JP2002051797A - 固定化酵素及びサイクロイソマルトオリゴ糖の製造法 - Google Patents

固定化酵素及びサイクロイソマルトオリゴ糖の製造法

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JP2002051797A
JP2002051797A JP2000243634A JP2000243634A JP2002051797A JP 2002051797 A JP2002051797 A JP 2002051797A JP 2000243634 A JP2000243634 A JP 2000243634A JP 2000243634 A JP2000243634 A JP 2000243634A JP 2002051797 A JP2002051797 A JP 2002051797A
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Hiroshi Kawamoto
啓 河本
Tetsuya Oguma
哲哉 小熊
Satoru Kitao
悟 北尾
Hiroshi Sekine
廣 関根
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 しょ糖に、デキストランシュークラーゼ
(DSase)及びサイクロイソマルトオリゴ糖グルカ
ノトランスフェラーゼ(CITase)を同時に作用さ
せることによるサイクロイソマルトオリゴ糖(CI)の
製造法、DSase及びCITaseを同一担体に固定
化した固定化酵素、担体がキトサン由来の多孔性ビーズ
である前記固定化酵素、前記固定化酵素を用いて酵素反
応させることによるしょ糖からのCIの製造法及び前記
固定化酵素を用いて酵素反応させることによるCI糖の
製造法。 【効果】 しょ糖からCIを効率よく生産することがで
きる優れた固定化酵素及び酵素反応法を提供することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デキストランシュ
ークラーゼ(以下、DSaseと略称する。)及びサイクロ
イソマルトオリゴ糖グルカノトランスフェラーゼ(以
下、CITaseと略称する。)を同時に作用させてサイクロ
イソマルトオリゴ糖(以下、CIと略称する。)を生産
する酵素反応法、両酵素を同じ担体に固定化した固定化
酵素、及びこの固定化酵素によるサイクロイソマルトオ
リゴ糖の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CIは、土壌より単離したバチルス属に
属する微生物を培養することにより得られた、7個以上
のグルコ−スがα−1、6結合により環状構造を形成して
いるオリゴ糖である。CIは、サイクロデキストリンと
同様に低分子化合物と包接化合物を形成するものである
から、医薬品、食品等への利用が期待されている有用な
糖である(特開平6-197783号公報)。また、CIは、虫
歯の原因菌として知られているストレプトコッカス属に
属する微生物の生産するグルカン合成酵素を特異的に阻
害する作用を有するものであることから、抗う蝕剤への
応用も期待されている(特開平8-59484号公報)。CI
の製造法としては、グルコースが主にα−1、6結合によ
り直鎖状に多数結合した高分子物質であるデキストラン
にCIを合成する酵素であるCITaseを作用させる酵素法
が知られている(特開平7-8276号公報)。一方、デキス
トランの製造法としては、発酵法及び酵素法の2通りが
考えられる。デキストランは、現在、血漿増量剤として
臨床で利用されているが、これらは、乳酸菌の一種の一
菌株であるロイコノストック・メセンテロイデス(Leuc
onostoc mesenteroides) NRRL B−512Fを利
用した発酵法で製造されている。
【0003】しかしながらこの方法で純粋なデキストラ
ンを得るためには、生じるデキストランを菌体や培地成
分と分離精製する必要があるために、コストがかかると
いう問題点がある。この分離精製工程を省略し、発酵生
産物そのものに対してCITaseを作用させてCIを製造す
る方法も考えられるが、この場合においてもやはり、最
初の発酵工程由来の菌体や培地成分とCIを分離精製す
る必要があるので、高コストとなる。一方、しょ糖を基
質としてデキストランを生成する酵素であるデキストラ
ンシュークラーゼ(EC 2.4.1.5)も知られており、これ
を用いた酵素法により、安価なしょ糖からデキストラン
を生成し、次いで、CITaseによる酵素法でCIを生成す
る2段階の酵素法も考えられた。しかしながら、この方
法を試みたところ、最初の反応で生じる高分子デキスト
ランのために液が極めて高粘度となり、液を均一に撹拌
するのが全く不可能となり、2番目の反応を行なうこと
が不可能であった。酸やアルカリを添加後加熱すること
により高分子デキストランを加水分解する方法も考えら
れるが、pH調整や加熱にコストがかかるという欠点があ
る。また、DSaseを不溶性の多孔性ビーズに固定化する
