JP2002050335A - 耐熱性セパレータ - Google Patents

耐熱性セパレータ

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JP2002050335A
JP2002050335A JP2000232792A JP2000232792A JP2002050335A JP 2002050335 A JP2002050335 A JP 2002050335A JP 2000232792 A JP2000232792 A JP 2000232792A JP 2000232792 A JP2000232792 A JP 2000232792A JP 2002050335 A JP2002050335 A JP 2002050335A
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heat
separator
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melt
polybutylene terephthalate
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Juichi Kamei
寿一 亀井
Masaki Yamazaki
正樹 山崎
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Tonen Tapyrus Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温で放置してもセパレータが融解せず、電
極がショートすることのない低抵抗耐熱性セパレータを
提供。 【解決手段】 平均繊維径が1〜8μm、目付が5〜3
00g/m、通気度が1〜100cc/cm/se
c、厚みが0.01〜1.0mmのポリブチレンテレフ
タレートのメルトブロー不織布からなる耐熱性セパレー
タ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリブチレンテレ
フタレート樹脂のメルトブロー不織布からなる低抵抗耐
熱性セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来ポリオレフィン、特にポリプロピレ
ンのメルトブロー不織布が、その特性を生かし、各種の
分離膜や、電池用セパレータ、電解コンデンサー用セパ
レータ、キャパシター用セパレータ、ポリマー電池セパ
レータ等に使用されている。特にリチウム電池(一次、
二次)においては、有機溶媒に不溶で電解質や電極活物
質に安定なセパレータとして多用されている。
【0003】ところで、一般に、電池内部および外部で
短絡が起きた場合、大電流が放電され、それによりジュ
ール熱や化学反応熱により、対向する正及び負極電極間
のセパレータが熱収縮するかセパレータが熱溶融して、
正負電極が直接ショートする結果、内部ショートが拡大
し、多量の熱を周囲に放出し、多量のガスが噴出する恐
れがあるという問題があった。このような問題点を解決
するためには、イオンが通らなくすることによって電流
を遮断する機能であるシャットダウン機能や、セパレー
タ自身が収縮したり、溶融しない機能を有することが望
まれていた。
【0004】従来用いられてきているポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン不織布によるセパレー
タは、ポリエチレンの融点が125〜140℃程度であ
り、ポリプロピレンの融点が160〜180℃程度であ
るため、高温での長時間使用においては、セパレータの
溶解による短絡がおこりやすかった。最近のリチウムイ
オン電池用セパレータとしては、高容量化、電池特性、
生産性を向上させることの他に安全性が求められ、電極
が短絡して電池内部の温度が上昇した時に、発火等の事
故が生じるのを防止するために、リチウムの発火以前に
溶融してその孔を目詰りさせ電流をシャットダウンさせ
る機能、及びシャットダウン後に温度がさらに上昇した
時にセパレータ自身が溶融破断(メルトダウン)して電
池の発火、爆発を抑える機能を有し、過充電や加熱保存
試験時の熱暴走を抑えること等が求められてきている。
【0005】また現在、耐熱性電解液、外部の短絡時保
護回路、安全性の高いポリマー電解質等の安全性が高ま
ったため、高温で作動し、かつシャットダウンが必要な
いか又は他の安全機構で代用する二次電池も求められて
おり、それに伴い耐熱性が高く、かつショートしないセ
