JP2002059216A - 平面体の歪矯正方法及び装置 - Google Patents

平面体の歪矯正方法及び装置

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JP2002059216A
JP2002059216A JP2000315016A JP2000315016A JP2002059216A JP 2002059216 A JP2002059216 A JP 2002059216A JP 2000315016 A JP2000315016 A JP 2000315016A JP 2000315016 A JP2000315016 A JP 2000315016A JP 2002059216 A JP2002059216 A JP 2002059216A
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distortion
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plane
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JP2000315016A
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Yoshihide Furukoshi
良英 古越
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Minebea Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面体の歪の矯正作業を高効率に行い、高精
度の平面体を効率良く製造する。 【解決手段】 ベースプレート1の平面部分1aまたは
外周辺部1bなどの、歪みの矯正に適した面(以下、
「矯正対象面」という。)と基準平面との比較を行っ
て、ベースプレートの所定位置における歪量を割り出
す。該歪量に基づき、ベースプレート毎に、矯正ピン7
によって矯正用の型を構成する。該矯正用の型に対し、
押圧ピン8により所定の力でベースプレート1を押し付
け、矯正対象面の必要部分に必要量の塑性変形を発生さ
せる。矯正対象面の全体に一時に矯正を施し、ワーク毎
の平面部分の面積、矯正位置、矯正量の相違と無関係
に、一定時間で矯正作業を完了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面体の歪の矯正
作業を高効率に行うための方法及び装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図5に示すハードディスクドライブ(H
DD)のベースプレート1をダイカスト成形により製造
する場合には、アルミ、亜鉛等の溶湯が冷却固化してい
く過程で、ベースプレート1に歪を生じやすい。また、
ベースプレート1に部品を組み込む前に、この歪を除去
することは、後工程の精度の向上、完成品の精度向上を
図る上で、必要不可欠となっている。そこで、従来か
ら、ダイカスト成形されたベースプレート1の平面部分
1aまたは外周辺部1bなどの適当な部分を、熟練した
作業者がプラスチックハンマを用いて手作業で矯正し、
高精度のベースプレートを提供していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今日で
は、HDDの需要量が著しく増大しかつより安価に提供
することが要求されるようになり、手作業による歪矯正
作業はそれらの要求に対応する上での障壁となってい
た。また、熟練した作業者の確保も困難であり、何らか
の解決策が望まれていた。
【0004】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、ハードディスクドライ
ブ(HDD)のベースプレートを一例とする平面体にお
いて、平面部分の歪の矯正作業を高効率に行うための方
