JP2001079921A - 樹脂配向品の連続製造方法 - Google Patents

樹脂配向品の連続製造方法

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JP2001079921A
JP2001079921A JP25910999A JP25910999A JP2001079921A JP 2001079921 A JP2001079921 A JP 2001079921A JP 25910999 A JP25910999 A JP 25910999A JP 25910999 A JP25910999 A JP 25910999A JP 2001079921 A JP2001079921 A JP 2001079921A
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zone
stretching
crosslinking
extruder
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JP25910999A
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Takehisa Sugaya
武久 菅谷
Kotaro Tsuboi
康太郎 坪井
Junichi Yokoyama
順一 横山
Naoki Ueda
直樹 植田
Akihiro Ogawa
彰弘 小川
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配向制御及び厚肉配向品の成形や高速成形が
可能であると共に、品質のばらつきの少ない樹脂配向品
の製造方法を提供する。 【解決手段】 押出機内で原料樹脂と熱架橋剤とを混練
し、この混練物を押出機から樹脂分配ゾーン8、熱架橋
ゾーン5、延伸ゾーン7、冷却ゾーン6を有するダイ2
へ供給し、熱架橋ゾーン5で押出機から押し出された混
練物中の原料樹脂を熱架橋させる架橋工程と、架橋工程
で得られた架橋樹脂を延伸ゾーン7において、樹脂の厚
み方向の平均温度が軟化温度以上で少なくとも1軸以上
の配向方向に配向させながら、成形品形状に賦形する延
伸工程と、延伸ゾーン7で賦形した賦形物を冷却ゾーン
6で配向緩和温度以下に冷却する冷却工程とを備えた樹
脂配向品の連続製造方法であって、樹脂分配ゾーン8又
は熱架橋ゾーン5における樹脂流路に、樹脂流路が前後
の樹脂流路よりも狭い狭窄部51を少なくとも1か所以
上設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂配向品の連続
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高強度化を狙いとして成形中に樹脂を延
伸させるようにした樹脂配向品の製造方法が、既に特公
平4−55379号公報、特表平5−501993号公
報、特公平2−58093号公報等で開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報等に開示された製造方法には、それぞれ次のような問
題があった。
【0004】〔特公平4−55379号公報記載の製造
方法〕特公平4−55379号公報記載の製造方法にお
いては、ダイの下流側から引抜くことによって延伸を行
うようになっており、ダイマンドレル部で原料管を拡径
することで付与した周方向への配向が軸方向への引抜き
力により緩和されるため、軸方向への優先配向となり、
配向制御の任意性に劣る。
【0005】〔特表平5−501993号公報記載の製
造方法〕特表平5−501993号公報記載の製造方法
においては、成形品の配向状態は、周方向のみへの配向
付与であり、配向制御の任意性が不可能な上、バッチ式
の生産形態であり生産性が低い。
【0006】〔特公平2−58093号公報記載の製造
方法〕特公平2−58093号公報記載の製造方法にお
いては、押出圧力により拡径部へ押し込む方式であり、
引抜き力が不要であるため、配向制御の任意性が高く、
しかも制御の容易性や生産性に優れたものである。しか
しながら、この製造方法の場合、ガラス転移温度以上融
点以下の温度で延伸させるようになっていて、特に結晶
性熱可塑性樹脂ではこの温度領域での弾性率変化が急激
である。
【0007】従って、均一な延伸を達成しようとすれ
ば、樹脂温度分布を均一化させる必要であるが、厚肉品
や高速成形では温度の均一化を達成できない。即ち、厚
肉品の成形や高速成形時の成形性に問題がある。又、こ
の温度領域では弾性率も高いレベルにあるために、必要
な押出圧力が高く、高粘度な樹脂や高倍率な延伸を押出
機で連続的に達成するのも不可能である。
【0008】更に、本出願人は樹脂配向品の製造方法に
ついて、特願平11−112429号により出願してお
り、この特願平11−112429号による製造方法に
