JP2002056770A - 電界放出カソード及びその製造方法 - Google Patents

電界放出カソード及びその製造方法

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JP2002056770A
JP2002056770A JP2000240020A JP2000240020A JP2002056770A JP 2002056770 A JP2002056770 A JP 2002056770A JP 2000240020 A JP2000240020 A JP 2000240020A JP 2000240020 A JP2000240020 A JP 2000240020A JP 2002056770 A JP2002056770 A JP 2002056770A
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layer
metal layer
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thin film
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JP2000240020A
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Shigeo Ito
茂生 伊藤
Takehiro Niiyama
剛宏 新山
Kazuhito Nakamura
和仁 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エミッタから均一に電子を放出する電界放出
カソードをガラス基板に対して歩留り良く安価に作製す
る。 【解決手段】 ガラス基板からなるカソード基板1の上
には、所定パタン形状にカソード電極2が形成される。
カソード電極2の上には触媒金属層8が形成され、触媒
金属層8の上にはカソード基板1の表面に対して電子放
出面が鉛直方向に整列したエミッタとしてのカーボン薄
膜9が選択成長して形成される。このカーボン薄膜9を
取り囲むようにしてカソード電極2の上には、カーボン
薄膜9の電子放出面が露出するように所定形状の開口部
であるエミッタ穴6を有して絶縁層4及びゲート電極5
が積層形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子を放出する電
子源としてのカーボン薄膜からなるエミッタを有する電
界放出カソードと、この電界放出カソードから放出され
る電子の射突により蛍光体を発光させて所望の表示を行
う表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属又は半導体表面の印加電界を109
[V/m]程度にすると、トンネル効果により電子が障
壁を通過し、常温でも真空中に電子放出が行われる。こ
の現象を電界放出(Field Emission)と言い、このよう
な原理で電子を放出する素子を電界放出カソードと呼ん
でいる。近年、半導体加工技術を駆使し、ミクロンサイ
ズの電界放出カソードからなるアレイを用いて面放出型
の電界放出カソードを作成することが可能となり、この
種の電界放出カソードを用いた表示装置(FED:Fiel
d Emission Display)の研究開発が行われている。
【0003】図7はFEDの概略構成を示す断面図であ
る。図7に示すように、FED21は、内部が高真空状
態とされた薄型パネル状の外囲器22を有している。外
囲器22は、アノード基板23とカソード基板24を微
小な間隔をおいて対面させ、両基板23,24の外周部
分をスペーサ部材25(例えば低融点ガラス等の接着剤
からなる封着剤)により封着した構造となっている。外
囲器22のアノード基板23の内面には、酸化インジウ
ムと錫の複合酸化物であるITO(Indium TinOxide)か
らなる透明導電膜(以下、ITO膜という)26が形成
されている。
【0004】ITO膜26は、アノード導体26aと、
このアノード導体26aからアノード基板23の端部に
引き出された帯状の引出し電極であるアノード配線26
bからなる。ITO膜26のアノード導体26aの表面
の表示領域S内には、マトリクス状の開口部27aを有
する黒鉛材料からなるブラックマトリクス層(絶縁層)
27が形成されている。ブラックマトリクス層27のI
TO膜26が露出する開口部27a内には、R(赤
色),G(緑色),B(青色)のドット状の蛍光体層2
8が被着されている。そして、上記アノード導体26a
とアノード配線26bと蛍光体層28によりアノード電
極が構成される。
【0005】図7に示すように、カソード基板24の内
