JP2002054707A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2002054707A JP2000240838A JP2000240838A JP2002054707A JP 2002054707 A JP2002054707 A JP 2002054707A JP 2000240838 A JP2000240838 A JP 2000240838A JP 2000240838 A JP2000240838 A JP 2000240838A JP 2002054707 A JP2002054707 A JP 2002054707A
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    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/06Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
    • F16H15/32Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
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    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロー側変速比域及びハイ側変速比域における
総動力損失を低減することができるトロイダル型無段変
速機を提供すること。 【解決手段】 入力ディスク61及び出力ディスク62
とパワーローラ63の接触点CPでの相対滑り角速度、
すなわちスピン角速度をωとし、入力ディスク61の
角速度をωとし、その比ω/ωをスピンSとし、
このスピンSを下記の式で与えたとき、 S={sinθ・sinφ−(1+k−cosφ)・c
osθ}/sinθ スピンSが、ロー側変速比からハイ側変速比までの変速
比範囲において0以上になるようにθ,φ,kを設定し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に適用され
るトロイダル型無段変速機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】自動車に搭載される変速機のうち変速比
が無段階に変化する無段変速機は、その滑らかさ、運転
のしやすさ及び燃費向上の期待もあって近年研究開発が
進められていて、ベルト式無段変速機に続いて、油膜の
せん断によって動力を伝達するトラクションドライブ式
トロイダル型無段変速機(以下、トロイダル型CVT)
が既に実用化されている。
【0003】トロイダル型CVTは、エンジン効率最良
点での運転が可能であり、燃費と動力性能の大幅な向上
が可能な技術として注目されている。ただし、その特徴
を最大限に活かすには、動力伝達効率を高めておくこと
が必要であり、フルトロイダル型CVTに比べて動力伝
達部の動力損失が小さく高い効率が得られるという理由
によりハーフトロイダル型CVTが選択されている。
【0004】すなわち、ハーフトロイダル型CVTは、
入出力ディスクとパワーローラとの2つの接触点に引い
た接線が交点を持ち、その交点の軌跡が全変速範囲にお
いてディスク回転軸の近傍にあることから、スピン損失
がフルトロイダル型CVTに比べて小さい。
【0005】このハーフトロイダル型CVTにてスピン
損失を小さく抑える先行技術としては、特公平6−72
653号公報に記載のものが知られている。
【0006】この従来公報には、図11に示すように、
入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラの接触点
における法線と、パワーローラの回転軸がなす角が等し
く、その開き角をθとし、また、入出力ディスクの円弧
半径をRとし、円弧中心から入出力ディスク回転軸ま
での距離とRの差をeとして、その比であるキャビテ
ィアスペクト比kをe/Rとし、入力ディスク及び出
力ディスクとパワーローラの接触面内におけるそれぞれ
の速度分布の差によって生じる相対滑りの角速度、すな
わちスピン角速度をωとし、入力ディスクの角速度を
ωとし、その比であるω/ωをスピンSとしたと
き、開き角θを50°以上とし、キャビティアスペクト
比kを0.6以上とし、さらにスピンSを±0.3の範
囲内になるように設定したものが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
トロイダル型無段変速機にあっては、スピンSが0未満
となるロー側変速比域とハイ側変速比域において、動力
損失が増加するという問題点があり、この結果、ロー側
変速比域の使用頻度が高い市街地走行時や、ハイ側変速
比域の使用頻度の高い高速道路走行時において、トロイ
ダル型無段変速機の特徴を最大限引き出しての高い燃費
性能や動力性能を望めない。以下、その理由について詳
しく説明する。
