また、塗工フィルムロールには巻きずれが発生した。
(比較例2)
洗浄部入口の張力Aを0.09N/mm、乾燥部入口の張力Bを0.17N/mm、乾燥部出口の張力Cを0.19N/mmとした以外は、実施例1と同じ条件で塗工フィルムロール3を作製した。得られた塗工フィルムロールに、巻きずれは生じなかったが、塗工フィルムにカールが生じた。
下記の(表1)に上述の実施例と比較例の各張力、乾燥部入口の張力Bに対する洗浄部入口の張力Aの比率(以下、A/Bと称する)、乾燥部入口の張力Bに対する乾燥部の張力Cの比率(以下、C/Bと称する)、巻きずれ評価およびカール評価の結果を示す。
Figure 0007262285000001
(乾燥装置の変形例)
図6は乾燥装置の変形例の構成を示す模式図である。前述した構成要素と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。
乾燥装置26Aは、内部に熱風が供給される熱風部31及び32を備える。乾燥装置26Aには、積層セパレータ12bが矢印A1の方向に沿って供給される。積層セパレータ12bは、搬送系29の複数個の搬送ローラーR6aにより熱風部31及び32を通り抜けて搬送される。このため、積層セパレータ12bは、熱風部31及び32の内部に供給された熱風により乾燥する。そして、矢印A2に示す方向に沿って乾燥装置26Aから積層セパレータ12bが搬出される。
乾燥装置26Aの出口の張力と入り口の張力とを前述した乾燥装置26と同様に制御することにより、乾燥装置26と同様の効果を得ることができる。すなわち、熱風部32の出口の張力を、熱風部31の入り口の張力よりも低くすることで、前述した乾燥装置26と同様の効果を得ることができる。
<実施形態2>
本実施形態は、前記析出装置23および前記洗浄装置24を含まないこと以外は、前記実施形態1と同一である。
本実施形態における乾燥装置26は、塗工装置22によりセパレータ12cに塗工された塗工液に含まれる溶媒を除去し、乾燥することにより機能層4を形成する。
<実施形態3>
前述した実施形態1、2では、機能層4を塗工装置22でセパレータ12cに塗工したときの乾燥装置26による乾燥工程の例、洗浄装置24による洗浄工程の例を示したが、本発明はこれに限定されない。前述した延伸工程における延伸基材の洗浄工程、乾燥工程において、同様な張力設定にしても同様の効果が得られる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
12b 積層セパレータ(フィルム)
20 セパレータ製造システム
24 洗浄装置(洗浄部)
26 乾燥装置(乾燥部)
29 搬送系(搬送部)

Claims (2)

  1. フィルムを乾燥させる乾燥部と、
    上記フィルムを、上記乾燥部を通過させる搬送部とを備えており、
    上記乾燥部の出口における上記フィルムの張力は、上記乾燥部の入口における上記フィルムの張力より低く、
    上記フィルムを洗浄する洗浄部を備えており、
    上記搬送部は、上記フィルムを、上記洗浄部、上記乾燥部の順に通過させ、
    上記洗浄部の入口における上記フィルムの張力は、上記乾燥部の入口における上記フィルムの張力より低い電池用セパレータの製造システム。
  2. フィルムを、乾燥部を通過させることで乾燥する工程を含み、
    上記乾燥部の出口における上記フィルムの張力を、上記乾燥部の入口における上記フィルムの張力より低くし、
    上記フィルムを洗浄する洗浄部を用いて、
    上記フィルムを、上記洗浄部、上記乾燥部の順に通過させ、
    上記洗浄部の入口における上記フィルムの張力を、上記乾燥部の入口における上記フィルムの張力より低くする電池用セパレータの製造方法。
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