面には、半導体加工技術により作成されたスピント(Sp
indt)型と呼ばれる電界放出カソード29が設けられて
いる。電界放出カソード29は、カソード基板24の内
面にMo,Nb等の金属からなるカソード電極30が蒸
着により形成されている。カソード電極30上には、モ
リブデン等の金属からなるコーン状のエミッタ31が形
成されている。カソード電極30上のエミッタ31が形
成されていない部分には、二酸化ケイ素(SiO2 )か
らなる絶縁層32が形成されている。さらに、絶縁層3
2の上にはゲート電極33が形成されており、絶縁層3
2及びゲート電極33に設けられた丸い開口部34の中
にはコーン状のエミッタ31が位置している。すなわ
ち、このコーン状のエミッタ31の先端部分がゲート電
極33に設けられた開口部34から臨む構成とされてい
る。
【0006】ところで、この種のFEDでは、コーン状
のエミッタのエミッタ間のピッチを10ミクロン以下で
製作することができ、数万から数10万個のエミッタを
1枚の基板上に設けることができる。さらに、ゲート電
極とエミッタのコーンの先端との距離をサブミクロンと
することができるため、ゲート電極とエミッタ(カソー
ド電極)間とに僅か数10ボルトのゲート・エミッタ間
電圧を印加することにより、電子をエミッタから放出す
ることができる。この電界放出された電子はゲート上に
離隔して配置された正の電圧が印加されているアノード
電極により補集される。
【0007】この場合、コーン状のエミッタの1つから
得られるエミッション電流は約1マイクロアンペアと小
さい電流であるため、多数のエミッタをアレイ化するこ
とにより所望の大きさのエミッション電流が得られる電
界放出カソードとしている。この場合、アノード電極は
放出された電子を補集し、アノードに蛍光体を設けてお
くとエミッタから電界放出された電子が補集されるアノ
ードの蛍光体の部分を発光させることが出来る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図7のFED21における電界放出カソード29を製
作するには、大型真空蒸着装置等のように複雑で高価な
製造装置が必要になり、またかかる装置を用いた製造に
は高度の製造技術が要求される。具体的に、コーン形状
のエミッタ31を真空蒸着装置を用いて形成する工程で
は、同装置内でカソード基板24上の開口部34に対し
てモリブデンを斜め方向から蒸着しながらカソード基板
24を回転させ、モリブデンが円錐形状に蒸着されるよ
うにする。このような製造方法は製造条件の設定が非常
に微妙であり、一定の品質の製品を効率的に製造するこ
とが困難である。すなわち、図7に示す構成の電界放出
カソード29では、装置コストが高くなって歩留りが悪
く、大量生産に向かないという問題があった。
【0009】そこで、近年、図7に示すスピント型の電
界放出カソード29に代わる電界放出カソードとして、
エミッタにカーボンナノチューブを用いたものが注目さ
れている(特開平10−31954号公報)。
【0010】上記カーボンナノチューブのエミッタを基
板上に形成するには、カーボンナノチューブをペースト
化して基板の陰極に印刷したり、沈降法で基板の陰極上
に堆積させる手法が用いられる。しかしながら、このよ
うな手法で形成したエミッタは、全ての電子放出面を基
板の表面に対して鉛直方向に整列させることが困難であ
った。すなわち、電子のエミッション源となるカーボン
ナノチューブの先端が電界引き出しの方向である基板に
鉛直な方向を向いている確率が低い。このため、カーボ
ンナノチューブを用いた構造のエミッタを有する電界放
出カソードには、得られる取り出し電流密度が低いとい
う問題があった。
【0011】特に、カーボンナノチューブをペースト化
して基板の陰極上に印刷する方法の場合には、カーボン
ナノチューブをペースト化するための分散剤や添加剤が
カーボンナノチューブとともにエミッタ層を構成するこ
とになるため、結果的にエミッタ層には電子を放出する
のに必要のない材料が含まれることになり、このために
エミッション電流密度が低く、発光効率が悪いという問
題があった。
【0012】そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてな
されたものであり、エミッタから均一に電子を放出する
電界放出カソードをガラス基板に対して歩留り良く安価
に作製することができる電界放出カソード及びその製造
方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明に係る電界放出カソードは、ガラス
基板からなるガラス基板の上に所定パタン形状にカソー
ド電極が形成され、前記カソード電極の上には触媒金属
