JP2002053345A - 多機能光触媒膜被覆ガラスの製造方法 - Google Patents

多機能光触媒膜被覆ガラスの製造方法

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JP2002053345A
JP2002053345A JP2000241005A JP2000241005A JP2002053345A JP 2002053345 A JP2002053345 A JP 2002053345A JP 2000241005 A JP2000241005 A JP 2000241005A JP 2000241005 A JP2000241005 A JP 2000241005A JP 2002053345 A JP2002053345 A JP 2002053345A
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titanium oxide
glass
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oxide film
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Katsuto Tanaka
勝人 田中
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より備わる熱線反射機能および耐久性を
損ねることなく、光触媒活性機能を発現させ、ガラス基
板表面に付着する汚染有機物質を効果的に分解させる防
汚性と親水性を付加すること。 【解決手段】 キレート配位子として1個以上のオクチ
レングリコールまたはアセチルアセトン、および少なく
とも1個のイソプロポキシ基またはブトキシ基を有する
チタン化合物と、ジオール化合物を2.3〜17.5w
t%含有するチタン化合物溶液を、500℃以上に加熱
されたガラス基板表面に塗布し、熱分解により得られた
膜厚が40〜150nmである熱線反射機能を有する第
一次の酸化チタン被膜を、550〜650℃の温度に再
加熱することにより、光触媒活性機能と親水維持性機能
が付加された第二次の酸化チタン被膜を形成すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用窓ガラス、
車両用窓ガラス等に好適な熱線反射機能、防汚機能およ
び親水性による視認性向上機能を有する高耐久性の多機
能光触媒膜被覆ガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン被膜による熱線反射ガラス
は、建造物や車輌の窓から入射する太陽光線中の熱線を
遮蔽して、冷房負荷の軽減に用いられたり、可視域にお
ける高反射性によって、室内を見え難くしてプライバシ
ーを守る効果もあり、これまでに種々開発され、特許も
多く出願されている。例えば、特開昭54−12232
1号公報には、キレート配位子として1個のオクチレン
グリコールとアセチルアセトンを有する、あるいは、少
なくとも1個のイソプロポキシ基またはブトキシ基を有
するチタン化合物を、ガラス表面で熱分解させ酸化チタ
ンを被膜を形成する方法、また特公平1−30771号
公報には、チタン化合物の出発原料にアセチルアセトン
を添加した後、さらに2−エチル−1,3ヘキサンジオ
ールを添加し、水分に対して安定したチタン化合物溶液
を調製したものが開示されている。
【0003】また、光触媒を再加熱することについて
は、例えば特開平9−70532号公報には、Tiアル
コキシド及びSiアルコキシドを混合した加水分解ゾル
をゲル化後、熱処理温度350〜1200℃で焼成した
のち、アルカリまたは酸で化学処理後、200〜120
0℃の温度で再加熱するチタニア系触媒の製造方法が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭54−122321号公報および特公平1−307
71号公報に記載された酸化チタン被膜が被覆されたガ
ラス板を建造物の窓ガラスなどに用いて、被膜面を屋外
側に暴露するように施工した場合、被膜のない通常の窓
ガラス表面に比べて該被膜面は凹凸があるので大気中の
汚染物質が付着し易くまた取れにくいものとなる。ま
た、これらのガラスを窓枠に固定する際に用いられるシ
リコンシーラントなどのシーリング剤が経時劣化し、シ
