JP7298984B2 - 有機電界発光素子用材料及び有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機電界発光素子用重合体、及び有機電界発光素子(以下、有機EL素子という)に関するものであり、詳しくは、特定の縮合芳香族複素環構造を有するポリフェニレンを用いた有機EL素子用材料に関するものである。
有機ELは、高コントラスト、高速応答性、低消費電力等の特性面の特徴に加え、薄型・軽量、フレキシブル性といった、構造・デザイン面の特徴を有しており、ディスプレイや照明といった分野において、急速に実用化が進んでいる。一方、輝度や効率、寿命、コストといった点にはまだ改善の余地が残されており、材料やデバイス構造に関する様々な研究、開発が行われている。
有機EL素子の特性を最大限発揮するためには、電極から発生する正孔と電子を無駄なく再結合させる必要があるが、そのために正孔と電子それぞれの注入層、輸送層、阻止層や電極以外で電荷を発生させる電荷発生層、さらには再結合により生成した励起子を効率よく光に変換する発光層等の機能を分離した複数の機能性薄膜を用いるのが一般的である。
有機EL素子の機能性薄膜を製膜するプロセスは、蒸着法に代表されるドライプロセスとスピンコート法やインクジェット法に代表されるウェットプロセスに大別される。これらのプロセスを比較すると、ウェットプロセスは材料の利用率が高く、大面積の基板に対して平坦性の高い薄膜を製膜することができるため、コスト・生産性改善に適していると言える。
ウェットプロセスによって材料を製膜する際、材料は低分子系材料と高分子系材料があるが、低分子系材料を用いた場合には低分子化合物の結晶化に伴う偏析や相分離により、均一、かつ平坦な膜を得るのが困難であるという課題がある。一方、高分子系材料を用いた場合は、材料の結晶化が抑制され、膜の均一性を高めることができるが、その特性はまだ十分ではなく、さらなる改良が求められている。
上記課題を解決するための試みとして、低分子系材料として高い特性を示すカルバゾール構造を組み込んだ高分子材料及びそれを用いた発光素子が報告されている。例えば特許文献1では、カルバゾール構造を主鎖とするポリマーを開示している。また、特許文献2、非特許文献1では、カルバゾール構造を側鎖に持つポリマーを開示しているが、いずれも素子の効率、耐久性等の特性が十分でなく、さらなる改善が求められていた。
WO2013/057908 特開2004-18787
Appl. Phys. Lett. 59, 2760 (1991)
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、高発光効率、高耐久性を有し、ウェットプロセスにも適用可能な有機電界発光素子用重合体を提供することを目的とする。また本発明は、照明装置、画像表示装置、表示装置用のバックライト等に用いられる前記重合体を用いた有機電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、ポリフェニレン構造を主鎖に持ち、特定の縮合芳香族複素環を含む構造を持つ重合体が、有機電界発光素子を作製する際のウェットプロセスに適用でき、発光素子の効率や寿命特性を向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、有機電界発光素子用重合体に関するものであり、特定の縮合複素環構造を持つポリフェニレン、及び基板上に積層された陽極と陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子において、該有機層のうち少なくとも一層が該重合体を含有する層である有機電界発光素子に関する。
すなわち、本発明は、主鎖にポリフェニレン構造を持ち、繰り返し単位として、下記一般式(1)で表される構造単位を含み、該一般式(1)で表される構造単位は繰り返し単位毎に同一であっても異なってもよく、重量平均分子量が500以上500,000以下であることを特徴とする有機電界発光素子用重合体である。
Figure 0007298984000001
一般式(1)において、
xは、任意の位置で結合するフェニレン基又は該フェニレン基が任意の位置で2~6つ連結する連結フェニレン基を表す。
Aは式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)又は(A5)で表されるいずれかの縮合芳香族基、又はこれらが2~6つ連結した連結縮合芳香族基を示す。
Lは、単結合、式(A5)で表される基を除く置換若しくは未置換の炭素数6~24の芳香族炭化水素基、式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)で表される基を除く置換若しくは未置換の炭素数3~17の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が連結した連結芳香族基を示す。
Rは、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数7~38のアラルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数2~40のジアルキルアミノ基、炭素数12~44のジアリールアミノ基、炭素数14~76のジアラルキルアミノ基、炭素数2~20のアシル基、炭素数2~20のアシルオキシ基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、炭素数2~20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~20のアルキルスルホニル基、式(A5)で表される基を除く炭素数6~18の芳香族炭化水素基、式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)で表される基を除く炭素数3~17の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が複数連結した連結芳香族基を示す。なお、これらの基が水素原子を有する場合、該水素原子が重水素若しくはハロゲンで置換されていても良い。
b, cは置換数を表し、bは0~3の整数を示し、cは0~4の整数を示す。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、下記一般式(2)で表される構造単位を含むものであってもよい。
Figure 0007298984000002
一般式(2)で表される構造単位は、式(2n)で表される構造単位及び式(2m)で表される構造単位を含み、式(2n)で表される構造単位は、繰り返し単位毎に同一であっても異なってもよく、式(2m)で表される構造単位も、繰り返し単位毎に同一であっても異なってもよい。
一般式(2)、式(2n)及び式(2m)において、x、A、L、R、bは、一般式(1)と同義である。
Bは、水素原子、式(A5)で表される基を除く置換若しくは未置換の炭素数6~24の芳香族炭化水素基、式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)を除く置換若しくは未置換の炭素数3~17の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が複数連結した連結芳香族基を示す。
n、mは存在モル比を表し、0.5≦n≦1、0≦m<0.5の範囲である。
aは平均の繰り返し単位数を表し、2~1,000の数を示す。
上記有機電界発光素子用重合体は、主鎖のポリフェニレン構造がメタ位、又はオルト位で連結していることが好適である。
上記有機電界発光素子用重合体は、40℃におけるトルエンへの溶解度が0.5wt%以上であることが好適である。
上記有機電界発光素子用重合体は、ポリフェニレン構造の末端又は側鎖に反応性基を有し、熱、光等のエネルギー付与により不溶化することができる。
本発明は、有機電界発光素子用可溶性重合体を単独で、又は他の材料と混合して溶媒に溶解又は分散してなることを特徴とする有機電界発光素子用組成物である。
本発明は、有機電界発光素子用組成物を塗布、製膜してなる有機層を含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法である。
本発明は、有機電界発光素子用重合体を含む有機層を有することを特徴とする有機電界発光素子である。有機層は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層、電子阻止層、励起子阻止層、及び電荷発生層から選ばれる少なくとも一つの層である。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、主鎖にポリフェニレン鎖を持ち、側鎖に縮合複素環構造を有しているため、高い電荷の輸送特性を持ち、酸化、還元、励起子の活性状態での安定性が高く、かつ耐熱性の高い有機電界発光素子用材料となり、これから形成された有機薄膜を用いた有機電界発光素子は、高い発光効率及び高い駆動安定性を示す。
