JP2002334483A - 光ディスク用原盤の製造方法 - Google Patents

光ディスク用原盤の製造方法

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JP2002334483A
JP2002334483A JP2001134219A JP2001134219A JP2002334483A JP 2002334483 A JP2002334483 A JP 2002334483A JP 2001134219 A JP2001134219 A JP 2001134219A JP 2001134219 A JP2001134219 A JP 2001134219A JP 2002334483 A JP2002334483 A JP 2002334483A
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Tsutomu Hashiguchi
強 橋口
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光スポットのビーム径よりも細い案内溝ま
たはピットを形成することを可能とし、かつトラックピ
ッチが狭くなった時に均一パタン形状を得るようにす
る。 【解決手段】 ガラス基板1上に非感光性の水溶性樹脂
からなる下層2を形成し、下層2上に中間層3を形成
し、中間層3上に感光性樹脂からなる上層3を形成して
ガラス原盤5を作成し、上層4に所定のパタンを露光し
て潜像を形成してから現像を行い、上層4パタンにおい
て中間層3が表面に出ている部分をエッチングし、中間
層3パタンにおいて下層2が表面に出ている部分を光オ
ゾンアッシング法によって下層2にパタンを転写し、上
層4を剥離し、ガラス原盤5の表面に導電性皮膜8を形
成し、導電性皮膜8を電極として電鋳を行い、電鋳が行
われたガラス原盤5からガラス基板1および下層材料を
剥離、除去し、導電性皮膜8の表面の洗浄することで、
光ディスク用原盤を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、狭トラックピッチ
化した光ディスクの製造時においてスタンパとして用い
られ、微細なピットやトラッキング用の案内溝を形成す
る光ディスク用原盤の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の光ディスク原盤の製作の工程で
は、まず精密に研磨、洗浄されたガラス基板にフォトレ
ジストを均一になるように塗布し、フォトレジストが塗
布されたガラス基板を、所定のフォーマットにしたがっ
て光変調されたレーザー集光ビームで露光することによ
り案内溝などの潜像を作る。この露光されたガラス原盤
を現像、洗浄処理することによりガラス原盤表面に凸凹
を作り、それをもとに導電性金属スパッタ処理とメッキ
作業を行って凸凹が異なるスタンパを作成する。このス
タンパがディスク基板のレプリカ用の型、すなわち光デ
ィスク用原盤となる。
【0003】ところで、近年の情報記録媒体の容量の増
加という要求に対応するため、露光によって作られる案
内溝やプリピットのスケールを小さくしていく必要が生
じてくる。記録容量の増加のためにはトラックピッチを
狭める必要があり、それにより細い案内溝、小さなプリ
ピットが要求され、そのためにはレーザービームを集光
して原盤面に形成される露光スポットの径を細くする必
要がある。露光スポット径は、露光波長をλ、露光光学
系の開口数をNAとするとλ/NAに比例するため、波
長λを短く、NAを大きくするとそれが可能になること
がわかる。しかし、NAはすでに現在上限に近い0.9以
上が使われており、λを現状より短い紫外領域にする
と、光学部品のコストが上がることとなり、また焦点深
度が小さくなるためさらに原盤露光機の条件が厳しくな
ってしまう。
【0004】露光ビームスポット径以下の案内溝、プリ
ピットを形成する方法の一つとして、現像によって形成
されるフォトレジストのパタンをマスクとし、その下に
ある材質などをエッチングする、という方法がある。こ
の方法によると、上層フォトレジストパタンの底幅部分
をエッチングすることになるため、フォトレジストに作
製されたパタン以下のサイズの案内溝やプリピットを形
成することができる。
【0005】特開平9−106584号公報に開示され
た製造方法においては、まずガラス基板上に、例えば、
Si等からなる下層を形成し、この下層上に例えばSiO
2等からなる中間層を形成し、この中間層上に、フォト