法及び装置を提供し、高精度の平面体を効率良く製造す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項1に係る平面体の歪矯正方法は、設定
された基準平面とワークの矯正対象面とを比較して、前
記矯正対象面の所定位置における歪量を割り出し、該所
定位置の歪量に基づき、前記矯正対象面の必要部分に必
要量の塑性変形を発生させるに最適の型を前記ワーク毎
に逐次形成し、前記型に対し所定の圧力で前記ワークを
押し付けて、前記矯正対象面の全体に一時に矯正を施す
ことを特徴とする。
【0006】本発明においては、前記矯正対象面を矯正
するにあたり、ワーク毎に基準平面と矯正対象面との比
較を行って、当該ワークの所定位置における歪量を割り
出し、該所定位置における歪量に基づき、当該ワーク毎
に矯正用の型を形成する。そして、当該ワーク毎の矯正
用の型に対し、所定の力で前記ワークを押し付けること
で、各ワーク毎に、矯正対象面の必要部分に必要量の塑
性変形を発生させるものである。しかも、前記矯正対象
面の全体に一時に矯正を施すことにより、ワーク毎の矯
正対象面の面積、矯正位置、矯正量の相違等と無関係
に、一定時間で矯正作業を完了する。
【0007】また、本発明の請求項2に係る平面体の歪
矯正方法では、前記型は、前記ワークの矯正対象面に当
接する複数の矯正ピンの先端位置を変化させることによ
って構成している。
【0008】本発明では、前記ワークを矯正するための
型を、連続面を有するものとしてではなく、複数の矯正
ピンによって、前記ワークの必要な部分のみ点で押える
ものとして構成することにより、型の形状変化を容易と
している。
【0009】また、本発明の請求項3に係る平面体の歪
矯正方法では、複数の接触子を前記矯正対象面に当接さ
せて、各接触子の当接点の位置を複数求め、該複数の当
接点の位置から任意に選択した三つの点で平面を規定
し、該平面に対する他の一つの当接点の位置関係を把握
する作業を繰り返し、前記ワークの矯正対象面の、歪位
置及び歪量を割り出し、該歪位置及び歪量に、所定のパ
ラメータに基づく補正量を付加して、前記矯正ピンを位
置決めする。
【0010】本発明では、前記ワークの矯正対象面の平
面度を把握するための点を、予め複数箇所選定し、かか
る点の位置を前記接触子によって接触測定する。そし
て、各接触子の当接点から任意に選択した三つの点で、
一つの平面を規定する。続いて、該平面に対する他の一
つの当接点の位置関係を把握することで、前記平面に対
する前記他の一つの当接点の歪量を把握する。かかる作
業を、選択する点を変えて繰り返すことで、前記矯正対
象面の、所定位置における歪量を正確に把握する。そし
て、前記歪位置及び歪量に、所定のパラメータに基づく
補正量(例えば、前記ワークの材料特性を考慮して、弾
性変形領域から塑性変形領域へと確実に移行し得るだけ
の矯正量。)を付加し、前記矯正ピンを位置決めするこ
とで、前記ワークを矯正するための型を、ワーク毎に形
成する。
【0011】また、本発明の請求項4に係る平面体の歪
矯正方法は、必要に応じ前記工程を複数回繰り返すもの
である。そして、1回の矯正作業で充分な矯正量を得ら
れないような場合でも、矯正作業を繰り返すことで必要
な矯正を行い、ワークの部品精度を高める。
【0012】また、本発明の請求項5に係る平面体の歪
矯正方法では、前記ワークを平面ダイカスト製品とす
る。平面ダイカスト製品は、溶湯が冷却固化していく過
程で、平面部分に歪を生じやすいが、係る製品の歪矯正
作業における作業効率を高める。
【0013】さらに、本発明の請求項6に係る平面体の
歪矯正方法では、前記平面ダイカスト製品をHDDベー
スプレートとして、HDDベースプレートの、歪矯正作
業における作業効率を高める。
【0014】また、上記課題を解決するための本発明の
請求項7に係る平面体の歪矯正装置は、ワークの定点支
持手段、前記ワークの移送手段、複数の接触子を有する
計測手段、矯正ピンと押圧ピンとを有する矯正手段及び
演算手段を備え、前記ワークの定点支持手段上に支持さ
れたワークの矯正対象面を前記計測手段で計測し、該計
測結果に基づき、前記演算手段において前記矯正対象面
