JP2002048805A - 検体試験装置 - Google Patents

検体試験装置

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JP2002048805A
JP2002048805A JP2000230853A JP2000230853A JP2002048805A JP 2002048805 A JP2002048805 A JP 2002048805A JP 2000230853 A JP2000230853 A JP 2000230853A JP 2000230853 A JP2000230853 A JP 2000230853A JP 2002048805 A JP2002048805 A JP 2002048805A
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liquid
dispensing
reagent
unit
sample
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Shogo Kida
正吾 木田
Takeshi Kageyama
武司 影山
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検体試験装置における分注作業において、試
薬等の液体を均一な吐出量にて安定して分注すること 【解決手段】 マイクロプレートUに形成された複数の
液体分注用凹部U1に試薬等の液体の分注を行う分注機
構40と、この分注機構40の動作を制御する制御部と
を備える。この場合、分注機構40が、液体が入った容
器から液体を吸引し且つ吐出する分注部41と、この分
注部41を搬送する搬送部90とを有する。そして、制
御部は、分注部41が容器内の液体を吸引するよう指示
する液体吸引機能と、吸引した液体L1aの一部L2a
を吐出するよう指示する事前吐出機能と、この吐出の
後、各液体分注用凹部U1に分注を行うよう指示する分
注機能とを有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検体の反応試験に
用いられる検体試験装置に係り、特に、その装置におけ
る試薬の分注動作の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医療分野の臨床検査における検体
の反応試験,例えば酵素免疫反応試験にあっては、大量
の検体を各々反応容器に振り分け、更に試薬を各反応容
器に分注し、必要に応じて所定温度に維持すると共に、
検体と試薬との反応条件を均一化する為の撹拌を行い、
しかる後に、試薬の特性に応じた反応を観測するという
手法が行われている。また、これらの工程の他に検体や
試薬を希釈したり、これらの工程の途中において、新た
な試薬を更に分注したり、容器の洗浄作業が加えられた
りする場合も生じていた。
【0003】このように反応試験には様々の煩雑な工程
を必要とすることが多く、これが更に多くの検体に対し
て実施されるとなると、試験を行う検査員の負担が過大
である為、上述した種々の工程について昨今では自動化
が進められている。
【0004】この場合、試薬の分注動作は、分注ノズル
に装着された管状体から成るチップにて試薬瓶から試薬
を吸引した後、この吸引位置から吐出位置(反応容器)
まで分注ノズルが移動して各反応容器に分注が行われ
る。ここで、試薬としては検査方式に対応した複数のも
のが用意されており、この各試薬ごとに同様の分注動作
が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の検体試験装置では、試薬の分注動作において以下
のような不具合があった。
【0006】第一に、試薬の吸引位置から吐出位置へ分
注ノズルが移動するまでの間に、この移動に起因する振
動等が原因となってチップ内の試薬が検体試験装置内に
滴下してしまう。そしてこれにより、分注に要する試薬
の量が不足してしまうという不具合があった。また、装
置内が汚れてしまうという不具合があった。
【0007】この場合、例えば検体試験装置における分
注ノズルの移動経路に試薬ボタ落ち防止用の皿を配設す
る、若しくは分注ノズルの下方に適宜可動自在な試薬ボ
タ落ち防止用の皿を配設することによって上述した汚れ
の防止を図ることができる。しかしながら、この試薬ボ
タ落ち防止用の皿は、複雑な形状若しくは機構を要する
為部品点数が増加してしまい、更には原価の増大につな
がってしまうという問題がある。
【0008】第二に、上述した分注ノズルの移動に起因
する振動等によってチップ内の試薬が上昇し、これによ
りチップ先端にエアが入り吐出量が減少してしまう。又
は、チップ内の試薬が下降して,若しくはチップの外壁
面に付着している試薬がチップ先端から滴下して吐出量
が増加してしまうという不具合があった。
【0009】即ち、この第一及び第二の不具合によれ
ば、上記従来例の検体試験装置では均一な試薬の吐出量
にて各反応容器に分注することができない。特に、試薬
瓶から試薬を吸引した後の一番目の反応容器への吐出量
が安定しないという不具合があった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、試薬を均一な吐出量にて安定して各反応容器
に分注することのできる検体試験装置を提供すること
を、その目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為、
請求項1記載の発明では、試薬等の液体が入った容器か
ら当該液体が分注される複数の液体分注用凹部を有する
マイクロプレートを少なくとも一つ載置すると共に、こ
のマイクロプレートの各液体分注用凹部にて検体と試薬
との反応が行われることによって検体の反応試験を行う
検体試験装置であって、この検体試験装置に、マイクロ
プレートの各液体分注用凹部に液体の分注を行う分注機
構と、この分注機構の動作を制御する制御部とを備えて
いる。この場合、分注機構が、容器内の液体を吸引し且
つ吐出する分注部と、この分注部を搬送する搬送部とを
有している。そして、制御部は、分注部が容器内の液体
を吸引するよう指示する吸引機能と、この吸引した液体
の一部を吐出するよう指示する事前吐出機能と、吸引し
た液体を各液体分注用凹部に分注するよう指示する分注
機能とを有している。この場合、この制御部は、分注を
行う前に事前吐出を行っている。
【0012】この為、この請求項1記載の発明では、分
注部の移動に起因する振動等によって上下動してしまう
最初の液体分注用凹部における吐出側の液面位置と残り
の液体分注用凹部におけるその液面位置とを均一化する
ことができ、全ての液体分注用凹部における吐出量の均
一化を図ることができる。
【0013】請求項2記載の発明では、前述した請求項
1記載の検体試験装置において、前述した液体の一部
を、前述した容器に吐出している。そして、この容器を
マイクロプレートの近傍に配設している。
【0014】この為、この請求項2記載の発明では、前
述した請求項1記載の発明と同等に機能するほか、容器
からマイクロプレートまでの搬送距離を短縮し、この搬
送に起因する液面への影響を減らすことができるので、
更に分注に係る吐出量の均一化を図ることができる。
【0015】請求項3記載の発明では、前述した請求項
1記載の検体試験装置において、吐出された液体の一部
の吐出用受け皿たる事前吐出部を備えている。そして、
この液体の一部を、事前吐出部に吐出している。
【0016】この為、この請求項3記載の発明では、前
述した請求項1記載の発明と同等に機能するほか、吐出
された液体の一部の吐出位置を任意に設定することがで
きる。
【0017】請求項4記載の発明では、前述した請求項
3記載の検体試験装置において、分注部に、液体の吸引
及び吐出用の管状体を装備している。そして、制御部
は、前述した液体の吸引後、分注部を事前吐出部に搬送
するよう指示する搬送機能と、この搬送中に管状体内に
微少量の空気を吸入し続けるよう指示する空気継続吸入
機能とを有している。
【0018】この為、この請求項4記載の発明では、前
述した請求項3記載の発明と同等に機能するほか、搬送
中に液体が滴下(具体的には、管状体内からの滴下、管
状体の外壁面に付着した液体の滴下等)するのを防止す
ることができる。これにより、分注に要する液体の量が
不足するという事態を防止することができ、且つ、装置
内の汚れの防止に寄与することができる。
【0019】請求項5記載の発明では、試薬等の液体が
入った容器から当該液体が分注される複数の液体分注用
凹部を有するマイクロプレートを少なくとも一つ載置す
ると共に、このマイクロプレートの各液体分注用凹部に
て検体と試薬との反応が行われることによって検体の反
応試験を行う検体試験装置であって、この検体試験装置
に、マイクロプレートの各液体分注用凹部に液体の分注
を行う分注機構と、この分注機構の動作を制御する制御
部とを備えている。この場合、分注機構が、容器内の液
体を吸引し且つ吐出すると共に当該液体の吸引及び吐出
用の管状体を装備した分注部と、この分注部を搬送する
搬送部とを有している。そして、制御部は、分注部が管
状体から容器内の液体を吸引するよう指示する液体吸引
機能と、管状体内に微少量の空気を吸入するよう指示す
る空気吸入機能と、吸引した液体の一部を吐出するよう
指示する事前吐出機能と、吸引した液体を各液体分注用
凹部に分注を行うよう指示する分注機能とを有してい
る。この場合、この制御部は、液体の吸引直後に微少量
の空気を吸入し、且つ、分注を行う前に事前吐出を行っ
ている。
【0020】この為、この請求項5記載の発明では、液
体を吸引した後に管状体内に微少量の空気を吸入するの
で、液体の滴下(具体的には、管状体内からの滴下、管
状体の外壁面に付着した液体の滴下等)を防止すること
ができる。更に、一旦吸引された液体の一部を吐出する
ので、分注部の移動に起因する振動等によって上下動し
てしまう最初の液体分注用凹部における吐出側の液面位
置と残りの液体分注用凹部におけるその液面位置とを均
