JP2002059930A

JP2002059930A - 加熱加工食品用カップ

Info

Publication number: JP2002059930A
Application number: JP2000246233A
Authority: JP
Inventors: Sadami Ito; 禎美伊藤
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2000-08-15
Filing date: 2000-08-15
Publication date: 2002-02-26

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】重積した多数のカップ同士を滑動し易くする
と共に、多数のカップの重積体からカップ単品を一つず
つ分離し易くすること。【解決手段】ほぼ弧形短冊状のブランク１をその長さ
方向に丸め、その端部１ａ同士を接着部２で接着して中
空円錐台形のカップ側筒３を作り、その小径周辺に連接
した多数のフラップ５を内側に折り曲げ、この内向き折
り曲げ面５ａに底紙６を接着したカップを作るに当た
り、ブランク１における各フラップ５の谷間５Ａにほぼ
円形の切欠４を形成し、これら各切欠４のほぼ中央から
各フラップ５を内側に折り曲げてカップ側筒３を作るこ
とで、この側筒３の切欠周辺部３Ａを切欠４の折曲済み
弧状縁辺４Ａに沿わせて側筒周方向に丸めるとともに、
フラップ折り曲げ面５ａに底紙６を接着することで、側
筒切欠周辺部３Ａの周方向丸め状態を確保した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、下細のカップ側
筒がクラフト紙などの下級洋紙や耐熱プラスチックシー
ト製の加熱菓子等加熱加工食品用カップの改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】飲料用カップは、その側筒が紙製とプラ
スチック製のものが多く、紙製カップでは、紙繊維の形
状（長さ、太さ）が揃い、しかもその繊維が均斉に存在
するように紙カップ用として特別に抄造した“カップ原
紙”という紙厚２００ｇ／ｍ^２以上のものを用いる。焼
き菓子用紙カップは“カップ原紙”に比べ厚さが薄い４
０〜１５０ｇ／ｍ^２程度の薄手洋紙や１００〜２００μ
ｍ厚のポリエチレンテレフタレートなどの耐熱プラスチ
ックシートを用いる。

【０００３】すなわち、紙カップ用として余り用いない
薄手洋紙や上記耐熱プラスチックシートを焼き菓子用カ
ップ側筒に使う理由としては、クラフト紙などの下級洋
紙は組織繊維の長さが長いため、特に耐熱性に優れてい
ることと、薬品処理による晒加工を施していない未晒ク
ラフト紙やポリエチレンテレフタレート所謂ＰＥＴは食
品衛生的にも好ましいことと、菓子種中の油脂分の加熱
中に容器用紙中への流入油脂による透明化部分のムラが
未晒クラフト紙やＰＥＴシートでは、目立たないという
こととが主な理由である。

【０００４】そしてクラフト紙などの薄手洋紙で作った
焼き菓子用紙カップ（紙製容器）としては、実開平１−
６９７１４号公報記載のものや、実開昭６０−５０１７
３号公報中第１図（ｂ）、第３図（ｂ）記載のものが有
る。この従来例は、図７に示すように、クラフト紙など
の薄手洋紙をほぼ弧形短冊状に形成したブランク１をそ
の長さ方向に丸め、その端部１ａ同士を接着部２で接着
して中空円錐台形のカップ側筒３を作り、その小径周縁
に連接した多数のフラップ５をすべて図７に示す各フラ
ップ谷間５Ａを結ぶほぼ直線状の折り線Ｌから図８のよ
うに円錐台マンドレルＭの上部で内側に折り曲げてこの
折り曲げ面に底紙６を図９のように接着した焼成食品用
紙カップである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この従来例における上
記多数のフラップ５は、マンドレルＭの上面で図８に示
す直線に近い折り線Ｌから内側に向け手指で折り曲げて
も、逆皿状の折り曲げ治具で折り曲げても、フラップ５
の折り曲げ縁辺５Ｄは、ブランク１の剛性のためマンド
レル上面の円形に沿った折り目輪郭とはならず、図８に
示す直線状の折り曲げ縁辺５Ｄとなってしまう結果、底
紙６の周囲による側筒下縁は多角形となり、図８、図９
のように多数のフラップ５，５間にそれぞれ前記各フラ
ップ谷間５Ａ毎に底紙６の円形輪郭から０．１〜０．４
ｍｍ程度の僅かに外に食み出した多数の食み出し角部５
Ｃが図８、図９のように生じる。

