JP2002058199A - モータ軸の抜け止め構造 - Google Patents
モータ軸の抜け止め構造Info
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Abstract
モータ軸の長手方向に沿う垂直方向に押す力量方向に対
する略直角方向の力量を有効利用して、クリップを完全
な係止状態にすることでロータの完全な抜け止め防止を
図ることができ、かつまた過剰負荷でクリップの塑性変
形を招くことのないモータ軸の抜け止め構造の提供。 【解決手段】 モータ軸を抜け止め状態に維持するクリ
ップ4を備え、ハウジング本体の有底部に配設されモー
タ軸6のスラスト方向の荷重を支持するスラストワッシ
ャー3と、ラジアル方向に軸支するメタル軸受5とから
構成され、モータ軸6にスラストワッシャー3に当接す
る当接面62aを有した当接端部62と小径となる小径
溝部61とを形成し、クリップ4を筒状基部41と弾性
変形可能に延設される複数枚の延設部42と、自由状態
で小径溝部の直径寸法以上かつ当接端部62の直径d1
寸法以下の内径寸法となり、かつ弾性変形したときに当
接端部の直径寸法以上になるように延設部42の先端に
一体形成される先端形状部43とから形成する。
Description
め構造に係り、例えばノートパソコンなどの小型電気機
器のCPU及びMPUの冷却用ファンモータの構造に関
する。
体の多くの割合を占めるラジアルボール軸受に代えて含
油焼結メタル軸受を用いることが有効である。この含油
焼結メタル軸受は、ポーラスな焼結金属中に所定の潤滑
油を含浸させたものである。この軸受を軸流ファンモー
タに組付けるためには、ハウジング本体にインサート成
形されたスリーブホルダーに挿入し、続いて、ロータが
挿入され、ロータがラジアル方向に軸支され、かつ予め
セットされているスラスト軸受部であるスラストワッシ
ャーにより、スラスト方向に支持するとともに、スラス
トワッシャーの上に予めセットされたクリップに形成さ
れた嵌合孔中にロータの軸体が圧入されることで、抜け
止めされる。また、含油焼結メタル軸受の上において外
周面から漏れ出る潤滑油を止めるための止め輪部材がス
リーブホルダーの溝部に装着される場合もある。
6号公報の「シャフト抜け止めリング」において、ハウ
ジング本体の有底部に配設されることで、ロータの軸体
の抜け止めを行なうクリップを提案している。この提案
によれば、クリップを円筒体として形成し、環状突条を
円筒体の内周面に形成し、円筒体の側壁に2個所のスリ
ットを形成して弾性変形可能にする一方で、ロータの軸
体においてスラストワッシャーに当接する当接面を有し
た当接端部と小径の小径溝部を形成しておき、小径溝部
が上記の環状突条により係止されて抜け止め状態に維持
するように構成されている。
型モータの軸の軸方向安全装置」によれば、ロータの軸
体の抜け止めを行なうクリップが開示されている。
特公平7−47966号公報によれば、ロータの軸体を
挿入することでクリップの内径が広がるようにして、ロ
ータの抜け止め防止をすることから、ロータの軸体の先
端を挿入することで、軸体の長手方向に沿う垂直方向に
押す力量方向に対する略直角方向の力量でクリップの内
径を広げるようになるために、必要な力量のほとんどが
クリップのスリットに加わる構成となっていた。
ば、軸受け内部が完全な密閉状態である為に、ロータの
軸体と含油焼結メタル軸受の内径部とにより所謂ピスト
ン状態が形成されてしまい、スムーズに挿入できなくな
り組立に多くの時間を費やしていた。
て成されたものであり、ロータの軸体の先端を挿入する
ことで、軸体の長手方向に沿う垂直方向に押す力量方向
に対する略直角方向の力量を有効利用して、クリップを
完全な係止状態にすることでロータの完全な抜け止め防
止を図ることができ、かつまた過剰負荷でクリップの塑
性変形を招く虞のないモータ軸の抜け止め構造の提供を
目的としている。
可能にして組立作業を容易にでき、かつまた、軸受け内
部の空気が温度上昇で膨張した場合でも、ロータが圧縮
空気で浮き上がる状態となることのないモータ軸の抜け
止め構造の提供を目的としている。
目的を達成するために、本発明によれば、モータ軸の抜