一化することができ、全ての液体分注用凹部における吐
出量の均一化を図ることができる。
【0021】請求項6記載の発明では、前述した請求項
5記載の検体試験装置において、吐出された液体の一部
の吐出用受け皿たる事前吐出部を備えている。そして、
この液体の一部を、事前吐出部に吐出している。
【0022】この為、この請求項6記載の発明では、前
述した請求項5記載の発明と同等に機能するほか、吐出
された液体の一部の吐出位置を任意に設定することがで
きる。
【0023】請求項7記載の発明では、前述した請求項
6記載の検体試験装置において、制御部は、前述した微
少量の空気を吸入した後、分注部を事前吐出部に搬送す
るよう指示する搬送機能と、この搬送中に管状体内に微
少量の空気を吸入し続けるよう指示する空気継続吸入機
能とを有している。
【0024】この為、この請求項7記載の発明では、前
述した請求項6記載の発明と同等に機能するほか、搬送
中に液体が滴下(具体的には、管状体内からの滴下、管
状体の外壁面に付着した液体の滴下等)するのを防止す
ることができる。これにより、分注に要する液体の量が
不足するという事態を防止することができ、且つ、装置
内の汚れの防止に寄与することができる。
【0025】請求項8記載の発明では、前述した請求項
3,4,6又は7記載の検体試験装置において、事前吐
出部をマイクロプレートの近傍に配設している。
【0026】この為、この請求項8記載の発明では、前
述した請求項3,4,6又は7記載の発明と同等に機能
するほか、事前吐出部からマイクロプレートまでの搬送
距離を短縮し、この搬送に起因する液面への影響を減ら
すことができるので、更に分注に係る吐出量の均一化を
図ることができる。
【0027】請求項9記載の発明では、前述した請求項
3,4,6,7又は8記載の検体試験装置において、制
御部は、事前吐出部からマイクロプレートまでの分注部
の搬送速度を、容器から事前吐出部までの搬送速度に対
して遅くする搬送速度調節機能を有している。
【0028】この為、この請求項9記載の発明では、前
述した請求項3,4,6,7又は8記載の発明と同等に
機能するほか、事前吐出部からマイクロプレートまでの
搬送中の振動を抑制することができるので、この搬送に
起因する液面への影響を減らすことができ、更に分注に
係る吐出量の均一化を図ることができる。
【0029】請求項10記載の発明では、前述した請求
項1から9の何れか一つに記載の検体試験装置におい
て、液体吸引機能は、液体を、分注に要する必要量より
も多めに容器から吸引する機能を新たに備えている。
【0030】この為、この請求項10記載の発明では、
前述した請求項1から9の何れか一つに記載の発明と同
等に機能するほか、分注前に液体を一旦吐出することに
よって、分注に要する液体が不足してしまうという事態
を防止することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】(実施形態の全体構成)以下、本
発明の実施形態を図1乃至図21に基づいて説明する。
本実施形態は、被験者の体液,血液,血清等の検体に対
して抗体反応の検査を行う検体試験装置としての酵素免
疫反応測定装置10である。その検査には、検体と試薬
との酵素免疫反応が行われる複数の液体分注用凹部(反
応用凹部)としてのウェルP1(図3参照)を有するア
ッセイ用のマイクロプレート(以下、アッセイプレート
Pとする)が使用される。図1は酵素免疫反応測定装置
10の各部の配置を概略的に示す斜視図であり、図2は
酵素免疫反応測定装置10の各部の配置を概略的に示す
平面図である。
【0032】この酵素免疫反応測定装置10は、複数種
の試薬が個別に入った複数の試薬瓶S及び複数の検体が
個別に入った複数の検体容器Kを載置する試薬・検体ト
レー20と、この試薬・検体トレー20を往復移動自在
に支持する基台11と、試薬・検体トレー20の往復移
動を付勢するトレー搬送機構としてのステージ機構30
と、アッセイプレートPの各ウェルP1に試薬の分注を
行う分注機構40と、アッセイプレートPを所定の温度
に維持する温度維持機構50と、アッセイプレートPの
各ウェルP1内の洗浄を行う洗浄機構60と、アッセイ
プレートPの各ウェルP1内の酵素免疫反応を測定する
反応測定機構70と、アッセイプレートPの各ウェルP
1内の検体又は試薬の乾燥を防止するプレートカバー1
2と、後述する使い捨てのチップT1,T2,T3が廃
棄されるチップ廃棄部13とを備えている。また、符号
14は、装置各部に電力を供給する電源である。尚、こ
の酵素免疫反応測定装置10は、各部の動作制御を行う
動作制御手段(制御部)としてパーソナルコンピュータ
(図示略)が接続されている。以下各部を説明する。
【0033】(アッセイプレート及び希釈用プレート)
先ず、各部の構成の説明の前にアッセイプレートPにつ
いて説明する。ここで、後述する検体又は試薬の希釈用
のマイクロプレート(以下、希釈用プレートUとする)
もアッセイプレートPと同一構造のプレートなので同時
に説明する。このアッセイプレートP(希釈用プレート
U)の平面図の一例を図3(A)に,正面方向の断面図
を図3(B)に示す。アッセイプレートP(希釈用プレ
ートU)は横12×縦8の計96個のウェルP1(U
1)が平面上に並んで形成されている。各ウェルP1
(U1)は有底且つ上方が開口しており、底面はフラッ
トになっている。尚、アッセイプレートP(希釈用プレ
ートU)はこのように底面がフラットなものに限らず、
底面が半球形状に形成されているものもある。
【0034】更に、アッセイプレートPについては、透
明なプラスチックで出来ており、上方から所定波長の光
を照射し、アッセイプレートPの下方でその透過光から
吸光度を測定することで酵素免疫反応の測定結果を得る
ことが可能となっている。また、各ウェルP1の内面全
体には予め試薬が塗布されており、その上から検体やま
た別の試薬が分注されるようになっている。希釈用プレ
ートUについては、特に透明である必要はなく、また試
薬も塗布されていない。
【0035】(基台)基台11は、前述した酵素免疫反
応測定装置10の各構成が載置装備される板状部材であ
り、かかる基台11及び各構成は、図示しない装置カバ
ー内に全て収容される。
【0036】(試薬・検体トレー)次に、試薬・検体ト
レー20について図2及び図4に基づいて説明する。図
4は、試験時における試薬・検体トレー20の斜視図を
示している。この試薬・検体トレー20は、トレー搬送
機構30を介して基台11上に装備されている。そし
て、この試薬・検体トレー20は、長方形の板状を呈す
るトレー本体27と、このトレー本体27上に配設され
たストッカ群とを備える構成となっている。
【0037】トレー本体27上においてストッカ群は、
トレー搬送機構30による往復方向Yに沿って順番に配
置された、検査方式に対応した複数の試薬の試薬瓶Sを
保持する試薬ストッカ21と、複数の検体を個別に収納
する検体容器Kを複数保持する検体ストッカ22と、各
検体をアッセイプレートPの対応するウェルP1に分注
する際に使用される検体用チップT1を複数保持する検
体用チップストッカ23及び各ウェルP1ごとに対応す
る複数の希釈用チップT2を保持する希釈用チップスト
ッカ24と、試薬ストッカ21及び検体ストッカ22に
隣接して各試薬に対応する試薬分注用の試薬用チップ
(管状体)T3を保持する試薬チップストッカ25から
構成されている。
【0038】上記試薬ストッカ21には、試薬瓶Sを上
方から挿入して保持する孔部21aが前述したY方向と
直交するX方向に並んで七つ形成されているが、その数
に限定はない。即ち、必要に応じてより多く設けても、
また、より少なくしても良い。
【0039】検体ストッカ22は、トレー状に形成され
ており、トレー本体27から着脱自在に装備されてい
る。この検体ストッカ22は、有底で上部が開口した検
体容器Kを挿入して保持する孔部22aがX方向に14
×Y方向に7で計98形成されている。この孔部22a
の総数もこれに限定されるものではない。
【0040】検体用チップストッカ23と希釈用チップ
ストッカ24は互いにX方向に沿って隣接して配置され
ており、何れも検体ストッカ22に隣接している。これ
ら各チップストッカ23,24はトレー本体27上に装
備されたホルダ26に着脱自在に保持される。各チップ
ストッカ23,24は何れも同一の構造であり、また検
体用チップT1と希釈用チップT2も同一の構造を備え
ている。そして、各チップストッカ23,24からは各
チップT1,T2は抜脱自在に保持されている。
【0041】ここで、各チップT1,T2について説明
を加えると、これらは管状であって、先端部が基端部よ
りも細くなっている(図15(A)参照)。このチップ
T1,T2の基端部が後述する分注機構40の分注ノズ
ル先端部に装着され、チップ先端部から検体又は希釈液
の吸引・吐出が行われる。各検体の混合を防ぐ為、複数
ある各チップT1,T2は、それぞれのアッセイプレー
トP又は希釈用プレートUの各ウェルP1,U1に個別
に対応するものが使用される。
【0042】上述した試薬用チップストッカ25は、ト
レー本体27のX方向における一端部に装備されてい
る。この試薬用チップストッカ25は、Y方向に沿って
並んだ状態で9つの試薬用チップT3を保持することが
でき、これら各チップT3も抜脱自在となっている。こ
のチップ保持数についても限定はないが、試薬ストッカ
21の試薬瓶保持数よりも多く設定することが望まし
い。
【0043】ここで、試薬用チップT3について説明を
加えると、このチップT3は前述の検体用チップT1と
同様に管状であって、先端部が基端部よりも細くなって
いる(図15(B)参照)。そして、このチップT3の
基端部もまた後述する分注機構40の分注ノズル先端部
に装着され、チップ先端部から試薬の吸引・吐出が行わ
れる。但し、この試薬用チップT3は、検体用チップT
1よりも径が大きく、その長さもより長く設定され、内
部容積が大きく設定されている。そして、試薬用チップ
