JP2001079926A - 樹脂配向品の連続製造方法 - Google Patents

樹脂配向品の連続製造方法

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JP2001079926A
JP2001079926A JP25911299A JP25911299A JP2001079926A JP 2001079926 A JP2001079926 A JP 2001079926A JP 25911299 A JP25911299 A JP 25911299A JP 25911299 A JP25911299 A JP 25911299A JP 2001079926 A JP2001079926 A JP 2001079926A
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resin
zone
cooling
extruder
stretching
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JP25911299A
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English (en)
Inventor
Akihiro Ogawa
彰弘 小川
Kotaro Tsuboi
康太郎 坪井
Takehisa Sugaya
武久 菅谷
Junichi Yokoyama
順一 横山
Naoki Ueda
直樹 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配向制御及び厚肉配向品の成形や高速成形が
可能な樹脂配向品の製造方法を提供する。 【解決手段】 押出機内で原料樹脂と熱架橋剤とを混練
し、この混練物を押出機から熱架橋ゾーン5、延伸ゾー
ン7、冷却ゾーン6を有するダイ2へ供給し、熱架橋ゾ
ーン5で押出機から押し出された混練物中の原料樹脂を
熱架橋させる架橋工程と、架橋工程で得られた架橋樹脂
を延伸ゾーン7において、樹脂の融点以上で少なくとも
1軸以上の配向方向に配向させながら、成形品形状に賦
形する延伸工程と、延伸ゾーン7で賦形した賦形物を冷
却ゾーン6で配向緩和温度以下に冷却する冷却工程とを
備えた樹脂配向品の連続製造方法であって、ダイの樹脂
接触面と架橋樹脂との間に潤滑剤を介在させ、樹脂配向
品を冷却後に洗浄、払拭する工程を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂配向品の連続
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高強度化を狙いとして成形中に樹脂を延
伸させるようにした樹脂配向品の製造方法が、既に特公
平4−55379号公報、特表平5−501993号公
報、特公平2−58093号公報等で開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報等に開示された製造方法には、それぞれ次のような問
題があった。
【0004】〔特公平4−55379号公報記載の製造
方法〕特公平4−55379号公報記載の製造方法にお
いては、ダイの下流側から引抜くことによって延伸を行
うようになっており、ダイマンドレル部で原料管を拡径
することで付与した周方向への配向が軸方向への引抜き
力により緩和されるため、軸方向への優先配向となり、
配向制御の任意性に劣る。
【0005】〔特表平5−501993号公報記載の製
造方法〕特表平5−501993号公報記載の製造方法
においては、成形品の配向状態は、周方向のみへの配向
付与であり、配向制御の任意性が不可能な上、バッチ式
の生産形態であり生産性が低い。
【0006】〔特公平2−58093号公報記載の製造
方法〕特公平2−58093号公報記載の製造方法にお
いては、押出圧力により拡径部へ押し込む方式であり、
引抜き力が不要であるため、配向制御の任意性が高く、
しかも制御の容易性や生産性に優れたものであるもの
の、ガラス転移温度以上融点以下の温度で延伸させるよ
うになっていて、特に結晶性熱可塑性樹脂ではこの温度
領域での弾性率変化が急激である。
【0007】従って、均一な延伸を達成しようとすれ
ば、樹脂温度分布を均一化させる必要であるが、厚肉品
や高速成形では温度の均一化を達成できない。即ち、厚
肉品の成形や高速成形時の成形性に問題がある。又、こ
の温度領域では弾性率も高いレベルにあるために、必要
な押出圧力が高く、高粘度な樹脂や高倍率な延伸を押出
機で連続的に達成するのも不可能である。
【0008】更に、本出願人は樹脂配向品の製造方法に
ついて、特願平11−112429号により出願してお
り、この特願平11−112429号による製造方法に
おいては、弾性率変化が急激ではない融点以上の温度領
域において、ダイ内の樹脂を延伸し、且つ冷却して配向
を凍結することで連続的に配向品を製造するものである
が、冷却工程において、原料樹脂が流動開始温度以下に
冷却された場合に樹脂とダイの樹脂接触面との潤滑効果
が得にくく、摩擦抵抗が増加しやすいため、生産性の面
から好ましくなかった。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、上記の問題
を解決し、配向制御及び厚肉配向品の成形や高速成形が
可能な樹脂配向品の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1記載の本発明に係る樹脂配向品の連
続製造方法は、押出機内で原料樹脂と熱架橋剤とを混練
し、この混練物を押出機から熱架橋ゾーン、延伸ゾー
ン、冷却ゾーンを有するダイへ供給し、熱架橋ゾーンで
押出機から押し出された混練物中の原料樹脂を熱架橋さ
せる架橋工程と、架橋工程で得られた架橋樹脂を延伸ゾ
ーンにおいて、樹脂の融点以上で少なくとも1軸以上の
配向方向に配向させながら、成形品形状に賦形する延伸
工程と、延伸ゾーンで賦形した賦形物を冷却ゾーンで配
向緩和温度以下に冷却する冷却工程とを備えた樹脂配向
品の連続製造方法であって、ダイの樹脂接触面と架橋樹
脂との間に潤滑剤を介在させ、樹脂配向品を冷却後に洗
浄、払拭する工程を備えていることを特徴とするもので
ある。
【0011】又、請求項2記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法は、請求項1記載の樹脂配向品の連続
製造方法において、潤滑剤の粘度が、60〜160℃の