【０００６】したがって、これらカップ底紙６から外に
食み出た角部５Ｃが有る従来のカップＣ′の多数を図１
０のように重積（スタッキング）して出荷した後、ユー
ザがカップ重積体からカップＣ′を一つずつ引き抜き分
離する際に、前記角部５Ｃがその外側のカップの内面に
図１０のように０．１〜０．４ｍｍ程食い込んでしまっ
ているためこの部分の係合摩擦が大きいことと、各側筒
同士が面接触してしまっているために、各側筒同士の間
と底紙同士の間とに空気が入り込みづらいこととによ
り、カップの単品分離が極めて実行しづらく、その作業
性を著しく阻害していたという本質的かつ、重大な問題
点が有る。

【０００７】また、前記従来例のほかに、カップ側筒に
凹凸を設けて少しでもカップ重積体からカップ単品を分
離し易くした従来例として、本願出願人が先に提案した
登録実用新案第３０４６２８９号公報記載のもののよう
に、ロール紙または枚葉紙に所定の襞、絵柄、文字など
の凹凸模様を浮き出し、打ち抜いた扇形のブランクの両
側端をノリ付けし、中空円錐筒形に成形した周壁（カッ
プ側筒）と、この周壁の底部に挿入した底板とを有した
カップの内部に混捏した菓子たねを収容した状態で、焼
きまたは蒸し加工して菓子と一体に製品となる熱加工菓
子用のカップも周知である。

【０００８】ところが、この従来例においても、カップ
側筒と底紙との接合部外面には、カップ周壁下部の折り
曲げシワや丸皿状底紙の立ち上げ周辺に生じる多数のシ
ワにより、依然として多数の突部が出来てしまうので、
この突部による単品分離の困難性は未だに解決できなか
ったという問題点が有る。

【０００９】この発明は、前記した各問題点を除去する
ために、上広がりのカップ側筒の小径周辺に突設した多
数のフラップの各谷間にほぼ円形の切欠を連通させて形
成することで、側筒フラップの折り曲げによる食み出し
角部が生じないようにして、重積した多数のカップ同士
を滑動し易くすると共に、前記フラップ谷間の切欠から
底紙同士および側筒同士の間に空気を入り易くすること
により、多数のカップの重積体からカップ単品を一つず
つ分離し易くすることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記したこの発明の目的
は、ほぼ弧形短冊状のブランクをその長さ方向に丸め、
その端部同士を接着部で接着して中空円錐台形のカップ
側筒を作り、その小径周辺に連接した多数のフラップを
内側に折り曲げ、この内向き折り曲げ面に底紙を接着し
たカップを作るに当たり、前記ブランクにおける各フラ
ップの谷間にほぼ円形の切欠を形成し、これら各切欠の
ほぼ中央から前記各フラップを内側に折り曲げてカップ
側筒を作ることで、この側筒の切欠周辺部を前記切欠の
折曲済み弧状縁辺に沿わせて側筒周方向に丸めるととも
に、前記フラップ折り曲げ面に底紙を接着することで、
前記側筒切欠周辺部の周方向丸め状態を確保したことで
達成できた。また、カップ内加熱加工済食品を食する際
に、カップ側筒を千切り剥し易くするためのミシン目状
切断線や引き剥し用摘み片をカップ側筒に形成してもよ
い。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態例について図
面を参照して説明する。先ず、この発明の基本形態は、
図１に示すようなカップＣを作るに当たり、先ず、厚さ
が４０〜８０ｇ／ｍ^２程度のクラフト紙などの薄手洋
紙または、厚さが１００〜２００μｍ程のＰＥＴシート
などの耐熱プラスチックシートに必要に応じ加熱プレス
加工や凹凸ローラ加工等の周知手段で所望数の縦線状凸
部を作って、ほぼ弧形短冊状にカットした図２のような
ブランク１の小径辺に多数の先細のフラップ５を形成
し、各フラップ５の谷間５Ａにほぼ円形の切欠４を図２
のように連通形成する。

【００１２】そして上記のブランク１をその長さ方向に
丸め、その端部１ａ同士を糊料またはヒートシールによ
る接着部２で接着した後、マンドレルに被せる等の周知
手段により、各切欠４のほぼ中央から多数のフラップ５
を内側に折り曲げ、この折り曲げ面５ａに円板状の底紙
６を図１、図３のように糊料またはヒートシールにより
接着してカップＣとしたものである。