おいては、弾性率変化が急激ではない融点以上の温度領
域において、ダイ内の樹脂を延伸し、且つ冷却して配向
を凍結することで連続的に配向品を製造するものである
が、熱架橋を行う場合において、厚み方向の熱移動は樹
脂の熱伝導性に依存するため架橋度の均一性が確保でき
ず、最終配向製品の品質がばらつく恐れがある。又、こ
の問題を解消するため、架橋ゾーンの長さを非常に長く
せざるを得ないこととなり、設備コスト、スペースの点
で改善すべき問題を含む恐れもある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、配向制御及
び厚肉配向品の成形や高速成形が可能であると共に、品
質のばらつきの少ない樹脂配向品の製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1記載の本発明に係る樹脂配向品の連
続製造方法は、押出機内で原料樹脂と熱架橋剤とを混練
し、この混練物を押出機から熱架橋ゾーン、延伸ゾー
ン、冷却ゾーンを有するダイへ供給し、熱架橋ゾーンで
押出機から押し出された混練物中の原料樹脂を熱架橋さ
せる架橋工程と、架橋工程で得られた架橋樹脂を延伸ゾ
ーンにおいて、樹脂の厚み方向の平均温度が軟化温度以
上で少なくとも1軸以上の配向方向に配向させながら、
成形品形状に賦形する延伸工程と、延伸ゾーンで賦形し
た賦形物を冷却ゾーンで配向緩和温度以下に冷却する冷
却工程とを備えた樹脂配向品の連続製造方法であって、
樹脂分配ゾーン又は熱架橋ゾーンにおける樹脂流路に、
樹脂流路が前後の樹脂流路よりも狭い狭窄部が少なくと
も1か所以上設けたことを特徴とするものである。
【0011】又、請求項2記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法は、請求項1記載の樹脂配向品の連続
製造方法において、原料樹脂が、結晶性熱可塑性樹脂で
あることを特徴とするものである。
【0012】又、請求項3記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法は、請求項2に記載の樹脂配向品の連
続製造方法において、結晶性熱可塑性樹脂がポリオレフ
ィンであることを特徴とするものである。
【0013】又、請求項4記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法は、請求項3に記載の樹脂配向品の連
続製造方法において、ポリオレフィンがポリエチレンで
あることを特徴とするものである。
【0014】又、請求項5記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法は、請求項1記載の樹脂配向品の連続
製造方法において、狭窄部の樹脂流路の壁面温度が、使
用する架橋剤の1分半減期温度の−10℃以上であって
70℃以下であることを特徴とするものである。
【0015】請求項1記載の本発明において用いられる
原料樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ
オレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
メチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステ
ルが挙げ、これらが単独であるいは混合して用いられ
る。
【0016】特に、請求項2〜4記載の本発明方法のよ
うに、結晶性熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。結
晶性熱可塑性樹脂としては、L−LDPE(直鎖状低密
度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、
MDPE(中密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポ
リエチレン)等のポリエチレン、ランダムPP(ポリプ
ロピレン)、ホモPP(ポリプロピレン)、ブロックP
P(ポリプロピレン)等のポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシメチレ
ン、ポリフェニレンスルファイド、エチレンプロピレン
ジェン等が挙げられる。
【0017】請求項1記載の製造方法において、軟化温
度以上とは、非結晶性熱可塑性樹脂の場合はガラス転移
温度以上を意味し、結晶性熱可塑性樹脂の場合は結晶化
ピーク温度以上、好ましくは融解ピーク温度以上を意味
する。
【0018】又、請求項1記載の製造方法において、配
向緩和温度以下とは、非晶性熱可塑性樹脂の場合、ガラ
ス転移温度以下を意味し、結晶性熱可塑性樹脂の場合、
結晶化開始温度以下を意味する。即ち、冷却は、延伸さ
れた賦形物を冷却して配向を凍結させるために行われ
る。
【0019】本発明の連続製造方法において、熱架橋剤