温度範囲内において、0.03〜300poiseの範
囲内にある常温で液状の潤滑剤であることを特徴とする
ものである。
【0012】又、請求項3記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法は、請求項1又は2に記載の樹脂配向
品の連続製造方法において、原料樹脂が結晶性熱可塑性
樹脂であることを特徴とするものである。
【0013】請求項1記載の本発明において用いられる
原料樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ
オレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
メチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステ
ルが使用でき、これらが単独であるいは混合して使用で
きる。
【0014】特に、請求項3記載の発明のように結晶性
熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。結晶性熱可塑
性樹脂としては、L−LDPE(直鎖状低密度ポリエチ
レン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、MDPE
(中密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレ
ン)等のポリエチレン、ランダムPP(ポリプロピレ
ン)、ホモPP(ポリプロピレン)、ブロックPP(ポ
リプロピレン)等のポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリフ
ェニレンスルファイド、エチレンプロピレンジエン等が
挙げられる。
【0015】請求項1記載の製造方法において、配向緩
和温度以下とは、非晶性熱可塑性樹脂の場合、ガラス転
移温度以下を意味し、結晶性熱可塑性樹脂の場合、結晶
化開始温度以下を意味する。即ち、冷却は、延伸された
賦形物を冷却して配向を凍結させるために行われる。
【0016】本発明の連続製造方法において、熱架橋剤
としては、特に限定されないが、有機過酸化物の使用が
可能であり、使用する原料樹脂の成形温度や相溶性の観
点から適宜選択することができ、具体的には、ジクミル
パーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキ
シ−m−イソプロピル)ベンゼン、シクロヘキサンパー
オキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ(t−
ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ベレレート、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、クミルパーオキシネオデカテート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ
アリルカーボネート、t−ブチルパーアセテート、2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブ
チルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシ
マレイン酸、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジクロ
ロアゾジカーボンアミド、トリクロロペンタジエン、ト
リクロロメタンスルフォクロリド、メチルエチルケトン
パーオキサイド等が挙げられ、ジクミルパーオキサイ
ド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソ
プロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイドが好
ましく、ジクミルパーオキサイド、α,α´−ビス(t
−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンメチ
ルエチルケトンパーオキサイド、等のジアルキルパーオ
キサイド系化合物がより好ましい。
【0017】特に、架橋剤がジアルキルパーオキサイド
系化合物であることが好ましい。ジアルキルパーオキサ
イドは樹脂としてポリオレフィンを使用した場合には、
ポリオレフィンに相溶しやすく、架橋を効率的に行うこ
とが可能である。
【0018】本発明においては、架橋助剤を使用しても
よく、架橋助剤としては、多官能性のもの、即ち、官能
基がビニル基である多官能性モノマーが好適に使用でき
る。
【0019】請求項1記載の発明において、ダイの樹脂
接触面と架橋樹脂との間に潤滑剤を介在させるには、潤
滑効果の安定性や配向品の長期性能維持の観点からダイ
の樹脂接触面に潤滑剤を供給する。
【0020】潤滑剤としては、エチレンオリゴマー、シ
リコンオイル、ステアリン酸、ポリエチレングリコー
ル、流動パラフィン等が使用でき、潤滑膜形成の安定性
や潤滑剤の耐熱性からはポリエチレングリコールがより
好ましい。
【0021】潤滑剤をダイの樹脂接触面に供給する手段
としては、ダイの樹脂接触面を多孔質材料で構成し、潤
滑剤に圧力を加えて多孔質材料の背面からダイの多孔質
材料の微細孔を通して樹脂接触面に滲み出させる手段や
マニホールドにより潤滑剤を展開しダイの樹脂接触面に
供給する手段等が使用できる。
【0022】潤滑剤をダイの樹脂接触面に供給する装置
としては、ダイ内の樹脂圧に抗して潤滑剤を供給するこ
とができる装置であればよいものであって、特に限定さ
れないが、例えば、プランジャポンプやダイヤフラムポ
ンプ等が使用できる。
【0023】樹脂配向品を洗浄、払拭する方法は、特に
限定されないが、樹脂配向品に連続的に水を噴射させる
ことにより洗浄する方法、樹脂配向品を水中に潜らせる
ことにより洗浄する方法、洗浄した後、樹脂配向品に圧
縮空気を吹きつけて払拭する方法、樹脂配向品を熱風で
乾燥させる方法等が使用できる。
【0024】常温で液状の潤滑剤の粘度は、60〜16
0℃の温度範囲内において、0.03poise未満の
場合には、凝集力が小さいため潤滑膜を均一に分布させ
るのが困難となり、300poiseを越えると潤滑効
果が大して期待できないため請求項2記載の発明のよう
に、60〜160℃の温度範囲内において、0.03〜
300poiseの粘度範囲が好ましく、なかでも0.
