JP2002052606A - 配向品の連続製造方法および配向品の連続製造金型 - Google Patents

配向品の連続製造方法および配向品の連続製造金型

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JP2002052606A
JP2002052606A JP2000242824A JP2000242824A JP2002052606A JP 2002052606 A JP2002052606 A JP 2002052606A JP 2000242824 A JP2000242824 A JP 2000242824A JP 2000242824 A JP2000242824 A JP 2000242824A JP 2002052606 A JP2002052606 A JP 2002052606A
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resin
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English (en)
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Kotaro Tsuboi
康太郎 坪井
Takehisa Sugaya
武久 菅谷
Junichi Yokoyama
順一 横山
Akihiro Ogawa
彰弘 小川
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配向制御、および、厚肉品の成形や高速成形
が可能であるとともに、冷却を行う際に配向緩和を確実
に抑止することで、得られる配向品の強度や弾性率を向
上させることができる配向品の連続製造方法および配向
品の連続製造金型を提供すること。 【解決手段】 金型内の樹脂流路に供給された熱可塑性
樹脂を少なくとも含有する原料樹脂組成物を、溶融させ
た状態で少なくとも1軸以上の配向方向に延伸配向させ
て成形品形状に成形させた延伸体を得る延伸工程と、前
記延伸工程で得られた延伸体を冷却して配向品を得る冷
却工程とを備えている配向品の連続製造方法において、
前記延伸体の収縮を抑止するように、この延伸体を連続
的に保持しながら少なくとも配向緩和温度以下まで冷却
することを特徴とする構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配向品の連続製造
方法およびこの連続製造方法に用いる金型に関し、詳し
くは、配向緩和を抑止して、配向品の強度や弾性率を向
上させることができる配向品の連続製造方法およびこの
連続製造方法に用いる金型に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の高強度化を狙いとして成
形中に樹脂を延伸させるようにした配向品の製造方法
が、既に特公平4−55379号公報、特表平5−50
1993号公報、特公平2−58093号公報等で開示
されている。しかしながら、上記公報に開示された製造
方法には、それぞれつぎのような問題があった。
【0003】〔特公平4−55379号公報の製造方
法〕この製造方法では、ダイ(金型)の下流側から引抜く
ことによって延伸を行うようになっており、ダイマンド
レル部で原料管を拡径することで付与した周方向への配
向が軸方向への引抜き力により緩和されるため、軸方向
への優先配向となり、配向制御の任意性に劣る。
【0004】〔特表平5−501993号公報の製造方
法〕この製造方法では、成形品の配向状態は、周方向の
みへの配向付与であり、配向制御の任意性が不可能な
上、バッチ式の生産形態であり生産性が低い。
【0005】〔特公平2−58093号公報の製造方
法〕この製造方法は、押出圧力により拡径部へ押し込む
方式であり、引抜き力が不要であるため、配向制御の任
意性が高く、しかも制御の容易性や生産性に優れてい
る。しかしながら、この製造方法の場合、ガラス転移温
度以上融点以下の温度で延伸させるようになっていて、
特に結晶性熱可塑性樹脂ではこの温度領域での弾性率変
化が急激である。
【0006】したがって、均一な延伸を達成しようとす
れば、樹脂温度分布を均一化させる必要があるが、厚肉
品や高速成形では温度の均一化を達成できない。すなわ
ち、厚肉品の成形や高速成形時の成形性に問題がある。
また、この温度領域では弾性率も高いレベルにあるため
に、必要な押出圧力が高く、高粘度な樹脂や高倍率な延
伸を押出機で連続的に達成するのも不可能である。
【0007】一方、連続的に樹脂を延伸させて配向品を
製造する方法が、特表平11−513326号公報に開
示されている。この製造方法は、架橋の導入により、溶
融点温度以上での配向付与が達成できる事から配向の均