層が形成され、前記触媒金属層の上には前記ガラス基板
の表面に対して電子放出面が鉛直方向に整列したエミッ
タとしてのカーボン薄膜が選択成長して形成されてお
り、前記カソード電極の上には前記カーボン薄膜の電子
放出面が露出するように所定形状の開口部を有して絶縁
層及び効率よく電子を引き出すゲート電極が積層形成さ
れたことを特徴とする。
【0014】請求項2の発明に係る電界放出カソードの
製造方法は、ガラス基板上にカソード電極を形成する工
程と、前記カソード電極の上に触媒金属層を積層形成す
る工程と、前記カソード電極と前記触媒金属層を所定形
状にパターニングする工程と、前記触媒金属層の上に絶
縁層を積層形成する工程と、前記絶縁層の上にゲート電
極を積層形成する工程と、前記触媒金属層をエッチスト
ップ層とし、前記触媒金属層の表面が露出するように、
前記絶縁層及び前記ゲート電極に所定形状のエミッタ穴
を形成する工程と、前記エミッタ穴内に露出した前記触
媒金属層上にカーボン薄膜9を選択成長させる工程とを
含むことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明に係る電界放出カソードの
製造方法は、ガラス基板上にカソード電極を所定形状に
形成する工程と、前記カソード電極の上にレジストコー
トを施してレジスト層を形成し、前記カソード電極の表
面が露出するように、前記レジスト層に後工程で形成さ
れるエミッタ穴と同等の穴をエッチング加工により形成
する工程と、前記レジスト層の上から触媒金属層を積層
形成する工程と、前記レジスト層を除去する工程と、露
出した前記触媒金属層上にカーボン薄膜を選択成長させ
る工程と、前記カーボン薄膜の上から絶縁層を積層形成
する工程と、前記絶縁層の上にゲート電極を積層形成す
る工程と、前記カーボン薄膜の表面が露出するように、
前記絶縁層及び前記ゲート電極に所定形状のエミッタ穴
をエッチング加工により形成する工程とを含むことを特
徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施の形態を
示す図であって、電界放出カソードを含む表示装置(F
ED)の部分断面図、図2(a)〜(d)及び図3
(a),(b)は図1の表示装置における電界放出カソ
ードの作製手順を示す部分断面図、図4は本発明の第2
実施の形態を示す図であって、電界放出カソードを含む
表示装置(FED)の部分断面図、図5(a)〜(c)
及び図6(a),(b)は図4の表示装置における電界
放出カソードの作製手順を示す部分断面図である。
【0017】以下に説明する各実施の形態は、電界放出
カソードの構成が図7に示す従来の表示装置と相違する
ものである。なお、陽極基板側の構成に関しては同一な
ので、同一の構成要素には同一番号を付して説明する。
【0018】まず、図1〜図3に基づいて本発明の第1
実施の形態の構成を、その作製手順に沿って説明する。
なお、アノード基板側の作製手順については従来と同様
の手法により行われるので、その説明を省略する。
【0019】最初に絶縁性を有するガラス基板からなる
カソード基板1上にカソード電極2を形成する。カソー
ド電極2は、例えば膜厚0.2μmのNb膜がスパッタ
法により形成される。次に、カソード電極2の上に触媒
金属層8を積層形成する。触媒金属層8は、数100n
m(例えば150nm)の膜厚のFe,Ni,Co,Z
n等の金属膜としてスパッタ法や電子線蒸着法により形
成される。そして、レジスト→光露光→現像→エッチン
グ→レジスト除去の工程を経て、カソード電極2と触媒
金属層8を所定の形状にパターニングする。
【0020】次に、触媒金属層8の上に絶縁層4を積層
形成する。絶縁層4は、例えば膜厚0.5μmのSiO
2-x (1>x≧0)膜としてスパッタ法又はCVD法に
より形成される。次に、絶縁層4の上にゲート電極5を
積層形成する。ゲート電極5は、後工程で形成されるカ
ーボン薄膜9よりも高く位置して空間的かつ電気的に絶
縁された状態で絶縁層4の上に形成されるものであり、
例えば膜厚0.4μmのTi膜としてスパッタ法又はC
VD(Chemical Vapor Deposition) 法により形成され
る。
【0021】次に、触媒金属層8をエッチストップ層と
して利用し、触媒金属層8の表面が露出するように、絶
縁層4及びゲート電極5に例えば丸、角、ストライプ形
状のエミッタ穴6をエッチング加工する。このエッチン
グ穴6は、フォトリソ法とエッチングの時間制御により
所望の大きさに形成される。具体的に、エミッタ穴6
は、蛍光体1画素に対して複数個設けられ、1μm〜数
百μm(好ましくは1μm〜数10μm)の外径で形成
される。その後、ゲート電極5を所定の形状にパターニ