け止め構造において、一方端側に小径溝部を周囲に設け
たモータ軸と、筒状基部と、前記筒状基部を支点として
弾性変形可能に延設された複数枚の延設部と、前記延設
部に連続して設けられ、自由状態では前記溝部の外形寸
法より大きくかつ前記軸の外形寸法よりも小さな寸法で
あり、弾性変形時には、前記軸の外形寸法よりも大きく
なり得る先端形状部と、前記筒状基部の端面に設けられ
た突起部と、を備えたクリップとを有することを特徴と
している。
態につき、添付の図面を参照して説明すると、図1はブ
ラシレス軸流ファンモータの中心断面図である。
ン樹脂などの第1の所定樹脂材料からハウジング本体1
が射出成形用の金型を用いて成形されるとともに、金属
製のスリーブホルダー2が図示のように基部1cにおい
てインサート成形されており、このスリーブホルダー2
内にラジアル軸受である含油焼結メタル軸受5が圧入し
て固定される。この含油焼結メタル軸受5に代えて、軸
受手段として高価ではあるが連続耐久時間の長いラジア
ル玉軸受をセットすることも可能である。
結メタル軸受5を圧入し固定することで、上記の第1の
所定樹脂材料から成形されるハウジング本体1に対して
直にメタル軸受を圧入する場合に発生する樹脂劣化に伴
う樹脂割れを完全に防止することができるようにすると
ともに、潤滑油による樹脂への影響がないようにしてい
る。
図示の支持棒を介して枠部1bが連続形成されるととも
に、上記の基部1cと枠部1bの間において開口部1a
が成形されており、この開口部1aを介して矢印方向の
送気が行われる。
は、図示のように上記のスリーブホルダー2を中心にし
てハウジング本体1に接着を含む方法で固定されてお
り、不図示のホール素子によりロータ12に固定されて
いる環状の永久磁石8の磁気変化を検出し、この検出結
果に基づきコイル9に対する通電を行なうことで、回転
磁界を発生し、ロータ12の回転駆動を行なうようにし
て、所謂ブラシレスモータを構成している。
により回転自在に軸支されるステンレス棒部材からなる
モータ軸6と、上記のステータ11に磁気吸引される永
久磁石8と外周面において複数の羽根部10aが一体的
に設けられるとともに、この軸体6の上部は図示のよう
に取付基部10にインサート成形されている。
メタル軸受5の内径傾斜面部5mに対向する位置に溝部
63が、またこの溝部63から外周面にかけて外周傾斜
面部63aが図示のように形成されている。
るクリップ4が、ナイロン製またはテフロン(登録商
標)樹脂製の潤滑性を有したスラストワッシャー3と含
油焼結メタル軸受5の間において、ハウジング本体1の
有底部1d中に配設されており、モータ軸6のスラスト
方向の荷重をスラストワッシャー3で支持し、ラジアル
方向の荷重を含油焼結メタル軸受5で支持するように構
成されている。
シャー3に当接する当接面62aを有した当接端部62
と、この当接端部62の近傍から小径となる小径溝部6
1とが旋盤加工されており、クリップ4の先端形状部4
3が図示のように小径溝部61内に位置するようにして
後述の工程を経て完成される。
図、(b)は(a)のX−X線矢視断面図である。図1
に図2をさらに参照して、クリップ4は第2の樹脂材料
であるエンジニアプラスチックの、例えばポリアセター
ル樹脂材料を用いて射出成形することがコスト面、品質
面で推奨されるが、これに限定されず他の素材と他の製
造方法で製作することもできる。
においてスラストワッシャー3とメタル軸受5の間に配
設される筒状基部41と、この筒状基部41を支点とし
て弾性変形可能に延設される複数枚の延設部42(図で
は4個分が示されている)が一体成形されており、この
先端には先端形状部43がさらに一体成形されている。
この先端形状部43には、図2(b)に図示のように面
取り部43aと係止部43bとが形成されている。
軸受5の圧入側面に対向する部分に複数の突起部44
(図示では4個所)が一体形成されており、突起部44
が適度に潰れることでメタル軸受5を圧入するときに、
延設部42が変形しないようにしている。
タ軸6の関係を示した断面図である。本図において、既
に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説