一性や連続生産性に優れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
造方法の場合、延伸後に冷却用のマンドレルを設置し配
向緩和の抑止を図ろうとしているが、高分子材料を加熱
延伸するマンドレルと冷却するマンドレルとが別体とな
っているため、これらマンドレル同士間の隙間(間欠部
分)で発生する収縮力は抑止できず配向は緩和してしま
うという問題がある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みて、配向
制御、および、厚肉品の成形や高速成形が可能であると
ともに、冷却を行う際に配向緩和を確実に抑止すること
で、得られる配向品の強度や弾性率を向上させることが
できる配向品の連続製造方法および配向品の連続製造金
型を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の発明にかかる配向
品の連続製造方法(以下、「請求項1の製造方法」と記
す。)は、金型内の樹脂流路に供給された熱可塑性樹脂
を少なくとも含有する原料樹脂組成物を、溶融させた状
態で少なくとも1軸以上の配向方向に延伸配向させて成
形品形状に成形させた延伸体を得る延伸工程と、前記延
伸工程で得られた延伸体を冷却して配向品を得る冷却工
程とを備えている配向品の連続製造方法において、前記
延伸体の収縮を抑止するように、この延伸体を連続的に
保持しながら少なくとも配向緩和温度以下まで冷却する
ことを特徴とする構成とした。
【0011】また、本発明の請求項2に記載の発明にか
かる配向品の連続製造方法(以下、「請求項2の製造方
法」と記す。)は、請求項1に記載の構成に加えて、延
伸工程を行うまでに、原料樹脂組成物を架橋させる架橋
工程を備えた構成とした。また、本発明の請求項3に記
載の発明にかかる配向品の連続製造方法(以下、「請求
項3の製造方法」と記す。)は、請求項2に記載の構成
に加えて、原料樹脂組成物が熱架橋剤を含有している構
成とした。
【0012】また、本発明の請求項4に記載の発明にか
かる配向品の連続製造方法(以下、「請求項4の製造方
法」と記す。)は、請求項1〜請求項3の何れかに記載
の構成に加えて、熱可塑性樹脂が結晶性熱可塑性樹脂で
ある構成とした。また、本発明の請求項5に記載の発明
にかかる配向品の連続製造方法(以下、「請求項5の製
造方法」と記す。)は、請求項1〜請求項4の何れかに
記載の構成に加えて、熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹
脂である構成とした。また、本発明の請求項6に記載の
発明にかかる配向品の連続製造方法(以下、「請求項6
の製造方法」と記す。)は、請求項1〜請求項5の何れ
かに記載の構成に加えて、熱可塑性樹脂がポリエチレン
である構成とした。
【0013】また、本発明の請求項7に記載の発明にか
かる配向品の連続製造金型(以下、「請求項7の金型」
と記す。)は、供給された熱可塑性樹脂を少なくとも含
有する原料樹脂組成物を溶融状態で延伸配向させて略成
形品形状に成形する延伸ゾーンと、前記延伸ゾーンで延
伸配向させた延伸体を冷却する冷却ゾーンとを有し、前
記延伸体を冷却して得られる配向品を連続的に製造する
配向品の連続製造金型において、前記金型の前記延伸体
収縮方向に少なくとも接する面が、前記延伸体の収縮方
向を連続的に保持した状態で、この延伸体を少なくとも
配向緩和温度以下まで冷却可能な長さを有していること
を特徴とする構成とした。
【0014】また、本発明の請求項8に記載の発明にか
かる配向品の連続製造金型(以下、「請求項8の金型」
と記す。)は、請求項7の金型に記載の構成に加えて、
金型が、金型本体とマンドレルとを備えた管状体を製造
する金型であって、前記マンドレルの外表面が金型の延
伸体収縮方向に接する面となっている構成とした。
【0015】本発明において用いられる熱可塑性樹脂
は、特に限定されないが、たとえば、ポリオレフィン樹
脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタク
リレート、ポリカーボネート、ポリエステルが挙げら
れ、これらが単独であるいは混合して用いられる。この
とき、請求項4の製造方法のように、結晶性熱可塑性樹
脂を用いることや、請求項5の製造方法のように、熱可
塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いることが好ま
しい。
【0016】結晶性熱可塑性樹脂としては、L−LDP
E(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポ
リエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、HD