【００１３】ただし、本発明による上記カップＣは、前
記各切欠４のほぼ中央から前記各フラップ５を内側に折
り曲げてカップ側筒３の下部を作ることで、この側筒下
部の切欠周辺部３Ａを図１、図３のように前記切欠４の
折曲済み弧状縁辺４Ａに沿わせて側筒周方向に丸めるこ
とができるとともに、前記フラップ折り曲げ面５ａに底
紙６を接着することで、前記側筒切欠周辺部３Ａの周方
向丸め状態を確保することができたので、各フラップ５
の折り曲げ基部に生じるべき食み出し角部（前記従来例
図面図８における食み出し角部５Ｃ）が本発明によるカ
ップＣには、図１、図３および図４に示す通り生じるこ
とがない。

【００１４】したがって、上記カップＣの多数を図５の
ように重積した場合、底紙周縁における側筒下部周面、
つまり、側筒切欠周辺部３Ａには、前記のように多数の
フラップ５の折り曲げによる食み出し角部は生じないの
で、上記側筒下部外周面がその外側のカップ内面に同図
５のよう食い込むことがなく、しかも、各側筒３，３同
士および底紙６同士の間に前記多数の切欠４から直接に
空気が入り込み易いので、カップ重積体からカップ単品
を１個ずつ容易に引き出し取出すことができた。なお、
図３のように底紙６の周辺に前記切欠４の一部を残存す
るように底紙６を選定すれば、底紙同士の間にも直接空
気がより一層入り込み易くなるので、より一層単品分離
が容易となる。

【００１５】また、本発明によるカップＣ内に菓子種を
入れても、前記各切欠４から菓子種が漏出することはな
く、そのまま炉内で焼成するか、または蒸し釜で蒸すと
菓子種が加熱膨脹すると共に、菓子種中の小麦デンプン
がアルファ化して食用可能な焼菓子または蒸し菓子とな
り、カップ側筒を剥して食せる。

【００１６】すなわち、カップＣ内の菓子種、つまり
「ドウ」の大半を占める小麦デンプンは、６０℃以上の
加熱で糊化し、カップ側筒３の内面から底紙６をも糊着
し固化する。カップ側筒３を形成するため、側筒ブラン
ク１の両端を貼り合わせる接着部２は、小麦デンプンが
熱により糊化する以前の膨脹による膨脹圧を受けるの
で、この部分の接着には充分意を注ぐ必要があるが、側
筒下部周辺に有る前記切欠４による直径１〜３ｍｍ程度
以下の孔やスキマがあっても、ドウの填入時、あるいは
填入後のドウの粘性およびドウの加熱糊化等により、上
記切欠４部分からドウが漏出する懸念はない。

【００１７】また、カップＣ内に菓子種以外の例えばグ
ラタン生地や麺類等を入れて、カップＣ内で、加熱調理
するようにしてもよい。なお、図１（ｄ）における符号
ｍで示す部分は、ミシン目状切断線であり、また、前記
各図におけるカップＣの肉厚は、分り易くするために拡
大誇張してある。

【００１８】

【実施例】カップＣの高さを６０ｍｍとし、その開口角
度をカップ中心線に対して約５度とすると共に、フラッ
プ５の数を２０枚、各フラップの幅を８ｍｍ、切欠４の
直径を２ｍｍとした図１、図２の例では、カップ底紙６
の周縁部に対向した前記側筒下部外周面には、フラップ
５の折り曲げによる食み出し角部は、図１、図３および
図４のように発生することがなく、カップ重積体におけ
る上位のカップＣの外周面は、その下位外側のカップ内
周面に食い込む筈がなく、隣接カップ同士の係合摩擦を
減少させることができたので、カップ分離が容易となっ
た。なお、切欠４の輪郭は、図示例の円形のもの以外
に、楕円形とか小判形や鈍角多角形など、円形に似てい
る輪郭であればよいことが判明した。

【００１９】

【発明の効果】この発明は、以上のような形態を採用し
たので、以下に記載の効果を奏する。本発明では、ほぼ
弧形短冊状のブランク１をその長さ方向に丸め、その端
部１ａ同士を接着部２で接着して中空円錐台形のカップ
側筒３を作り、その小径周辺に連接した多数のフラップ
５を内側に折り曲げ、この内向き折り曲げ面５ａに底紙
６を接着したカップを作るに当たり、前記ブランク１に
おける各フラップ５の谷間５Ａにほぼ円形の切欠４を形
成し、これら各切欠４のほぼ中央から前記各フラップ５
を内側に折り曲げてカップ側筒３を作ることで、この側
筒３の切欠周辺部３Ａを前記切欠４の折曲済み弧状縁辺
４Ａに沿わせて側筒周方向に丸めることができ、この丸
め状態を前記フラップ折り曲げ面５ａに底紙６を接着す
ることで確保することができた。

