JP2002057077A - アルミニウム電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサおよびその製造方法

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JP2002057077A
JP2002057077A JP2001157570A JP2001157570A JP2002057077A JP 2002057077 A JP2002057077 A JP 2002057077A JP 2001157570 A JP2001157570 A JP 2001157570A JP 2001157570 A JP2001157570 A JP 2001157570A JP 2002057077 A JP2002057077 A JP 2002057077A
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aluminum
electrolytic capacitor
hydroxide
oxide
aluminum electrolytic
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JP2001157570A
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English (en)
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Yasuhiko Nakada
泰彦 中田
Masakazu Tanahashi
正和 棚橋
Emiko Igaki
恵美子 井垣
Mikiya Shimada
幹也 嶋田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性が高いアルミニウム電解コンデンサお
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ケース12と、ケース12を封口するた
めの封口体11と、ケース12内に封入されたセパレー
タ、陰極、陽極および電解液と、陽極に接続された陽極
リード17とを備えるアルミニウム電解コンデンサであ
って、陰極がアルミニウム箔を含み、ケース12内に、
電解液のpHを一定に保持する働きを有する固体化合物
をさらに備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム電解
コンデンサおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム電解コンデンサを高温雰囲
気下において無負荷で放置すると、容量が低下するとと
もに、ガスが発生して内圧が上昇し液漏れの原因とな
る。これは、アルミニウムからなる陰極箔の腐食による
ものであり、電解液に水を添加した系ではより顕著にな
る。また、電圧負荷をかけて高温で放置した場合には、
アルミニウムからなる陽極リードが電解エッチングさ
れ、最後には断線に至る。
【0003】このようなアルミニウムの腐食を防止する
方法として、従来から、アルミニウムの表面をリン酸で
処理して、リン酸アルミニウムの被膜を形成する方法が
知られている(特開昭62−17185号公報参照)。
この方法では、リン酸アルミニウムの被膜をあらかじめ
形成しておくことによって、腐食反応(Al→Al3+
3e-)が起きることを防止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな処理をおこなっても腐食の防止が十分でない場合が
あった。特に、電解液の水分量を増やした場合には腐食
が起こりやすくなるという問題があった。
【0005】上記課題を解決するため、本発明は、信頼
性が高いアルミニウム電解コンデンサおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のアルミニウム電解コンデンサは、ケース
と、前記ケースを封口するための封口体と、前記ケース
内に封入されたセパレータ、陰極、陽極および電解液
と、前記陰極および前記陽極にそれぞれ接続された2つ
のリードとを備えるアルミニウム電解コンデンサであっ
て、前記陰極および前記陽極がアルミニウム箔を含み、
前記リードがアルミニウムからなり、前記ケース内に、
前記電解液のpHを一定に保持する働きを有する固体化
合物をさらに備えることを特徴とする。この構成によれ
ば、電解液のpHが小さくなりすぎることを防止できる
ため、信頼性が高いアルミニウム電解コンデンサが得ら
れる。
【0007】上記アルミニウム電解コンデンサでは、前
記陰極および前記陽極から選ばれる少なくとも1つの電
極の表面にはピットが形成されており、前記固体化合物
が前記ピット内に配置されていてもよい。この構成によ
れば、電極の腐食を特に防止することができる。
【0008】上記アルミニウム電解コンデンサでは、前
記固体化合物が前記セパレータに付着していてもよい。
この構成によれば、電極の腐食を特に防止することがで
きる。
【0009】上記アルミニウム電解コンデンサでは、前
記固体化合物が前記リードの表面に付着していてもよ
い。この構成によれば、リードの腐食を特に防止するこ
とができる。
【0010】上記アルミニウム電解コンデンサでは、前