また、本発明の有機電界発光素子用重合体の製膜方法として、他の材料と混合し同一の蒸着源から蒸着、又は異なる蒸着源から同時に蒸着することで、有機層内の電荷輸送性や正孔と電子のキャリアバランスを調整し、より高性能な有機EL素子を実現することができる。又は、本発明の有機電界発光素子用重合体を他の材料と同一の溶剤に溶解、又は分散させ、有機電界発光素子用組成物として製膜に用いることで、有機層内の電荷輸送性や正孔と電子のキャリアバランスを調整し、より高性能な有機EL素子を実現することができる。
有機EL素子の一例を示した模式断面図である。 実施例1の燐光スペクトルである。
以下に本発明を実施するための形態について、詳細に記載する。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、主鎖にポリフェニレン構造を持ち、繰り返し単位として、上記一般式(1)で表される構造単位を含み、該一般式(1)で表される構造単位は繰り返し単位毎に同一であっても異なってもよく、重量平均分子量が500以上500,000以下である。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、繰り返し単位として、上記一般式(2)で表されるように、一般式(1)で表される構造単位(2n)以外の構造単位(2m)を含むことができる。
ここで、式(2n)で表される構造単位は、繰り返し単位毎に同一であっても異なってもよく、式(2m)で表される構造単位も、繰り返し単位毎に同一であっても異なってもよい。
主鎖のxは、任意の位置で結合するフェニレン基又は該フェニレン基が任意の位置で2~6連結する連結フェニレン基を表し、好ましくはフェニレン基又は該フェニレン基が2~4連結する連結フェニル基であり、より好ましくはフェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基である。これらは、それぞれ独立に、オルト位、メタ位、パラ位で連結することができ、オルト位、メタ位で連結することが好ましい。
Aは、上記式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)又は(A5)で表されるいずれかの縮合芳香族基、又はこれらが2~6つ連結した連結縮合芳香族基を示す。連結縮合芳香族基である場合、連結される各縮合芳香族基は、式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)又は(A5)で表される基から選択される限り、同一の縮合芳香族基であっても、異なる縮合芳香族基であってもよい。式(A1)のカルバゾリル基を含むことが好ましい。
Lは、単結合、又は2価の基である。2価の基は、置換若しくは未置換の炭素数6~24の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~17の芳香族複素環基又はこれらの芳香族環が複数連結した連結芳香族基である。好ましくは、単結合、置換若しくは未置換の炭素数6~18の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~15の芳香族芳香族複素環基又はこれらの芳香族環が2~6つ連結した連結芳香族基である。より好ましくは、単結合、置換若しくは未置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~12の芳香族芳香族複素環基又はこれらの芳香族環が2~4つ連結した連結芳香族基である。
但し、Lにおいて、これらの芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基が、式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)又は(A5)で表される縮合芳香族基であることはなく、これらの縮合芳香族基を含むこともない。
Lが連結芳香族基である場合、連結芳香族基は、置換若しくは未置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の芳香族複素環基の芳香族環が直接結合で連結したものであり、連結する芳香族環は同一であっても異なっていても良く、また、芳香族環が3個以上連結する場合は、直鎖上でも分岐状でも良く、結合(手)は末端の芳香族環から出ても、中間の芳香族環から出てもよい。置換基を有してもよい。連結芳香族基の炭素数は、連結芳香族基を構成する置換若しくは未置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の芳香族複素環基が有し得る炭素数の総和である。
芳香族環(Ar)の連結は、具体的には、次のような構造を有するものをいう。
Ar1-Ar2-Ar3-Ar4 (i)
Ar5-Ar6(Ar7)-Ar8 (ii)
ここで、Ar1~Ar8は、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基(芳香族環)であり、それぞれの芳香族環が直接結合で結合する。Ar1~Ar8は、独立に変化し、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基のいずれでもよい。そして、式(i)のように直鎖状であっても、式(ii)のように分岐状であってもよい。式(1)においてLがx及びAと結合する位置は、末端のAr1やAr4であってもよく、中間のAr3やAr6であってもよい。
Lが未置換の芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基である場合の具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、ヘリセン、ヘキサフェン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、インドロインドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール等の芳香族化合物、又はこれらが複数連結した芳香族化合物から水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましくはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドール、インドロインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、ナフチリジン、又はこれらが2~6つ連結した化合物から水素を除いて生じる基が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基は置換基を有することができ、この置換基としては、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数7~38のアラルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数2~40のジアルキルアミノ基、炭素数12~44のジアリールアミノ基、炭素数14~76のジアラルキルアミノ基、炭素数2~20のアシル基、炭素数2~20のアシルオキシ基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、炭素数2~20のアルコキシカルボニルオキシ基、又は炭素数1~20のアルキルスルホニル基、炭素数6~24の芳香族炭化水素基、炭素数3~17の芳香族複素環基が好ましく挙げられる。
但し、これらの置換基が、式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)又は(A5)で表される縮合芳香族基であることはなく、これらの縮合芳香族基を含むこともない。
本明細書において、置換の芳香族炭化水素基、置換の芳香族複素環基又は置換の連結芳香族基という場合の置換基についても同様である。
本明細書において、置換若しくは未置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の芳香族複素環基等において炭素数の範囲が定められている場合の炭素数は、置換基を炭素数の計算から除外する。しかし、置換基を含めて炭素が上記炭素数の範囲であることが好ましい。
Rは、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数7~38のアラルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数2~40のジアルキルアミノ基、炭素数12~44のジアリールアミノ基、炭素数14~76のジアラルキルアミノ基、炭素数2~20のアシル基、炭素数2~20のアシルオキシ基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、炭素数2~20のアルコキシカルボニルオキシ基、又は炭素数1~20のアルキルスルホニル基、置換若しくは未置換の炭素数6~24の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~17の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が複数連結した連結芳香族基である。なお、これらの基が水素原子を有する場合、該水素原子が重水素若しくはフッ素、塩素、臭素等のハロゲンで置換されていても良い。