T3もまた、各試薬の混合を防ぐ為に、各試薬瓶Sごと
に個別のものが使用される。
【0044】(保持枠体)更に、この試薬・検体トレー
20のトレー本体27上には、アッセイプレートP及び
希釈用プレートUの保持部としての保持枠体28が、加
振機構80を介してトレー本体27上に設けられてい
る。図5(A)に保持枠体28の平面図,図5(B)に
W−W線に沿った断面図を示し、図6に加振機構80の
分解斜視図を示す。
【0045】これら保持枠体28及び加振機構80は、
トレー本体27上のX方向における端部に配設され、前
述した希釈用チップストッカ24に隣接している。保持
枠体28は平板状を呈しており、その上面にはアッセイ
プレートPの配置領域である凹部28aと希釈用プレー
トUの配置領域である凹部28bとが形成されている。
各凹部28a,28bは何れも各プレートP,Uが丁度
収まる形状及び大きさで形成されており且つ各プレート
P,Uの長手方向(ウェルが12個並んだ方向)がY方
向に沿うようにトレー本体27上に配設されている。ま
た、図4に示すようにアッセイプレートPの配置領域が
設けられた保持枠体28の右半分は、トレー本体27の
平面領域内からX方向に沿った一方向に向かって突出し
ている。
【0046】また、図5の如く、保持枠体28の凹部2
8aの底面には保持枠体28の背面側に貫通した大きな
穴28cが設けられている。この穴28cは、アッセイ
プレートPの底面の周縁部を除いた略全体が保持枠体2
8の下方に露出する大きさに設定されている。この穴2
8cは、後述する温度維持機構50がアッセイプレート
Pを下方から加温すること及び反応測定機構70が上方
から照射した光の下方への透過光を検出することを考慮
して設けられている。
【0047】また、保持枠体28の上面における保持部
28aのY方向側に隣接して、洗浄機構60の後述する
吸引ノズル先端部を洗浄する為の洗浄槽29が設けられ
ている。この洗浄槽29はアッセイプレートPのX方向
幅と略等しい幅に設定されており、洗浄時には槽内部で
洗浄液の吐出と吸引を繰り返し、これにより吸引ノズル
先端部の洗浄を行う。
【0048】(加振機構)前述したように、上記保持枠
体28は加振機構80を介してトレー本体27上に装備
されている。この加振機構80は、図6に示すように、
四本の足を介してトレー本体27上に固定装備された台
板81と、回転軸を垂直方向(X方向,Y方向の何れに
も直交する方向、以下この方向をZ方向とする)であっ
て上方に向けて台板81に固定装備された加振モータ8
2と、この加振モータ82の駆動軸に装備された偏心カ
ム83と、偏心カム83の偏心軸83aを回転自在に保
持枠体28と連結する軸受け84と、保持枠体28を水
平面(X方向,Y方向の何れにも平行な面)に沿った何
れの方向への滑動も自在として台板81に連結するスラ
イダの連結体85と、台板81に対する保持枠体28の
基準位置を検出する原位置センサ86とを備えている。
【0049】上記加振モータ82は回転数及び回転角度
の制御を自在に行うことができるサーボモータであり、
加振後に台板81に対する保持枠体28の位置が変化し
ないように常に一定の回転角度で加振を終了する制御が
行われる。
【0050】偏心カム83は、一端で加振モータ82の
駆動軸と連結され,他端には駆動軸と平行且つ偏心した
偏心軸83aを備えている。この偏心軸83aが軸受け
84を介して保持枠体28と連結されることで、加振モ
ータ82の駆動により保持枠体28は駆動軸を中心とす
る偏心軸83aの偏心距離を半径とした円運動が付勢さ
れることとなる。
【0051】台板81と保持枠体28とを連結する連結
体85は、一方の部材に対する他方の部材の直線方向に
沿った滑動を自在とするスライダを二つ組み合わせたも
のであり、一方のスライダの滑動方向をX方向に向け、
他方のスライダの滑動方向をY方向に向けて台板81−
保持枠体28間に装備している。従って、保持枠体28
は枠体自体の向きを変えることなく水平面に沿った方向
の何れにも滑動することを可能としている。この為、保
持枠体28は前述した加振モータ82の駆動により水平
面に沿って向きを変えずに円運動を行うこととなる。
【0052】また、前述した偏心カム83の円周面上に
は突起部83bが設けられており、前述した原位置セン
サ86はかかる突起部83bの有無を検出する。原位置
センサ86の検出信号は前述した酵素免疫反応測定装置
10の動作制御を行うパーソナルコンピュータに出力
し、これに対してパーソナルコンピュータは、突起部8
3bの検出時に保持枠体28が基準位置にあるものと判
断してそのときの回転角度で加振モータ82の駆動を停
止し、加振動作を終了する制御が行われる。従って、加
振動作の前後において、台板81に対する保持枠体28
の位置を常に一定に保つことができ、他の作業(例え
ば、アッセイプレートPの分注,洗浄,保温,反応測定
等)の際にアッセイプレートPの位置ズレによる不都合
を防止することができる。
【0053】(ステージ装置)次に、ステージ装置30
について図2及び図7に基づいて説明する。このステー
ジ装置30は、試薬・検体トレー20をY方向に沿って
案内する二つのガイド軸31a,31bと、試薬・検体
トレー20の下面側に固定装備され,各ガイド軸31
a,31bに沿って滑動自在のスライダ32a,32b
と、二つの従動プーリ33a,33bによってY方向に
沿って張設された無端ベルト34と、この無端ベルト3
4の搬送の駆動源である駆動モータ35と、駆動モータ
35の出力軸に装備された主動プーリ36と、従動プー
リ33aと同一軸で連結された減速プーリ37と、主動
プーリ36のトルクを減速プーリに伝える伝達ベルト3
8とを備えている。
【0054】上記各ガイド軸31a,31bは、何れも
Y方向に沿った状態で基台11(図7では図示略)に両
端部が固定されている。各スライダ32a,32bは、
それぞれガイド軸31a,31bと係合した直動玉軸受
け(図示略)を内蔵しており、これによりガイド軸31
a,31bに沿って滑動を自在としている。また、各ス
ライダ32a,32bは試薬・検体トレー20のトレー
本体27の下面側に装着されており、これによって試薬
・検体トレー20全体がY方向に沿って往復自在となっ
ている。
【0055】各従動プーリ33a,33b及び無端ベル
ト34は何れもガイド軸31bに近接して配置されてお
り、スライダ32bはブラケット32cを介して無端ベ
ルト34の中間部に連結されている。従って、無端ベル
ト34の搬送によりスライダ32bを介して試薬・検体
トレー20の往復動作が付勢される。
【0056】減速プーリ37と従動プーリ33aとは同
一軸の両端部にそれぞれ支持されており連動する。主動
プーリ36は減速プーリ37よりも小径であり、これに
より減速プーリ37には回転速度が減速されて伝達され
る。
【0057】駆動モータ35は、自在に回転量の制御を
行うことが可能なサーボモータである。この回転量を制
御することで、Y方向における試薬・検体トレー20の
位置決めが行われる。
【0058】(温度維持機構)図2に示すように、温度
維持機構50は、基台11上においてY方向における手
前側(図2における下端部)に位置し且つ試薬・検体ト
レー20の往復移動領域における保持枠体28が装備さ
れた端部側(図2における右側)に隣接して基台11上
に配置されている。この温度維持機構50について図8
及び図9に基づいて説明する。図8は後述する蓋体56
を開いた状態の温度維持機構50の斜視図,図9はアッ
セイプレート及び保持枠体の移動領域と温度維持機構5
0の筐体52の関係を示す斜視図である。
【0059】この温度維持機構50は、温度調節体とし
てのヒータ51とこのヒータ51を内蔵する筐体52と
を有している。ヒータ51は図示を省略した操作盤によ
り温度設定することができる。尚、温度調節体はヒータ
に限定しなくとも良く、例えばペルチェ素子を使用して
加温だけでなく冷却も可能としても良い。
【0060】筐体52は、ヒータ51を保持する本体5
3と、基台11(図示略)上で本体53を支持する四本
の脚部54と、本体53の上面端部から立設された側壁
55の上端部に設けられた開閉自在の蓋体56とを備え
ている。
【0061】前述したヒータ51は本体53の上面部に
装備されている。そして、蓋体56は閉じた状態におい
てはアッセイプレートP及び保持枠体28の移動領域を
挟んでヒータ51と対向するように側壁55に装備され
ている。即ち、本体53と蓋体56とは、試薬・検体ト
レー20の移動により搬送されてくるアッセイプレート
P及び保持枠体28を介挿でき且つアッセイプレートP
の保持状態の保持枠体28の厚さ(高さ)にほど近い隙
間が設けられている。この為、アッセイプレートPを本
体53と蓋体56との間に介挿すると、ヒータ51はア
ッセイプレートPの下面に近接して対向し、蓋体56は
アッセイプレートPの上面に近接して対向する。前述し
たように保持枠体28の凹部28aには穴28cが設け
られているので、アッセイプレートPの下面とヒータ5
1とは遮蔽する物がない状態で対向するので、ヒータ5
1からの熱を効率良く伝達することができる。また、ア
ッセイプレートPの各ウェルP1の開口部には蓋体56
が近接して存在するので各ウェルP1内の検体,試薬等
の過度の水分の蒸発を防止することが可能である。
【0062】図9は蓋体56を閉じた状態の筐体52を
示している。この図9において、符号Rは試薬・検体ト
レー20の移動に伴うアッセイプレートP及び保持枠体
28の移動領域を示している。この図に示すように、温
度維持機構50はアッセイプレート及び保持枠体の移動
領域Rの末端部において当該領域Rと重複した状態で基
台11上に配置されている。そして、筐体52のアッセ
イプレート及び保持枠体の移動領域Rとの重複する部位
は切り欠かれている。即ち、筐体52のY方向における
一端面とX方向における一端面にそれぞれ切り欠き52
a,52bが設けられ、アッセイプレートPと保持枠体
28とは試薬・検体トレー20の移動に伴って筐体52
の内部に案内されることが可能となっている。
