JP2002055328A

JP2002055328A - 液晶表示装置

Info

Publication number: JP2002055328A
Application number: JP2000240181A
Authority: JP
Inventors: Kiyoyuki Echizenya; 清行越前谷
Original assignee: Toshiba Corp; Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
Current assignee: Toshiba Corp; Toshiba Development and Engineering Corp
Priority date: 2000-08-08
Filing date: 2000-08-08
Publication date: 2002-02-20

Abstract

(57)【要約】【課題】表示パネル３の外面に偏光子２が配された
液晶表示装置において、偏光子または偏光子支持基材と
表示パネルとの熱膨張の違いに起因する歪及び表示ムラ
の発生を防止することができる液晶表示装置を提供す
る。また、偏光子の湿気等からの保護を容易に行なうこ
とのできる液晶表示装置を提供する。【解決手段】支持フィルム等が積層されていない偏光子
のフィルム２を表示パネル３の外面に載置し、この状態
で、透明の樹脂フィルム１によって全体を被覆し、真空
脱気しつつ密閉する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、表示パネルの少な
くとも表示面側に偏光子が備えられた液晶表示装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ＣＲＴディスプレイに置き換わる
平面表示装置が盛んに開発されており、特に、液晶表示
装置は、薄型、軽量、低消費電力を達成できることか
ら、ノートＰＣ、カーナビゲーション装置、小型ＴＶ、
携帯情報端末や携帯電話の表示装置等に急速に市場を拡
大している。

【０００３】以下、図５に示すような、反射電極の層を
有する反射型液晶表示装置を例にとり、従来の技術につ
いて簡単に説明する。

【０００４】液晶表示装置は、反射型の表示パネル３
と、この表示面を覆うように貼り付けられる偏光板２０
と、裏面及び四周の側から表示パネル３を保持する支持
筐体４とからなる。

【０００５】表示パネル３は、わずかな間隔をおいて重
ね合わされる一対の絶縁基板３２，３３と、これらの間
に保持される液晶層３４とからなり、裏面側の絶縁基板
３３は、反射型の画素電極が配列されてなる反射電極層
３３を有している。絶縁基板３２，３３は、一般的に
は、ガラス板からなる。反射型の表示パネルである場合
に裏面側の絶縁基板３３は必ずしも透明である必要はな
いが、表示面側と熱膨張率等が同一であるのが望まし
く、また、高温の加工工程を含むのが一般的であるた
め、多くの場合にガラス板からなるものが用いられてい
る。そのため、表示パネル３は、裏面側から、ゴム部材
４５等の柔らかい緩衝材を介して支持筐体４から支持さ
れている。金属等からなる支持筐体４に直接当てた場合
にガラス割れが発生するのを防止するためである。

【０００６】偏光板２０は、偏光作用を有する偏光子２
１の層の両面に、保護フィルム２２及び支持フィルム２
３が貼り付けられたものである。偏光子２１は、典型的
にはヨウ素ドープされたポリビニールアルコール（ＰＶ
Ａ）フィルムからなる。保護フィルム２２及び支持フィ
ルム２３は、いずれも、偏光子２１の層を補強し支持す
るものであり、典型的には、トリアセチルセルロース
（ＴＡＣ）フィルムが用いられる。保護フィルム２２は
偏光子２１を保護する役割も兼ねる。このような三層構
造の偏光板２０は、支持フィルム２３の外面に備えられ
た接着剤２５の層を介して、表示面側の絶縁基板３２の
外面に貼り付けられる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
の液晶表示装置であると、偏光板２０が表示パネル３の
外面に位置ずれ不能に貼り付けられており、環境温度が
変化した場合に、偏光板２０と表示パネル３との熱膨張
率の違いから、歪みが生じ、表示パネル３の表示ムラを
引き起こしていた。

【０００８】また、偏光板２０にキズが付いた場合な
ど、偏光板２０を取りかえる際には、強い力で偏光板２
０を剥ぎ取る必要があり、このときに生じた歪により表
示ムラが発生することがあった。また、偏光子をさらに
充分に保護しようとした場合、保護フィルム２２の外面
にさらなる保護フィルムを貼りつけるなどの必要があ
り、コスト負担が大きかった。