【0008】まず、野口尚一著「機構学」(1976生
産技術センター発行)の219頁に記載されているよう
に、接触点にスピンがある状態で動力伝達を行うと、ス
ピンの方向、すなわち、スピンSの値の正負にかかわら
ず動力損失を発生する。ここで、動力損失uは、スピ
ンSによって接触点に発生するトルクをTとすると、 u=|ω|・T …(1) となる。
【0009】Tは、図12に示すように、接触面中心
からの距離rの位置にある微少面積dAにおける接触応
力をp、摩擦係数をμとすると、これらの積を接触面積
内について積分したもの、すなわち、 T=∫pμrdA …(2) となる。
【0010】通常のトロイダル型無段変速機において、
入出力ディスクとパワーローラの接触点は油膜を介して
動力伝達を行う。よって、μを求めるには接触面内の各
位置における油膜の摩擦係数を、滑り速度や油温や面圧
等を考慮して求める必要があるが、ここでは簡単にする
ために一定とする。また、pはヘルツの接触理論によ
り、半楕円体状の分布をするが、簡単にするため接触面
内で一定とする。さらに、接触楕円の面積Aは接触点へ
の荷重Fcの大きさによって変化するが、ここでは一定
とすると、 T∝p∝Fc …(3) となる。
【0011】よって、上記(1),(3)式により、 u∝|ω|・Fc …(4) となる。入力ディスクの角速度ωを一定とすれば(4)
式は、 u∝|S|・Fc …(5) となる。
【0012】従来例では、|S|≦0.3とすること
で、動力損失を小さく抑えることを目的としており、パ
ワーローラの傾転角度φに対してスピンSが、図13の
ような値となる例を示している。ここで、スピンSは、
下記の式で与えられる。 S={sinθ・sinφ−(1+k−cosφ)・cosθ}/sinθ …(6) また、接触点荷重Fcは、ローディングカムが入力ディ
スクを押し付ける力をFa、パワーローラの数をnとし
たとき、 Fc=Fa/(n・sinφ) …(7) で与えられるが(日本機械学会論文講演抜刷;論文N
o.86−1182A「トロイダル形無段変速機に関す
る研究」参照)、入力トルクを一定、すなわち、Faを
一定とした場合、パワーローラ傾転角度φに対して、図
14に示すように、パワーローラ傾転角度φが小さくな
るほど、すなわちロー側ほど接触点荷重Fcは大きくな
る。
【0013】ところが、図14に示すように、スピンS
がロー側で負の値を取るので、φ=θ(変速比i=1)
からロー側に向かって途中まではスピン絶対値|S|が
小さくなるが、S=0よりもロー側ではパワーローラ傾
転角度φが小さいほどスピン絶対値|S|が大きくな
る。したがって、これらの積に比例する動力損失u
は、最ロー付近で極端に大きくなる。
【0014】以上の説明は、μ,p及びAを一定として
単純に計算しているが、これらの値を厳密に求めても同
じことが言える。図15は田中らの手法(上記文献及び
日本機械学会論文講演抜刷;論文No.89−0148
B「スラスト玉軸受のトラクション油中のスピンモーメ
ント」参照)により入出力ディスクとパワーローラの接
触点における動力損失u(以下、接触点動力損失u
という)及びパワーローラ軸受の動力損失uを(以
下、軸受動力損失uという)それぞれ求め、足し合わ
せた総動力損失Uを示している。この厳密な計算による
と、ロー側だけでなく、ハイ側の総動力損失Uも増大し
ている。これは、接触点荷重Fcの低下がスピン絶対値
|S|の増大を相殺しきれなかった結果である。したが
って、S<0の範囲のすべてで、総動力損失Uが増加す
る。
【0015】本発明は、上記問題点に着目してなされた
もので、その目的とするところは、ロー側変速比域及び
ハイ側変速比域における総動力損失を低減することがで
きるトロイダル型無段変速機を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、同軸に対向配置された入
力ディスク及び出力ディスクと、前記入力ディスクを入
力トルクに比例した荷重で押し付けるローディングカム
と、前記入出力ディスクの対向面にそれぞれ形成された
トロイド状の円弧面に動力伝達可能に挟持されるパワー
ローラと、該パワーローラを入出力ディスクの円弧中心
に対して傾転可能に支持するパワーローラ支持部材と、
前記パワーローラをパワーローラ支持部材に対して回転
可能に支持するパワーローラ軸受とを備えたトロイダル
型無段変速機において、前記入力ディスク及び出力ディ
スクとパワーローラの接触点での相対滑り角速度、すな
わちスピン角速度をωとし、入力ディスクの角速度を
ωとし、その比ω/ωをスピンSとし、このスピ
ンSを下記の式で与えたとき、 S={sinθ・sinφ−(1+k−cosφ)・c
osθ}/sinθ ただし、θ:入力ディスク及び出力ディスクとパワーロ
ーラの接触点における法線とパワーローラの回転軸がな
す角度 φ:パワーローラの傾転角度 k:入出力ディスクの円弧半径をRとし、円弧中心か
ら入出力ディスク回転軸までの距離とRの差をeとし
たときの比e/R 上記式にて入力ディスク及び出力ディスクとパワーロー
