JP2002059708A - 空気入りタイヤ及びその装着方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びその装着方法

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JP2002059708A
JP2002059708A JP2000252995A JP2000252995A JP2002059708A JP 2002059708 A JP2002059708 A JP 2002059708A JP 2000252995 A JP2000252995 A JP 2000252995A JP 2000252995 A JP2000252995 A JP 2000252995A JP 2002059708 A JP2002059708 A JP 2002059708A
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pneumatic tire
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Daisuke Tazawa
大介 田澤
Hiroyuki Matsumoto
浩幸 松本
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接地圧の局所的な増大、低下を防止することに
より、横力の低下を抑え車両の旋回性及び直進安定性を
向上することができる空気入りタイヤを得る。 【解決手段】周方向溝36に区画されたリブ38Aの入
力側角部40Aに発泡ゴム層42Aを設けたことによ
り、路面から入力側角部40Aに作用する接地圧を吸収
できる。このため、接地圧の局所的な上昇を防止でき、
流力側角部40Aの路面からの浮き上がりを防止でき
る。この結果、横力の低下を抑え、車両の直進安定性を
向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トレッドに周方向
溝で区画されて形成された陸部を備えた空気入りタイヤ
及びその装着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】走行中の車両には路面状態、風及び操舵
などに起因した外乱の影響が常にあるため、この外乱が
タイヤの操縦安定性に与える影響も大きい。一方、高速
道路網の発達や車両の高出力化を背景として、高速走行
を行う機会が増えているが、この高速走行において重要
となる直進安定性は、上記外乱による影響及び操舵によ
る進路修正のし易さの影響が大きい。
【0003】従来、上記性能を向上するため、操舵時に
発生する横力CFを増大すべくタイヤの横剛性が増大す
る偏平化などが図られてきた。一方、雨天走行時の接地
面からの排水性を向上するため、トレッド部にタイヤ赤
道線に略平行な周方向溝を設けることが多いが、この周
方向溝は横力を低下させる作用があるため、排水性との
両立が課題となっていた。特に、比較的重量の重い車両
に装着されることが多い偏平率が60%以下のタイヤの
場合には、高速走行における直進安定性が近年の要求に
対して十分な水準に達していないのが現状である。
【0004】そこで、発明者らは、上記のようなトレッ
ドパターンにおいて直進性が損なわれる理由を探るた
め、トレッドの陸部と路面との接触状態の綿密な調査を
行った。その結果、以下のことが判明した。
【0005】図6に示すように、上記周方向溝100に
よって区分された陸部102、横力CFによりその表面
に働くせん断力によってタイヤ幅方向断面内において曲
げ変形をする。
【0006】ここで、一般に陸部は曲げ変形すると、横
力CFが陸部に入力する陸部の入力側角部がタイヤ半径
方向に突き出て、入力した横力CFが出力する陸部の出
力側角部が凹むことになるので、入力側角部では接地圧
力が増し、出力側角部では接地圧力が低下する。特に横
力CFが大きい時には入力側角部が路面に突っ張るよう
になり、出力側角部が路面から浮き上がることにより、
陸部の接地面積が低下することになる。排水性を向上し
ようとして多数の周方向溝を設けると陸部の幅が狭くな
り、陸部の幅方向曲げ剛性が低下する。そして、この傾
向が強まると横力が低下し、直進安定性が損なわれる。
【0007】以上のことから発明者らは、陸部の曲げに
起因する接地圧の増大、減少を抑えることで、周方向溝
による横力の低下を抑え、直進安定性を向上できると考
えた。
【0008】そこで、陸部の入力側角部又は出力側角部
と、接地圧及びせん断力との関係を調べた。その結果、
陸部は路面に接触すると、荷重を支えるため路面から垂
直応力(接地圧)を受け、この接地圧により陸部には各
種のせん断力が働き、そのせん断力にはエッヂの潰れ反
力と接地圧集中の寄与が大きいことがわかった。
【0009】すなわち、陸部は接地圧により潰れ変形す
るが、ゴムは一般に非圧縮性なのでこのとき接地面で拡
がろうとし、この挙動は陸部の端縁部において顕著とな
る。しかし、陸部の踏面は路面との接触により拘束され
ているため、この拡張変形が抑制され、このとき陸部の
エッヂ近傍は拡張変形の抑制により接地圧が局所的に大
きくなる。
【0010】以上により、周方向溝による横力の低下を
抑制するためには、接地圧の局所的な増大、低下を防止
し、陸部踏面が路面から浮き上がるのを防止することが
重要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、接地圧の局所的な増大、低下を防止することに
より、横力の低下を抑え車両の旋回性及び直進安定性を
向上することができる空気入りタイヤ及びその装着方法