としては、特に限定されないが、有機過酸化物の使用が
可能であり、使用する原料樹脂の成形温度や相溶性の観
点から適宜選択することができ、具体的には、ジクミル
パーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキ
シ−m−イソプロピル)ベンゼン、シクロヘキサンパー
オキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ(t−
ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ベレレート、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、クミルパーオキシネオデカテート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ
アリルカーボネート、t−ブチルパーアセテート、2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブ
チルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシ
マレイン酸、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジクロ
ロアゾジカーボンアミド、トリクロロペンタジエン、ト
リクロロメタンスルフォクロリド、メチルエチルケトン
パーオキサイド等が挙げられ、ジクミルパーオキサイ
ド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソ
プロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイドが好
ましく、ジクミルパーオキサイド、α,α´−ビス(t
−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンメチ
ルエチルケトンパーオキサイドがより好ましい。
【0020】架橋樹脂の架橋度は、5%以上70%以下
が好ましく、その理由は、架橋度が5%未満の場合、融
点以上での延伸で分子鎖のすり抜けが起こり易く、70
%を越えると、樹脂の伸度が低下するため、高倍率延伸
ができなくなる恐れがあるためである。なお、本発明で
架橋度は、以下の式で示されるゲル分率(%)で表すこ
とができる。
【0021】
【数1】
【0022】尚、上記式において、溶剤抽出後の試料重
量とは、選択した未架橋状態の原料樹脂を溶解可能な溶
剤を用いて試料中に残った未架橋状態の樹脂分を溶解さ
せて、残った不溶分のみの重量である。
【0023】本発明方法において、押出機としては、単
軸押出機、2軸押出機、多軸押出機等が使用可能である
が、本発明に係る製造方法のように押出機中で原料樹脂
と熱架橋剤とを混練する場合には、これらの中でも原料
樹脂を溶融させ、熱架橋剤との混合能力に優れる2軸同
方向回転押出機が好ましい。
【0024】本発明方法においては、樹脂配向品の形状
は特に限定されないが、例えば、パイプ、シートはもと
より断面H形や雨樋等の異形成形品等である。
【0025】本発明の製造方法において、前後の樹脂流
路よりも狭い狭窄部の樹脂流路の間隙は0.5〜10.
0mmの範囲内にあることが好ましい。狭窄部の樹脂流
路の間隙が0.5mm未満の場合には、樹脂圧力が過大
となり連続的な押出が困難となる恐れがある。又、狭窄
部の樹脂流路の間隙が10.0mmを越える場合には、
狙いとする架橋度の均一性を確保するためには、非常に
長い架橋ゾーンが必要となる恐れがある。又、この架橋
ゾーンの長さは、押出量や原料樹脂の種類により決定さ
れるが、ある程度の長さを有する方が望ましい。
【0026】又、前後の樹脂流路よりも狭い狭窄部は樹
脂分配ゾーン及び熱架橋ゾーンのいずれに設けられてい
てもよいが、周方向の均一性を考慮すると、狭窄部は熱
架橋ゾーンに設けられるのが好ましい。又、狭窄部の樹
脂流路は螺旋状に設けられていてもよく、押出方向に平
行に設けられていてもよい。
【0027】又、本発明の連続製造方法において、延伸
は、成形品がシートならば幅を拡大し厚みを減少させる
ことによって、成形品がパイプならば、内径を拡大し厚
みを減少させることでどちらか一つ以上の作用により1
軸以上の延伸が達成できる。これらの作用の大小により
延伸倍率は任意に制御可能であり、延伸効果の発現する
面積減少率で5倍以上50倍以下の範囲で選択される。
【0028】本発明においては、原料樹脂としてポリオ
レフィン化合物を使用する場合には適宜添加剤が添加さ
れていても構わない。即ち、酸化防止剤、耐光剤、紫外
線吸収剤、滑剤等、難燃剤、帯電防止剤、等の添加剤
は、所望の物性を得るために適宜用いられる。
【0029】結晶核剤となりうるものを少量添加して、
結晶を微細化して、物性を均一化する補助とすることも
可能である。又、フィラー、顔料を物性の低下をきたさ
