JP2002187737A - 建築用或いは産業用酸化物膜付きガラスおよびその製造方法 - Google Patents

建築用或いは産業用酸化物膜付きガラスおよびその製造方法

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JP2002187737A
JP2002187737A JP2000385151A JP2000385151A JP2002187737A JP 2002187737 A JP2002187737 A JP 2002187737A JP 2000385151 A JP2000385151 A JP 2000385151A JP 2000385151 A JP2000385151 A JP 2000385151A JP 2002187737 A JP2002187737 A JP 2002187737A
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Keiji Honjo
啓司 本城
Katsuto Tanaka
勝人 田中
Hideki Yamamoto
秀樹 山本
Yoshihiro Nishida
佳弘 西田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス面に光触媒等の酸化物よりなる機能性
膜を形成する場合に、膜収縮による形状不良、反射歪み
を起こすことなく、外観に優れた所望の形状のガラスを
得ること 【構成】 成膜側ガラス面のガラス周縁より所定幅の外
周部分を除く領域に酸化物膜を形成し、該所定幅の外周
部分を酸化物膜の加熱焼成による収縮力の非影響部とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用ガラス、産
業用ガラス等に用いることが可能な、ビル用窓ガラス等
の建築用或いはショケース用ガラス等の産業用酸化物膜
付きガラスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、快適性、デザイン性、プライバシ
ーの保護、環境安全性の保護等を目的として、ビル用窓
ガラス等の建築用或いはショーケース用ガラス等の産業
用ガラスの表面に熱線遮蔽、紫外線遮蔽、電磁遮蔽性等
の機能性膜を被覆した機能性膜付きガラスが広く採用さ
れている。また最近、酸化チタンの光触媒効果による親
水性、防曇性、防汚性を持った商品が種々開発され、こ
れに関する建築用或いは自動用窓ガラス等に関する特許
も多く出願されている。
【0003】例えば、特許第2756474号公報には
基材表面に光触媒性半導体材料とシリカとを含む光触媒
性被膜を光励起により親水性を呈するようにした親水性
の光触媒性表面を備えた基材が、特開平9−22715
9号公報には基材の表面に接合された透明で光触媒性半
導体材料を含む層を備えた乗り物の前後方窓ガラスが、
特開平10−60665号公報にはチタニアを含む金属
酸化物ゾルおよびゾルの形状が鎖状であるコロイダルシ
リカを含む複合溶液を基板に塗布焼成したチタニアを含
む親水性被膜が、特開平10−231146号公報には
ガラス基材の表面にアルカリ遮断膜および光触媒膜を積
層し該光触媒膜の表面に凹凸が形成された防曇防汚ガラ
ス物品等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、ビル用窓ガラ
ス等の建築用窓ガラスの外側面全面に、湿式法により光
触媒膜を成膜したのち加熱して該光触媒膜の焼成を行う
と、ガラス周縁の所定幅の外周部分の反射光が歪んで見
えるという問題が生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
課題に鑑み種々検討した結果、光触媒膜のような酸化物
膜をガラス周縁まで全面に成膜すると、該酸化物膜の加
熱焼成時に膜の収縮が起こり、その際の収縮力がガラス
周縁部にかかり外周部分の反射光が歪んで見えるのであ
り、ガラス周縁より所定幅の外周部分を除く領域に酸化