を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の空気入
りタイヤでは、タイヤ周方向に沿って延びる複数の周方
向溝により区画された複数の陸部をトレッドに設けた空
気入りタイヤであって、横力が入力する前記陸部の入力
側角部近傍の該陸部に、路面との接触により前記入力側
角部に作用する接地圧を吸収する接地圧吸収部材を設け
たことを特徴とする。
【0013】請求項1に記載の空気入りタイヤの作用及
び効果について説明する。
【0014】従来技術においてすでに説明したように、
横力が入力する陸部の入力側角部と、接地圧及びせん断
力との関係では、陸部は路面に接触すると荷重を支える
ため路面から垂直応力(接地圧)を受け、この接地圧に
より陸部には各種のせん断力が働くが、そのせん断力に
は入力側角部の潰れ反力と接地圧集中の寄与が大きい。
【0015】すなわち、陸部は接地圧により潰れ変形す
るが、ゴムは一般に非圧縮性なのでこのとき接地面で拡
がろうとし、この挙動は陸部の端縁部において拡張変形
が顕著となる。しかし、陸部踏面は路面との接触により
拘束されているため、この拡張変形が抑制され、このと
き陸部の入力側角部は拡張変形の抑制により接地圧が局
所的に大きくなる。
【0016】そこで、本発明では、横力が入力する陸部
の入力側角部近傍の陸部内部に、路面との接触により入
力側角部に作用する接地圧を吸収する接地圧吸収部材を
設けたことにより、この接地圧吸収部材が陸部踏面に作
用する接地圧を吸収するため、接地圧の局所的な上昇を
防止することができ、陸部踏面の路面からの浮き上がり
を抑制できる。この結果、浮き上がりによる横力の低下
を抑え、車両の直進安定性を向上することができる。
【0017】特に、陸部に横力が複数方向から入力する
場合には、最も大きな値を示す横力が入力する入力側角
部、あるいは横力の入力回数の多い入力側角部近傍に上
記接地圧吸収部材を配置することが効果的である。
【0018】ここで、接地圧吸収部材として、圧縮性部
材が最適であるが、非圧縮性部材であっても、陸部を構
成するゴム材の硬度よりも低い硬度のゴム材を用いても
よい。
【0019】なお、本発明の陸部には、例えば、タイヤ
周方向に延びる周方向溝とタイヤ幅方向に延びる傾斜溝
とで区画されて形成されたブロック、周方向溝により区
画されタイヤ周方向に延びるリブなどが含まれる。
【0020】請求項2に記載の空気入りタイヤでは、接
地圧吸収部材は、周方向溝の側壁からタイヤ径方向に引
いた線と、周方向溝の溝底からタイヤ幅方向に引いた線
との交点近傍に設けられていることを特徴とする。
【0021】請求項2に記載の空気入りタイヤの作用及
び効果について説明する。
【0022】接地圧吸収部材は、周方向溝の側壁からタ
イヤ径方向に引いた線と、周方向溝の溝底からタイヤ幅
方向に引いた線との交点近傍に位置しているため、より
効果的に接地圧の局所的な上昇を防止することができ、
陸部表面の路面からの浮き上がりを抑制できる。この結
果、周方向溝による横力の低下を抑え、車両の直進安定
性をさらに向上することができる。
【0023】請求項3に記載の空気入りタイヤでは、接
地圧吸収部材のタイヤ幅方向の寸法をHW、前記周方向
溝の陸部踏面における溝幅の寸法をGW、前記周方向溝
と隣接し前記接地圧吸収部材が配置された前記陸部のタ
イヤ幅方向の寸法をRWとした場合に、前記周方向溝の
タイヤ幅方向の中心位置から前記接地圧吸収部材のタイ
ヤ幅方向の中心位置までの最短距離であるオフセット量
OSは、 0<OS≦(GW+RW−HW)/2………(1) 且つ、 HW≧RW/5………(2) を満足することを特徴とする。
【0024】請求項3に記載の空気入りタイヤの作用及
び効果について説明する。
【0025】接地圧吸収部材のタイヤ幅方向の寸法をH
W、周方向溝の陸部踏面における溝幅の寸法をGW、周
方向溝と隣接し内部に接地圧吸収部材が配置された前記
陸部のタイヤ幅方向の寸法をRWとした場合に、周方向
溝のタイヤ幅方向の中心位置から接地圧吸収部材のタイ
ヤ幅方向の中心位置までの最短距離であるオフセット量
OSは、上式(1)且つ、上式(2)を満足しているた
め、陸部の入力側角部において接地圧を効果的に低減で
き、大きな横力CFが陸部に作用した場合にも対応する
ことができる。
【0026】逆に、オフセット量OSが(GW+RW−
HW)/2よりも大きければ、陸部の角部以外の剛性の
低下が大きく不適切となり、また接地圧吸収部材のタイ
ヤ幅方向の寸法HWがRW/5よりも小さければ、接地
圧を十分に低減することができず不適切となる。
【0027】請求項4に記載の空気入りタイヤでは、空
気入りタイヤは、前記トレッドを補強するベルト層を該
トレッドのタイヤ径方向内側に設け、前記周方向溝のタ
イヤ径方向の最大深さをGD、前記周方向溝の最深部の
溝底から前記ベルト層までの最短距離をSB、前記陸部
の踏面から前記接地圧吸収部材までの最短距離をHUと
した場合、前記接地圧吸収部材のタイヤ径方向の最大厚
さHGは、 SB/3<HG<GD+SB−HU………(3) を満足することを特徴とする。
【0028】請求項4に記載の空気入りタイヤの作用及
び効果について説明する。
【0029】接地圧吸収部材のタイヤ径方向の最大厚さ
HGがあまりにも小さいと、陸部の入力側角部に作用す
る路面からの接地圧を十分に吸収することができない。
【0030】そこで、接地圧吸収部材のタイヤ径方向の
最大厚さHGが上式(3)の範囲であれば、陸部の入力
側角部に作用する接地圧を十分に吸収することができ
る。
【0031】また、接地圧吸収部材のタイヤ径方向の最
大厚さHGがSB/3以下であれば、陸部の入力側角部