の必要部分に必要量の塑性変形を発生させるに最適の位
置及び押圧力を割り出し、該位置及び押圧力を付与し得
るように前記矯正ピンを位置決めし、前記移送手段によ
って前記ワークを前記計測手段から前記矯正手段へと移
動させて、前記ワークを前記矯正ピンと前記押圧ピンと
で挟持して、前記矯正対象面の全体に一時に矯正を施
す、一連の作業を行うことを特徴とする。
【0015】本発明によれば、前記ワークの定点支持手
段上に載置したワークの矯正対象面を前記計測手段で計
測することで、各ワークに対し、常に一定の位置におけ
る測定を行い、計測環境の安定化を図る。該計測結果に
基づき、前記演算手段において前記矯正対象面の必要部
分に必要量の塑性変形を発生させるに最適の位置及び押
圧力を割り出し、該位置及び押圧力を付与し得るように
前記矯正ピンを位置決めすることで、前記ワークを矯正
するための型を、ワーク毎に形成する。すなわち、ワー
ク毎に異なる歪量に対応した専用の型を、逐次形成する
ものである。
【0016】また、当該型は、連続面を有するものでは
なく、前記ワークの必要な部分のみ点で押えるものとし
て構成することにより、型の形状変化を容易としてい
る。そして、前記移送手段によって前記ワークを前記計
測手段から前記矯正手段へと移動させて、前記ワークを
前記矯正ピンと前記押圧ピンとで挟持して、前記矯正対
象面の全体に一時に矯正を施すことで、ワーク毎に異な
る矯正作業を短時間で行うものである。
【0017】また、本発明の請求項8に係る平面体の歪
矯正装置によると、前記計測手段では、複数の接触子を
前記矯正対象面に当接させて各接触子の当接点の位置を
複数求め、前記演算手段では、前記複数の当接点の位置
から任意に選択した三つの点で平面を規定し、該平面に
対する他の一つの当接点の位置関係を把握する作業を繰
り返し、該矯正対象面の歪位置及び歪量を割り出し、該
歪位置及び歪量に、所定のパラメータに基づく補正量を
付加して、前記矯正ピンを位置決めするものである。
【0018】本発明では、前記ワークの矯正対象面の平
面度を把握する上で重要な点を決め、かかる点の位置を
前記計測手段の接触子によって接触測定する。また、前
記演算手段において、各接触子の当接点から任意に選択
した三つの点で、一つの平面を規定する。そして、該平
面に対する他の一つの当接点の位置を把握することで、
前記平面に対する前記他の一つの当接点の歪量を把握す
る。かかる作業を、選択する点を変えて繰り返すこと
で、前記矯正対象面の全体の、歪位置及び歪量を正確に
割り出す。そして、前記歪位置及び歪量に、所定のパラ
メータに基づく補正量(例えば、前記ワークの材料特性
を考慮して、弾性変形領域から塑性変形領域へと確実に
移行し得るだけの矯正量。)を付加し、前記矯正ピンを
位置決めすることで、前記ワークを矯正するための型
を、ワーク毎に構成する。
【0019】また、本発明の請求項9に係る平面体の歪
矯正装置は、必要に応じ前記工程を複数回繰り返すもの
である。そして、1回の矯正作業で充分な矯正量を得ら
れなかったような場合でも、矯正作業を繰り返すことで
必要な矯正を行い、ワークの部品精度を高める。
【0020】また、本発明の請求項10に係る平面体の
歪矯正装置では、前記ワークを平面ダイカスト製品とす
る。そして、溶湯が冷却固化していく過程で、平面部分
に歪を生じやすい平面ダイカスト製品の、歪矯正作業に
おける作業効率を高める。
【0021】さらに、本発明の請求項11に係る平面体
の歪矯正装置では、前記平面ダイカスト製品をHDDベ
ースプレートとして、HDDベースプレートの、歪矯正
作業における作業効率を高める。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0023】図1には、本発明の実施の形態に係る平面
体の歪矯正装置2を、模式的に示している。この歪矯正
装置2は、図2にその要部を拡大して示すように、ベー
スプレート1の定点支持手段3、ベースプレート1の移
送手段4、複数の接触子5を有する計測手段6、矯正ピ
ン7と押圧ピン8とを有する矯正手段9及び演算手段