PE(高密度ポリエチレン)等のポリエチレン、ランダ
ムPP(ポリプロピレン)、ホモPP(ポリプロピレ
ン)、ブロックPP(ポリプロピレン)等のポリプロピ
レン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
オキシメチレン、ポリフェニレンスルファイド、エチレ
ンプロピレンジエン等が挙げられる。この中でも特に請
求項6の製造方法のように、熱可塑性樹脂がポリエチレ
ンであることが好ましい。
【0017】また、本発明において、配向品は、原料樹
脂組成物を少なくとも1軸以上の配向方向に延伸配向さ
せていれば特に限定されないが、たとえば、請求項2の
製造方法のように、延伸工程を行う前に、原料樹脂組成
物を架橋させる架橋工程を備えている構成とすると、よ
り強度に優れた配向品を得ることができるため好まし
い。
【0018】架橋工程で行う原料樹脂組成物の架橋方法
としては、特に限定されないが、たとえば、電子線や紫
外線を照射する方法、熱水架橋、熱架橋などの方法が挙
げられる。ただし、厚肉の状態にある原料樹脂組成物を
架橋させるときには、電子線や紫外線を照射させた場
合、この原料樹脂組成物の厚肉中央部分まで電子線や紫
外線が透過しにくく、また、熱水架橋を行った場合も、
熱水の浸透速度が遅いことより、熱架橋を行うのが最も
効果的である。なお、架橋工程を行うときは、架橋工程
と、延伸工程との間に、架橋工程を行う際に高温となっ
た架橋樹脂を延伸させるのに適した温度となるように樹
脂温度を冷却調整するための延伸温度調整工程を設ける
ことが好ましい。
【0019】また、架橋工程を行うときは、請求項3の
製造方法のように、原料樹脂組成物が、熱架橋剤を含有
している構成をしていると、より熱架橋を容易に行うこ
とができるため好ましい。
【0020】熱架橋に使用する熱架橋剤としては、特に
限定されないが、有機過酸化物の使用が可能であり、使
用する熱可塑性樹脂の成形温度や相溶性の観点から適宜
選択することができ、具体的には、ジクミルパーオキサ
イド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イ
ソプロピル)ベンゼン、シクロヘキサンパーオキサイ
ド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ベレレート、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、クミ
ルパーオキシネオデカテート、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカー
ボネート、t−ブチルパーアセテート、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブチルパー
オキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシマレイン
酸、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジクロロアゾジ
カーボンアミド、トリクロロペンタジエン、トリクロロ
メタンスルフォクロリド、メチルエチルケトンパーオキ
サイド等が挙げられ、ジクミルパーオキサイド、α,α
´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)
ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、メチルエチルケトンパーオキサイドが好ましく、ジ
クミルパーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンメチルエチルケ
トンパーオキサイドがより好ましい。
【0021】本発明の製造方法において、架橋樹脂の架
橋度は、5%以上70%以下に限定されるが、その理由
は、架橋度が5%未満の場合、融点以上での延伸で分子
鎖のすり抜けが起こり、70%を越えると、樹脂の伸度
が低下するため、高倍率延伸ができなくなる恐れがある
ためである。なお、本発明で架橋度は、JIS K67
69に準拠して以下の式で示されるゲル分率(%)で表
すことができる。
【0022】
【数1】
【0023】なお、上記式において、溶剤抽出後の試料
重量とは、選択した未架橋状態の熱可塑性樹脂を溶解可
能な溶剤を用いて試料中に残った未架橋状態の樹脂分を
溶解させて、残った不溶分のみの重量である。
【0024】また、本発明の製造方法において配向緩和
温度とは、非晶性熱可塑性樹脂の場合、ガラス転移温度
を意味し、結晶性熱可塑性樹脂の場合、結晶化開始温度
を意味する。すなわち、冷却は、延伸された延伸体を冷
却して配向を凍結させるために行われる。したがって、
冷却は、延伸工程を行うゾーンよりも樹脂の下流側で行
