JP2002056975A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、重合性環状構造を有する化合物又はその重合体ならびに蛍光性薄膜 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、重合性環状構造を有する化合物又はその重合体ならびに蛍光性薄膜

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JP2002056975A JP2000240880A JP2000240880A JP2002056975A JP 2002056975 A JP2002056975 A JP 2002056975A JP 2000240880 A JP2000240880 A JP 2000240880A JP 2000240880 A JP2000240880 A JP 2000240880A JP 2002056975 A JP2002056975 A JP 2002056975A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発光特性、加工安定性に優れた重合体を含有
する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。 【解決手段】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層又
は複数層の有機化合物薄膜により成る発光層を挟持した
有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機化
合物薄膜の少なくとも1層が、一般式(1)で表される
重合性環状構造を有する化合物、又はその重合体を少な
くとも1種含有することを特徴とする有機エレクトロル
ミネッセンス素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機エレクトロルミ
ネッセンス(以下、有機ELとも記す)素子に関し、更
に詳しくは、発光輝度に優れた有機エレクトロルミネッ
センス素子材料、及び該材料を用いた有機エレクトロル
ミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機エレクトロルミネッセンス
(以下、無機ELとも記す)素子は平面型光源として使
用されてきたが、該発光素子を駆動させるためには交流
の高電圧が必要である。最近、開発された有機EL素子
は、蛍光性有機化合物を含む薄膜を陰極と陽極で挟持し
た構成を有し、前記薄膜に電子及び正孔を注入して再結
合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、
このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)
を利用して発光する素子であり、直流の数V〜数十V程
度の低電圧で発光が可能であり、自己発光型であるため
に視野角依存性に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固
体素子であるので、省スペース、携帯性等の観点から注
目されている。
【0003】これ迄、様々な有機EL素子が報告されて
いる。例えば、Appl.Phys.Lett.,Vo
l51、913頁、又は特開昭59−194393号に
記載の正孔注入層と有機発光体層とを組み合わせたも
の、特開昭63−295695号に記載の正孔注入層と
電子注入輸送層とを組み合わせたもの、Jpn.Jou
rnal of Applied Phisycs,v
ol127,No.2,269〜271頁に記載の正孔
移動層と発光層と電子移動層とを組み合わせたものが、
それぞれ開示されている。
【0004】しかしながら、より高輝度な素子が求めら
れており、エネルギー変換効率、発光量子効率の更なる
向上が期待されている。又、発光寿命が短い問題点が指
摘されている。こうした経時での輝度劣化の要因は完全
には解明されていないが、発光中のエレクトロルミネッ
センス素子は、自ら発する光、及びその時に発生する熱
などによって薄膜を構成する有機化合物自体の分解、
又、素子に印加される高電界が引き起こす薄膜中の有機
化合物の分子内移動、凝集、配向、結晶化等、有機EL
素子材料である有機化合物に由来する劣化要因も指摘さ
れている。
【0005】又、有機化合物の蒸着操作を伴うEL素子
は生産性に問題があり、製造工程の簡略化、加工性、大
面積化の観点から、塗布方式の素子作製が望ましい。
【0006】このように生産性に有利な塗布方式のEL
素子作製で使用されるEL素子材料としては、例えばポ
リビニルカルバゾール中に低分子量色素を分散した素子
(特開平4−212286号)がある。色素種、色素濃
度を任意に変更できるため、色調、発光強度の調整が比
較的容易であるが、これらの素子は、ポリマー中に低分
子化合物を分散しているため、前述の通り高電界印加に
よる色素凝集、層分離が起こり易く、均質な発光が得難
いため、発光特性に優れない問題があった。
【0007】同じく塗布方式を用いるEL素子材料とし
て、例えばパラフェニレンビニレン系ポリマーが知られ
ているが(アドバンスドマテリアルズ,4項,1992
年)、発光部をポリマー主鎖に有するため、発光材料の
濃度制御が難しく、色調、発光強度の微妙な制御が難し
いという問題があった。
【0008】同様に塗布方式を用いるEL素子材料に
は、他に、例えばテトラフェニルベンジジンのような蛍
光性残基を含む2官能性モノマーとホスゲンを反応させ
て得られたポリカーボネート(特開平5−247459
号)等があるが、このような重縮合により得られたポリ
マーでは、脱離する酸などが残留し易く、残留した不純
物はトラップ準位となってダークスポットの発生のよう
な素子劣化の原因となり易く、均質な発光が得難く、発
光特性に優れない問題があった。
【0009】更に、例えばトリフェニルアミンのような
蛍光性残基とビニル基を連結したモノマーをラジカル開
始剤等により付加重合した重合体などがあるが(特開平
7−53953号等)、共有結合により強固かつ密接に
連結された蛍光性残基は、励起状態で互いに相互作用し
てエキサイプレックスを形成して安定化し、発光が長波
長化し、発光効率も低いエキサイマー発光を起こし易く
なるため、色調、発光強度の制御は難しい。
【0010】このようなエキサイマー発光を避けるに
は、分子内で蛍光性残基が相互作用を及ぼし合わないよ
う、蛍光性残基を分子内で希釈・分散させる必要があ
る。その一つの手段として、蛍光性残基を含むモノマー
と、該蛍光性残基と相互作用を起こし難い構造を有する
モノマーとを共重合をするという手段が考えられる。例
えば、ビニルアントラセンのような蛍光性モノマーと、
ビニルカルバゾールのような電荷輸送性モノマーを共重
合した有機EL素子材料が開示されている(特開平8−
48726号等)。このような手法では、重合前のモノ
マーの混合比により希釈率を自由に選択できるという利
点があるが、重合時にブロック性の共重合を起こす可能
性もあり、蛍光性残基が、期待したように希釈・分散す
るとは限らない。
【0011】こうした蛍光性残基同士の相互作用は、蛍
光性残基が高分子主鎖近傍に結び付けられ、もともと互
いに近くにいるために起こりやすいとも考えられる。そ
のため、重合基であるビニル基と、蛍光性残基とを結ぶ
連結基の長さを調節することで、蛍光性残基同士の相互
作用によるエキサイマー発光を防ぐという方法も考えら
れ、例えばメタクリロイル基と蛍光性化合物であるクマ
リンをモノ−(又はジ−)エチレンオキシドで連結し、
重合性基と蛍光性残基の距離を長くとっている有機EL
素子材料も開示されている(特開平8−157815
号)。しかし、このように連結基を長くすると、蛍光性
残基の移動自由度が高くなり、印加される高電界によ
り、矢張り蛍光性残基の配向、凝集が起こり易くなると
いう問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、発光特性、加工安定性に優れた重合体を含有する有
機ルミネッセンス素子を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題について検討を
行った結果、本発明は、蛍光性残基の分子内分散を図る
には、高分子主鎖の繰り返し単位を長くすることが効果
的であることを見い出して完成されたものである。即
ち、ビニル基の重合体では蛍光性残基は高分子主鎖に対
して二つおきに存在することになるが、重合性基が環状
構造のものである場合、三つ、四つ、五つなど、2以上
の任意の繰返し単位ごとに正確に蛍光性残基を持った高
分子材料を得ることができ、これにより蛍光性残基の自
