JP2002056581A - 光ディスク用原盤の製造方法 - Google Patents

光ディスク用原盤の製造方法

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JP2002056581A
JP2002056581A JP2001124200A JP2001124200A JP2002056581A JP 2002056581 A JP2002056581 A JP 2002056581A JP 2001124200 A JP2001124200 A JP 2001124200A JP 2001124200 A JP2001124200 A JP 2001124200A JP 2002056581 A JP2002056581 A JP 2002056581A
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Tsutomu Hashiguchi
強 橋口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フォトレジストを均一に塗布したガラス基板
を、所定のフォーマットで光変調されたレーザー集光ビ
ームで露光してプリピットや案内溝などの潜像をフォト
レジスト上に作成する光ディスク原盤の製造方法につい
て、露光スポットのビーム径よりも小さいピット、細い
案内溝の形成を可能にすること。 【解決手段】ガラス基板上に、後述のフォトレジストと
混合しない材料を用いた層(下層)を形成する工程と、
その上にフォトレジスト層(上層)を形成する工程と、
上層フォトレジスト層をレーザービームを集光した第1
の光で露光し、潜像を作る工程と、現像、純水洗浄によ
って上層に露光によるパターンを形成する工程と、下層
に上層パターンをマスクとしたパターンを形成させる工
程と、マスクとした上層を剥離する工程を備えた光ディ
スク原盤の製造方法を前提として、下層にパターンを形
成する時に、上層マスク層側から波長320nm以下の
第2の光を照射すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ディスクの製造に
用いられる光ディスク原盤の製造方法に関するものであ
り、露光スポットのビーム径よりも小さいピット、細い
案内溝を確実に形成することができるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の光ディスク原盤製作工程では、ま
ず精密に研磨、洗浄されたガラス基板にフォトレジスト
を均一になるように塗布し、フォトレジストが塗布され
たガラス基板を、所定のフォーマットにしたがって光変
調されたレーザー集光ビームで露光し、プリピットや案
内溝などの潜像をフォトレジスト上に形成し、次いでこ
の露光された原盤を現像処理し、洗浄処理することによ
りガラス基板表面にフォトレジストの凸凹を作る。この
ようにして凸凹が形成された表面に導電性金属スパッタ
処理を行い、メッキを行ってスタンパを作成する。これ
がディスク基板のレプリカ用の型となる。ところが近年
の情報記録媒体の容量増加の要求に対応するためは、露
光によって作られる案内溝やプリピットのスケールを小
さくする必要がある。また、記録容量の増大のためには
トラックピッチを狭める必要があり、それに対応した細
い案内溝、小さなプリピットが要求される。そこで細い
案内溝、小さなプリピットを作製するには露光集光ビー
ム径を細くするか、又は露光集光ビーム径以下のパター
ンを作製する技術が必要になる。露光ビームスポット径
以下の案内溝、プリピットを形成する方法の一つとし
て、現像によって形成されるフォトレジストのパターン
をマスクとして、その下にある材質などをエッチングす
る、という方法が挙げられる。この方法によると、上層
フォトレジストパターンの底幅部分をエッチングするこ
とになるため、フォトレジストに作製されたパターン以
下のサイズの案内溝やプリピットを形成することができ
る。具体的には、基板上にCrなどの下層、その上にフ
ォトレジスト層を形成し、露光、現像処理によってフォ
トレジスト層に凸凹を作り、それをマスクとして下層を
エッチングし、マスクとなったフォトレジストを除去す
る方法(特開平3−108141号公報)が提案されて
いる。また、基板上に下層/中間層/上層フォトレジス
トの3層構成にして、上層フォトレジストを現像し、中
間層をエッチングしたものをマスクとして、下層をドラ
イエッチングし、上層、中間層を剥離することにより下