ーリング剤に含まれる有機物が雨水と共に流れ落ち、ガ
ラスの外観を著しく損なうことがある。また、特開平9
−70532号公報に記載されたチタニア系触媒の製造
方法は、再加熱することの記載はあるが、窓ガラス用に
適するチタン化合物溶液の記載については何ら開示され
ていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
に鑑みてなしたものであり、特定のチタン化合物よりな
る溶液を加熱されたガラス基板上に塗布して得られた膜
厚が40〜150nmである熱線反射機能を有する第一
次の酸化チタン被膜を、550〜650℃の温度に再加
熱し第二次の酸化チタン被膜を形成させることにより、
従来より備わる熱線反射機能および耐久性を損ねること
なく、光触媒活性機能と親水維持性機能を発現させるこ
とができ、ガラス基板表面に付着するシーリング剤等の
汚染有機物質を効果的に分解させる防汚性と親水性を兼
備した多機能の光触媒膜被覆ガラスの製造方法を提供す
るものである。
【0006】すなわち、本発明の多機能光触媒膜被覆ガ
ラスの製造方法は、キレート配位子として1個以上のオ
クチレングリコールまたはアセチルアセトン、および少
なくとも1個のイソプロポキシ基またはブトキシ基を有
するチタン化合物と、ジオール化合物を 2.3〜1
7.5wt%含有するチタン化合物溶液を、500℃以
上に加熱されたガラス基板表面に塗布し熱分解により得
られた膜厚が40〜150nmである熱線反射機能を有
する第一次の酸化チタン被膜を、550〜650℃の温
度に再加熱することにより光触媒活性機能と親水維持性
機能が付加された第二次の酸化チタン被膜を形成するこ
とを特徴とする。
【0007】また、本発明の多機能光触媒膜被覆ガラス
の製造方法は、チタン化合物がジオール化合物が配位し
たものであることを特徴とする。
【0008】さらに、本発明の多機能光触媒膜被覆ガラ
スの製造方法は、膜面側の可視光反射率が25〜35
%、および日射反射率が20〜30%である熱線反射性
能を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の多機能光触媒膜被覆ガラ
スの製造方法は、例えば、以下の工程により製造するこ
とができる。 (1)500℃以上に加熱したガラス基板表面に、キレ
ート配位子として1個以上のオクチレングリコールまた
はアセチルアセトン、および少なくとも1個のイソプロ
ポキシ基またはブトキシ基を有するチタン化合物と、ジ
オール化合物を2.3〜17.5wt%含有するチタン
化合物溶液を塗布し、熱分解・成膜させて熱線反射機能
を有する第一次の酸化チタン被膜を被覆する工程、
(2)第一次の酸化チタン被膜を550〜650℃の温
度に再加熱することにより光触媒活性機能と親水維持性
機能が付加された第二次の酸化チタン被膜を形成する工
程。
【0010】本発明に用いることができるチタン化合物
としては、ジ・イソ・プロポキシ・ビス・アセチルアセ
トナートチタン、チタニウムステアレートなどがある。
また、チタン化合物に添加するジオール化合物として
は、1,2エタンジオール、2エチル1,3ヘキサンジ
オール、1,2ブタンジオール、1,3ブタンジオー
ル、1,4ブタンジオール、1,2プロパンジオール、
2メチル2,4ペンタンジオール、2,2ジメチル1,
3プロパンジオール、ポリエチレングリコールなどがあ
る。なお、チタニウム・イソ・プロポキシ・オクチレン
グリコレート、チタニウム・イソプロポキシ・オクチレ
ングリコキシ・ジアセチルアセトネートなどのジオール
化合物が配位したチタン化合物を用いれば、ジオール化
合物を添加しなくとも親水維持性を発現させることがで
きるので好ましく、特にチタニウム・イソ・プロポキシ
・オクチレングリコレートはより好ましい。
【0011】これらのチタン化合物およびジオール化合
物よりなる溶液は、500℃以上に加熱されたガラス基
板表面にスプレー等の方法で噴霧することにより熱分解
して第一次の酸化チタン被膜を成膜することができる。
なお、希釈溶媒としては、例えば、炭化水素類、ハロゲ
ン化炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ケトン
類、エステル類、脂肪酸類などの水分を含まないものが
好ましい。
【0012】前記第一次の酸化チタン被膜を形成する際
のチタン化合物に加えるジオール化合物の添加量を塗布
溶液に対して2.3〜17.5wt%とするのは、2.