物膜を形成すれば、酸化物膜を加熱焼成しても反射歪み
のない良好なガラスが得られことを見出した。
【0006】すなわち、本発明の建築用或いは産業用酸
化物膜付きガラスは、成膜側ガラス面のガラス周縁より
所定幅の外周部分を除く領域に酸化物膜を形成し、該所
定幅の外周部分を酸化物膜の加熱焼成による収縮力の非
影響部としたことを特徴とする。なお、本発明の酸化物
膜付きガラスは、ビル、一戸建て住宅、一般建造物等の
窓ガラス、間仕切りガラス、外装ガラス、トップライ
ト、ベランダ用ガラス、内装ガラス、装飾ガラス等の建
築用ガラス、或いはエスカレータ、エレベーター、ショ
ーケース、電子レンジ用、テーブルトップ等の各種の産
業用ガラス等、車輌用以外のガラスであれば特に限定さ
れるものではない。
【0007】また、本発明の建築用或いは産業用酸化物
膜付きガラスは、酸化物膜はチタニア結晶を含む光触媒
膜よりなり、親水性能及び/又は防汚性能を有すること
を特徴とする。
【0008】さらに、本発明の建築用或いは産業用酸化
物膜付きガラスは、建築用或いは産業用ガラスは、曲げ
及び/又は強化加工が施されてなることを特徴とする。
【0009】また、本発明の建築用或いは産業用酸化物
膜付きガラスの製造方法は、下記の工程により、酸化物
膜付きガラスを製造する際のガラス周縁部への膜の収縮
力による非影響部を形成することを特徴とする。 (1)成膜側のガラス面の周縁より所定幅の外周部分を
除く領域に、酸化物膜形成用コーティング溶液を塗布し
成膜する工程、(2)酸化物膜を成膜したガラスを加熱
焼成することにより酸化物膜を形成する工程。
【0010】さらに、本発明の建築用或いは産業用酸化
物膜付きガラスの製造方法は、成膜した酸化物膜を加熱
焼成すると同時に、ガラスの曲げ加工を行うことを特徴
とする。
【0011】さらにまた、本発明の建築用或いは産業用
酸化物膜付きガラスの製造方法は、酸化物膜を成膜した
のち、加熱焼成する前に加熱焼成する温度より低い温度
である300℃〜620℃の温度で仮焼成することを特
徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の建築用或いは産業用酸化
物膜付きガラスは、成膜側ガラス面のガラス周縁より所
定幅の外周部分を除く領域に酸化物膜を形成することを
特徴とした膜付きガラスに関するものである。用いるこ
とができる酸化物膜としては、Si、Ti、Zr,S
n、Zn、Ta等を少なくとも1種以上含む金属の酸化
物であり、これらの酸化物膜は、目的、用途に応じて熱
線遮蔽膜、紫外線遮蔽膜、親水防曇膜、防汚膜、電磁波
遮蔽膜、無反射膜、電波透過膜、導電膜、装飾膜等の機
能を適宜選択することができる。
【0013】前記酸化物膜を形成する場合、成膜側ガラ
ス面のガラス周縁より所定幅の外周部分を除く領域に酸
化物膜を形成し、該所定幅の外周部分を酸化物膜の加熱
焼成による収縮力の非影響部とすることを特徴とするも
のであり、形成する酸化物膜をガラス面全面に被覆する
と、該膜の焼成時に熱収縮が起こり、反射歪みのない良
好なガラスや、曲げガラスの場合には所定の曲げ曲率形
状が得られないという問題が起こる。なお、酸化物膜を
成膜しない外周部分の領域は、膜の種類、ガラスの曲げ
曲率などに応じて所定の曲げ曲率、反射歪みが得られる
のに十分な幅とする。その幅は10mm以上、好ましく
は15mm以上、が好ましいが、適宜、ガラスサイズ、
ガラスの厚さ、曲げ形状等により選択し得る。
【0014】酸化物膜の形成は、酸化物膜用コーティン
グ液を湿式法によりガラス面に成膜したのち、最終的に
560℃〜700℃の温度で加熱焼成し、Si、Ti、
Zr、Sn、Zn、Ta等の少なくとも1種以上よりな
る金属酸化物よりなる機能性膜をガラス面に強固に固着
させ、耐摩耗性、化学的耐久性等の実用に必要な耐久性
等を付与するようにすることができる。
【0015】酸化物膜としてTiO2結晶を少なくとも含
む光触媒膜を形成する場合には、TiO2結晶が太陽光の
紫外線により光励起され、親水性、防曇性、防汚性等の
機能が充分に発揮されるので、特に建築物の屋外側のガ