ングする。
【0022】次に、エミッタ穴6内に露出した触媒金属
層8上にエミッタとなるカーボン薄膜9をCVD法によ
り選択成長させる。このカーボン薄膜9は、電子放出面
がカソード基板1の表面と直交する鉛直方向に整列した
状態で触媒金属層8上に気相成長して形成される。カー
ボン薄膜9は、例えばカーボンナノチューブ、カーボン
ナノファイバ、フラーレン、ダイヤモンドライクカーボ
ンを含む膜からなる。カーボン薄膜9を形成するにあた
っては、例えば触媒熱CVD(ヒータ板使用)、プラズ
マCVD、熱フィラメントCVD等の手法が採用され、
原料ガスには例えばCO2 ,COなどとH2 ガスの組合
せやアセチレン、メタン等の炭化水素系ガスが使用され
る。その際、カソード基板1を所定の温度に加熱する場
合もある。具体的には、カソード基板1にガラス基板を
使用するので、基板温度400〜600℃に加熱する。
これにより、カソード基板1にはカーボン薄膜9による
エミッタを有する電界放出カソードが形成され、カソー
ド電極2とゲート電極5との間の電界によりカーボン薄
膜9から電子を放出させることができる。
【0023】次に、上記カソード基板1の作製とは別の
工程において、表示部41を有するアノード基板23の
作製が行われる。まず、絶縁性及び透光性を有するガラ
ス基板(アノード基板23)上に、不活性ガス雰囲気中
でスパッタ法により透明導電膜であるITO膜26をガ
ラス基板上に成膜する。
【0024】次に、フォトリソ法を用いて前記ITO膜
26をアノード導体26a及びアノード配線26bの形
状にパターニングする。次に、ブラックマトリクス層2
7の反転現像用のリフトオフ膜をPVA−SbQ,PV
A−ADC等の感光材水溶液でスピンナーにより形成す
る。
【0025】続いて、前記リフトオフ膜をフォトリソ法
を用いてパターニングする。次に、ブラックマトリクス
層27の材料である黒鉛水溶液(黒鉛を主成分とし、水
ガラスや低融点ガラス等のガラス系接着剤及びバインダ
ーを含有した水溶液)をスピンナーで形成する。この黒
鉛水溶液を塗布した後のガラス基板を硝酸、硫酸、硝酸
過水、硫酸過水等の酸化性溶液またはアルカリ系水溶液
に浸らせてリフトオフ膜を膨潤させる。
【0026】その後、40℃〜45℃の温純水を5kg
f/cm2 〜8kgf/cm2 の圧力でスプレーする。
このスプレー現象により感光材膜をリフトオフしてブラ
ックマトリクス層27がパターニングされる。
【0027】次に、PVA−SbQ,PVA−ADC蛍
光体スラリー液で蛍光体層28を形成する。この時の蛍
光体層28の層数は1〜3層とする。次に、フォトリソ
法でブラックマトリクス層27の開口部27aの開口幅
と同等からそれ以上の大きさで蛍光体層28をドット状
にパターニングする。これにより、電子の射突により発
光して所望の表示を行う表示部41が形成される。
【0028】そして、ITO膜26(アノード導体26
a、アノード配線26b)、ブラックマトリクス層2
7、蛍光体層28がパターニングされたガラス基板を約
500℃、200minの大気焼成を行う。その後、5
60℃、60minの真空焼成を行う。これにより、表
示部41を有するアノード基板23の作製工程が完了す
る。
【0029】次に、以上のようにして電界放出カソード
を有するカソード基板1と、表示部41を有するアノー
ド基板23が作製されると、カソード基板1とアノード
基板23との間の外周部分にスペーサ部材(例えば低融
点ガラス等の封着材)25を介して電界放出カソードと
表示部41が所定の位置関係で対面するように位置合せ
し、この位置合わせされたカソード基板1とアノード基
板23を適当な治具を用いて上下から押圧しながら例え
ばCO2 ガス雰囲気中で所定温度(例えば450℃)に
加熱焼成する。これにより、カソード基板1とアノード
基板23との間の外周部分が互いに封着して外囲器22
が組み立てられる。その後、外囲器22の内部が所定の
真空状態になるまで排気処理を行う。その後、電界放出
カソードから電子を放出させて蛍光体層28を試験的に
所定時間発光駆動するエージング処理を行う。これによ
り、図1に示す表示装置11A(11)が完成する。
【0030】次に、図4〜図6に基づいて本発明の第2
実施の形態の構成を、その作製手順に沿って説明する。
なお、アノード基板側の作製手順については第1実施の
形態と同様に行われるので、その説明を省略する。ま
た、第1実施の形態と同一の構成要素には同一番号を付
して説明する。
【0031】最初に絶縁性を有するガラス基板からなる
カソード基板1上にカソード電極2を形成する。カソー
ド電極2は、例えば膜厚0.2μmのNb膜としてスパ
ッタ法により形成される。その後、カソード電極2を所