由度を限定したまま、任意の濃度で蛍光性残基を高分子
内に分散させることができるようになり、蛍光性残基間
の相互作用に基づくエキサイマー発光の発生を防ぎ、発
光特性、安定性、加工特性に優れた有機EL素子材料を
得ることができる。又、重合性環状構造と、蛍光性残基
の間に任意の連結基を導入すること、又、このような重
合性モノマーと、適当な電荷輸送性基を有するモノマー
を共重合すること、又、このような高分子にドーパント
を適当な濃度で混入すること、あるいは反応性高分子に
付加、縮合、グラフト重合させることにより、更に自由
な範囲での有機EL素子材料の設計が可能である。
【0014】上記本発明の目的は、互いに対向する陽極
と陰極間に、単層又は複数層の有機化合物薄膜により成
る発光層を挟持した有機エレクトロルミネッセンス素子
において、該有機化合物薄膜の少なくとも1層が、前記
一般式(1)「化1」で表される重合性環状構造を有す
る化合物、又はその重合体を少なくとも1種含有する有
機エレクトロルミネッセンス素子によって達成される。
【0015】尚、上記一般式(1)で表される重合性環
状構造を有する化合物、又はその重合体に代えて、一般
式(2)〜(6)「化2」〜「化6」のいずれか一つで
表される重合性環状構造を有する化合物、又はその重合
体を含有してもよい。又、発光性化合物残基[L]が、
一般式(7)「化7」で表される蛍光性化合物から導か
れる1価の置換基である一般式(1)〜(6)の化合物
又はその重合体も好ましい。更に、一般式(8)で表さ
れる「化8」のような、一般式(7)の発光性化合物残
基[L]を有する化合物又はその重合体、一般式(1)
〜(6)又は(8)の化合物同士、又はそれ以外のモノ
マーとの共重合体、一般式(1)〜(8)の化合物と反
応性基を有する高分子との付加反応、縮合反応あるいは
グラフト重合で得られる高分子化合物を少なくとも1種
含有する有機化合物薄膜を少なくとも1層含有する有機
エレクトロルミネッセンス素子も本発明の好ましい1態
様である。
【0016】更に、一般式(1)で表される化合物又は
その重合体、付加反応体、縮合反応体を少なくとも1種
含有してなる蛍光性薄膜も本発明の一態様である。
【0017】これらの構成によって、蛍光性残基を高分
子主鎖に対して2〜7の任意の原子おきに自由度を制限
された状態で適度に分散することができ、発光特性、安
定性、加工特性の何れもが良い有機EL素子材料を得る
ことができる。
【0018】以下、本発明について詳細に説明する。ま
ず、一般式(1)〜(8)で表される化合物又は置換基
について説明する。
【0019】一般式(1)において、Xは、重合開始剤
であるラジカル、カチオン、アニオン、金属錯体などに
反応し、新たに反応の活性点となることのできる2価の
官能基で、−O−,−S−,−NR−,−COO−,−
CONR−,−CR=CR−,−O−CR=N−又は−
O−CR=CR−(Rは水素原子又は置換基)を示す。
Zで表される置換基を有してもよい脂肪族炭化水素鎖
は、好ましくは炭素数2〜6であって、Xと共に環構造
を形成する。
【0020】[S]はXとZで形成される環構造と1価
の発光性化合物残基[L]を連結する2価の連結基で、
例えばフェニレン、エチレン、−O−,−NR−,−C
O−(Rは水素原子又は置換基)等、2価の基、又はこ
れらが複数連結したものである。[L]は1価の発光性
化合物残基であり、室温下で発光を示す化合物の任意の
位置から水素原子又は置換基を一つ取り除いたものを表
す。該室温下で発光を示す化合物の「発光」は蛍光発光
でも燐光発光でもよい。
【0021】発光性化合物残基と成り得る発光性化合物
としては、レーザー色素のように可視領域に吸収を有す
る蛍光色素でも、蛍光増白剤のように紫外領域に吸収を
有する蛍光化合物でも、更にポルフィリンのプラチナ錯
体やビアセチル体のような燐光発光化合物でもよく、具
体的には、八木國夫,吉田善一,太田利一共著「蛍光−
理論・測定・応用−」(南江堂)の99〜122頁に記
載される有機蛍光物質、同書251〜270頁に記載の
蛍光増白剤、更に同書274〜287頁に記載の蛍光色
素が、代表例として挙げられる。
【0022】中でも好ましくは、トリフェニレンやペリ
レン等に代表される縮合環式芳香族炭化水素環化合物;
p−ターフェニルやクオーターフェニル等に代表される
線状共役多環式炭化水素化合物;アクリジン、キノリ
ン、カルバゾール、カルバゾン、フルオレン、キサンチ
オン、アロキサジン、アクリドン、フラボン、クマリ
ン、ナフトイミダゾール、ベンゾオキサゾール及びジベ
ンゾフェナジン等に代表される縮合環式芳香族複素環化
合物;チアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、
チアジアゾール及びトリアゾール等に代表される芳香族
複素環化合物;アミノクロロマレイックイミド、メチル
アミノシトラコニックメチルイミド、デカペンタエンカ
ルボン酸及びデカペンタエンジカルボン酸等に代表され
る共役系脂肪族化合物;メチレンブルー、フルオロセイ
ン、エオシン、ローダミン及びベンソフラビン等に代表
される蛍光色素化合物;オキサカルボシアニン、カルボ
シアニン、チアカルボシアニン及び2−(アニリノポリ
エチニル)ベンゾチアゾール等の感光色素化合物;ポル
フィリン、クロロフィル及びリボフラビン等に代表され
る天然色素化合物;ジアミノスチルベン、ジスチリルベ
ンゼン、ベンジジン、ジアミノカルバゾール、トリアゾ
ール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、イミ
ダゾロン、ジヒドロピリジン、クマリン、カルボスチリ
ル、ジアミノジベンゾチオフェンオキシド、シアミノフ
ルオレン、オキサシアニン、アミノナフタルイミド、ピ
ラゾリン及びオキサジアゾール系の蛍光増白剤等が挙げ
られ、更にこれらは置換基を有してもよく、更に縮合環
を形成してもよい。
【0023】ここで言う置換基としては、アルキル基
(メチル、エチル、i−プロピル、ヒドロキシエチル、
メトキシメチル、トリフルオロメチル、t−ブチル
等)、シクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキ
シル等)、アラルキル基(ベンジル、2−フェネチル
等)、アリール基(フェニル、ナフチル、p−トリル、
p−クロロフェニル等)、アルコキシ基(メトキシ、エ
トキシ、i−プロポキシ、ブトキシ等)、アリールオキ
シ基(フェノキシ、ナフトキシ等)等が挙げられる。こ
れらの基は更に置換されていてもよく、置換基として、
ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニト
ロ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ基、ジ
ベンジルアミノ基、ジアリールアミノ基等が挙げられ
る。
【0024】一般式(2)の化合物は3〜6員の環状エ
ーテル(Q1=O)、環状スルフィド(Q1=S)、環状
イミン(Q1=NR25)の誘導体である。式中、n2は
1〜5で、R21〜R25は水素原子又は置換基を表すが、
これらのうち一つは−[S]−[L]である。又、これ
らは互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0025】一般式(3)の化合物は4〜7員のラクト
ン(Q2=O)又はラクタム(Q2=NR35)の誘導体で
ある。式中、n3は1〜6で、R3135は水素原子又は
置換基を表すが、これらのうち一つは−[S]−[L]
である。又、これらは互いに連結して環構造を形成して
もよい。
【0026】一般式(4)の化合物は4〜7員のシクロ
アルケン誘導体である。式中、n4は1〜5で、R41
46は水素原子又は置換基を表巣が、これらのうち一つは
−[S]−[L]である。又、これらは互いに連結して
環構造を形成してもよい。
【0027】一般式(5)の化合物はオキサゾリン誘導
体(n=1)又はジヒドロオキサジン誘導体(n=2)
である。式中、n5は1又は2で、R5155は水素原子
又は置換基を表すが、これらのうち一つは−[S]−
[L]である。又、これらは互いに連結して環構造を形
成してもよい。
【0028】一般式(6)の化合物はジヒドロフラン誘
導体である。R6166は水素原子又は置換基を表すが、
これらのうち一つは−[S]−[L]である。又、これ
らは互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0029】特に好ましい[L]成分を表す一般式
(7)の構造は、置換基を有してもよい縮合複素芳香環
である。式中、A1〜A4はC,N,O,S,Pの何れか
を表すが、A1〜A4が全てCになることはない。Y1
−CR72−,−N−,−CO−のような連結基又は結合