層にパターンを形成する方法(特開平9−106584
号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術、すなわ
ち、基板上に下層を形成し、上層フォトレジストをマス
クとして下層をエッチングして小さなピット、案内溝を
形成するという従来法には、具体的な下層の形成方法、
エッチングの方法が提示されていない。また、下層/中
間層/上層フォトレジストの構成として中間層、下層を
ドライエッチングすることによってパターンを形成する
という従来法では、中間層を形成する工程、エッチング
する工程が加わるので工程内で発生する欠陥などの数が
増加し、そのため製品歩留まりを下げることになる。ま
た、装置としても大掛かりなものが必要となる。そこ
で、この発明は次の事項をその課題とするものである。 (1)露光スポットのビーム径よりも小さいピット、細
い案内溝の形成を可能にする方法を提供すること(請求
項1に対応)。 (2)上層のレジストマスクの作用を効果的にして、下
層に安定したピット、案内溝の形成を行う方法を提供す
ること(請求項2、請求項3に対応)。 (3)下層を効率的にエッチングするのに効果的な方法
を提供すること(請求項4、請求項5に対応)。 (4)熱による影響を防止し、下層に安定したピット、
案内溝の形成を行う方法を提供すること(請求項6に対
応)。 (5)第2の光で面内を均一に照射する方法を提供する
こと(請求項7、請求項8、請求項9に対応)。 (6)微細なパターンを有する光ディスクスタンパ、光
ディスク基板を製造すること(請求項10、請求項11
に対応)。
【0004】
【課題解決のために講じた手段】
【解決手段1】(請求項1に対応)上記課題(1)を解
決するために講じた手段は、ガラス基板上に、後述のフ
ォトレジストと混合しない材料を用いた層(下層)を形
成する工程と、その上にフォトレジスト層(上層)を形
成する工程と、上層フォトレジスト層をレーザービーム
を集光した第1の光で露光し、潜像を作る工程と、現
像、純水洗浄によって上層に露光によるパターンを形成
する工程と、下層に上層パターンをマスクとしたパター
ンを形成させる工程と、マスクとした上層を剥離する工
程を備えた光ディスク原盤の製造方法を前提として、下
層にパターンを形成する時に、上層マスク層側から波長
320nm以下の第2の光を照射することである。
【0005】
【作用】第2の光は波長が320nm以下であるので、
照射する光子エネルギーが大きく、下層に形成されてい
る有機化合物を構成するC−C結合等の結合を切断する
ことができる。そのために、第2の光により照射された
下層材料分子は分子結合の切断より本来の結合状態より
も高い比容積となり、照射部分のアブレーションによる
除去が可能である。また上層フォトレジスト層をマスク
としているため、下層の露出している部分のみをエッチ
ングすることができ、露光ビーム径以下のピット又は案
内溝の形成が可能である。
【0006】
【実施態様1】(請求項2に対応)実施態様1は、上記
解決手段1における第2の照射光による上層マスク層の
透過率を40%以下にすることである。
【作用】実施態様1の上記条件は、第2の照射光が上層
マスク層を透過して下層に十分なエネルギーを与えない
ようにするための条件であり、これによって上層のパタ
ーンによって露出している下層部分のみをエッチングす
ることが可能になる。
【0007】
【実施態様2】(請求項3に対応)実施態様2は、上記
実施態様1における上層マスクの膜厚を下層の膜厚の2
倍以上にすることである。
【作用】上層レジストも第2の光の照射によってエッチ
ングされることがあるため、上層マスクの膜厚を下層の
膜厚の2倍以上にすることによって、下層エッチング時
に上層に、安定してマスクとしての作用を奏させること
ができる。
【0008】
【実施態様3】(実施態様4に対応)実施態様3は、上
記解決手段1について、その下層に第2の光の吸収を大
きくする増感剤を添加することである。
【作用】上記下層に第2の光の吸収を大きくする増感剤
を添加することにより、下層の有機物を構成する結合を
切断してエッチングするのに必要なエネルギー密度の敷
居値を下げることができる。
【0009】
【実施態様4】(請求項5に対応)実施態様4は、上記
実施態様3における増感剤の添加量を下層の水溶性樹脂
に対して8%以下とすることである。
【作用】上記増感剤の添加量を下層の水溶性樹脂に対し
て8%以下とすることにより、表面のみで光のエネルギ
ーが吸収され、内部まで透過できなくなる。
【0010】
