JP2007206364A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿環境下でも画像品質の劣化のない反射型の液晶表示素子を安価に提供する。
【解決手段】表面に複数の反射型の画素電極16を有する半導体基板18と、表面に透明電極20を有する透明基板22との間に液晶層24を封止してなる液晶表示セル4と、前記液晶表示セルを収容する収容凹部6を有すると共に、前記液晶表示セルの前記半導体基板の裏面側が前記収容凹部の内側の底面に固定された固定台8と、前記液晶表示セルの前記透明基板の裏面との間に透明なスペーサ部材34を介在させて前記液晶表示セルを前記固定台側に押さえつつ前記収容凹部を密閉する透明な蓋部材12と、前記固定台の前記収容凹部の内側と外側とを電気的に接続するように前記固定台に設けられた金属配線14とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、環境変化に強く、信頼性の高い反射型の液晶表示素子に関する。
一般に、反射型の液晶表示素子は、プロジェクタやプロジェクションTV等に広く用いられている。この反射型の液晶表示素子は、例えば特許文献1や特許文献2等に開示されている。
即ち、特許文献1の反射型の液晶表示素子の構成は以下に示す通りである。この液晶表示素子は、表面に凹部が形成されたベースを有しており、このベースの凹部に熱伝導部材を介して液晶表示セルが支持されている。この液晶表示セルは、駆動回路が設けられているシリコン基板上に液晶層、カバーガラス、防塵ガラスが順次積層された構成を有している。上記シリコン基板とカバーガラスとの間の周辺部は、セルギャップを決めるためのスペーサを混入させたシール接着剤で固着されている。上記ベースの両端は、フレキシブルケーブルと接続され、シリコン基板の駆動回路と電気信号の授受を行なっている。
また、特許文献2では、液晶表示セルの一面、或いは両面に防塵基板として、複屈折のない透光性酸化物結晶体を接合した構造が開示されている。上述のように、防塵ガラスや透光性酸化物結晶体よりなる防塵基板を用いることにより、画像品質を劣化させる塵が内部に浸入することを防止するようにしている。
特開2001−195006号公報 特開2005−202332号公報
ところで、上述した従来の液晶表示素子にあっては、防塵ガラスや防塵基板を用いていることから、確かに使用初期においては良好な画像品質を得ることができる。
しかしながら、液晶表示セルは常時大気中に晒されているために、例えばこの液晶表示素子を高温高湿環境下で長時間放置すると、水分がシール接着剤やシール接着剤とシリコン基板との界面、或いはカバーガラスの界面から液晶層中に少しずつ浸入してしまい、この結果、表示の均一性の低下や固定パターンの焼き付け残りといった画像品質の劣化を生じることがあった。
そこで、本発明は、前述の課題に鑑みて提案されるものであって、高温高湿環境下でも画像品質の劣化のない反射型の液晶表示素子を安価に提供することを目的とする。
本願発明は、表面に複数の反射型の画素電極を有する半導体基板と、表面に透明電極を有する透明基板との間に液晶層を封止してなる液晶表示セルと、前記液晶表示セルを収容する収容凹部を有すると共に、前記液晶表示セルの前記半導体基板の裏面側が前記収容凹部の内側の底面に固定された固定台と、前記液晶表示セルの前記透明基板の裏面との間に透明なスペーサ部材を介在させて前記液晶表示セルを前記固定台側に押さえつつ前記収容凹部を密閉する透明な蓋部材と、前記固定台の前記収容凹部の内側と外側とを電気的に接続するように前記固定台に設けられた金属配線と、を備えたことを特徴とする液晶表示素子である。
本発明の液晶表示素子によれば、液晶表示セルを固定台の収容凹部内へ気密に密閉状態で固定するようにしたので、高温高湿環境下でも画像品質の劣化を生ずることのない反射型の液晶表示素子を安価に得ることができる。
以下、本発明に係る液晶表示素子の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る液晶表示素子を示す断面図、図2は液晶表示素子の組み立て図である。
図示するように、この液晶表示素子2は、画像信号に基づいて実際に画像を表示する液晶表示セル4と、この液晶表示セル4を収容するための収容凹部6を有する固定台8と、上記収容凹部6の上方の開口10を気密に閉じる透明な蓋部材12と、上記固定台8に設けられて収容凹部6内に収容した液晶表示セル4と固定台8の外側とを電気的に接続するための金属配線14とにより主に構成されている。
上記液晶表示セル4は、表面に例えばマトリクス状に配列された複数の反射型の画素電極16を有する半導体基板18と、同じく表面にITO等よりなる共通な透明電極20を有する透明基板22とを対向させてセルギャップを形成し、このセルギャップに液晶層24を封止して構成されている。上記セルギャップは、上記両基板18、22の周辺部に沿ってスペーサを混入させてなるシール接着剤26を塗布することによって形成され、このシール接着剤26によって上記セルギャップを形成すると同時にシールを行うようになっている。
上記半導体基板18としては、例えばシリコン基板を用いることができ、この表面側には各画素電極16に対応させてこれを駆動する駆動回路(図示せず)が形成されている。そして、この半導体基板18の端部には、上記駆動回路等に電気的に接続されるパッド28が設けられる。また上記透明基板20としては、例えばガラス基板を用いることができる。ここでは、液晶表示セル4のサイズはたとえば0.7インチ(アスペクト比が4:3)に設定されている。