に作用する路面からの接地圧を十分に吸収することがで
きず不適切となる。
【0032】請求項5に記載の空気入りタイヤでは、圧
縮性部材は、発泡ゴム層であり、前記発泡ゴム層のゴム
固相部の密度をA(g/cm3)、前記発泡ゴム層の密
度をB(g/cm3)であるときの発泡率Vは、 V=A/B−1………(4) で定義され、前記発泡率Vが0.05以上0.5以下で
あることを特徴とする。
【0033】請求項5に記載の空気入りタイヤの作用及
び効果について説明する。
【0034】特に、圧縮性部材を、ゴム固相部の密度を
A(g/cm3)、発泡ゴム層の密度をB(g/cm3
であるときの発泡率Vが上式(4)で定義され、この発
泡率Vが0.05以上0.5以下である発泡ゴム層とす
ることにより、より効果的に接地圧の局所的な上昇を防
止することができ、陸部表面の路面からの浮き上がりを
抑制できる。この結果、周方向溝による横力の低下を抑
え、車両の直進安定性をさらに向上することができる。
【0035】逆に、発泡率Vが0.05よりも大きい場
合には、陸部の剛性が低下し過ぎてしまいトレッドの強
度上不適切であり、発泡率Vが0.5よりも小さい場合
には、陸部の入力側角部に作用する路面からの接地圧を
十分吸収することができず、従来と同様の問題が生じて
しまう。
【0036】請求項6に記載の空気入りタイヤでは、陸
部の踏面から前記発泡ゴム層までの最短距離HUは、 V<0.1のとき、0≦HU≦(GD+SB/2)………(5) 又は、 V≧0.1のとき、GD×(V−0.1)≦HU≦(GD+SB/2)……… (6) を満足することを特徴とする。
【0037】請求項6に記載の空気入りタイヤの作用及
び効果について説明する。
【0038】空気入りタイヤは、トレッドを補強するベ
ルト層を該トレッドのタイヤ径方向内側に設け、周方向
溝のタイヤ径方向の最大深さをGD、周方向溝の最深部
の溝底からベルト層までの最短距離をSBとした場合
に、陸部の踏面から発泡ゴム層までの最短距離HUは、
上式(5)又は、上式(6)を満足している。すなわ
ち、発泡率Vが0.1以上の大きい場合には発泡ゴム層
を陸部の踏面から十分に離し、発泡率Vが0.1よりも
小さい場合には陸部の踏面もしくはその近傍位置に近づ
けることにより、発泡ゴム層の発泡率Vの増加に伴ない
耐摩耗性が低下するという不具合を回避した形で、陸部
の入力側角部の接地圧を十分に低減することができる。
【0039】請求項7に記載の空気入りタイヤでは、接
地圧吸収部材は、前記周方向溝の溝底からタイヤ赤道線
側に向けてタイヤ赤道線に対して左右対称に配置されて
いることを特徴とする。
【0040】請求項7に記載の空気入りタイヤの作用及
び効果について説明する。
【0041】タイヤに横力が作用(入力)した場合、タ
イヤケースの変形により、トレッド、特に陸部の横力入
力側の荷重負担が大きくなりこの入力側角部における接
地圧の増大が顕著となり、横力の発生量も大きくなる。
すなわち、横力が車両進行方向に対して左側から入力す
る場合には、陸部左側の角部の横力負担が大きく、横力
が車両進行方向に対して右側から入力する場合には、陸
部右側の角部の横力負担が大きくなる。
【0042】そこで、本発明のように、接地圧吸収部材
は周方向溝の溝底からタイヤ赤道線側に向けてタイヤ赤
道線に対して左右対称に配置されているため、横力が左
右どちらから入力した場合でも、陸部の入力側角部にお
ける接地圧を効果的に低減することができる。
【0043】また、上記のように接地圧吸収部材を設け
れば、空気入りタイヤを車両に取り付けるときの取付の
方向性を問題にすることがなく、取付作業をし易くする
ことができる。
【0044】請求項8に記載の空気入りタイヤの装着方
法では、接地圧吸収部材を前記陸部の入力側角部のう
ち、車幅方向外側の角部近傍に設けた請求項1乃至6の
いずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両の左輪側
に、前記接地圧吸収部材を前記陸部の入力側角部のう
ち、車幅方向外側の角部近傍に設けた請求項1乃至6の
いずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両の右輪側に
装着したことを特徴とする。
【0045】請求項8に記載の空気入りタイヤの装着方
法の作用及び効果について説明する。
【0046】車両が旋回運動を行う際、一般に車両進行
方向に対して旋回外輪(右旋回のときは左輪、左旋回の
ときは右輪をいう。)での荷重が大きくなり、外輪の陸
部の入力側角部での接地圧の増加が顕著となり、旋回に
必要な横力の負担も大きい。例えば、右旋回では左輪に
右方向(車幅方向外側から内側)の横力がより大きく働
き、左旋回では右輪に左方向(車幅方向外側から内側)
の横力がより大きく働く。
【0047】ここで、本発明のように、接地圧吸収部材
を前記陸部の入力側角部のうち、車幅方向外側の角部近
傍に設けた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空気
入りタイヤを車両の左輪側に、接地圧吸収部材を前記陸
部の入力側角部のうち、車幅方向外側の角部近傍に設け
た請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空気入りタイ
ヤを車両の右輪側に装着したことにより、旋回中に大き
な横力が作用する陸部の入力側角部における接地圧を効
果的に低減することができる。
【0048】請求項9に記載の空気入りタイヤの装着方
法では、接地圧吸収部材を前記陸部の入力側角部のう
ち、車幅方向外側の角部近傍に設けた請求項1乃至6の
いずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両の左輪側
に、前記接地圧吸収部材を前記陸部の入力側角部のう
ち、車幅方向内側の角部近傍に設けた請求項1乃至6の
いずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両の右輪側に
装着したことを特徴とする。
【0049】請求項9に記載の空気入りタイヤの装着方
法の作用及び効果について説明する。
【0050】一般に、路面には雨水を排水するための幅
方向の微小な勾配(路面カント)が付いており、この路
面カントは道路の中央から端に向かい下がる方向の勾配
なので、左側通行では車両は左側に落ちるような重力の
影響を受け、直進しようとしても、次第に車両が左に曲
がっていってしまう。これを補正して直進性を保つため
には、タイヤは右向きの微小な横力ΔCFを常に発生し
ながら走行することが必要になる。車両の向きを変える
ために必要な横力をCFとすると、右向きにはCF+Δ
CF、左向きにはCF−ΔCFの横力が必要となるの
で、右向きの横力の方が左向きの横力よりも大きくな
る。
【0051】そこで、本発明では、接地圧吸収部材を陸
部の入力側角部のうち、車幅方向外側の角部近傍に設け
た請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空気入りタイ
ヤを車両の左輪側に、接地圧吸収部材を陸部の入力側角
部のうち、車幅方向内側の角部近傍に設けた請求項1乃
至6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両の右
輪側に装着したことにより、大きな横力が作用する左輪
用タイヤのトレッド陸部の車幅方向外側の角部及び右輪
用タイヤのトレッド陸部の車幅方向内側の角部における
接地圧を効果的に低減することができる。
【0052】請求項10に記載の空気入りタイヤの装着
方法では、接地圧吸収部材を前記陸部の入力側角部のう
ち、車幅方向内側の角部近傍に設けた請求項1乃至6の
いずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両の左輪側
に、前記接地圧吸収部材を前記陸部の入力側角部のう
ち、車幅方向外側の角部近傍に設けた請求項1乃至6の
いずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両の右輪側に
装着したことを特徴とする。
【0053】請求項10に記載の空気入りタイヤの装着
方法の作用及び効果について説明する。
【0054】請求項9に記載した発明は車両が左側通行
の場合に有効であるが、車両が右側通行の場合において
は効果がない。
【0055】そこで、本発明のように、接地圧吸収部材
を陸部の入力側角部のうち、車両幅方向内側の角部近傍
に設けた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空気入
りタイヤを車両の左輪側に、接地圧吸収部材を陸部の入
力側角部のうち、車幅方向外側の角部近傍に設けた請求
項1乃至6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤを車
両の右輪側に装着したことにより、右側通行の場合にお
いても、大きな横力が作用する左輪用タイヤの陸部の車
幅方向内側の角部及び右輪用タイヤの陸部の車幅方向外
側の角部における接地圧を効果的に低減することができ
る。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の一実施形態に係る空気入りタイヤについて説明す
る。図1は本発明の空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面
図であり、図2は本発明の空気入りタイヤのトレッドの
部分断面図である。
【0057】先ず、本発明である空気入りタイヤ10の
全体構造について説明する。
【0058】図1には、空気入りタイヤ10(以下、適
宜「タイヤ10」と略称する。)が示されている。この
タイヤ10は、1対のビードコア12と、1対のビード
コア12にトロイド状に跨るカーカス14を有してい
る。このカーカス14は、1枚のカーカスプライ16か
ら構成されている。
【0059】カーカスプライ16は、ビードコア12の
回りをタイヤ軸方向内側から外側へ向けて折り返されて
いる。このカーカスプライ16の本体部16Aと折返部
16Bとの間には、ビード部20の剛性を確保するため
に、比較的硬度の高いゴムからなるスティフナ22が配
設されている。
【0060】また、カーカス14のタイヤ軸方向外側に
は、サイドゴム層24が形成されている。
【0061】また、カーカス14のタイヤ半径方向外側
には、同じ幅の2枚のベルトプライ26からなるベルト
層28が配置されている。
【0062】また、ベルト層28のタイヤ半径方向外側
には、トレッド30を構成するトレッドゴム層が設けら
れており、一方、カーカス14の内面にはインナーライ
ナー34が設けられている。
【0063】タイヤ10のトレッド30の踏面には、タ
イヤ赤道線CLに対して左右対称に周方向に延びる4本
の周方向溝36が形成されている。また、この周方向溝
36により区画されて上記トレッドゴム層としてのリブ
38A、38B、38C、38D(陸部)が形成されて
いる。これらのリブ38A、38B、38C、38D
(以下、適宜「リブ38」と総称する。)は、タイヤ幅
方向に略等間隔で配列されている。
【0064】なお、本実施形態では、タイヤ赤道線CL
に跨るリブは、タイヤ赤道線CLを基準として左側(L
側に位置する)に位置するものをリブ38Bとし、右側