パレータが求められてきた。
【0006】さらに、近年は、車のエンジンルームの近
くで用いる電池や電気二重層コンデンサー等において、
従来のポリエチレン、ポリプロピレン製セパレータを用
いた電池等では、その融点以上で稼働する場合があり、
さらに半田付けが必要な電池も出現していることから、
更に耐熱性及び低抵抗を有するセパレータが求められて
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記課題を満足し、高温で放置してもセパレー
タが融解せず、電極がショートすることのない低抵抗耐
熱性セパレータを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリブチレンテレ
フタレート樹脂のメルトブロー不織布を用いると低抵抗
耐熱性セパレータが得られることを見出し、本発明を完
成した。
【0009】すなわち、本発明は、平均繊維径が1〜8
μm、目付が5〜300g/m、通気度が1〜100
cc/cm/sec、厚みが0.01〜1.0mmの
ポリブチレンテレフタレートのメルトブロー不織布から
なる耐熱性セパレータである。
【0010】また、本発明は、常温での周波数10KH
zにおける実部インピーダンスが20Ω・cm以下で
あることを特徴とする上記の耐熱性セパレータである。
【0011】さらに、本発明は、100℃から180℃
までの周波数10KHzにおける実部インピーダンスの
最大値が、常温での実部インピーダンスの100倍以下
で、かつ絶対値が200Ω・cm以下であることを特
徴とする耐熱性セパレータである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。 1.ポリブチレンテレフタレート(PBT) 本発明で用いられるポリブチレンテレフタレート樹脂
は、ブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とす
るポリブチレンテレフタレート系高分子であればよい。
ポリブチレンテレフタレートは、単独重合体であっても
よいし、あるいはポリブチレンテレフタレートを多量成
分とする共重合体、例えばポリブチレンイソフタレー
ト、ポリブチレンアジペート等であってもよい。また、
ポリブチレンテレフタレート多量成分と、他の少量成分
のポリエステル系重合体との混合物であってもよい。混
合可能な他のポリエステル系重合体としては、例えばポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンイソフタレー
ト、ポリブチレンアジペート、ポリ(1,6−ヘキサメ
チレンテレフタレート)、ポリ(エチレン−2,6−ナ
フタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンメチレ
ンテレフタレート)等が挙げられる。特にポリブチレン
テレフタレートとポリブチレンイソフタレートとの混合
物が好ましく、メルトブロー紡糸性を向上し、不織布の
強力を増大させることができる。また、ポリブチレンテ
レフタレートの数平均分子量は、5,000〜20,0
00のものが好ましく用いられる。
【0013】なお、本発明のポリブチレンテレフタレー
ト樹脂には、必要に応じて、シャットダウン機能を付与
するポリオレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマー及び
各種添加剤、界面活性剤、相溶化剤、顔料、無機フィラ
ー等を添加することができる。
【0014】2.不織布 本発明を構成するポリブチレンテレフタレートのメルト
ブロー不織布は、リチウムイオン系の電池の電池用セパ
レータや電気二重層コンデンサーのセパレータとして用
いることができ、例えば、電解液として、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、それらの混合系、それら電界液と低粘度溶媒との複
合系溶媒、又はその他のフッ素化カーボネートなどの有
機溶媒である電解液を含浸させたセパレータとして用い
ることができる。このようなセパレータとして用いるた
めには、次の物性を有している必要がある。
【0015】(1)平均繊維径 ポリブチレンテレフタレートのメルトブロー不織布の平
均繊維径は、1〜8μm、好ましくは2〜4μmであ
る。平均繊維径が1μm未満では、電池の内部抵抗が大
きくなりすぎ、8μmを超えると内部短絡の危険性が高
まる。
【0016】(2)目付 本発明の不織布の目付は、5〜300g/m、好まし