【０００９】一方、液晶表示装置を高温高湿の環境で使
用した場合、ＰＶＡ等から成る偏光子２１の層が徐々に
劣化して、甚だしい場合には、必要な偏光作用が得られ
なくなることがあった。偏光子２１の層が劣化しきった
場合、その部分で色表示が満足に行なわれなくなり、
「脱色」と呼ばれる劣化を引き起こしていた。多くの液
晶表示装置において、偏光子２１の部分が湿度の影響を
最も強く受ける部分であり、液晶表示装置の寿命を決定
する最大の要因となっていた。

【００１０】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、表示パネルの外面に偏光子が配された液晶表示
装置において、偏光子または偏光子支持基材と表示パネ
ルとの熱膨張の違いに起因する歪及び表示ムラの発生を
防止することができる液晶表示装置を提供するものであ
る。また、偏光子の湿気等からの保護を容易に行なうこ
とのできる液晶表示装置を提供するものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１の液晶表示装置
は、透明な第１絶縁基板と、これに重ね合わされる第２
絶縁基板と、これら絶縁基板の間に保持される液晶層
と、少なくとも前記第１絶縁基板の外面に取り付けられ
る偏光子フィルムとを含む表示パネルからなる液晶表示
装置において、前記絶縁基板の外面に配される前記偏光
子フィルムは、樹脂フィルムによって全体が被覆されて
おり、前記絶縁基板と前記樹脂フィルムとの間で狭圧さ
れることにより固定されていることを特徴とする。

【００１２】上記構成により、偏光子フィルムを接着せ
ずに固定することができ、熱膨張率の相違に起因する歪
及び表示ムラを防止することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の実施例について、図１〜
４を用いて説明する。

【００１４】図１〜３は、実施例の液晶表示装置の製造
方法を模式的に示す一連の斜視図であり、図４は、実施
例の液晶表示装置の模式的な縦断面図である。

【００１５】まず、図１〜３を用いて、実施例の液晶表
示装置の製造方法について説明する。

【００１６】図１に示すように、表示パネル３の表示面
に偏光子フィルム２を載置した後に、これら全体を、袋
状の透明樹脂フィルム１中に収納する。そして、真空吸
引により、袋内の空気を除去する。

【００１７】そして、図２に示すように、コネクタケー
ブル３１のみが袋の口１１から袋の外側へと延び、ま
た、袋状の樹脂フィルム１が表示パネル３の四辺から略
同一寸法だけ突き出した状態で、袋の口１１の個所、及
び、袋状の樹脂フィルム１が突き出した耳部１２に、ヒ
ートシールを施す。

【００１８】この後、図３に示すように、耳部１２中に
あって、表示パネル３の四隅に対応する個所に、留めネ
ジを挿通するためのパンチ穴１３をあける。図には示さ
ないが、このパンチ穴１３を用いて、表示パネル３が支
持筐体に固定される。

【００１９】このようにして、表示パネル３及びこの上
に載置された偏光子フィルム２が、袋状の透明樹脂フィ
ルム１により完全に被覆・密閉された状態で、支持筐体
に収納され固定される。

【００２０】パンチ穴１３は、袋状の透明樹脂フィルム
１における、表示面側のシートと裏面側のシートとがヒ
ートシールされた耳部１２内に設けられているため、樹
脂フィルム１による密閉を損なうものでない。表示パネ
ル３の縁からの耳部１２の突き出し寸法は、例えば１ｃ
ｍであり、表示パネル３の四隅の外側に設けられる丸い
パンチ穴１３の径は、例えば０．５ｍｍである。

【００２１】次に、図４を用いて、上記のようにして得
られた液晶表示装置の構成について詳細に説明する。

【００２２】実施例の液晶表示装置は、反射電極の層３
５を有する反射型液晶表示装置である。

【００２３】画素駆動配線、及び、反射電極（反射型の
画素電極）の層３５が形成されたアレイ基板３３と、対
向電極が形成された対向基板３２とが、電極形成面が向
き合うようにしてわずかな間隔を置いて重ね合わされ、
これらの間に液晶層３４が保持されている。液晶層３４
は、四周からシール材３６により密封されている。アレ
イ基板３３及び対向基板３２はガラス板からなる。