(R側)に位置するものをリブ38Cとし、両者を区別
して説明する。
【0065】ここで、リブ38内部に設けられた接地圧
吸収部材について説明する。
【0066】タイヤ10のタイヤ赤道線CLから左側
(図1中矢印L側)のリブ38Aの内部には、そのタイ
ヤ幅方向外側角部近傍に接地圧吸収部材としての発泡ゴ
ム層42Aがタイヤ周方向に沿って設けられている。
【0067】このタイヤ幅方向外側角部はタイヤ10に
作用する横力が入力する入力側角部40Aであり、より
具体的には、図2に示すように、発泡ゴム層42Aの中
心が周方向溝36の側壁からタイヤ径方向に引いた線l
と、周方向溝36の溝底からタイヤ幅方向に引いた線m
との交点近傍にくるように設けられている。
【0068】上記した発泡ゴム層42A以外にも、タイ
ヤ赤道線CLの左側ではリブ38Bのタイヤ幅方向外側
角部である入力側角部40Bに発泡ゴム層42Bが設け
られており、タイヤ赤道線CLの右側(図1中矢印R
側)の各リブ38C、38Dのタイヤ幅方向外側角部、
すなわち横力の入力側角部40C、40Dに発泡ゴム層
42C、42Dがそれぞれ設けられている。このよう
に、発泡ゴム層42A、42B、42C、42D(以
下、適宜「発泡ゴム層42」と総称する。)はタイヤ赤
道線CLに対して左右対称に配置されている。
【0069】なお、上記発泡ゴム層42の発泡率Vは、
発泡ゴム層42のゴム固相部の密度をA(g/c
3)、発泡ゴム層42の密度をB(g/cm3)とした
場合に、 V=A/B−1………(1) で定義され、この発泡率Vが0.05以上0.5以下に
設定されている。
【0070】ここで、発泡ゴム層42が設けられている
位置についてさらに詳細に説明する。以下、発泡ゴム層
42Aを例にとって説明する。
【0071】図2及び図3に示すように、発泡ゴム層4
2Aのタイヤ幅方向の寸法をHW、周方向溝36のリブ
踏面における溝幅の寸法をGW、周方向溝36と隣接し
内部に発泡ゴム層42Aが配置されたリブ38Aのタイ
ヤ幅方向の寸法をRWとした場合に、周方向溝36のタ
イヤ幅方向の中心位置から発泡ゴム層42Aのタイヤ幅
方向の中心位置までの最短距離であるオフセット量OS
は、 0<OS≦(GW+RW−HW)/2………(2) 且つ、 HW≧RW/5………(3) を満足している。
【0072】なお、図2及び図3中のOSの矢印は、周
方向溝36の溝底から矢印の方向に向かって発泡ゴム層
42が設けられていることを示している。
【0073】また、リブ38Aの踏面から発泡ゴム層4
2Aまでの最短距離HUは、 V<0.1のとき、0≦HU≦(GD+SB/2)………(4) 又は、 V≧0.1のとき、GD×(V−0.1)≦HU≦(GD+SB/2)……… (5) を満足する範囲に設定されている。
【0074】また、発泡ゴム層42Aのタイヤ径方向の
最大厚さHGは、 SB/3<HG<GD+SB−HU………(6) を満足する範囲に設定されている。
【0075】以上の説明において、接地圧吸収部材とし
て、発泡ゴム層42を例示したが、これに限られるもの
ではなく、例えば、トレッドゴム層32を構成するゴム
のゴム硬度よりも低いゴム硬度を備えたゴム(図示省
略)を用いても良い。また、圧縮性部材を用いてもよ
い。
【0076】また、発泡ゴム層42はリブ38内部に形
成されている場合に限定されるものではなく、例えば周
方向溝36とタイヤ幅方向に延びる傾斜溝(図示省略)
とで区画されるブロック(図示省略)の内部に形成され
るものでもよい。
【0077】次に、本実施形態の空気入りタイヤの作用
及び効果について説明する。
【0078】一般に、横力が入力するリブ38Aの入力
側角部40Aと、接地圧及びせん断力との関係では、リ
ブ38Aは路面に接触すると荷重を支えるため路面から
垂直応力(接地圧)を受け、この接地圧によりリブ38
Aには各種のせん断力が働くが、そのせん断力には入力
側角部40Aの潰れ反力と接地圧集中が寄与することが
大きい。
【0079】すなわち、リブ38Aは接地圧により潰れ
変形するが、ゴムは一般に非圧縮性なのでこのとき接地
面で拡がろうとし、この挙動はリブ38Aの端縁部にお
いて拡張変形が顕著となる。しかし、リブ踏面は路面と
の接触により拘束されているため、この拡張変形が抑制
され、このときリブ38Aの入力側角部40Aは拡張変
形の抑制により接地圧が局所的に大きくなる。
【0080】そこで、本発明では、横力が入力するリブ
38Aの入力側角部40A近傍のリブ38A内部に、路
面との接触により入力側角部40Aに作用する接地圧を
吸収する発泡ゴム層42Aを設けたことにより、この発
泡ゴム層42Aがリブ踏面に作用する接地圧を吸収する
ため、接地圧の局所的な上昇を防止することができ、リ
ブ踏面の路面からの浮き上がりを抑制できる。この結
果、周方向溝36による横力の低下を抑え、車両の直進
安定性を向上することができる。
【0081】一方、タイヤ10に横力が作用(入力)し
た場合、タイヤケースの変形により、トレッド30、特
にリブ38Aの横力入力側の荷重負担が大きくなりこの
入力側角部40Aにおける接地圧の増大が顕著となり、
横力の発生量も大きくなる。すなわち、横力が車両進行
方向に対して左側から入力する場合には、リブ38A左
側の角部の横力負担が大きく、横力が車両進行方向に対
して右側から入力する場合には、リブ38A右側の角部
の横力負担が大きくなる。
【0082】そこで、発泡ゴム層42Aを周方向溝36
の溝底からタイヤ赤道線側に位置するリブ38A内部に
向けてタイヤ赤道線に対して左右対称に配置することに
より、横力が左右どちらから入力した場合でも、リブ3
8Aの入力側角部40Aにおける接地圧を効果的に低減