うようにすることが好ましい。
【0025】また、得られる配向品の形状は、特に限定
されず、パイプはもとよりH型や雨樋等の異型成形品を
成形可能な複雑な形状のものも選択することができる。
また、延伸体収縮方向とは、延伸体がパイプ形状をして
いる場合は、その内径側をいい、延伸体がH型や雨樋な
どの凹凸を有する異型成形品形状をしている場合、凹部
側方向をいう。
【0026】また、使用する樹脂の粘度が高く、架橋ゾ
ーンおよび延伸ゾーンで押出圧力が高くなる場合は、熱
架橋ゾーン以降のゾーンにおける樹脂接触面に潤滑剤を
介在させるようにすると、より好適に連続成形を行うこ
とが出来る。
【0027】このとき、金型の樹脂接触面と架橋樹脂と
の間に潤滑剤を介在させるための供給方法としては、特
に限定されないが、たとえば、(1)熱可塑性樹脂中へ
低分子量の潤滑剤を予め混合しておく方法、(2)金型
の樹脂接触面に潤滑剤を供給する方法が挙げられるが、
(2)の方法が潤滑効果の安定性や成形品の長期性能の
観点からより好ましい。
【0028】(1)の方法に用いられる潤滑剤として
は、ワックス、オリゴマー等が挙げられる。 (2)の方法に用いられる潤滑剤としては、エチレンオ
リゴマー、シリコーンオイル、ステアリン酸、ポリエチ
レングリコール、流動パラフィン、低融点ポリマー等が
挙げられ、潤滑膜形成の安定性や耐熱性を考慮すると、
ポリエチレングリコールが好ましい。
【0029】潤滑剤を樹脂接触面に供給する方法として
は、金型の樹脂接触面となる部分を少なくとも多孔質材
料で形成し、潤滑剤に圧力をかけて多孔質材料の背面側
から樹脂接触面の表面に向かって滲み出させる方法、マ
ニホールドで潤滑剤を展開し成形品形状に供給する方法
等が挙げられる。潤滑剤を供給する装置としては、金型
内の圧力に抗して潤滑剤を供給できれば特に限定されな
いが、たとえば、プランジャーポンプやダイヤフラムポ
ンプが挙げられる。
【0030】また、本発明の連続製造方法において、延
伸は、成形品がシートならば幅を拡大し厚みを減少させ
ることによって、成形品がパイプならば、内径を拡大し
厚みを減少させることでどちらかひとつ以上作用により
1軸以上の延伸が達成できる。これらの作用の大小によ
り延伸倍率は任意に制御可能であり、延伸効果の発現す
る面積減少率で5倍以上50倍以下の範囲で選択され
る。
【0031】金型内へ熱可塑性樹脂を供給する方法とし
ては、連続的に熱を熱可塑性樹脂へ付与できる圧力ポン
プを用いて圧送する方法が挙げられる。このような圧力
ポンプとしては、押出機を用いる方法が最も効率的に好
ましい。
【0032】押出機としては、単軸押出機、2軸押出
機、多軸押出機等が可能であるが、請求項3の製造方法
のように、原料樹脂組成物が熱架橋剤を含有している場
合には、これらの中でも熱可塑性樹脂を溶融させ、熱架
橋剤との混合能力に優れる2軸同方向回転押出機が好ま
しい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本発明の配
向品を連続的に製造するのに用いる製造装置の概略図で
ある。図2は、図1に示した製造装置1における配向品
の連続製造金型(以下、「金型」とのみ記す。) 2の構
造を説明するための断面図である。
【0034】図1に示すように、この製造装置1は、金
型2と、押出機3と、冷却手段4とを備えている。ま
た、金型2は、図1および図2に示したように、金型本
体21とマンドレル22とを備えている。
【0035】金型本体21は、図2に示したように、図
1に示した押出機3から押し出される溶融状態の熱可塑
性樹脂と熱架橋剤とを混練した混練物を供給する樹脂供
給口210と、潤滑剤供給口211とを備え、樹脂供給
口210側の端部から中央部に向かって樹脂供給筒部2
12が設けられ、金型本体21の中央部に小径筒部21
3が設けられ、金型本体21の出口側から中央部に向か
って大径筒部214が設けられているとともに、樹脂供
給筒部212と小径筒部213との間に樹脂供給筒部2
12から小径筒部213に向かって徐々に縮径する縮径
筒部215が設けられ、小径筒部213と大径筒部21
4との間に小径筒部213から大径筒部214に向かっ
て徐々に拡径する拡径筒部216が設けられている。
【0036】マンドレル22は、金型本体21の樹脂供
給筒部212に水密に嵌合し、金型本体21とマンドレ
ル22とを一体化した状態にする嵌合部222と、金型
本体21の小径筒部213との間に小径厚肉の管状を形
成する小径軸部223と、金型本体21の大径筒部21
4との間にほぼ成形しようとする管の断面形状と同じ断
面形状をし、その一端が金型本体21の出口217より
も樹脂の押出方向外側に突出している突出部分22aと
なっている大径軸部224と、嵌合部222から小径軸
部223に向かって徐々に縮径した縮径軸部225と、