【実施態様5】(請求項6に対応)実施態様5は、上記
解決手段1について、その第2の光の照射を純水中で行
うことである。
【作用】上記の第2の光の照射を純水中で行うことによ
り、基板温度の上昇を防止することができ、また基板面
を洗浄することができる。
【0011】
【実施態様6】(請求項7に対応)実施態様6は、上記
解決手段1について、その基板を回転させながらスパイ
ラル状に第2の光を照射していくことである。
【作用】基板を回転させながらスパイラル状に第2の光
を基板に照射していくことにより、第2の光を下層に全
面にわたって一定量照射することが可能になる。
【0012】
【実施態様7】(請求項8に対応)実施態様7は、上記
解決手段について、その基板を縦、横方向に順次一定速
度で走査しながら第2の光を照射していくことである。
【作用】基板を縦、横方向に順次一定速度で走査しなが
ら第2の光を照射していくことにより、上記実施態様7
と同様に、第2の光を下層に全面にわたって一定量照射
することが可能である。
【0013】
【実施態様8】(請求項9に対応)実施態様8は、上記
解決手段1について、その第2の光としてパルス発振す
る光源を用い、パルス繰り返し回数を50Hz以上とす
ることである。
【作用】上記第2の光としてパルス発振する光源を用
い、パルス繰り返し周波数を50Hz以上とすることに
より、パルス繰り返しの周波数が少なく、したがって、
基板にムラができやすく、このようにすることにより面
内で均一な照射を行うことが可能になる。
【0014】
【解決手段2】(請求項10に対応)上記課題(6)を
解決するための手段1(解決手段2)は、上記解決手
段、実施態様1乃至実施態様9における製造方法で基板
上にパターン形成を行った後、基板表面に導電皮膜を形
成する工程と、前記導電皮膜を電鋳する工程と、電鋳し
た板を基板から剥離し、洗浄、裏面研磨、内外径加工し
て光ディスク用スタンパを成形することである。
【作用】上記解決手段乃至実施態様8における製造方法
で基板上にパターン形成を行った後、基板表面に導電皮
膜を形成する工程と、前記導電皮膜を電鋳する工程と、
電鋳した板を基板から剥離し、洗浄、裏面研磨、内外径
加工することによって得られる光ディスク用スタンパと
することにより、微細なパターンを有する光ディスク用
スタンパを製作することが可能になる。
【0015】
【解決手段3】(請求項11に対応)上記課題(6)を
解決するための手段2(解決手段3)は、互いに接合さ
れる一対の金型間に形成され、上記解決手段2の光ディ
スク用スタンパを収納したキャビティ内に溶融した樹脂
を射出充填する工程と、前記金型を離反させて冷却後の
前記樹脂を取り出す工程とによって光ディスク基板を成
形することである。
【作用】互いに接合される一対の金型間に形成され、上
記解決手段2の光ディスク用スタンパを収納したキャビ
ティ内に溶融した樹脂を射出充填する工程と、前記金型
を離反させて冷却後の前記樹脂を取り出す工程とによっ
て得られる光ディスク基板を成形することにより、微細
なパターンを有する光ディスク用基板を製作することが
できる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図2の流れ図を参照しなが
ら説明する。まず、表面が精密に研磨されたガラス基板
21の表面を洗浄し、洗浄されたガラス基板21をスピ
ンコータにのせ、スピンコート法により下層22の塗布
を行う(図2(a))。ここでは下層の膜厚は約70n
mとした。下層材料としては、上に塗布するフォトレジ
ストをスピンコートによって成膜した時、上下層で混合
しないものを用いる。このような特性を持つものとし
て、メチルセルロースおよびその誘導体、ポリビニルア
ルコールなどの水溶性の樹脂が例示される。この実施例
では、ポリビニルアルコールを用いている。下層22を
塗布して後、オーブンにより200℃で約30分熱処理
を行う。これは、下層22に耐水性、耐溶剤性を与える
ために行う工程である。また、下層22に耐水性、耐溶
剤性を与える方法であれば他の方法でもよく、例えば下
層に尿素ホルマリン樹脂などの架橋剤を添加してその特
性を付与することも可能である。
【0017】熱処理を行った基板を室温まで冷却した
後、フォトレジストを下層の上にスピンコートし、上層
フォトレジスト層23を形成する(図2(b))。フォ
トレジスト材料はi線系フォトレジストであり、膜厚は
約200nmである。その後、オーブンにより100℃
で約30分熱処理を行い、その後、室温まで冷却する。
このようにして作製された光ディスク原盤を原盤露光機