記固体化合物が金属を含む化合物であり、前記金属が陽
イオンに変化する際の酸化電位EMと、アルミニウムが
アルミニウムイオンに変化する際の酸化電位EAとがEM
≦EAの関係を満たすものでもよい。
【0011】上記アルミニウム電解コンデンサでは、前
記固体化合物が、イットリウムの酸化物、イットリウム
の水酸化物、アルミニウムの酸化物、アルミニウムの水
酸化物、スカンジウムの酸化物、スカンジウムの水酸化
物、ランタンの酸化物、ランタンの水酸化物、プラセオ
ジムの酸化物、プラセオジムの水酸化物、ネオジムの酸
化物、ネオジムの水酸化物、プロメチウムの酸化物、プ
ロメチウムの水酸化物、セリウムの酸化物、セリウムの
水酸化物、ガドリニウムの酸化物、ガドリニウムの水酸
化物、テルビウムの酸化物、テルビウムの水酸化物、ジ
スプロシウムの酸化物、ジスプロシウムの水酸化物、ホ
ルミウムの酸化物、ホルミウムの水酸化物、エルビウム
の酸化物、エルビウムの水酸化物、ツリウムの酸化物、
ツリウムの水酸化物、ルテチウムの酸化物、ルテチウム
の水酸化物、ベリリウムの酸化物、およびベリリウムの
水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合
物を含んでもよい。この構成によれば、信頼性が特に高
いアルミニウム電解コンデンサが得られる。
【0012】また、本発明の第1の製造方法は、陰極お
よび陽極を備えるアルミニウム電解コンデンサの製造方
法であって、(i)表面にピットが形成されたアルミニ
ウム箔を、金属の硝酸塩の水溶液に浸漬する工程と、
(ii)前記(i)の工程ののちに、前記アルミニウム箔
をアルカリ性水溶液に浸漬することによって前記金属の
水酸化物を前記ピット内に形成し、これによって前記陰
極および前記陽極から選ばれる少なくとも1つの電極を
形成する工程とを含み、前記金属が陽イオンに変化する
際の酸化電位EMと、アルミニウムがアルミニウムイオ
ンに変化する際の酸化電位EAとがEM≦EAの関係を満
たすことを特徴とする。この製造方法によれば、電極が
腐食されにくく信頼性が高い電解コンデンサを製造でき
る。
【0013】上記第1の製造方法では、前記金属が、イ
ットリウム、アルミニウム、スカンジウム、ランタン、
プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、セリウム、ガ
ドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、ルテチウム、およびベリリ
ウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を含
んでもよい。
【0014】上記第1の製造方法では、前記アルカリ性
水溶液のpHが、8〜12の範囲内であってもよい。
【0015】また、本発明の第2の製造方法は、陰極お
よび陽極を備えるアルミニウム電解コンデンサの製造方
法であって、(I)表面にピットが形成されたアルミニ
ウム箔を、金属の硝酸塩の水溶液に浸漬する工程と、
(II)前記(I)の工程ののちに、前記アルミニウム箔
を熱処理することによって前記金属の酸化物を前記ピッ
ト内に形成し、これによって前記陰極および前記陽極か
ら選ばれる少なくとも1つの電極を形成する工程とを含
み、前記金属が陽イオンに変化する際の酸化電位E
Mと、アルミニウムがアルミニウムイオンに変化する際
の酸化電位EAとがEM≦EAの関係を満たすことを特徴
とする。この製造方法によれば、電極が腐食されにくく
信頼性が高い電解コンデンサを製造できる。
【0016】上記第2の製造方法では、前記金属が、イ
ットリウム、アルミニウム、スカンジウム、ランタン、
プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、セリウム、ガ
ドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、ルテチウム、およびベリリ
ウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を含
んでもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
は一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されな
い。
【0018】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
アルミニウム電解コンデンサについて説明する。
【0019】まず、アルミニウム電解コンデンサにおい
て、電極の腐食およびリードの腐食が進行するメカニズ
ムを説明する。
【0020】電圧を印加せずにアルミニウム電解コンデ
ンサを放置したときには、主に陰極が腐食する。この陰
極の腐食は、以下に説明するように、電解液中の酸素濃
度の偏りに基づく電池効果によって発生する。アルミニ
ウム電解コンデンサのコンデンサ素子は、アルミニウム
箔からなる陽極、アルミニウム箔からなる陰極、および
セパレータによって構成される。そして、陽極および陰
極は、セパレータを挟んでコイル状に固く巻かれてい
る。コイルの外周部分と中心部分とでは、電解液中の溶
存酸素の濃度が異なっているために電位差が生じる。そ
の結果、電池効果によってコイルの中心部分の電極(特
に陰極)が腐食する。さらに、この腐食によって、コン