レジストからなる上層を塗布する。ついでこの上層の露
光および現像を行い、上層に所定パタンを形成する。こ
の時、図2に示すように、露光ビーム強度のガウス分布
を反映して、中間層50上に形成された上層51のパタ
ンは底幅Wbotよりも開口幅Wtopが広がった形状とな
る。
【0006】次いで、このフォトレジストからなる上層
に形成されているパタンをSiO2等からなる中間層に転
写する。すなわち、上層パタンをマスクとして中間層を
選択的にエッチング除去して開口部を形成する。
【0007】次いで、上層のフォトレジスト層を剥離
し、同様に中間層をマスクとしてSi等からなる下層を
選択的にエッチング除去して下層にパタンを形成する。
その後、中間層を剥離する。
【0008】この時、中間層のパタンは上層パタンの底
幅によって規定されるため、上層に形成される開口幅と
比較して小さくすることができる。同様に、下層パタン
は中間層パタンの底幅によって規定されるため、さらに
小さい開口のパタンを形成することができる。すなわ
ち、フォトレジストからなる上層に対する露光スポット
径以下のサイズのプリピットや案内溝のパタンが形成さ
れることになる。
【0009】また、特開2000−113526号公報
に開示された製造方法においては、ガラス基板上に、例
えば水溶性樹脂材料からなる下層を形成し、この下層上
にフォトレジストからなる上層を塗布する。ついでこの
上層の露光および現像を行い、上層に所定パタンを形成
する。この時、図2に示すように、露光ビーム強度のガ
ウス分布を反映して、形成されたパタンの底幅よりも開
口幅が広がった形状となる。
【0010】次いで、フォトレジストからなる上層に形
成されているパタンの上から光オゾンアッシング処理を
行い、下層の水溶性樹脂層にパタンを転写する。ここで
も同様に、下層のパタン形状は上層フォトレジストパタ
ンの底幅によって規定されるため、露光ビーム径以下の
サイズのプリピットや案内溝のパタンを形成することが
可能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ここで、下層/中間層
/上層からなるフォトレジストの構成として、中間層,
下層をドライエッチングすることによってパタンを得る
という方法によると、リアクティブイオンエッチングを
行う必要があり、装置が大掛かりなものになってしま
い、また製造に要する時間もかかることになる。その
点、下層に水溶性高分子材料を用いた薄膜を、フォトレ
ジストからなる上層をマスクとして、UV照射によりエ
ッチングする方法は簡易的であり、実施が容易である。
【0012】しかし、大容量化を図るには細い案内溝、
小さなピットを作るとともに、案内溝間もしくはピット
間の半径方向の距離(トラックピッチ)を小さくしていく
必要が生じる。その時、露光スポット径に対してトラッ
クピッチが小さくなってきた時に、図3に示すようにフ
ォトレジスト層上での露光スポットの重なりが生じるこ
とになる。
【0013】そのため露光の際に、図4(a)に示すよう
に、トラックピッチが広い場合では、マスクとしてのフ
ォトレジスト層の高さを十分にとることができるが、図
4(b)に示すように、トラックピッチが狭くなると、マ
スクとしてのフォトレジスト層の高さを十分に残すこと
ができない。
【0014】図4(a)に示す基板を光オゾンアッシング
した場合には、フォトレジスト層が十分なマスクとなり
下層に安定したパタンを形成することができる。しか
し、図4(b)に示す基板を光オゾンアッシングすると、
マスクとなるフォトレジスト層が十分な高さと幅を持っ
ていないため、同時に下層のエッチングまで行われ、上
層を剥離すると、下層形状にエッジの崩れが生じて一定
のパタン形状の形成を行うことができなくなり、また、
ランド表面粗さが均一でないという問題が生じることに
なる。
【0015】本発明はこれらの問題点を解決するために
なされたものであって、各請求項に係る発明の目的は以
下の通りである。
【0016】請求項1に係る発明の目的は、露光スポッ
ト径よりも細い案内溝またはピットを形成することを可
能とし、かつトラックピッチが狭くなった時に均一パタ
ン形状を得ることができる光ディスク用原盤の製造方法
を提供することである。
【0017】請求項2に係る発明の目的は、請求項1に
おいて、均一なパタン形状を得ることができるトラック
ピッチと露光スポット径との関係を提供することであ
る。
【0018】請求項3〜5に係る発明の目的は、請求項
1において、下層ランド形状に変形のない工法を提供す
ることである。
【0019】請求項6〜9に係る発明の目的は、請求項