ラの接触点におけるスピンSが、ロー側変速比からハイ
側変速比までの変速比範囲において0以上になるように
θ,φ,kを設定したことを特徴とする。
【0017】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
トロイダル型無段変速機において、前記入力ディスク及
び出力ディスクとパワーローラの接触点におけるスピン
Sを±0.3の範囲内になるようにθ,φ,kを設定し
たものに対し、開き角θを大きく変更すると共に、パワ
ーローラの曲率半径を小さく変更したことを特徴とす
る。
【0018】請求項3記載の発明では、請求項1または
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機において、前
記入出力ディスクに最大入力トルクが作用したときにも
入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラの接触点
におけるスピンSが、ロー側変速比からハイ側変速比ま
での変速比範囲において0以上になるようにθ,φ,k
を設定したことを特徴とする。
【0019】請求項4記載の発明では、請求項1または
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機において、前
記パワーローラの傾転範囲をハイ変速比側にだけ大きく
設定し、かつ、入力ディスク及び出力ディスクとパワー
ローラの接触点におけるスピンSが、変速幅を拡大した
ハイ側変速比領域を除く変速比範囲において0以上にな
るようにθ,φ,kを設定したことを特徴とする。
【0020】請求項5記載の発明では、請求項1ないし
請求項4に記載のトロイダル型無段変速機において、前
記パワーローラが全変速範囲にわたって傾転したときの
入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラの接触点
におけるスピンSの最小値が0.1以下になるように
θ,φ,kを設定したことを特徴とする。
【0021】
【発明の作用および効果】請求項1記載の発明にあって
は、入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラの接
触点におけるスピンSが、ロー側変速比からハイ側変速
比までの変速比範囲において0以上になるようにθ,
φ,kが設定される。
【0022】すなわち、スピンSがロー側変速比からハ
イ側変速比までの変速比範囲にて正の値をとるため、常
にS=|S|となり、変速比が1からロー側またはハイ
側に変化したときに、スピン絶対値|S|は単調減少す
る。
【0023】よって、スピン絶対値|S|と入出力ディ
スクとパワーローラの接触点荷重Fcの増減がほぼ打ち
消し合うため、|S|とFcの積に比例する接触点動力
損失特性をみると、ロー側変速比域及びハイ側変速比域
における接触点動力損失uの増大が無い特性となり、
この結果、ロー側変速比域及びハイ側変速比域における
総動力損失Uを低減することができる。
【0024】請求項2記載の発明にあっては、入力ディ
スク及び出力ディスクとパワーローラの接触点における
スピンSを±0.3の範囲内になるようにθ,φ,kを
設定したもの(以下、従来例)に対し、開き角θが大き
く変更されると共に、パワーローラの曲率半径が小さく
変更される。
【0025】すなわち、開き角θを大きくすることでパ
ワーローラの接触点荷重Fcが低減し、入出力ディスク
及びパワーローラの転がり疲労寿命が延長される。
【0026】そこで、パワーローラの曲率半径を小さく
することにより、入出力ディスクとパワーローラの接触
楕円の面積が小さくなり、これにより、疲労寿命を短く
することなく、接触点動力損失uが低減する。
【0027】請求項3記載の発明にあっては、入出力デ
ィスクに最大入力トルクが作用したときにも入力ディス
ク及び出力ディスクとパワーローラの接触点におけるス
ピンSが、ロー側変速比からハイ側変速比までの変速比
範囲において0以上になるようにθ,φ,kが設定され
る。
【0028】すなわち、入力トルクが大きくなり、パワ
ーローラの接触点荷重Fcが大きくなると、入出力ディ
スクやパワーローラ支持部材等の変形量が大きくなり、
これに伴って、入出力ディスクとパワーローラの接触点
がずれてスピンSが小さくなる。
【0029】よって、この入力トルクによるスピンSの
低下を見越してスピンSの最小値を0より少し大きな値
となるように設定しておくことで、入力トルクが大き
く、変速比がロー側またはハイ側の条件においても、ス
ピンSが負の値をとることがなく、接触点動力損失u
の増大を防止することができる。
【0030】請求項4記載の発明にあっては、パワーロ
ーラの傾転範囲がハイ変速比側にだけ大きく設定され、
かつ、入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラの
接触点におけるスピンSが、変速幅を拡大したハイ側変
速比領域を除く変速比範囲において0以上になるように