くは10〜60g/m である。目付が5g/m未満
では、セパレータ強度が不足し、アセンブリでの信頼性
が低下したり、ショートが起こりやすいため好ましくな
い。一方、目付が300g/mを超えると、電池の内
部抵抗が上昇する。
【0017】(3)通気度 本発明の不織布の通気度は、1〜100cc/cm
sec、好ましくは3〜60cc/cm/secであ
る。通気度が1cc/cm/sec未満であると、内
部抵抗が大きく、100cc/cm/secを超える
と、内部短絡の危険性が高まる。
【0018】(4)厚み 本発明の不織布の厚みは、0.01〜1.0mmであ
り、この範囲において希望の厚みにカレンダー加工して
用いることができる。厚さが0.01mm未満である
と、フィルム化が激しくなり、1.0mmを超えると、
ケバがでやすい。
【0019】(5)実部インピーダンス 本発明の不織布を電解液に浸して測定した、常温での周
波数10KHzにおける実部インピーダンスは、20Ω
・cm以下が好ましく、より好ましくは10Ω・cm
以下である。実部インピーダンスが20Ω・cm
超えると、内部抵抗が高くなりすぎて好ましくない。内
部抵抗が少ないことにより、電池の見掛け容量を大きく
し、発熱を少なくし、寿命を長くすることができる。ま
た、100℃から180℃までの周波数10KHzにお
ける実部インピーダンスの最大値は、常温での実部イン
ピーダンスの100倍以下で、かつ絶対値が200Ω・
cm以下であることが好ましい。100℃から180
℃までの実部インピーダンスの最大値が常温での実部イ
ンピーダンスの100倍を超え、かつその絶対値が20
0Ω・cmを超えるとセパレータがシャットダウンを
起こし、内部抵抗が高くなり、電池として高温での使用
が困難になる。なお、10kHzのような高周波におけ
る実部インピーダンスは、セパレータを介した溶液抵抗
に相当し、かつ、セパレータ起因の内部抵抗に相当す
る。
【0020】3.メルトブロー法 本発明で用いるポリブチレンテレフタレート不織布は、
メルトブロー法によって得られるものである。このメル
トブロー法としては、公知の方法を採用することができ
る。例えば、溶融したブチレンテレフタレート重合体
を、一列に配列した複数のノズル孔から溶融ポリマーを
吐出し、オリフィスダイに隣接して設備した噴射ガス口
から高温高速空気を噴射せしめて、吐出された溶融ポリ
マーを細繊維化し、次いで繊維流をコレクタであるコン
ベヤネット上に捕集して不織布を製造する形成する方法
である。このメルトブロー法において、本発明において
は、特に、次の条件で製造する方法が好ましい。
【0021】メルトブロー装置ダイにおいて、ノズル孔
径は、0.2〜0.8mmφが好ましく、ノズル個数
は、5〜15個/cmであるのが好ましい。ノズル孔径
が上記範囲未満では吐出樹脂圧力が高くなり、上記範囲
を超えると繊維を細くすることができない。また、ノズ
ル個数が上記範囲未満では、樹脂吐出圧力が高くなり、
上記範囲を超えると繊維同士が融着しすぎて、不織布の
均一性を失うことになる。
【0022】また、メルトブロー法条件において、樹脂
の押出温度は、280〜360℃が好ましく、樹脂吐出
量は、0.5〜3g/min/holeが好ましく、高
速空気温度は、280〜360℃が好ましい。樹脂の押
出温度が低すぎると、吐出樹脂圧力が低くなり、高すぎ
ると樹脂の劣化が促進される。樹脂吐出量が低すぎると
吐出樹脂圧力が低くなり、均一な不織布が得られず、樹
脂吐出量が高いと細い繊維が得られない。高速空気温度
が低すぎると細い繊維が得られず、高いと連続繊維が得
られずに、切れてコンベアネットに捕集することが困難
になる。
【0023】4.セパレータ 本発明の耐熱性セパレータは、上記のポリブチレンテレ
フタレートのメルトブロー不織布からなるが、一般的に
は、カレンダー加工により一定の厚みにして用いる。さ
らに、その用途に応じて、エンボス加工やポリオレフィ
ン系やナイロン系メルトブロー不織布との積層体として
用いることもできる。また、目的に応じて、グラフト重
合や、界面活性剤塗布等により不織布表面の親液性を向
上させて用いることができる。
【0024】本発明の耐熱性セパレータは、リチウム系
一次、二次電池等のセパレータとして用いることがで
き、特に車載電池やリフロー電池等の高温での使用に耐
えられる耐熱タイプの電池用セパレータとして用いるこ
とができる。
【0025】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例によって具体
的に説明する。なお、物性の測定は以下の方法を用いて