好ましくは、炭素数1~12のアルキル基、炭素数7~19のアラルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、炭素数2~18のアルキニル基、炭素数12~36のジアリールアミノ基、置換若しくは未置換の炭素数6~18の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~15の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2~6つ連結した連結芳香族基である。より好ましくは、炭素数1~8のアルキル基、炭素数7~15のアラルキル基、炭素数2~16のアルケニル基、炭素数2~16のアルキニル基、炭素数12~32のジアリールアミノ基、置換若しくは未置換の炭素数6~16の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~12の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2~4つ連結した連結芳香族基である。
但し、Rにおいて、これらの芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、又は連結芳香族基が、式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)又は(A5)で表される縮合芳香族基であることはなく、これらの縮合芳香族基を含むこともない。
これらの具体例としては、限定されるものではないが、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル、ピリジルメチル、フェニルエチル、ナフトメチル、ナフトエチル等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル、プロペニル、ブテニル、スチリル等が挙げられ、アルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル等が挙げられ、ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ等が挙げられ、ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ、ナフチルフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジアントラニルアミノ、ジフェナンスレニルアミノ等が挙げられ、ジアラルキルアミノ基としては、ジベンジルアミノ、ベンジルピリジルメチルアミノ、ジフェニルエチルアミノ等が挙げられ、アシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられ、アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基等が挙げられ、アルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、プロポキシカルボニルオキシ基、フェノキシカルボニルオキシ基、ナフトキシカルボニルオキシ基等が挙げられ、アルキルスルホニル基としては、メシル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等が挙げられ、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、連結芳香族基としては、価数が異なる以外はLで説明したものと同様のものが挙げられる。
上記式(1)、(A1)~(A5)において、Rは、それぞれ独立して、同じであっても、異なっていてもよい。
b、cは、置換数を表し、bは0~3の整数を示し、cは0~4の整数を示すが、好ましくはb、cいずれも0又は1である。
本発明の有機電界発光素子用可溶性重合体は、一般式(1)又は(2)で表される主鎖であるポリフェニレン構造の末端や側鎖、或いは主鎖に結合するR、L又はAを構成する基に、熱や光等の外部刺激に応答して反応する置換基を付与することができる。反応性置換基を付与した重合体は、塗布製膜後に加熱や露光等の処理により不溶化させる(40℃におけるトルエンへの溶解度が0.5wt%未満となる)ことができ、連続した塗布積層製膜が可能となる。この反応性置換基としては、熱や光等の外部刺激により重合、縮合、架橋、カップリング等の反応性を有する置換基であれば制限されないが、その具体例としては、ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アジド基、ヒドラジド基、チオール基、ジスルフィド基、酸無水物、オキサゾリン基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、ハロアセチル基、オキシラン環、オキセタン環、シクロプロパンやシクロブタン等のシクロアルカン基、ベンゾシクロブテン基等がある。これらの反応性置換基の2種以上が関係して反応する場合は、2種以上の反応性置換基を付与する。
一般式(2)は、上記式(2n)及び式(2m)の構造単位を含むことができる重合体を表している。一般式(2)、式(2n)及び式(2m)において、上記一般式(1)と共通する記号は、同義である。
Bは、水素原子、置換若しくは未置換の炭素数6~24の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~17の芳香族複素環基又はこれらの芳香族環が複数連結した連結芳香族基である。好ましくは、単結合、置換若しくは未置換の炭素数6~18の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~15の芳香族芳香族複素環基又はこれらの芳香族環が2~6つ連結した連結芳香族基である。より好ましくは、単結合、置換若しくは未置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~12の芳香族芳香族複素環基又はこれらの芳香族環が2~4つ連結した連結芳香族基である。
但し、Bにおいて、これらの芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、又は連結芳香族基が、式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)又は(A5)で表される縮合芳香族基であることはなく、これらの縮合芳香族基を含むこともない。
Bは、繰り返し単位毎に同一であっても異なっていても良い。
Bが、未置換の芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、又は連結芳香族基である場合の具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、ヘリセン、ヘキサフェン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、インドロインドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、インドロカルバゾール、インドロジベンゾチオフェン、インドロジベンゾフラン等の芳香族化合物、又はこれらが複数連結した芳香族化合物から水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましくはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドール、インドロインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、ナフチリジン、インドロカルバゾール又はこれらが2~6つ連結した化合物から水素を除いて生じる基が挙げられる。
これらの芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基は、置換基を有することができ、この置換基としては、一般式(1)のLで説明した置換基と同様である。
n、mは存在モル比を表し、0.5≦n≦1、0≦m<0.5の範囲である。好ましくは、0.6≦n≦1、0≦m≦0.4、より好ましくは0.7≦n≦1、0≦m≦0.3である。
aは平均の繰り返し単位数を表し、2~1,000の数を示し、3~500が好ましく、より好ましくは5~300である。
一般式(1)又は一般式(2)で表される重合体において、式(2n)の構造単位や式(2m)の構造単位が繰返し単位毎に異なる場合の例としては、下記式(3)で表される重合体が挙げられる。
Figure 0007298984000003
上記式(3)で表される重合体においては、上記式(2n)の構造単位が、A1とA2で異なる二種の構造単位をそれぞれ、n1、n2の存在モル比で有し、上記式(2m)の構造単位が、B1とB2で異なる二種の構造単位をそれぞれ、m1、m2の存在モル比で有する例である。
ここで、存在モル比n1、n2の総和は一般式(2)のnと一致し、存在モル比m1、m2の総和は一般式(2)のmと一致する。
上記式(3)においては、式(2n)や式(2m)の構造単位が異なる二種の構造単位からなる例を示したが、式(2n)や式(2m)の構造単位がそれぞれ独立に、三種以上の異なる構造単位によって繰り返されていても良い。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、一般式(1)で表される繰返し構造単位を含むことが必須であるが、ポリフェニレン主鎖であることが好ましい。