することができる。
【0083】また、このように発泡ゴム層42Aを設け
れば、タイヤ10を車両に取り付けるときの取付の方向
性を問題にすることがなく、取付作業をし易くすること
ができる。
【0084】以下、発泡ゴム層42の寸法及び発泡ゴム
層40が設けられている位置を上記のように特定したこ
との意義について説明する。
【0085】先ず、発泡ゴム層42Aの発泡率Vは、発
泡ゴム層42Aのゴム固相部の密度をA(g/c
3)、発泡ゴム層42Aの密度をB(g/cm3)とし
た場合において上式(1)で定義され、この発泡率Vが
0.05以上0.5以下に設定することにより、より効
果的に接地圧の局所的な上昇を防止することができ、リ
ブ踏面の路面からの浮き上がりを抑制できる。この結
果、周方向溝36による横力の低下を抑え、車両の直進
安定性をさらに向上することができる。
【0086】逆に、発泡率Vが0.05よりも大きい場
合には、リブ38Aの剛性が低下し過ぎてしまいトレッ
ド30の強度上不適切となるならであり、発泡率Vが
0.5よりも小さい場合には、リブ38Aの入力側角部
40Aに作用する路面からの接地圧を十分吸収すること
ができず、従来と同様の問題が生じてしまい問題となる
からである。
【0087】また、発泡ゴム層42Aのタイヤ径方向の
最大厚さHGを上式(6)の範囲に設定したことによ
り、路面からリブ38Aの入力側角部40Aに作用する
接地圧を十分に吸収することができる。
【0088】逆に、発泡ゴム層42Aのタイヤ径方向の
最大厚さHGがSB/3以下であると、リブ38Aの入
力側角部40Aに作用する路面からの接地圧を十分に吸
収することができないため不適切だからである。
【0089】また、周方向溝36のタイヤ幅方向の中心
位置から発泡ゴム層42Aのタイヤ幅方向の中心位置ま
での最短距離であるオフセット量OSは、上式(2)且
つ、上式(3)の範囲に設定されているため、リブ38
Aの入力側角部40Aにおいて接地圧を効果的に低減で
き、大きな横力がリブ38Aに作用した場合にも対応す
ることができる。
【0090】また、リブ38Aの踏面から発泡ゴム層4
2Aまでの最短距離HUは、上式(4)又は、上式
(5)を満足する範囲に設定されている。すなわち、発
泡率Vが0.1以上の大きい場合には発泡ゴム層42A
をリブ38Aの踏面から十分に離し、発泡率Vが0.1
よりも小さい場合にはリブ38Aの踏面もしくはその近
傍位置に近づけることにより、発泡ゴム層42Aの発泡
率Vの増加に伴ない耐磨耗性が低下するという不具合を
回避した形で、リブ38Aの入力側角部40Aの接地圧
を十分に低減することができる。
【0091】次に、本実施形態の空気入りタイヤの装着
方法について説明する。
【0092】上記実施形態では、タイヤ10のリブ38
に設けられた発泡ゴム層42は、タイヤ赤道線CLに対
して左右対称になるように配置したが、これに限られる
ものではない。例えば、図示しないが、全ての発泡ゴム
層をリブのタイヤ幅方向外側(あるいは内側)に位置す
る入力側角部に設けてもよい。
【0093】このとき、上記タイヤの装着方法として、
図4に示すように、上記発泡ゴム層が車幅方向外側に位
置するように車両の中心線kに対して車幅方向に左右対
称に装着することが好ましい。この場合、図4に示すよ
うに、各タイヤ50のオフセット量OSの矢印の向きが
車両の中心線kを向くように配置されることになる。
【0094】すなわち、車両が旋回運動を行う際、一般
に車両進行方向に対して旋回外輪(右旋回のときは左
輪、左旋回のときは右輪をいう。)での荷重が大きくな
り、外輪のリブの入力側角部での接地圧の増加が顕著と
なり、旋回に必要な横力の負担も大きい。例えば、右旋
回では左輪に右方向(車幅方向外側から内側)の横力が
より大きく働き、左旋回では右輪に左方向(車幅方向外
側から内側)の横力がより大きく働く。
【0095】ここで、タイヤ50を上記装着方法のよう
に装着することにより、旋回中に大きな横力が作用する
リブの入力側角部における接地圧を効果的に低減するこ
とができる。
【0096】また、図5に示すように、発泡ゴム層をリ
ブのタイヤ幅方向外側に位置する入力側角部に設けたタ
イヤを左輪用タイヤとして車両の左輪側に装着し、発泡
ゴム層をリブのタイヤ幅方向内側に位置する入力側角部
に設けたタイヤを右輪用タイヤとして車両の右輪側に装
着してもよい。この場合、図5に示すように、左輪用タ
イヤ60Lのオフセット量OSの矢印の向きが車両の中
心線kを向くように配置され、右輪用タイヤ60Rのオ
フセット量OSの矢印の向きがタイヤ幅方向外側を向く
ように配置されることになる。
【0097】すなわち、一般に、路面には雨水を排水す
るための幅方向の微小な勾配(路面カント)が付いてお
り、この路面カントは道路の中央から端に向かい下がる
方向の勾配なので、左側通行では車両は左側に落ちるよ
うな重力の影響を受け、直進しようとしても、次第に車
両が左に曲がっていってしまう。これを補正して直進性
を保つためには、タイヤは右向きの微小な横力ΔCFを
常に発生しながら走行することが必要になる。車両の向
きを変えるために必要な横力をCFとすると、右向きに
はCF+ΔCF、左向きにはCF−ΔCFの横力が必要
となるので、右向きの横力の方が左向きの横力よりも大
きくなる。
【0098】ここで、上記装着方法のようにタイヤ60
L、60Rを車両に装着することにより、大きな横力が
作用する左輪用タイヤ60Lのリブのタイヤ幅方向外側
の角部及び右輪用タイヤ60Rのリブのタイヤ幅方向内
側の角部における接地圧を効果的に低減することができ
る。
【0099】さらに、図示しないが、発泡ゴム層をリブ
のタイヤ幅方向内側に位置する入力側角部に設けたタイ