手で、Y2はA1,A2と共に、Y3はA2,A3と共に、そ
れぞれ4〜8員環を形成する。該4〜8員環としては、
置換基を有してもよい芳香族炭化水素環又は芳香族複素
環が挙げられ、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラ
セン、アズレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピ
レン、クリセン、ナフタセン、ペリレン、ペンタセン、
ヘキサセン、コロネン、トリナフチレン、フラン、チオ
フェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,
2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、オ
キサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチア
ゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、
ピリダジン、インドリジン、キノリン、イソインドー
ル、インドール、イソキノリン、フタラジン、プリン、
ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリ
ン、プテリジン、カルバソール、フェナントリジン、ア
クリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン
等である。
【0030】これらは、任意の置換基を複数個それぞれ
独立に有してもよく、その複数の置換基が互いに縮合し
て更に環を形成してもよい。これらの環は置換基を有し
てもよい。又、R71及びR72は各々、水素原子又は置換
基である。
【0031】一般式(7)で表される縮合複素芳香環の
代表例を以下に挙げるが、これらに限定されない。
【0032】
【化9】
【0033】一般式(8)の化合物はエチレン誘導体で
ある。R81〜R83は各々、水素原子又は置換基を表す
が、これらのうち一つは−[S]−[L]であり、
[L]は一般式(7)で示される複素芳香環である。
【0034】一般式(1),(2),(3),(4),
(5),(6)及び(8)に共通な連結基[S]として
は、フェニレン(o,p,m)、メチレン、−O−、−
N(R)−(Rは水素原子又は置換基)、−CO−等が
挙げられるが、これらの複合系も含まれる。
【0035】以下に、本発明における一般式(1)〜
(8)で表わされる化合物の具体例を示すが、これらに
限定されるものではない。尚、化合物E−1〜E−12
は一般式(2)の、L−1〜L−12は一般式(3)
の、N−1〜N−12は一般式(4)の、X−1〜X−
6は一般式(5)の、F−1〜F−6は一般式(6)
の、V−1〜V−12は一般式(8)の、それぞれ代表
例である。
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】以下に、例示化合物の代表的合成例を示
す。 合成例1
【0042】
【化15】
【0043】(化合物Q−1の合成)アントラニル酸メ
チルエステル90.6gをキシレン中、含水ヒドラジン
54mlと共に加熱・還流下9.5時間反応させた。そ
の後、溶媒を減圧・溜去し、少量のエタノールを加えて
粗結晶を得た。更にエタノールで再結晶すると中間体
(a)が64.9g(収率72%)で得られた。
【0044】次に15.0gの中間体aと21.0gの
エチルベンゾイルアセテートをキシレン中120℃で一
時間反応させ、その後、更に還流下8時間反応させた。
この際、生成する水とエタノールを溜去した。放冷後、
析出した結晶を濾取した。この結晶をN,N−ジメチル
ホルムアミド(以下、DMFと略称)とメタノールの混
合溶媒で再結晶することにより化合物(Q−1)が1
4.7g(収率56%)得られた。
【0045】NMR及びマススペクトルにより、Q−1
であることを確認した。又、この化合物Q−1にUVラ
イトを照射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0046】合成例2
【0047】
【化16】
【0048】(化合物E−1の合成)化合物(Q−1)
1.31g(5.0mmol)を、ジメチルアセトアミ
ド中炭酸カリウム1.48g(14mmol)及びエピ
クロルヒドリン0.43ml(5.5mmol)と共に
3時間50℃で反応させた。その後、水中にあけ1mo
l/L塩酸で中和した。生成物を濾取し、アセトニトリ
ルで再結晶することで化合物(E−1)が0.92g
(収率58%)得られた。
【0049】NMR及びマススペクトルにより、E−1
であることを確認した。又、この化合物E−1にUVラ
イトを照射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0050】(E−1の重合)重合開始剤として無水塩
化鉄(III)100mgを三つ口フラスコに入れ、減圧
下で加熱して完全に脱水した後、乾燥窒素ガスを封入す
る。窒素気流下でE−1の0.63g(2mmol)
と、脱水DMF10mlを添加し、3時間100℃で反
応させた。その後、反応溶媒を大過剰のメタノールに注
いで淡黄色沈澱を得た。この沈澱を少量のテトラヒドロ
フラン(以下THFと略称)に溶解させ、大過剰のヘキ
サンに注いで、0.38g(収率60%)の白色沈澱
(PE−1)を得た。
【0051】この沈殿物をGPCにより測定したとこ
ろ、数平均分子量約4.500程度のポリマーであるこ
とを確認した。又、この重合体PE−1にUVライトを
照射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0052】合成例3
【0053】
【化17】
【0054】(ラクトンL−0の合成)ヨード酢酸−3
−ブテニル6.0g(25mmol)と蒸留水2.5リ
ットルを、4リットル四つ口フラスコに入れ、乾燥アル
ゴンでフラスコ内を置換した。撹拌しながら、トリエチ
ルボランの1mol/Lメタノール溶液2.5ml
(2.5mmol)を滴下した。滴下終了後、5時間室
温で撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを
留去して得た組成物を、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、3.3g(収率55%)の3−ヨ
ードメチル−δラクトン(L−0)を得た。
【0055】(化合物L−1の合成)化合物Q−1の
1.31g(5.0mmol)を、ジメチルアセトアミ
ド中炭酸カリウム1.48g(14mmol)及びL−
0の3.4g(5.5mmol)と共に3時間50℃で
反応させた。その後、水中にあけ、1mol/L塩酸で
中和した。生成物を濾取しアセトニトリルで再結晶する
ことで、化合物(L−1)が1.02g(収率55%)
得られた。
【0056】NMR及びマススペクトルにより、目的化
合物であることを確認した。又、この化合物L−1にU
Vライトを照射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0057】(L−1の重合)トリエチルアルミニウム
を脱水トルエンに溶解させて3%溶液とし、この溶液を
開始剤とした。又、脱水THF2リットルに対し、蒸溜
水を0.2ml添加した反応溶媒18mlを、50ml
三つ口フラスコに注ぎ、更に化合物L−1の0.93g
(2.5mmol)と、前記トリエチルアルミニウムの
3%トルエン溶液を0.4ml(0.1mmol:4.
0mol%)を0℃にて添加した。その後、THFを4
日間還流した。反応終了後、反応溶液を大量のジエチル
エーテル中に注ぎ、沈澱してくる白色固体を濾別し、
0.1mol/L塩酸溶液で洗浄後、クロロホルムに溶
解させ、大量のヘキサンに注いで再沈澱を行い、0.4
1g(収率44%)の白色沈澱(PL−1)を得た。
【0058】この沈殿物をGPCにより測定したとこ
ろ、数平均分子量約5400程度のポリマーであること
を確認した。又、この重合体PL−1にUVライトを照
射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0059】合成例4
【0060】
【化18】
【0061】(化合物N−1の合成)化合物Q−1の
1.31g(5.0mmol)をジメチルアセトアミド
中、炭酸カリウム1.48g(14mmol)及び4−
クロロメチルノルボルネン0.78g(5.5mmo
l)と共に3時間50℃で反応させた。その後、水中に
あけ、1mol/L塩酸で中和した。生成物を濾取し、
アセトニトリルで再結晶することで、化合物(N−1)
が0.85g(収率46%)得られた。
【0062】NMR及びマススペクトルにより、化合物