3wt%未満の添加量だと親水維持性機能が低下し、1
7.5wt%を超える添加量だと成膜速度が低下し生産
性が悪くなるとともに、光触媒活性機能および親水維持
性機能の、いずれもが低下するためである。
【0013】また、第一次の酸化チタン被膜を形成する
際のガラス基板温度を500℃以上とするのは、500
℃未満の基板温度だと有機チタン化合物の熱分解が効率
良く起こらず、未分解物を含む被膜になり、付着強度や
外観を著しく低下させるとともに、光触媒活性機能、熱
線反射機能も低下するためである。なお、基板温度は5
30〜630℃の範囲がより好ましく、630℃以上で
あると、ガラス基板の変形が起こり、映像歪みなどで著
しく外観を損ねることがあり好ましくない。
【0014】次に、第一次の酸化チタン膜が被覆された
ガラス基板を550〜650℃の温度に再加熱し、より
結晶性の高い第二次の酸化チタン被膜を形成させる。5
50℃未満の温度であると、形成される酸化チタン被膜
の結晶性が高くならないために十分な光触媒活性機能が
起こらず、また650℃を超える温度の場合には、ガラ
ス基板中に含まれるアルカリ成分の溶出による酸化チタ
ン被膜の結晶性の低下、あるいは酸化チタンのアナター
ゼ形結晶のルチル形結晶への転移が起こり、十分な光触
媒活性機能が発現しなくなるためである。なお、再加熱
の保持時間としては特に限定するものではないが、5分
間以上、より好ましくは5〜15分間がよい。5分間未
満だと結晶性が高まらず、15分間を超えても結晶性が
それ以上高まらない、あるいは生産性が悪くなる。
【0015】本発明により得られる酸化チタン被膜の膜
厚は、40〜150nmであることが必要であり、40
nm未満の膜厚であると前記の550〜650℃の温度
で再加熱したとしても酸化チタンの結晶性が高まらず、
十分な光触媒活性機能が発現されないとともに熱線反射
機能も低下し、150nmの膜厚を越えると光触媒活性
機能は高まるが、反射色の刺激純度が高くなり、有彩色
の干渉色が現れ外観上好ましくない。また、可視光反射
性能、日射反射性能ともに低下する。なお、外観を考慮
すると、膜厚は50〜100nmがより好ましい。な
お、膜厚は再加熱しても再加熱前とほとんど変化しな
い。
【0016】上記のような再加熱法により得られる結晶
性の高い第二次の酸化チタン被膜は、該被膜の表面が親
水性が維持された状態になっており、一時的に排ガスや
塵埃などの汚れが付着した場合でも、有機分は光触媒効
果で分解されると共に、該被膜表面が親水性になってい
るので雨や人為的に水をかけることで、被膜表面と汚れ
の間に水が入り汚れが浮いて流れ落ちる。
【0017】本発明の方法により得られた光触媒膜被覆
ガラスは、後述する親水維持性の評価において7日後の
接触角が30°以上を維持する優れた親水性と、光触媒
活性の評価においてピーク強度の変化量が10以上の優
れた防汚性と、さらに膜面側の日射射反射率(膜面側)
が20〜30%の優れた熱線反射性能を兼備する多機能
のバランスのとれた高耐久性を有するものである。
【0018】なお、本発明により得られる結晶性の高い
第二次の酸化チタン被膜を有する光触媒被膜被覆ガラス
は、太陽光や蛍光灯などに含まれる紫外線が照射される
と光触媒効果により該被膜表面に付着した有機物を分解
し、被膜の表面を清浄に保つ作用(酸化分解型反応と呼
ばれる)を示すとともに、酸化チタン結晶自体の表面も
親水化(超親水性型反応と呼ばれる)され、後述する実
施例に示す親水維持性の評価において7日後の接触角が
30°以上を維持した優れた親水性と、光触媒活性の評
価においてピーク強度の変化量が10以上の優れた防汚
性を有する。
【0019】従来法の再加熱をしない光触媒作用を有す
る結晶性酸化チタン単体の被膜の場合には、紫外線が照
射されている間は光触媒作用が活発であるが、一旦紫外
線が照射されなくなると、紫外線照射により一旦親水化
されていてもその後の紫外線が遮断されると比較的短時
間に酸化チタン本来の疎水性に戻ってしまうが、本発明
の方法により得られた酸化チタン被膜は、紫外線が遮断
されてもあるいは紫外線強度が弱い状況になっても長期
に親水性を維持する性能を有する特徴がある。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。但し、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。得られたサンプルについて、ビルなどの外
装に用いられる防汚窓材を想定して下記の評価を行っ
た。なお、耐摩耗性、耐酸性、耐アルカリ性はJIS−
R−3221(熱線反射ガラス)のA類に基づき評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0021】(評価方法) 耐摩耗性 JIS R 3221記載の耐摩耗性試験方法に基づ