明を割愛すると、図3(d)において、クリップ4の先
端形状部43で形成される円形孔部の内径寸法d2は、
自由状態でモータ軸6の小径溝部61の直径寸法以上で
ありかつ当接端部62の直径寸法以下の内径寸法とな
る。また、図3(c)に図示のように支点Pを回動中心
として弾性変形したときに当接端部62の直径寸法以上
になるように延設部42の先端に一体形成されている。
図3(a)に図示のようにロータのモータ軸6の先端が
挿入されると、当接面62aが面取り部43aにぶつか
り長手方向に沿う垂直方向に押す力量方向に対する略直
角方向の力量が発生して、図3(b)に図示の状態にな
り、さらに下方に移動して、図3(c)に図示の支点P
を回動中心として、当接端部62の直径寸法以上になる
ように弾性変形して延設部42の先端に一体形成されて
いる先端形状部43が当接端部62を通過することで、
図3(d)に図示の状態となる。
に対する機械的な干渉がない非接触での完全な係止状態
にすることができるとともに、クリップの割れや塑性変
形を防止できる。
止を図ることができ、かつまた図4の断面図に図示のよ
うに、無理矢理にモータ軸6を引き抜こうとすると、係
止面43bが当接端部62の内面部62cにぶつかる状
態となり、さらに上に抜くと、メタル軸受5の圧入側面
部5dにおいて規制され、モータ軸6を引き抜くことが
できなくなる。したがって、モータ軸の抜け止めが完全
となる。
モータの製造手順を示した立体分解図であり、また図5
(b)は、治具の断面図である。
部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、
スリーブホルダー2をインサート成形したハウジング本
体1の枠部1dには固定用孔部1fが形成されており、
装置への取付部を形成するとともに、治具のテーブル1
02への位置決め用に固定用孔部1fを使用している。
スリーブホルダー2には止め輪7を固定するための内溝
部2aが形成されており、止め輪7の外形寸法を小さく
した状態でセットし、内溝部2aで固定するように構成
されている。
に沿う縦溝部5a(図示では4本)が横溝部5bに連続
して形成されている。またクリップは、前記含油焼結メ
タル軸受の圧入側面部5dに対向する複数の突起部44
を有している。
連通させることで、有底部の内部で発熱膨脹した空気を
外部に排気可能にしている。
トである。図6に図5を参照して、先ず、ステップS1
で、コイル9を備えたステータ11を接着してハウジン
グ本体1に固定する。また、スリーブホルダー2中にス
ラストワッシャー3をセットする。
の治具100にメタル軸受5をセットし、ステップS3
では、クリップ4を治具軸101にセットする。また、
ステップS4において、治具のプレート102上に載置
して位置決めする。以上でメタル軸受の圧入準備が整
い、ステップS5で治具100を矢印方向に降下して、
スリーブホルダー2と一部を嵌合させた状態を維持し、
治具軸101を空気圧で降下させて、圧入側面部5dに
より突起部44が一部潰された状態で圧入されて固定さ
れる。この圧入の際に、含油メタル軸受5の縦溝部5a
とスリーブホルダー2の間に空気流路が形成されるの
で、ポンピング作用による反力が発生せず、スムーズに
圧入できる。
検査して、不良品である場合には、ステップS11で破
棄し、良品である場合には、ステップS7の次工程に送
る。ステップS8では、止め輪7がセットされて、メタ
ル軸受の浮きを完全に防止し、かつ潤滑油が出ることを
防止し、ステップS9に進み、ロータ12のモータ軸6
を図3で説明したように挿入して、クリップで止める。
不良品である場合には、ステップS11で不良原因の解
析を行ない、良品である場合に出荷工程に送り終了す
る。
ータの断面図であって、回転状態において、破線矢印図
示のような空気流F1、F2がクリップ4の複数の突起
部44と含油メタル軸受5の縦溝部5aと横溝部5bと
の間に発生させることが可能となる。
空気が温度上昇で膨張した場合であっても、ロータ12
が圧縮空気で浮き上がる状態となることがなくなる。
ブラシレス軸流ファンモータの中心断面図である。本図
において、既に説明済みの構成部品については同様の符