1において、中間層とスタンパとなる材料の界面で剥離
が発生しない工法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1に係る発明は、ガラス基板上に非感光性の水
溶性樹脂からなる下層を形成する第1の工程と、下層上
に、感光性樹脂からなる上層を形成してガラス原盤を作
成する第2の工程と、上層に所定のパタンを露光して潜
像を形成する第3の工程と、現像を行い上層に露光によ
るパタンを形成する第4の工程と、ガラス原盤を光オゾ
ンアッシング法によって下層にパタンを転写する第5の
工程と、上層を剥離する第6の工程と、上層を剥離させ
たガラス原盤の表面に導電性皮膜を形成し、導電性皮膜
を電極として電鋳を行う第7の工程と、電鋳が行われた
ガラス原盤からガラス基板および下層材料を剥離、除去
し、表面の洗浄を行う第8の工程とを備えた光ディスク
用原盤の製造方法において、第1の工程の後に、下層の
水溶性樹脂、上層の感光性樹脂と混合しない無機材質か
らなる中間層を形成する工程を含め、第4の工程の後に
上層パタンにより中間層が表面に出ている部分をエッチ
ングする工程を含めることを特徴とする。このように構
成したことにより、下層と上層レジストのあいだに無機
材料で構成される中間層を設けた。この中間層は無機材
料よりなっているため、光オゾンアッシングの工程で形
状変化を起こすことがない。そのため、狭トラックピッ
チ化したことにより上層のフォトレジストマスク層の高
さが低くなった場合にも、下層のパタン形状のエッジの
崩れなどを引き起こすことがなく、一定のパタン形状を
得ることができる。
【0021】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、第3の工程で感光性樹脂層を露光をする
際、隣接溝間または半径方向の隣接ピット間の距離をT
P、露光ビームスポットの幅をBDとして、TP>3/
4*BDの関係を満たすことを特徴とする。このように
構成したことにより、上層のフォトレジスト層にマスク
層を形成することができるため、下層に一定のパタンを
形成することができる。
【0022】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明において、中間層の膜厚を3〜30nmとすることを特徴
とする。このように構成したことにより、中間層によっ
て下層のカバーを効果的に行うことができる。
【0023】請求項4に係る発明は、請求項1に係る発
明において、320nm以下の光に対する中間層の透過率を3
0%以下とすることを特徴とする。このように構成した
ことにより、マスクが存在する部分での下層に到達する
紫外線光量が抑えられるため、下層のランド部の光オゾ
ンアッシングを防止することができる。
【0024】請求項5に係る発明は、請求項1に係る発
明において、中間層材料として、Ni、Ag、Au、Zn、
Pt、Cr、Co、Ti、Wのうちのいずれか1つ、または
その混合物からなることを特徴とする。このように構成
したことにより、これらの材料を中間層として使うこと
により、効果的に下層の光オゾンアッシングを防止する
ことができる。
【0025】請求項6に係る発明は、請求項1に係る発
明において、導電性皮膜を形成する第7の工程を、A
r、Kr、Xe、Heのいずれかの不活性ガスを使用したス
パッタリング法により行うことを特徴とする。このよう
に構成したことにより、中間層と導電性皮膜の密着力を
上げることができ、その間での剥離の問題をなくすこと
ができる。
【0026】請求項7に係る発明は、請求項6に係る発
明において、スパッタリング時に使用する不活性ガスと
同じ不活性ガスを用いて、中間層の形成を行う直前に、
逆スパッタリングを行うことを特徴とする。このように
構成したことにより、上層を剥離した後の残りなどの異
物を除去することができるため、中間層と導電性皮膜の
密着力を上げることができる。
【0027】請求項8に係る発明は、請求項7に係る発
明において、逆スパッタリングを行うことによる中間層
の膜厚の減少が1nm以下とすることを特徴とする。この
ように構成したことにより、形成された溝形状をほとん
ど変えることなく中間層と導電性皮膜の密着力を上げる
ことができる。
【0028】請求項9に係る発明は、請求項1に係る発
明において、中間層材料と導電皮膜処理、電鋳を行う材
料を同じ材質とすることを特徴とする。このように構成
したことにより、スタンパとしてできる全部分が同じ材
質でできているため、界面での剥離などの問題がなくな