【００２４】対向基板３２の外面、すなわち表示パネル
３の表示面に相当する個所には、偏光子フィルム２が載
置される。偏光子フィルム２は、支持フィルム等を有し
ない光学活性を有する層のみからなる。例えば、ヨウ素
がドープされたＰＶＡフィルムのみからなる。また、偏
光子フィルム２と表示パネル３との間に接着剤層は一切
設けられておらず、偏光子フィルム２は、透明樹脂フィ
ルム１と、対向基板３２の外面との間で狭圧されること
によって行なわれている。具体的には、大気圧による押
圧によって、または、透明樹脂フィルム１の耳部１２を
ヒートシールした際の引張力によって、偏光子フィルム
２が固定されている。

【００２５】なお、図４においては、偏光子フィルム２
が直接対向基板３２の外面に接するものとして描いてい
るが、必要により、視野角拡大用の位相差板を配置する
こともできる。また、偏光子フィルム２と樹脂フィルム
１の内面との間に、外光反射を防止するアンチグレア層
またはアンチリフレクション層が配置されていてもよ
い。

【００２６】透明樹脂フィルム１は、表示パネル３及び
偏光子フィルム２をすっぽりと覆い、これらを外部の湿
気等から遮断している。透明樹脂フィルム１は、表示面
の側で、引っかきキズの生成等を防ぐ、保護フィルムの
役割も果たしている。透明樹脂フィルム１の材料は、例
えば、ポリエチレン樹脂である。

【００２７】透明樹脂フィルム１は、また、剛直な支持
筐体４とアレイ基板３３との間にあって、これらの間の
緩衝材としての役割を果たす。そのため、これらの間に
ゴム部材等の別個の緩衝材は備えられていない。

【００２８】上記実施例の液晶表示装置であると、偏光
子フィルム２が表示パネル３と透明樹脂フィルム１の間
で狭圧されて固定されているので、偏光子フィルム２
は、環境温度の変化による熱膨張または熱収縮を受けた
場合には、対向基板３２との間で滑って動くことができ
る。そのため、偏光子フィルム２と対向基板３２との間
で熱膨張率が異なっていても、温度変化を受けた際に、
歪やこれに起因する表示ムラを発生させることはない。

【００２９】また、薄く軟らかい偏光子フィルムに、支
持フィルムや接着剤層を積層させておくことなく、その
まま、液晶表示装置の製造に用いることができ、接着剤
層の被覆膜を剥離して貼り合わせるといった工程を省く
ことができる。

【００３０】万一、偏光子フィルム２の載置方向を間違
えた場合にも、透明樹脂フィルム１を剥がして再度図１
〜３に示すような工程を行なうだけで良い。このときに
は、偏光子フィルム２に接着剤等が設けられていないの
で、偏光子フィルム２を対向基板３２から引き剥がす必
要もなく、剥ぎ取るときに加わった力で偏光子フィルム
２や表示パネル３に歪みが生じることや、これに起因し
て表示ムラが生じることもない。

【００３１】透明樹脂フィルム１にキズがいった場合に
も、同様に容易に交換を行なうことができ、交換の際に
何らかの部材に損傷を与えるおそれもない。この際、安
価な透明樹脂フィルム１のみを交換し、高価な偏光子フ
ィルム１等は、よほど深いキズが入らない限り、そのま
ま用いることができるので、上記実施例の液晶表示装置
であると、特に、偏光子フィルム１が湿度によって劣化
することを防止することができ、高温高湿環境下で用い
る場合にも、偏光板が「脱色」等を起こすことを防ぐこ
とができる。一般に、液晶表示装置において偏光子フィ
ルム１が最も寿命の短い部材の一つであるので、防湿機
能を有する樹脂フィルムで被覆することにより、液晶表
示装置の寿命を大きく向上することができる。特に、高
温高湿の過酷な環境下での寿命を向上することができ
る。

【００３２】また、透明樹脂フィルムに適当な耳部を設
けてさらにネジ止め用の穴を設けることにより、表示パ
ネル３を簡単な機構で、支持筐体等に実装することがで
きる。そのため、従来技術における表示パネルの固定で
要していた種々の部材とその組み付け工程を省略するこ
とができ、液晶表示装置の生産コストを大幅に低減する
ことができる。

【００３３】上記の説明においては、表示パネル３に備
え付けられる駆動回路系統について省略しているが、Ｔ
ＣＰ（テープキャリアパッケージ）が配列されたもの
や、ＣＯＧ（チップオングラス）タイプでも良く、ま
た、アレイ基板に駆動回路が一体に設けられたものでも
良い。

【００３４】また、上記実施例では、反射電極層を有す
る反射型の液晶表示装置として、説明したが、その他の
タイプの反射型液晶表示装置であっても、バックライト
を備えた透過型の液晶表示装置であっても全く同様であ
る。