き、摩耗ホイールCSー10F、荷重500gfでテー
バー式摩耗試験でヘーズ値を評価した。評価は、初期の
ヘーズ値H0と、100回後のヘーズ値H100と、200
回後のヘーズ値がH200がH0≦H100≦H200で、初期と
200回後のヘーズ変化量△H(△H=H200−H0)が
△≦4%である場合を合格(○)とし、H100>H200
たは△H>4%のものを不合格(×)とした。
【0022】耐酸性 JIS R 3221記載の耐酸性試験方法に基づき、
23℃±2℃に保った1規定の塩酸に24時間浸漬後、
流水中でネルで払拭し、乾燥して外観を評価した。評価
は、著しい外観変化がない場合を合格(○)とし、著し
い変色または傷が入った場合或いは膜が剥離したものは
不合格(×)とした。
【0023】耐アルカリ性 JIS R 3221記載の耐アルカリ性試験方法。2
3℃±2℃に保った1規定の水酸化ナトリウム溶液に2
4時間浸漬後、流水中でネルで払拭し、乾燥して外観を
評価した。評価は、著しい外観変化がない場合を合格
(○)とし、著しい変色または傷が入った場合或いは膜
が剥離したものは不合格(×)とした。
【0024】光触媒活性 表面に付いた汚れを分解する能力の光触媒活性をステア
リン酸の分解度で評価した。評価方法は、Parago
n 1000(Perkin−Elmer社製FT−I
R分光装置)を用いて、2910cm-1から2920c
-1に現れるステアリン酸のC−H伸縮振動に起因する
ピーク強度(吸光度A)を、ステアリン酸塗布前Ab
ステアリン酸塗布時A0および紫外線を1時間照射した
後A1についてそれぞれ求め、ピーク強度の変化量:
{(A0−Ab)−(A1−Ab)}×1000を算出しス
テアリン酸の分解度とした(ステアリン酸分解度が大き
いほど光触媒活性は高くなる)。
【0025】なお、ステアリン酸のサンプルへの塗布は
3wt%ステアリン酸−エタノール溶液にサンプルを浸
漬し、8mm/secで引き上げることで行った。紫外
線源にはブラックライトFL15BLB(東芝電気製)
を用いて、サンプル表面の紫外線強度を4mW/cm2
(365nm)とした。評価は、前記ピーク強度の変化
量が10以上の場合を合格(○)とし、10未満を不合
格(×)とした。
【0026】親水維持性 防汚性には、光触媒活性以外に一度親水化された表面が
ある程度親水性が維持されることも重要であり、親水維
持性は、サンプル作製後、7日間紫外線強度1μW/c
2(365nm)以下の環境下の実験室に放置した後
の水に対する接触角で評価した。評価は、7日後の接触
角θがθ≦30゜を合格(○)とし、θ>30゜を不合
格(×)で示した。
【0027】(実施例1)有機チタン化合物としてジ・
イソ・プロポキシ・ビス・アセチルアセトナートチタン
(日本曹達製:以下、TAAと略す)を33.2g、2
エチル1,3ヘキサンジオール(東京化成製:以下、O
Gと略す)を13.6g、2,4ペンタンジオン(キシ
ダ化学製:AA)を4.8g、ジクロルメタン(トクヤ
マ製:以下、DCMと略す)を48.4gを混合して十
分攪拌して、塗布液を得た。次に、よく洗浄した300
mm×300mmで厚み6mmのフロートガラス板(ソ
ーダライムシリケートガラス)を基板とし、600℃に
設定した電気炉中に8分間滞在させ、ガラス板を電気炉
から取り出して直ちに塗布液を30gスプレーして、ガ
ラス基板表面で熱分解させたのち、一旦室温まで冷却し
て均一な酸化チタン被膜を得た。
【0028】得られた膜の屈折率をエリプソメーター
(溝尻光学製DVA−36−S型)で測定したところ
2.300であり、同じくエリプソメーターで測定した
膜厚は67nmであった。また、分光光度計(日立製作
所製U4000型)で膜面側の反射を測定して、JIS
−R−3016に基づく可視光反射率は31.7%で日
射反射率は27.2%であった。 次に、その酸化チタ
ン被膜被覆ガラスを600℃に設定したマッフル電気炉
FP41型(ヤマト科学製)に15分間入れて再加熱処
理することにより結晶性酸化チタン膜を得た。得られた
酸化チタンの結晶は結晶性の高いアナターゼ形結晶であ
った。
【0029】得られた光触媒膜付きガラスを前記に示す
方法で評価した結果、表1に示すように、サンプルは光
触媒活性は14.0と大きく良好であり、また親水維持
性についても24.9°であり、ビルの窓材(膜側が室
外側)に使用しても充分な高耐久性を有するものであっ
た。なお、再加熱後の光触媒膜の屈折率、膜厚、可視光
反射率、日射反射率は再加熱前の数値と同じであった。
また、リファレンスとして被膜のないガラス基板単独の
サンプルを実際に屋外曝露して汚れの付き具合を評価し
たところ、被膜の付いていないガラス基板に比べて格段