ヤを左輪用タイヤとして車両の左輪側に装着し、発泡ゴ
ム層をリブのタイヤ幅方向外側に位置する入力側角部に
設けたタイヤを右輪用タイヤとして車両の右輪側に装着
してもよい。
【0100】すなわち、上記タイヤの装着方法のよう
に、タイヤを装着することにより、右側通行の場合にお
いても、大きな横力が作用する左輪用タイヤのリブのタ
イヤ幅方向内側の角部及び右輪用タイヤのリブのタイヤ
幅方向外側の角部における接地圧を効果的に低減するこ
とができる。 (試験例)本発明を適用したタイヤサイズが195/6
5R14である乗用車用の空気入りタイヤを国産200
0CCクラスのFF車に装着し、タイヤ空気圧を2.0
kgf/cm2に設定し、前席2名乗車で直進安定性の
試験を行った。
【0101】試験は、平坦な乾燥アスファルト路面及び
3°のカント勾配を有する乾燥アスファルト路面を時速
100km/hで走行した時のドライバーが感じるフィ
ーリングを10点満点で評価した。
【0102】以下の表1においてこの試験結果を表示し
た。数値が大きいほど直進安定性能が高いことを意味し
ている。
【0103】ここで、上記試験において用いたタイヤ
は、周方向溝のタイヤ径方向の最大深さGDが8mm、
周方向溝のリブ踏面における溝幅の寸法GWが7mmに
設定し、以下特に断りのない限り、発泡ゴム層のタイヤ
幅方向の寸法HWを8mm、周方向溝のタイヤ幅方向の
中心位置から発泡ゴム層のタイヤ幅方向の中心位置まで
の最短距離であるオフセット量OSを5mm、発泡ゴム
層のタイヤ径方向の最大厚さHGを6mm、リブの踏面
から発泡ゴム層までの最短距離HUを4mm、発泡ゴム
層の発泡率Vを0.3に設定した。
【0104】なお、このタイヤは、トレッド部に特徴が
あり、他のタイヤの構造については通常の乗用車用の空
気入りラジアルタイヤと略同じ構成である。
【0105】
【表1】 上記表1中の直進安定性タイヤ中心方向とは、図2に示
すタイヤを装着した乗用車で平坦路面を走行して試験を
行ったときのドライバーのフィーリング評価である。
【0106】また、上記表1中の直進安定性左右輪対称
とは、図4に示すように、リブのタイヤ幅方向外側に設
けた発泡ゴム層が乗用車の中心線に対して左右対称とな
るようにタイヤを装着した乗用車で平坦路面を走行して
試験を行ったときのドライバーのフィーリング評価であ
る。
【0107】また、上記表1中の直進安定性左右輪同方
向とは、図5に示すように、左輪側に装着されたタイヤ
の発泡ゴム層がリブのタイヤ幅方向外側の角部に設けら
れ、右輪側に装着されたタイヤの発泡ゴム層がリブのタ
イヤ幅方向内側の角部に設けられた乗用車でカント路面
を走行して試験を行ったときのドライバーのフィーリン
グ評価である。
【0108】上記表1に示すように、実施例1乃至4の
空気入りタイヤを装着した場合には、発泡ゴム層を設け
ていない比較例の空気入りタイヤを装着した場合と比較
して、直進安定性に優れていることが判明した。
【0109】なお、同時に評価したタイヤの排水性能、
騒音についても、実施例1乃至4の空気入りタイヤと従
来の空気入りタイヤとの間で顕著な差異は認められず、
また振動乗心地性能については若干の副次的改良効果が
認められた。
【0110】次に、本発明の空気入りタイヤを装着した
乗用車で10000kmを走行し、実車走行摩耗試験を
行った。なお、摩耗試験においては、高速道路:一般
道:峠道=6:3:1の割合で走行した。
【0111】この試験結果については表2に示すように
なった。表2中のエッヂ部段差は、発泡ゴム層を設けた
リブの入力側角部とこのリブのタイヤ幅方向中心位置と
の試験後におけるタイヤ径方向長さ(高さ)の差であ
る。したがって、エッヂ部段差が低い程摩耗しにくいこ
とを意味し、耐摩耗性が高いことを示す。
【0112】
【表2】 上記表2に示すように、比較例2のタイヤでは高発泡率
の発泡ゴム層をトレッド表面に配置することにより耐摩
耗性が著しく悪化しており、実施例1及び実施例2のタ
イヤでは耐摩耗性の大きな悪化が認められなかった。
【0113】また、発泡ゴム層の発泡率V>50とした
場合、ゴムの耐引き裂き性が低くなり、繰り返し入力の
働く部位で亀裂が発生し、伝播して耐久性の向上が悪化
した。
【0114】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤ及びその装着方
法によれば、接地圧の局所的な増大、低下を防止するこ
とにより、横力の低下を抑え車両の旋回性及び直進安定
性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の空気入りタイヤの断面図
である。
【図2】本発明の一実施形態の空気入りタイヤのトレッ
ドの部分断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の空気入りタイヤに設けら
れた発泡ゴム層の位置を特定するための図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの装着方法によりタイ
ヤが車両に装着された状態図である。
【図5】本発明の空気入りタイヤの装着方法によりタイ
ヤが車両に装着された状態図である。
【図6】タイヤに形成されたリブの曲げ変形を示す変形
図である。
【符号の説明】 10 空気入りタイヤ 30 トレッド 38A リブ 38B リブ 38C リブ 38D リブ 40A 入力側角部 40B 入力側角部 40C 入力側角部 40D 入力側角部 42A 発泡ゴム層(接地圧吸収部材) 42B 発泡ゴム層(接地圧吸収部材) 42C 発泡ゴム層(接地圧吸収部材) 42D 発泡ゴム層(接地圧吸収部材)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ周方向に沿って延びる複数の周方