θ,φ,kが設定される。
【0031】すなわち、パワーローラの傾転範囲をハイ
変速比側とロー変速比側に拡大することで変速幅を大き
くし、かつ、スピンSを全変速比域において0以上にな
るように設定すると、変速比1におけるスピンSが大き
くなって接触点動力損失uが増大する。また、スピン
Sが負である場合、ハイ変速比に向かうにしたがって接
触点荷重Fcが低下するため、ハイ変速比側での接触点
動力損失uの増大はロー変速比側での接触点動力損失
の増大より小さい。
【0032】よって、傾転範囲をハイ側のみに大きくす
ることで、ロー側での接触点動力損失uの増大を抑え
つつ、ハイ側の変速幅を拡大することができる。
【0033】請求項5記載の発明にあっては、パワーロ
ーラが全変速範囲にわたって傾転したときの入力ディス
ク及び出力ディスクとパワーローラの接触点におけるス
ピンSの最小値が0.1以下になるようにθ,φ,kが
設定される。
【0034】すなわち、スピンSが大きくなると、入力
ディスク及び出力ディスクとパワーローラの接触点にお
ける油膜の温度が高くなり、動力伝達能力が低下する。
ちなみに、変速比ローにおける油膜の温度特性をみる
と、スピンSが0.1を超えるとスピン増加に対する油
膜温度温度上昇の割合が大きくなる。
【0035】よって、スピンSの最小値が0.1以下に
なるようにθ,φ,kを設定することで、使用頻度の高
い最ロー変速比側及び最ハイ変速比側での、入力ディス
ク及び出力ディスクとパワーローラの接触点における油
膜の温度上昇を抑えることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、第一実施
例〜第五実施例により説明する。
【0037】(第一実施例)第一実施例は請求項1,2
に記載された発明に対応するトロイダル型無段変速機で
ある。
【0038】図1はデュアルキャビティによるハーフト
ロイダル型無段変速機(以下、トロイダル型CVT)の
機械的構成を示すスケルトン図であり、このトロイダル
型CVTは、エンジン1の出力軸2にトーショナルダン
パ3を介して連結されたインプットシャフト4と、該シ
ャフト4の外側に遊嵌合された中空シャフト5を有し、
これらのシャフト4,5の軸線上には、第1トロイダル
CVT6及び第2トロイダルCVT7と、入力ディスク
61,71を入力トルクに比例した荷重で押し付けるロ
ーディングカム8とが配設されている。
【0039】上記第1,第2トロイダルCVT6,7
は、ほぼ同一の構成であり、いずれも、対向面がトロイ
ド状の円弧面とされた入力ディスク61,71と出力デ
ィスク62,72とを有し、これらの対向面間に、両デ
ィスク61,62間と両ディスク71,72間でそれぞ
れ動力を伝達するパワーローラ63,73が2つづつ介
設されている。
【0040】そして、エンジン1から遠い方に配置され
た第1トロイダルCVT6は、入力ディスク61が反エ
ンジン側に、出力ディスク62がエンジン側に配置さ
れ、また、エンジン1に近い方に配置された第2トロイ
ダルCVT7は、入力ディスク71がエンジン側に、出
力ディスク72が反エンジン側に配置されており、か
つ、両トロイダルCVT6,7の入力ディスク61,7
1は中空シャフト5の両端部にそれぞれ摺動可能に結合
され、また、出力ディスク62,72(以下、「一体化
出力ディスク60」と記す)は一体化されて、該中空シ
ャフト5の中間部に回転自在に支持されている。
【0041】前記パワーローラ63,73は、トラニオ
ン65,75(パワーローラ支持部材)により、入出力
ディスク61,62の円弧中心と入出力ディスク71,
72の円弧中心に対しそれぞれ傾転可能に支持されてい
る。また、パワーローラ63,73とトラニオン65,
75との間には、パワーローラ63,73をトラニオン
65,75に対して回転可能に支持するパワーローラ軸
受64,74が設けられている。
【0042】前記第1,第2トロイダルCVT6,7の
一体化出力ディスク60の外周には出力ギア9が設けら
れ、この出力ギア9がディファレンシャル装置11のド
ライブギア10と噛み合い、ディファレンシャル装置1
1から左右に延びる駆動軸12a,12bを介して左右
の駆動輪に動力を伝達するようになっている。
【0043】図2はトロイダル型CVTの変速を管理す
る油圧系の機械的構成図であり、第1トロイダルCVT
6の変速系について説明する。第1トロイダルCVT6
での変速は、パワーローラ63を支持するトラニオン6
5を平衡点から上下に変位させることにより行い、この
変位によりパワーローラ63と入出力ディスク61,6
2の回転方向ベクトルに差異が発生してパワーローラ6
3は傾転する。
【0044】前記トラニオン65は、油圧サーボ30の
サーボピストン31とつながっており、油圧サーボ30
のHi側シリンダ30a内の油とロー側シリンダ30b
内の油の差圧で変位する。Hi側シリンダ30aの油圧
とロー側シリンダ30bの油圧はシフトコントロールバ
ルブ46で制御する。
【0045】前記シフトコントロールバルブ46は、バ