【0063】(反応測定機構)図2に示すように、反応
測定機構70は、温度維持機構50のY方向における奥
側(図2における上方)に隣接し且つ試薬・検体トレー
20の往復移動領域における保持枠体28が装備された
端部側(図2における右側)に隣接して基台11上に配
置されている。この反応測定機構70について図10に
基づいて説明する。図10(A)は反応測定機構70の
正面図,図10(B)は側面図を示す。
【0064】この反応測定機構70は、光源であるハロ
ゲンランプ71aを備えその出射光をアッセイプレート
PのウェルP1に照射する照射部71と、受光センサと
してフォトダイオード72aを備えるセンサ保持体72
と、測定に応じた複数種のバンドパスフィルタ73aを
備えるフィルタ保持体73と、フィルタ保持体73を駆
動するフィルタ選択手段74と、照射部71,センサ保
持体72及びフィルタ保持体73を保持するブラケット
75と、基台11(図10では図示略)上に二本の脚7
6aで支持された台板76と、この台板76上に装備さ
れたガイド部材77と、このガイド部材77に沿って自
在に滑動するスライダ78と、このスライダ78に往復
移動を付勢する位置決め付勢手段79とを備えている。
【0065】上記照射部71は、ハロゲンランプ71a
とその出射光が通過する案内管71bと通過した出射光
をセンサ保持体72側に反射するミラー71cとを備え
ている。案内管71bはブラケット75からX方向に沿
って立設されており、案内管71bの基端部から先端部
に装備されたミラー71cまでの距離はアッセイプレー
トPのX方向幅(短い方の幅)よりも長く設定されてい
る。
【0066】更に、ハロゲンランプ71aと案内管71
bとの間には円板状のフィルタ保持体73が介挿されて
おり、その同一円周上に各々通過帯域の異なる複数種類
(本実施形態では五種類)のバンドパスフィルタ73a
が保持されている。また、フィルタ保持体73の同一円
周上に一つだけバンドパスフィルタ73aが装備されて
いないただの貫通穴73bが形成されている。
【0067】フィルタ選択手段74は、上記フィルタ保
持体73を回転させるサーボモータ74aと、フィルタ
保持体73の外周に設けられた原位置突起74bと、原
位置突起74bを検出する原位置センサ74cとを備え
ている。かかる構成により、原位置突起74bを原位置
センサ74cによって検出後、サーボモータ74aによ
ってフィルタ保持体73を所定角度回転させることで、
所望のバンドパスフィルタ73aをハロゲンランプ71
aに位置決めし、所定波長の光波を照射部71から出射
することを実現する。
【0068】一方、センサ保持体72もまたブラケット
75からX方向に沿って立設されており、その基端部か
ら先端部に装備されたフォトダイオード72aまでの距
離は、案内管71bの基端部から先端部のミラー71c
までの距離に等しく設定されている。また、図10に示
すように、アッセイプレート及び保持枠体の移動領域R
が案内管71bとセンサ保持体72との間に位置するよ
うにこれらの高さ設定が成されており、試薬・検体トレ
ー20の移動により案内管71bとセンサ保持体72と
の間にアッセイプレートPが案内され,ウェルP1の通
過光をフォトダイオード72aで検出することでその吸
光度から測定結果を得ることができる。
【0069】スライダ78はブラケット75を保持して
おり、ガイド77はX方向に沿って台板76上に装備さ
れている。従って、スライダ78の滑動によりフォトダ
イオード72aによる検出位置をX方向に沿って変化さ
せることができる。スライダ78の移動を付勢する位置
決め付勢手段79は、主動プーリ79aと従動プーリ7
9bとによりX方向に沿って張設された無端ベルト79
cと主動プーリ79aを回転させるサーボモータ79d
とを備えている。スライダ78は無端ベルト79cの中
間部に小ブラケット78aを介して連結されており、サ
ーボモータ79dの回転によってスライダ78及びブラ
ケット75を介してフォトダイオード72aによるX方
向における検出位置の位置決めが行われる。即ち、アッ
セイプレートPのX方向に一列に並んだ各ウェルP1に
対してその配列間隔ごとにフォトダイオード72aの位
置決めを行い、その列の全てのウェルP1に対して吸光
度測定を行う。また、前述の如くアッセイプレートPは
試薬・検体トレー20の移動によりY方向に沿って搬送
自在である為、かかる搬送動作とフォトダイオード72
aのX方向の位置決め動作との協動によってアッセイプ
レートPの全てのウェルP1に対して吸光度測定を行う
ことが可能である。
【0070】(洗浄機構)図2に示すように、洗浄機構
60は、反応測定機構70のY方向における奥側(図2
における上方)に隣接し且つ試薬・検体トレー20の往
復移動領域における保持枠体28が装備された端部側
(図2における右側)に隣接して基台11上に配置され
ている。この洗浄機構60について図11及び図12に
基づいて説明する。図11は洗浄機構60の正面図,図
12は一部省略した左側面図を示す。尚、図12におい
て後述するノズルカバー65より奥に位置する構成につ
いては図示を省略している。
【0071】この洗浄機構60は、基台11(図11,
12では図示略)上に四本の足61aで支持されたシャ
ーシ本体61と、洗浄液吐出ノズル62aと吸引ノズル
62bとを八組備えた洗浄マニホールド62と、この洗
浄マニホールド62を保持するホルダ63と、このホル
ダ63を介して洗浄マニホールド62をシャーシ本体6
1に対して昇降させる昇降付勢部64と、洗浄マニホー
ルド62の各ノズル62a,62bからの液垂れを防止
するノズルカバー65と、図示を省略した洗浄液タン
ク,洗浄液圧送ポンプ及び吸引ポンプとを備えている。
【0072】上記洗浄マニホールド62は一方向が長く
設定された直方体形状を成し、その下面にはその長手方
向に沿って均一間隔で洗浄液吐出ノズル62aと吸引ノ
ズル62bの対が装備されている。この吸引ノズル62
bは洗浄液吐出ノズル62aよりも長く設定されてい
る。各ノズル対の間隔はアッセイプレートPのX方向の
ウェルP1の間隔と等しく設定されている。また、この
洗浄マニホールド62の上面には各洗浄液吐出ノズル6
2aに通じている液供給口62cと各吸引ノズル62b
に通じている吸引口62dとが設けられ、前者には洗浄
液圧送ポンプ及び洗浄液タンクがホースを介して接続さ
れ、後者には吸引ポンプがホースを介して接続されてい
る。
【0073】また、符号62eはパーソナルコンピュー
タの指令により開閉制御自在のバルブである。各ポンプ
は通常連続的に駆動しており、このバルブ62eが開状
態となったときのみ洗浄液吐出ノズル62aから洗浄液
が吐出するようになっている。また図示しないが、吸引
口62dから吸引ポンプに至る途中にも同様のバルブが
設置されている。
【0074】更に、洗浄マニホールド62の前面と背面
とにはホルダ63に対する位置決め用突起62f,62
gが設けられている。この位置決め用突起62f,62
gはホルダ63に設けられた切り欠きにはめ込まれて洗
浄マニホールド62のX方向における位置決めが成され
るようになっている。
【0075】シャーシ本体61は、昇降付勢機構64及
びホルダ63を介して洗浄マニホールド62を保持した
ときに、洗浄マニホールド62の長手方向(ノズルの対
が並んだ方向)がX方向と平行になるように且つアッセ
イプレート及び保持枠体の移動領域Rを通過するアッセ
イプレートPのX方向に並んだ各ウェルP1の上方に各
ノズル対が位置するように基台11上に配備されてい
る。より正確には、各ノズル対の位置が対応するウェル
P1のX方向における中心位置となるようにシャーシ本
体61の配置設定が成されている。
【0076】昇降付勢機構64は、Z方向に沿ってシャ
ーシ本体61に固定装備されたガイド部材64aと、こ
のガイド部材64aに沿って滑動自在に支持されたスラ
イダ64bと、Z方向に沿ってシャーシ本体61に回転
自在に装備されたネジ軸64cと、このネジ軸64cを
回転させるサーボモータ64dとを備えている。
【0077】上記スライダ64bはホルダ63を固定支
持しており、このホルダ63を介して洗浄マニホールド
62に昇降動作を伝達する。また、スライダ64bは、
ネジ軸64cとボールネジ(図示略)を介して係合して
おり、ネジ軸64cの回転に応じて昇降動作が付勢され
る。
【0078】この昇降付勢機構64では、洗浄マニホー
ルド62の吸引ノズル62bがアッセイプレートPから
離間して上方に位置する高さ(図11,12の状態、退
避高さとする)と、洗浄マニホールド62の吸引ノズル
62bがアッセイプレートPのウェルP1の上部に接近
する高さ(吐出高さとする)と、洗浄マニホールド62
の吸引ノズル62b先端がウェルP1の底面に届く高さ
(吸引高さとする)の三段階に高さ調節される。従っ
て、各高さごとにスライダ64bを検出するセンサをシ
ャーシ本体61に設ければ、回転量制御の可能なサーボ
モータ64dではなく通常の駆動モータの使用も可能で
ある。
【0079】スライダ64bに支持されるホルダ63
は、洗浄マニホールド62の長手方向長さに近い長さで
X方向に沿うようにスライダ64bに支持されている。
また、このホルダ63は図12に示すように断面形状が
コ字状に形成されておりその開口部が上方に向けられて
いる。洗浄マニホールド62はホルダ63の断面形状に
おける隙間部分に介挿される。このとき、ホルダ63の
隙間部分の幅は洗浄マニホールド62の厚さより少し大
きく設定されており、洗浄マニホールド62を保持する
とホルダ63の内部には若干の遊びを生ずることとな
る。しかしながら、このホルダ63には、装着された洗
浄マニホールド62を弾性を持って押圧するバネ部材6
3aが設けられているので、洗浄マニホールド62のY
方向のがたつきは防止される。このように、ホルダ63
は洗浄マニホールド62を遊びと押圧力を持って保持す
ることで、吸引動作時において、吸引ノズル62bをウ
ェルP1の内部壁面に押圧力を持って当接させることが
可能となり、このようにすることでより効果的にウェル