各繰り返し構造単位を連結する基としては、上記基Lと同様に、単結合、又は置換若しくは未置換の芳香族炭化水素基又は置換若しくは未置換の芳香族複素環基、又はそれらの芳香族環が連結した連結芳香族基であることができるが、単結合又はフェニレン基であることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、上記一般式(1)に表される構造単位以外の単位を含んでもよいが、一般式(1)で表される構造単位を50モル%以上、好ましくは75モル%以上含むことがよい。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、重量平均分子量が500以上500,000以下であるが、溶解性、塗布製膜性、熱、電荷、励起子等に対する耐久性等のバランスの観点から、好ましくは1,000以上300,000以下、より好ましくは2,000以上200,000以下である。数平均分子量(Mn)が好ましくは500以上50,000以下、より好ましくは1,000以上30,000以下であり、その比(Mw/Mn)が好ましくは1.00~5.00、より好ましくは1.50~4.00である。
以下に、本発明の有機電界発光素子用重合体において、一般式(1)又は一般式(2)、式(2n)における-L-Aで示される部分構造の具体例を示すが、これら例示の構造に限定されるものではない。
Figure 0007298984000004
Figure 0007298984000005
Figure 0007298984000006
Figure 0007298984000007
本発明の有機電界発光素子用重合体は、繰り返し単位中に、上記例示の部分構造を1種類のみ有する重合体であってもよく、複数の異なる例示の部分構造を有する重合体であっても良い。また、上記例示の部分構造以外の部分構造を有する繰り返し単位を含んでも良い。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、主鎖のポリフェニレン骨格に置換基Rを有しても良いが、置換基Rを有する場合は、軌道の広がりを抑制し、高T1化する観点から、主鎖の連結に対しオルト位に置換していることが好ましい。以下に置換基Rの好ましい置換位置を例示するが、連結構造及び置換基Rの置換位置は、これらに限定されない。
Figure 0007298984000008
本発明の有機電界発光素子用重合体について、その構造具体例を以下に示すが、これらの例示化合物に限定されるものではない。
Figure 0007298984000009
Figure 0007298984000010
本発明の有機電界発光素子用重合体は、一般的な有機溶剤に溶解されるが、特に40℃におけるトルエンへの溶解度が0.5wt%以上であることが好ましく、1wt%以上であることがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層、電子阻止層、励起子阻止層、及び電荷発生層から選ばれる少なくとも一つの層に含有することが良く、更に好ましくは正孔輸送層、電子輸送層、電子阻止層、正孔阻止層、発光層から選ばれる少なくとも一つの層であることが良い。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、単独で有機電界発光素子用材料として用いることもできるが、本発明の有機電界発光素子用化合物を複数用いることで、又はその他の化合物と混合して有機電界発光素子用材料として用いることで、さらにその機能を向上、又は不足していた特性を補うことができる。本発明の有機電界発光素子用化合物と混合して用いることができる好ましい化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機電界発光素子用材料として用いられる正孔注入層材料、正孔輸送層材料、電子阻止層材料、発光層材料、正孔阻止層材料、電子輸送層材料や、導電性高分子材料がある。ここで言う発光層材料には、正孔輸送性、電子輸送性やバイポーラ性を持ったホスト材料や、燐光材料、蛍光材料、熱活性化遅延蛍光材料等の発光材料が含まれる。
本発明の有機電界発光素子用材料の製膜方法は、特に限定されないが、その中でも好ましい製膜法方として、印刷法が挙げられる。印刷法の具体例としては、スピンコート法、バーコート法、スプレー法、インクジェット法等があるが、これらに限定されない。
本発明の有機電界発光素子用材料を印刷法を用いて製膜する場合、本発明の有機電界発光素子用材料を溶剤に溶解又は分散させた溶液(有機電界発光素子用組成物ともいう)を基板上に塗布した後、加熱乾燥により溶剤を揮発させることで有機層を形成することができる。この際、用いる溶剤は特に限定されないが、材料を均一に分散、又は溶解させ、疎水性であることが好ましい。用いる溶剤は1種類でもよく、2種類以上の混合でもよい。
本発明の有機電界発光素子用材料を溶剤に溶解又は分散させた溶液中には、本発明以外の化合物として、1種又は2種以上の有機電界発光素子用材料を含んでもよく、特性を阻害しない範囲で表面改質剤、分散剤、ラジカルトラップ剤などの添加剤やナノフィラーを含んでもよい。
次に、本発明の材料を用いて作製する素子の構造について、図面を参照しながら説明するが、本発明の有機電界発光素子の構造はこれに限定されない。
図1は本発明に用いられる一般的な有機電界発光素子の構造例を示す断面図であり、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は電子阻止層、6は発光層、7は正孔阻止層、8は電子輸送層、9は電子注入層、10は陰極を表す。本発明の有機EL素子において、電子阻止層や正孔阻止層の代わりに発光層と隣接して励起子阻止層を有しても良い。励起子阻止層は発光層の陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。また、波長の異なる複数の発光層を有していても良い。本発明の有機電界発光素子では、陽極、発光層、そして陰極を必須の層として有するが、必須の層以外に正孔注入輸送層、電子注入輸送層を有することが良く、更に発光層と電子注入輸送層の間に正孔阻止層を有し、発光層と正孔注入輸送層の間に電子阻止層を有することがよい。なお、正孔注入輸送層は、正孔注入層と正孔輸送層のいずれか、または両者を意味し、電子注入輸送層は、電子注入層と電子輸送層のいずれかまたは両者を意味する。
図1とは逆の構造、すなわち基板1上に陰極10、電子注入層9、電子輸送層8、正孔阻止層7、発光層6、電子阻止層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、この場合も必要により層を追加、省略することが可能である。
―基板―
本発明の有機電界発光素子は、基板に支持されていることが好ましい。この基板については特に制限はなく、例えばガラス、石英、アルミナ、SUS等の無機材料であってもよく、ポリイミド、PEN、PEEK、PET等の有機材料であってもよい。又、基板は硬質な板状であってもよく、フレキシブルなフィルム状であってもよい。
―陽極―
有機電界発光素子における陽極材料としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物からなる材料が好ましく用いられる。このような電極材料の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3-ZnO)等の非晶質で、透明導電膜を作成可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成しても良く、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合(100μm以上程度)は、上記電極材料の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは有機導電性化合物のような塗布可能な物質を用いる場合には印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。膜厚は材料にもよるが、通常10~1000nm、好ましくは10~200nmの範囲で選ばれる。
―陰極―
一方、陰極材料としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物からなる材料が用いられる。このような電極材料の具体例としては、アルミニウム、ナトリウム、ナトリウム―カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの陰極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm~5μm、好ましくは50~200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機電界発光素子の陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であれば発光輝度は向上し、好都合である。