ことにより、酵素を使い捨てではなく繰り返し、また
は、連続的に利用する方法も考えられた。これについて
は既に、デキストランの製造を目的として基礎的な研究
がなされていたが、やはり生成するデキストランが高粘
度であるために、反応の進行にともなって担体の細孔内
の粘度が上がり、これによって細孔内での基質や生成物
の物質移動がスムースにいかなくなるために、反応の効
率が極めて悪くなるということが報告されていた(Meth
ods in Enzymology, 136, 239-254)。本発明者等も同
様な追試を行なったところ、同じ結果であった。以上の
理由により、既知のCI製造法は全て、何らかの理由に
より高コスト又は非効率的なものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うに、発酵法で製造した高価なデキストランを用いるC
Iの製造法に替えて、安価なしょ糖を出発物質としてC
Iを酵素法により製造する方法を行なう際に、途中生成
するデキストランが高粘度であるために生じる問題点、
すなわち、酵素を水溶液の状態で用いた場合には、液が
高粘度になり撹拌が不可能となるという問題点、また固
定化酵素を用いた場合には、固定化担体の細孔内部が高
粘度になり、反応効率が悪くなるという問題点を解決す
ることのできる固定化酵素及びサイクロイソマルトオリ
ゴ糖の製造法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、CITase
は、デキストランからCIを生成する反応を触媒するば
かりではなく、高粘度の原因となる高分子量のデキスト
ランを加水分解して比較的低分子量のデキストランを生
成することにより、反応液の粘度を下げる作用をも有し
ていることを知見した。そして、しょ糖からデキストラ
ンを生成する反応中に、同時にCITaseを作用させること
によってCIを生成させれば、デキストランの濃度を低く
保ちながら2反応を進行させ、デキストランによる液の
高粘度化の問題を解決できるのではないかと考察し、先
ず、酵素を水溶液の状態で用いる酵素法においてこの方
法を試行したところ、CIを効率良く生成することに成
功し、本発明の第1に至った。そして更に、DSase及びC
ITaseを同一担体に固定化して利用すれば、同じ理由に
より、固定化担体の細孔内部が高粘度になって反応効率
が悪くなる問題が解決できるのではないかと考察した。
そして、そのような固定化酵素を新たに作成し、酵素反
応を行なったところ、CIを効率良く生成することに成
功し、本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明の第一は、しょ糖に、デキ
ストランシュークラーゼ及びサイクロイソマルトオリゴ
糖グルカノトランスフェラーゼを同時に作用させること
により、サイクロイソマルトオリゴ糖を生成させること
を特徴とするサイクロイソマルトオリゴ糖の製造法であ
る。本発明の第二は、デキストランシュークラーゼ及び
サイクロイソマルトオリゴ糖グルカノトランスフェラー
ゼを同一担体に固定化したことを特徴とする固定化酵素
である。本発明の第三は、担体がキトサン由来の多孔性
ビーズである前記固定化酵素である。本発明の第四は、
前記固定化酵素を用いて酵素反応させることにより、し
ょ糖からサイクロイソマルトオリゴ糖を生成させること
を特徴とするサイクロイソマルトオリゴ糖の製造法であ
る。本発明の第五は、前記固定化酵素を用いて酵素反応
させることにより、しょ糖からサイクロイソマルトオリ
ゴ糖を生成させることを特徴とするサイクロイソマルト
オリゴ糖の製造法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。CITaseは、特開平7-8276号公報記載のバチルス・エ
スピー.T−3040(工業技術院生命工学工業技術研究所
にFERM BP-4132として寄託されている。)を培養して得
られたものでもよく、また、特開平8-66191号公報記載
の大腸菌XL1-Blue MRF'(pCI429)(工業技術院生命工学工
業技術研究所にFERM BP-4783として寄託されている。)
を培養して得られたものでもよい。培養液をそのまま粗
酵素液として利用することもでき、また、硫安沈殿、エ
タノール沈殿等の公知の方法によりある程度精製したも
のを用いることもできる。DSaseは、代表的な株である
ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc me
senteroides) NRRL B−512F株(American Ty
pe Culture CollectionにATCC 10830aとして寄託されて
いる。)又は、その変異株であるロイコノストック・メ
センテロイデスM898株(工業技術院生命工学工業技
術研究所にFERM BP-4904として寄託されている。)等の
微生物を培養して得ることができる。培養液をそのまま
粗酵素液として利用することもでき、また、硫安沈殿、
エタノール沈殿等の公知の方法によりある程度精製した