ラス面に被覆することが好ましい。なお、TiO2の他の
酸化物としてSiO2、Al23、ZrO2、SnO2、C
eO2等を含むこともでき、ガラス面に使用される耐久
性を考えると、SiO2、Al23、ZrO2を少なくと
も1つ含む膜組成が好ましい。SiO2は、酸化物膜の
耐摩耗性を向上させ、ZrO2は耐アルカリ性や耐水性
などの耐薬品性を向上させる働きがあるためである。な
お、ZrO2を添加するに伴い耐アルカリ性が向上する
以外に、ZrO2の添加が光触媒活性を向上させるので
好ましい。なお、耐アルカリ性については、一般に建築
用窓ガラスの場合には洗浄液としてアルカリ性の液が用
いられることが多いので、耐アルカリ性も重要な性能の
一つである。
【0016】本発明の建築用或いは産業用酸化物膜付き
ガラスは、例えば、下記の工程により製造することがで
きる。 (1)成膜側ガラス面の周縁より所定幅の外周部分を除
く領域に、酸化物膜形成用コーティング溶液を塗布し成
膜する工程、(2)酸化物膜を成膜したガラスを加熱焼
成することにより酸化物膜を形成する工程。
【0017】酸化物膜の成膜方法としては、特に限定さ
れるものではないが、ディップコート法、スピンコート
法、ロールコート法、バーコート法、スプレーコート
法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の一般的な成
膜方法で成膜することができる。印刷法で成膜する場合
は、ガラス周縁の外周部分等をマスキングする必要はな
いが、それ以外の湿式法で成膜する場合は、成膜しない
部分を予めマスキングフィルム或いはUV硬化樹脂等に
よりマスキングする必要がある。
【0018】前記TiO2結晶を少なくとも含む光触媒膜
を形成する場合、TiO2源としては、焼成後にTiO2
結晶を含むものであればよく、特に、市販されているよ
うな粉体状の光触媒用TiO2微粒子或いは薬液を用い
ることも可能であり、粉体状の光触媒用TiO2微粒子
としては、例えば、ST−01、ST−21(石原テク
ノ製)、SSP−25、SSP−20(堺化学工業
製)、PC−101(チタン工業製)、スーパータイタ
ニアF−6、スーパータイタニアF−5(昭和タイタニ
ウム製)、DN−22A(古河機械金属製)などを用い
ることが可能である。また、光触媒用薬液としては、例
えば、STS−01、STS−02(石原テクノ製)、
PC−201(チタン工業製)A−6、M−6(多木化
学製)などを用いることも可能であり、さらに、光触媒
用TiO2微粒子とシリカ原料との混合物であるST−
K01、ST−K03(石原テクノ製)なども用いるこ
とができる。
【0019】また、その他の酸化物用原料としては、例
えば、SiO2原料の場合には、焼成後に酸化ケイ素を
生成するものであればよく、例えば、テトラメトキシシ
ランやテトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン
や、それらの加水分解物や重縮合物およびアセチルアセ
トンなどの安定化剤で安定化したもの、さらに市販のシ
リカ薬液、例えばコルコートP(コルコート製)、MS
H2(三菱化学製)、CSG−DI−0600(チッソ
製)などを用いることが出来、その他の酸化物用原料に
ついても、前記TiO2或いはSiO2と同様に金属アル
コキシドやそれらの加水分解物や重縮合物およびアセチ
ルアセトンなどの安定化剤で安定化したもの等、さらに
市販の薬液等適宜目的に応じて用いることができる。な
お、アルコキシド類を用いた場合には、その加水分解触
媒としての塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸が主に添加され
る。
【0020】コーティング溶液中にはさらに溶媒を含ん
でおり、該溶媒としては、アルコキシドや金属塩を溶解
することが出来る、例えば、メタノール、イソプロピル
アルコール、エタノールなどのアルコール類やエチレン