また、陰極に上記金属を1~20nmの膜厚で形成した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に形成することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
―発光層―
発光層は陽極及び陰極のそれぞれから注入された正孔及び電子が再結合することにより励起子が生成した後、発光する層であり発光層には発光性ドーパント材料とホスト材料を含む。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、発光層におけるホスト材料として好適に用いられる。ホスト材料として用いる場合、本発明の有機電界発光素子用重合体は単独で用いてもよく、複数の重合体を混合して用いても良い。更に、本発明の材料以外のホスト材料を1種又は複数種類併用しても良い。
使用できるホスト材料としては、特に限定されないが、正孔輸送能、電子輸送能を有し、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高いガラス転移温度を有する化合物であることが好ましい。
このような他のホスト材料は、多数の特許文献等により知られているので、それらから選択することができる。ホスト材料の具体例としては、特に限定されるものではないが、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8‐キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体、ポリシラン系化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子用重合体を発光層材料として用いる場合、その製膜方法は、蒸着源から蒸着する方法でも良く、溶剤に溶解させ溶液とした後に正孔注入輸送層上、又は電子阻止層上に塗布、乾燥する印刷法でも良い。これらの方法により発光層を形成することができる。
本発明の有機電界発光素子用重合体を発光層材料として用い、蒸着して有機層を形成する場合、本発明の材料と共に、その他のホスト材料、及びドーパントを異なる蒸着源から蒸着してもよいし、蒸着前に予備混合して予備混合物とすることで1つの蒸着源から複数のホスト材料やドーパントを同時に蒸着することもできる。
本発明の有機電界発光素子用重合体を発光層材料として用い、印刷法により発光層を形成する場合、塗布する溶液は、本発明の有機電界発光素子用重合体以外にもホスト材料、及びドーパント材料、添加剤等を含んでも良い。本発明の有機電界発光素子用重合体を含む溶液を用いて塗布製膜する場合は、その下地となる正孔注入輸送層に用いる材料は発光層溶液に用いた溶剤に対する溶解性が低いか、又は架橋や重合により不溶化していることが好ましい。
発光性ドーパント材料としては、発光材料であれば特に限定されないが、具体例としては、蛍光発光ドーパント、燐光発光ドーパント、遅延蛍光発光ドーパント等があり、発光効率の面では燐光発光ドーパントと遅延蛍光発光ドーパントが好ましい。また、これらの発光性ドーパントは1種類のみが含有されていてもよく、2種類以上のドーパントが含有されていても良い。
燐光発光ドーパントとしては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体を含有するものがよい。具体的には、J.Am.Chem.Soc.2001,123,4304や特表2013-53051号公報に記載されているイリジウム錯体が好適に用いられるが、これらに限定されない。また、燐光発光ドーパント材料の含有量はホスト材料に対して0.1~30wt%であることが好ましく、1~20wt%であることがより好ましい。
燐光発光ドーパント材料は、特に限定されるものではないが、具体的には以下のような例が挙げられる
Figure 0007298984000011
蛍光発光ドーパントを使用する場合、蛍光発光ドーパントとしては、特に限定されないが例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリジン化合物、8-キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体、希土類錯体、遷移金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体等が挙げられる。好ましくは縮合芳香族誘導体、スチリル誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、オキサジン誘導体、ピロメテン金属錯体、遷移金属錯体、又はランタノイド錯体が挙げられ、より好ましくはナフタレン、ピレン、クリセン、トリフェニレン、ベンゾ[c]フェナントレン、ベンゾ[a]アントラセン、ペンタセン、ペリレン、フルオランテン、アセナフソフルオランテン、ジベンゾ[a,j]アントラセン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ベンゾ[a]ナフタレン、ヘキサセン、ナフト[2,1-f]イソキノリン、α‐ナフタフェナントリジン、フェナントロオキサゾール、キノリノ[6,5-f]キノリン、ベンゾチオファントレン等が挙げられる。これらは置換基としてアルキル基、アリール基、芳香族複素環基、又はジアリールアミノ基を有しても良い。また、蛍光発光ドーパント材料の含有量は、ホスト材料に対して0.1~20重量%であることが好ましく、1~10重量%であることがより好ましい。
熱活性化遅延蛍光発光ドーパントを使用する場合、熱活性化遅延蛍光発光ドーパントとしては特に限定されないが、スズ錯体や銅錯体等の金属錯体や、WO2011/070963号公報に記載のインドロカルバゾール誘導体、Nature 2012,492,234に記載のシアノベンゼン誘導体、カルバゾール誘導体、Nature Photonics 2014,8,326に記載のフェナジン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、スルホン誘導体、フェノキサジン誘導体、アクリジン誘導体等が挙げられる。また、熱活性化遅延蛍光発光ドーパント材料の含有量は、ホスト材料に対して0.1~90%であることが好ましく、1~50%であることがより好ましい。
-注入層-
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、正孔注入層と電子注入層があり、陽極と発光層又は正孔輸送層の間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させてもよい。注入層は必要に応じて設けることができる。
-正孔阻止層-
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで発光層中での電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
正孔阻止層には、本発明の有機電界発光素子用材料を用いることができるが、公知の正孔阻止層材料を用いることもできる。
-電子阻止層-
電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで発光層中での電子と正孔が再結合する確率を向上させることができる。
電子阻止層には、本発明の有機電界発光素子用材料を用いることができるが、公知の電子阻止層材料を用いてもよく、また後述する正孔輸送層の材料を必要に応じて用いることができる。電子阻止層の膜厚は好ましくは3~100nmであり、より好ましくは5~30nmである。
-励起子阻止層-
励起子阻止層とは、発光層内で正孔と電子が再結合することにより生じた励起子が電荷輸送層に拡散することを阻止するための層であり、本層の挿入により励起子を効率的に発光層内に閉じ込めることが可能となり、素子の発光効率を向上させることができる。励起子阻止層は2つ以上の発光層が隣接する素子において、隣接する2つの発光層の間に挿入することができる。
励起子阻止層の材料としては、公知の励起子阻止層材料を用いることができる。例えば、1,3-ジカルバゾリルベンゼン(mCP)や、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)-4-フェニルフェノラトアルミニウム(III)(BAlq)が挙げられる。
-正孔輸送層-
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。正孔輸送層には、本発明の有機電界発光素子用材料を用いることもできるが、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いてもよい。公知の正孔輸送材料としては例えば、ポルフィリン誘導体、アリールアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられるが、ポルフィリン誘導体、アリールアミン誘導体及びスチリルアミン誘導体を用いることが好ましく、アリールアミン化合物を用いることがより好ましい。
-電子輸送層-
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層又は複数層設けることができる。