ルブ内のスプール46Sが変位することにより、ライン
圧ポート46Lから供給される油をHi側ポート46Hi
又はロー側ポート46Lowの一方に流し、他方のロー側
ポート46Low又はHi側ポート46Hiからドレーンポ
ート46Dへ油を流出させることで油圧サーボ30内の
差圧を変化させる。
【0046】また、前記トラニオン65の一つには、プ
リセスカム35が取り付けられており、プリセスカム3
5には溝が切ってある。プリセスカム35の溝はLリン
ク38の片端に接しており、Lリンク38の片端はIリ
ンク37の片端に自由支持されている。そのためトラニ
オン45の変位と傾転角がIリンク37にフィードバッ
クされる。Iリンク37のもう片端はステップモータ3
6につながっており、先ほどのシフトコントロールバル
ブ46のスプール46SはIリンク37上に自由支持さ
れている。従って、ステップモータ36の変位とプリセ
スカム35からのフィードバックとからスプール46S
の変位は決まる。
【0047】図3は第一実施例でのトロイダル型CVT
の諸元設定を説明する図で、図3において、6は第1ト
ロイダルCVT、8はローディングカム、61は入力デ
ィスク、62は出力ディスク、63はパワーローラ、6
4はパワーローラ軸受、CPはパワーローラ接触点、O
は円弧中心、PAはパワーローラ回転軸、DAはディス
ク回転軸、CRは2つの接触点CP,CPに引いた接線
の交点、Sはスピン、ωはスピン角速度、ωは入力
ディスク角速度、θはパワーローラ接触点CPにおける
法線とパワーローラ回転軸PAがなす開き角、φはパワ
ーローラ傾転角度、Rは入出力ディスク61,62の
円弧半径、eは円弧中心Cからディスク回転軸DAまで
の距離とRの差、R22はパワーローラ曲率半径、Fa
はローディングカム8が入力ディスク61を押し付ける
力、Fcは接触点荷重、Ftはパワーローラ軸受64に
働くスラスト荷重である。なお、図示しないが第2トロ
イダルCVT7も同様の設定となっている。
【0048】この第一実施例では、従来例の考え方を踏
襲し、スピンS(=ω/ω)を下記の式で与えたと
き、 S={sinθ・sinφ−(1+k−cosφ)・c
osθ}/sinθ 入力ディスク61及び出力ディスク62とパワーローラ
63の接触点CP,CPにおけるスピンSが、ロー側変
速比からハイ側変速比までの変速比範囲(2〜0.5)
において±0.3の範囲内になるようにθ,φ,kを設
定した従来例に対し、開き角θを大きくする変更(5
3.6°→55.9°)することにより、ロー側変速比
からハイ側変速比までの変速比範囲(2〜0.5)にお
いてスピンSが0以上になるように設定したものであ
る。
【0049】なお、上記式においてスピンSが0以上の
正の値になる設定とは、パワーローラ63の2つの接触
点CP,CPに引いた接線の交点CRが、図3に示すよ
うに、ディスク回転軸DAよりも遠い位置に存在する設
定と同義である。ちなみに、交点CRがディスク回転軸
DA上に存在する設定がスピンS=0であり、交点CR
がディスク回転軸DAよりも近い位置に存在するとスピ
ンSは負の値となる。
【0050】すなわち、第一実施例での諸元の設定は、
図4に示すように、開き角θを、従来例の53.6°か
ら55.9°へと大きくする設定とし、従来例と同じ変
速比iの範囲を得るためにパワーローラ傾転角度φを、
従来例の27.4°〜79.9°から31°〜81°へ
と範囲を大きい角度側にスライドして設定している。ま
た、k=0.6、i=2〜0.5、R=40mm、R22
=30mmであり、これらの諸元に関しては、従来例と同
じである。ここで、変速比iは、入力ディスク回転数を
Ni、出力ディスク回転数をNoとしたとき、 i=Ni/No である。
【0051】次に、作用を説明する。
【0052】スピンSがロー側変速比からハイ側変速比
までの全変速比範囲にて正の値をとるため、常にS=|
S|となり、図5のスピン絶対値特性に示すように、変
速比iがi=1からロー側またはハイ側に変化したとき
に、スピン絶対値|S|はいずれの変化に対しても単調
に減少する。
【0053】よって、スピン絶対値|S|と入出力ディ
スク61,62とパワーローラ63の接触点荷重Fcの
増減がほぼ打ち消し合うため、|S|とFcの積に比例
する接触点動力損失特性をみると、ロー側変速比域及び
ハイ側変速比域における接触点動力損失uの増大が無
い特性となり、この結果、図5の総動力損失特性に示す
ように、ロー側変速比域及びハイ側変速比域における総
動力損失Uを従来例の総動力損失Uと比較して低減する
ことができる。
【0054】なお、スピンSを全変速比範囲において0
以上に設定していることで、変速比1付近では、図5の
スピン絶対値特性に示すように、スピン絶対値|S|が
従来例のスピン絶対値|S|よりも大きな値となり、|
S|とFcの積に比例する接触点動力損失uが増加す
る。
【0055】しかしながら、軸受動力損失uについて
考えると、パワーローラ軸受64に働くスラスト荷重F