に汚れが少ないことが確認できた。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例2)有機チタン化合物としてTA
Aを33.0g、OGを2.3g、DCMを64.8g
を混合して十分攪拌して、塗布液を得た。次に、実施例
1と同様に塗布液を15gスプレーして、ガラス板上で
熱分解させたのち、冷却して均一な酸化チタン被膜を得
た。得られた膜の屈折率は2.166であり、膜厚は6
0nmであった。可視光反射率は28.2%で、日射反
射率は23.1%であった。次に、その酸化チタン被膜
付きガラス板を実施例1と同様に再加熱処理し、結晶性
のよい第二次の酸化チタン被膜を得た。得られた光触媒
膜付きガラスを前記に示す方法で評価した結果、実施例
1と同様に優れた結果が得られた。
【0032】(実施例3)有機チタン化合物としてチタ
ニウム・イソ・プロポキシ・オクチレングリコレート
(日本曹達製:以下、TOGと略す)を29.4g、T
AAを30.6g、DCMを40.0gを混合して十分
攪拌して、塗布液を得た。次に、実施例1と同様に塗布
液を20gスプレーして、ガラス板上で熱分解させたの
ち、冷却して均一な酸化チタン被膜を得た。得られた膜
の屈折率は2.252であり、膜厚は63nmであっ
た。可視光反射率は30.6%で、日射反射率は25.
4%であった。次に、その酸化チタン被膜付きガラス板
を実施例1と同様に再加熱処理し、結晶性のよい第二次
の酸化チタン被膜を得た。得られた光触媒膜付きガラス
を前記に示す方法で評価した結果、実施例1と同様に優
れた結果が得られた。
【0033】(実施例4)実施例3と同様の塗布液で6
30℃に設定した電気炉中に8分間滞在させ、ガラス板
を電気炉から取り出して直ちに塗布液を20gスプレー
して、ガラス板上で熱分解させたのち、冷却して均一な
酸化チタン被膜を得た。得られた膜の屈折率は2.25
5であり、膜厚は65nmであった。可視光反射率は3
1.6%で、日射反射率は27.1%であった。次に、
その酸化チタン被膜付きガラス板を実施例1と同様に再
加熱処理し、結晶性のよい酸化チタン被膜を得た。得ら
れた光触媒膜付きガラスを前記に示す方法で評価した結
果、実施例1と同様に優れた結果が得られた。
【0034】(比較例1)有機チタン化合物としてTA
Aを33.0g、DCMを67.0gを混合して十分攪
拌して、塗布液を得た。次に、実施例1と同様に塗布液
を10gスプレーして、ガラス板上で熱分解させたの
ち、冷却して均一な酸化チタン被膜を得た。得られた膜
の屈折率は2.191であり、膜厚は59nmであっ
た。可視光反射率は28.9%で、日射反射率は23.
6%であった。次に、その酸化チタン被膜付きガラス板
を実施例1と同様に再熱処理した。得られた光触媒膜付
きガラスを前記に示す方法で評価した結果、表1に示す
ように、光触媒活性は15.1と高いものの、親水維持
性が36.4°と大きく、ビルの窓材(膜側が室外側)
として使用するには防汚性に問題があった。
【0035】(比較例2)有機チタン化合物としてTA
Aを39.5g、OGを21.6g、DCMを38.9
gを混合して十分攪拌して、塗布液を得た。次に、実施
例1と同様に塗布液を30gスプレーして、ガラス板上
で熱分解させたのち、冷却して均一な酸化チタン被膜を
得た。得られた膜の屈折率は2.313であり、膜厚は
59nmであった。可視光反射率は32.3%で、日射
反射率は26.6%であった。次に、その酸化チタン被
膜付きガラス板を実施例1と同様に再熱処理した。得ら
れた光触媒膜付きガラスを前記に示す方法で評価した結
果、表1に示すように、親水維持性は19.2とあるも
のの、光触媒活性は5.2と活性はなく、ビルの窓材
(膜側が室外側)として使用するには防汚性に問題があ
った。
【0036】(比較例3)有機チタン化合物としてTA
Aを33.0g、OGを38.3g、DCMを28.7
gを混合して十分攪拌して、塗布液を得た。次に、実施
例1と同様に塗布液を30gスプレーして、ガラス板上
で熱分解させたのち、冷却して均一な酸化チタン被膜を
得た。得られた膜の屈折率は2.328であり、膜厚は
24nmであった。可視光反射率は17.7%で、日射
反射率は14.1%であり、熱線反射機能に劣るもので
あった。次に、その酸化チタン被膜付きガラス板を実施
例1と同様に再熱処理した。得られた光触媒膜付きガラ
スを前記に示す方法で評価した結果、表1に示すよう
に、光触媒活性は7.1と活性はなく、親水維持性は3
3.7と高く、ビルの窓材(膜側が室外側)として使用
するには防汚性に問題があった。
【0037】(比較例4)実施例2と同様の塗布液で4
50℃に設定した電気炉中に8分間滞在させ、ガラス基
板を電気炉から取り出して直ちに塗布液を40gスプレ
ーして、ガラス基板上で熱分解させたのち、冷却して均
一な酸化チタン被膜を得た。得られた膜の屈折率は1.