デンサ素子の中心部では(Al3++H2O→Al(OH)
2++H+)の反応が起こるため、電解液が酸性側にシフ
トし、腐食がますます加速する。このような電極の腐食
を防止するためには、増えようとするH+を中和するこ
とが最も効果的である。
【0021】また、アルミニウム電解コンデンサに電圧
を印加したときには、主に陽極のリードが腐食しやすく
なる。この陽極リードの腐食は、以下に説明するよう
に、電解エッチングによって発生する。アルミニウム電
解コンデンサでは、時間の経過とともに内部の電解液が
蒸発によって減少していく。このとき、ケース内部の陽
極リード表面に付着している電解液は、蒸発にともなっ
て次第にバッファ性を失っていくため、陽極リードが腐
食しやすくなる。そして、いったん腐食が生じると、腐
食によって形成されたピット(pit)の内部ではH+
が濃縮してますます腐食が加速する。この陽極リードの
腐食に対しても、陰極箔の腐食の場合と同様に、増えよ
うとするH+を中和することが効果的である。
【0022】上記腐食を抑制できる実施形態1のアルミ
ニウム電解コンデンサ10について、断面図を図1に模
式的に示す。
【0023】図1を参照して、アルミニウム電解コンデ
ンサ10は、封口体11で封口されたケース12と、ケ
ース12内に封入されたコンデンサ素子13と、電解液
(図示せず)とを備える。コンデンサ素子13の分解斜
視図を図2に模式的に示す。コンデンサ素子13は、セ
パレータ14と、セパレータ14を挟むように配置され
た陽極(陽極箔)15および陰極(陰極箔)16と、陽
極15に接続された陽極リード17と陰極16に接続さ
れた陰極リード18とを備える。以下、陽極15および
陰極16をまとめて電極箔という場合があり、陽極リー
ド17および陰極リード18をあわせてリードと呼ぶ場
合がある。セパレータ14、陽極15および陰極16は
巻回されてケース12内に封入されている。電解液は主
にセパレータに保持されている。
【0024】封口体11は、たとえば、ゴムや樹脂から
なる。
【0025】電解液には、たとえば、アルミニウム電解
コンデンサに一般的に使用される電解液を用いることが
でき、たとえば、エチレングリコール系電解液を用いる
ことができる。具体的には、水と、エチレングリコール
と、アジピン酸アンモニウムなどの溶剤とを含む電解液
を用いることができる。電解液は、必要に応じて腐食防
止剤を含む。電解液の初期のpHは、たとえば、5〜7
程度である。特に、電解液は、30質量%〜60質量%
の水を含むことが好ましい。この構成によれば、等価直
列抵抗(Equivalent Series Res
istance。以下、ESRという。)が特に低いア
ルミニウム電解コンデンサが得られる。
【0026】セパレータ14には、アルミニウム電解コ
ンデンサに一般的に用いられている電解紙を用いること
ができ、たとえば、マニラ紙(Manila pape
r)を用いることができる。
【0027】また、陽極15および陰極16には、電解
コンデンサに一般的に用いられているアルミニウム箔を
用いることができる。また、陽極リード17および陰極
リード18には、電解コンデンサに一般的に用いられて
いるアルミニウムリードを用いることができる。
【0028】アルミニウム電解コンデンサ10は、ケー
ス12内に、電解液のpHを一定に保持するための固体
化合物(以下、固体化合物Aという場合がある)をさら
に備える。すなわち、アルミニウム電解コンデンサ10
では、その構成部材である電極箔、セパレータ、リー
ド、および封口体からなる群から選ばれる少なくとも1
つの表面または内部に固体化合物Aが配置されている。
なお、電解液中に固体化合物Aが分散されていてもよ
い。
【0029】固体化合物Aは、水溶液中(電解液中)に
固体の状態で分散させたとき、水溶液のpHを一定に保
つように働く機能を有する。すなわち、固体化合物Aは
緩衝剤(バッファ)として機能する。
【0030】固体化合物Aには、金属を含み、以下の3
つの条件を満たす化合物を用いることができる。第1の
条件として、電解液中である程度安定に存在する化合物
であることが必要とされる。第2の条件として、金属状
体から陽イオンに変化する際の酸化電位EMが、アルミ
ニウムがアルミニウムイオンに変化する際の酸化電位E
Aと同等またはそれ以下の金属(以下、金属Mという場
合がある)を含む化合物であることが必要とされる。す
なわち、金属Mが陽イオンに変化する際の酸化電位EM
と、EAとは、EM≦EA(好ましくは、EM<EA)の関
係を満たす。第3の条件として、電解液中でH+を中和
する化合物であることが必要とされる。
【0031】このような条件を満たす固体化合物Aの具
体例としては、たとえば、酸化イットリウムまたは水酸
化イットリウムが挙げられる。酸化イットリウムは、電
解液が酸性側にシフトしようとすると、それ自身はイッ
トリウムイオンになって水溶液中に溶解し、pHを一定
に保つ働きをする(Y23+6H+→2Y3++3H
2O)。また、水酸化イットリウムについても同様の働
きを有する(Y(OH)3+3H+→Y3++3H2O)。
アルミニウム電解コンデンサ10では、固体化合物Aの
このような性質を利用することによって、電解液のpH
を一定に維持し、腐食を抑制することができる。
【0032】固体化合物Aには、上述した条件を満たす
化合物であれば、酸化イットリウムや水酸化イットリウ