グリコールオリゴマー、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコールオリゴマー、ヘキシレングリコールな
どのジオール類、水、また、セロソルブ、カルビトール
類等も用いることが可能である。なお、塗布液中には、
例えば増粘剤等他の原料が含まれていても差し支えな
い。
【0021】酸化物膜の膜厚は50nm〜1000nm
であれば、例えば、光触媒膜の場合には形成された光触
媒膜は光触媒活性と高い耐久性を保有するが、より好ま
しくは膜厚を50nm〜500nmにすることにより、
1回の成膜で良好な透光性とさらに高い耐久性を有する
酸化物膜が得られるのでより好ましい。
【0022】また、建築用或いは産業用ガラスは用途に
よっては、曲げ形状を有する、或いはガラスの割れに対
する安全性を考慮しガラスが割れた場合には細片となる
ように強化加工が施されている。この曲げ及び/又は強
化のための熱加工温度は約560〜700℃程度の温度
が適当であり、成膜された酸化物膜の焼成と同じ温度領
域にあるので、成膜された酸化物膜の焼成と同時にガラ
スの曲げ及び/又は強化のための熱加工を行うことが好
ましい。なお、場合によっては、酸化物膜の焼成をした
のちに曲げ及び/又は強化のための熱加工を行うことも
できる。また、前記のような膜焼成、曲げ加工、強化加
工の前に、ガラスが軟化しない温度で、且つ出来るだけ
高温度であり前記焼成温度よりも低い温度である約55
0〜620℃の温度で5〜30分間保持し仮焼成を行う
こともできる。
【0023】ガラスとしては、通常用いられるソーダラ
イムシリケート組成よりなる板ガラスが一般的であり、
クリアやそれ以外のブルーやグレー、ブロンズ、グリー
ンなどのガラス組成自体に着色した着色ガラス、非成膜
側ガラス面に蒸着やスパッタ、プリントなどのコートで
金属膜・金属線条や酸化物膜、樹脂膜などの膜を付ける
こと、エッチングやサンドブラストなどで非成膜側ガラ
ス面を加工することなどの各種加工やそれらを組合せる
ことは構わない。ガラスの厚さは、特に限定するもので
はない。また、本発明の酸化物膜付きガラスを複層ガラ
ス用或いは合わせガラス用に用いることもできる。
【0024】なお、本発明の建築用或いは産業用酸化物
膜付きガラスは、各種建築物の外装用の窓ガラスとして
成膜面を屋外側として使用すると、親水性、防曇性、防
汚性等の機能を充分に発揮できるので好適であるが、そ
の他の部位の窓ガラスにも用いることもできる。また、
本発明の酸化物膜付きガラスは、場合によっては平板で
も差し支えなく、さらに場合によっては強化加工されて
なくてもよい。
【0025】また、酸化物膜付きガラスの酸化物膜を成
膜した中央部分と成膜していない所定幅の外周部分との
差異が目立つ場合には、所定幅の外周部分、特に非成膜
側の外周部分、に着色膜等を形成すると、外観上特に好
ましいものが得られる。なお、成膜側ガラス面に形成す
る光触媒膜等の酸化物膜の可視光反射率や外観の色調が
ガラス基板の色調と異なる場合には、成膜側ガラス面の
酸化物を形成しない外周部分の領域と非成膜側ガラス面
の外周部分の着色膜の領域とが一部重なると、着色膜を
屋外側から見た場合に本来の色調と異なった色調に見え
てしまい外観が悪くなり、また前記外周部分の両領域が
重ならずに間隙が空いている場合には、機能上或いは外
観上好ましくない場合も生じる。
【0026】本発明の建築用或いは産業用酸化物膜付き
ガラスは、酸化物膜としてチタニア結晶を含む光触媒膜
を用いて光触媒機能を持たせることにより、太陽光や蛍
光灯などに含まれる紫外線が照射されると光触媒効果に
より被膜表面に付着した有機物を分解し、被膜の表面を
清浄に保つ作用(酸化分解型反応と呼ばれる)を示すと
ともに、TiO2表面も親水化(超親水性型反応と呼ば
れる)される。この現象により、雨天時の視認性を向上
させる働きを有するので特に好ましい。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。但し、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。なお、得られた酸化物膜付きガラスについ