80であり、膜厚は16nmであった。可視光反射率は
9.3%で、日射反射率は5.7%であり、熱線反射機
能に劣るものであった。次に、その酸化チタン被膜付き
ガラス板を実施例1と同様に再熱処理した。得られた光
触媒膜付きガラスを前記に示す方法で評価した結果、表
1に示すように、光触媒活性は0と活性はなく、また親
水維持性も約59.8°と大きく、ビルの窓材(膜側が
室外側)として使用するには防汚性に問題があった。
【0038】(比較例5)実施例1の酸化チタン被膜付
きガラス板について、再熱処理のみを省いた。得られた
光触媒膜付きガラスを前記に示す方法で評価した結果、
表1に示すように、サンプルは光触媒活性は0と活性は
なく、また親水維持性も約51.0°と大きく、ビルの
窓材(膜側が室外側)として使用するには防汚性に問題
があった。
【0039】(比較例6)実施例2の酸化チタン被膜付
きガラス板について、700℃で再熱処理した。得られ
た光触媒膜付きガラスを前記に示す方法で評価した結
果、表1に示すように、サンプルは光触媒活性は8.0
と活性は小さく、また親水維持性も約48.6°と大き
く、ビルの窓材(膜側が室外側)として使用するには防
汚性に問題があった
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の多機能光触媒被
膜被覆ガラスの製造方法によれば、従来より備わる熱線
反射機能および耐久性を損ねることなく、光触媒活性機
能と親水維持性機能を発現させてガラス基板表面に付着
する汚染有機物質を効果的に分解させる防汚性と親水性
による視認性向上を兼備した多機能の光触媒膜被覆ガラ
スを提供するものであり、建築物の窓ガラスや車両用の
窓ガラスなどの室外側に光触媒膜を使うような耐久性を
要する使用環境でも、十分な耐久性と光触媒による親水
性や防汚性などを有するので、特に好適である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G047 CA02 CB08 CC03 CD02 4G059 AA01 AB11 AC06 AC21 AC22 EA04 EB06 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA14A BA14B BA48A BC50A BC50B BC50C BE06C CA01 CA11 DA06 EA08 FA02 FB23 FB34 FC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キレート配位子として1個以上のオクチレ
    ングリコールまたはアセチルアセトン、および少なくと
    も1個のイソプロポキシ基またはブトキシ基を有するチ
    タン化合物と、ジオール化合物を2.3〜17.5wt
    %含有するチタン化合物溶液を、500℃以上に加熱さ
    れたガラス基板表面に塗布し、熱分解により得られた膜
    厚が40〜150nmである熱線反射機能を有する第一
    次の酸化チタン被膜を、550〜650℃の温度に再加
    熱することにより、光触媒活性機能と親水維持性機能が
    付加された第二次の酸化チタン被膜を形成することを特
    徴とする多機能光触媒膜被覆ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】チタン化合物は、ジオール化合物が配位し
    たものであることを特徴とする請求項1記載の多機能光
    触媒膜被覆ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】膜面側の日射反射率が20〜30%である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の多機能光触媒
    膜被覆ガラスの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1304064C (zh) * 2005-05-19 2007-03-14 河北工业大学 表面有TiO2涂层的钛合金生物医学复合材料及其制备方法
JP2007290958A (ja) * 2006-03-31 2007-11-08 Dainippon Printing Co Ltd 金属酸化物膜の製造方法
JP2008105923A (ja) * 2006-09-29 2008-05-08 Dainippon Printing Co Ltd 金属酸化物膜の製造方法、および積層体
US9494979B2 (en) 2012-08-31 2016-11-15 Sony Corporation Operation detection apparatus

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