(図示省略)を備えている。また、図示しない操作盤を
備えている。
【0024】ベースプレート1の定点支持手段3は、例
えば、パレット冶具や、歪矯正装置2のテーブル上に設
置したクランプ装置等、ベースプレート1の所定位置を
支えることによって、ベースプレート1の姿勢を一定に
するものが用いられる。また、移送手段4は、定点支持
手段3がパレット冶具である場合には、パレット冶具を
当該搬送手段の一部として含み、該パレット冶具ごとベ
ースプレート1を移動させるアームやコンベヤ等で構成
される。また、定点支持手段3がテーブル上のクランプ
装置である場合には、計測手段6及び矯正手段9に設け
たクランプ装置へとベースプレート1を投入するため
の、アーム等を用いる。
【0025】計測手段6は、ベースプレート1の平面部
分1aまたは外周辺部1b(図5参照)などの、歪みの
矯正に適した面(以下、「矯正対象面」という。)か
ら、歪測定に適した場所を予め選定して、かかる場所に
当接させ得る位置に、複数の接触子5を配置したもので
ある。移送手段4によって計測手段6へと運ばれたベー
スプレート1は、定点支持手段3によって常に一定の姿
勢で支持されるので、常に一定の位置における測定を行
い、計測環境の安定化を図っている。
【0026】矯正手段9の矯正ピン7は、ベースプレー
ト1の矯正対象面から、歪の矯正に適した場所を予め選
定して、かかる場所に当接させ得る位置に、複数配置し
たものである。また、電動アクチュエータ等の、位置決
めを正確に行うことが可能な駆動手段を備えている。そ
して、ベースプレート1の矯正対象面に対向する方向へ
と、矯正ピン7の先端位置を変化させることにより、矯
正対象面の必要部分に、必要量の塑性変形を発生させる
ための型を構成するものである。
【0027】矯正手段9の押圧ピン8は、ベースプレー
ト1を挟んで各矯正ピン7と対向する位置に設けられて
いる。また、矯正ピン7との間でベースプレート1を挟
持する際の圧力を、正確に制御することが可能な駆動手
段を備えている。かかる駆動手段としては、油圧シリン
ダや、電動アクチュエータ等が適している。
【0028】さらに、図示しない演算手段は、計測手段
6で得られた計測結果に基づき、矯正対象面の必要部分
に必要量の塑性変形を発生させるに最適の位置及び押圧
力を割り出し、該位置及び押圧力を付与し得るように、
矯正ピン7を位置決めするための指令を、矯正ピン7の
駆動手段に与える。また、押圧ピン8に対しても、所定
の圧力を付与するための指令を与える。
【0029】ここで、図3、図4を参照しながら、歪矯
正装置2によってベースプレート1の矯正対象面の歪を
矯正する手順を説明する。
【0030】まず、図3(a)に示すように、定点支持手
段3に指示されたベースプレート1の矯正対象面(平面
部分1aまたは外周辺部1b)に対し、複数の接触子5
を当接させて、各接触子5の当接点の位置を求める。続
いて、前記移送手段によって、ベースプレート1を計測
手段6から矯正手段9へと移動させる。また、この間
に、計測手段6の計測結果に基づき、前記演算手段にお
いて、矯正対象面の必要部分に必要量の塑性変形を発生
させるに最適の矯正ピン7の位置L、及び、押圧ピン8
によって付与する押圧力を割り出す。
【0031】計測手段6の計測結果から位置Lを割り出
す手順は、以下の通りである。計測手段6では、図4
(a)に示すように、矯正対象面の平面度を把握するため
の点A〜Fを予め選定し、かかる点の位置を接触子5に
よって接触測定する。そして、各接触子の当接点から任
意に選択した三つの点で、一つの平面を規定する。
【0032】例えば、外周辺部1b上の測定点ABFで
一つの平面Sを規定し、この平面Sに対する外周辺部1
b上の点Cの位置関係を把握する。図4(b)のごとく点
Cが点C’の位置へと歪んでいる場合には、点Cに対す
るC’の歪量は、予めマスターワークを測定したときの
該マスターワークの平面部分を基準平面とし、該基準平
面の点Cと測定された点C’との比較において求める。
そして、点C’の歪量を平面Sと関係付けて把握する。
かかる作業を、選択する点を変えて繰り返すことで、矯