    向溝により区画された複数の陸部をトレッドに設けた空
    気入りタイヤであって、 横力が入力する前記陸部の入力側角部近傍の該陸部に、
    路面との接触により前記入力側角部に作用する接地圧を
    吸収する接地圧吸収部材を設けたことを特徴とする空気
    入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記接地圧吸収部材は、前記周方向溝の
    側壁からタイヤ径方向に引いた線と、前記周方向溝の溝
    底からタイヤ幅方向に引いた線との交点近傍に設けられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】 前記接地圧吸収部材のタイヤ幅方向の寸
    法をHW、前記周方向溝の陸部踏面における溝幅の寸法
    をGW、前記周方向溝と隣接し前記接地圧吸収部材が配
    置された前記陸部のタイヤ幅方向の寸法をRWとした場
    合に、前記周方向溝のタイヤ幅方向の中心位置から前記
    接地圧吸収部材のタイヤ幅方向の中心位置までの最短距
    離であるオフセット量OSは、 0<OS≦(GW+RW−HW)/2………(1) 且つ、 HW≧RW/5………(2) を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の空
    気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記空気入りタイヤは、前記トレッドを
    補強するベルト層を該トレッドのタイヤ径方向内側に設
    け、 前記周方向溝のタイヤ径方向の最大深さをGD、前記周
    方向溝の最深部の溝底から前記ベルト層までの最短距離
    をSB、前記陸部の踏面から前記接地圧吸収部材までの
    最短距離をHUとした場合、 前記接地圧吸収部材のタイヤ径方向の最大厚さHGは、 SB/3<HG<GD+SB−HU………(3) を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記接地圧吸収部材は、圧縮性を持つ発
    泡ゴム層であり、前記発泡ゴム層のゴム固相部の密度を
    A(g/cm3)、前記発泡ゴム層の密度をB(g/c
    3)であるときの発泡率Vは、 V=A/B−1………(4) で定義され、 前記発泡率Vが0.05以上0.5以下であることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気入
    りタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記陸部の踏面から前記発泡ゴム層まで
    の最短距離HUは、 V<0.1のとき、0≦HU≦(GD+SB/2)………(5) 又は、 V≧0.1のとき、GD×(V−0.1)≦HU≦(GD+SB/2)……… (6) を満足することを特徴とする請求項5に記載の空気入り
    タイヤ。
  7. 【請求項7】 前記接地圧吸収部材は、前記周方向溝の
    溝底からタイヤ赤道線側に向けてタイヤ赤道線に対して
    左右対称に配置されていることを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 前記接地圧吸収部材を前記陸部の入力側
    角部のうち、車幅方向外側の角部近傍に設けた請求項1
    乃至6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両の
    左輪側に、 前記接地圧吸収部材を前記陸部の入力側角部のうち、車
    幅方向外側の角部近傍に設けた請求項1乃至6のいずれ
    か1項に記載の空気入りタイヤを車両の右輪側に装着し
    たことを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
  9. 【請求項9】 前記接地圧吸収部材を前記陸部の入力側
    角部のうち、車幅方向外側の角部近傍に設けた請求項1
    乃至6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両の
    左輪側に、 前記接地圧吸収部材を前記陸部の入力側角部のうち、車
    幅方向内側の角部近傍に設けた請求項1乃至6のいずれ
    か1項に記載の空気入りタイヤを車両の右輪側に装着し
    たことを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
  10. 【請求項10】 前記接地圧吸収部材を前記陸部の入力
    側角部のうち、車幅方向内側の角部近傍に設けた請求項
    1乃至6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤを車両
    の左輪側に、 前記接地圧吸収部材を前記陸部の入力側角部のうち、車
    幅方向外側の角部近傍に設けた請求項1乃至6のいずれ
    か1項に記載の空気入りタイヤを車両の右輪側に装着し
    たことを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005262920A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤとリムとの組立体

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