N−1であることを確認した。又、この化合物N−1に
UVライトを照射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0063】(N−1の重合)化合物N−1の0.74
g(2.0mmol)と、塩化イリジウム(III)3水
和物71mg(0.02mmol,1.0mol%)を
20mlのi−プロパノールに溶解させ、8時間還流を
行ったところ、不溶物として灰色の不溶物が析出した。
この組成物を濾別し、アセトンで洗浄後、熱トルエンに
溶解させ、大過剰のメタノールで再沈澱を行い、0.4
3g(収率58%)の淡灰色の重合体(PN−1)を得
た。
【0064】この重合体をGPCにより測定したとこ
ろ、数平均分子量約5400程度のポリマーであること
を確認した。又、この重合体PN−1にUVライトを照
射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0065】合成例5
【0066】
【化19】
【0067】(化合物X−1の合成)化合物Q−1の
1.31g(5.0mmol)を、ジメチルアセトアミ
ド中で二塩化スクシニル0.78g(5.0mmo
l)、トリエチルアミン1.5ml(11mmol)と
共に3時間室温で反応させた。放冷後、エチレンイミン
0.3ml(5.5mmol)のジエチルエーテル溶液
(3ml)を添加し、50℃で5時間反応させた。放冷
後、沈澱したトリエチルアミンの塩酸塩を濾別し、溶液
に炭酸カリウム1.48g(14mmol)を添加し、
3時間50℃で反応させた。その後、水中にあけ、1m
ol/L塩酸で中和した。生成物を濾取し、アセトニト
リルで再結晶することで、化合物(X−1)が1.20
g(収率61%)得られた。
【0068】NMR及びマススペクトルにより、X−1
であることを確認した。又、この化合物X−1にUVラ
イトを照射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0069】(X−1の重合)重合開始剤として、p−
クロロフェニルオキサゾリニウム過塩素酸塩の2%アセ
トニトリル溶液を調整しておく。化合物X−1の0.7
7g(2.0mmol)をジメチルアセトアミド10m
lに溶解させ、窒素雰囲気下で0.1mlを加え、12
0℃で18時間反応させた。反応終了後、溶液を大過剰
のメタノールに注ぎ、白色の沈殿物を得た。この白色固
体を再びTHFに溶解させ、大過剰のジエチルエーテル
に再沈澱を行い、白色固体(PX−1)を0.59g
(77%)得た。
【0070】この重合体をGPCにより測定したとこ
ろ、数平均分子量約6600程度のポリマーであること
を確認した。又、この重合体PX−1にUVライトを照
射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0071】合成例6
【0072】
【化20】
【0073】(化合物F−0の合成)化合物Q−1の
1.31g(5.0mmol)を、ジメチルアセトアミ
ド中で4−ヨード安息香酸クロリド1.47g(5.5
mmol)、トリエチルアミン0.8ml(6.0mm
ol)と共に3時間室温で反応させた。放冷後、沈澱し
たトリエチルアミンの塩酸塩を濾別後、溶液を酢酸エチ
ルで分液し、有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を
溜去して粗成物を得た。アセトニトリルで再結晶するこ
とで、白色固体(F−0)が2.26g(収率91%)
得られた。
【0074】NMR及びマススペクトルにより、F−0
であることを確認した。又、この化合物F−0にUVラ
イトを照射したが、蛍光の発光は観測されなかった。
【0075】(化合物F−1の合成)上記化合物F−0
の1.96g(4.0mmol)を、ジメチルホルムア
ミド中で酢酸パラジウム(II)22.4mg(0.01
mmol、2.5mol%)、トリフェニルホスフィン
26.2mg(0.01mmol、2.5mol%)、
塩化ブチルアンモニウム0.43g(4.0mmol)
及び酢酸カリウム1.18g(12mmol)と共に2
4時間80℃で反応させた。放冷後、溶液を酢酸エチル
で分液し、有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を溜
去して白色粗成物を得た。組成物をアセトニトリルで再
結晶することで、化合物(F−1)が1.26g(収率
73%)得られた。
【0076】NMR及びマススペクトルにより、F−1
であることを確認した。又、この化合物F−1にUVラ
イトを照射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0077】(F−1の重合)化合物F−1の0.86
g(2.0mmol)を、ジメチルアセトアミド中ヘキ
サフルオロアンチモン酸・4−メトキシ−2−オキソ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジニウム8.4m
g(0.02mmol、1.0%)を窒素下で添加し、
室温で4時間反応させた。得られた反応溶液を大過剰の
メタノールに再沈澱させ、白色固体(PF−1)0.6
1g(収率71%)を得た。
【0078】この重合体をGPCにより測定したとこ
ろ、数平均分子量約5300程度のポリマーであること
を確認した。又、この重合体PF−1にUVライトを照
射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0079】合成例7
【0080】
【化21】
【0081】(化合物V−1の合成)化合物Q−1の
1.31g(5.0mmol)のメタノール溶液をメタ
ノール/ナトリウムメトキシド28%溶液中に滴下し、
室温で3時間反応させた後、溶媒を溜去した。得られた
灰色の固形物を再びメタノール30ml中に溶解させ、
0℃で0.8ml(5.5mmol)の4−クロロメチ
ルスチレンを溶解させたTHF溶液5mlを滴下した。
3時間撹拌後、溶媒を溜去して、白色の固体を1.48
g(140mmol)及びエピクロルヒドリン0.51
gと共に3時間100℃で反応させた。その後、水中に
あけ、1mol/L塩酸で中和した。生成物を濾取し、
アセトニトリルで再結晶することで、化合物(V−1)
が1.73g(収率92%)得られた。
【0082】NMR及びマススペクトルにより、V−1
であることを確認した。又、この化合物V−1にUVラ
イトを照射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0083】(V−1の重合)上記化合物V−1の0.
75g(2.0mmol)をTHF中に溶解させ、窒素
雰囲気下でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、
0.1mmol、5mol%)を0℃で添加した後、1
0時間還流を行った。放冷後、反応溶液を大過剰のメタ
ノール中に沈澱させて白色固体(PV−1)を0.66
g(収率88%)得た。
【0084】この重合体をGPCにより測定したとこ
ろ、数平均分子量約7300程度のポリマーであること
を確認した。又、この重合体PV−1にUVライトを照
射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0085】合成例8
【0086】
【化22】
【0087】(X−1とγ−プロピオラクトンとの共重
合)前記化合物X−1の0.39g(1.0mmol)
をDMF中に溶解させ、窒素雰囲気下でγ−プロピオラ
クトンの1.0%DMF溶液6.3ml(1.0mmo
l)を0℃で添加した後、10時間100℃で反応を行
った。放冷後、反応溶液を大過剰のメタノール中に沈澱
させて白色固体(PLX−1)を0.40g(収率87
%)得た。
【0088】この重合体をGPCにより測定したとこ
ろ、数平均分子量約6100程度のポリマーであること
を確認した。又、この重合体PLX−1にUVライトを
照射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0089】合成例9 (L−1のグラフト共重合)J.Polymer Sc
i.34,309(1959)に従って、スチレンとメ
タクリロイルカプロラクタムをAIBNにより重合し、
ポリ(メタクリロイルカプロラクタム)とポリ(スチレ
ン)の共重合体(PMS)を得た(収率27%)。この
重合体をGPCにより測定したところ、数平均分子量約
13万程度のポリマーであることを確認した。この重合
体1.0gと前記化合物L−1の1.0gを、トルエン
中、95℃にて重合開始剤にカプロラクトンナトリウム
を用いてグラフト重合を行った。反応中にゲル化が起こ