04〜250poiseの粘度範囲がより好ましい。
【0025】請求項3記載の発明においては、架橋樹脂
の架橋度は、5〜70%であり、その理由は、架橋度が
5%未満の場合、融点以上での延伸で分子鎖のすり抜け
が起こり易く、70%を越えると、樹脂の伸度が低下す
るため、高倍率延伸ができなくなる恐れがあるためであ
る。尚、本発明において、架橋度は、以下の式で示され
るゲル分率(%)で表すことができる。
【0026】
【数1】
【0027】尚、上記式において、溶剤抽出後の試料重
量とは、選択した未架橋状態の原料樹脂を溶解可能な溶
剤を用いて試料中に残った未架橋状態の樹脂分を溶解さ
せて、残った不溶分のみの重量である。
【0028】本発明方法において、押出機としては、単
軸押出機、2軸押出機、多軸押出機等が使用可能である
が、本発明に係る製造方法のように押出機中で原料樹脂
と熱架橋剤とを混練する場合には、これらの中でも原料
樹脂を溶融させ、熱架橋剤との混合能力に優れる2軸同
方向回転押出機が好ましい。
【0029】本発明方法においては、樹脂配向品の形状
は特に限定されないが、例えば、パイプ、シートはもと
より断面H形や雨樋等の異形成形品等である。
【0030】又、本発明の連続製造方法において、延伸
は、成形品がシートならば幅を拡大し厚みを減少させる
ことによって、成形品がパイプならば、内径を拡大し厚
みを減少させることでどちらか一つ以上の作用により1
軸以上の延伸が達成できる。これらの作用の大小により
延伸倍率は任意に制御可能であり、延伸効果の発現する
面積減少率で5倍以上50倍以下の範囲で選択される。
【0031】本発明においては、原料樹脂としてポリオ
レフィン化合物を使用する場合には適宜添加剤が添加さ
れていても構わない。即ち、酸化防止剤、耐光剤、紫外
線吸収剤、滑剤等、難燃剤、帯電防止剤、等の添加剤
は、所望の物性を得るために適宜用いられる。
【0032】結晶核剤となりうるものを少量添加して、
結晶を微細化して、物性を均一化する補助とすることも
可能である。又、フィラー、顔料を物性の低下をきたさ
ない範囲で用いることが可能である。例えば、ガラス繊
維、カーボン繊維、アスベスト等の繊維状フィラーや、
クルク、マイカ、モンモリナイト、酸化アルミニウム、
等が例示される。
【0033】〔作用〕請求項1記載の本発明に係る樹脂
配向品の連続製造方法においては、ダイの樹脂接触面と
架橋樹脂との間に潤滑剤を介在させ、樹脂配向品を冷却
後に洗浄、払拭する工程を備えているので、樹脂配向品
から潤滑剤を除去することができる。
【0034】又、請求項2記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、潤滑剤の粘度が、60〜
160℃の温度範囲内において、0.03〜300po
iseの範囲内にある常温で液状の潤滑剤であるから、
潤滑膜を均一に分布させることが可能となり、押出圧力
の上昇を低減することができ、生産性向上を図ることが
できる。
【0035】又、請求項3記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、原料樹脂が結晶性熱可塑
性樹脂であるので、高倍率延伸が可能であり、高強度の
配向品の製造が可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明に係る
樹脂配向品の製造方法の一実施態様を示す断面図であ
る。
【0037】図1に示すように、本発明方法において
は、押出機1とダイ2の間の樹脂流路3に計量ポンプ4
を設けている。11は押出機1の原料樹脂投入用のホッ
パー、12は架橋剤投入口、41は計量ポンプ4の駆動