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】図1は本発明の実施形態における製造工程
を示す説明図である。
【0031】まず、表面が精密に研磨されたガラス基板
1を用意し、基板表面の洗浄を行う。洗浄されたガラス
基板1をスピンコータにのせ、図1(a)に示すように、
スピンコート法により下層2の塗布を行う。ここでは下
層の膜厚は約40nmとした。下層材料としては、水溶性高
分子材料を用いる。その材料としては、ポリビニルアル
コール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、メチルセルロースなどを用いることが好ましい。
本実施形態では、ポリビニルアルコールを用いた。その
後、オーブンで160〜240℃で約30分の熱処理を行う。
【0032】次に、図1(b)に示すように、下層2上に
中間層3を成膜する。この膜の材質は、下層2、および
中間層3に積層するフォトレジスト層の混合を避けられ
るものを選択する。また、フォトレジスト層を現像する
時のアルカリ現像液にも溶解しないものを選択する。中
間層3の材料としては、Ni、Ag、Au、Zn、Pt、C
r、Co、Ti、Wなどの金属を用いる。中間層3として
形成される金属はスパッタリング法によって下層2上に
成膜される。なお、本実施形態においては、中間層3と
してNiを用い、約5nmの膜厚とした。
【0033】次に、図1(c)に示すように、中間層3上
に、i線系ポジ型フォトレジストからなる上層4をスピ
ンコート法により成膜する。膜厚は約200nmとする。そ
の後、約100℃でオーブン内で熱処理を行う。このよう
にしてガラス原盤5が作製される。
【0034】次に、ガラス原盤5を原盤露光機のターン
テーブルにのせ、図1(d)に示すように、波長400〜420n
mのレーザービームをガラス原盤5上に集光させて原盤
露光6を行う。露光は約7m/sで線速度一定(CLV)と
なるようにターンテーブルの回転数が制御され、スパイ
ラル状に露光を行う。そのようにして上層4上に潜像7
を作った後、図1(e)に示すように、スピナーによって
低速回転で現像すなわち上層4における潜像部分を除去
し、純水リンスを行い、高速回転で乾燥させる。
【0035】ここで、露光する光量を調節することによ
り、上層4に形成される溝形状を制御することができ
る。通常のレジストの露光、現像によって形成される溝
形状は図2に示すように上部から底部にかけて狭くな
る。本実施形態によれば、図2の底幅Wbotを制御する
ことによって、最終的に作成される案内溝やプリピット
の幅を決定することができる。
【0036】また、大容量化を図るためにはトラックピ
ッチの幅TPを狭くする必要があるが、ここでのトラッ
クピッチは、露光集光ビームの幅をBDとした時、TP
>3/4*BDの範囲とする。これは上層4を中間層3
エッチング用のマスク層として形成するために露光部と
非露光部の光量のコントラストが必要であるからであ
る。本実施形態では、レーザー波長400〜420nm、対物レ
ンズNA=0.9で集光されたビームを用いているため、
光の強度が最大値の1/e2(e≒2.718)となった部分
の幅をビームの直径とすると、露光スポット径は約0.4
μmとなる。そのため、このシステムを使った場合、有
効なトラックピッチは0.3μm以上となる。
【0037】次に、図1(f)に示すように、中間層3の
エッチングを行う。ウェットエッチングでは、中間層3
として金属であるNiを用いた場合には硝酸−酢酸−ア
セトンの混合液がエッチング液としては好ましい。また
工程作業の容易さと下層2との境界を平坦にすることが
できる利点からウェットエッチングで行っているが、リ
アクティブイオンエッチングなどのドライエッチングを
することも可能である。
【0038】このようにして下層2を露出させた後、図
1(g)に示すように、光オゾンアッシング法を用い、エ
ッチングされた中間層3をマスクとして下層2のエッチ
ングを行う。光オゾンアッシングは、通常有機化合物を
アッシングする効果がある。そのため、中間層3を剥離
させたことによって露出した部分の下層2のエッチング
が行われると同時に、上層4がエッチングされる場合も
あるが、ここでは中間層3に無機材料を用いているた
め、中間層3のエッチングは行われず、下層2の保護の
役割を果たし、ランド部エッジの崩れなどの問題は生じ
ない。光オゾンアッシング後には純水によって洗浄を行
う。
【0039】ここで中間層3の膜厚は、中間層3のウェ
ットエッチングを行う際、膜厚が厚いとサイドエッチン