電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる場合もある)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよい。電子輸送層には、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントロリン等の多環芳香族誘導体、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム(III)誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、ビピリジン誘導体、キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体等が挙げられる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、その要旨を超えない限りにおいて、種々の形態で実施することが可能である。
重合体の分子量及び分子量分布測定
合成した重合体の分子量及び分子量分布測定には、GPC(東ソー製、HLC-8120GPC)を使用し、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、流量:1.0ml/min、カラム温度:40℃で行った。重合体の分子量は単分散ポリスチレンによる検量線を用い、ポリスチレン換算分子量として算出した。
重合体の溶解性評価
合成した重合体の溶解性を次の方法で評価した。0.5wt%の濃度となるようにトルエンと混合し、室温で30min間超音波処理を行った。さらに1h室温に静置した後、目視にて確認をした。判定は溶液に不溶物の析出がなければ○、不溶物があれば×とした。
以下、重縮合で合成した例を示すが、重合法はこれらに限定されるものではなく、ラジカル重合法、イオン重合法等の他の重合法であっても良い。
合成例1
中間体A、重合中間体A、Bを経由して、重合体Aを合成した。
(中間体Aの合成)
Figure 0007298984000012
窒素雰囲気下、カルバゾール5.02g(30.0mmol)、3,5-ジブロモヨードベンゼン14.12g(39.0mmol)、ヨウ化銅0.17g(0.9mmol)、リン酸三カリウム31.86g(150.1mmol)、トランス-1,2-シクロヘキサンジアミン1.37g(12.0mmol)、1,4-ジオキサン50mlを加えて攪拌した。その後、120℃まで加熱し、24時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、無機物をろ別した。ろ液を減圧乾燥した後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色粉末の中間体A8.51g(21.2mmol、収率70.7%)を得た。
(重合体Aの合成)
Figure 0007298984000013
手順1)窒素雰囲気下、中間体A2.0g(5.0mmol)、1,3-ベンゼンジボロン酸ビスピナコールエステル1.65g(5.0mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.17g(0.15mmol)、炭酸カリウム3.45g(24.9mmol)、トルエン20ml/エタノール10ml/水10mlを加えて攪拌した。その後、90℃まで加熱し、12h攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、沈殿物と有機層を回収した。有機層にエタノールを加えて析出した析出物を沈殿物と合わせて回収し、カラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色粉末の重合中間体A1.31gを得た。
手順2)上記手順1の中間体Aの代わりに重合中間体Aを用い、1,3-ベンゼンジボロン酸ビスピナコールエステルの代わりにヨードベンゼンを用いて同様の操作を行い、淡黄色粉末の重合中間体Bを得た。
手順3)上記手順1の中間体Aの代わりに重合中間体Bを用い、1,3-ベンゼンジボロン酸ビスピナコールエステルの代わりにフェニルボロン酸を用いて上記と同様の操作を行い、無色粉末の重合体A1.04gを得た。重合体Aは、重量平均分子量Mw=3,014、数平均分子量Mn=1,591、Mw/Mn=1.89であった。
合成例2
中間体B、C、D、E及び重合中間体C、Dを経由して、重合体Bを合成した。
(中間体Bの合成)
Figure 0007298984000014
窒素雰囲気下、2,6-ジブロモトルエン5.00g(20.0mmol)、ビスピナコラートジボロン12.19g(48.0mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライド ジクロロメタン付加物0.98g(1.2mmol)、酢酸カリウム11.78g(120.0mmol)、ジオキサン100mlを加えて攪拌した。その後、130℃まで加熱し、6時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却し、水を加えて攪拌した後、有機層を回収した。硫酸マグネシウムと活性炭を加え、攪拌した後、固体物をろ別した。溶媒を減圧留去し、ろ液を濃縮した後、ヘキサンで再結晶し、淡茶色粉末の中間体B4.78g(13.9mmol、収率69.4%)を得た。
(中間体Cの合成)
Figure 0007298984000015
窒素雰囲気下、9-フェニル-9H,9’H-3,3’-ビカルバゾール8.15g(20.0mmol)、3,5-ジブロモヨードベンゼン9.38g(25.9mmol)、ヨウ化銅0.11g(0.6mmol)、リン酸三カリウム21.17g(99.8mmol)、トランス-1,2-シクロヘキサンジアミン0.91g(8.0mmol)、1,4-ジオキサン80mlを加えて攪拌した。その後、120℃まで加熱し、24時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、無機物をろ別した。ろ液を減圧乾燥した後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色粉末の中間体C9.60g(14.9mmol、収率74.9%)を得た。
(中間体Dの合成)
Figure 0007298984000016
窒素雰囲気下、ビカルバゾール3.33g(10.0mmol)、4-ブロモベンゾシクロブテン1.83g(10.0mmol)、ヨウ化銅0.057g(0.30mmol)、リン酸三カリウム10.63g(50.1mmol)、トランス-1,2-シクロヘキサンジアミン0.46g(4.01mmol)、1,4-ジオキサン30mlを加えて攪拌した。その後、130℃まで加熱し、24時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、無機物をろ別した。ろ液を減圧乾燥した後、カラムクロマトグラフィーで精製して白色粉末の中間体D3.57g(8.22mmol、収率82.0%)を得た。
(中間体Eの合成)
Figure 0007298984000017
窒素雰囲気下、中間体D2.17(5.0mmol)、1,3-ジブロモ-5-ヨードベンゼン1.81g(5.0mmol)、ヨウ化銅0.029g(0.15mmol)、リン酸三カリウム5.30g(25.0mmol)、トランス-1,2-シクロヘキサンジアミン0.23g(2.0mmol)、1,4-ジオキサン20mlを加えて攪拌した。その後、110℃まで加熱し、24時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、無機物をろ別した。ろ液を減圧乾燥した後、カラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色粉末の中間体E2.55g(3.81mmol、収率76.4%)を得た。
(重合体Bの合成)
Figure 0007298984000018
手順1)中間体B1.73g(5.0mmol)、中間体C3.25g(4.5mmol)、中間体E0.30g(0.5mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.17g(0.15mmol)、炭酸カリウム2.08g(15.0mmol)、トルエン30ml/エタノール15ml/水15mlを加えて攪拌した。その後、90℃まで加熱し、12h攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、沈殿物と有機層を回収した。有機層にエタノールを加えて析出した析出物を沈殿物と合わせて回収し、カラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色粉末の重合中間体Cを得た。
手順2)上記手順1の中間体Cと中間体Eの代わりに重合中間体Cを用い、中間体Bの代わりにヨードベンゼンを用いて同様の操作を行い、淡黄色粉末の重合中間体Dを得た。
手順3)上記手順2の重合中間体Cの代わりに重合中間体Dを用い、ヨードベンゼンの代わりにフェニルボロン酸を用いて上記と同様の操作を行い、無色粉末の重合体B1.4gを得た。得られた重合体Bは、重量平均分子量Mw=18,221、数平均分子量Mn=5,530、Mw/Mn=3.29であった。
合成例3~12