ム以外の化合物を用いることができる。具体的には、固
体化合物Aは、イットリウムの酸化物、イットリウムの
水酸化物、アルミニウムの酸化物、アルミニウムの水酸
化物、スカンジウムの酸化物、スカンジウムの水酸化
物、ランタンの酸化物、ランタンの水酸化物、プラセオ
ジムの酸化物、プラセオジムの水酸化物、ネオジムの酸
化物、ネオジムの水酸化物、プロメチウムの酸化物、プ
ロメチウムの水酸化物、セリウムの酸化物、セリウムの
水酸化物、ガドリニウムの酸化物、ガドリニウムの水酸
化物、テルビウムの酸化物、テルビウムの水酸化物、ジ
スプロシウムの酸化物、ジスプロシウムの水酸化物、ホ
ルミウムの酸化物、ホルミウムの水酸化物、エルビウム
の酸化物、エルビウムの水酸化物、ツリウムの酸化物、
ツリウムの水酸化物、ルテチウムの酸化物、ルテチウム
の水酸化物、ベリリウムの酸化物、およびベリリウムの
水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合
物を含むことが好ましい。すなわち、金属Mとしては、
イットリウム、アルミニウム、スカンジウム、ランタ
ン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、セリウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、ルテチウム、およびベ
リリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属
を用いることができる。また、上述した化合物と同様の
性質を有する化合物であれば、他の化合物であっても固
体化合物Aとして使用できる。なお、上述した固体化合
物の中でも、酸化物または水酸化物からイオンになって
溶解するときの溶解速度が比較的大きいため、特に、酸
化イットリウムまたは水酸化イットリウムが好ましい。
【0033】以下に、陰極、セパレータ、リード、また
は封口体に固体化合物Aが添加されている場合につい
て、順次説明する。アルミニウム電解コンデンサ10
は、以下で説明する電極、セパレータ、リード、および
封口体からなる群より選ばれる少なくとも1つの構成部
材を含む。
【0034】(陰極)陰極16としては、表面にピット
(pit)が形成されており、固体化合物Aがピット内
に配置されているアルミニウム箔を用いることが好まし
い。このようなアルミニウム箔31について、断面図を
図3に模式的に示す。アルミニウム箔31は、その表面
31sにピット31aが形成されている。ピット31a
内には、固体化合物Aが配置されている。なお、陽極1
5にも、陰極16と同様のアルミニウム箔を用いてもよ
い。すなわち、陽極15および陰極16から選ばれる少
なくとも1つの電極の表面にはピットが形成されてお
り、固体化合物Aがピット内に配置されていてもよい。
【0035】以下に、固体化合物Aが水酸化イットリウ
ムの場合について、陰極箔の製造方法の一例を説明す
る。まず、エッチングによって表面にピットが形成され
たアルミニウム箔を用意する。アルミニウム箔の表面の
ピットは、たとえば、電解エッチングまたは化学エッチ
ングによって形成できる。
【0036】次に、アルミニウム箔を硝酸イットリウム
の水溶液に浸漬することによって、アルミニウム箔のピ
ットに硝酸イットリウム水溶液を含ませる。その後、ア
ルミニウム箔を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬する処理
を行って、ピット内に水酸化イットリウムを付着させ
る。このとき、水酸化ナトリウム水溶液のpHは8以上
であればよいが、アルミニウムはアルカリ水溶液に溶解
する性質を有するため、できるだけ中性に近いアルカリ
水溶液で処理することが好ましい。具体的には、アルカ
リ水溶液のpHは、8〜12の範囲内であることが好ま
しい。また、高温・長時間の処理もアルミニウム箔にダ
メージを与えるため、低温・短時間で処理を行うことが
好ましい。
【0037】次に、固体化合物Aが酸化イットリウムで
ある場合について説明する。この場合は、まず、アルミ
ニウム箔を硝酸イットリウム水溶液に浸漬し、アルミニ
ウム箔のピット内に硝酸イットリウム水溶液を含ませ
る。その後、アルミニウム箔を熱処理することによって
硝酸イットリウムを熱分解し、ピット内に酸化イットリ
ウムを付着させる。熱処理は、たとえば、大気中で50
0℃、10分間の条件で行うことができる。
【0038】なお、固体化合物Aがイットリウム以外の
金属の水酸化物または酸化物である場合にも、同様の方
法で固体化合物Aを形成できる。
【0039】(セパレータ)セパレータ14としては、
固体化合物Aが表面に付着したセパレータを用いること
が好ましい。このようなセパレータ41について、断面
図を図4に模式的に示す。セパレータ41の表面41s
には、固体化合物Aが付着している。
【0040】以下、固体化合物Aが表面に付着したセパ
レータは、固体化合物A(たとえば酸化イットリウム)
の粉末を直接セパレータに擦り込めばよい。セパレータ
には、アルミニウム電解コンデンサに一般的に用いられ
ている電解紙を用いることができ、たとえばマニラ紙を
用いることができる。
【0041】固体化合物A(たとえば酸化イットリウ
ム)の粉末は、市販の粉末をそのままの状態で使用して
もかまわないが、市販の粉末を乳鉢で粉砕し、粒径をよ
り小さくして使用することが好ましい。粒径を小さくす