【００２０】したがって、本発明によれば、側筒フラッ
プの折り曲げによる食み出し角部は一切発生せず、重積
した多数のカップ同士を滑動し易くできたし、前記フラ
ップ谷間の切欠から底紙同士と側筒同士の間に空気を入
り易くすることができたので、多数のカップの重積体か
らカップ単品を一つずつ極めて容易に分離できたという
優れた効果が有る。

【００２１】請求項２の発明によれば、前記の効果のほ
かに、底紙６をフラップ折り曲げ面５ａの両面に接着し
たので、紙カップＣの底部を強化できると共に、食品生
地のコゲ付きをより一層防止できるという効果を付加で
きた。請求項３の発明では、フラップ５を先細としたこ
とで、その折り曲げ面５ａのオーバラップによる重合を
防ぐことができ、見栄えよく、使用勝手も良好であると
いう効果を付加できた。請求項４の発明では、フラップ
５が方形だから、ブランク１の抜き型が簡素化でき、経
済的であるというような効果を付加できた。請求項５の
発明では、前記効果に加えてカップ側筒３を手指で千切
り易くすることができ、カップ内食品を容易に露出させ
て、より一層食し易くすることができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による加熱加工食品用カップの実施形態
の一例を示す斜視図

【図２】本発明による加熱加工食品用カップに用いるブ
ランクの例を示す展開図

【図３】本発明による加熱加工食品用カップの拡大縦断
立面図

【図４】本発明による加熱加工食品用カップの拡大縦断
立面図

【図５】本発明による加熱加工食品用カップの多数を重
合した例を示す拡大縦断立面図

【図６】本発明による加熱加工食品用カップの他の例を
示す拡大縦断立面図

【図７】従来の紙カップ用ブランクの例を示す展開図

【図８】従来の紙カップの作り方の例を示す斜視図

【図９】従来の紙カップの一例を示す拡大縦断立面図

【図１０】従来の紙カップの多数を重積した例を示す拡
大縦断立面図

【符号の説明】

１側筒ブランク１ａブランクの端部２接着部３カップ側筒３Ａカップ側筒の切欠周辺部４ほぼ円形の切欠４Ａ切欠の折曲済み弧状縁辺５側筒フラップ５ａ側筒フラップの折り曲げ面５Ａ側筒フラップ谷間６底紙ｍミシン目状切断線Ｐ引き裂き用摘み代

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｂ６５Ｄ 81/34 Ｂ６５Ｄ 21/02 Ｆ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ほぼ弧形短冊状のブランク１をその長さ
方向に丸め、その端部１ａ同士を接着部２で接着して中
空円錐台形のカップ側筒３を作り、その小径周辺に連接
した多数のフラップ５を内側に折り曲げ、この内向き折
り曲げ面５ａに底紙６を接着したカップにおいて、前記
ブランク１における各フラップ５の谷間５Ａにほぼ円形
の切欠４を形成し、これら各切欠４のほぼ中央から前記
各フラップ５を内側に折り曲げてカップ側筒３を作るこ
とで、この側筒３の切欠周辺部３Ａを前記切欠４の折曲
済み弧状縁辺４Ａに沿わせて側筒周方向に丸めるととも
に、前記フラップ折り曲げ面５ａに底紙６を接着するこ
とで、前記側筒切欠周辺部３Ａの周方向丸め状態を確保
した加熱加工食品用カップ。
【請求項２】前記フラップ折り曲げ面５ａの両面に底
板６を接着してなる請求項１記載の加熱加工食品用カッ
プ。
【請求項３】前記多数のフラップ５を先細に形成して
なる請求項１または請求項２記載の加熱加工食品用カッ
プ。
【請求項４】前記多数のフラップ５をほぼ方形に形成
してなる請求項１または請求項２記載の加熱加工食品用
カップ。
【請求項５】前記カップ側筒３にミシン目状切断線ｍ
を設けた請求項１から請求項４までに記載の加熱加工食
品用カップ。