行った。 (1)繊維径:試験片の任意な5箇所を電子顕微鏡で5
枚の写真撮影を行い、1枚の写真につき20本の繊維の
直径を測定し、これら5枚の写真について行い、合計1
00本の繊維径を平均して求めた。 (2)目付:試料長さ方向より、100×100mmの
試験片を採取し、水分平衡状態の重さを測定し、1m
当たりに換算して求めた。 (3)厚み:試料長さ方向より、100×100mmの
試験片を採取し、ダイヤルシックネスゲージで測定し
た。 (4)通気度:試料長さ方向より、100×100mm
の試験片を採取し、JIS L 1096に準拠し、フ
ラジール型試験機を用いて測定した。 (5)引張強度:JIS L 1085に準拠し、つか
み間隔100mm、引張速度300mm/分にて測定し
た。 (6)実部インピーダンス:16mmφの金属極2枚の
間に0.01〜1.0mmの不織布を電解液に浸してか
らソートロン社製インピーダンスアナライザーで常温及
び100〜180℃での周波数10KHzにおける実部
インピーダンスを測定した。電解液は、アルゴン雰囲気
下で1molLiClOをプロピレンカーボネート:
1,2−ジメトキシエタン=1:1溶液に溶解した溶液
を用いた。 (7)耐熱強度:不織布をγ−ブチロラクトン中にい
れ、100℃、2時間放置後引張強度をJIS L 1
085に準拠して測定した。 (8)ショート:二枚のアルミ電極板の間に200mm
×200mmのセパレータを挟み、電極間に400Vの
電流電圧をかけ、電流が流れた場合をショート有りと
し、電流が流れなかった場合をショート無しとした。
【0026】実施例1 ポリブチレンテレフタレート(三菱レイヨン社製、タフ
ペット)を押出温度290℃にて、表1に示す条件にて
メルトブローし、平均繊維径1.5μm、目付25g/
のポリブチレンテレフタレートのメルトブロー不織
布を得た。得られた不織布をカレンダー加工し、通気度
6cc/cm/sec、厚み50μm、引張強度5k
gf/50mmのセパレータを得た。その特性を表1に
示す。
【0027】実施例2 メルトブローの条件の吐出量、空気温度を表1に示すよ
うに変更した以外は、実施例1と同様の方法でメルトブ
ロー不織布、セパレータを得た。その特性を表1に示
す。
【0028】比較例1 ポリブチレンテレフタレート不織布の代わりに、表1に
示すメルトブローポリプロピレン不織布を用いて実施例
1と同様にしてセパレータを得た。その特性を表1に示
す。
【0029】比較例2 メルトブローポリブチレンテレフタレート不織布の代わ
りに、表1に示す乾式法によるポリブチレンテレフタレ
ート不織布を用いて実施例1と同様にしてセパレータを
得た。その特性を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の耐熱性電池用セパレータは、耐
熱性においてポリプロピレン製セパレータに優れるた
め、安全性が高く車載電池やリフロー電池等の高温での
使用に耐えられる電池用セパレータとして使用できる。
また、耐ショート性において乾式ポリブチレンテレフタ
レート不織布に優れる。さらに、低抵抗性であるため、
伝導性の低い有機溶媒系のリチウム電池セパレータとし
て好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L047 AA21 AB02 AB07 BA08 BD01 CA19 CB05 CB08 CB10 CC12 5H021 CC02 EE16 HH00 HH01 HH03 HH06 HH09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維径が1〜8μm、目付が5〜3
    00g/m、通気度が1〜100cc/cm/se
    c、厚みが0.01〜1.0mmのポリブチレンテレフ
    タレートのメルトブロー不織布からなることを特徴とす
    る耐熱性セパレータ。
  2. 【請求項2】 常温での周波数10KHzにおける実部
    インピーダンスが20Ω・cm以下であることを特徴
    とする請求項1記載の耐熱性セパレータ。
  3. 【請求項3】 100℃から180℃までの周波数10
    KHzにおける実部インピーダンスの最大値が、常温で
    の実部インピーダンスの100倍以下で、かつ絶対値が
    200Ω・cm以下であることを特徴とする請求項2
    に記載の耐熱性セパレータ。
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