P1内の液体を除去することが可能となる。
【0080】また、コ字状を成すホルダ63の互いに向
かい合う面には、前述した洗浄マニホールド62に設け
られた位置決め用突起62f,62gに対応する切り欠
き63b(もう一方の切り欠きは図示略)が形成されて
いる。この切り欠き63bにより洗浄マニホールド62
の各ノズル対はX方向について位置決めされ且つ固定さ
れる。
【0081】更に、ホルダ63はその上部にノズルカバ
ー65の回動を付勢する為の当接ローラ63cを備えて
いる。この当接ローラ63cは、スライダ64bによる
昇降動作と共に昇降を行う。
【0082】このノズルカバー65は、図12に示すよ
うに、シャーシ本体61の上面と相対する第一のアーム
部65aと、この第一のアーム部65aの一端部にその
基端部が連結された第二のアーム部65bと、この第二
のアーム部65bの先端部に装備された受け皿65cと
を備えている。第一のアーム部65aは、その一端部近
傍にてX方向に平行な支軸65dを介して回動自在にシ
ャーシ本体61と連結され、その他端部にはシャーシ本
体61の上面から離間する方向に押圧する押圧バネ65
eを備えている。
【0083】第二のアーム部65bは第一のアーム部6
5aに略直角に連結されており、第一のアーム部65a
が水平方向を向いているときには第二のアーム部65b
の先端部は下方を向いている。かかる状態において、受
け皿65cは洗浄マニホールド62の各ノズル対の直下
に位置するように第二のアーム部65bの先端部から図
12における右側に幾分シフトして装備されている。こ
の受け皿65cは、洗浄マニホールド62のX方向の長
さに略等しい長さに設定されており且つX方向と平行に
第二のアーム部65bに支持されている。更に、この受
け皿65cはその底面がX方向における一端部(図11
における右端部)側が低くなるように傾斜しており、当
該一端部には各ノズル62a,62bから垂れた残留液
を集積して排出する排出口65fが形成されている。こ
の排出口65fの下方には図示を省略した廃液集積容器
が配設される。
【0084】ところで、洗浄マニホールド62及びホル
ダ63は前述したように、昇降付勢機構64によって、
退避高さと吐出高さと吸引高さの三段階に高さ調節され
る。ホルダ63に設けられた当接ローラ63cは、退避
高さのときにノズルカバー65の第一のアーム部65a
が水平となるように押圧バネ65eに抗して当接する配
置設定が成されている。従って、洗浄マニホールド62
及びホルダ63が吐出高さ又は吸引高さまで下降する
と、第一のアーム部65aは押圧バネ65eによって回
動を付勢され、これに伴い受け皿65cは各ノズル対の
直下位置から退避し、洗浄動作の妨げとはならない。
【0085】(分注機構)図2に示すように、分注機構
40は、洗浄機構60のY方向における奥側(図2にお
ける上方)に隣接して基台11上に配置されており、分
注機構40は、試薬の分注を行う分注部41と、X方向
に沿って分注部41を搬送する搬送部90とを有してい
る。ここで、検体及び希釈液についてもこの分注機構4
0を用いて分注される。図13は搬送部90の平面図を
示し、図14は分注部41の正面図を示している。これ
らの図に基づいて分注機構40について説明する。
【0086】先ず、搬送部90は、図13に示すよう
に、保持枠体28を含んだ試薬・検体トレー20全体の
移動領域をまたがって基板11上に配備された架設台9
1(図1,2参照)と、X方向に沿って架設台91上に
装備されたガイドレール92と、分注部41を保持しガ
イドレール92に沿って自在に滑動するスライダ93
と、二つの従動プーリ94a,94bによってX方向に
沿って張設された無端ベルト95と、この無端ベルト9
5の搬送の駆動源であるサーボモータ96と、サーボモ
ータ96の出力軸に装備された主動プーリ97と、従動
プーリ94aと同一軸で連結された減速プーリ98と、
主動プーリ97のトルクを減速プーリ98に伝える伝達
ベルト99とを備えている。
【0087】上記ガイドレール92は、X方向に沿った
状態で架設台91の手前側端部に装備されている。スラ
イダ93は、前述の如くガイドレール92に沿って滑動
自在である為、分注部41をX方向の何れの位置にも移
動させることができる。各従動プーリ94a,94b及
び無端ベルト95は何れもガイドレール92に近接して
配置されており、スライダ93はブラケット93aを介
して無端ベルト95の中間部に連結されている。従っ
て、無端ベルト95の搬送によりスライダ93を介して
分注部41のX方向位置決め動作が付勢される。
【0088】減速プーリ98と従動プーリ94aとは同
一軸の両端部にそれぞれ支持されており連動する。主動
プーリ97は減速プーリ98よりも小径であり、これに
より減速プーリ98には回転速度が減速されて伝達され
る。サーボモータ96は、自在に回転量の制御が行うこ
とが可能であり、この回転量を制御することで、X方向
における分注部41の位置決めが行われる。
【0089】分注部41は、分注ノズル45とこの分注
ノズル45をZ方向に沿って昇降させる昇降手段とから
なる。この昇降手段は、搬送部90のスライダ93に保
持された筐体42と、Z方向に沿って筐体42に固定装
備されたガイド部材43と、このガイド部材43に沿っ
て滑動自在に支持され自らは分注ノズル45を保持する
スライダ44と、Z方向に沿って筐体42に回転自在に
装備されたネジ軸46と、このネジ軸46を回転させる
サーボモータ47とを備えている。
【0090】上記筐体42は一方向に長い直方体形状で
あり、その長手方向がZ軸方向に平行となるように搬送
部90のスライダ93に保持されている。分注部41の
スライダ44は、ネジ軸46とボールネジ(図示略)を
介して係合しており、ネジ軸46の回転に応じて昇降動
作が付勢される。サーボモータ47は回転量の制御が可
能である為、これによりスライダ44を介して分注ノズ
ル45のZ方向における位置決めを可能としている。
【0091】分注ノズル45はZ方向に沿ってスライダ
44に支持された管状部材であり、その基端部(上端
部)はホースを介して吸引と吐出を付勢する図示しない
分注ポンプに接続されている。この分注ポンプは、吸引
量及び吐出量の制御が可能なものが使用される。この場
合、前述したパーソナルコンピュータにて制御される。
また、分注ノズル45の先端部(下端部)は検体用チッ
プT1,希釈用チップT2又は試薬用チップT3の装着
部45aとなっている。
【0092】この装着部45aは、内径の小さな検体用
チップT1及び希釈用チップT2と内径の大きな試薬用
チップT3の何れもが装着できるように、その外径が小
さな小径部45bと外径が大きな大径部45cとを備え
ている。即ち、検体用チップT1又は希釈用チップT2
については図15(A)に示すように小径部45bに装
着され、試薬用チップT3については図15(B)に示
すように大径部45cに装着される。
【0093】更にまた、分注ノズル45は、スライダ4
4に対してZ方向に沿って摺動自在に保持されており、
尚且つコイルバネ45dによって常時下方に押圧荷重を
受けている。かかる構造は、上述した各チップT1,T
2,T3の装着作業に起因する。即ち、各チップT1,
T2,T3の装着作業は、取付端部を上方に向けて各々
のホルダ23,24,25に保持されている各チップT
1,T2,T3に対して分注ノズル45を下降させると
共に装着部45aを取付端部に挿入することで行われ
る。このとき、挿入時の摩擦により分注ノズル45は上
方に反力を受けてコイルバネ45dは圧縮され、当該分
注ノズル45はスライダ44に対して上方に移動する。
この上方への移動量を図示しないセンサにより検出し、
各チップT1,T2,T3の装着に際しては予め決めら
れた規定の移動量となるまでスライダ44や分注ノズル
45を制御することにより、チップT1,T2,T3の
装着状態を均一化することが可能となる。即ち、これに
より、各チップT1,T2,T3はきつ過ぎもなくゆる
過ぎもない好適な状態で保持されることとなる為、不慮
の脱落や抜脱時に抜けなくなるような不都合を防止する
ことが可能となる。
【0094】(チップ廃棄部)図2に示すように、分注
機構40の搬送部90による分注部41の搬送範囲であ
って、その最端部(図2における右端部)にはチップ廃
棄部13が配設されている。このチップ廃棄部13につ
いて図16に基づいて説明する。図16(A)はチップ
廃棄部の斜視図であり、図16(B)は正面図である。
【0095】このチップ廃棄部13は、廃棄される各チ
ップT1,T2,T3の回収容器13aと、この回収容
器13aの上端部に装備されたチップの係止爪部材13
bとから構成されている。この係止爪部材13bはその
上端部が屈曲して分注部41側(図2における左側)を
向いており、その屈曲部の更に先端部には、その幅が二
段階で変化している切り欠き13cが形成されている。
【0096】この切り欠き13cは、搬送部90により
搬送される分注ノズル45の通過線上に位置している。
そして、この切り欠き13cの幅狭部13dの幅は、前
述した分注ノズル45の小径部45bの外径よりも大き
く且つチップT1,T2の取付端部の外径よりも小さく
設定されており、幅広部13eの幅は、前述した分注ノ
ズル45の大径部45cの外径よりも大きくチップT3
の取付端部の外径よりも小さく設定されている。
【0097】チップ廃棄部13による検体用チップT1
の抜脱動作を説明する。先ず、検体用チップT1を装着
した状態の分注ノズル45をチップ廃棄部13に向けて
搬送する。搬送先に係止爪部材13bの切り欠き13c
が位置しているので、予め分注ノズル45の小径部45
bであって検体用チップT1に覆われていない部位(小
径部45bであって大径部45cとの境界近傍の部位)
が切り欠き13cに挿入されるように高さ調節を行う。
分注ノズル45の小径部45bが切り欠き13cの幅狭
部13dに嵌合するまで分注ノズル45を搬送する。そ
して、分注ノズル45を上方に移動することにより検体
用チップT1のみが係止爪部材13bに引っかかり、分