グを起こし、下層2の露出幅が中間層3の底幅よりも広
がってしまうため、3〜30nmにする。これは上層4と下
層2の混合を防止するには十分な膜厚であり、またこの
範囲であれば、光アッシングの時のUV光の透過を防止
することができる。
【0040】このようにして、下層2のエッチングを行
った後、図1(h)に示すように、上層4の剥離を行う。
剥離に使用する溶液は、乳酸エチル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、酢酸ブチルなどを用いること
ができる。上層4を剥離するために用いる溶剤に対して
求められる性質は、上層4を剥離することが可能であ
り、かつ下層に影響を与えず、エッチングによって形成
されたパタンをそのまま残すことである。フォトレジス
トの剥離は一般的な有機溶媒、レジスト剥離液によって
可能であるが、下層2のパタンのサイドエッチングなど
が少ないという点では、上述したの溶剤が上層4の除去
溶剤として適している。
【0041】次に、図1(i)に示すように、上層4を除
去したガラス原盤5の表面に導電性皮膜8を形成し、こ
の導電性皮膜8を電極として電鋳を行って、導電性皮膜
8を約300μmの厚さにする。その後、図1(j)に示すよ
うに、ガラス基板1を剥離し、表面洗浄を行う。ここ
で、導電性皮膜8におけるガラス基板1を剥離した表面
には水溶性樹脂が付着しているため、UV/O3による
洗浄を行った後、純水で表面を洗い流す。最後に、裏面
研磨、内外径加工を行うことにより、この導電性皮膜8
が光ディスク用のスタンパとなる。
【0042】ここで本実施形態においては、ピット、案
内溝の形状を急峻に保ち、表面粗さを少なくするため
に、スタンパの剥離を行う工程で、ガラス基板1と下層
2を除去し、中間層3をスタンパ側に残している。この
場合、中間層3と導電性皮膜8の間には強い密着力が必
要になるため、導電性皮膜8の形成は、密着力が高めら
れるスパッタリング法によって行われる。
【0043】また、この導電性皮膜8の形成直前に逆ス
パッタリングを行って、表面を改質する。この逆スパッ
タリングによって、表面に付着した異物を取り除き、ま
た導電性皮膜の密着しやすい表面にすることができる。
導電性皮膜8の形成時に用いるチャンバー内に入れるガ
スは、不活性ガス(例えばArなど)を用いる。これによ
り、導電性皮膜8の形成の工程にガスを入れ替えること
なく、そのままスパッタリング工程に移行することがで
きるため、効率的である。この逆スパッタリングによっ
てエッチングされる中間層3の膜厚は、形状変化を少な
くするために1nm以下とする。
【0044】また、中間層材料と、導電皮膜処理、電鋳
を行う材料を同じ材質とする。このようにするとスタン
パ化した時に、同一の材質で構成されているため、界面
での結合力が強くなり、ほとんどその界面での剥離の懸
念がなくなる。本実施形態においては、中間層3として
Niを用いているため、中間層3と同様に導電性皮膜
8、電鋳材料をNiとしてスタンパ化を行った。その結
果、本実施形態によれば、Niからなる光ディスク用原
盤が製造される。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0046】請求項1の発明によれば、下層と上層との
間に無機材料で構成された中間層を設けているため、光
オゾンアッシングで下層エッチングを行う工程におい
て、中間層はエッチングされることはない。そのため、
この中間層が下層のカバーの役割を果たし、狭トラック
ピッチ化したことによりレジストマスク層のマスク部の
高さが低くなった場合にも、下層にエッジに崩れのな
い、安定したパタン形状を得ることができる。またこの
工法によると、波長400nm近傍のガスレーザーを光源に
用いて紫外線光源を用いた時と同等のトラックピッチ、
ピット形状となる原盤作製が可能であるため、コストの
面でも非常に有利となる。
【0047】請求項2の発明によると、本発明による製
法によって有効な露光スポット径に対するトラックピッ
チの範囲が適切に指定されているため、安定した下層の
パタン形成が可能になる。
【0048】請求項3〜5の発明によれば、本発明の製
造工程で用いられる中間層が適切に条件設定されている
ため、エッジの崩れのない、安定したパタン形成が可能
になる。
【0049】請求項6〜9の発明によると、中間層と導
電性皮膜の密着力が上がっているため、後の工程で剥離
や形状変化など問題のないスタンパを製作することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるプリピット、案内溝のパタン形