ものを用いることもできる。
【0008】酵素を水溶液の状態で用いる場合の条件を
以下に述べる。使用する酵素量を、多くする程充分に反
応を進めることができるが、必要以上の酵素を使用する
ことは、それに必要な酵素を製造するためのコストがか
かるために好ましくない。また、CITaseに対してDSase
が多過ぎると、途中生成するデキストランの濃度が高く
なり、液が高粘度となるために好ましくない。反応液1
lあたり、150 U程度のDSase及び40U程度のCITase程度
を使用するのが好ましい。なおDSaseの活性値(U)は、
文献〔J. of Fermentation and Bioengineering,77, 3,
248-251(1994)〕に示された方法で測定し、1分間に1
μmolのフラクトースをしょ糖から生成する酵素量を1U
として定義したものである。CITaseの活性値(U)は、2
%デキストラン40〔名糖産業(株)製〕を基質とし、10
mM塩化カルシウムを添加した100 mM酢酸バッファー(p
H5.5)中において、40℃で1分間に1 μmolのCIを生
成する酵素量を1Uとして定義したものである。ここで
言うCIとは、CI 7〜9のトータルである。
【0009】DSase及びCITaseは、反応開始時に同時に
加えてもよく、また、DSaseを先に加え、ある程度反応
を進行させた後、CITaseを加えても良い。但し、後者の
場合においては、反応液が高粘度化し始める前にCITase
加えなければならない。また、反応開始時に両酵素を同
時に加え、後からCITaseを追加する方法でもよい。反応
温度は、30℃程度が好ましい。pHの設定は重要である。
DSaseの至適pHは、約5の酸性であり、CITaseの至適pH
は、約7の中性であるが、両者を同時に作用させる場合
においては、種々検討した結果、pH 5.5〜6.0程度が適
当であった。バッファーとしては、例えば、100 mM酢酸
バッファーが用いられるが、他のもの・濃度でもよい。
カルシウムイオンは必須ではないが、10〜100 mM程度添
加することによって、両酵素が安定化するので加えたほ
うがよい。基質濃度の設定も重要である。DSaseに関し
ては、基質濃度によらず、反応時間を充分取れば、ほぼ
100%近く反応する。しかしながら、CITaseに関して
は、基質濃度が低い方がCI収率が高くなる傾向にあっ
た。しかしながらあまりにも低濃度基質では、設備が大
型化してコスト的に不利となるので、しょ糖4〜10%程
度が好ましい。反応時間は、12〜96時間、好ましくは24
時間程度とする。
【0010】以上のような反応条件で酵素反応を行なっ
たところ、反応液が高粘度化することもなく、CIを効
率良く生成させることができた。なお同じ反応条件にお
いて、CITaseを添加しない場合においては、反応の進行
にともなって液が極めて高粘度化し、撹拌が不可能にな
った。そして、引き続きCITase溶液を添加しても、基質
溶液と混ぜることができないので、当然のことながら反
応はほとんど進行せずCIを生成させることはできなか
った。従って、CITaseを同時に作用させることが効果的
であったことが判る。一般的に、2種類以上の酵素を同
時に反応させることにより、製造プロセスの簡略化を行
なったものはいくつか既に知られているが、本発明のよ
うに、途中生成するデキストランの濃度を低く抑えるこ
とによって、液が高粘度化する問題点を解決したという
効果は新しいものである。
【0011】次いで、酵素を固定化する場合に用いる担
体及び固定化の方法を以下に述べる。固定化に用いる担
体の形状としては、種々の多孔性ビーズがよく用いられ
るが、これに限らず、中空糸膜状、平膜状、チューブ
状、不織布状等如何なる形状のものでもよい。固定化に
用いる担体の材質としては、種々のものが知られてお
り、特に限定されるものではない。例えば、ポリビニ
ル、ポリエチレン等の化学合成されたものや、キトサン
等の天然物由来のもの等を利用することができる。固定
化の方法としては、種々のものが知られており、特に限
定されるものではない。例えば、物理的に吸着させる方
法、イオン結合による方法、物理吸着又はイオン結合さ
せた後、グルタルアルデヒドによる処理等により酵素間
を架橋する方法、酵素と担体のアミノ基間をグルタルア
ルデヒドによる処理等により架橋する方法、アルギン酸
カルシウム等からなるゲルに包括固定化する方法等から
適当なものを選ぶことができる。しかしながら、一般的
に、固定化担体・固定化方法と酵素との間には相性があ
り、全ての酵素に適した固定化担体・固定化方法は存在
せず、酵素ごとに試行錯誤が必要である。特に本発明で
はDSase及びCITaseという2種類の酵素を同一担体に固定
化する必要があるので、利用できるものはかなり限定さ
れる。夫々の酵素に対して適したものとして既知の固定
化担体・固定化方法も、使用できるとは限らない。例え
ば、ハイドロキシアパタイトは、J. Gen. Appl. Microb
iol., 41, 399-407(1995)に記されているように、DSase