て、下記の評価を行った 〔評価方法〕 反射歪み 黒色ボードに白線で書いたゼブラパターンを用意し、酸
化物膜付きガラスの成膜側にゼブラパターンを反射させ
る。評価は、酸化物膜が成膜されていない所望の形状の
ガラスと同じ歪みのものを合格(○)、準良品(△)、
不合格(×)とした。
【0028】曲率 所望の形状をかたどった検査台に酸化物膜付きガラスを
載置し、該ガラスの周囲と検査台との隙間(形状のず
れ)を測定した。評価は、形状のずれが2mm以内を合
格(○)、2mmを超えるものについては不合格とし
た。
【0029】(実施例1)下記に示す工程により酸化物
よりなる光触媒膜付きガラスを製造した。
【0030】光触媒膜形成用コーティング溶液の調製 被膜薬液のZrO2源にZrOCl2(キシダ化学製)、
SiO2源にCSG−DI−0600(チッソ製)、光
触媒用のTiO2微粒子源とSiO2源にST−K01
(TiO2:SiO2=8:2重量比、石原テクノ製)を
用いて、溶媒にエタノール(キシダ化学製)と1−メト
キシ−2−プロパノール(キシダ化学製)を用いて、光
触媒膜の酸化物成分比が10ZrO2・40SiO2・5
0TiO2(wt%)になるよう調合した。
【0031】ガラス面への塗布 水と洗剤とセリアとでよく洗浄した250mm×300
mm×3.0mm(厚み)のフロートガラス板(クリア
ー)を素板ガラスとした。次いで、下記で述べる切断
後の最終ガラスの成膜側ガラス面の外周部分に相当する
部分(後述する図1,2で示す外周部分4に相当、一番
狭い箇所で30mm幅、一番広い箇所で50mm幅))
及び非成膜側ガラス面となる全面をマスキングテープに
よりマスキングし、ディップコート法により前記で調
製した被膜薬液を用いてコートし光触媒膜を成膜した。
なお、マスキングテープは成膜直後に除去した。
【0032】産業用窓ガラス(電子レンジ用)の形成 外側ガラス面に光触媒膜を成膜したガラスサンプルを、
ガラス温度で600℃で5分間仮焼成した後、所定形状
にガラスを切断及びガラス端面のシーミングを行った。
続いて、スクリーン印刷法により、内側ガラス面の外周
部分(後述する図1,2で示す12の部分)に所望のデ
ザインを有する黒色セラミック膜(黒色の濃色着色膜)
を形成した。黒色セラミック膜は、Cr,Mn,Cu元
素で構成されたスピネル顔料を含むホウケイ酸鉛フリッ
ト含有ペーストにより成膜した。次いで、650℃で光
触媒膜の焼成とガラスの曲げ/強化加工を同時に行うこ
とにより、酸化物膜、黒色セラミック膜を焼結し、ガラ
ス面に固着させ、膜厚が200nmの光触媒膜(10Z
rO2・40SiO2・50TiO2(wt%))で被膜
された産業用酸化物膜付きガラスを得た。
【0033】得られた酸化物膜付きガラスは、図1(外
側から見た産業用窓ガラスの一部平面図)および図2
(産業用窓ガラスの断面図)に示すように、産業用窓ガ
ラス1は、外側ガラス面2のガラス周縁3より所定の外
周部分4(一番狭い箇所でガラス周縁より30mm幅、
一番広い箇所で50mm幅)を除く中心領域に光触媒膜
5が形成されているとともに内側ガラス面11のガラス
周縁3より外周部分4に相当する外周部分には黒色の濃
色着色膜12が形成されている。
【0034】得られた酸化物膜付き窓ガラスを前記に示
す方法で評価した結果、表1に示すように、サンプルは
所望の反射歪みを有していた。また、親水性、防汚性に
必要な光触媒性能も満たしていた。
【0035】
【表1】
【0036】(実施例2)図3(建築用窓ガラスの断面
図)に示すように、屋外側ガラス面2に形成する光触媒
膜5を、ガラス周縁3より15mm幅の外周部分4を除
く中心領域とした。なお、屋内側外周部には着色膜を形
成しなかった。それ以外は実施例1と同様に行った。結
果、表1に示すように、サンプルは所望の反射歪みと曲
率を有していた。また、性能については、建築用窓ガラ
ス(膜側が屋外側)に使用できるほど高い耐久性を有し
ていた。
【0037】(実施例3)被膜形成領域を、最終的に窓