ない範囲で用いることが可能である。例えば、ガラス繊
維、カーボン繊維、アスベスト等の繊維状フィラーや、
クルク、マイカ、モンモリナイト、酸化アルミニウム、
等が例示される。
【0030】請求項5記載の発明において、狭窄部の樹
脂流路の壁面温度が、使用する架橋剤の1分半減期温度
の−10℃以上であって70℃以下であり、狭窄部の樹
脂流路の壁面温度が、使用する架橋剤の1分半減期温度
の−10℃未満の場合には、ゾーン長が非常に長くな
り、又、使用する架橋剤の1分半減期温度の70℃を越
える場合には、潤滑剤の劣化を誘発し、連続成形が困難
となる。
【0031】〔作用〕請求項1記載の本発明に係る樹脂
配向品の連続製造方法においては、樹脂分配ゾーン又は
熱架橋ゾーンにおける樹脂流路に、樹脂流路が前後の樹
脂流路よりも狭い狭窄部が少なくとも1か所以上設けた
ので、熱架橋を支配する熱量を、熱伝導によるもののみ
ならず、流路壁面での剪断応力による粘性散逸から発生
するものも利用できる。又、狭窄部の樹脂流路が狭いの
で、熱伝導による熱量移動も短時間に行われる。このた
め、厚み方向の温度均一性が優れており、且つ効率的で
あり、架橋度の均一性が短時間で達成でき、延伸ゾーン
の延伸も高い均一性が得られる。従って、配向品の品質
はばらつきが少ない。又、樹脂流路が前後の樹脂流路よ
りも狭い狭窄部を設けることにより温度の均一化を図る
ため、装置の長さも短小化できる。
【0032】又、請求項2記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、原料樹脂が結晶性熱可塑
性樹脂であるので、高強度の配向品を製造することがで
きる。
【0033】又、請求項3記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、結晶性熱可塑性樹脂がポ
リオレフィンであるので、高強度であって安価な配向品
を容易に製造することができる。
【0034】又、請求項4記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、ポリオレフィンがポリエ
チレンであるので、一層高強度であって安価な配向品を
容易に製造することができる。
【0035】又、請求項5記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、狭窄部の樹脂流路の壁面
温度が、使用する架橋剤の1分半減期温度の−10℃以
上であって70℃以下であるので、ゾーン長が適度の長
さを備え、安定的な連続成形が可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明に係る
樹脂配向品の製造方法の一実施態様を示す断面図であ
る。
【0037】図1に示すように、本発明方法において
は、押出機1とダイ2の間の樹脂流路3に計量ポンプ4
を設けている。11は押出機1の原料樹脂投入用のホッ
パー、12は架橋剤投入口、41は計量ポンプ4の駆動
モーター、42は制御盤、43は駆動モーター41の回
転数を設定する回転数設計機、31は計量ポンプ4の上
流側の樹脂流路3に設けられた圧力検出センサー、32
は計量ポンプ4の下流側の樹脂流路3に設けた圧力検出
センサーである。ダイ2は図2に示すように、ダイ本体
21と、マンドレル22とを備えている。
【0038】ダイ本体21は、押出機1から押し出され
る溶融状態の原料樹脂及び架橋剤を供給する樹脂供給口
211と、潤滑剤供給口212とを備え、樹脂供給口2
11側の端部から中央部に向かって小径筒部213が設
けられ、ダイ本体21の出口側から中央部に向かって大
径筒部214が設けられていると共に、小径筒部213
と大径筒部214との間に小径筒部213から大径筒部
214に向かって徐々に拡径する拡径筒部215が設け
られている。
【0039】マンドレル22は、ダイ本体21の小径筒
部213の端部から小径筒部213の略中央部に掛け
て、小径筒部213に水密に嵌合し、ダイ本体21とマ
ンドレル22とを一体化した状態にする嵌合部221
と、小径筒部213の残部との間に小径厚肉の管状をし
た熱架橋ゾーン5を形成する小径軸部222と、ダイ本
体21の大径筒部214との間にほぼ成形しようとする
管の断面形状と同じ断面形状をした冷却ゾーン6を形成
する大径軸部223と、小径軸部222から大径軸部2
23に向かって徐々に拡径し、拡径筒部215との間に
延伸ゾーン7を形成する拡径軸部224とを備えてい
る。
【0040】嵌合部221においては、樹脂供給口21
1に臨む部分から小径軸部222との境界に到る部分の
外周面に、樹脂供給口211から供給される樹脂を熱架
橋ゾーン5へ導く螺旋溝2211が穿設されている。
【0041】又、マンドレル22は、嵌合部221から
小径軸部222に向かって潤滑剤供給路225が穿設さ
れていて、この潤滑剤供給路225が小径軸部222の