ることによって、セパレータへの付着性を向上でき、か
つ固体化合物として機能する際にイオン化しやすくでき
る。具体的には、粉末の平均粒径が、1μm〜100μ
mの範囲内であることが好ましい。
【0042】(リード)リード(特に、陽極リード1
7)としては、表面に固体化合物Aが付着したリードを
用いることが好ましい。このようなリード51につい
て、断面図を図5に示す。リード51は、棒状のアルミ
ニウムからなり、電極箔が巻き付けられる部分51a
と、封口体の貫通孔内に配置される部分51bとを備え
る。そして、部分51bの表面には、固体化合物Aが付
着している。
【0043】固体化合物Aとして水酸化イットリウムや
酸化イットリウムを用いる場合には、上記陰極箔と同様
の方法で固体化合物Aが付着したリードを作製すること
ができる。
【0044】固体化合物Aを付着させるリードには、ア
ルミニウム電解コンデンサに一般的に使用されるアルミ
ニウムリードを用いることができる。
【0045】(封口体)封口体11としては、固体化合
物Aを含む封口体を用いることが好ましい。具体的に
は、封口体11が、固体化合物Aが添加されているゴム
または樹脂からなることが好ましい。このような封口体
61について、断面図を図6に模式的に示す。封口体6
1は、円盤状の形状を有し、リードが挿入される2つの
貫通孔61hが形成されている。封口体61の内部に
は、固体化合物Aが添加されている。
【0046】ゴムの材料には、たとえば、イソブチレン
とイソプレンとジベニルベンゼンとの共重合体であるブ
チルゴムポリマーを用いることができる。なお、固体化
合物Aの粉末は、封口体の材料となるゴムを製造する段
階で、他の材料と一緒に添加することができる。添加す
る固体化合物Aの粉末は、平均粒径が1μm〜100μ
mの範囲内であることが好ましい。
【0047】アルミニウム電解コンデンサ10は、電解
液のpHを一定に保持する働きを有する固体化合物Aを
含む。このため、電極(特に陰極)の腐食による容量の
低下を防止でき、また、無負荷放置時にガスが発生する
ことを防止できる。したがって、アルミニウム電解コン
デンサ10によれば、信頼性が高いコンデンサが得られ
る。さらに、寿命が同等の条件で従来のアルミニウム電
解コンデンサと比較した場合、アルミニウム電解コンデ
ンサ10では、水分量が多く電導度が高い電解液を用い
ることができるため、ESRをより低くすることができ
る。また、固体化合物Aを添加したリードまたは封口体
を用いることによって、リードの断線が生じにくいコン
デンサが得られる。
【0048】(実施形態2)実施形態2では、アルミニ
ウム電解コンデンサを製造するための本発明の第1の製
造方法について説明する。
【0049】実施形態2の製造方法について、工程断面
図を図7に示す。この製造方法では、まず、図7(a)
に示すように、表面にピット(図3参照)が形成された
アルミニウム箔71を、金属の硝酸塩の水溶液72に浸
漬する(工程(i))。この工程によって、アルミニウ
ム箔71のピット内に水溶液72が充填される。水溶液
72には、実施形態1で説明した金属Mの硝酸塩の水溶
液を用いることができる。具体的には、イットリウム、
アルミニウム、スカンジウム、ランタン、プラセオジ
ム、ネオジム、プロメチウム、セリウム、ガドリニウ
ム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビ
ウム、ツリウム、ルテチウム、およびベリリウムからな
る群から選ばれる少なくとも1つの金属を含む硝酸塩の
水溶液を用いることができる。水溶液72中の硝酸塩の
濃度は、たとえば、0.05mol/L〜0.5mol
/Lの範囲内である。
【0050】その後、図7(b)に示すように、アルミ
ニウム箔71をアルカリ性水溶液73に浸漬することに
よって、金属Mの水酸化物をピット内に形成する(工程
(ii))。このようにして、金属Mの水酸化物(化合物
A)がピット内に形成されたアルミニウム箔71を得
て、これを陰極および陽極から選ばれる少なくとも1つ
の電極として用いる。アルミニウム箔71は、陰極とし
て用いると特に効果が大きい。
【0051】上記電極の形成方法以外は、通常の製造方
法と同様の工程でアルミニウム電解コンデンサを製造す
る。具体的には、陽極リードおよび陰極リードに、それ
ぞれ、陽極箔および陰極箔を接続する。そして、セパレ
ータを挟んで陽極箔と陰極箔とをコイル状にまいてコン
デンサ素子を形成し、セパレータに電解液を含浸させ
る。その後、コンデンサ素子をケース内に挿入し、封口
体でケースを封口する。このようにして、アルミニウム
電解コンデンサを製造できる。実施形態2の製造方法に
よれば、電極に固体化合物Aが付着した本発明のアルミ
ニウム電解コンデンサを製造できる。
【0052】(実施形態3)実施形態3では、アルミニ
ウム電解コンデンサを製造するための本発明の第2の製
造方法について説明する。なお、実施形態2と同様の部
分については、同一の符号を付して重複する説明を省略
する。
【0053】実施形態3の製造方法では、まず、図7
(a)に示すように、表面にピット(図3参照)が形成
されたアルミニウム箔71を、金属の硝酸塩の水溶液7
2に浸漬する(工程(I))。工程(I)は、実施形態
2で説明した工程(i)と同様である。この工程によっ
て、アルミニウム箔71のピット内に水溶液72が充填