小径軸部223から大径軸部224に向かって徐々に拡
径した拡径軸部226とを備えている。
【0037】マンドレル22は、一端側である嵌合部2
22で金型本体21に支持されており、他端側である大
径軸部224の一部が金型本体出口217よりも外側に
突出している。すなわち、マンドレル22は、図1に示
したように、金型本体出口21から出てきた延伸体を連
続的に保持した状態で、配向緩和温度以下まで冷却する
だけの長さを有している。
【0038】嵌合部222は、図1および図2に示した
ように、樹脂供給口210に臨む部分から縮径軸部22
5に到る部分の外周面に螺旋溝222aが穿設されてお
り、樹脂供給筒部212との間で、樹脂供給口210か
ら供給される樹脂を、小径軸部223と小径筒部213
との間に分配する分配ゾーン50を形成している。小径
軸部223と小径筒部213との間は、分配された樹脂
を熱架橋させる熱架橋ゾーン51が形成されている。
【0039】また、拡径軸部226と拡径筒部216と
の間は、熱架橋された樹脂を配向させながら延伸した配
向体を形成するようになっている延伸ゾーン52が形成
されている。大径軸部224と大径筒部214との間お
よび大径軸部224の金型本体出口217よりも外側に
突出している部分では、延伸させた樹脂を配向緩和点以
下に冷却するようになっている冷却ゾーン53が形成さ
れている。
【0040】また、マンドレル22は、嵌合部222か
ら小径軸部223に向かって潤滑剤供給路221が穿設
されていて、この潤滑剤供給路221が小径軸部223
の外周面および拡径軸部226の外周面にかけて螺旋状
に設けられた潤滑剤供給溝227に連通している。すな
わち、加圧ポンプ等で潤滑剤が潤滑剤供給溝227を介
して樹脂接触面である小径軸部223および拡径軸部2
26の外周面に供給されるようになっている。
【0041】押出機3は、図3に示したような形で、原
料となる熱可塑性樹脂と架橋剤とを混合した原料樹脂組
成物を金型2へと押出し供給するようになっている。冷
却手段4は、金型本体出口217から送り出されてき
た、マンドレル22の大径軸部224に保持された状態
にある管状賦形物の外周側に、シャワー装置41が約1
0℃の温度に調整された冷却水を吹き付けて、管状賦形
物の冷却を促進するようになっている。
【0042】つぎに、この製造装置1を用いた配向品と
して樹脂管を連続的に製造する配向品の連続製造方法の
一実施形態をその工程順に説明する。 (1) 押出機3で熱可塑性樹脂としてのポリオレフィン
化合物を主成分とするポリオレフィン系樹脂と熱架橋剤
とを混合混練し、得られた混練物を溶融状態にして押出
機の先端から樹脂供給口210に連続的に供給する。
【0043】同時に、潤滑剤供給口211および潤滑剤
供給溝227を介して樹脂接触面である金型本体21の
内周面およびマンドレル22の外周面に熱可塑性樹脂の
流動開始温度以上(流動開始温度+50℃)以下の温
度、10/秒以上200/秒以下の剪断速度での溶融粘
度が300poise以上3000poise以下の範
囲にある熱可塑性樹脂からなる潤滑剤を滲み出させる。
【0044】(2) 樹脂供給口210に供給された混練
物を、螺旋溝222aを介して分配ゾーン50に送り、
厚肉筒状に展開して、熱架橋ゾーン51に送り、混練物
中の熱可塑性樹脂を熱架橋剤によって5%以上70%以
下の架橋度となるように熱架橋させる。 (3) 熱架橋させた管状の架橋ポリオレフィン樹脂を延
伸可能な温度となるように冷却調整し、延伸ゾーン52
に送り拡径軸部226のテーパによって拡径するととも
に、厚みを減少させて1軸以上の延伸を達成する。
【0045】(4) 延伸ゾーン52での延伸によって大
径軸部224と大径筒部214との隙間形状に賦形され
た延伸体としての管状賦形物を冷却ゾーン53で、配向
緩和温度以下、すなわち、結晶化開始温度以下まで形状
を保持したままで冷却し、配向樹脂を冷却固化させる。 (5) このとき、マンドレル22の金型本体出口21
7よりも外側に突出している部分を通過している管状賦
形物の周囲に対して、冷却手段4から常温よりも低い温
度に調整された水を吹き付けて、より効率良い冷却を行
うようにする。
【0046】このようにして得られた樹脂管は、上述し
たように、溶融状態で延伸を行うようにしたので、樹脂
変形力が大幅に低減できる。そして、ポリオレフィン系
樹脂を架橋させてまず分子鎖間に編目構造を作るように
したので、溶融時でも延伸によって分子配向が確保でき
る。また、2軸架橋延伸により樹脂管を成形するとき、
延伸体としての管状賦形物を連続的に保持したまま、こ
の管状賦形物が配向緩和温度以下になるまで冷却できる
ようにマンドレル22の長さを長くしたため、冷却を行
う際に配向緩和を確実に抑止することができ、厚肉精度
が優れた配向品としての樹脂管を得ることができ、この