正対象面の全体の、歪位置及び歪量を正確に割り出す。
【0033】さらに、矯正対象面の歪位置及び歪量に、
所定のパラメータに基づく補正量(例えば、ベースプレ
ートの材料特性を考慮して、弾性変形領域から塑性変形
領域へと確実に移行し得るだけの矯正量。)を付加し
て、矯正対象面に必要な矯正量を与えるために最適の矯
正ピン7の位置Lを割り出している。なお、接触子5に
よって測定する点の数は、矯正対象面である平面部分1
aまたは外周辺部1bの面積、形状などに応じて変更す
るものである。
【0034】そして、図3(b)のごとく、矯正ピン7の
先端位置を、上記演算手段で割り出された位置Lへと位
置決めする。このように、矯正ピン7の先端位置をL上
に位置決めすることで、ベースプレート1を矯正するた
めの型を、ワーク毎に構成する。
【0035】続いて、図3(c)に示すように、押圧ピ
ン8を作動させてベースプレート1を持ち上げ、ベース
プレート1を、矯正ピン7と押圧ピン8とで挟持する。
さらに、押圧ピン8の圧力を制御して、図3(d)に示
すように、前記演算手段において割り出された必要な押
圧力をベースプレート1に付与し、矯正対象面に弾性変
形領域から塑性変形領域へと確実に移行し得るだけの変
形を発生させる。そして、矯正対象面の全体に、一時に
矯正を施す。
【0036】以上の手順により、矯正対象面の歪を矯正
し、図3(e)に示すように平面度の高いベースプレート
1を得ることができる。なお、1回の矯正作業で充分な
矯正量を得られなかったような場合には、必要に応じ、
上記図3(a)から図3(d)の作業を複数回繰り返すこと
により、ワークの部品精度を高めることができる。
【0037】上記構成をなす本発明の実施の形態から得
られる作用効果を、以下にまとめる。まず、本発明の実
施の形態では、ベースプレート1の歪みを矯正するにあ
たり、ベースプレート毎に基準平面と矯正対象面との比
較を行って、ベースプレートの所定位置における歪量を
割り出し、該所定位置における歪量に基づき、ベースプ
レート毎に、矯正ピン7によって矯正用の型を構成す
る。そして、該矯正用の型に対し、押圧ピン8により所
定の力でベースプレート1を押し付けることで、各ベー
スプレート毎に、矯正対象面の必要部分に必要量の塑性
変形を発生させることが可能となる。したがって、高精
度のベースプレートを得ることができる。
【0038】しかも、矯正対象面である平面部分1aま
たは外周辺部1bの全体に一時に矯正を施すことができ
るので、ワーク毎の平面部分の面積、矯正位置、矯正量
の相違と無関係に、一定時間で矯正作業を完了すること
ができる。よって、本発明の実施の形態に係る歪矯正方
法及び装置によれば、高精度のベースプレート1を効率
良く製造することが可能となる。
【0039】また、前記矯正用の型は、ベースプレート
1の矯正対象面に当接する複数の矯正ピン7の先端位置
を変化させることによって構成している。このように、
矯正用の型を、連続面を有するものとしてではなく、複
数の矯正ピン7によって、矯正対象面の必要な部分のみ
点で押えるものとして構成することで、型の形状変化を
容易としている。よって、各ベースプレート毎に異なる
矯正位置、矯正量に適した専用の型を、各ベースプレー
ト毎に、容易に構成することが可能となる。
【0040】さらに、前記矯正用の型を構成するにあた
り、接触子5の当接点の位置から任意に選択した三つの
点で平面Sを規定し、平面Sに対する他の一つの当接点
の位置関係を把握する作業を繰り返し、矯正対象面の、
歪位置及び歪量を正確に割り出している。そして、この
歪位置及び歪量に、所定のパラメータに基づく補正量を
付加して、矯正ピン7を位置決めすることで、ベースプ
レート1毎の矯正用の型を正確に構成することができ
る。
【0041】また、1回の矯正作業で充分な矯正量を得
られなかったような場合でも、必要に応じ、上記図3
(a)から図3(d)の作業を複数回繰り返すことにより、
ベースプレート1に必要な矯正を施すことができる。
【0042】なお、本発明の実施の形態では、歪矯正装