ガラスとなる所定の形状のガラス周縁より10mm幅の
外周部分を除く中心領域とした以外は実施例1と同様に
行った。結果、表1に示すように、曲率は合格であった
が、反射歪みは実施例1,2と比較して少し悪かった。
【0038】(比較例1)被膜形成領域を外側ガラスの
外面全面とした以外は実施例1と同様に行った。結果、
表1に示すように、反射歪み、曲率共に不合格であっ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明の建築用或いは産業用酸化物膜付
きガラスは、ガラス面に光触媒等の機能性膜を形成する
場合に、膜収縮による形状不良、反射歪みを起こすこと
なく、外観に優れた所望の形状のガラスを得ることがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により得られた産業用窓ガラスの平面
図を示す。
【図2】実施例1により得られた産業用窓ガラスの断面
図を示す。
【図3】実施例2により得られた建築用窓ガラスの断面
図を示す。
【符号の説明】
1 産業用ガラス 2 外側ガラス面 3 ガラス周縁 4 外周部分 5 光触媒膜 11 内側ガラス面 12 濃色着色膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 秀樹 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 (72)発明者 西田 佳弘 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AB06 AC21 AC22 EA04 EB09 4G069 AA03 AA08 BA02B BA04A BA04B BA05B BA48A CD10 DA05 EA11 EB15Y ED02 ED04 FA03 FB23 FB30 FC07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成膜側ガラス面のガラス周縁より所定幅の
    外周部分を除く領域に酸化物膜を形成し、該所定幅の外
    周部分を酸化物膜の加熱焼成による収縮力の非影響部と
    したことを特徴とする建築用或いは産業用酸化物膜付き
    ガラス。
  2. 【請求項2】酸化物膜はチタニア結晶を含む光触媒膜よ
    りなり、親水性能及び/又は防汚性能を有することを特
    徴とする請求項1記載の建築用或いは産業用酸化物膜付
    きガラス。
  3. 【請求項3】建築用或いは産業用ガラスは、曲げ及び/
    又は強化加工が施されてなることを特徴とする請求項1
    又は2記載の建築用或いは産業用酸化物膜付きガラス。
  4. 【請求項4】下記の工程により、酸化物膜付きガラスを
    製造する際のガラス周縁部への膜の収縮力による非影響
    部を形成することを特徴とする建築用或いは産業用酸化
    物膜付きガラスの製造方法。 (1)成膜側のガラス面の周縁より所定幅の外周部分を
    除く領域に、酸化物膜形成用コーティング溶液を塗布し
    成膜する工程、(2)酸化物膜を成膜したガラスを加熱
    焼成することにより酸化物膜を形成する工程。
  5. 【請求項5】成膜した酸化物膜を加熱焼成すると同時
    に、ガラスの曲げ加工及び/又は強化加工を行うことを
    特徴とする請求項4記載の建築用或いは産業用酸化物被
    膜付きガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】酸化物膜を成膜したのち、加熱焼成する前
    に加熱焼成する温度より低い温度である300℃〜62
    0℃の温度で仮焼成することを特徴とする請求項4又は
    5記載の建築用或いは産業用酸化物被膜付きガラスの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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