ったので、放冷後、濾過、洗浄し、乾燥することで白色
固体PGL−1を1.42g(収率71%)得た。
【0090】この重合体をGPCにより測定したとこ
ろ、数平均分子量約17万程度のポリマーであることを
確認した。又、この重合体PGL−1にUVライトを照
射したところ、青紫色の蛍光を発した。
【0091】本発明の有機EL素子は、基本的には一対
の電極の間に発光層を挾持し、必要に応じ正孔注入層や
電子注入層を介在させた構造を有する。具体的には、
(i)陽極/発光層/陰極、(ii)陽極/正孔注入層/
発光層/陰極、(iii)陽極/発光層/電子注入層/陰
極、(iv)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰
極などの構造がある。
【0092】上記発光層は、(1)電界印加時に陽極又
は正孔注入層により正孔を注入することができ、かつ陰
極又は電子注入層より電子を注入することができる注入
機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で
移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を
発光層内部に提供し、これを発光に繋げる発光機能など
を有している。ただし、正孔の注入され易さと電子の注
入され易さに違いがあってもよく、又、正孔と電子の移
動度で表される輸送機能に大小があってもよいが、少な
くともどちらか一方の電荷を移動させる機能を有するも
のが好ましい。
【0093】この発光層に用いられる発光材料の種類に
ついては特に制限はなく、従来、有機EL素子における
発光材料として公知のものを用いることができる。この
ような発光材料は主に有機化合物であり、所望の色調に
より、例えば、Macromol.Symp.125
巻,17〜26頁に記載の化合物が挙げられる。
【0094】上記材料を用いて発光層を形成する方法と
しては、例えば蒸着法、キャスト法、LB法などの公知
の方法により薄膜化することにより形成することができ
るが、生産性を考えると、発光材料を溶剤に溶かして溶
液とした後、これをスピンコート法などにより薄膜化し
て形成することが好ましい。このようにして形成された
発光層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて
適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの
範囲である。
【0095】EL素子における陽極としては、仕事関数
の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物
及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用
いられる。このような電極物質の具体例としては、Au
等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(IT
O)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられ
る。該陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリン
グなどの方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラ
フィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、又
はパターン精度を余り必要としない場合は(100μm
以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に
所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよ
い。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を1
0%より大きくすることが望ましく、又、陽極としての
シート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に、膜厚は
材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは1
0〜200nmの範囲で選ばれる。
【0096】一方、陰極としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合
金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質と
するものが用いられる。このような電極物質の具体例と
しては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグ
ネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネ
シウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合
物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/
酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リ
チウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げら
れる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する
耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の
値が大きく安定な金属である第2金属との混合物、例え
ばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウ
ム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニ
ウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム
/アルミニウム混合物などが好適である。該陰極は、こ
れらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法によ
り、薄膜を形成させることにより、作製することができ
る。又、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好
ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50
〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光を透過させる
ため、有機EL素子の陽極又は陰極の何れか一方が、透
明又は半透明であれば発光効率が向上し好都合である。
【0097】次に、必要に応じて設けられる正孔注入層
は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を
有し、この正孔注入層を陽極と発光層の間に介在させる
ことにより、より低い電界強度で多くの正孔が発光層に
注入され、その上、発光層に陰極又は電子注入層より注
入された電子は、発光層と正孔注入層の界面に存在する
電子の障壁により、発光層内の界面に累積され発光効率
が向上するなど発光性能の優れた素子となる。この正孔
注入層の材料(以下、正孔注入材料と言う)について
は、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限
はなく、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸
送材料として慣用されているものやEL素子の正孔注入
層に使用される公知のものの中から任意のものを選択し
て用いることができる。
【0098】上記正孔注入材料は、正孔の注入、電子の
障壁性の何れかを有するものであり、有機物、無機物の
何れであってもよい。この正孔注入材料としては、例え
ばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミ
ダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾ
リン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン
誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘
導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導