置2の矯正手段9において、矯正ピン7をベースプレー
ト1の上方に、押圧ピン8をベースプレート1の下方に
配置したが、この逆の配置でも良い。また、必ずしも、
矯正ピン7及び押圧ピン8により上下からベースプレー
トを挟持する必要もない。なお、ベースプレート1の剛
性バランスを、主に外周縁部1b(図5参照)によって
担持しているような場合には、計測手段6の接触子5、
矯正手段9の矯正ピン7および押圧ピン8を、ベースプ
レート1の外周辺部1bと対向する位置に集中的に配置
することで、より効率的にベースプレート1の矯正を行
うことができる。また、矯正対象ワークはベースプレー
ト1に限定されるものでもなく、塑性変形によって歪を
解消し得る材料で形成された平面体であれば、上記説明
と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係る
平面体の歪矯正方法によれば、平面体の歪の矯正作業
を、熟練した作業者による手作業に頼ることなく、効率
的に行うことが可能となる。よって、平面度の高い平面
体製品を、大量かつ安価に提供することが可能となる。
【0044】また、本発明の請求項2に係る平面体の歪
矯正方法によれば、歪矯正に適した型を、平面体毎に容
易に構成することが可能となり、平面体の歪矯正作業を
効率的に行うことが可能となる。また、本発明の請求項
3に係る平面体の歪矯正方法によれば、平面体毎に構成
する型の精度を高め、平面体の歪矯正作業を高精度に行
うことが可能となる。
【0045】さらに、本発明の請求項4に係る平面体の
歪矯正方法によれば、1回の矯正作業で充分な矯正量を
得られなかったような場合でも、必要に応じ矯正作業を
複数回繰り返すことにより、平面体の平面度を高め、部
品精度の向上を図ることができる。
【0046】また、本発明の請求項5に係る平面体の歪
矯正方法によれば、平面ダイカスト製品の歪矯正作業に
おける作業効率を高め、平面度の高い平面ダイカスト製
品を、大量かつ安価に提供することが可能となる。さら
に、本発明の請求項6に係る平面体の歪矯正方法によれ
ば、平面度の高いHDDベースプレートを、大量かつ安
価に提供することが可能となる。
【0047】また、本発明の請求項7に係る平面体の歪
矯正装置によれば、平面体の歪の矯正作業を、熟練した
作業者による手作業に頼ることなく、効率的に行うに行
うことが可能となる。よって、高精度の平面体を効率良
く製造し、大量かつ安価に提供することが可能となる。
【0048】また、本発明の請求項8に係る平面体の歪
矯正装置によれば、平面体の歪矯正作業を効率的かつ高
精度に行い、高精度の平面体を効率良く製造することが
可能となる。
【0049】さらに、本発明の請求項9に係る平面体の
歪矯正装置によれば、1回の矯正作業で充分な矯正量を
得られなかったような場合でも、必要に応じ矯正作業を
複数回繰り返すことにより、平面体の平面度を高め、部
品精度の高い平面体を製造することが可能となる。
【0050】また、本発明の請求項10に係る平面体の
歪矯正装置によれば、平面ダイカスト製品の歪矯正作業
における作業効率を高め、平面度の高い平面ダイカスト
製品を、大量かつ安価に提供することが可能となる。さ
らに、本発明の請求項11に係る平面体の歪矯正装置に
よれば、平面度の高いHDDベースプレートを、大量か
つ安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る平面体の歪矯正装置
を示す模式図である。
【図2】図1に示す平面体の歪矯正装置の要部模式図で
ある。
【図3】図1に示す平面体の矯正装置により、ベースプ
レートの歪矯正を行う手順を示す説明図である。
【図4】図3に示す位置Lを割り出す手順を示す説明図
である。
【図5】HDDベースプレートの概略斜視図である。
【符号の説明】
1 HDDベースプレート 1a 平面部分 1b 外周辺部 2 歪矯正装置 3 定点支持手段 4 移送手段 5 接触子 6 計測手段 7 矯正ピン 8 押圧ピン 9 矯正手段

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設定された基準平面とワークの矯正対象