のターンテーブルに載せ、波長400〜420nmのガ
スレーザーによるビーム24を対物レンズ25で原盤上
に集光させて原盤露光を行う(図2(c))。露光は約
7m/sで線速度一定となるよう、ターンテーブルの回
転速度が制御され、スパイラル状に所定フォーマットに
従って露光を行う。そのようにして上層フォトレジスト
上に潜像26を作った後、スピナーによって低速回転で
現像、純水リンスを行い、高速回転で乾燥させる(図2
(d))。
【0018】通常フォトレジストを露光し、現像を行う
と、図1に示すようにフォトレジストの底面の幅14に
対して、フォトレジストの表面部の幅13が広がった形
状となる。これは、レーザー集光ビームの強度がガウス
分布をしているためであり、光の強度分布の裾の部分の
露光による影響がフォトレジスト上のピットもしくは案
内溝の開口幅13を広げることになる。図1のように形
成されたフォトレジスト層の形状をマスクとして下層の
エッチングを行うことで、下層には、上層フォトレジス
ト層の底幅14を開口としたプリピットまたは案内溝を
形成することができる。つまり、照射する露光パワーを
調整することにより上層フォトレジスト層の底幅14を
変えることができ、それによって下層に形成されるプリ
ピットまたは案内溝の形状を決定することができる。さ
らに、第2の光は上層のマスクによって遮断されている
ため、断面が急峻なピット、案内溝の形成が可能であ
る。このようにして上層フォトレジスト層に所定のパタ
ーンを形成した後、上層フォトレジスト側から第2の光
27を照射する(図2(e))。ここで第2の光の波長
を320nm以下とした。これによって、第2の光27
により下層の有機物を形成しているC−C結合等の結合
を切断することが可能である。例えば、C−C結合は結
合エネルギーが347.7kJ/molであるため、3
20nm以下の波長であれば370kJ/mol以上の
光子のエネルギーとなるため、この結合解離には十分で
ある。また320nm以下の波長での光の照射では、C
レーザーやYAGレーザーのように熱を多く発生さ
せる機構でないため、周辺に熱による悪影響が及びにく
いというメリットがある。このようにして光子のエネル
ギーによって分子結合を解離させることができると、本
来の分子結合状態と比較して、比体積が大きく上昇する
ことになる。このアブレーション作用によって、第2の
光の照射を行った部分のみを選択的にエッチングするこ
とができる。実施例では、光源として波長248nmK
rFエキシマレーザを用いた。これは、KrFエキシマ
レーザが光子エネルギーとしては十分であり(480k
J/mol以上)、また高出力の照射が可能であるた
め、光を集光してスポットサイズを小さくする必要がな
く、したがって、一括して広い範囲を照射可能であるか
らである。このKrFエキシマレーザのパルス繰り返し
周波数は500Hzである。
【0019】上層フォトレジスト層の材料としては、ノ
ボラック樹脂をベースポリマーとしたi線系レジストを
用いた。これは、ノボラック樹脂は248nmのUV光
に対して吸収が大きく、下層まで第2の光の透過量が少
なく、下層に対するマスク層として十分機能するからで
ある。また、上層フォトレジストの膜厚を下層フォトレ
ジストに対して2倍以上とすることにより、マスクパタ
ーンとしての役割を十分に果たすことができる。今回の
実施例では上記のとおり、下層の厚さ約70nmに対し
て上層の厚さは約200nmとしている。また、第2の
光27の照射を純水中で行うこともできる。このように
することによって、基板の温度上昇を制御することがで
き、同時に基板面を洗浄できる。第2のUV光の照射方
法としては、図3に示すように、上層レジストマスク層
にパターンが形成された基板32をターンテーブル31
に乗せ、線速度一定で回転させ、移動光学台33を移動
させてスパイラル状にUV光34の照射を行った。基板
面の照射エネルギー密度は、照射パワー密度と照射され
る線速度を調節して、下層をガラス面までエッチングで
きるように最適化した。本実施例ではKrFエキシマレ
ーザを用いた例を示しているが、ArFエキシマレーザ
(波長193nm)やXeClエキシマレーザ(波長3
08nm)などでも可能である。
【0020】また、他の一例として、低圧水銀ランプを
光源として基板表面全体を照射する方法もある。この場
合、エキシマレーザを用いる場合に比べて出力が小さく
なるため、基板全面を照射する時間を長くすることによ
って、下層をガラス面までエッチングできる条件を最適