【００３５】上記の説明において、袋状の樹脂フィルム
１の口１１や耳部１２をヒートシールにより融着するも
のとしたが、その他の圧着や接着方法を用いることもで
きる。また、必ずしも袋状となった樹脂フィルムを用い
る必要がなく、２枚の樹脂フィルムで挟み込み、適当に
真空脱気しつつ耳部を接合するものであってもよい。こ
のような場合、反射型の液晶表示装置であるならば、裏
面側の樹脂フィルムは非透明であっても良く、支持筐体
との緩衝作用を充分に果たすように、表示面側より厚み
の大きいフィルムを用いることもできる。

【００３６】

【発明の効果】表示パネルの外面に偏光子が配された液
晶表示装置において、偏光子フィルムを接着せずに固定
することができ、熱膨張率の相違に起因する歪及び表示
ムラを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の液晶表示装置を製造するにあたり、袋
状の透明樹脂フィルム中に、へ格子フィルム及び表示パ
ネルを収納した際の様子を示す、模式的な斜視図であ
る。

【図２】図１の状態にひき続いて、透明樹脂フィルムの
袋の口、及び耳部をヒートシールした様子を示す、図１
に対応する斜視図である。

【図３】図２の状態にひき続いて、耳部に、留めネジ挿
通用の丸穴を設けた様子を示す、図１に対応する斜視図
である。

【図４】実施例の液晶表示装置についての模式的な縦断
面図である。

【図５】従来の液晶表示装置についての、図４に対応す
る模式的な縦断面図である。。

【符号の説明】

１袋状の透明樹脂フィルム２偏光子フィルム３表示パネル（反射型表示パネル）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 2H089 HA40 JA07 JA10 JA11 KA11 QA06 QA07 QA12 TA01 TA15 5G435 AA06 AA12 AA17 BB12 BB16 EE08 EE10 FF05 GG43 HH18 KK02

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透明な第１絶縁基板と、これに重ね合わさ
れる第２絶縁基板と、これら絶縁基板の間に保持される
液晶層と、少なくとも前記第１絶縁基板の外面に取り付
けられる偏光子フィルムとを含む表示パネルからなる液
晶表示装置において、前記絶縁基板の外面に配される前記偏光子フィルムは、
樹脂フィルムによって全体が被覆されており、前記絶縁
基板と前記樹脂フィルムとの間で狭圧されることにより
固定されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項２】前記偏光子フィルム及び前記表示パネルの
全体が前記樹脂フィルムにより被覆されていることを特
徴とする請求項１記載の液晶表示装置。
【請求項３】前記樹脂フィルムによる被覆は、透明樹脂
からなる袋が前記表示パネルに被せられ、真空吸引によ
り該袋内の空気層を除去しつつ前記袋の口が密閉される
ことにより行なわれたものであることを特徴とする請求
項２記載の液晶表示装置。
【請求項４】前記透明樹脂からなる袋は、前記表示パネ
ルより大寸法に形成され、前記表示パネルに被せられた
状態で、該袋の端縁部が前記表示パネルの四周から突き
出して耳部をなし、この耳部では、前記透明樹脂からなる袋における前記第
１絶縁基板の側の部分と、前記第２絶縁基板の側の部分
とが融着または接着されて表裏で一体に接合され、該耳部には、前記表示パネルを支持筐体に固定するのに
用いる留めネジを挿通するための丸穴があけられている
ことを特徴とする請求項３記載の液晶表示装置。
【請求項５】前記密閉、または前記接着または融着がヒ
ートシールにより行なわれたものであることを特徴とす
る請求項３または４記載の液晶表示装置。
【請求項６】前記偏光子フィルムを前記絶縁基板との間
で狭圧する前記樹脂フィルムが、該偏光子フィルムを直
接被覆しており、これにより、前記樹脂フィルムが前記
偏光子フィルムを保護するとともに支持していることを
特徴とする請求項１記載の液晶表示装置。
【請求項７】前記表示パネルが反射型であることを特徴
とする請求項１記載の液晶表示装置。
【請求項８】前記樹脂フィルムが、前記偏光フィルム及
び前記表示パネルを外部の湿気から保護する、防湿被覆
フィルムとしての役割を果たすことを特徴とする請求項
２記載の液晶表示装置。