得られる樹脂管の強度や弾性率を向上させることができ
る。
【0047】また、延伸時に架橋樹脂および延伸樹脂と
金型2の樹脂接触面との間に潤滑剤を常に介在させるよ
うにしたので、架橋樹脂と金型2内の樹脂接触面との間
の摩擦抵抗が低くなり、押出圧力の上昇がない。さら
に、5%以上70%以下の架橋度となるように熱架橋さ
せるようにしたので、分子鎖のすり抜けが起こらず、配
向性に優れている。
【0048】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0049】(実施例1)各部の寸法が以下のようにな
っている図1に示すような金型2と、押出機3とを用意
した。 〔金型本体寸法〕 ・小径筒部213の内径:34.1mm ・大径筒部214の内径:63.0mm 〔マンドレル寸法〕 ・小径軸部223の外径:11.8mm ・大径軸部224の外径:58.8mm 〔押出機〕 ・日本製鋼所社製TEX30α、L/D=51、口径3
2mm
【0050】そして、熱可塑性樹脂としての高密度ポリ
エチレン(密度0.953、メルトフローレート(MF
R)0.03、重量平均分子量268000、融点13
2℃)を押出機に投入するとともに、L/D=35の位
置から熱架橋剤としての2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(日本油脂社製
パーヘキシン25B、193℃半減期時間60秒)を押
出機に高密度ポリエチレン100重量部に対して0.1
重量部の割合で添加し、押出機内で170℃の樹脂温度
で高密度ポリエチレンと2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3とを混合混練し
た。
【0051】得られた混練物を、図3に示したような計
量ポンプ(COREX36/36,Maag社製、21
cc/rev)を介して金型本体21の樹脂供給口21
0から熱架橋ゾーン51が220℃、延伸ゾーン52が
160℃、冷却ゾーン53が80℃に設定された金型2
内に連続的に供給して、配向品として外径63.0m
m、内径58.8mmの配向ポリエチレン管を得た。こ
のとき、マンドレル22の大径軸部224は、外径5
8.8mm、長さ400mmのものを用いた。また、金
型本体出口217の外側に冷却手段4を設け、この冷却
手段4から、大径軸部224に保持された状態で金型本
体出口217から出てきた、延伸ゾーン52で延伸させ
た延伸体としての管状賦形物の外径側に、10℃に温度
調節した水を吹き付け効率良い冷却が行われるようにし
た。
【0052】また、押出延伸にあたっては、潤滑剤とし
てポリエチレングリコール(平均分子量2000、粘度
10.8cSt(at100℃)をプランジャーポンプ
で金型内に供給し、熱架橋ゾーンの直前で樹脂の内外面
に行き渡るようにしておいた。
【0053】なお、押出機としては、スクリュー軸が上
流側から下流側に向かって第一フルフライト形状部−第
一逆フルフライト形状部−第二フルフライト形状部−第
二逆フルフライト形状部を順に備えた押出機を用い、高
圧部 (第一逆フルフライト形状部)と、高圧部 (第二逆
フルフライト形状部)との間に挟まれた低圧部 (第二フ
ルフライト形状部)から2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3を供給するよう
にした。
【0054】(実施例2)マンドレルの長さを200m
mとした以外は、実施例1と同様にして配向ポリエチレ
ン管を連続的に得た。
【0055】(比較例1)マンドレルの長さを50mm
とした以外は、実施例1と同様にして配向ポリエチレン
管を連続的に得た。
【0056】上記実施例1、実施例2、および比較例1
における得られた配向ポリエチレン管のマンドレル出口
での温度および降伏強度を調べ、マンドレル長さおよび
水冷温度と合わせて表1に示した。なお、配向ポリエチ
レン管の降伏強度については、得られた配向ポリエチレ
ン管の軸方向および周方向からJIS K 6774に
準拠したダンベル型の試料を打ち抜き、その後このダン
ベル型の試料を用いて、JIS K 7113に準拠し
て常温下で測定した。
【0057】肉厚精度は、得られた配向ポリエチレン管
の周方向を5mmピッチでマイクロメーターにより厚み
測定し以下の式で算出した。
【0058】
【数2】
【0059】
【表1】
【0060】表1の結果より、実施例1、実施例2か
ら、マンドレルの長さを長くして、延伸体の内径側を保
持した状態で、延伸体を配向緩和温度以下まで冷却する
ようにすると、冷却する際に配向緩和を確実に抑止する
ことができ、得られる配向品の肉厚精度を高め、結果と
して配向品の降伏強度が向上することが分かる。
【0061】
【発明の効果】本発明にかかる配向品の連続製造方法