される。水溶液72には、実施形態1で説明した金属M
の硝酸塩の水溶液を用いることができる。具体的には、
イットリウム、アルミニウム、スカンジウム、ランタ
ン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、セリウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、ルテチウム、およびベ
リリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属
を含む硝酸塩の水溶液を用いることができる。水溶液7
2中の硝酸塩の濃度は、たとえば、0.05mol/L
〜0.5mol/Lの範囲内である。
【0054】その後、アルミニウム箔71を水溶液72
から取り出して乾燥させる。そして、アルミニウム箔7
1を熱処理することによって、金属Mの酸化物をピット
内に形成する(工程(II))。この熱処理によって、金
属Mの硝酸塩が熱分解し金属Mの酸化物となる。熱処理
は、たとえば、500℃で10分間の条件で行うことが
できる。このようにして、金属Mの水酸化物(化合物
A)がピット内に形成されたアルミニウム箔71を得
て、これを陰極および陽極から選ばれる少なくとも1つ
の電極として用いる。アルミニウム箔71は、陰極とし
て用いると特に効果が大きい。
【0055】上記電極の形成方法以外は、実施形態2で
説明したように、アルミニウム電解コンデンサを製造す
る。実施形態3の製造方法によれば、電極に固体化合物
Aが付着した本発明のアルミニウム電解コンデンサを製
造できる。
【0056】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0057】(実施例1)実施例1では、陰極箔の表面
およびエッチングピットの空洞部に固体化合物Aを付着
させた一例について説明する。
【0058】まず、濃度が10質量%の硝酸イットリウ
ム水溶液を用意した。また、陰極箔として、低圧電解コ
ンデンサ用のアルミニウム箔を用意した。次に、硝酸イ
ットリウム水溶液にアルミニウム箔を数秒間浸漬して硝
酸イットリウムをアルミニウム箔に十分にしみ込ませ
た。次に、硝酸イットリウム水溶液からアルミニウム箔
を引き上げて余分な液を除去した。次に、アルミニウム
箔をアルカリ性の水溶液で処理した。具体的には、アル
ミニウム箔を水酸化ナトリウム水溶液(pH8)に10
秒間浸漬した。そして、浸漬後、アルミニウム箔を引き
上げて余分な液を除去した。最後に、析出した水酸化イ
ットリウムがアルミニウム箔から流れ落ちない程度にア
ルミニウム箔を純水で軽く水洗いし、乾燥させた。以上
のような手順で水酸化イットリウムをアルミニウム箔の
表面および内部のエッチングピット壁面に付着させ、陰
極箔を形成した。
【0059】このようにして形成した陰極箔を用いてア
ルミニウム電解コンデンサを作製した。なお、陰極箔以
外の部分については通常の部材を用いた。
【0060】(実施例2)実施例2では、セパレータに
固体化合物Aを付着させた一例について説明する。
【0061】まず、酸化イットリウムの試薬(和光純薬
工業株式会社製、純度:99.99%以上)を乳鉢で粉
砕して微粒子状にした。また、セパレータとして、低圧
電解コンデンサ用の電解紙であるマニラ紙を用意した。
そして、微粒子状の酸化イットリウムの粉末を、目の細
かいふるいを使ってセパレータの上に均一に分散させ、
指で擦り込むようにして酸化イットリウム粉末をセパレ
ータに付着させた。その後、残った余分な粉末を払い落
とした。このようにして、酸化イットリウムの粉末が付
着したセパレータを作製した。なお、本実施例では、セ
パレータ1cm 2あたり、0.1mgの酸化イットリウ
ムを付着させた。このようにして作製したセパレータを
用いて、アルミニウム電解コンデンサを作製した。な
お、セパレータ以外の部分は、通常の部材を用いた。
【0062】(比較例1)比較例1では、固体化合物A
を付着させる処理を行っていない陰極箔およびセパレー
タを用いてアルミニウム電解コンデンサを作製した。な
お、陰極箔およびセパレータ以外の部分については、実
施例1および2のアルミニウム電解コンデンサと同様の
構成とした。
【0063】上記実施例1および2、ならびに比較例1
のコンデンサについて、電圧を印加しない状態で高温で
放置する試験を行った。試験は、85℃で5000時間
放置することによって行った。
【0064】その後、それぞれのコンデンサを分解し、
陰極箔の腐食の様子、および陰極箔の容量変化を調べ
た。なお、陰極箔の腐食の様子は、放置試験前後におい
て陰極箔を目視観察することによって評価した。また、
陰極箔の容量変化は、容量維持率(%)={(高温放置
試験後の容量)/(高温放置試験前の容量)}×100
の式で評価した。
【0065】その結果、実施例1および2のコンデンサ
では、陰極箔の外観に変化はなく、容量維持率は95%
であった。一方、比較例1のコンデンサでは、陰極箔の
外観が黒色に変化し、容量維持率は60%であった。こ
のように、比較例1のコンデンサでは高温放置試験によ
って陰極箔の容量が大きく減少しているのに対し、実施
例1および2のアルミニウム電解コンデンサでは陰極箔
の容量がほとんど変化しなかった。
【0066】(実施例3)実施例3では、陽極リードの
表面に固体化合物Aを付着させた一例について説明す