の固定化に適することが既に知られているが、CITaseの
固定化には適していなかったので、利用できない。本発
明者等は、鋭意検討の結果、キトサン由来の多孔性ビー
ズであるキトパールBCW3005〔富士紡績(株)
製〕に物理吸着させる方法が、本発明に利用することが
できることを明らかにした。
【0012】固定化する酵素量については、多くする程
高い活性の固定化酵素を得ることができるが、必要以上
の酵素を固定化することは、それに必要な酵素を製造す
るためのコストがかかるために好ましくない。また、CI
Taseに対してDSaseが多過ぎると、途中生成するデキス
トランの細孔内における濃度が高くなり、高粘度となる
ために好ましくない。固定化担体1l(カラムに詰めた
時の容積)あたり、100kU程度のDSase及び5 kU程度のCI
Taseを固定化するのが好ましい。両酵素の固定化につい
ては、同時に行なってもよく、いずれかを先に行ない、
その後にもう一方の酵素を固定化する方法でもよい。か
くして得られた固定化酵素を、バッチ式反応において、
繰り返し使用するか、さらに好ましくは、カラムに詰め
てしょ糖溶液を流すことにより、連続生産を行なうので
ある。
【0013】反応温度は、30〜40℃程度が好ましい。pH
は、5.5〜6.0程度が好ましい。バッファーとしては、例
えば、100 mM酢酸バッファーが用いられるが、他のもの
・濃度でもよい。カルシウムイオンは必須ではないが、
10〜100 mM程度添加することによって、両酵素が安定化
するので加えたほうがよい。基質濃度は、酵素を水溶液
状態で用いる場合と同様に、高過ぎるとCI収率が下が
り、低過ぎると設備が大型化して好ましくなく、しょ糖
4%程度が好ましい。以上のようにして酵素反応を行な
った結果、CIを効率良く生成させることができた。な
お反応終了液中のしょ糖を分析したところ、極微量にし
か存在しておらず、ほぼ100%のしょ糖が変換されてい
た。比較のために、DSaseのみを固定化し、上記と同じ
条件で酵素反応を行なった場合には、著量のしょ糖が残
存しており、反応が効率良く進行していないことが判っ
た。従って、DSase及びCITase を同じ担体に固定化した
ことが効果的であったことが判る。一般的に、2種類以
上の酵素を同時に固定化して反応させることにより、製
造プロセスの簡略化を行なったものはいくつか既に知ら
れているが、本発明のように、途中生成するデキストラ
ンの濃度を低く抑えることによって、担体細孔内が高粘
度化する問題点を解決したというような効果は新しいも
のである。
【0014】反応液中のCI濃度は、HPLCにより測定し
た。CI7〜9のトータルの濃度をCI濃度(mg/ml)
として評価した。なおCIの分析法については、応用糖
質科学, Vol. 45, No. 4, p. 367〜372(1998)に詳しく
記載されている。しょ糖も同じ方法により測定した。得
られたCI溶液は、特開平6-197783号公報に開示されて
いる活性炭カラムによる精製法を始めとする種々の方法
や、特開平10-229876号公報に開示されているα−1,
3−多分岐デキストラン水解酵素を用いる方法等により
精製することができる。CI-7又はCI-8といった単一
物質に精製することもできるが、より実用的には何種類
かのCIのミックスの状態で製品化される。また更に、
精製を簡略化し、グルコース等のCI以外の物質をある
程度混在させた状態で製品化することもできる。そし
て、スプレードライ等により粉末化して製品化すること
もでき、また、液状で製品化することもできる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 4%しょ糖を基質とし、種々の濃度のDSase及びCITaseを
水溶液状態で使用して酵素反応を行ない、13〜38時間反
応後の液のCI濃度をHPLCで分析した結果を下表に示
す。バッファーは、10 mM塩化カルシウムを含む100 mM
酢酸バッファー(pH 5.8)とし、反応温度は、30℃とし
た。DSase及びCITaseは、いずれも反応開始時に同時に
加えた。 表1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− DSase濃度(U/ml) CITase濃度(U/ml) 反応時間(h) CI濃度(mg/ml) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 0.075 0.02 13 4.4 0.075 0.02 22 6.2 0.075 0.02 38 6.3 0.1 0.02 13 5.1 0.1 0.02 22 6.5 0.1 0.02 38 6.2 0.125 0.02 13 5.7 0.125 0.02 22 6.3 0.125 0.02 38 6.0 0.15 0.02 13 5.9 0.15 0.02 22 6.5 0.15 0.02 38 6.1 0.175 0.02 13 5.6 0.175 0.02 22 6.6 0.175 0.02 38 6.1 0.2 0.02 13 5.7 