定の形状にパターニングする。次に、カソード電極2の
上にレジストコートを施してレジスト層10を形成す
る。その後、カソード電極2の表面が露出するように、
レジスト層10に後工程で形成されるエミッタ穴6の形
状(例えば丸、角、ストライプ形状)にエッチング加工
して穴を形成する。この穴はフォトリソ法とエッチング
の時間制御により所望の大きさに形成される。
【0032】次に、レジスト層10の上から触媒金属層
8を積層形成する。触媒金属層8は、数100nm(例
えば150nm)の膜厚のFe,Ni,Co,Zn等の
金属膜としてスパッタ法や電子線蒸着法により形成され
る。この触媒金属層8の厚さは、後工程で選択成長され
るカーボン薄膜9の太さや分布に関係する。その後、レ
ジスト層10を除去する。
【0033】次に、前記レジスト層10の穴内に露出し
た触媒金属層8上にエミッタとなるカーボン薄膜9をC
VD法により第1実施の形態と同様に選択成長させる。
【0034】次に、カーボン薄膜9の上から絶縁層4を
積層形成する。絶縁層4は、例えば膜厚0.5μmのS
iO2-x (1>x≧0)膜としてスパッタ法又はCVD
法により形成される。次に、絶縁層4の上にゲート電極
5を積層形成する。ゲート電極5は、例えば膜厚0.4
μmのTi膜としてスパッタ法又はCVD法により形成
される。
【0035】次に、選択成長されたカーボン薄膜9の表
面が露出するように、絶縁層4及びゲート電極5に例え
ば丸、角、ストライプ形状のエミッタ穴6をエッチング
加工する。このエッチング穴6は、フォトリソ法とエッ
チングの時間制御により所望の大きさに形成される。具
体的に、エミッタ穴6は、蛍光体1画素に対して複数個
設けられ、1μm〜数百μm(好ましくは1μm〜数1
0μm)の外径で形成される。その後、BHF又はドラ
イエチングにより、カーボン薄膜9を最適長露出させ
る。なお、カーボン薄膜9は、エッチバックによって最
適長に合わせられる。
【0036】次に、上記カソード基板の作製とは別の工
程において、第1実施の形態と同様の手順で表示部41
を有するアノード基板23が作製され、更に第1実施の
形態と同様の手順で電界放出カソードを有するカソード
基板1と表示部41を有するアノード基板23の組み立
てが行われ、図4に示す表示装置11B(11)が完成
する。
【0037】なお、上述した第1、第2実施の形態の製
作工程において、エミッタ(カーボン薄膜9)からの放
出電流のバラツキを抑えるため、カソード電極2と絶縁
層4の間に抵抗層を形成しても良い。この場合には、カ
ソード電極2の形成後、抵抗層をカソード電極2の上か
ら積層形成し、さらに抵抗層の上に触媒金属層8が形成
される。
【0038】このように、各実施の形態によれば、エミ
ッタをなすカーボン薄膜9を例えばカーボンナノチュー
ブで形成した場合、全てのカーボンナノチューブをガラ
ス基板からなるカソード基板2に対して直立した状態で
整列して形成できる。これにより、全てのカーボンナノ
チューブから均一に電子を放出して十分なエミッション
電流密度を得ることができる。
【0039】また、本例の電界放出カソードによれば、
エミッタがカーボン薄膜9で形成され、このエミッタを
なすカーボン薄膜9とゲート電極5との間の距離が短い
ので、引き出し電圧(カソード−ゲート間電圧)が数1
0V以下で良く、低電圧で安定性の良い電界放出カソー
ドを提供することができる。
【0040】さらに、本例の電界放出カソードを有する
カソード基板1によれば、大型カソード基板を歩留り良
く安価に作製でき、再現性や均一性にも優れたカソード
基板の作製を行うことができる。しかも、カソード基板
の作製のための装置コストも安価にできる。
【0041】そして、上記のようなカーボン薄膜9のエ
ミッタを有する本例の電界放出カソードをFEDに採用
すれば、アノード基板23側の蛍光体層28に向けて電
子を均一に放出でき、印刷形成した従来のカーボンナノ
チューブを用いた電界放出カソードよりも輝度ムラの少
ない表示を行うことができる。
【0042】ところで、上述した各実施の形態では、
R,G,Bによるフルカラー表示を行う表示装置を例に
とって説明したが、単色の表示を行う表示装置にも適用
することができる。この場合には、アノード導体26a
の上に単色による所望の発光色の蛍光体層が被着形成さ
れる。
【0043】また、上述した各実施の形態では、ガラス
基板からなるカソード基板1上にカソード電極2が形成
され、カソード電極2上に触媒金属層8が積層形成され
た構成であるが、カソード電極2になり得る材料を触媒
金属層8の材料として選択してカソード基板1上に直接
触媒金属層8を形成すれば、カソード電極2の形成工程
が省けるとともに、触媒金属層8によってカソード電極