上記と類似の合成手法により合成した以下重合体のGPC測定結果、及び溶解性評価結果を表1に示す。
Figure 0007298984000019
Figure 0007298984000020
実施例及び比較例に記載する化合物番号は、上記例示重合体に付した番号、及び下記の化合物に付した番号に対応する。
Figure 0007298984000021
実施例1、2、比較例1、2
重合体A、重合体1-2及び比較のため化合物2-1、2-2を使用して、光学評価を行った。 エネルギーギャッフEg 7 7 Kを以下の方法により求めた。各化合物を溶媒に溶解(試濃度:10-5 [mol/l]、溶媒:2-メチルテトラヒドロフラン)し、燐光測定用試料とした。石英セルへ入れた燐光測定用試料を77[K]に冷却し、励起光を燐光測定用試料に照射し、波長を変えながら燐光強度を測定した。燐光スペクトルは、縦軸を燐光強度、横軸を波長とした。この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[n m]を求めた。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値を Eg7 7 Kとした。
換算式: Eg77K[eV] =1239. 85/ λedge
燐光の測定には、浜松ホトニクス(株)製の小型蛍光寿命測定装置C11367とりん光オプション備品を用いた。E g 7 7 Kを測定した化合物は、重合体A、重合体1-2、化合物2-1及び化合物2-2である。各化合物のEg 7 7 Kの測定結果を表2に示す。また、実施例1の燐光スペクトルを図2に示す。
Figure 0007298984000022
以上の結果より、本発明のポリマー化合物は、主鎖が脂肪鎖であるポリマー化合物に比べ高い三重項励起エネルギーを有すると共に、その繰り返し単位ユニットである低分子材料と同等の三重項励起エネルギーを有することが確認された。
実施例3
重合体1-3を正孔輸送層に使用して、素子特性を評価した。
溶媒洗浄、UVオゾン処理した膜厚150nmからなるITO付ガラス基板に、正孔注入層としてポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS):(エイチ・シー・シュタルク製、クレビオスPCH8000)を膜厚25nmで製膜した。次に、重合体1-3をトルエンに溶解して0.4wt%溶液に調製し、スピンコート法により正孔輸送層として20nm製膜した。そしてホストとしてGH-1を、発光ドーパントとしてIr(ppy)3とそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さに発光層を形成した。この時、Ir(ppy)3の濃度が5wt%となる蒸着条件で共蒸着した。その後、真空蒸着装置を用いて、Alqを35nm、陰極としてLiF/Alを膜厚170nmで製膜し、この素子をグローブボックス内で封止することにより有機電界発光素子を作製した。
実施例4
実施例3において、正孔輸送層として重合体1-4を用いた以外は実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例3
実施例3において、正孔輸送層として化合物2-3を用いてスピンコート製膜を行った後に、交流電源方式の紫外線照射装置を用いて紫外線を90秒間照射し、光重合を行った以外は実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例4
実施例3において、正孔輸送層として化合物2-4を用いてスピンコート製膜を行った後に、嫌気条件下230℃、1時間ホットプレートで加熱、硬化を行った以外は実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例3,4及び比較例3,4で作製された有機EL素子は、これに外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれも極大波長530nmの発光スペクトルが観測され、Ir(ppy)3からの発光が得られていることが分かった。
作製した有機EL素子の輝度を表3に示す。表3での輝度は駆動電流20mA/cm2時の値である。なお、輝度は、比較例4の輝度を100%とした相対値で表記してある。
Figure 0007298984000023
正孔輸送材料として一般的に用いられる芳香族アミンポリマーに比べ、本発明のポリマー化合物は、正孔輸送層として用いた際、発光層で励起された励起子を充分閉じ込める能力を有していることが確認された。
実施例5
溶媒洗浄、UVオゾン処理した膜厚150nmからなるITO付ガラス基板に、正孔注入層としてPEDOT/PSSを膜厚25nmで製膜した。次に、HT-2:BBPPA=5:5(モル比)の比率で混合した混合物をトルエンに溶解して0.4wt%溶液に調製し、スピンコート法により10nm製膜した。加えて、嫌気条件下150℃、1時間ホットプレートで加熱、硬化を行った。この熱硬化膜は、架橋構造を有している膜であり、溶剤に不溶である。この熱硬化膜は、正孔輸送層(HTL)である。次に、重合体1-3をトルエンに溶解して0.4wt%溶液に調製し、スピンコート法により電子阻止層(EBL)として10nm製膜した。そしてホストとしてGH-1を、発光ドーパントとしてIr(ppy)3とそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さに発光層を形成した。この時、Ir(ppy)3の濃度が5wt%となる蒸着条件で共蒸着した。その後、真空蒸着装置を用いて、Alqを35nm、陰極としてLiF/Alを膜厚170nmで製膜し、この素子をグローブボックス内で封止することにより有機電界発光素子を作製した。
実施例6~10
実施例5において、電子阻止層として重合体1-4~1-8を用いた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例5
実施例5において、正孔輸送層として化合物2-1[ポリ(9-ビニルカルバゾール)、数平均分子量25,000~50,000]を用いて20nm製膜し、電子阻止層は製膜しないこと以外は実施例5と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例6
実施例5において、電子阻止層として化合物2-5を用いた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例5~10及び比較例5,6で作製された有機EL素子は、これに外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれも極大波長530nmの発光スペクトルが観測され、Ir(ppy)3からの発光が得られていることが分かった。
作製した有機EL素子の輝度及び輝度半減寿命を表4に示す。表4で輝度は駆動電流20mA/cm2時の値であり、初期特性である。表4でLT90は、初期輝度9000cd/m2時に輝度が初期輝度の90%まで減衰するまでにかかる時間であり、寿命特性である。なお、いずれの特性も、比較例5の特性を100%とした相対値で表記してある。
Figure 0007298984000024
実施例11
溶媒洗浄、UVオゾン処理した膜厚150nmからなるITO付ガラス基板に、正孔注入層としてPEDOT/PSSを膜厚25nmで製膜した。次に、HT-2:BBPPA=5:5(モル比)の比率で混合した混合物をトルエンに溶解して0.4wt%溶液に調製し、スピンコート法により10nm製膜した。加えて、嫌気条件下150℃、1時間ホットプレートで加熱、硬化を行った。この熱硬化膜は、架橋構造を有している膜であり、溶剤に不溶である。この熱硬化膜は、正孔輸送層(HTL)である。次に、重合体1-9をトルエンに溶解して0.4wt%溶液に調製し、スピンコート法により10nm製膜した。加えて、嫌気条件下230℃、1時間ホットプレートで加熱を行った。この膜は、電子阻止層(EBL)であり、溶剤に不溶である。そしてホストとしてGH-1を、発光ドーパントとしてIr(ppy)3を用い、ホスト:ドーパントの比が95:5(重量比)となるようトルエン溶液(1.0wt%)を調製し、スピンコート法により発光層として40nmを製膜した。その後、真空蒸着装置を用いて、Alqを35nm、陰極としてLiF/Alを膜厚170nmで製膜し、この素子をグローブボックス内で封止することにより有機電界発光素子を作製した。
実施例12、13
実施例11において、電子阻止層として重合体B又は重合体1-11を用いた以外は実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例7
実施例11において、正孔輸送層を20nm製膜し、電子阻止層は製膜しないこと以外は実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例8
実施例11において、電子阻止層として化合物2-6を用いてスピンコート製膜を行った後に、嫌気条件下150℃、1時間ホットプレートで加熱、硬化を行った以外は実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例11~13及び比較例7、8で作製された有機EL素子は、これに外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれも極大波長530nmの発光スペクトルが観測され、Ir(ppy)3からの発光が得られていることが分かった。