成する製造工程を示す流れ図
【図2】フォトレジストを露光し、現像することによっ
て得られるプリピット、または案内溝の形状を示す断面
【図3】トラックピッチが広い場合と狭い場合の、露光
スポットの光量の重なりの比較図
【図4】トラックピッチが広い場合と狭い場合とにおけ
る、フォトレジスト層現像後にできるパタンの比較図
【符号の説明】
1 基板 2 下層 3 中間層 4 上層 5 ガラス原盤 6 原盤露光 7 潜像 8 導電性皮膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上に非感光性の水溶性樹脂か
    らなる下層を形成する第1の工程と、下層上に、感光性
    樹脂からなる上層を形成してガラス原盤を作成する第2
    の工程と、上層に所定のパタンを露光して潜像を形成す
    る第3の工程と、現像を行い上層に露光によるパタンを
    形成する第4の工程と、ガラス原盤を光オゾンアッシン
    グ法によって下層にパタンを転写する第5の工程と、上
    層を剥離する第6の工程と、上層を剥離させたガラス原
    盤の表面に導電性皮膜を形成し、導電性皮膜を電極とし
    て電鋳を行う第7の工程と、電鋳が行われたガラス原盤
    からガラス基板および下層材料を剥離、除去し、表面の
    洗浄を行う第8の工程とを備えた光ディスク用原盤の製
    造方法において、 第1の工程の後に下層の水溶性樹脂、上層の感光性樹脂
    と混合しない無機材質からなる中間層を形成する工程を
    含め、第4の工程の後に上層パタンにより中間層が表面
    に出ている部分をエッチングする工程を含めることを特
    徴とする光ディスク用原盤の製造方法。
  2. 【請求項2】 第3の工程で感光性樹脂層を露光をする
    際、隣接溝間または半径方向の隣接ピット間の距離をT
    P、露光ビームスポットの幅をBDとして、TP>3/
    4*BDの関係を満たすことを特徴とする請求項1記載
    の光ディスク用原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 中間層の膜厚を3〜30nmとすることを特
    徴とする請求項1記載の光ディスク用原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 320nm以下の光に対する中間層の透過率
    を30%以下とすることを特徴とする請求項1記載の光デ
    ィスク用原盤の製造方法。
  5. 【請求項5】 中間層材料として、Ni、Ag、Au、Z
    n、Pt、Cr、Co、Ti、Wのうちのいずれか1つ、ま
    たはその混合物からなることを特徴とする請求項1記載
    の光ディスク用原盤の製造方法。
  6. 【請求項6】 導電性皮膜を形成する第7の工程を、A
    r、Kr、Xe、Heのいずれかの不活性ガスを使用したス
    パッタリング法により行うことを特徴とする請求項1記
    載の光ディスク用原盤の製造方法。
  7. 【請求項7】 スパッタリング時に使用する不活性ガス
    と同じ不活性ガスを用いて、中間層の形成を行う直前
    に、逆スパッタリングを行うことを特徴とする請求項6
    記載の光ディスク用原盤の製造方法。
  8. 【請求項8】 逆スパッタリングを行うことによる中間
    層の膜厚の減少が1nm以下とすることを特徴とする請求
    項7記載の光ディスク用原盤の製造方法。
  9. 【請求項9】 中間層材料と導電皮膜処理、電鋳を行う
    材料を同じ材質とすることを特徴とする請求項1記載の
    光ディスク用原盤の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7618768B2 (en) 2003-08-04 2009-11-17 Sharp Kabushiki Kaisha Method of forming micropattern, method of manufacturing optical recording medium master copy, optical recording medium master copy, optical recording medium stamper, and optical recording medium

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