モーター、42は制御盤、43は駆動モーター41の回
転数を設定する回転数設計機、31は計量ポンプ4の上
流側の樹脂流路3に設けられた圧力検出センサー、32
は計量ポンプ4の下流側の樹脂流路3に設けた圧力検出
センサーである。ダイ2は図2に示すように、ダイ本体
21と、マンドレル22とを備えている。
【0038】ダイ本体21は、押出機1から押し出され
る溶融状態の原料樹脂及び架橋剤を供給する樹脂供給口
211と、潤滑剤供給口212とを備え、樹脂供給口2
11側の端部から中央部に向かって小径筒部213が設
けられ、ダイ本体21の出口側から中央部に向かって大
径筒部214が設けられていると共に、小径筒部213
と大径筒部214との間に小径筒部213から大径筒部
214に向かって徐々に拡径する拡径筒部215が設け
られている。
【0039】マンドレル22は、ダイ本体21の小径筒
部213の端部から小径筒部213の略中央部に掛け
て、小径筒部213に水密に嵌合し、ダイ本体21とマ
ンドレル22とを一体化した状態にする嵌合部221
と、小径筒部213の残部との間に小径厚肉の管状をし
た熱架橋ゾーン5を形成する小径軸部222と、ダイ本
体21の大径筒部214との間にほぼ成形しようとする
管の断面形状と同じ断面形状をした冷却ゾーン6を形成
する大径軸部223と、小径軸部222から大径軸部2
23に向かって徐々に拡径し、拡径筒部215との間に
延伸ゾーン7を形成する拡径軸部224とを備えてい
る。
【0040】嵌合部221においては、樹脂供給口21
1に臨む部分から小径軸部222との境界に到る部分の
外周面に、樹脂供給口211から供給される樹脂を熱架
橋ゾーン5へ導く螺旋溝2211が穿設されている。
【0041】又、マンドレル22は、嵌合部221から
小径軸部222に向かって潤滑剤供給路225が穿設さ
れていて、この潤滑剤供給路225が小径軸部222の
外周面及び拡径軸部224の外周面にかけて螺旋状に設
けられた潤滑剤供給溝226に連通している。
【0042】即ち、加圧ポンプ等で潤滑剤が潤滑剤供給
溝226を介して樹脂接触面である小径軸部222及び
拡径軸部224の外周面に供給されるようになってい
る。尚、8は樹脂分配ゾーンである。
【0043】次に、本発明の実施例を説明する。 〔実施例1〕押出機1として日本製鋼所社製の商品名
「TEX30α」、L/D=51、口径32mmを使用
した。ダイ2として次の寸法を備えたものを使用した。 ダイ2の小径軸部222の外径d1:11.8mm ダイ2の小径筒部213の内径D1:34.1mm ダイ2の大径軸部223の外径d2:58.8mm ダイ2の大径筒部214の内径D2:63.0mm
【0044】原料樹脂としての高密度ポリエチレン(密
度0.953、メルトフローレート(MFR)0.0
3、重量平均分子量268000、融点132℃)を押
出機1に投入すると共に、L/D=35の位置から熱架
橋剤としての2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3(日本油脂社製パーヘキ
サン25B、193℃半減期時間60秒)を押出機1に
高密度ポリエチレン100重量部に対して0.1重量部
の割合で添加し、押出機1内で170℃の樹脂温度で高
密度ポリエチレンと2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3とを混合混練し
た後、得られた混合物を、ダイ2と押出機1との間に設
置された計量ポンプ4を介してダイ本体21の樹脂供給
口211から熱架橋ゾーン5が220℃、延伸ゾーン7
が150℃、冷却ゾーン6が100℃に設定されたダイ
2内に連続的に供給し、外径63.0mm、内径58.