注ノズル45の装着部45aから脱落して回収容器13
a内に回収される。
【0098】希釈用チップT2の抜脱の際にも全く同様
の動作を行えば良い。試薬用チップT3の場合には、分
注ノズル45の大径部45cの上端部近傍を切り欠き1
3cの高さに調節し、切り欠き13cの幅広部13eに
分注ノズル45の大径部45cが勘合するまで分注ノズ
ル45の搬送を行い、しかる後に分注ノズル45を上方
に移動させればよい。
【0099】(プレートカバー)図2に示すように、保
持枠体28に保持されたアッセイプレートPの上面を覆
うプレートカバー12は、試薬・検体トレー20の移動
に伴うアッセイプレートPの移動領域の略全域に渡って
形成されている。図17はプレートカバー12と保持枠
体28に保持されたアッセイプレートPとの位置関係を
説明する説明図であり、図18はプレートカバー12の
斜視図である。これらの図17,18に基づいてプレー
トカバー12について説明する。
【0100】このプレートカバー12は、一方向に長い
平板状を呈しており、図18に示すように、その長手方
向をY方向に沿わせた状態で温度維持機構50と電源1
4との間に架設されている。更に、このプレートカバー
12は、図17に示すようにX方向における幅がアッセ
イプレートPの幅よりも若干広めに設定されており、そ
の両端部はアッセイプレートP側に向かって屈曲してい
る。更に、プレートカバー12の平板面は、保持枠体2
8に保持されたアッセイプレートPの上面と平行且つ近
接した状態で温度維持機構50と電源14とに支持され
ている。
【0101】一方、アッセイプレートPに対しては、そ
の移動領域の各部において、ウェルP1内の反応測定、
各ウェルP1の洗浄、各ウェルP1に対する検体・試薬
の分注が行われる。これらの各作業は何れもアッセイプ
レートPの上方から行われる為、プレートカバー12に
は、各作業用の開口部が形成されている。即ち、反応測
定機構70の配設箇所には開口部12aが設けられ、洗
浄機構60の配設箇所には開口部12bが設けられ、分
注機構40の配設箇所には開口部12cが設けられてい
る。各開口部12a,12b,12cは何れもプレート
カバー12のX方向幅の略全域に渡って形成されてい
る。従って、プレートカバー12は、これら各作業の妨
げとなることはなく、尚且つ、搬送中のアッセイプレー
トPの全てのウェルP1について或いは各作業時におい
て作業の順番待ちとなる他のウェルP1については、そ
の開口した上部がプレートカバー12に覆われた状態と
なるので、ウェルP1内の検体又は試薬中の水分の蒸発
を有効に抑制することが可能である。
【0102】(酵素免疫反応測定装置の動作説明)図
2,図19及び図20に基づいて酵素免疫反応測定装置
10の動作を説明する。図19は酵素免疫反応測定装置
10の動作の順番を示すフローチャートであり、図20
は試薬等の液体の分注動作の順番を示すフローチャート
である。尚、ここで、動作説明の便宜の為、図2におけ
る上方向を送り方向と称し、図2における下方向を戻り
方向と称し、図2における左方向をそのまま左方向と称
し、図2における右方向をそのまま右方向と称すること
とする。
【0103】以下に述べる酵素免疫反応測定装置10の
動作は、前述したパーソナルコンピュータ内で実行され
るプログラムに従って酵素免疫反応測定装置10の動作
が制御され実現されるものである。
【0104】酵素免疫反応測定の前準備として、先ず保
持枠体28上の凹部28aにアッセイプレートPを載置
し、凹部28bに希釈用プレートUを載置する。尚、ア
ッセイプレートPの載置に際しては、温度保持機構50
内部に保持枠体28を搬送した状態で温度保持機構50
を介して行う。
【0105】また、測定に使用する試薬の試薬瓶S及び
希釈液瓶を試薬・検体トレー20の試薬ストッカ21
に,試薬用チップT3を試薬用チップストッカ25にセ
ットする。更に、検体用チップT1を保持した検体用チ
ップストッカ23,希釈用チップT2を保持した希釈用
チップストッカ24,検体容器Kを保持した検体ストッ
カ22をそれぞれ試薬・検体トレー20上にセットす
る。
【0106】前準備が完了したら、酵素免疫反応測定装
置10の作動を開始する。先ず、最初の工程では検体の
希釈が行われる。この希釈に際しては、先ず希釈用プレ
ートUの各ウェルU1に希釈液の分注が行われる(ステ
ップS1)。かかる希釈液の分注には試薬用チップT3
が使用されるので、ステージ機構30と分注機構40の
搬送部90との協動により、分注ノズル45が試薬用チ
ップストッカ25のチップ位置に位置決めし、昇降手段
により分注ノズル45を下降させて試薬用チップT3を
装着する。
【0107】次に、分注ノズル45を試薬ストッカ21
に保持された希釈液瓶に位置決めし、分注ノズル45を
下降させてしかる後に分注ポンプを駆動させ図20
(A)に示す試薬用チップT3内に図20(B)に示す
一定量の希釈液L1aを吸引する(図21に示すステッ
プSa)。この場合、希釈液L1aの量は、一回の分注
作業に要する必要量よりも多めに吸引する。続いて、分
注ノズル45を上昇させ、希釈液瓶の液面から試薬用チ
ップT3が出た時点で分注ポンプを駆動させて試薬用チ
ップT3内に図20(C)に示す微少量の空気Aを吸入
する(図21に示すステップSb)。しかる後、分注ノ
ズル45の上昇動作が終了する。
【0108】続いて、分注ポンプを駆動させて試薬用チ
ップT3内に微少量の空気Aを吸入し続けたまま、分注
機構40により分注ノズル45がチップ廃棄部13に搬
送される(図21に示すステップSc)。そして、この
チップ廃棄部13に、吸引された図20(D)に示す希
釈液L1aの一部L2aを吐出する(図21に示すステ
ップSd)。しかる後、試薬用チップT3内に残された
希釈液L3aを、以下の如く希釈用プレートUに分注し
始める(図21に示すステップSe)。
【0109】希釈用プレートUがステージ機構30によ
り分注ノズル45の移動範囲に搬送される。このとき、
希釈用プレートUは送り方向の最前列のウェルU1が分
注ノズル45の移動範囲に位置決めされる。そして、搬
送部90により分注ノズル45を希釈用プレートUの最
前列の一番右のウェルU1に位置決めし、分注高さまで
下降させてから希釈液L3aを吐出する。そして、ウェ
ルU1のX方向における配列間隔ごとに左方向に分注ノ
ズル45を搬送し同様に分注を行う。更に最前列の分注
が済むと、以下の列についてはステージ機構30により
ウェルU1のY方向における配列間隔ごとに送り方向に
希釈用プレートUを搬送し同様に分注を行う。
【0110】かかる希釈作業において、希釈倍率により
予めウェルU1ごとの希釈液の吐出量は分かっているの
で、試薬用チップT3内の希釈液L3aがウェル何個分
に相当するかは予め計算できる。従って、必要に応じ
て、希釈用プレートUへの希釈液分注の途中で希釈液を
補充させるように補充動作を行っても良い。
【0111】また、本実施形態において、事前吐出部と
してチップ廃棄部13を使用したが別途専用の事前吐出
部を設けても良い。この場合、事前吐出部は希釈用プレ
ートU(若しくはアッセイプレートP)の近傍に配設す
ることが望ましい。これにより、従来例の如き分注ノズ
ルの移動中の振動に起因する試薬等の液面の上下動を抑
制することができる。また、希釈液瓶を希釈用プレート
Uの近傍に配設した場合にあっては、事前吐出をこの希
釈液瓶に行っても良い。更に、液面の上下動を抑制する
為、事前吐出部から希釈用プレートU(若しくはアッセ
イプレートP)までの搬送速度を遅くすることが望まし
い。また更に、前述したステップSbに示す空気の吸入
動作を省いても良い。
【0112】全てのウェルU1に希釈液が分注される
と、分注ノズル45はチップ廃棄部13に搬送されて試
薬用チップT3が廃棄される。
【0113】次に各ウェルU1に検体の分注を行う。先
ず、分注ノズル45は、ステージ機構30と搬送部90
との協動により検体用チップホルダ26に搬送され、何
れかのチップ位置で検体用チップT1の装着が行われ
る。チップ装着後、分注ノズル45は検体ストッカ22
に搬送され、何れかの検体容器Kに位置決めされて検体
を所定量吸引する。このとき検体用チップT1及び検体
容器Kについても、送り方向最前列の右から順に選択す
るようにしても良い。
【0114】検体吸引後、分注ノズル45は希釈用プレ
ートUに検体の吐出を行う。このときも、希釈用プレー
トUの送り方向最前列右側のウェルU1に対して検体の
吐出を行い、吐出後、検体用チップT1はチップ廃棄部
13にて廃棄される。そして、各検体ごとに同様の手順
で対応するウェルU1に吐出される。
【0115】希釈用プレートUの各ウェルU1への各検
体の吐出が完了すると、加振機構80が一定時間作動
し、各ウェルU1内の攪拌が行われる(ステップS
2)。
【0116】一方、アッセイプレートPの各ウェルP1
には、所定量の希釈液の分注が行われる(ステップS
3)。このときの希釈液の分注動作は、ステップS1の
場合と同様である。即ち、分注ノズル45に試薬用チッ
プT3が装着され、希釈液L1aが吸引されると共に試
薬用チップT3内に微少量の空気Aを吸入し続けたまま
チップ廃棄部13に搬送される。そして、このチップ廃
棄部13に希釈液L1aの一部L2aを吐出した後、各
ウェルP1に分注ノズル45を位置決めして残りの希釈
液L3aを吐出し、その後試薬用チップT3が廃棄され
る。
【0117】次に、希釈用プレートUの各ウェルU1内
の希釈された検体がアッセイプレートPの対応するウェ
ルP1に移送される(ステップS4)。即ち、希釈用チ
ップT2の装着、ウェルU1内の所定量の検体の吸引、
対応するアッセイプレートPのウェルP1への吐出、使
用済みチップの廃棄が各ウェルU1ごとに繰り返し行わ
れる。これにより、各検体は更に希釈される。
【0118】次に、アッセイプレートPはステージ機構
30により温度維持機構50内に搬送される。この温度
維持機構50においてアッセイプレートPはヒータ51
により好適な温度に保温される。更に、アッセイプレー
トPに予め塗布された試薬と各検体との反応の均一化或