tは、 Ft=2Fc・cosθ で表されるため、従来例に対して開き角θを大きくする
ことでスラスト荷重Ftは低減する。また、軸受動力損
失uはスラスト荷重Ftにほぼ比例するため、軸受動
力損失uは従来例よりも低減する。ちなみに、図6は
開き角θを変えたときの接触点動力損失uと軸受動力
損失uと総動力損失Uの特性図であり、例えば、開き
角θをθ1からθ2まで大きくしたとき、接触点動力損
失uは増大するが、軸受動力損失uは減少し、総動
力損失Uについては、開き角がθ1のときと開き角がθ
2のときとではほとんど変化しない。
【0056】その結果、図5の総動力損失特性に示すよ
うに、接触点動力損失uと軸受動力損失uの和であ
る総動力損失Uは、変速比1付近においても従来例の総
動力損失Uとほとんど変わらない。
【0057】また、スピンSを設定する諸元θ,φ,k
のうち、パワーローラ傾転角度φについては、僅かに変
更することで変速比範囲2〜0.5というように従来例
と変わらない変速比範囲を得ることができるし、また、
キャビティアスペクト比k(=e/R)の変更が無い
ことで変速機の寸法も従来例と変わらないものとなる。
【0058】したがって、第一実施例では、従来例に対
し開き角θの変更設定を行うだけで、スピンSの最大値
は大きくなるが、変速比1付近における総動力損失Uは
従来例とほとんど変わらないまま、ロー側変速比域及び
ハイ側変速比域における総動力損失Uを低減することが
できる。
【0059】加えて、パワーローラ傾転角度φの僅かな
変更調整により変速比範囲を従来例と同じにすることが
でき、さらに、キャビティアスペクト比kは何ら変更す
ることがないため、変速機寸法を従来例と同じにするこ
とができる。つまり、周辺部材との寸法関係を含めた大
幅な設計変更を要することがなく、容易に置き換えて採
用することができる。
【0060】(第二実施例)第二実施例は請求項2に記
載された発明に対応するトロイダル型無段変速機であ
る。
【0061】この第二実施例は、上記従来例に対し、第
一実施例と同様に、開き角θを大きく変更設定(53.
6°→55.9°)し、パワーローラ傾転角度φを変更
設定(27.4°〜79.9°→31°〜81°)する
と共に、変速比1における動定格寿命(JIS B15
18参照)が従来例と同じになるように、パワーローラ
63の曲率半径R22を小さく変更設定(30mm→28.
9mm)したものである。
【0062】すなわち、開き角θを大きくすることでパ
ワーローラ63の接触点荷重Fcが低減する。これは、
図4に示すように、変速比1での接触点荷重Fcが39
540Nから38460Nに低下していることからも明
かである。
【0063】よって、接触点荷重Fcの低減により、入
出力ディスク61,62及びパワーローラ63の転がり
疲労寿命が延長されるが、第一実施例では、開き角θと
パワーローラ傾転角度φ以外の諸元を変更していない。
【0064】そこで、第二実施例では、変速比1におけ
る動定格寿命が従来例と同じになるように、パワーロー
ラ63の曲率半径R22を小さくした。
【0065】作用を説明すると、パワーローラ63の曲
率半径R22を小さくすることにより、入出力ディスク6
1,62とパワーローラ63の接触楕円の面積が小さく
なり、これにより、接触点動力損失uが低減する。
【0066】この結果、図7の総動力損失特性の対比図
に示すように、従来例に比べロー側及びハイ側における
総動力損失Uの増大も無く、変速比1付近においても第
一実施例に比べさらに総動力損失Uを小さく抑えること
ができる。
【0067】(第三実施例)第三実施例は請求項3に記
載された発明に対応するトロイダル型無段変速機であ
る。
【0068】この第三実施例は、入出力ディスク61,
62に最大入力トルクが作用したときにも入力ディスク
61及び出力ディスク62とパワーローラ63の接触点
CPにおけるスピンSが、ロー側変速比からハイ側変速
比までの全変速比範囲において0以上になるようにθ,
φ,kを設定したものである。
【0069】すなわち、図8のスピン特性に示すよう
に、入力トルクが0におけるスピンSの最小値を0より
も大きく設定している。
【0070】作用を説明すると、入力トルクが大きくな
り、パワーローラ63の接触点荷重Fcが大きくなる
と、入出力ディスク61,62の変形量やトラニオン6
5の変形量が大きくなり、これに伴って、入出力ディス
ク61,62とパワーローラ63の接触点CPがずれて
スピンSが小さくなる。
【0071】よって、この入力トルクによるスピンSの
低下を見越してスピンSの最小値を0より少し大きな値
となるように設定しておくことで、入力トルクが大き
く、変速比がロー側またはハイ側の条件においても、ス
ピンSが負の値をとることがなく、接触点動力損失u
の増大を防止することができる。
【0072】(第四実施例)第四実施例は請求項4に記
載された発明に対応するトロイダル型無段変速機であ
る。
【0073】この第四実施例は、パワーローラ63の傾
転範囲をハイ変速比側にだけ大きく設定し、かつ、入力