化した。ここでの光源としては重水素ランプ、ハロゲン
キセノン高圧ランプなどの300nm以下に光源を持つ
ものを使用することができる。さらに照射後に純水によ
る基板表面の洗浄を行った。これらのようにして、下層
のエッチングを行った後、上層マスク層23の剥離を行
う(図2(f)。これは、基板全体を上層マスク層を溶
解可能な有機溶媒で満たされた槽に入れて行った。剥離
に使用する溶液は、乳酸エチル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、酢酸ブチルなどを用いるとよい。
上層剥離の溶剤に対して求められる性質は、上層のフォ
トレジストを剥離することが可能であり、かつ下層に影
響を与えず、エッチングによって形成されたパターンを
そのまま残すことである。フォトレジストの剥離は一般
的な有機溶媒、レジスト剥離液によって可能であるが、
下層のパターンのエッジの損傷(パターンの角が崩れる
こと)などが少ないという点では、酢酸ブチルなどの上
記の溶液が適している。本実施例では上層除去溶剤とし
て乳酸エチルを用いた。以上の工程を経て、ガラス基板
上には開口幅0.2μm以下のプリピット、案内溝のパ
ターンを形成することができた。
【0021】このようにしてガラス基板上に形成された
パターンに対して、表面にNi膜を、厚さ約50nmで
スパッタリングによって成膜し、導電膜を形成させる。
その後、このNi薄膜を電極としてさらにNiによって
厚さ約300μmになるまでNi電鋳28を行う(図2
(g))。その後、Ni板からガラス基板を剥離させ
る。剥離後、Ni板に残留したポリビニルアルコールは
純水によって洗浄除去する。この時、純水の温度を常温
以上にすると残留したポリビニルアルコールの溶解度が
上がり、除去しやすくなる。その後、裏面研磨、内外径
加工を行って、光ディスク基盤作成用型材となるスタン
パのマスターが完成する(図2(h))。その後、射出
成形により光ディスク基板を形成する。固定金型41と
可動金型43との接合部に形成されるキャビティ45内
に光ディスク用スタンパを固定し、そのキャビティ45
内に、可動金型43に設けたノズル44から溶融樹脂を
射出充填し、固定金型41と可動金型43との間で圧縮
する。その後、固定金型41と可動金型55とを分離し
て冷却固化後、樹脂を取り出すことによって、光ディス
ク基板46が得られる。
【0022】
【発明の効果】この発明の効果を、特許請求の範囲の各
請求項に係る発明毎に整理すれば、次のとおりである。
請求項1に係る発明によると、下層の結合エネルギーよ
り大きいエネルギーを持った光を照射しているため、下
層のエッチングが可能であり、またその時上層フォトレ
ジスト層をマスクとしているため、露光ビームスポット
の径よりも小さいピットや細い溝で、かつ断面が急峻な
ものを形成することができる。請求項2、請求項3に係
る発明によると、上層マスク層の第2の光による透過率
が低いため、上層でマスクされた下層部分は保護され、
また上層マスクが第2の光によってエッチングされた場
合でも、上層をマスクとして作用させることができる。
請求項4、請求項5に係る発明によると、下層の第2の
光の吸収量が大きくなるため、下層をエッチングするた
めの照射量の敷居値を下げることができ、かつ下層内部
までのエッチングが可能である。請求項6に係る発明に
よると、基板の温度上昇を防止することができるため、
安定した下層のエッチングが可能になる。請求項7、請
求項8に係る発明によると、第2の光を下層全面にわた
って一定量照射できるため、均一な下層のエッチングが
可能である。請求項9に係る発明によると、パルス発振
する光源を用いた場合の繰り返し周波数が高いため、下
層に対する第2の光の照射量にムラがなくなり、均一な
下層のエッチングが可能である。請求項10に係る発明
によると、請求項1乃至請求項9における製造方法を使
用しているため、現状の露光装置に変更を加えることな
く、露光波長の回折限界以下の微細なパターンを有する
高品質な光ディスクスタンパを容易に形成することがで
きる。請求項11に係る発明によると、請求項10に係
る発明のスタンパを使用しているため、露光波長の回折
限界以下の微細なパターンを有する高品質な光ディスク
メディアを容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は通常フォトレジストを露光し、現像すること
によって得られるピット、又は案内溝の断面図である。
【図2】は本発明におけるプリピット、案内溝のパター
ン形成方法を模式的に示す流れ図である。