号を附して説明を割愛すると、含油焼結メタル軸受5の
内径部5hの開口縁部には内径傾斜面部5mが形成され
ている。またモータ軸6において、この内径傾斜面部5
mに対向する位置に溝部63が加工形成されており、こ
の溝部63から外周面にかけて外周傾斜面部63aが加
工形成されており、ロータ12の回転に伴い発生する遠
心力により周方向に潤滑油を飛ばすことで、面取り部分
である内径傾斜面部5mにおいて潤滑油を回収し、含油
焼結メタル軸受の内径部5hに戻すようにしている。ま
た、スリーブホルダー2の内径部2hに対向する部位に
おいて、モータ軸6と取付基部10にかけて、フッソ系
塗料の撥油処理層30が形成されている。
伴い発生する遠心力により溝部63より上に伝わった潤
滑油が、撥油処理層30上で付着した状態を維持できな
くなり、スリーブホルダー2の内径部2hに衝突する。
この後に、止め輪7を伝わり上記の内径傾斜面部5mに
おいて潤滑油が回収されることになる。
たブラシレス軸流ファンモータの別実施形態を示した中
心断面図である。本図において、既に説明済みの構成部
品については同様の符号を附して説明を省略すると、取
付基部10には環状溝部10bがさらに形成されてお
り、潤滑油の回収を矢印方向に行なうようにしている。
以上説明したように構成することで、メタル軸受5とク
リップ4の間に隙間が出来るように位置決め圧入される
と同時にクリップ4の突起部44を一部潰してクリップ
4を固定する事により、クリップ4のスラスト方向のガ
タつき発生を防止できる。またクリップの突起部44を
潰す事により延設部に加わるメタル軸受5の圧入力量の
負担を抑えることができる。また、ガタを防止すること
で、振動及び騒音を低減する事が出来た。
サート成形されたスリーブホルダー2の片側を樹脂で囲
み、その中にスラストワッシャー3、クリップ4を挿入
し、メタル軸受5で位置決めするように圧入して固定す
る簡単な構造であるが、スラストワッシャーとクリップ
間のガタを防止し、振動及び騒音を低減する事が出来る
ようになった。
シレス軸流ファンモータに限定されず、同様の抜け止め
構造を備えているモータの全てに適用可能であることは
言うまでもない。
ロータのモータ軸の先端を挿入することで、軸体の長手
方向に沿う垂直方向に押す力量方向に対する略直角方向
の力量を有効利用して、クリップを完全な係止状態にす
ることでロータの完全な抜け止め防止を図ることがで
き、かつまた過剰負荷でクリップの塑性変形を招くこと
の虞のないブラシレス軸流ファンモータを提供できる。
る。
は(a)のX−X線矢視断面図である。
関係を示した断面図である。
した断面図である。
順を示した立体分解図であり、(b)は、組立て用治具
の断面図である。
である。
ンモータの中心断面図である。
ンモータの別実施形態の中心断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 モータ軸の抜け止め構造において、 一方端側に小径溝部を周囲に設けたモータ軸と、 筒状基部と、 前記筒状基部を支点として弾性変形可能に延設された複
数枚の延設部と、前記延設部に連続して設けられ、自由
状態では前記溝部の外形寸法より大きくかつ前記軸の外
形寸法よりも小さな寸法であり、弾性変形時には、前記
軸の外形寸法よりも大きくなり得る先端形状部と、前記
筒状基部の端面に設けられた突起部と、を備えたクリッ
プと、を有することを特徴とするモータ軸の抜け止め構
造。
Priority Applications (1)
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ID=18732719
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JP2000241546A Expired - Lifetime JP4548911B2 (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | モータ軸の抜け止め構造 |
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