体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベ
ン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又、
導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等
が挙げられる。正孔注入材料としては、上記のものを使
用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第
三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香
族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0099】上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリ
ルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′
−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニ
ル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリ
ルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,
N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェ
ニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニ
ル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチ
ルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキ
シフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,
N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミ
ノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリ
ル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−
〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベ
ン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニル
ビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフ
ェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾー
ル、更には、米国特許5,061,569号に記載され
る2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば
4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニル
アミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−30868
8号に記載されるトリフェニルアミンユニットが三つス
ターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス
〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕
トリフェニルアミン(m−TDATA)等が挙げられ
る。
【0100】又、p型−Si、p型−SiC等の無機化
合物も正孔注入材料として使用することができる。この
正孔注入層は、上記正孔注入材料を、例えば真空蒸着
法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の
方法により、薄膜化することにより形成することができ
る。正孔注入層の膜厚については特に制限はないが、通
常は5nm〜5μm程度である。この正孔注入層は、上
記材料の1種又は2種以上から成る1層構造であっても
よく、同一組成又は異種組成の複数層から成る積層構造
であってもよい。更に、必要に応じて用いられる電子注
入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機
能を有していればよく、その材料としては従来公知の化
合物の中から任意のものを選択して用いることができ
る。
【0101】この電子注入層に用いられる材料(以下、
電子注入材料と言う)の例としては、ニトロ置換フルオ
レン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオ
キシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカ
ルボン酸無水物;カルボジイミド、フレオレニリデンメ
タン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導
体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。又、特
開昭59−194393号に記載される一連の電子伝達
性化合物は、該公報では発光層を形成する材料として開
示されているが、本発明者らが検討の結果、電子注入材
料として用い得ることが判った。更に、上記オキサジア
ゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子
を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引
基として知られているキノキサリン環を有するキノキサ
リン誘導体も、電子注入材料として用いることができ
る。
【0102】又、8−キノリノール誘導体の金属錯体、
例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Al
q)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)
アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリ
ノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノ
リノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キ
ノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)
亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属が
In,Mg,Cu,Ca,Sn,Ga又はPbに置き替
わった金属錯体も、電子注入材料として用いることがで
きる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシア
ニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基な
どで置換されているものも、電子注入材料として好まし
く用いることができる。又、発光層の材料として例示し
たジスチリルピラジン誘導体も、電子注入材料として用
いることができるし、正孔注入層と同様に、n型−S
i、n型−SiC等の無機半導体も電子注入材料として
用いることができる。
【0103】この電子注入層は、上記化合物を、例えば
真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法など
の公知の薄膜化法により製膜して形成することができ
る。電子注入層としての膜厚は、特に制限はないが、通
常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子注入層
は、これらの電子注入材料1種又は2種以上から成る1
層構造であってもよいし、あるいは、同一組成又は異種
組成の複数層から成る積層構造であってもよい。
【0104】次に、該有機EL素子を作製する好適な例
を説明する。例として、前記の陽極/正孔注入層/発光
層/電子注入層/陰極から成るEL素子の作製法につい
て説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質、
例えば陽極用物質から成る薄膜を、1μm以下、好まし
くは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着
やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製
する。次に、この上に、素子材料である正孔注入層、発
光層、電子注入層、陰極層の材料から成る薄膜を順次形
成させる。
【0105】この薄膜化の方法には、スピンコート法、
キャスト法、蒸着法などがある。生産性を考えると、前
記の如くスピンコート法が良いが、スピンコート法では
低分子化合物、金属電極などは、現状では製膜すること
ができない。これらの薄膜層の形成には、化合物均質な
膜が得られ易く、かつピンホールが生成し難い等の点か
ら真空蒸着法が好ましい。この薄膜化に、この蒸着法を
採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種
類、分子堆積膜の目的とする結晶構造、会合構造などに
より異なるが、一般に、ボート加熱温度50〜450
℃、真空度10-6〜10-3Pa、蒸着速度0.01〜5
0nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜
5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
【0106】このようにして得られたEL素子に、直流
電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性と
して電圧3〜40V程度を印加すると、発光が観測でき
る。又、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発
光は全く生じない。更に、交流電圧を印加する場合に
は、陽極が+、陰極が−の状態になった時のみ発光す
る。尚、印加する交流の波形は任意でよい。
【0107】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0108】実施例1 (有機EL素子の作製)陽極として、ガラス上にITO
(前出)を150nm成膜した基板(NHテクノグラス
社製:NA−45)にパターニングを行った後、このI
TO透明電極を設けた透明支持基板をi−プロピルアル
コールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオ
ゾン洗浄を5分間行った。この透明支持基板上に、ポリ
マーPE−1の20mgをTHF3mlに溶解させ、1
000rpm、3secの条件下スピンコートした。精
製した有機薄膜の膜厚は、約100nmであった。
【0109】この基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホ
ルダーに固定した後、真空槽を4×10-4Paまで減圧
した後、Alq3の入った前記加熱ボートを通電して2
50℃まで加熱し、蒸着速度0.1nm/secで前記
発光層の上に蒸着して膜厚20nmの電子注入層を設け
た。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。更にその上
に、リチウムとアルミニウムを異なる蒸着源から、蒸着
速度1.5〜2.0nm/secで質量比6:1で共蒸
着して、前記リチウムとアルミニウムとの混合物から成
る対向電極とすることにより、本発明の有機EL素子D
E−1を作製した。
【0110】実施例2〜8 実施例1において、PE−1の代わりに、それぞれPL
−1、PN−1、PX−1、PF−1、PV−1、PL
X−1及びPGL−1を用いて100nmの厚さにスピ
ンコートし発光層とした以外は実施例1と全く同じ方法
で、有機EL素子DL−1、DN−1、DX−1、DF
−1、DV−1、DLX−1及びDGL−1を作製し
た。
【0111】実施例9 実施例1において、スピンコートするポリマーPE−1
の20mg、THF3ml溶液に、4−ジシアノメチレ
ン−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)
−4H−ピラン(DCM1)0.2mgを溶解させ、1
000rpm、3secの条件下でスピンコートした以
外は全く同じ方法で、有機EL素子DD−1を作製し
た。
【0112】
【化23】
【0113】比較例1 陽極としてガラス上にITOを150nm成膜した基板
(NA−45:前出)にパターニングを行った後、この
ITO透明電極を設けた透明支持基板をi−プロピルア
ルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UV
オゾン洗浄を5分間行った。
【0114】この透明支持基板を、市販の真空蒸着装置
の基板ホルダーに固定した後、真空槽を4×10-4Pa
まで減圧した後、4,4′,4″−トリス(−N−(m
−トリル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン
(m−TDATA)を蒸着速度0.2nm/secで4
0nmの厚さに蒸着し、正孔注入層とし、次いでN,
N′−ジフェニル−N,N′−ジ(m−トリル)−4,
4′−ジアミノ−1,1′−ビフェニル(TPD)を蒸
着速度0.2nm/secで35nmの厚さに蒸着し、
正孔輸送層兼発光層とした。更に減圧を保ったまま、ト
リス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)を
蒸着速度0.2nm/secで50nmの厚さに蒸着
し、電子輸送層とした。次いで減圧を保ったまま、リチ
ウムとアルミニウムを異なる蒸着源から、蒸着速度1.
5〜2.0nm/secで質量比6:1で共蒸着して、
前記リチウムとアルミニウムとの混合物から成る対向電
極とすることにより、比較の有機EL素子DT−1を作
製した。
【0115】
【化24】
【0116】比較例2 比較例1において、TPDの代わりに化合物Q−1を用
いて正孔輸送層兼発光層とした以外は実施例1と全く同
じ方法で、有機EL素子DQ−1を作製した。
【0117】(EL素子の特性評価)東陽テクニカ社製
ソースメジャーユニット2400型を用いて、本発明の
有機EL素子DE−1、DL−1、DN−1、DX−
1、DF−1、DV−1、DLX−1、DGL−1、D
D−1及び比較用の有機EL素子DT−1、DQ−1に
素子のITO電極を陽極、リチウムとアルミニウムから
なる対向電極を陰極として直流10Vを印加し発光さ
せ、その輝度をトプコン社製の輝度計BM−8、発光波
長を浜松フォトニクス社製スペクトルアナライザーPM
A−11を用いて測定した。
【0118】まず比較例DT−1では、青色に均一に面
発光し、初期状態ではダークスポットの発生が認められ
なかったが、1時間駆動後には直径100μm以下のダ
ークスポットが10〜15個確認された。
【0119】次に比較例DQ−1では、青白色に均一に
面発光し、初期状態ではダークスポットの発生が認めら
れないことを確認したが、1時間駆動後には直径100
μm以下のダークスポットが1〜4個確認された。又、
電界発光スペクトルを測定すると、424nmと454
nmに発光ピークがあり、m−TDATA層界面、Al
q層界面、又は発光層内で何らかの相互作用を起こして
2色性のスペクトルになっていることが判った。
【0120】一方、本発明による実施例DE−1では、
青紫色に均一に面発光し、初期状態では勿論、1時間駆
動後でもダークスポットの発生は確認されなかった。
又、電界発光スペクトルを測定すると、DQ−1では確
認された454nmの発光ピークが消失し、425nm
の発光波長のみのスペクトルが観測された。この素子
と、他の実施例による素子、DL−1、DN−1、DX
−1、DF−1、DV−1、DLX−1、DGL−1、
DD−1の結果について纏めて表1示す。
【0121】
【表1】
【0122】
【発明の効果】表1に示される通り、発光性化合物を高
分子化することにより、高い熱安定性、経時安定性と生
産性を得ることができた。又、発光特性においても、低
分子発光性化合物の輝度を低下させることなく、エキシ
マー発光の発生を抑え、色純度の良い素子を得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北 弘志 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB04 AB11 AB14 AB18 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層又
    は複数層の有機化合物薄膜により成る発光層を挟持した
    有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機化
    合物薄膜の少なくとも1層が、下記一般式(1)で表さ
    れる重合性環状構造を有する化合物、又はその重合体を