外周面及び拡径軸部224の外周面にかけて螺旋状に設
けられた潤滑剤供給溝226に連通している。
【0042】即ち、加圧ポンプ等で潤滑剤が潤滑剤供給
溝226を介して樹脂接触面である小径軸部222及び
拡径軸部224の外周面に供給されるようになってい
る。尚、8は樹脂分配ゾーンである。
【0043】51は熱架橋ゾーン5に設けられた狭窄部
であり、狭窄部51においては、図3に拡大して示すよ
うに、狭窄部51の樹脂流路511は前後の樹脂流路5
12、513よりも狭いものである。
【0044】次に、本発明の実施例を説明する。 〔実施例1〕押出機1として日本製鋼所社製の商品名
「TEX30α」、L/D=51、口径32mmを使用
した。ダイ2として次の寸法を備えたものを使用した。 ダイ2の小径軸部222の外径d1:11.8mm ダイ2の小径筒部213の内径D1:34.1mm ダイ2の大径軸部223の外径d2:58.8mm ダイ2の大径筒部214の内径D2:63.0mm 狭窄部51の樹脂流路511の間隙S1:3.0mm 狭窄部51の樹脂流路511の前方の樹脂流路の間隙S
2:11.15mm 狭窄部51の樹脂流路511の後方の樹脂流路の間隙S
3:11.15mm
【0045】原料樹脂としての高密度ポリエチレン(密
度0.953、メルトフローレート(MFR)0.0
3、重量平均分子量268000、融点132℃)を押
出機1に投入すると共に、L/D=35の位置から熱架
橋剤としての2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルペルオキシ)ヘキシン−3(日本油脂社製パーヘキシ
ン25B、193℃半減時間60秒)を押出機1に高密
度ポリエチレン100重量部に対して0.1重量部の割
合で添加し、押出機1内で170℃の樹脂温度で高密度
ポリエチレンと2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルペルオキシ)ヘキシン−3とを混合混練した後、得
られた混合物を、ダイ2と押出機1との間に設置された
ギヤポンプ4を介してダイ本体21の樹脂供給口211
から熱架橋ゾーン5が220℃、延伸ゾーン7が160
℃、冷却ゾーン6が80℃に設定されたダイ2内に連続
的に供給し、外径63.0mm、内径58.8mmの配
向ポリエチレン管Pを連続的に得た。
【0046】又、潤滑剤としてポリエチレングリコール
(平均分子量2000、粘度10.8cSt(100
°))を使用し、この潤滑剤をプランジャーポンプでダ
イ2内に供給し、熱架橋ゾーン5の直前で樹脂の内外面
に行き亘るようにした。尚、押出機1としては、スクリ
ュー軸が上流側から下流側に向かって第1フルフライト
形状部−第1逆フルフライト形状部−第2フルフライト
形状部−第2逆フルフライト形状部を順に備えた押出機
1を使用し、高圧部(第1逆フルフライト形状部)と、
高圧部(第2逆フルフライト形状部)との間に挟まれた
低圧部(第2フルフライト形状部)から熱架橋剤を供給
するようにした。
【0047】〔実施例2〕狭窄部51の樹脂流路511
の間隙S1を1.0mmにしたこと以外は実施例1と同
様として配向ポリエチレン管を得た。
【0048】〔実施例3〕狭窄部51の樹脂流路511
の間隙S1を9.0mmにしたこと以外は実施例1と同
様として配向ポリエチレン管を得た。
【0049】〔比較例〕熱架橋ゾネーン5に狭窄部を設
けないこと以外は実施例1と同様として配向ポリエチレ
ン管を得た。
【0050】〔評価〕実施例1〜3及び比較例で得られ
た配向ポリエチレン管の周方向強度、軸方向強度、延伸
均一性、平均ゲル分率(厚み方向3点、軸方向3点、計
9点の平均)、引張破断点伸度を調べ、表1に示した。
【0051】尚、周方向強度(降伏強度)及び軸方向強
度(降伏強度)については、得られた配向ポリエチレン
管の軸方向及び周方向からJIS K 6774に準拠
したダンベル型の試料を使用してJIS K 6774
に準拠して常温下で測定した。
【0052】ゲル分率は、JIS K 6769に準拠
して120°に沸騰したキシレンを使用して不溶分抽出
を行うことによって測定した。延伸の均一性について
は、得られた配向ポリエチレン管をそれぞれ周方向から
6か所ずつ、厚み方向には外周部、厚み中心の2か所、
計12か所の試料を切り出し屈折率を測定し、そのバラ
ツキで評価した。
【0053】
【表1】
【0054】表1から分かるように、本発明の実施例は
比較例に比較して強度等において優れていた。
【0055】以上、本発明の実施の形態を図により説明
したが、本発明の具体的な実施の形態は図示の実施の形
態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない
範囲の設計変更は本発明に含まれる。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の本発明に係る樹脂配向品