は、以上のように構成されているので、配向制御、およ
び、厚肉品の成形や高速成形が可能であるとともに、冷
却を行う際に配向緩和を確実に抑止することで、得られ
る配向品の強度や弾性率を向上させることができる。特
に請求項2の製造方法のように、延伸工程を行う以前
に、原料樹脂組成物を架橋させる架橋工程を備えるよう
にすると、より強度的に優れた配向品を得ることができ
る。また、請求項3の製造方法のように原料樹脂組成物
が熱架橋剤を含有している構成とすると、熱架橋を効率
よく行うことができる。さらに、請求項7の金型を用い
ると、本発明の配向品の連続製造方法を容易に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配向品を連続的に製造するのに用いる
製造装置の概略図である。
【図2】図1の装置における金型の内部構造を説明する
ための側面視断面図である。
【図3】押出機から金型内へ原料樹脂組成物が供給され
る仕組みを示した模式図である。
【符号の説明】
1 製造装置 2 金型 21 金型本体 22 マンドレル 3 押出機 4 冷却手段 50 分配ゾーン 51 熱架橋ゾーン 52 延伸ゾーン 53 冷却ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 101:12 B29K 101:12 105:24 105:24 B29L 23:00 B29L 23:00 (72)発明者 小川 彰弘 大阪市北区中崎西2−4−12 積水エンジ ニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA12 AA13 AA15 AA16 AA18 AA22 AA32 AA47 AA50 AA54 AA58 AC24 AE08 GA05 GA06 GC02 4F210 AA03 AA04 AB03 AG08 QA09 QC01 QC05 QC07 QD48 QG04 QG13 QG18 QT03 4J002 AA011 BB011 BB031 EK036 EK046 EK056 EK066 EK076 EK086 FD146

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型内の樹脂流路に供給された熱可塑性樹
    脂を少なくとも含有する原料樹脂組成物を、溶融させた
    状態で少なくとも1軸以上の配向方向に延伸配向させて
    成形品形状に成形させた延伸体を得る延伸工程と、前記
    延伸工程で得られた延伸体を冷却して配向品を得る冷却
    工程とを備えている配向品の連続製造方法において、前
    記延伸体の収縮を抑止するように、この延伸体を連続的
    に保持しながら少なくとも配向緩和温度以下まで冷却す
    ることを特徴とする配向品の連続製造方法。
  2. 【請求項2】延伸工程を行うまでに、原料樹脂組成物を
    架橋させる架橋工程を備えた請求項1に記載の配向品の
    連続製造方法。
  3. 【請求項3】原料樹脂組成物が熱架橋剤を含有している
    請求項2に記載の配向品の連続製造方法。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂が結晶性熱可塑性樹脂である
    請求項1〜請求項3の何れかに記載の配向品の連続製造
    方法。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂である
    請求項1〜請求項4の何れかに記載の配向品の連続製造
    方法。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂がポリエチレンである請求項
    1〜請求項5の何れかに記載の配向品の連続製造方法。
  7. 【請求項7】供給された熱可塑性樹脂を少なくとも含有
    する原料樹脂組成物を溶融状態で延伸配向させて略成形
    品形状に成形する延伸ゾーンと、前記延伸ゾーンで延伸
    配向させた延伸体を冷却する冷却ゾーンとを有し、前記
    延伸体を冷却して得られる配向品を連続的に製造する配
    向品の連続製造金型において、前記金型の前記延伸体収
    縮方向に少なくとも接する面が、前記延伸体の収縮方向
    を連続的に保持した状態で、この延伸体を少なくとも配
    向緩和温度以下まで冷却可能な長さを有していることを
    特徴とする配向品の連続製造金型。
  8. 【請求項8】金型が、金型本体とマンドレルとを備えた
    管状体を製造する金型であって、前記マンドレルの外表
    面が金型の延伸体収縮方向に接する面となっている請求
    項7に記載の配向品の連続製造金型。
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