8mmの配向ポリエチレン管を連続的に得た。
【0045】又、潤滑剤としてポリエチレングリコール
(平均分子量15000、粘度128.8poise
(60℃)、17poise(160℃))を使用し、
この潤滑剤をプランジャーポンプでダイ2内に供給し、
熱架橋ゾーン5の直前で樹脂の内外面に行き亘るように
した。尚、押出機1としては、スクリュー軸が上流側か
ら下流側に向かって第1フルフライト形状部−第1逆フ
ルフライト形状部−第2フルフライト形状部−第2逆フ
ルフライト形状部を順に備えた押出機1を使用し、高圧
部(第1逆フルフライト形状部)と、高圧部(第2逆フ
ルフライト形状部)との間に挟まれた低圧部(第2フル
フライト形状部)から熱架橋剤を供給するようにした。
【0046】〔実施例2〕潤滑剤をポリエチレングリコ
ール(平均分子量5000、粘度5.8poise(6
0℃)、0.5poise(160℃))を使用したこ
と以外は実施例1と同様にして配向ポリエチレン管を得
た。
【0047】〔実施例3〕潤滑剤をポリエチレングリコ
ール(平均分子量1000、粘度0.27poise
(60℃)、0.04poise(160℃))を使用
したこと以外は実施例1と同様にして配向ポリエチレン
管を得た。
【0048】〔実施例4〕潤滑剤をポリエチレングリコ
ール(平均分子量200、粘度0.04poise(6
0℃)、0.01poise(160℃))を使用した
こと以外は実施例1と同様にして配向ポリエチレン管を
得た。
【0049】〔実施例5〕潤滑剤をポリカプロラクトン
(ダイセル化学社製、平均分子量40000、粘度32
00poise(60℃)、900poise(60
℃))を使用したこと以外は実施例1と同様にして配向
ポリエチレン管を得た。
【0050】〔比較例〕潤滑剤を使用しなかったこと以
外は実施例1と同様にして配向ポリエチレン管を得よう
とした。
【0051】〔評価〕実施例1〜5及び比較例における
押出圧力及び得られた配向ポリエチレン管のゲル分率、
延伸均一性を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】表1から分かるように、本発明の実施例に
おいては、配向ポリエチレン管は良好に架橋され、延伸
均一性も優れていた。これに対し、比較例においては、
押出は不可能であった。
【0054】以上、本発明の実施の形態を図により説明
したが、本発明の具体的な実施の形態は図示の実施の形
態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない
範囲の設計変更は本発明に含まれる。
【0055】
【発明の効果】請求項1記載の本発明に係る樹脂配向品
の連続製造方法においては、樹脂配向品から潤滑剤を除
去することができるので、美麗を樹脂配向品を製造する
ことができる。
【0056】又、請求項2記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、潤滑膜を均一に分布させ
ることが可能となり、押出圧力の上昇を低減することが
でき、生産性向上を図ることができる。
【0057】又、請求項3記載の本発明に係る樹脂配向
品の連続製造方法においては、高倍率延伸が可能であ
り、高強度の配向品の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂配向品の連続製造方法の実施態様
を示す説明図。
【図2】ダイを拡大して示す断面図。
【符号の説明】
1 押出機 2 ダイ 21 ダイ本体 211 樹脂供給口 212 潤滑剤供給口 213 小径筒部 214 大径筒部 215 拡径筒部 22 マンドレル 221 嵌合部 222 小径軸部 223 大径軸部 224 拡径軸部 225 潤滑剤供給路 226 潤滑剤供給溝 3 流路 31、32 圧力検出センサー 4 ギヤポンプ(昇圧押し込み装置) 5 熱架橋ゾーン 6 冷却ゾーン 7 延伸ゾーン 8 樹脂分配ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 順一 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 (72)発明者 植田 直樹 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AB03 AB07 AG08 AR06 AR17 CA27 CB02 CM82 CN01 CN05 4F203 AB03 AB07 AG08 AR06 AR17 DA08 DA12 DB02 DC01 DC13 DC27 DF16 DN17 DN24 DW38 4F207 AB03 AB07 AG08 AR06 AR17 KA01 KA17 KF14 KK04 KK45 KL86 KM21 KW50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機内で原料樹脂と熱架橋剤とを混練
    し、この混練物を押出機から熱架橋ゾーン、延伸ゾー
    ン、冷却ゾーンを有するダイへ供給し、熱架橋ゾーンで
    押出機から押し出された混練物中の原料樹脂を熱架橋さ
    せる架橋工程と、架橋工程で得られた架橋樹脂を延伸ゾ
    ーンにおいて、樹脂の融点以上で少なくとも1軸以上の
    配向方向に配向させながら、成形品形状に賦形する延伸
    工程と、延伸ゾーンで賦形した賦形物を冷却ゾーンで配
    向緩和温度以下に冷却する冷却工程とを備えた樹脂配向
    品の連続製造方法であって、ダイの樹脂接触面と架橋樹
    脂との間に潤滑剤を介在させ、樹脂配向品を冷却後に洗
    浄、払拭する工程を備えていることを特徴とする樹脂配
    向品の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 潤滑剤の粘度が、60〜160℃の温度
    範囲内において、0.03〜300poiseの範囲内
    にある常温で液状の潤滑剤であることを特徴とする請求
    項1記載の樹脂配向品の連続製造方法。
  3. 【請求項3】 原料樹脂が結晶性熱可塑性樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂配向品の連
    続製造方法。
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