0.2 0.02 22 6.4 0.2 0.02 38 5.9 0.225 0.02 13 5.7 0.225 0.02 22 6.4 0.225 0.02 38 6.0 0.25 0.02 13 5.5 0.25 0.02 22 5.8 0.25 0.02 38 5.5 0.15 0.014 14 4.4 0.15 0.014 22 5.1 0.15 0.014 38 5.5 0.15 0.0175 14 4.6 0.15 0.0175 22 5.4 0.15 0.0175 38 5.9 0.15 0.021 14 6.2 0.15 0.021 22 5.5 0.15 0.021 38 5.9 0.15 0.0245 14 5.8 0.15 0.0245 22 5.6 0.15 0.0245 38 5.8 0.15 0.028 14 5.7 0.15 0.028 22 5.8 0.15 0.028 38 5.8 0.15 0.0315 14 6.0 0.15 0.0315 22 5.8 0.15 0.0315 38 5.9 0.15 0.035 14 5.8 0.15 0.035 22 5.8 0.15 0.035 38 5.8 0.15 0.042 14 6.2 0.15 0.042 22 6.2 0.15 0.042 38 6.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0016】実施例2 キトパールBCW3005〔富士紡績(株)製〕20m
l(カラムに詰めた時の容積)に対して、2000 UのDSas
e及び100 UのCITaseを含んだ100 mM酢酸バッファー(pH
5.5)を加え、一晩撹拌することによって、両酵素を物
理吸着させた。得られた固定化酵素をカラムに詰め、4
%しょ糖及び50 mM塩化カルシウムを含む100 mM酢酸バ
ッファー(pH 5.5)を、20又は30℃、SV=1.5又は9 /hr
で流した。3時間後の反応液中のCI濃度をHPLCにより
測定した結果を下表に示す。30℃、SV=1.5 /hrにおい
て、5.2 mg/mlのCIが生成していた。なおこの時、反
応液中のしょ糖を分析したところ、極微量しか存在して
おらず、ほぼ100%のしょ糖が変換されていた。 表2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 温度(℃) SV(/h) CI濃度(mg/ml) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 20 1.5 2.5 20 9 1.0 30 1.5 5.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、しょ糖からCIを効率
良く生産することができる優れた固定化酵素及び酵素反
応法を提供することができるので、本発明は、産業上極
めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 廣 埼玉県南埼玉郡白岡町高岩1808 Fターム(参考) 4B033 NA01 NA25 NB49 NB68 NC04 ND02 ND12 ND20 4B064 AF04 CA21 CA36 CA40 CB30 CC03 CD09 DA01 DA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】しょ糖に、デキストランシュークラーゼ及
    びサイクロイソマルトオリゴ糖グルカノトランスフェラ
    ーゼを同時に作用させることにより、サイクロイソマル
    トオリゴ糖を生成させることを特徴とするサイクロイソ
    マルトオリゴ糖の製造法。
  2. 【請求項2】デキストランシュークラーゼ及びサイクロ
    イソマルトオリゴ糖グルカノトランスフェラーゼを同一
    担体に固定化したことを特徴とする固定化酵素。
  3. 【請求項3】担体がキトサン由来の多孔性ビーズである
    請求項2記載の固定化酵素。
  4. 【請求項4】請求項2記載の固定化酵素を用いて酵素反
    応させることにより、しょ糖からサイクロイソマルトオ
    リゴ糖を生成させることを特徴とするサイクロイソマル
    トオリゴ糖の製造法。
  5. 【請求項5】請求項3記載の固定化酵素を用いて酵素反
    応させることにより、しょ糖からサイクロイソマルトオ
    リゴ糖を生成させることを特徴とするサイクロイソマル
    トオリゴ糖の製造法。
JP2000243634A 2000-08-11 2000-08-11 固定化酵素及びサイクロイソマルトオリゴ糖の製造法 Pending JP2002051797A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111955629A (zh) * 2020-09-01 2020-11-20 宁夏厚生记食品有限公司 一种稳定的多功能枸杞复合汁制作方法

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