る。まず、陽極リードとして、低圧電解コンデンサ用の
アルミニウムリードを用意した。この陽極リードを硝酸
イットリウム水溶液に浸漬し、陽極リード表面にイット
リウムイオンを付着させた。次に、この陽極リードをア
ルカリ水溶液で処理することによって、陽極リードの表
面に水酸化イットリウムを付着させた。なお、水酸化イ
ットリウムを付着させる手順や条件は、実施例1で説明
したものと同様である。このようにして作製した陽極リ
ードを用いて、アルミニウム電解コンデンサを作製し
た。なお、陽極リード以外の部分については、通常の部
材を用いた。
【0067】(実施例4)実施例4では、封口体に固体
化合物Aを添加した一例について説明する。実施例4で
は、封口体に用いるゴムを製造する段階で、酸化イット
リウムを添加剤として加え、封口体を作製した。材料と
なるゴムには、イソブチレン、イソプレン、およびジビ
ニルベンゼンの共重合体からなるブチルゴムポリマーを
用いた。また、酸化イットリウムは、ゴム1gあたり1
0mg添加した。このゴムからなる封口体を用いて、ア
ルミニウム電解コンデンサを作製した。なお、封口体以
外の部分については、通常の部材を用いた。
【0068】(比較例2)比較例2では、固体化合物A
を付着させる処理を施していない陽極リードおよび封口
体を用いてアルミニウム電解コンデンサを作製した。な
お、陽極リードおよび封口体以外の部分については、実
施例3および4のアルミニウム電解コンデンサと同様の
構成とした。
【0069】上記実施例3および4、ならびに比較例2
のアルミニウム電解コンデンサについて、電圧を印加し
ながら高温で放置する試験を行った。試験は、6.3V
の電圧を印加しながら85℃において5000時間放置
することによって行った。
【0070】放置試験ののち、それぞれのコンデンサを
分解し、陽極リードの腐食の様子を調べた。なお、陽極
リードの腐食の様子は、放置試験前後において陽極リー
ドを目視観察することによって評価した。
【0071】その結果、比較例2のコンデンサでは、高
温放置試験後において、陽極リードの表面に多数の孔食
ピットが観察された。これに対し、実施例3および4の
アルミニウム電解コンデンサでは、孔食の痕跡がほとん
ど観察されなかった。
【0072】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用する
ことができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアルミニ
ウム電解コンデンサによれば、信頼性が高いアルミニウ
ム電解コンデンサが得られる。また、本発明の第1およ
び第2の製造方法によれば、信頼性が高いアルミニウム
電解コンデンサを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアルミニウム電解コンデンサについ
て一例を示す断面図である。
【図2】 図1に示したアルミニウム電解コンデンサの
一部分解斜視図である。
【図3】 本発明のアルミニウム電解コンデンサの陰極
箔について一例を示す断面図である。
【図4】 本発明のアルミニウム電解コンデンサのセパ
レータについて一例を示す断面図である。
【図5】 本発明のアルミニウム電解コンデンサのリー
ドについて一例を示す断面図である。
【図6】 本発明のアルミニウム電解コンデンサの封口
体について一例を示す断面図である。
【図7】 アルミニウム電解コンデンサを製造するため
の本発明の製造方法について一例を示す工程図である。
【符号の説明】
10 アルミニウム電解コンデンサ 11、61 封口体 12 ケース 13 コンデンサ素子 14、41 セパレータ 15 陽極箔 16、31 陰極箔 17、51 陽極リード 18 陰極リード 31s、41s 表面 31a ピット 61h 貫通孔 71 アルミニウム箔 72 水溶液 73 アルカリ性水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井垣 恵美子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 嶋田 幹也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースと、前記ケースを封口するための
    封口体と、前記ケース内に封入されたセパレータ、陰
    極、陽極および電解液と、前記陰極および前記陽極にそ
    れぞれ接続された2つのリードとを備えるアルミニウム
    電解コンデンサであって、 前記陰極および前記陽極がアルミニウム箔を含み、 前記リードがアルミニウムからなり、 前記ケース内に、前記電解液のpHを一定に保持する働
    きを有する固体化合物をさらに備えることを特徴とする
    アルミニウム電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記陰極および陽極から選ばれる少なく
    とも1つの電極の表面にはピットが形成されており、前
    記固体化合物が前記ピット内に配置されている請求項1
    に記載のアルミニウム電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記固体化合物が前記セパレータに付着