いは反応促進の為、加振機構80によりアッセイプレー
トPの攪拌が行われる。この攪拌に際しては、ステージ
機構30により温度維持機構50の外部に移動させてか
ら行っても良い(ステップS5)。
【0119】所定時間温度維持機構50で保温される
と、アッセイプレートPの各ウェルP1は洗浄される
(ステップS6)。先ず洗浄に際しては、ステージ機構
30の搬送により保持枠体28上に設けられた洗浄槽2
9が洗浄機構60の各ノズル対の列の真下に位置決めさ
れる。そして、洗浄マニホールド62を退避高さから吸
引高さまで直接下降させ。洗浄液吐出埜ズル62aを作
動中の洗浄液圧送ポンプと接続し吸引ノズル62bを作
動中の吸引ポンプと接続する。これにより、洗浄槽29
内に洗浄液が吐出されて吸引ノズル62bの先端部が洗
浄されると共に洗浄液が吸引される。そして、一定時間
経過後、先ず洗浄液吐出ノズル62aとポンプとの接続
が断たれ、しかる後に吸引ノズル62bとポンプとの接
続が断たれる。これにより、洗浄槽29内の洗浄液は全
て吸引される。そして、洗浄マニホールド62は退避高
さまで戻される。
【0120】次に、アッセイプレートPはステージ機構
30により洗浄機構60に搬送される。このとき、アッ
セイプレートPのウェルP1の送り方向の最前列が洗浄
機構60の各ノズル対の列の真下に位置決めされる。そ
して、洗浄マニホールド62が退避高さから吸引高さま
で降ろされ、吸引ノズル62bを作動中の吸引ポンプと
接続することで最前列のウェルP1の検体が吸引され
る。そして、洗浄マニホールド62を吐出高さに引き上
げて洗浄液吐出ノズル62aから洗浄液を吐出する。更
に洗浄マニホールド62を吸引高さに下降させ、ウェル
P1内の洗浄液を吸引する。この洗浄液の吐出と吸引と
を設定回数繰り返し行うと、洗浄マニホールド62は退
避高さに戻され、更にステージ機構30によりアッセイ
プレートPを次の列まで送り、同様の洗浄を行う。この
洗浄動作を全ての列について行うことによりアッセイプ
レートPの全てのウェルP1について洗浄が行われる。
【0121】ここで、上記洗浄により各ウェルP1内の
検体は洗い流されてしまうが、予めウェルP1内に塗布
された試薬中に各検体は浸透し反応は既に行われている
状態にあるので、後の工程で行われる測定結果には影響
を及ぼすことはない。
【0122】次に、アッセイプレートPの各ウェルP1
に第1の試薬(酵素標識抗体液)の分注が行われる(ス
テップS7)。この第1の試薬の分注動作は、ステップ
S3の希釈液の分注動作と略同様に行われる。即ち、分
注ノズル45に図20(A)に示す試薬用チップT3が
装着され、図20(B)に示す第1の試薬L1bが吸引
されると共に試薬用チップT3内に図20(C)に示す
微少量の空気Aを吸入し続けたままチップ廃棄部13に
搬送される。そして、このチップ廃棄部13に図20
(D)に示す第1の試薬L1bの一部L2bを吐出した
後、各ウェルP1に分注ノズル45を位置決めして残り
の第1の試薬L3bを吐出し、その後試薬用チップT3
が廃棄される。尚この場合、図21に示す「希釈液」を
「試薬」と、「希釈用プレートU」を「アッセイプレー
トP」と読み替える。
【0123】第1の試薬分注後のアッセイプレートP
は、ステップS5と同様の動作により撹拌と保温が行わ
れる(ステップS8)。そして、所定時間の保温後には
ステップS6と同様の動作により各ウェルP1内の洗浄
が行われる(ステップS9)。
【0124】更に、第1の試薬の洗浄後には、ステップ
S7と略同様の動作により第2の試薬(発色基質液)の
分注が行われ(ステップS10)、続いてステップS8
と同様の動作により撹拌と保温が行われる(ステップS
11)。
【0125】所定時間の保温後にはアッセイプレートP
の各ウェルP1に、第3の試薬(停止液)がステップS
7と同様の動作により分注される(ステップS12)。
【0126】そして、この第3の試薬が分注されると、
酵素免疫反応測定の為に各ウェルP1の吸光度測定が行
われる(ステップS13)。この吸光度測定は反応測定
機構70にて行われる。この反応測定機構70では測定
の前準備として、照射部71とセンサ保持体72との間
に何も無い状態で尚且つフィルタ選択手段74では貫通
穴73bを選択した状態でハロゲンランプ71aの照射
光をフォトダイオード72aで受光する。パーソナルコ
ンピュータではこのときのセンサ出力を、後の測定デー
タの補正用のブランクデータとして記憶する。
【0127】次に、アッセイプレートPの送り方向のウ
ェルP1の最前列がステージ機構30により照射部71
とセンサ保持体72との間に位置決めされる。また、フ
ィルタ選択手段74では測定に応じたバンドパスフィル
タ73aを選択し、位置決め付勢手段79は、フォトダ
イオード72aが最も右側に位置するウェルP1の真下
となるようにスライダ78の位置決めを行う。
【0128】そして、ハロゲンランプ71aを発光さ
せ、フォトダイオード72aによるウェルP1の透過光
を検出することで吸光度が測定される。そして、位置決
め付勢手段79によりスライダ78をウェルP1の一間
隔分左に移動させるごとに各ウェルP1の吸光度測定を
行い、一列分のウェルP1に対する測定が済むと、ステ
ージ機構30により次の列まで搬送し、これらを繰り返
すことでアッセイプレートP上の全てのウェルP1につ
いての吸光度測定が行われる。
【0129】上記測定結果は全てパーソナルコンピュー
タに記憶され、前述したブランクデータによる補正を行
うことで正式な測定結果を得ることができる。
【0130】以上のように、酵素免疫反応測定装置10
は、試薬・検体トレー20と、その搬送を行うステージ
機構30と、検体又は試薬の分注を行う分注機構40と
アッセイプレートPの温度維持機構50と、ウェルP1
の洗浄機構60と、反応測定機構70と、アッセイプレ
ートPの加振機構80とを全て一台に備えたことによ
り、アッセイプレートPに対する複数の検体の分注作
業、試薬の分注作業及びアッセイプレートPの保温作
業、洗浄作業、撹拌作業及び反応測定の一連の作業の自
動化を図ることが可能である。
【0131】ここで、試薬等の分注動作において、試薬
等を吸引した後に試薬用チップT3内に微少量の空気を
吸入しているので、試薬等の滴下(試薬用チップT3内
からの滴下、試薬用チップT3の外壁面に付着した試薬
等の滴下)を防止することができる。更に、分注ノズル
45の移動中にあっても試薬用チップT3内に微少量の
空気を吸入しているので、試薬等の滴下をより防止する
ことができる。これにより、分注に要する試薬等の量が
不足するという事態を防止することができ、且つ、酵素
免疫反応測定装置10内の汚れの防止に寄与することが
できる。
【0132】また、上述した空気の吸入動作の後、一旦
吸引された試薬等の一部をチップ廃棄部13に吐出し、
しかる後、分注をし始めるので、分注ノズル45の移動
に起因する振動等によって上下動した試薬等の液面(試
薬用チップT3の吐出側の液面)を均一化することがで
きる。これにより、全てのウェルP1,U1における吐
出量を均一化することができる。
【0133】このように、本実施形態においては従来例
の不具合を制御部にて制御することによって解決し安定
した分注動作を行うことができる。この為、原価の増加
を抑制することができ、従来例にて例示したボタ落ち防
止用の皿等を有する酵素免疫反応測定装置10にあって
は原価の低減を図ることができる。
【0134】次に、上述の分注機構40の分注部41が
試薬・検体トレー20の往復移動領域に交差して往復自
在であり、試薬・検体トレー20の端部に保持枠体28
を設けると共に試薬・検体トレー20の移動領域であっ
て保持枠体28の装着部側に隣接して温度維持機構5
0,洗浄機構60及び反応測定機構70を配置している
為、ステージ機構30によりアッセイプレートPを分注
機構40,温度維持機構50,洗浄機構60及び反応測
定機構70の何れにも搬送することが可能である。従っ
て、試薬・検体トレー20の搬送とアッセイプレートP
の搬送についてそれぞれ独立した搬送機構を設ける必要
が無く、部品点数の低減による生産性の向上並びに装置
の小型化及び軽量化を図ることが可能である。
【0135】また、分注機構40の搬送部90が分注部
41を試薬・検体トレー20の往復移動方向に直交する
方向に沿って搬送するので、試薬・検体トレー20及び
アッセイプレートPに対する分注ノズル45の位置決め
が直交座標系の演算により求めることができ、演算処理
を容易に行うことが可能となる。
【0136】更に、保持枠体28を試薬・検体トレー2
0の端部から突出させ、温度維持機構50の筐体52に
おけるアッセイプレート及び保持枠体の移動領域Rとの
重複する部位を切り欠いた構造としているので、試薬・
検体トレー20の移動によりアッセイプレートP及び保
持枠体28を温度維持機構50の筐体52内部に搬送す
ることが可能である。従って、温度維持作業に際し、温
度維持機構50に対するアッセイプレートPの収容と取
り出しとを行う為の独立した機構を設ける必要が無く、
部品点数の低減による更なる生産性の向上並びに装置の
小型化及び軽量化を図ることが可能である。
【0137】また、酵素免疫反応測定装置10では、保
持枠体28を介してアッセイプレートPを振動させる加
振機構80を試薬・検体トレー20上に設けたので、当
該加振機構80にアッセイプレートPを搬送する独立し
た搬送手段を設ける必要が無く、部品点数の低減による
更なる生産性の向上並びに装置の小型化及び軽量化を図
ることが可能である。
【0138】更に、保持枠体28にはアッセイプレート
Pと希釈用プレートUの各々配置領域である凹部28
a,28bを設けたので、希釈用プレートUで予め希釈
を行い更にアッセイプレートPで希釈を行うことによ
り、より低い濃度まで希釈を行うことが可能になる。更
に、保持枠体28を介してアッセイプレートP並びに希
釈用プレートUに対して同時に撹拌作業を行うことがで
きるので、作業時間の短縮化を図ることが可能となると
共に、希釈用プレートUの為に独立した加振機構80を