    少なくとも1種含有することを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。 【化1】 〔式中、Xは2価の反応性基を表し、−O−,−S−,
    −NR−,−COO−,−CONR−,−CR=CR
    −,−O−CR=N−又は−O−CR=CR−を示す。
    Rは水素原子又は置換基を表す。Zは置換基を有してよ
    い脂肪族炭化水素鎖であり、Xと共に環構造を形成す
    る。[L]は1価の発光性化合物残基を表し、[S]は
    XとZで形成される環と[L]を連結する連結基を表
    す。〕
  2. 【請求項2】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層又
    は複数層の有機化合物薄膜により成る発光層を挟持した
    有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機化
    合物薄膜の少なくとも1層が、下記一般式(2)で表さ
    れる重合性環状構造を有する化合物、又はその重合体を
    少なくとも1種含有することを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。 【化2】 〔式中、Q1は−O−,−S−又は−NR25−を表し、
    n2は1〜5の整数を表す。R21,R22,R23,R24
    びR25は各々、水素原子又は置換基を表すが、いずれか
    一つは−[S]−[L]である。又、R21〜R25は互い
    に連結して環構造を形成してもよい。[L]及び[S]
    は、それぞれ一般式(1)における[L]及び[S]と
    同義である。〕
  3. 【請求項3】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層又
    は複数層の有機化合物薄膜により成る発光層を挟持した
    有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機化
    合物薄膜の少なくとも1層が、下記一般式(3)で表さ
    れる重合性環状構造を有する化合物、又はその重合体を
    少なくとも1種含有することを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。 【化3】 〔式中、Q2は−O−又は−NR35−を表し、n3は1
    〜6の整数を表す。R3 1,R32,R33,R34及びR35
    各々、水素原子又は置換基を表すが、いずれか一つは−
    [S]−[L]である。又、R31〜R35は互いに連結し
    て環構造を形成してもよい。[L]及び[S]は、それ
    ぞれ一般式(1)における[L]及び[S]と同義であ
    る。〕
  4. 【請求項4】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層又
    は複数層の有機化合物薄膜により成る発光層を挟持した
    有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機化
    合物薄膜の少なくとも1層が、下記一般式(4)で表さ
    れる重合性環状構造を有する化合物、又はその重合体を
    少なくとも1種含有することを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。 【化4】 〔式中、n4は1〜5の整数を表し、R41,R42
    43,R44,R45及びR46は各々、水素原子又は置換基
    を表すが、いずれか一つは−[S]−[L]である。
    又、R41〜R46は互いに連結して環構造を形成してもよ
    い。[L]及び[S]は、それぞれ一般式(1)におけ
    る[L]及び[S]と同義である。〕
  5. 【請求項5】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層又
    は複数層の有機化合物薄膜により成る発光層を挟持した
    有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機化
    合物薄膜の少なくとも1層が、下記一般式(5)で表さ
    れる重合性環状構造を有する化合物、又はその重合体を
    少なくとも一種含有することを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。 【化5】 〔式中、n5は1又は2の整数を表し、R51,R52,R
    53,R54及びR55は各々、水素原子又は置換基を表す
    が、いずれか一つは−[S]−[L]である。又、R51
    〜R55は互いに連結して環構造を形成してもよい。
    [L]及び[S]は、それぞれ一般式(1)における
    [L]及び[S]と同義である。〕
  6. 【請求項6】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層又
    は複数層の有機化合物薄膜によりなる発光層を挟持した
    有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機化
    合物薄膜の少なくとも1層が、下記一般式(6)で表さ
    れる重合性環状構造を有する化合物、又はその重合体を
    少なくとも1種含有することを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。 【化6】 〔式中、R61,R62,R63,R64,R65及びR66は各
    々、水素原子又は置換基を表すが、いずれか一つは−
    [S]−[L]である。又、R61〜R66は互いに連結し
    て環構造を形成してもよい。[L]及び[S]は、それ
    ぞれ一般式(1)における[L]及び[S]と同義であ
    る。〕
  7. 【請求項7】 発光性化合物残基[L]が下記一般式
    (7)で表される蛍光性化合物から導かれる1価の置換
    基であることを特徴とする前記一般式(1)〜(6)の
    いずれか一つで表される重合性環状構造を有する化合物
    又はその重合体。 【化7】 〔式中、R71は水素原子又は置換基を表し、A1,A2
    3及びA4は各々、C,N,O,S,Pのいずれかを表
    すが、A1〜A4が全てCになることはない。Y 1は連結
    基又は結合手を表し、Y2はA1,A2と共に4〜8員環
    を形成する基を表し、Y3はA3,A4と共に4〜8員環
    を形成する基を表す。〕
  8. 【請求項8】 互いに対向する陽極と陰極間に、単層又
    は複数層の有機化合物薄膜により成る発光層を挟持した
    有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機化
    合物薄膜の少なくとも1層が、前記一般式(7)の蛍光
    性化合物残基を有する下記一般式(8)で表される化合
    物、又はその重合体を少なくとも1種含有することを特
    徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 【化8】 〔式中、R81,R82及びR83は各々、水素原子又は置換
    基を表す。[L]及び[S]は、それぞれ一般式(1)
    における[L]及び[S]と同義である。〕
  9. 【請求項9】 請求項1〜6及び8の一般式(1)〜
    (6)及び(8)で表される化合物から選ばれる少なく
    とも1種の化合物をモノマーとして含む共重合体を少な
    くとも1種含有する有機化合物薄膜を少なくとも1層有
    することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8の一般式(1)〜(8)
    で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物
    と、反応性基を有する高分子とを付加反応、縮合反応あ
    るいはグラフト重合させて得られた高分子化合物を少な
    くとも1種含有する有機化合物薄膜を少なくとも1層有
    することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  11. 【請求項11】 請求項1の一般式(1)で表される化
    合物又はその重合体、付加反応体、縮合反応体を少なく
    とも1種含有してなる蛍光性薄膜。
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