    している請求項1に記載のアルミニウム電解コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記固体化合物が前記リードの表面に付
    着している請求項1に記載のアルミニウム電解コンデン
    サ。
  5. 【請求項5】 前記封口体が前記固体化合物を含む請求
    項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 前記固体化合物が金属を含む化合物であ
    り、 前記金属が陽イオンに変化する際の酸化電位EMと、ア
    ルミニウムがアルミニウムイオンに変化する際の酸化電
    位EAとがEM≦EAの関係を満たす請求項1ないし5の
    いずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ。
  7. 【請求項7】 前記固体化合物が、イットリウムの酸化
    物、イットリウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、
    アルミニウムの水酸化物、スカンジウムの酸化物、スカ
    ンジウムの水酸化物、ランタンの酸化物、ランタンの水
    酸化物、プラセオジムの酸化物、プラセオジムの水酸化
    物、ネオジムの酸化物、ネオジムの水酸化物、プロメチ
    ウムの酸化物、プロメチウムの水酸化物、セリウムの酸
    化物、セリウムの水酸化物、ガドリニウムの酸化物、ガ
    ドリニウムの水酸化物、テルビウムの酸化物、テルビウ
    ムの水酸化物、ジスプロシウムの酸化物、ジスプロシウ
    ムの水酸化物、ホルミウムの酸化物、ホルミウムの水酸
    化物、エルビウムの酸化物、エルビウムの水酸化物、ツ
    リウムの酸化物、ツリウムの水酸化物、ルテチウムの酸
    化物、ルテチウムの水酸化物、ベリリウムの酸化物、お
    よびベリリウムの水酸化物からなる群から選ばれる少な
    くとも1つの化合物を含む請求項1ないし5のいずれか
    に記載のアルミニウム電解コンデンサ。
  8. 【請求項8】 陰極および陽極を備えるアルミニウム電
    解コンデンサの製造方法であって、 (i)表面にピットが形成されたアルミニウム箔を、金
    属の硝酸塩の水溶液に浸漬する工程と、 (ii)前記(i)の工程ののちに、前記アルミニウム箔
    をアルカリ性水溶液に浸漬することによって前記金属の
    水酸化物を前記ピット内に形成し、これによって前記陰
    極および前記陽極から選ばれる少なくとも1つの電極を
    形成する工程とを含み、 前記金属が陽イオンに変化する際の酸化電位EMと、ア
    ルミニウムがアルミニウムイオンに変化する際の酸化電
    位EAとがEM≦EAの関係を満たすことを特徴とするア
    ルミニウム電解コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記金属が、イットリウム、アルミニウ
    ム、スカンジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジ
    ム、プロメチウム、セリウム、ガドリニウム、テルビウ
    ム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウ
    ム、ルテチウム、およびベリリウムからなる群から選ば
    れる少なくとも1つの金属を含む請求項8に記載のアル
    ミニウム電解コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記アルカリ性水溶液のpHが、8〜
    12の範囲内である請求項8または9に記載のアルミニ
    ウム電解コンデンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 陰極および陽極を備えるアルミニウム
    電解コンデンサの製造方法であって、 (I)表面にピットが形成されたアルミニウム箔を、金
    属の硝酸塩の水溶液に浸漬する工程と、 (II)前記(I)の工程ののちに、前記アルミニウム箔
    を熱処理することによって前記金属の酸化物を前記ピッ
    ト内に形成し、これによって前記陰極および前記陽極か
    ら選ばれる少なくとも1つの電極を形成する工程とを含
    み、 前記金属が陽イオンに変化する際の酸化電位EMと、ア
    ルミニウムがアルミニウムイオンに変化する際の酸化電
    位EAとがEM≦EAの関係を満たすことを特徴とするア
    ルミニウム電解コンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記金属が、イットリウム、アルミニ
    ウム、スカンジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジ
    ム、プロメチウム、セリウム、ガドリニウム、テルビウ
    ム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウ
    ム、ルテチウム、およびベリリウムからなる群から選ば
    れる少なくとも1つの金属を含む請求項11に記載のア
    ルミニウム電解コンデンサの製造方法。
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