ディスク61及び出力ディスク62とパワーローラ63
の接触点CPにおけるスピンSを、図9に示すように、
変速幅を拡大したハイ側変速比領域では負の値になる
が、ハイ側変速比領域を除くロー側変速比範囲において
は0以上の正の値になるようにθ,φ,kを設定したも
のである。
【0074】作用を説明すると、例えば、パワーローラ
63の傾転範囲をハイ変速比側とロー変速比側に拡大す
ることで変速幅を大きくし、かつ、スピンSを全変速比
域において0以上になるように設定すると、スピン特性
からも明らかなように、変速比全域で上方に移動する特
性となり、最大値となる変速比1におけるスピンSが大
きくなって接触点動力損失uが増大する。
【0075】しかしながら、第四実施例では、パワーロ
ーラ63の傾転範囲をハイ側のみに大きくしており、i
<0.5のハイ変速比範囲では、スピンSが0以下の負
の値となり、スピン絶対値|S|が増加してゆくが、こ
れまで説明してきたように、接触点荷重Fcも変速比が
ハイ側になるほど低下するため、ハイ変速比側での接触
点動力損失uの増大はそれほど大きなものとはならな
い。
【0076】よって、パワーローラ63の傾転範囲をハ
イ側のみに大きくすることで、ロー側での接触点動力損
失uの増大を抑えつつ、ハイ側の変速幅を拡大するこ
とができる。
【0077】(第五実施例)第五実施例は請求項5に記
載された発明に対応するトロイダル型無段変速機であ
る。
【0078】この第五実施例は、パワーローラ63が全
変速範囲にわたって傾転したときの入力ディスク61及
び出力ディスク62とパワーローラ63の接触点CPに
おけるスピンSの最小値が0.1以下になるようにθ,
φ,kを設定した例である。
【0079】作用を説明すると、パワーローラ軸受64
へのスラスト荷重Ftを低減するために開き角θを大き
くすると、スピンSが大きくなるため、入力ディスク6
1及び出力ディスク62とパワーローラ63の接触点C
Pにおける油膜の温度が高くなり、動力伝達能力が低下
する。
【0080】ちなみに、図10はkとθを変えた場合
の、変速比ローにおける油膜の温度特性を示したもので
ある。図10をみると、スピンSが0.1を超えるとス
ピン増加に対する油膜温度温度上昇の割合が大きくな
る。よって、発進時の動力伝達能力を悪化させないため
には、ロー変速比におけるスピンSを0.1以下にする
必要がある。
【0081】よって、スピンSの最小値が0.1以下に
なるようにθ,φ,kを設定することで、使用頻度の高
い最ロー変速比側及び最ハイ変速比側での、入力ディス
ク61及び出力ディスク62とパワーローラ63の接触
点CPにおける油膜の温度上昇を抑えることができる。
【0082】以上、従来例をベースにスピンSを設定す
るようにした第一実施例〜第五実施例について説明して
きたが、入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラ
の接触点におけるスピンSが、ロー側変速比からハイ側
変速比までの変速比範囲において0以上になるように
θ,φ,kの値を設定したものであれば本発明に含まれ
る。
【0083】また、変速比無限大無段変速機(IVT)
の無段変速機構として採用されるトロイダル型無段変速
機にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例のトロイダル型無段変速機を示すス
ケルトン図である。
【図2】第一実施例のトロイダル型無段変速機の変速制
御系を示す図である。
【図3】第一実施例のトロイダル型無段変速機の諸元設
定を説明する図である。
【図4】従来例と第一実施例と第二実施例の諸元設定の
対比表を示す図である。
【図5】第一実施例と従来例のトロイダル型無段変速機
におけるスピン絶対値特性と総動力損失特性の対比特性
図である。
【図6】第一実施例のトロイダル型無段変速機において
開き角を変化させたときの接触点動力損失特性と軸受動
力損失特性と総動力損失特性を示す特性図である。
【図7】第二実施例のトロイダル型無段変速機における
総動力損失特性を従来例の総動力損失特性及び第一実施
例の総動力損失特性と対比した比較特性図である。
【図8】第三実施例のトロイダル型無段変速機における
スピン特性図である。
【図9】第四実施例のトロイダル型無段変速機における
スピン特性図である。
【図10】第五実施例のトロイダル型無段変速機におけ
るkとθを変えた場合の変速比ローにおける油膜の温度
特性図である。
【図11】従来例のトロイダル型無段変速機の諸元設定
を説明する図である。
【図12】スピンによって接触点に発生するトルクを説
明する図である。
【図13】従来例のトロイダル型無段変速機におけるス
ピン特性図である。
【図14】従来例のトロイダル型無段変速機におけるス
ピン絶対値特性と接触点動力損失特性と接触点荷重特性
を示す図である。
【図15】従来例のトロイダル型無段変速機におけるス