2の機能を兼ねることも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、エミッタとなるカーボン薄膜の全ての電子放出
面が直立した状態でガラス基板上に整列させて形成する
ことができ、また、大型カソード基板を歩留り良く安価
に作製でき、再現性や均一性にも優れたカソード基板の
作製を行うことができる。しかも、カソード基板の作製
のための装置コストも安価にできる。そして、このよう
にして作製された電界放出カソードによれば、アノード
基板側の蛍光体層に向けて均一に電子を放出して十分な
エミッション電流密度を得ることができる。また、この
ようなカーボン薄膜のエミッタを有する電界放出カソー
ドをFEDに採用することにより、輝度ムラの少ない所
望の表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す図であって、電
界放出カソードを含む表示装置の部分断面図
【図2】(a)〜(d) 図1の表示装置における電界
放出カソードの作製手順を示す部分断面図
【図3】(a),(b) 図2に続く電界放出カソード
の作製手順を示す部分断面図
【図4】本発明の第2実施の形態を示す図であって、電
界放出カソードを含む表示装置の部分断面図
【図5】(a)〜(c) 図4の表示装置における電界
放出カソードの作製手順を示す部分断面図
【図6】(a),(b) 図5に続く電界放出カソード
の作製手順を示す部分断面図
【図7】スピント型の電界放出カソードを有する表示装
置(FED)の部分断面図
【符号の説明】
1…カソード基板、2…カソード電極、3…抵抗層、4
…絶縁層、5…ゲート電極、6…エミッタ穴(開口
部)、8…触媒金属層、9…カーボン薄膜(エミッ
タ)、11(11A,11B)…表示装置、21…FE
D(表示装置)、22…外囲器、23…アノード基板、
26a…アノード導体、28…蛍光体層、41…表示
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 和仁 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内 Fターム(参考) 5C031 DD17 5C036 EF01 EF06 EF08 EG02 EG12 EH04 EH11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の上に所定パタン形状にカソ
    ード電極が形成され、前記カソード電極の上には触媒金
    属層が形成され、前記触媒金属層の上には前記ガラス基
    板の表面に対して電子放出面が鉛直方向に整列したエミ
    ッタとしてのカーボン薄膜が選択成長して形成されてお
    り、前記カソード電極の上には前記カーボン薄膜の電子
    放出面が露出するように所定形状の開口部を有して絶縁
    層及びゲート電極が積層形成されたことを特徴とする電
    界放出カソード。
  2. 【請求項2】 ガラス基板上にカソード電極を形成する
    工程と、 前記カソード電極の上に触媒金属層を積層形成する工程
    と、 前記カソード電極と前記触媒金属層を所定形状にパター
    ニングする工程と、 前記触媒金属層の上に絶縁層を積層形成する工程と、 前記絶縁層の上にゲート電極を積層形成する工程と、 前記触媒金属層をエッチストップ層とし、前記触媒金属
    層の表面が露出するように、前記絶縁層及び前記ゲート
    電極に所定形状のエミッタ穴を形成する工程と、 前記エミッタ穴内に露出した前記触媒金属層上にカーボ
    ン薄膜9を選択成長させる工程とを含むことを特徴とす
    る電界放出カソードの製造方法。
  3. 【請求項3】 ガラス基板上にカソード電極を所定形状
    に形成する工程と、 前記カソード電極の上にレジストコートを施してレジス
    ト層を形成し、前記カソード電極の表面が露出するよう
    に、前記レジスト層に後工程で形成されるエミッタ穴と
    同等の穴をエッチング加工により形成する工程と、 前記レジスト層の上から触媒金属層を積層形成する工程
    と、 前記レジスト層を除去する工程と、 露出した前記触媒金属層上にカーボン薄膜を選択成長さ
    せる工程と、 前記カーボン薄膜の上から絶縁層を積層形成する工程
    と、 前記絶縁層の上にゲート電極を積層形成する工程と、 前記カーボン薄膜の表面が露出するように、前記絶縁層
    及び前記ゲート電極に所定形状のエミッタ穴をエッチン
    グ加工により形成する工程とを含むことを特徴とする電
    界放出カソードの製造方法。
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