の連続製造方法においては、熱架橋を支配する熱量を、
熱伝導によるもののみならず、流路壁面での剪断応力に
よる粘性散逸から発生するものも利用できる。又、狭窄
部の樹脂流路が狭いので、熱伝導による熱量移動も短時
間に行われる。このため、厚み方向の温度均一性が優れ
ており、且つ効率的であり、架橋度の均一性が短時間で
達成でき、延伸ゾーンの延伸も高い均一性が得られる。
従って、配向品の品質はばらつきが少ない。又、樹脂流
路が前後の樹脂流路よりも狭い狭窄部を設けることによ
り温度の均一化を図るため、装置の長さも短小化でき
る。
【0057】又、請求項2記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、高強度の配向品を製造す
ることができる。
【0058】又、請求項3記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、高強度であって安価な配
向品を容易に製造することができる。
【0059】又、請求項4記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、一層高強度であって安価
な配向品を容易に製造することができる。
【0060】又、請求項5記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、ゾーン長が適度な長さを
備え、安定的な連続成形が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂配向品の連続製造方法の実施態様
を示す説明図。
【図2】ダイを拡大して示す断面図。
【図3】図2のAの部分を更に拡大して示す断面図。
【符号の説明】
1 押出機 2 ダイ 21 ダイ本体 211 樹脂供給口 212 潤滑剤供給口 213 小径筒部 214 大径筒部 215 拡径筒部 22 マンドレル 221 嵌合部 222 小径軸部 223 大径軸部 224 拡径軸部 225 潤滑剤供給路 226 潤滑剤供給溝 3 流路 31、32 圧力検出センサー 4 ギヤポンプ(昇圧押し込み装置) 5 熱架橋ゾーン 51 狭窄部 511、512、513 樹脂流路 6 冷却ゾーン 7 延伸ゾーン 8 樹脂分配ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 直樹 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 (72)発明者 小川 彰弘 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F207 AA05 AB03 AB07 AG08 KA01 KA17 KK45 KK52 KK90 KL05 KL57

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機内で原料樹脂と熱架橋剤とを混練
    し、この混練物を押出機から樹脂分配ゾーン、熱架橋ゾ
    ーン、延伸ゾーン、冷却ゾーンを有するダイへ供給し、
    熱架橋ゾーンで押出機から押し出された混練物中の原料
    樹脂を熱架橋させる架橋工程と、架橋工程で得られた架
    橋樹脂を延伸ゾーンにおいて、樹脂の厚み方向の平均温
    度が軟化温度以上で少なくとも1軸以上の配向方向に配
    向させながら、成形品形状に賦形する延伸工程と、延伸
    ゾーンで賦形した賦形物を冷却ゾーンで配向緩和温度以
    下に冷却する冷却工程とを備えた樹脂配向品の連続製造
    方法であって、樹脂分配ゾーン又は熱架橋ゾーンにおけ
    る樹脂流路に、樹脂流路が前後の樹脂流路よりも狭い狭
    窄部が少なくとも1か所以上設けたことを特徴とする樹
    脂配向品の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 原料樹脂が、結晶性熱可塑性樹脂である
    ことを特徴とする請求項1記載の樹脂配向品の連続製造
    方法。
  3. 【請求項3】 結晶性熱可塑性樹脂がポリオレフィンで
    あることを特徴とする請求項2に記載の樹脂配向品の連
    続製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンがポリエチレンであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の樹脂配向品の連続製造
    方法。
  5. 【請求項5】 狭窄部の樹脂流路の壁面温度が、使用す
    る架橋剤の1分半減期温度の−10℃以上であって70
    ℃以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂配向
    品の連続製造方法。
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