ピン絶対値特性と総動力損失特性を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 出力軸 3 トーショナルダンパ 4 インプットシャフト 5 中空シャフト 6 第1トロイダルCVT 61 入力ディスク 62 出力ディスク 63 パワーローラ 64 パワーローラ軸受 65 トラニオン(パワーローラ支持部材) 7 第2トロイダルCVT 71 入力ディスク 72 出力ディスク 73 パワーローラ 74 パワーローラ軸受 75 トラニオン(パワーローラ支持部材) 8 ローディングカム CP パワーローラ接触点 O 円弧中心 PA パワーローラ回転軸 DA ディスク回転軸 CR 交点 S スピン ω スピン角速度 ω 入力ディスク角速度 θ 開き角 φ パワーローラ傾転角度 R 円弧半径 e 円弧中心Cからディスク回転軸DAまでの距離とR
の差 k キャビティアスペクト比(=e/R) R22 パワーローラ曲率半径 Fa 入力ディスク押し付け力 Fc 接触点荷重 Ft スラスト荷重 i 変速比

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸に対向配置された入力ディスク及び
    出力ディスクと、 前記入力ディスクを入力トルクに比例した荷重で押し付
    けるローディングカムと、 前記入出力ディスクの対向面にそれぞれ形成されたトロ
    イド状の円弧面に動力伝達可能に挟持されるパワーロー
    ラと、 該パワーローラを入出力ディスクの円弧中心に対して傾
    転可能に支持するパワーローラ支持部材と、 前記パワーローラをパワーローラ支持部材に対して回転
    可能に支持するパワーローラ軸受とを備えたトロイダル
    型無段変速機において、 前記入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラの接
    触点での相対滑り角速度、すなわちスピン角速度をω
    とし、入力ディスクの角速度をωとし、その比ω
    ωをスピンSとし、このスピンSを下記の式で与えた
    とき、 S={sinθ・sinφ−(1+k−cosφ)・c
    osθ}/sinθ ただし、θ:入力ディスク及び出力ディスクとパワーロ
    ーラの接触点における法線とパワーローラの回転軸がな
    す角度 φ:パワーローラの傾転角度 k:入出力ディスクの円弧半径をRとし、円弧中心か
    ら入出力ディスク回転軸までの距離とRの差をeとし
    たときの比e/R 上記式にて入力ディスク及び出力ディスクとパワーロー
    ラの接触点におけるスピンSが、ロー側変速比からハイ
    側変速比までの変速比範囲において0以上になるように
    θ,φ,kを設定したことを特徴とするトロイダル型無
    段変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトロイダル型無段変速機
    において、 前記入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラの接
    触点におけるスピンSを±0.3の範囲内になるように
    θ,φ,kを設定したものに対し、開き角θを大きく変
    更すると共に、パワーローラの曲率半径を小さく変更し
    たことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のトロイ
    ダル型無段変速機において、 前記入出力ディスクに最大入力トルクが作用したときに
    も入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラの接触
    点におけるスピンSが、ロー側変速比からハイ側変速比
    までの変速比範囲において0以上になるようにθ,φ,
    kを設定したことを特徴とするトロイダル型無段変速
    機。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のトロイ
    ダル型無段変速機において、 前記パワーローラの傾転範囲をハイ変速比側にだけ大き
    く設定し、かつ、入力ディスク及び出力ディスクとパワ
    ーローラの接触点におけるスピンSが、変速幅を拡大し
    たハイ側変速比領域を除く変速比範囲において0以上に
    なるようにθ,φ,kを設定したことを特徴とするトロ
    イダル型無段変速機。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4に記載のトロイ
    ダル型無段変速機において、 前記パワーローラが全変速範囲にわたって傾転したとき
    の入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラの接触
    点におけるスピンSの最小値が0.1以下になるように
    θ,φ,kを設定したことを特徴とするトロイダル型無
    段変速機。
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