作製した有機EL素子の輝度及び輝度半減寿命を表5に示す。表5で輝度は駆動電流20mA/cm2時の値であり、初期特性である。表5でLT90は、初期輝度9000cd/m2時に輝度が初期輝度の90%まで減衰するまでにかかる時間であり、寿命特性である。なお、いずれの特性も、比較例7の特性を100%とした相対値で表記してある。
Figure 0007298984000025
実施例14
溶媒洗浄、UVオゾン処理した膜厚150nmからなるITO付ガラス基板に、正孔注入層としてPEDOT/PSSを膜厚25nmで製膜した。次に、HT-2:BBPPA=5:5(モル比)の比率で混合した混合物をトルエンに溶解して0.4wt%溶液に調製し、スピンコート法により10nm製膜した。加えて、嫌気条件下150℃、1時間ホットプレートで加熱、硬化を行った。この熱硬化膜は、架橋構造を有している膜であり、溶剤に不溶である。この熱硬化膜は、正孔輸送層(HTL)である。次に、重合体1-9をトルエンに溶解して0.4wt%溶液に調製し、スピンコート法により10nm製膜した。加えて、嫌気条件下230℃、1時間ホットプレートで溶媒除去し、加熱を行った。この加熱した層は、電子阻止層(EBL)であり、溶剤に不溶である。そして第1ホストとして重合体1-4を、第2ホストとしてGH-1を、発光ドーパントとしてIr(ppy)3を用い、第1ホストと第2ホストの重量比が40:60、ホスト:ドーパントの重量比が95:5となるようトルエン溶液(1.0wt%)を調製し、スピンコート法により発光層として40nmを製膜した。その後、真空蒸着装置を用いて、Alqを35nm、陰極としてLiF/Alを膜厚170nmで製膜し、この素子をグローブボックス内で封止することにより有機電界発光素子を作製した。
実施例15~17、比較例9
実施例14において、第1ホストとして重合体1-6、1-8、1-13又は2-5を用いた以外は実施例14と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例14~17及び比較例9で作製された有機EL素子は、これに外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれも極大波長530nmの発光スペクトルが観測され、Ir(ppy)3からの発光が得られていることが分かった。
作製した有機EL素子の輝度及び輝度半減寿命を表6に示す。表6で輝度は駆動電流20mA/cm2時の値であり、初期特性である。表6でLT90は、初期輝度9000cd/m2時に輝度が初期輝度の90%まで減衰するまでにかかる時間であり、寿命特性である。なお、いずれの特性も、比較例9の特性を100%とした相対値で表記してある。
Figure 0007298984000026
以上の結果より、本発明の化合物を有機EL材料として使用すると、塗布積層製膜が可能となり、かつ良好な輝度特性及び寿命特性を両立できることが分かる。
本発明の有機電界発光素子用重合体は、主鎖にポリフェニレン鎖を持ち、側鎖に縮合複素環構造を有しているため、高い電荷の輸送特性を持ち、酸化、還元、励起子の活性状態での安定性が高く、かつ耐熱性の高い有機電界発光素子用材料となり、これから形成された有機薄膜を用いた有機電界発光素子は、高い発光効率及び高い駆動安定性を示す。本発明の有機電界発光素子用重合体を製膜に用いることで、有機層内の電荷輸送性や正孔と電子のキャリアバランスを調整し、より高性能な有機EL素子を実現することができる。
1:基板
2:陽極
3:正孔注入層
4:正孔輸送層
5:電子阻止層
6:発光層
7:正孔阻止層
8:電子輸送層
9:電子注入層
10:陰極

Claims (8)

  1. 主鎖がメタ位又はオルト位で連結されたポリフェニレン構造のみからなり、繰り返し単位として、下記一般式(1)で示される構造単位を含み、該一般式(1)で表される構造単位は繰り返し単位毎に同一であっても異なってもよく、重量平均分子置が2,000以上200,000以下であることを特徴とする有機電界発光素子用重合体。
    Figure 0007298984000027
    一般式(1)において、
    xは、フェニレン基がメタ位又はオルト位で2~6つ連結した連結フェニレン基を表す。
    Aは式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)又は(A5)で表されるいずれかの縮合芳香族基、又はこれらが2~6つ連結した連結縮合芳香族基を示す。
    Lは、単結合、式(A5)で表される基を除く置換若しくは未置換の炭素数6~24の芳香族炭化水素基、式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)で表される基を除く置換若しくは未置換の炭素数3~17の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が連結した連結芳香族基を示す。
    Rは、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数7~38のアラルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数2~40のジアルキルアミノ基、炭素数12~44のジアリールアミノ基、炭素数14~76のジアラルキルアミノ基、炭素数2~20のアシル基、炭素数2~20のアシルオキシ基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、炭素数2~20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~20のアルキルスルホニル基、式(A5)で表される基を除く炭素数6~18の芳香族炭化水素基、式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)で表される基を除く炭素数3~17の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が複数連結した連結芳香族基を示す。なお、これらの基が水素原子を有する場合、該水素原子が重水素若しくはハロゲンで置換されていても良い。
    b, cは置換数を表し、bは0~3の整数を示し、cは0~4の整数を示す。
  2. 下記一般式(2)で表される構造単位を含む請求項1に記載の有機電界発光素子用重合体。

    Figure 0007298984000028
    一般式(2)で表される構造単位は、式(2n)で表される構造単位及び式(2m)で表される構造単位を含み、式(2n)で表される構造単位は、繰り返し単位毎に同一であっても異なってもよく、式(2m)で表される構造単位も、繰り返し単位毎に同一であっても異なってもよい。
    一般式(2)、式(2n)及び式(2m)において、x、A、L、R、bは、一般式(1)と同義である。
    Bは、水素原子、式(A5)で表される基を除く置換若しくは未置換の炭素数6~24の芳香族炭化水素基、式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)で表される基を除く置換若しくは未置換の炭素数3~18の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が複数連結した連結芳香族基を示す。
    n、mは存在モル比を表し、0.5≦n≦1、0≦m<0.5の範囲である。
    aは平均の繰り返し単位数を表し、2~1,000の数を示す。
  3. 40℃におけるトルエンへの溶解度が0.5wt%以上である請求項1又は2に記載の有機電界発光素子用重合体。
  4. ポリフェニレン構造の末端又は側鎖に反応性基を有し、熱、または、光のエネルギー付与により不溶化することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用重合体。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用重合体を、単独で又は他の材料と混合して溶媒に溶解又は分散してなることを特徴とする有機電界発光素子用組成物。
  6. 請求項に記載の有機電界発光素子用組成物を塗布、製膜してなる有機層を含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  7. 請求項1~4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用重合体を含む有機層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
  8. 前記有機層が、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層及び電子阻止層、励起子阻止層、及び電荷発生層から選ばれる少なくとも一つの層である請求項に記載の有機電界発光素子。
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