一方、上記固定台8は、例えば酸化アルミや窒化アルミ等のセラミックにより形成されている。この固定台8の収容凹部6の開口10の周辺部には、その周方向に沿って段差部30が形成されており、この段差部30に接着剤32を介して上記蓋部材12を嵌め込んで開口10を気密に閉じ、これにより収容凹部6内を密閉構造とするようになっている。この接着剤32としては、例えばエポキシ系接着剤を用いることができる。また、上記蓋部材12としては透明なガラス板を用いることができ、可視領域の波長に対して吸収のない材料を用いる。このような材料としては、例えばSCHOTT社のテンパックスガラスを用いることができる。
この際、上記液晶表示セル4の上面である透明基板22と上記蓋部材12との間には、透明なスペーサ部材34を介在させており、液晶表示セル4を収容凹部6内へ押さえつつ確実に支持させて固定できるようになっている。このスペーサ部材34としては、透明樹脂を用いて貼り合わせることが望ましく、特に硬化後も柔軟性を有するシリコーンゲル等を用いるのがよい。
この場合、上方から入射する光の反射損失を可能な限り小さくするために、上記透明な蓋部材12、透明なスペーサ部材34及び透明基板22の各部材の相互間の屈折率差を0.3以内となるように設定するのが望ましい。
また上記蓋部材12の上面側(光入射側)には、空気に対する反射防止膜36が設けられている。
一方、上記固定台8の収容凹部6内の底部には、上記内部端子部38が形成されていると共に、固定台8の一端は外側に延びており、ここに外部端子部40が形成されている。そして、この固定端子部38と外側端子部40との間は、固定部8の内部に形成した連通孔内を気密に配設した上記金属配線14により接続されている。この金属配線14により、上記収容凹部6の内側と外側とを電気的に接続することができる。この金属配線14としては、例えばタングステンを用いることができる。上記固定台8の端部には、外部から電気信号を供給するためのフレキシブルケーブル42が取り付けられている。このフレキシブルケーブル42の端子と上記外部端子部40との間をワイヤ44で接続し、更に、上記内部端子部38と液晶表示セル4のパッド28との間をワイヤ46で接続して、上記フレキシブルケーブル42より供給される電気信号を半導体基板18の駆動回路側へ供給できるようになっている。
ここで、上述したように形成された液晶表示素子2の液晶表示セル4内に水分が浸入するかどうかについて高温高湿試験を行なって調べて評価を行ったので、その評価結果について説明する。
高温高湿試験は、温度が60℃、湿度が90%の下で、10日間放置した後、画像表示を行なって、同一信号レベルに対する照度の変化量を測定した。また、クロスハッチ等の固定パターンを1時間連続で書き込みを行なって焼き付き残りについての評価も行なった。比較例として、従来例で説明した反射型の液晶表示素子を用いた。
この結果、本発明の液晶表示素子2では、同一信号レベルに対する照度の変化量は5%以下であり、表示品質が良好な均一な画像が得られた。これに対して、比較例では、照度の変化量は周辺で12%、中心部で7%であり、画像全体の均一性が低下した。また焼き付き残りについては、本発明の液晶表示素子2は生じなかったが、比較例では薄く固定パターンが残った。
以上のように本発明の液晶表示素子2によれば、固定台8の収容凹部6内に液晶表示セル4を収容し、これ収容凹部6内を透明な蓋部材12で完全に密閉して液晶表示セル4を外気から完全に遮断しているので、高温高湿環境下でも液晶表示セル4内に水分が浸入することを防止でき、従って、均一な表示品質が良好な画像が得られ、画像品質の劣化のない液晶表示素子2を得ることができる。
また、金属配線14が固定台8の内部に形成されているので、水分の浸入に強い構造となっている。このため、液晶表示セル4のシール接着剤26が外気に直接触れることがないので、外気変動に対しても経時変化を起こさず、長時間に亘って安定した表示品質を維持することができる。
また、液晶表示セル4の透明基板22と透明な蓋部材12と透明なスペーサ部材34を介して貼り合わすことで、素子の反射率を低下させることなく、透明基板22の表面の反射防止膜を省略することが出来、安価な液晶表示素子を提供できる。
本発明の実施の形態の変形例として、透明な蓋部材12を位相差板としても良い。この位相差板は、2枚のガラスでポリカーボネート等の位相差フィルムをサンドイッチした構造である。この場合の同一信号レベルに対する照度の変化量は5%以内であり、焼き付きも生じなかった。更に、この場合には前述した実施例と同様な効果が得られるほか、画像のコントラストを向上させることができる。
尚、ここでは固定台8の開口10の周辺部に段差部30を設けたが、この段差部30がなくても良い。この場合には、固定台8の上端部上に蓋部材12を接着することになる。また、接着剤32としはエポキシ系接着剤以外に他の樹脂系接着剤や融着した金属を用いることもできる。
本発明の実施の形態に係る液晶表示素子を示す断面図である。 液晶表示素子の組み立て状態を示す図である。
符号の説明
2…液晶表示素子、4…液晶表示セル、6…収容凹部、8…固定台、10…開口、12…蓋部材、14…金属配線、16…画素電極、18…半導体基板、20…透明電極、22…透明基板、24…液晶層、34…スペーサ部材。

Claims (1)

  1. 表面に複数の反射型の画素電極を有する半導体基板と、表面に透明電極を有する透明基板との間に液晶層を封止してなる液晶表示セルと、
    前記液晶表示セルを収容する収容凹部を有すると共に、前記液晶表示セルの前記半導体基板の裏面側が前記収容凹部の内側の底面に固定された固定台と、
    前記液晶表示セルの前記透明基板の裏面との間に透明なスペーサ部材を介在させて前記液晶表示セルを前記固定台側に押さえつつ前記収容凹部を密閉する透明な蓋部材と、
    前記固定台の前記収容凹部の内側と外側とを電気的に接続するように前記固定台に設けられた金属配線と、
    を備えたことを特徴とする液晶表示素子。

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