【図3】は本発明における第2の光の照射を行う方法を
模式的に示す正面図である。
【図4】は本発明によるスタンパを使用して光ディスク
基板を成形する製造方法の模式図である。
【符号の説明】
11:基板 12:フォトレジスト層 13:フォトレジスト開口幅 14:フォトレジスト底幅 21:基板 22:下層 23:上層レジストマスク層 24:ガスレーザービーム 25:対物レンズ 26:ガスレーザービームによるパターンの潜像 27:UV光 28:Niスタンパ 31:ターンテーブル 32:上層レジストマスク層にパターン形成を行った基
板 33:移動光学台 34:UV光 41:固定金型 42:光ディスクスタンパ 43:可動金型 44:ノズル 45:キャビティ 46:光ディスク基板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に、フォトレジストと混合し
    ない材料を用いた層(下層)を形成する工程と、その上
    にフォトレジスト層(上層)を形成する工程と、上層フ
    ォトレジスト層をレーザービームを集光した第1の光で
    露光し、潜像を作る工程と、現像、純水洗浄によって上
    層に露光によるパターンを形成する工程と、下層に上層
    パターンをマスクとしたパターンを形成させる工程と、
    マスクとした上層を剥離する工程を備えた光ディスク原
    盤の製造方法において、 下層にパターンを形成する時に、上層マスク層側より波
    長320nm以下の第2の光を照射することを特徴とし
    た光ディスク用原盤の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の光ディスク用原盤の製造方法に
    おいて、第2の照射光による上層マスク層の透過率が4
    0%以下であることを特徴とする光ディスク用原盤の製
    造方法。
  3. 【請求項3】請求項2の光ディスク用原盤の製造方法に
    おいて、上層マスクの膜厚が下層の膜厚の2倍以上であ
    ることを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1の光ディスク用原盤の製造方法に
    おいて、下層に第2の光の吸収を大きくする増感剤を添
    加することを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4の光ディスク用原盤の製造方法に
    おいて、増感剤の添加量を下層の水溶性樹脂に対して8
    %以下とすることを特徴とする光ディスク用原盤の製造
    方法。
  6. 【請求項6】請求項1の光ディスク用原盤の製造方法に
    おいて、第2の光の照射を純水中で行うことを特徴とす
    る光ディスク用原盤の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1の光ディスク用原盤の製造方法に
    おいて、基板を回転させながらスパイラル状に第2の光
    を照射していくことを特徴とする光ディスク用原盤の製
    造方法。
  8. 【請求項8】請求項1の光ディスク用原盤の製造方法に
    おいて、基板を縦、横方向に順次一定速度で走査しなが
    ら第2の光を照射していくことを特徴とした光ディスク
    用原盤の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1の光ディスク用原盤の製造方法に
    おいて、第2の光としてパルス発振する光源を用い、パ
    ルス繰り返し回数が50Hz以上であることを特徴とす
    る光ディスク用原盤の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項9の光ディスク用原
    盤の製造方法で基板上にパターン形成を行った後、基板
    表面に導電皮膜を形成する工程と、前記導電皮膜を電鋳
    する工程と、電鋳した板を基板から剥離し、洗浄、裏面
    研磨、内外径加工することによって製作した光ディスク
    用スタンパ。
  11. 【請求項11】互いに接合される一対の金型間に形成さ
    れ、請求項10の光ディスク用スタンパを収納したキャ
    ビティ内に溶融した樹脂を射出充填する工程と、前記金
    型を離反させて冷却後の前記樹脂を取り出す工程とによ
    って製作された光ディスク基板。
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