    面とを比較して、前記矯正対象面の所定位置における歪
    量を割り出し、該所定位置の歪量に基づき、前記矯正対
    象面の必要部分に必要量の塑性変形を発生させるに最適
    の型を前記ワーク毎に逐次形成し、前記型に対し所定の
    圧力で前記ワークを押し付けて、前記矯正対象面の全体
    に一時に矯正を施すことを特徴とする平面体の歪矯正方
    法。
  2. 【請求項2】 前記型は、前記ワークの矯正対象面に当
    接する複数の矯正ピンの先端位置を変化させることによ
    って構成することを特徴とする請求項1記載の平面体の
    歪矯正方法。
  3. 【請求項3】 複数の接触子を前記矯正対象面に当接さ
    せて、各接触子の当接点の位置を複数求め、該複数の当
    接点の位置から任意に選択した三つの点で平面を規定
    し、該平面に対する他の一つの当接点の位置関係を把握
    する作業を繰り返し、前記ワークの矯正対象面の、歪位
    置及び歪量を割り出し、該歪位置及び歪量に、所定のパ
    ラメータに基づく補正量を付加して、前記矯正ピンを位
    置決めすることを特徴とする請求項2記載の平面体の歪
    矯正方法。
  4. 【請求項4】 必要に応じ前記工程を複数回繰り返すこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の平
    面体の歪矯正方法。
  5. 【請求項5】 前記ワークは平面ダイカスト製品である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の
    平面体の歪矯正方法。
  6. 【請求項6】 前記平面ダイカスト製品はHDDベース
    プレートであることを特徴とする請求項5記載の平面体
    の歪矯正方法。
  7. 【請求項7】 ワークの定点支持手段、前記ワークの移
    送手段、複数の接触子を有する計測手段、矯正ピンと押
    圧ピンとを有する矯正手段及び演算手段を備え、 前記ワークの定点支持手段上に支持されたワークの矯正
    対象面を前記計測手段で計測し、該計測結果に基づき、
    前記演算手段において前記矯正対象面の必要部分に必要
    量の塑性変形を発生させるに最適の位置及び押圧力を割
    り出し、該位置及び押圧力を付与し得るように前記矯正
    ピンを位置決めし、前記移送手段によって前記ワークを
    前記計測手段から前記矯正手段へと移動させて、前記ワ
    ークを前記矯正ピンと前記押圧ピンとで挟持して、前記
    矯正対象面の全体に一時に矯正を施す、一連の作業を行
    うことを特徴とする平面体の歪矯正装置。
  8. 【請求項8】 前記計測手段では、複数の接触子を前記
    矯正対象面に当接させて各接触子の当接点の位置を複数
    求め、前記演算手段では、前記複数の当接点の位置から
    任意に選択した三つの点で平面を規定し、該平面に対す
    る他の一つの当接点の位置関係を把握する作業を繰り返
    し、該矯正対象面の歪位置及び歪量を割り出し、該歪位
    置及び歪量に、所定のパラメータに基づく補正量を付加
    して、前記矯正ピンを位置決めすることを特徴とする請
    求項7記載の平面体の歪矯正装置。
  9. 【請求項9】 必要に応じて前記一連の作業を繰り返す
    ことを特徴とする請求項7または8記載の平面体の歪矯
    正装置。
  10. 【請求項10】 前記ワークは平面ダイカスト製品であ
    ることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載
    の平面体の歪矯正装置。
  11. 【請求項11】 前記平面ダイカスト製品はHDDベー
    スプレートであることを特徴とする請求項10記載の平
    面体の歪矯正装置。
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