設ける必要が無く、部品点数の低減による更なる生産性
の向上並びに装置の小型化及び軽量化を図ることが可能
である。
【0139】
【発明の効果】本発明に係る検体試験装置は、一旦吸引
された試薬等の液体の一部を事前吐出部に吐出し、しか
る後、分注をし始めるので、分注ノズルの移動に起因す
る振動等によって上下動してしまう最初の液体分注用凹
部における液面位置(チップの吐出側の液面位置)と残
りの液体分注用凹部におけるその液面位置とを均一化す
ることができる。そしてこれにより、全ての液体分注用
凹部における吐出量の均一化を図ることができる。
【0140】この場合、事前吐出部をマイクロプレート
の近傍に配設することによってこれら相互間の搬送距離
を短縮し、この搬送に起因する液面への影響を減らすこ
とができるので、更に吐出量の均一化を図ることができ
る。また、事前吐出部からマイクロプレートまでの搬送
速度を遅くすることによっても、この搬送に起因する液
面への影響を減らすことができるので、より吐出量の均
一化を図ることができる。ここで、分注に要する必要量
よりも多めに容器から液体を吸引することによって、分
注に要する液体が不足してしまうという事態を防止する
ことができる。
【0141】次に、上述した液体の事前吐出の前段階に
おいて、液体を吸引した後にチップ内に微少量の空気を
吸入しているので、液体の滴下(チップ内からの滴下、
チップの外壁面に付着した液体の滴下)を防止すること
ができる。更に、分注部(分注ノズル)の搬送中にチッ
プ内に微少量の空気を吸入し続けているので、液体の滴
下をより防止することができる。これにより、分注に要
する液体の量が不足するという事態を防止することがで
き、且つ、装置内の汚れの防止に寄与することができ
る。
【0142】本発明は従来例の不具合を制御部にて制御
することによって解決し安定した分注動作を行うことが
できるので、原価の増加を抑制することができる。また
例えば、従来例にて例示したボタ落ち防止用の皿等を有
する装置にあっては原価の低減を図ることができるとい
う、従来にない優れた検体試験装置を得ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態たる酵素免疫反応測定装置の各
部の配置を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2は酵素免疫反応測定装置の各部の配置を概
略的に示す平面図である。
【図3】酵素免疫反応測定装置で使用するアッセイプレ
ートを示す図であり、図3(A)はアッセイプレートの
平面図であり、図3(B)はアッセイプレートを正面方
向からみた断面図である。
【図4】図4は試験時における試薬・検体トレーの斜視
図である。
【図5】図5(A)は保持枠体の平面図,図5(B)は
図5(A)におけるW−W線に沿った断面図である。
【図6】図6は加振機構の分解斜視図である。
【図7】図7はステージ装置の平面図である。
【図8】図8は蓋体を開いた状態の筐体を示す斜視図で
ある。
【図9】図9はアッセイプレート及び保持枠体の移動領
域と温度維持機構の筐体の切り欠きの関係を示す斜視図
である。
【図10】図10(A)は反応測定機構の正面図,図1
0(B)は側面図である。
【図11】図11は洗浄機構の正面図である。
【図12】図12は洗浄機構の一部省略した左側面図で
ある。
【図13】図13は分注機構の搬送部の平面図である。
【図14】図14は分注機構の分注部の正面図である。
【図15】分注部の先端部のチップの取付を示す説明図
であり、図15(A)は検体用チップを装着した状態を
示し、図15(B)は試薬用チップを装着した状態を示
す。
【図16】図16(A)はチップ廃棄部の斜視図であ
り、図16(B)は正面図である。
【図17】図17はプレートカバーと保持枠体に保持さ
れたアッセイプレートとの位置関係を説明する説明図で
ある。
【図18】図18はプレートカバーの斜視図である。
【図19】図19は酵素免疫反応測定装置の動作の順番
を示すフローチャートである。
【図20】図20は試薬用チップと吸引された希釈液若
しくは試薬との関係を示す説明図であり、図20(A)
は吸引前の状態を示し、図20(B)は吸引後の状態を
示し、図20(C)は微少量の空気を吸入した状態を示
し、図20(D)は希釈液若しくは試薬の一部を吐出し
た状態を示す。
【図21】図21は分注機構の分注動作の順番を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10 酵素免疫反応測定装置(検体試験装置) 13 チップ廃棄部(事前吐出部としても使用) 40 分注機構 41 分注部 90 搬送部 A 微少量の空気 L1a 希釈液(液体) L1b 試薬(液体) L2a 希釈液の一部(液体の一部) L2b 試薬の一部(液体の一部) P アッセイプレート(マイクロプレート) P1 ウェル(反応用凹部) T3 試薬用チップ U 希釈用プレート(希釈作業を行う為の他のマイクロ
プレート) U1 ウェル(液体分注用凹部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G058 AA09 BA01 BB07 BB12 BB14 CC01 CC19 CD11 EA02 EA11 ED02 ED33 ED36 FA03 FB03 FB05 FB12 GE03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試薬等の液体が入った容器から当該液体
    が分注される複数の液体分注用凹部を有するマイクロプ
    レートを少なくとも一つ載置すると共に、当該マイクロ
    プレートの各液体分注用凹部にて検体と前記試薬との反
    応が行われることによって検体の反応試験を行う検体試
    験装置であって、 前記マイクロプレートの各液体分注用凹部に前記液体の
    分注を行う分注機構と、当該分注機構の動作を制御する
    制御部とを備え、 前記分注機構が、前記容器内の液体を吸引し且つ吐出す
    る分注部と、当該分注部を搬送する搬送部とを有し、 前記制御部は、前記分注部が前記容器内の液体を吸引す
    るよう指示する液体吸引機能と、当該吸引した液体の一
    部を吐出するよう指示する事前吐出機能と、前記吸引し
    た液体を前記各液体分注用凹部に分注するよう指示する
    分注機能とを有し、 この制御部は、分注を行う前に前記事前吐出を行うこと
    を特徴とした検体試験装置。
  2. 【請求項2】 前記液体の一部を、前記容器に吐出し、 この容器を、前記マイクロプレートの近傍に配設するこ
    とを特徴とした請求項1記載の検体試験装置。
  3. 【請求項3】 前記吐出された液体の一部の吐出用受け
    皿たる事前吐出部を備え、 前記液体の一部を、前記事前吐出部に吐出することを特
    徴とした請求項1記載の検体試験装置。
  4. 【請求項4】 前記分注部に、前記液体の吸引及び吐出
    用の管状体を装備し、 前記制御部は、前記液体の吸引後、前記分注部を前記事
    前吐出部に搬送するよう指示する搬送機能と、当該搬送
    中に前記管状体内に微少量の空気を吸入し続けるよう指
    示する空気継続吸入機能とを有することを特徴とした請
    求項3記載の検体試験装置。
  5. 【請求項5】 試薬等の液体が入った容器から当該液体
    が分注される複数の液体分注用凹部を有するマイクロプ
    レートを少なくとも一つ載置すると共に、当該マイクロ
    プレートの各液体分注用凹部にて検体と前記試薬との反
    応が行われることによって検体の反応試験を行う検体試
    験装置であって、 前記マイクロプレートの各液体分注用凹部に前記液体の
    分注を行う分注機構と、当該分注機構の動作を制御する
    制御部とを備え、 前記分注機構が、前記容器内の液体を吸引し且つ吐出す
    ると共に当該液体の吸引及び吐出用の管状体を装備した
    分注部と、当該分注部を搬送する搬送部とを有し、 前記制御部は、前記分注部が前記管状体から前記容器内
    の液体を吸引するよう指示する液体吸引機能と、前記管
    状体内に微少量の空気を吸入するよう指示する空気吸入
    機能と、前記吸引した液体の一部を吐出するよう指示す
    る事前吐出機能と、前記吸引した液体を前記各液体分注
    用凹部に分注するよう指示する分注機能とを有し、 この制御部は、前記液体の吸引直後に前記微少量の空気
    を吸入し、且つ、分注を行う前に前記事前吐出を行うこ
    とを特徴とした検体試験装置。
  6. 【請求項6】 前記吐出された液体の一部の吐出用受け
    皿たる事前吐出部を備え、 前記液体の一部を、前記事前吐出部に吐出することを特
    徴とした請求項5記載の検体試験装置。
  7. 【請求項7】 前記制御部は、前記微少量の空気を吸入
    した後、前記分注部を前記事前吐出部に搬送するよう指
    示する搬送機能と、当該搬送中に前記管状体内に微少量
    の空気を吸入し続けるよう指示する空気継続吸入機能と
    を有することを特徴とした請求項6記載の検体試験装
    置。
  8. 【請求項8】 前記事前吐出部を、前記マイクロプレー
    トの近傍に配設することを特徴とした請求項3,4,6
    又は7記載の検体試験装置。
  9. 【請求項9】 前記制御部は、前記事前吐出部から前記
    マイクロプレートまでの前記分注部の搬送速度を、前記
    容器から前記事前吐出部までの搬送速度に対して遅くす
    る搬送速度調節機能を有することを特徴とした請求項
    3,4,6,7又は8記載の検体試験装置。
  10. 【請求項10】 前記液体吸引機能は、前記液体を、分
    注に要する必要量よりも多めに前記容器から吸引する機
    能を新たに備えることを特徴とした請求項1から9の何
    れか一つに記載の検体試験装置。
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